フランス政府機関の調査報告に掲載された
アバターコースは、フランス国会のカルト調査委員会で、フランス国家警察の情報機関・総合情報局(フランス内務省管轄)が調査し、満場一致で通過した報告書に掲載されている。(1995年、1999年)この報告書は、カルトが何をしているかを議会でまとめた報告であり、カルト団体しか掲載されていない。またフランス政府は、カルトへの戦いと信教の自由や政教分離とを両立させなくてはいけないため、特定の団体をカルトと指定して取り締まることはできない。
ただし、フランス政府は、個人の自由に危険な影響があると思われる団体は監視を行っている。それらの団体リストは1995年の議会報告書のリストに掲載され、アバターコースもそのひとつだった。アバターコースは、1999年のカルトの資金源とその流れに関する議会委員会でも、報告書に詳しく記述されている。(1999年)
報告書について
1993年、1994年に起きたカルト教団の集団自殺に危機感を感じたフランス政府は、フランス国内にどれだけのカルトがあり、どんな活動をしているのかを調べる必要に迫られた。調査は、フランス国内のカルト監視・カルト問題啓発グループ・脱会後に心理的な傷をケアする民間団体などの協力で、フランス国家警察の情報機関が行った。
1995年のフランス議会カルト調査委員会報告
1995年に作成された報告書に基づいて、セクト対策室が設置された。
国会に報告された調査の中で、信者50人~500人のカルトリストにアバターコース(Star's edge international - Méthode Avatar)が掲載された。
1999年のフランス議会カルト委員会報告
約30団体にしぼり、金銭に関する問題について国会で報告書が作成された。
- 「"職業訓練市場で最も活動的なカルト"の一つ」
- アバターコースの概要
- フランス国内での活動状況
- フランス電力公社、特に原子力発電所で、300人の幹部がアバターメソッドを元にした職業訓練を受けるところだったが、監査で気が付き、それらの会社との契約を解除した
- 参加費用
- 合計で集めた額が2,013,449フランス・フランであること
- 「カルトのメソッドが公共から多額の資金を集める例」
- 複数の地方紙で、アバターコースのフランス代表の別団体が広告を出していたこと
- ある地域のアバターマスターが主導する別活動にも注視したこと
- アバターマスターが30%から40%をスターズ・エッジ社に送っていること
アバターコースについて書かれている部分の原文 (親項目略) |
フランス語ですが、"Avatar"と言う文字があるのは確認でき、フランス警察や政府がかなり警戒していることがわかると思います。
カルトと金 1999年6月10日
A.組織
1)国際本部 - アメリカフロリダ州
2)フランスの代表 - 登録された国レベルの組織なし
3)フランスにある協会または地域支部:
- アバターメソッドは、自分たちの収入の一部をそのカルトの国際本部に送る60数人の「卒業生」(「マスター」)によって伝播されている。
B. - フランスでの財政団体
年収、資産ともデータなし
C.経済的なネットワーク
活動 |
下部企業 |
下部協会 |
合計 |
「メタ心理学」教える |
|
1* |
1 |
個人開発 |
1 不動産会社** |
1 |
2 |
訓練とコンサルティング |
1 有限会社 1 単一出資有限会社 |
|
2 |
合計 |
3 |
2 |
5 |
*: 医療コミュニティや教員を含む
**: 不動産業と言う本人の立場に関係の無い活動
同じ項目でとりあげられたセミナー形式の団体
- サイエントロジー
- ランドマークエデュケーション
- アバターコース
- Au Coeur de la Communication
- シルバメソッド
- Insight Seminars
その後のフランス政府の動き
1995年に最初のカルト委員会の報告書に基づいてセクト対策室が設置され、1998年にはMILS(カルトと戦う省庁間ミッション)を、2002年には大統領令に基づき
MIVILUDES(カルトの常軌を逸した行動と戦い監視する省庁間ミッション)が発足。フランス内務省の上級職員がミッション長となった。
2005年、フランス首相が通達を出し、継続的な常時警戒を強調。時間とともに各団体が変化、消滅、分散し、1995年のリストでは、カルト団体を追い切れていないことを懸念すると同時に、フランス政府はカルトに対する戦いと、公共の自由、政教分離とのバランスをとる必要があるとした。またスタッフには、団体への監視を強化するよう要請した。
フランス政府以外がアバターコースをとりあげた例
スイス
- カルト問題啓発と電話などによる助言を行っている
- スイスチューリッヒ市とチューリッヒ州の支援を受けている
- スタッフや顧問に社会学者、心理学者、行政関係者が多い
- チューリッヒ大学の研究者
- チューリッヒ健康・依存症調査研究所(WHOと協力している機関)の調査部長
- ジャーナリスト
