ふたば系ゆっくりいじめ 605 家族の絆

家族の絆 43KB


虐待 制裁 自業自得 差別・格差 誤解・妬み 飾り 自滅 家族崩壊 親子喧嘩 同族殺し 共食い 越冬 ツガイ 赤子・子供 ゲス 自然界 現代 「餡子ンペ09」参加作品

『家族の絆』
タイポあき
5作目
「餡子ンペ09」参加作品

しがない小物ですが、にぎやかしに参加します。

※注意
 この作品について以下のことが当てはまります。
 ・ゆっくりは虐待か虐殺か駆除か愛でられます。または干渉されません。
 ・善良かゲスか賢いか普通のゆっくりが登場します。または登場しません。
 ・親子、差別、改造、群れのどれかの要素を含みます。または含みません。
 ・この注意書きが役に立つ保障はありません。

                   ***
暦の上では冬であっても、ここ最近は穏やかで暖かいが天候が続いている。
小春日和というやつだろう。

こういうときは、冬ごもり中のゆっくりたちも巣から出てくる。
少なくなった食料の補充もかねて、楽しいお散歩に。
久しぶりの日光浴を満喫しに。
どのゆっくりもも、狭い巣穴から解放されてのゆっくりを楽しんでいる。

「今日はゆっくりした水草さんを狩りにいくよ! れいむ達にも持ち帰ってあげようね!
お父さんのやっている様に、オールさんをしっかり持てば怖くないよ!」
『まりちゃは、ゆっくり理解したよ!』
「いくよ! すーい、しゅーい!」
『すーい、すーい!』

「お歌を歌ってお父さんたちを応援するよ! お母さんの後に続いてね!」
『れいみゅは、ゆっくり理解したよ!』
「ゆー、ゆゆゆ、ゆゆゆ、ゆっくりー!」
『ゆー、ゆゆゆ、ゆゆゆ、ゆっきゅりー!』

公園にある小川でも、羽を伸ばす一家の姿がみられる。
水上まりさの一家だろう。

水上まりさといっても、二つの意味がある。
一つは加工所の製品名で、水槽に入れて飼育するまりさ。
一日のほとんどを水上で過ごすまりさだ。
これが広義の水上まりさだ。

もう一つは、オールを巧みに使って水上を動き回るまりさ。
普通のまりさと違い、生まれながらにして水上移動のエキスパートである。
通常のまりさの9割以上は、水上移動を習得する過程で溺れ死ぬ。
それを考えると、その能力は脅威的ともいえる。
これは捨てられた加工所製の水上まりさが、野生のゆっくりと交雑して生まれた種である。
普通のまりさに比べて、お帽子が大きく立派なのが特徴だ。
しかし、地上活動に支障をきたすほどではない。
これが狭義の水上まりさだ。

この一家は、狭義の水上まりさ一家のようだ。
子ゆが沢山いるから、冬ごもりの食料が足りなくなったのだろう。
冬篭りに際して食べ盛りの子ゆが、合わせて二十匹近くいれば同然だ。
暖かい日を選んで、追加の狩りに来たのだ。

普通のゆっくり一家であれば、そんな真似はできない。
冬になればゆっくりに届く範囲の食料は、すべて採りつくされている。
待っているのは餓死か、あるいはエサの取り合いの抗争に巻き込まれるか。
いずれにしても、ゆっくりできない運命が待っている。

しかし、水上まりさ一家は違う。
地上の食料は採りつくされても、川の中には
やわらかくてとってもゆっくりした水草さんがたっぷりあるのだ。
加えて小川に点在する障害物には、しばしばあまあまさんが生えてくる。
それは、カビや腐敗の心配もない優れものである。

このあまあま、水草を目当てに小川に入ったは良いものの、
あんよがふやけて流された、ゆっくりの成れの果てである。
水温が低いために、完全に溶けてしまうことがないのだ。
ゆえにゆっくりが生きている限りは原型を保ち、カビや腐敗の心配もないのである。
それでもお口はふやけて喋れず、お飾りも大抵流されてしまうので、
まりさ一家があまあまの正体に気が付くことは無かった。

ともかく、この一家は水上活動が可能なことにより、
いつでも食料とあまあまが補充できる〈ゆうとぴあっ〉な日々を送っていたのだった。

                   ***
「はあ……」
この場に似つかわしくないため息をつく少年。
川岸の岩に腰掛けて、水上まりさ一家を眺めていたのだ。
まりさ一家の狩りの様子は微笑ましいものだったが、今の少年には逆効果だったようだ。
たった今親と喧嘩して、家を飛び出してきたからだ。

理由はありふれたものだ。
靴が小さくなったので、新しい靴を買ってもらえることになったのだ。
しかし買ってもらえるのは兄だけ。
彼には兄のお下がりだ。
いつもの光景である。
毎回のこととはいえ、何度も繰り替していれば小さな不満もたまる。
兄ばかりが優遇されているような気がして、それが爆発したのだ。
当然そんなわがままなど相手にされない。
それが原因だ。

家を飛び出したは良いものの、行くところもない少年。
足は無意識に馴染みの公園へと向かった。
そこにいたのは、仲の良いまりさ一家。
ため息もつきたくなる。

「ふう……」
「ゆう……」
もう何度目だか分からないため息をつく少年。
しかし、それに応えるものがあった。
声の先に目を向けると、そこにいたのは一匹の子まりさ。
そのお帽子の大きさは普通サイズ。
普通の子まりさだ。
水上まりさではない。

「ゆう。お兄さん、ゆっくりしていってね……」
少年と目が合うとご挨拶を返すまりさだが、その声に覇気はない。
普通ならどんなに落ち込んでいる人間も、
殴り返さずにはいられないほどの騒音レベルのはずなのにだ。

