波動エンジン

登録日:2024/03/17 (日曜日) 11:00:00
更新日:2024/03/25 Mon 22:40:46
所要時間:約 3 分で読めます




「波動エンジン、出力80パーセントから100パーセント」

「フライホイール、接続点火」

「ヤマト、発進!」


波動エンジンは宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場する架空のエンジンである。
宇宙戦艦ヤマトの根幹をなすテクノロジーで、これを地球が手に入れたことで物語は始まった。

【概要】

主役たるヤマトを始めとして、作中で登場する宇宙船に搭載された動力機関の一種。
ガミラスによって滅亡寸前に追い詰められていた地球にイスカンダルから送られたオーバーテクノロジーで、これを使って初めて地球人類はガミラスに対抗可能な戦力を持ち、人類初の超光速飛行を可能にした宇宙戦艦ヤマトを完成できた。
起動にはずみこそ必要だが、一度起動してしまえば事実上の永久機関であり、一度に取り出せるエネルギーこそ限度があるものの、燃料を必要とせず半永久的にエネルギーを取り出すことができる。
その性能は歴代の敵勢力のエンジンと比べても頭一つ抜けており、明確に波動エンジン以上のエンジンを持つ敵勢力は2520のセイレーン連邦が使うモノポールエンジン以外にない。
ただし滅亡寸前の地球でも作れた代わりにコスモナイトなどの希少資源のせいからか量産には向かないようであり、復興した地球でも搭載されているのは軍艦のみで、民間船は航続距離に限界のある別のエンジンを積んでいる*1
波動砲と同系統のデスラー砲を持つガミラスおよびガルマン・ガミラスにおいてもデスラー砲搭載艦はわずかだった。

【性能】

ヤマトの船体を艦中央部から艦尾にまで中心部を貫くようにして取り付けられている。
機関部で見える外観はオレンジ色の巨大な円筒が寝かされている感じ。
帯を巻くようにして巨大なフライホイールが取り付けられており、エンジン出力が上がるとこれが赤熱しながら回転を始める。
機関室には徳川彦左衛門機関長以下の機関部員が数十名勤務しており、レバーやダイヤル、場合によってはスパナなどで精密に調整することで機関部を安定させている。
エネルギーの原動力となるのは光を超えた速さを持つタキオン粒子。これを使用することで得られるエネルギー量はひとつの小宇宙に匹敵するほどで、ヤマトの無敵の戦闘力はこのパワーあってのこと。
ただし人類初の波動エンジンであるヤマトの波動エンジンは技術の熟成がなく不安定で、頻繁に故障や不具合を発生させていた。
例、ワープ直後に船体に損傷が発生し、しばらく後にエンジンが不調になる。波動砲発射後にエネルギー伝導管が焼け、修理用のコスモナイトが必要になる。
ヤマト2の時代では自動化を押し進めた新型波動エンジンが完成している。
アンドロメダなどの地球防衛艦隊はこれを装備しており、新型の増幅装置により波動砲のチャージはヤマトより格段に速く、機関部も人の姿は見えない。
だがヤマトは旧型のままでかつ頻繁にエンジンに無茶をさせるので機関部員の苦労は察するに余りある。
ヤマトよ永遠にでは大規模改装が波動エンジンにも行われ、スーパーチャージャーや2連フライホイールが装備されたことで連続ワープや新波動砲が使用可能になっている。
特に連続ワープについては追撃していた黒色艦隊のカザン司令をして「なんと速いワープだ」と言わしめた。
ただし真田技師長の過度な自動化への不信感からか自動化は行われず、機関室で大勢の機関部員が必死で走り回る光景は完結編まで続いた。

復活篇においてはさすがに省人力化の波には抗えず、天馬兄弟の二人で調整可能となっている。
そんなハイテクのエンジンをスパナ一本で直した太助はどんな神業を使ったのやら。

