奈良県に出没する鬼火のたぐい。心ならず死んだ人々の霊魂がこの怪火になるといわれます。

 たとえば奈良市白毫町のジャンジャン火は白毫寺と大安寺の墓地からそれぞれ同時刻にスクランブルし、女夫川のあたりで合流、もつれ合うように編隊飛行を行った後もとの墓地へと帰投するのだそう。これは心中した男女が別々の場所に埋葬されたためジャンジャン火へと変じ逢瀬を重ねているのだと言います。
 また、中にはジャンジャン火同士で合戦をするものもあり、こいつらの場合は戦死者の霊魂のなれの果てといえるでしょうか。

「ジャンジャン火」の名前の由来は、出現時に「ジャンジャン」という音を立てるから。なんと景気のよさげなオノマトペ。まるで横山光輝版『三国志』における伏兵出現時の効果音(銅鑼の音とおもわれる)のようですごく素敵。

曹操「ここに伏兵がおれば兵は全滅であろう」
ジャーン、ジャーン、ジャーン!
曹操「げえっ、関羽!」
兵卒「むむむ、あれは関羽の伏兵ではなくジャンジャン火という妖怪でございます」
曹操「ならばよし!」

 みたいなかんじですごく素敵。そんなかんじで、横山スピリッツを内に秘めたかっけー妖怪なのでみんなも応援しよう。……まあ、厳密にいえば、「ならばよし」の出典のみは横山版『三国志』ではなくて王欣太の『蒼天航路』なんですけどね。あ、『蒼天航路』のアニメ化おめでとう! ついでに『レッドクリフ』パート2のサブタイトルが「未来への最終決戦」とかいって、滅茶苦茶ダサくておめでとう! ハハハ。こやつめハハハ。

 たまに何の紹介をしているのか自分でもわからなくなるときがありますが、とりあえず今回は妖怪「ジャンジャン火」の説明をこころみたつもりです。


  • そもそも赤壁は最終決戦でもなんでもないというのに・・・。 - XASH 2009-03-23 09:47:01
    • さらに言えば、蜀にも呉にも未来はないですよね。 - ヒモロギ 2009-03-23 20:52:24
  • お久しぶりです。じつはコイツの出現スポットの一つが勤務地付近なので、今度暇を見つけていってみます - 砂漠のタヌキ 2009-04-12 15:56:03
    • おお。死んでなお逢瀬を重ねるリア充怪火と御近所とは、やりきれませんなあ! - ヒモロギ 2009-04-12 17:29:19
  • 自分の近所は戦死者の成れの果てのほうですね。 - 砂漠のタヌキ 2009-04-25 13:36:20
    • ならばよし! ですね。ほんとよかった。 - ヒモロギ 2009-04-25 20:38:14
最終更新:2009年03月22日 23:36