「そんなに落ち込んで、一体どうしたんだい?」
気になって、問いかける少年。
「ゆう。まりさは上手く泳げない、いらない子だから」
律儀に返すまりさ。

状況から見るに、子まりさは水上まりさ一家の一員らしい。
しかし子まりさは、普通のまりさだ。
あらゆる意味で、水上まりさではない。
たまにいるのだ、こういう先祖返りが。
仕組みとしては、チェンジリングと同じである。
まりさからまりさが生まれる分、その頻度はずっと多いが。

まりさにとって運が悪かったのは、水上まりさの中でも水上での狩りに
ウェイトを置いた一家に生まれたことだった。
他の兄弟と違って上手く〈すーい、すーい〉もできない。
かと言ってれいむのようなお歌も歌えない。
まりさは単なるお荷物だった。
家族のスキンシップも兼ねる、狩りやお歌の練習の時間。
そんなときに放置されていることも、それを物語っている。

何だが自分を見ているような気がした少年。
持っていたお菓子をまりさにあげることにした。
「しっ、しっ、しあわせー!」
普段あまり良いものを食べさせてもらってないまりさは大喜び。
大きな声でしあわせーをして、その気持ちを表現する。
お行儀が良いとは言えないが、それも仕方ないかな、とも思える。
「そんなに慌てるな。ゆっくりなんだがら、ゆっくり食べろよ」
「ゆっ! ゆっくり食べるよ! お兄さんありがとう!」
そんなまりさをなでながら、話しかける少年。
まりさは返事をそこそこに、お菓子に夢中だ。
少年はこの公園にきて初めて、心が温かくなる感じがした。

                   ***
「ゆぴゃあっ!」
少年とまりさの、ささやかな幸せはあっけなく崩れた。
弾き飛ばされて吹き飛ぶまりさ。
親れいむの体当たりを受けたからだ。
このれいむ、先ほどまでお歌という名の騒音を発していたれいむである。

まりさはお菓子をもらった喜びを、大きな声で表現した。
それがいけなかったのだ。
その声はれいむ達にも届いたからだ。

れいむ達が声の方向をみれば、そこにはゆっくりしたあまあまさんを独り占めしているまりさ。
あまあまは全て、れいむ達のものなのに。
断じてまりさ達のものではないのに。
しかも独り占めしているのは、よりにもよって使えないあのまりさ。
あんなクズには、にがにがな雑草さんで十分だ。
れいむ達のあまあまを横取りするなんて、なんてゲスなんだろう。

「ゆっくりできないゲスは制裁するよ! ぷくー!」
『制裁ちゅるよ! ぷきゅー!』
はね飛ばされた時点で、子まりさは怯えきっている。
親れいむはそれでも飽き足らず、威嚇をする。
子れいむ達も、その真似をする。

「ゆわああんっ! お母さん、ごべんなざい」
必死に謝るまりさだが、弱い相手にはとことん調子に乗るのがゆっくり。
「ゆふん! あやまれば許してくれるとでも思ってるの。馬鹿なの、死ぬの?」
『死ぬにょ!』
そう言って、追い討ちの体当たりをかけるれいむ親子。
「ゆぐうっ!」
ボールのように転がる子まりさ。

「とどめだよ!」
『とどめぢゃよ!』
掛け声とともに大きく跳ねる親れいむ。
それに続く子れいむたち。
横の衝撃には強いゆっくりも、潰されることには弱い。
親子の体格差が加わればひとたまりも無い。
子まりさには、餡の花を咲かせる運命しか残っていない。

「ゆぺっ!」
『ゆぴゃ!』
その運命を変えたのは少年だった。
我に返った少年が、まりさを抱えあげたのだ。
潰す対象を失ったれいむ達は、石と砂の混じる硬い地面にキスをするハメになった。
加えてフライング気味の飛び出した子れいむの何匹かは、
親れいむの下敷きになって餡の花を咲かせている。

「どおして、可愛いおちびちゃんが潰れてるのー!」
『どぼじで、かわいい妹が潰れちぇるにょ!』
れいむ達は突然の悲劇に驚愕する。
潰したのは親れいむ自身なのに、やれまりさが悪いだのゲスだのと騒がしい。

しかし、少年にはどうでもいいことだ。
そんなことより、抱えあげたまりさの方が大切である。
幸い大したケガは無いようだ。
お菓子の残りを口に含ませると、すぐに直ってしまう程度だ。
それを見て、一安心する少年だった。

                   ***
まりさが無事なのを見て安心する少年だったが、足に柔らかいものがあたる感触を感じた。
「このくそじじい。さっさとそのまりさをよこしてね! れいむが制裁するよ!」
『制裁ちゅるよ!』
足元には、少年の足に体当たりしているれいむ達。
れいむ達にとっては必殺の一撃も、少年にとっては痛くもかゆくも無い。
むしろ、ぽふぽふした感触が心地よくすらある。

「ねえれいむ、まりさは自分の子だよね。どうしてまりさにだけ辛くあたるの?」
なんとなく答えは予想できたが、一応聞いてみることにした。

「ゆふん! そんなことよりさっさと――」
人の言う事など聞かずに、自分の要求を突きつけるれいむ。
タイミングが最悪だった。
自分に姿を重ねていたまりさを傷付けられた少年。
れいむ達に良い感情を持つわけがない。
そんな状態の少年に油を注いだのだ。

「ゆぴぇっ!」
ぶちゅり!
怒りが燃え上がった少年が、子れいむの一匹を踏み潰したのである。

「おちびちゃぁあんっ!」
『れいみゅうぅぅっ!』
あまりのことに我を忘れて叫ぶれいむ達。
これでは話になりそうにない。

まったく、仕方ないな。
心の中で呟くと別の子れいむに足を乗せ、じわじわと体重をかけていく。

「ちゅびゅれりゅうぅぅ!」
必死の叫びを上げる子れいむ。
「ゆわあぁぁ! おちびちゃんを潰さないでえっ!」
『れいみゅうぅぅっ!』
れいむ達の叫びは、さらに大きくなる。
少年はそれに構わず淡々と問いかける。
「で、どうして?」