- 元教師(チューリッヒ市薬物防止局職員)
- 職業訓練団体のコンサルタント
- 1996年、1998年、1999年、2001年、2002年、2003年のカルトに関する活動報告でアバターコースの名前が掲載されている
- ある年のアバターコースに関する問い合わせは74件、そのうち決断への助言や問題解決への助言を求めるカウンセリングケースは29件「秘伝グループ」で5番目だった
- 同じカテゴリーではサイエントロジーが1位
- アバターコースを「ニューエイジ変形団体」と表現している (ニューエイジは、サイエントロジーなどの新興宗教団体のこと)
ドイツ
- ドイツ全土にあるカルト監視団体のネットワーク。1978年に結成、現在17団体が参加している
- 思想的・宗教的・政治的中立がモットー。消費者保護の観点からカルト監視を行っている。その団体がカルト(セクト)かどうかは、信じていることやそのメンバーではなく、その行動を見て決めているとしている。FECRIS(カルト情報調査のヨーロッパ連合)加盟団体
- 各団体が上げた団体リスト59団体のひとつとしてアバターコースも掲載されている
- サイトにはハンブルグで28万部発行する新聞 Hamburger Abendblattの投稿記事らしき「すでにアンは、アバターの強い管理下にある」が掲載されている
- ドイツ語 : ウード・シュスターのアバター入門
- ウード・シュスターは、ドイツのメガバンクでチーフクラークをやりながら「過激な宗教と精神依存への対抗を助ける父母の会」の理事をしている
- 過激な宗教と精神依存への対抗を助ける父母の会は、新興宗教やイデオロギー団体が引き起こす悲劇や問題に当事者が対処するために支える趣旨で作られた。1975年設立。
- ABIは1966年にシュツットガルト大学などの学生が組織し、貧困家庭を含め、すべての子どもが教育を受ける機会を提供することを目指した非営利団体。スタッフは、政府、法律家、産業界、教育者などからも参加し、運営のために公的な補助金が交付されている。
- レポートを書いたヘルガ・ラーへンミューラー博士はABIの法務部門に参加している。著書に、動物療法、ABIの遠隔教育など。
- アバターコースの成り立ちと内容
- ハリー・パルマーが10年間サイエントロジーで活動し、ニューヨークの支部の長であったこと
- ドイツのアバターコース提供者は、一般にサイエントロジーとの関連を隠して活動している
アイルランド
- アドバイスや情報発信、学校などでの啓発活動などを行っている団体。FECRIS(カルト情報調査のヨーロッパ連合)加盟団体
- カルトの被害者、脱会者とその家族たちには、以前カルトにいたというレッテルがあるために、問題を挙げにくいため、代わりアイルランド政府と話し合っている。アイルランド政府が、ヨーロッパで珍しく、カルトについて組織として発言していないと不満があり、政府の話を10年以上聞いているが、今のところ成功していない
- 10年以上前にクレア州で、アバターコースに関連して家族関係や婚姻関係に問題が起きているケースが数件あり、そのころから監視を続けてきた
- アバターコースから「心からのメッセージ」と言う「超巨篇」が送られてきた。「ちょっかいを出すな」と言いたげな内容だった
- 「婚姻関係・家族関係・毎月のビザカードの支払いを気にしない相当な自己中心主義になる」
- あるセラピストが、勧誘されアバターコースに行くと言う友達にあてたメールを引用している。
- 「サイエントロジーのバックグラウンドがあると言う疑いがかなりあり、危険である」
- 「ハリー・パルマーは、サイエントロジーの衣を変えて、営業方法を変えただけのように見える」
- 「アバターコース公式サイトを見たが、確実に推薦できない。「無料」コースもその先のサイエントロジーのパーソナルテストと同じようなものに引っ張るためのものだろう。私のアドバイスとしては、とにかく離れなさい。(勧誘した)あなたの友達は鈍いことにアバターコースの影響を受けマルチ商法詐欺の一部になっている」
- また、ドイツで100万部発行する月刊誌Sternがアバターコースをとりあげた2002年10月17日号記事「新しいサイコカルト」の英訳を紹介していたリンクがあった(現在はリンク切れ)
その後のフランス政府の動き
1995年に最初のカルト委員会の報告書に基づいてセクト対策室が設置され、1998年にはMILS(カルトと戦う省庁間ミッション)を、2002年には大統領令に基づき
MIVILUDES(カルトの常軌を逸した行動と戦い監視する省庁間ミッション)が発足。フランス内務省の上級職員がミッション長となった。
2005年、フランス首相が通達を出し、継続的な常時警戒を強調。時間とともに各団体が変化、消滅、分散し、1995年のリストでは、カルト団体を追い切れていないことを懸念すると同時に、フランス政府はカルトに対する戦いと、公共の自由、政教分離とのバランスをとる必要があるとした。またスタッフには、団体への監視を強化するよう要請した。
最終更新:2013年10月29日 22:19