統一理論概論

統一理論とは

この世界における魔法に関して、その基本原理を大まかに規定する理論。
これまでの研究で培われた魔法に関する知見を元に構成されたものである。

魔法とは

この世界では、大きく分けて二つの「力」が認識されている。これらは大きな区分であり、それぞれが一つの要素によって構成されているとは限らず、またその詳細は未だ明らかとされていない。
1つは、「世界に満ちる力」。個々人の精神力として現れる力であり、生命体はもとより、大気や水といった空間中に広く存在する。また霊体を構成する要素でもある。
1つは、「この世ならざる力」。これは通常この世界に表出しない力であり、精霊等に代表される魔法生命体の力の根源とされる。
魔法とは、これら2種類の力に干渉、制御することで特殊な効果を発揮する技法を指す。
その目的と効果によって多くの魔法が存在しており、主だったものとしては
2つの力を反応させ超常現象を引き起こす、「魔術」
この世ならざる力に干渉し、現世に影響を及ぼす、「呪術」
世界に満ちる力を制御し、生命エネルギーを操る、「霊術」が存在する。
これらはさらに細分化され、多くの派生技術も生まれている。その数は把握するにはあまりに多く、また秘匿された物も存在することから、全てを網羅することはご容赦願いたい。
著者の知る物のみを以下に挙げる。
魔術によって物体の変質を試みる、「錬金術」
発動寸前の魔法を媒体に封じ込める、「符術」
世界や他者の意識を歪ませ、虚像を見せる、「幻想魔法」
世界の一部を改変し、特別な場を形成する「情報魔法」
影を媒体として反応を起こす、「影術」
血を制御し、変質させる、「鮮血魔術」
この他にも、個人レベルで築き上げた固有の技や複数の技術を組み合わせた特殊な流派が存在することは想像に難くない。

主要魔法各論

以下に、魔法の大きな分類を構成する3種、すなわち「魔術」「呪術」「霊術」について概説する。

魔術

魔術は、「世界に満ちる力」「この世ならざる力」という二つの力を、術者の魔力によって混合・反応させることで超常現象を引き起こす魔法である。
ここで言う魔力とは、術者の持つ潜在的な触媒能力であり、特に魔術に関する素質と思ってもらえれば良いだろう。
この魔術による反応は、魔力によって決定される反応の方向性によって炎や氷、雷など様々な形でこの世界に現象として現れる。
古くから二つの力の混合比率や反応の方向性に関して研究が行われており、これは魔学という一つの学問体系となっている。
こうした体系付けられた一定の反応を狭義の魔法とする声もあるが、本文では広い意味で魔法という用語を用いているので、ご注意願いたい。
先に述べたように、この魔学反応は術者の胸一つで様々な効果を発揮することが予想される。そのため最も多様な派生技術を持つ魔法であり、
裏を返せば術者の技量・知識次第で大きくその効果が左右されることとなる。
こうした魔術を用いる魔術師達は、その反応の持つ意味を十分に理解し、己が世界を改変、破壊し得る事を十分に認識して行動することが求められるだろう。

呪術

呪術とは、「世界に満ちる力」の助けを借りる事で、本来大きな力の流れである「この世ならざる力」の中から、自我を持った精霊や意味を持つエネルギーを引き出し、
制御する魔法である。この際必要となるのが、力の濁流の中から「何か」を感じ取る術者の感性であり、これは一般に呪力と表現される。
最も広く用いられている呪術は、恐らく精霊を使役するものであろう。これは「この世ならざる力」である精霊を、この世界に存在する媒体に呪力、及び「世界に満ちる力」を用いて
固定する魔法である。この術に長けた者は、精霊それ自身をこの世界に具現化する事すら可能であるとされ、幸運にも著者はその姿を目にしたこともある。
一方で呪術には他の生命体や世界に発生している魔法、果ては俗にアカシックレコードと呼ばれるモノにさえ干渉する術が存在している。
こうした事実を見る限り、呪術はその「この世ならざる力」に干渉するという性質から、強力な「制御」の力を持っていると考えることも可能ではないだろうか。

霊術

霊術という魔法は、我々生命体に最も大きな影響を及ぼす魔法であろう。超能力と呼ばれることもあるこの魔法は、「世界に満ちる力」を霊力、すなわち意志力を以て操ることを主眼としている。
それの意味する所とは、全ての生命体に存在し、またこの世界の隅々まで行き渡る糸を、操り人形師の如く自在に動かす事が出来るという事である。
自らの体を流れる「世界に満ちる力」を局在させ、一時的に身体能力を高める。他者の体に干渉し、破壊・攪乱・修復を行う。
また世界自体を動かし、物体を浮遊させる事や遠隔地の視界を得る術や、念話を行う術も存在する。
一方でこの霊術は、霊体にとって非常に大きな意味を持つ。そもそも霊体とは、死を迎え肉体を失った生命体の霊力が「世界に満ちる力」を集め「魂」として形作った存在である。
それ故「世界に満ちる力」を直に操作するこの霊術は、霊体にとって最も得意とする魔法であり、通常の生命体には不可能な生命体・物体の直接操作、また物理法則の無視を可能としている。
しかし霊術は、同時に自らに対して最も効果的な攻撃方法となり得る。魂を破壊する術。魂を器物に封じ込める術などは、その最たる例と言えよう。

おわりに

簡単な概要ではあるが、以上が著者の統一理論の大まかな内容となる。
これらは著者の知る魔法に関しての知識を著したものである。当然他の解釈や理論はあって然るべきであり、この著作に対する異論は大いに歓迎する。
最後に、著者直筆の統一理論を説明する図を載せておく。理解への一助とならん事を。
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参考文献

マギ・グリモワール ~基礎魔法入門~
幽霊図書館
及び全ての魔法の実践者達
最終更新:2009年09月08日 16:57