「答えます、答えますからやめて下さい!」
『やめちぇえっ!』
やっと答える気になるれいむ達。
少年は目で先を促す。
もちろんその間も子れいむにかける体重は、ゆっくりと増え続けている。
「ゆびびびっ!」
子れいむも実に苦しそうだ。

親れいむが語ったのは、少年の予想通りだった。
いや、予想以上に悪かった。

そもそも、本当はれいむ以外のおちびちゃんなんて、おちびちゃんだと思ってないよ。
あれは親まりさと同じで、れいむの奴隷だよ!
まりさの前では、そんなこと言わないけどね!
だから水の上を自由に移動できない、無能な子まりさなんていらないよ!
そうじゃなければ、れいむとおちびちゃんに、ご飯さんを採ってこれないからね!
奴隷は水上まりさ親子達で間に合ってるよ!
そんな無能はさっさと潰したいけど、ゆっくり殺しはゆっくりできないから我慢してきたんだよ!
本当は前の番だった無能なまりさみたいに、こっそり潰そうとしたけど、
チャンスがなかっただけなのはナイショだよ!
れいむったら偉いね、優しいね、母性にあふれてるね!
でもそれも限界だよ!
あまあまさんを独り占めするなんて、そんなゲスは制裁するよ!
だからさっさとまりさをよこしてね!
ついでにあまあまちょうだいね!

れいむ親子の言葉は分かりにくかったが、まとめるとこんな事を言っていた。
れいむ親子そろって、子れいむだけを可愛がってきたのだろう。
子れいむの喋り方の端々に、赤ちゃん言葉が残っていることもそれを裏付ける。
思わず子れいむを全部潰してしまいそうだったが、良いアイデアが浮かんだ。

「怯えなくていいよ、まりさ。もうイジメられないようにしてあげるから」
そういってまりさをそっと地面に下ろす。
もっともまりさが怯えているのは、れいむに対してだけではないのだが。

「よしよしいい子にして――って、おおっと!」
ずるり! ぷちっ、ぷちっ! ぶちゅ、ぶちゅ!
「ゆぴっ!」
「ゆべっ!」
「ゆぐっ!」
「ちゅびゅれっ!」
「ゆ゛っ!」
「おちびちゃああああああん!」
『ゆわーん、れいみゅううううううう!』
まりさを下ろした際に、体重をかけすぎてしまって子れいむが潰れてしまった。
ついでにバランスを崩して、さらに数匹のれいむを巻き込んだ。
もちろん少年は気にしない。
れいむ達の注意がまりさからそれて、かえって好都合とすら思っている。

親れいむは騒がしく少年を責め、子れいむ達は何やら叫んでいる。
それを無視すると、騒いでいる子れいむたちの中から一匹を選んで持ち上ようとする。
「やめちぇね! やるならのあっちのれいみゅにしてね!」
「お兄さん、やめて上げてね!」
『やめちゃあげてね!』

「じゃあ誰か代わりになってくれるの?」
『…………』
ためしに聞いてみてると、みごとな沈黙が返ってきた。
なるほど。
こうやって黙らせればいいのか。
心にメモをする少年。

「そんなこと言わないでね! 助けて上げてね!」
親れいむは相変わらず騒がしい。
「よかったねれいむ。お母さんが代わってくれるって」
「…………」
コツを知った少年は、即座に親れいむを黙らせる。

「黙ってないでれいみゅを助けろー! このクズ親!」
「うるさいよ、可愛くないれいむはさっさとゆっくりしないで死んでね!」
『ゆっくり死んでにぇっ!』
「どぼして、そんなこと言うにょー! れいみゅは可愛いでしょー!」
当の子れいむは大騒ぎだが、それ位はいいだろう。
どうせすぐに静かになるのだから問題ない。
〈ゆっくししないで死ね〉などと、ゆっくりにとって最大の侮蔑を与えられればそれも仕方がない。

                   ***
「ゆっ! そうだよ、まりさはとっても上手だね! 無能なまりさとは大違いだよ!」
『ゆう、ゆっくち!』
そう言って子まりさ達を褒めるのは、小川の上に浮かぶ親まりさ。
無能なまりさというのは、少年といた普通のまりさのことである。
子まりさ達も褒められて満足そうだ。
『無能なまりちゃは、ゆっくり死ねばいいのににぇ!』
長い台詞ときれいにハモらせている。

「ゆっくりした水草さんがあるよ! まりさのやってるようにやってね!
むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」
『むーちゃ、むーちゃ、しあわしぇー!』
お手本を見せる親まりさ。
それに従う子まりさ。

「その調子だよ、おちびちゃん! この水草さんは覚えておいてね!
とってもゆっくりした水草さんだよ! これは特別なまりさ達のものだよ!
大飯喰らいで役に立たないれいむ達へのおみやげは、そっちのにがにがな水草さんで十分だよ!
あまあまさんと同じで、持って帰ると盗られちゃうから、なるべく川さんで食べるようにしてね!」
『ゆっくち、理解しちゃよ!』

「それからこっちの水草さんは、食べるとゆっくりできなくなるよ!
れいむに愛想がつきたときは、こっそりご飯さんに混ぜてむーしゃむーしゃさせると良いよ!
これならゆっくり殺しじゃなくて、事故だからね!」
『ゆっくちれいむに、むーしゃむーしゃさせりゅよ!』