2520の時代においては地球連邦ではまだ主力エンジンだが、より強力なモノポールエンジンを持つセイレーン連邦では使われていない。
しかし研究用に鹵獲されたものがセイレーン連邦でも保管されており、これを発見したナブたちの思いつきで第18代YAMATOのモノポールエンジンを動かすための補助エンジンとして利用することになった。
これにより誕生したのがハイブリッド機関「波動モノポールエンジン」である。その出力はものすごく、旧ヤマトでは不可能であった波動砲の航行しながらの発射などの芸当も可能にしている。

【機関部員】

制服にオレンジ色のラインが通っているのが機関部員の特徴。
初代機関長は徳川彦左衛門、新たなるからの二代目機関長は山崎奨。
復活篇での実質三代目機関長は徳川太助。
機関長は通常では第一艦橋の機関長席で指揮を執るが、重大事には自ら機関部に降りてエンジンを操作する。
機関部員は藪助治、徳川太助、赤城大六など。

【波動エネルギー】

波動エンジンから取り出されるエネルギーは、特別に波動エネルギーと呼び称される。
タキオン粒子をなんらかの加工したものと思われるが特殊な性質をいくつか持っており、ヤマトの危機を救うことがあった。
まず圧縮することによって、惑星を破壊することも可能な超兵器・波動砲へ転用できる。
また、コンデンサーかバッテリーのように蓄積遮封することも可能であり、波動エネルギーを炸薬として充填した「波動カートリッジ弾」「波動爆雷」も作成されて大きな成果をあげている。

他のエネルギーと干渉する性質も有していて、暗黒星団帝国の使用するエネルギーとは反応して対消滅を起こす*2
この反応の生み出す爆発力は想像を絶しており、波動カートリッジ弾数発で巨大なゴルバ型浮遊要塞7基が誘爆して全滅。波動砲を惑星デザリアムの水晶都市に撃ち込んだ際はデザリアム星のみならず周辺の二重銀河そのものが崩壊してしまった。
この反応現象をいち早く察知した暗黒星団帝国はやっきになってヤマトを捜索したが、逆に言えば波動エネルギーの存在が容赦のない暗黒星団帝国の侵攻を招いた一因と言えるかもしれない。
逆にディンギル帝国の使用したニュートリノビームとは進行を停止させる反応を示し、偶然漏れ出た波動エネルギーが障壁となってニュートリノビームからヤマトは救われることになった。

2520のモノポールエネルギーとは残念ながらOVAの製作が追いつかなかったが、波動エネルギーと融合させて放つ18代YAMATO最強の超兵器である「ツインノヴァ波動砲」が装備されていることが設定されていた。

これらから、非常に高い可能性と危険性を併せ持つエネルギーであることがわかるだろう。

【波動砲】


【補助エンジン】

波動エンジンのノズルの下に装備されている小さな二基のノズルのことである。
主な活用方法は波動エンジンを始動させるときのスターター。
航行時には波動エンジンの出力が強大なので目立たないが、海中ドックを出る時などメインエンジンの出力では大きすぎる場所を航行する場合には活用される。
だが、補助エンジン最大の見せ場は波動エンジンが使えないピンチの時である。
上記の通り、ヤマトの波動エンジンはやたらとトラブルや損傷に見舞われることが多い。そんなときに、補助エンジンでしのいで波動エンジンの修理の時間を稼ぐのがヤマトの王道パターン。
地味だがヤマトにとっては無くてはならない重要な装備であり、ヤマトの危機を救い続けてきた縁の下の力持ちである。
ちなみに波動エンジンと違って、どんな原理で動いているエンジンなのかは一切不明。

余談だが補助エンジンのノズルのすぐ後ろが艦載機発着口になっているのだが、干渉とかがどうなっているのか不明。

2520では上記の通り波動エンジンが補助エンジンとなっている。


追記・修正、接続点火!
この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • アニメ
  • 宇宙戦艦ヤマト
  • 波動エンジン
  • エンジン
  • 機関
  • 宇宙船
  • オーバーテクノロジー
  • 永久機関
  • 宇宙戦艦ヤマト2199
  • イスカンダル

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月25日 22:40

*1 ヤマトⅢでは地球脱出のための移民船が急ピッチで建造されていたが波動エンジンは搭載されていないことが明言されている

*2 PS2版ゲームでは「波動融合反応」と命名されている