「……これは最後の手段だから、今はまだ試したら駄目だよ!
それにれいむを永遠にゆっくりさせたら、すっきりする相手がいなくなるよ!」
『ゆう、ゆっくち……』

「分かったなら良いよ! それにいざとなれば、今みたいに他の水上まりさをゆっくりさせて、
お帽子を奪えば良いよ! 無能なれいむは入れ替わったのに気が付かないからね!
れいむだけでなく、無能なまりさも気が付いてないけどね!
まりさ達を本当の家族だと思ってるなんて、笑っちゃうね!」
『わらっちゃうね!』
もちろん〈無能なまりさ〉が生き残ったのは、通常種のまりさだったからである。

狩りの方法だけでなく、生活の知恵を伝授することも忘れない。
このような知恵こそが、水上まりさが野生に適応できた要因である。

「海を泳いでいりゅみちゃいぃぃ!」
まりさ達の平穏を破ったのは、舌っ足らずで間抜けな声。
子れいむが水上を跳ねて迫ってきたのだ。

最初に気が付いたのは、子まりさの一匹だった。
「ゆっ、れいみゅ! この水草さんは渡さないよ! ぷきゅー!」
自分に向かってくる子れいむに対して、ぷくーをして威嚇をする。
お父さんのお話を聞いた直後だったため、妹れいむが水草さんを奪いに来たと思ったらしい。
妹といっても義理のだが。

子れいむは、自分の意思で跳ねてきているのではない。
よくよく見れば、子れいむ自身が水平方向に回転している。
水面にふれたときの様子も、ぴょんぴょんしていると言うより、水面に弾かれていると言うべきだ。
要するに、少年によって、石切りの要領で放り投げられたのだ。

「ぷきゅー、きょわいいいいい!」
兄まりさの威嚇に怯える妹れいむ。
視界が定まっていないのに、大したものである。
「まりしゃ、ちゅよいんじゃよ!」
威嚇しても妹れいむが近寄るのを見て、さらに膨らむ兄まりさ。
だがそんなことも意味は無い。

『ゆべっ!』
最後は二匹同時に悲鳴をあげると、仲良く川底へと沈んでいった。

「ゆっ?」
「お父さん、まりしゃがいにゃいよ!」
「まりしゃとれいみゅが!」
「おにーしゃんが!」
「どおして、おちびちゃんたちが沈んでいるのー!」

他のまりさ達は、大きな水音がして初めて気が付いたようだ。
突然に降りかかる悲劇に、声を上げるまりさ達。
しかし悲しむ余裕は無かった。

『海を泳いでいりゅみちゃいぃぃ!』
今度は三匹のれいむが、連なって水上を疾走する。
上手くいったことに気を良くした少年が、連続で放り投げたのだ。

「ゆわあ、こないで! ゆぴゃあ!」
ある子まりさはれいむを避けきれずに、子れいむとともに沈んだ。

「ゆふん! 無能なれいみゅの体当たりなんて怖くにゃいよ!
――どぼじでお帽子さんに、お水さんがはいっているの! ごぼごぼ」
別の子まりさは見事なエビ反りで子れいむを避けたが、体勢を崩して沈んだ。

「みんな馬鹿だね! ぴょんぴょんすれば簡単によけられるのに! ぼちゃん!」
また別の子まりさは跳ねてれいむをかわしたが、見事に川に着水した。

「おちびちゃん! ゆっくり逃げるよ! ゆっくりしないでついてきてね!」
『ゆっくちついていくよ!』
呆然としていた子まりさ達だが、親まりさの掛け声により正気に戻る。
必死にオールさんを使って、岸から逃げる。
思ったより速い。
さすがは水上まりさというべきだろう。

「ゆわわわわ! どぼんっ! ごぼごぼ」
「ゆわあ! お帽子さん沈まにゃいでぇ!」
「ゆわああ! 邪魔じゃよ、どいちぇどいちぇ! ゆうう、ぼちゃんっ!」
「ぶちゅかりゅー!」
もっとも子まりさのうちの何匹かは、勝手に水没している。
水上まりさといえども、子ゆには無茶な速度ではあるのだ。

                   ***
くそっ!
少年は心の中で舌打ちする。
水上まりさの逃げ足が想像以上に速い。
これではれいむを命中させることができないではないか。

そもそも本来の目的は、子まりさが虐められないようにすることだった。
れいむの発言で頭に血が上り、他の子まりさを排除するという短絡的思考につながったが、
それでも行動の源は子まりさのためであった。
そう、「あった」だ。
今は違う。
ここに来て、心に違うものが芽生えつつある。
楽しいのだ。
ゆっくりが泣き叫ぶのを聞くのが。
子れいむを石ころの様に、無価値に放り投げるのが。
そして、子まりさに当てて沈めるのが。
それが実に楽しい。

だが饅頭どもは、親の支持に従って素早く逃げ始めた。
これでは饅頭どもが、無意味に命を散らすのを見ることができないではないか。
いや、それを実現すること自体は簡単だ。
牽制するように、まりさ付近に子れいむを着水させればいい。
焦った子まりさは、勝手に自滅していくだろう。
だが、それでは面白くない。
何かないか。
周りに目をやっていると、足元に転がる生ゴミに気が付いた。

「ゆんやあっ! どおしてそんな事するのお!
やめてね、やめてね! れいむはとってもゆっくりしたおちびちゃんなんだよ!
ゆっくりやめてね! お兄さん、ゆっくりしていってね!
投げるならまりさにしてね! まりさだけなら、れいむもゆっくりできるよ!」
『ゆっくちしていっちぇね!』
生意気にも少年にゆっくりを促している。
子れいむ達も、親れいむに続く。
もっともこれは〈ゆっくりしていってね!〉に対して、本能的に反応しているだけだろうが。

正直うるさいなと思った少年だが、れいむ達を見て良い事を思いついた。
「わかったよれいむ。ゆっくりさせてあげよう」
そういって川へと歩いていく。
「ゆうう、ありがどうございます、ありがどうございばず!」
『ゆうぅ、ゆっくち!』
何やら雲行きが怪しいことに気が付いてもよさそうなものだが、
まったく気づかないれいむは、ぴょんぴょんして少年の後を付いていく。

子れいむも、さらにその後を付いていく。
「ゆぴゃあ!」
「れいみゅのあんよしゃんがあっ!」
「いちゃいいっ!」
何匹かは尖った石であんよを傷つけた。
ぺーろぺーろしてもらって、安静にすれば直る怪我だ。
しかし石が刺さったまま暴れたため、そのまま大量出餡する。
普通だったら、このような危険地帯は避けて移動するし、
万が一のことがあっても動かないように指示をする。
だがいまの親れいむに、そこまでの気はまわらない。
それだけ必死なのだ。
一度に一つのことしかできない。
ゆっくりのそんな性質も、それを後押しした。
だがら自分の真後ろで起きている、悲劇という名の喜劇には気が付けない。
もちろん少年は気が付いたが、気にしない。

「もっちょ、ゆっくちしたかった……」
「おきゃーしゃん、どぼじで……」
「れいみゅの餡子しゃん出ていかないで……」
子れいむ達は寂しく、誰にも看取られず、永遠にゆっくりしていくことになる。
それもゆっくりと時間をかけてジワジワと。

靴が濡れないぎりぎりまで近づいた少年は、大きく息を吸い込む。
「ゆっくりしていってね!」
そうして大きな声で、ゆっくり流のご挨拶を放った。

『ゆっくりしていってね!』
『ゆっくちしていっちぇね!』
挨拶を返す饅頭たち。
川岸にいるれいむ達も、水上もまりさ達もそろっての大合唱。

「ゆうー、お兄さんは心を入れ替えてくれたんだね! これでゆっくりできるね!」
「ゆっくち、ゆっくち!」
川岸のれいむ達は安心して、早くもゆっくりし始めている。

                   ***
水上のまりさ達は地獄にいた。

「ゆわああ、どうしてまりさのオールさんが流れていってるのー!
ゆっくりしないで、オールさんはまりさのお口に戻ってね!」
『オールしゃんは、ゆっくち戻ってね!』

ゆっくりしていってね!
そう叫んだために、オールを放してしまったのだ。
オールが無ければ、水上まりさと言えども移動はできない。
こうなれば運命は決まっている。
エサの豊富な小川の中にいながら、エサをとれずに餓死。
障害物にぶつかって〈勝手に生えてくるあまあま〉の仲間入り。
バランスを崩して冷たい川底で、ゆっくりと溶けてゆく。
助かる道は無い。
楽に〈ゆっくりする〉方法すらない。

「ゆうう。もう少し、もう少しだよ! オールさんはまりさに戻ってきてね!」
『お父さん、がんばっちぇ!』
そういって舌を伸ばす親まりさ。
オールがあるのは遥か彼方。
舌の全長の、そのまた数倍の距離。
無駄な足掻きである。

「ぐーら、ぐーら! ゆわわ!」
どんっ!
無理をしたためにバランスを崩してしまったようだ。
親まりさ自身は何とか立て直したが、子まりさにぶつかってしまった。
「ゆぺっ! ごぽごぽ! 海を……泳いぢぇ……いりゅみちゃい……」
子まりさは、そのまま沈んでいってしまう。

『どぼしちぇ、まりちゃの妹を殺しちゃの! このゆっくち殺し!』
残った子まりさには、故意に映ったらしい。
「ゆっくちできない おとーしゃんは制裁ちゅるよ!」
一番年長の子まりさが、親まりさに食って掛かる。

「ゆうう! おちびちゃん、やめてね! わざとじゃないよ、事故なんだよ!
それより川さんの上で暴れちゃ駄目だよ!」
必死に弁解するまりさ。
「うるしゃい! おとーちゃんの言う事故はわざとでしょ!
まりちゃ覚えちぇるよ! ゆっくりできない水草さんをれいみゅに食べせて、
永遠にゆっくりさせても事故だって言ってちゃよね!」
子まりさの発言は冷ややかだ。
『そーじゃ、そーじゃ! ゆっくちできないおとーしゃんは、制裁だにぇ!』
先ほど教えたことが裏目にでたらしい。

「命乞いは聞かにゃいよ!」
そう言って体当たりをする年長子まりさ。
だが親子の体格差は絶対的だ。
ダメージはおろか、バランスを崩すことすらできない。
たとえ足場の悪い水上でもだ。

弾き飛ばされる年長子まりさ。
弾かれる先は水面。
「――ゆっ?」
ぼちゃんっ!
「ゆわあ、おとーしゃん助けちぇ! まりちゃは死にちゃくにゃい!」
一転して親まりさに助けを求める、年長子まりさ。
身動きの取れない現状では、どうしようもないが。
そもそもオールがあっても、助けることは不可能だろう。
年長子まりさは、あっという間に川底へと沈んでいった。

「おちびちゃん!」
年長子まりさの死を悲しむ親まりさ。
「なにぃ悲しんぢゃふりしちぇるの! このゆっくり殺し!」
「助けもしなかっちゃくせに!」
「ぷきゅうー!」
それが子まりさ達の怒りに火をつけたらしい。
「ゆっくりちね!」
「せいっさいっちゅるよ!」
「お兄ちゃんのかちゃきー!」
次々と親まりさに体当たりを仕掛ける子まりさ。

「おちびちゃん、だめだよ!」
「いましゃら謝っても遅いよ! ゆぺっ!」
ぼちゃん!
「そんなことしたらおちびちゃん達が!」
「にゃに悲しんだふりしちぇるの! ゆぐっ!」
どぽん!
「ゆっくりできなくなっちゃう!」
「じゃまれー! ゆがっ!」
ぴちゃん!
みな弾き飛ばされえて水底へと沈んでいく。

「ゆうう、まりしゃは負けないよ!」
「でも、一人じゃむりだよ!」
「だからえいえいゆーで、いっせいにかかるよ!」
『えいえい、ゆー! ゆびびっ!』
どぽどぽ、どぽん! ごぼごぼ、ぶくぶく。
一斉に体当たりして、同時に弾かれる。
あれよあれよと言う間に、すべての子まりさが自爆して沈んでいってしまった。

「どぼしでみんな沈んじゃうのー!」
結局、一匹の子まりさも残らなかった。

                   ***
さてどうしよう。
内心で困った少年だった。

まりさ達のオールを奪ったのは良かった。
予想以上に上手くいった。
単に足を奪うだけのつもりだったのが、勝手に自滅してくれたのだから。
残るは親まりさだけである。

だがこれが問題だった。
親まりさの安定性が想像以上だ。
子ゆを投げつけた程度では、バランスを崩しそうにない。
立て続けにぶつけるならともかく、子れいむの残弾は手の中にある一つしないのだ。
流石に足元で騒いでいる、親れいむをぶつければひとたまりもないだろうが、
それはゆっくりに負けたようで、何だか嫌だった。

「ゆうう、まりさ! もうれいむに残されたのはまりさだけだよ!
なんとかして戻ってきてね! まりさがいればおちびちゃんなんてまた増やせるよ!
だから、れいむのために戻ってきてね!」
オールが無いと戻れないのは分かっていながら、なんとかなると思っている。
賢いのやら馬鹿なのやら分からない。

まりさ達がオールを失い、自滅するのを見てから、ずっとこの調子である。
手の中にいる子れいむを助けるのは無理だと、さっさと諦めたらしい。
子まりさ達が全滅したのを見て、流石に敵わないと思ったのだろうか。
もはや意識は、親まりさとまだ見ぬおちびちゃんに向いている。

「おきーしゃん! れいみゅはまだ生きているよ! だかられいみゅを助けてにぇ!
おかーしゃんがれいみゅの代わりになってね! そしたらさっさと死んでにぇ!」
「うるさいよ! お前の様なゲスなんか、れいむのおちびちゃんじゃないよ!
れいむこそさっさと死んでね!」
見捨てられた子れいむは泣き叫ぶが、親れいむの反応は冷たい。
もしかすると少年との力関係を知ったのではなく、子れいむへの愛想が尽きただけかもしれない。
ともかく、ゆっくりにとっての家族なんて、そんなものである。
心の中で嘲笑う少年であったが、どこか心に棘がささったような感じがした。

                   ***
「ゆっくり、お父さんを助けるよ!」
そんなときだった。
子まりさが古びた予備のオールを持って、親まりさに向かっていったのだ。
この子まりさ、少年と最初にあった普通のまりさである。
あんなに虐められていたのにも関わらず、健気なものだ。
対して、可愛がっていた子ゆからは道具と見られたり、殺意を向けられたり。
皮肉なものである。

「ゆわ、ととと! お水さんはゆっくりしてね! ゆう……」
水上まりさ達と違って、その動きはおっかなびっくり。
歩みもゆっくりしたもの。
「ゆう、危なかったよ! ゆっくり進むよ! すーい、すーい!」
しかし確実に親まりさへと近づいていく。

「ゆうう、さすがはまりさの〈すまあとっ!〉なおちびちゃんなんだぜ!
ゆっくりしないで、さっさとオールさんを持ってくるんだぜ!」
「ゆん! さすがれいむの〈まあべらっすっ!〉なおちびちゃんだよ!
さっさとまりさを助けてね! あとここまで育ててきたれいむに感謝してね!」
役に立つと思ったとたん、手のひらを返したかのような大絶賛だ。

気持ち悪い。
少年は胸糞が悪くなった。
さっきまでは慌てふためくのを見て面白がっていただけだった。
だが今はぐちゃぐちゃに踏み潰したい。
まずは、助かると信じきってはしゃぐ親まりさからだ。

ここで先ほどの問題が再浮上する。
親まりさを沈める方法がないのだ。
しかも状況はさきほどより悪い。
親れいむでもぶん投げようものなら、その余波で確実に子まりさが沈む。
できることならそれは避けたい。

困ったことになったぞ。
少年は左手で鼻の頭を撫でながら考え込む。
この少年が考えこむときの癖である。

                   ***
「なるほど、その様子を見るに親まりさは沈めたいけど、子まりさは沈めたくないと。
それは困ったね。うん、実に困った」
いきなり後ろから声が掛かった。
驚いて振り返ると、そこにいるのは少年の兄。
二つしか離れていないが、少年時代の二歳は大きい。

「ゆっ! やっとれいみゅを助けに来たんだね、くしょ奴隷! さっさとれいみゅを助けりょ!」
手で握っていた子れいむは、これで助かるとばかりに騒ぎ出す。
どうやら先ほどまで、居もしない奴隷に「助けに来い」と電波を送信していたらしい。
理解不能な思考回路だ。

子れいむを見つめていた兄は、うんうんとうなずくと弟に話しかける。
「これを使うことにしよう。ちょっとかして」
「えっ。こんなんじゃ無理に決まってるよ」

「いいから、お兄ちゃんを信じろ」
そういって子れいむを受け取る兄。

「ゆうん、流石じゃよ! 後はこのお兄さんと、まりしゃとお父さんとお母さんを
せいっさいっ――ゆふぁっ!」
さらに調子に乗る子れいむ。
それは無視だ。
兄はれいむの背中を自分に向け、両手で子れいむの口を広げる。
子れいむは文句を言おうと必死だ。
だが、口に差し込まれた指が邪魔をする。
人差し指から中指までの四対八本。
これでは、口を動かすことすらできない。

「いいか、よく見てろよ」
いったい何が起こるのか。
わくわく半分、不安が半分の弟に声をかける。
声をかけながらも、二本の親指で子れいむの背中を押している。
同時に、残る四対八本の指は巻くように動かす。
子れいむを裏返そうとしているのだ。

「ゆびゅっ!」
子れいむの口から奇声が発せられ、それとともに口から黒い塊がせり出してくる。
ゆっくりの命の源、餡子さんである。

(いちゃい、いちゃい、いちゃい! やめて、やめてよ人間さん!)
おめめからは、あまったるい砂糖水があふれだしている。
お口からは、涎だか体液だか分からないシロップがだだ漏れになっている。
加えて全身からは、より油分の多いシロップが噴き出している。

無駄なことのように思えるが、これらはゆっくりの防衛機能である。
大怪我をしたときの鎮痛・回復剤としての役割を持っている。
泣き明かしたゆっくりが、次の瞬間にはケロリとしているのはこのためだ。
原理的にはオレンジジュースの鎮痛・回復効果と同じらしい。
ちなみに虐待されたゆっくりが甘くなるのも、本質的には同じ防衛機能に由来するとか。
だからこそ物理的に脆いにも関わらず、長持ちするのだ。

だが、今の子れいむは生きたまま皮を剥がされ、裏返されているのだ。
この程度の鎮痛剤など焼け石に水。
むしろ含まれる甘味成分による回復効果で、気絶すらも拒絶されている。
そうして、さらに甘味成分は増加する。
見事に袋小路にはまり込んでしまった。
気絶もできずに全身の皮を剥がされる。
その苦痛は想像もできない。

「あっ!」
ずるっ! ぺきぺき、びりびり、ぶりゅり!
皮の表面がシロップで濡れたため、手が滑ってしまった。
指先が砂糖菓子の歯に引っかかり、何本かを叩き折る。
(ゆぎゃあっ! いちゃいいー! れいみゅの光り輝く歯さんがぁ!)
折れた歯は、兄の手と子れいむの皮の間に入り込み、その硬さから饅頭皮を削る。
(あばばばば! いぢゃい、いぢゃい! 皮ざんを削ら゛に゛ゃい゛で!)
さらにバランスを崩したことにより、親指は子れいむの背中をつきぬけ、餡子にまで到達する。
(かはっ! ゆびっ……ゆ゛っぐぢ……)
これはたまらない。

期待の視線が疑惑に変わりつつある弟。
「いやいや、これくらい大丈夫だから。用は生きてりゃ良いんだ。安心して見てな」
一声をかけて安心させると、改めて子れいむを裏返しにかかる。

ずるりっ! びちゃり!
(ゆぎゃあああああぁぁぁっ!)
今度は上手くいったようだ。
間抜けとさえ取れる擬音とともに、子れいむが餡子玉になった。
兄の手元にあるのは、饅頭皮とお飾りだけだ。
勢いあまって落としてしまったが、砂が混じろうが問題ない。
使うまで生きてさえいれば良いのだ。
これからすることはそういうことなのだ。

                   ***
(ゆぴぃ! ゆぎぎぎ!)
2つの寒天のはまった餡子玉。
それが風が吹くたびにビクビク震えている。
風が吹くだけでも痛むのだろう。
(風しゃんはゆ゛っぐりや゛んじぇ――ゆぐうぅ!)
餡子が震えるとは、子ども用の絵本にでも出てくるお化けみたいだ。
不気味でありながら、どこか滑稽ですらある。
もっとも、子れいむにとってはそれどころではないだろうが。

「おちびちゃああん! ゆっくりしてね! ぺーろ、ぺーろ!」
さっきまでは見捨てる気満々だった親れいむも、慌てて駆け寄る。
自分の〈手の届く〉範囲にいるなら無視できないらしい。
もしくは、いままでの態度は自分に飛び火するのを恐れての演技だったのだろうか。
それもそれで、感心できることではないが。
(ゆぎゃああ! お母さん止めて、止めて! いぢゃいー!)
もっとも、今の子れいむには拷問以外の何物でもない。

「ゆっおちびちゃん! 大丈――しっ、しっ、しあわせー!」
子れいむをぺろぺろしていた親れいむの〈しあわせー!〉発言。
実のところ、これは仕方がないのだ。
あまあまを味わったら〈しあわせー!〉は本能に刻み込まれている。
それも生存本能よりも上位に。
〈ゆっくりしていってね!〉に返事をするのと同じだ。
そして今の子れいむはあまあまそのものだ。
(ゆぎぎ、にゃにが幸せだ! こにょ鬼、悪魔! ゆびぃー!)
もちろんその反応に子れいむが満足するはずが無い。
自由にならない体を酷使して、睨みつけようとする。
もっともその代償として、絶大な痛みが子れいむを蝕んだが。

「ゆふふふっ! そんな顔しても駄目だよ! ぺーろぺーろしなくちゃゆっくりしちゃうよ!
ぺーろぺーろ、しあわせーーー!」
(ゆんぎゃああああああ!)
親れいむの目は据わっている。
その舌使いも傷を治すためのものではなく、単にエサを舐めとるためのものだ。
痛めつければ甘みが増すことに気が付いたのか、積極的に餡子をほじっている。
食欲が母性に勝ったようだ。

「そろそろぺーろぺーろじゃなくて、むーしゃむーしゃするよ!
餡子さんはゆっくりれいむに食べられてね! あーん!」
(やめて、やめて、やめて! ゆんやぁああ!)
子れいむは文字通り〈声にならない悲鳴〉を上げる。
そんなもので止まる存在などいないが。

どぐしゃ! ぺきぺき! ぶちゅり! ずりゅずりゅ!
「ゆげぇ!」
(ゆびぃ!)
親れいむの凶行を止めたのは、少年の足だった。
あんぐりと開いた親れいむの大口に、蹴りを叩き込んだのだ。
子れいむを巻き込んで潰してはいけないと、精度のために勢いを犠牲にしている。
大した威力はないが、親れいむにとってはそうでもなかったらしい。
見事に前歯が吹き飛んでいる。
それだけでなく、片頬に大穴があいている。
ついでに片目も潰れてしまっている。
これではこれからの生活に支障がでるだろう。
もっともそんな心配は、必要ないだろうが。
ついでに言うなら、子れいむという名の餡子玉はきっちりグレイズしていた。
親れいむを蹴った反動までは、計算外だったからだ。
だが生きていれば良いらしいので、多少削れても問題ないはずだ。

「兄ちゃん、面白いからって、放置してただろう! 親まりさは?」
「すまん、すまん。ついつい見入ってしまった」
弟に咎められてバツが悪そうに餡子玉を拾い上げる兄。
手元に残っていたお飾りを、餡子玉にねじ込む。
泥団子を作る要領で、崩れた形を治す。
(ゆ゛ぐっ、たずげ……)
子れいむは苦しそうだが、あと少しだけ持てば良いのだ。
それにこの様子なら、当分は大丈夫だ。

野球ボールのように放り投げて感触を確かめる。
なかなかよさそうだ。
「よーく見てろよ。面白いものが見れるから」
にっこりと笑って、弟に注意を促した。

                   ***
「ゆっくり助けに来たよ!」
声をかけたのは、通常種の子まりさ。
ふらふらと危なっかしいが、なんとか親まりさまでたどりつけそうだ。
「ゆうぅ! 流石はまりさの自慢のおちびちゃんなのぜ!
さあ、さっさとまりさ様のオールさんをよこすのぜ!」
親まりさも感謝の言葉を返す。
後半はゲス要素が隠しきれずに漏れ出ている。
(ゆう! まりさの本当のおちびちゃんはゆっくりしちゃったけど、
よく考えたら、まりさ様が生きていればまた作れるのぜ。
適当に、美ゆっくりと番になっているまりさと入れ替われば良いんだぜ!
ゆうう……でもこのまりさが邪魔なんだぜ……。
そうなんだぜ! オールを奪ったら、無能なまりさは川さんに沈めてしまえば良いんだぜ!
めいあんっ! なんだぜ! さすがまりささまなんだぜ! くちふうじっ! なんだぜ!)
心の中ではもっとどす黒いものが蠢いているので、隠せてると言えなくもない。

(おしょらを飛んでいるみたいー! たみふる!)
そのときだった。
子まりさの上空を黒い塊が横切った。
きれいな放物線を描いたそれは、親まりさの〈頭上〉に着地。
直後、衝撃に耐え切れず四散する。

「ゆぴゃっ! ビックリしたのぜ……。
まあ良いのぜ! 無能なまりさは、さっさとまりさ様のオールさんを返すんだぜ!」
驚く親まりさ。
すぐに気を取り直して、子まりさにオールを請求する。
最早、態度を取り繕う気もないらしい。
「くんくん。ゆっ! なんかゆっくりできない臭いがするのぜ!
分かったのぜ! きっと無能なまりさの臭いなんだぜ! おお臭い、臭い!」
親まりさが死臭に顔をしかめる。
だがその発生源と正体には気が付いていない。
発生源が近く、臭いも強烈すぎるために、逆に分からないのだ。
ついでに言うなら、このまりさ特有の理由もある。
死臭をつけずにお飾りを奪うのは難しい。
ゆえにお飾りを奪うのに失敗して、無駄に〈永遠にゆっくり〉させたことも多かったからだ。
つまりは嗅ぎ慣れてしまっているのだ。

子まりさは動かない。
おめめは大きく見開かれ、視線は親まりさの髪の毛に注がれている。
正確には、髪の毛にへばりついている餡子塊に。
よく見ればリボンがはみ出ている。
あれはまりさの妹のおリボンさんだ!
と言う事は、あれはれいむ?
でもなんでお父さんの頭で潰れているの?
――つまり、そういうことなの?

「まあ、どうでもいいんだぜ! そんなことより、さっさと――」
何はともあれ、まずはオールさんだ。
この臭いから逃げるためにも、移動手段は必要だ。
オールを要求する親まりさ。
だかそれは途中で遮られる。

「妹殺しのお父さんは、ゆっくり死ね!」
渡そうとしていたオールを槍のように構えると、渾身の体当たり。
妹を殺したのはお父さん、ということになったらしい。
この子まりさ、今は亡き〈本当のお父さん〉の性格を受け継いだのか善良ではある。
しかし、飛びぬけて賢いわけではない。
潰れたゆっくりの死骸がくっ付いていれば、そいつが殺した。
それが普通のゆっくりの理屈である。
そして、ゆっくり殺しには制裁あるのみ。

ぶすり!
「ゆぎゃぁぁぁあっ! どぼじでごんな゛ごどずるの゛!」
親まりさの絶叫。
オールが親まりさのおめめに突き刺さったのだ。
単なる体当たりなら、他の子まりさと同じように弾かれて終わりだっただろう。
他の場所にぶつかっても、同じかもしれない。
しかし、子まりさはオールを構えていた。
そして、ぶつかったのはおめめだったのだ。

「ゆんぎゃあああっ! いだいー! ぢぐぢぐずる゛ー!」
オールは、寒天質のおめめをずたすたにした。
それだけでなく、古くてささくれ立ったそれは、親まりさが呼吸するたびに激痛をもたらす。
「いだい、いだい、いだいー!」
痛みに転げまわる親まりさ。
しかし、普通より大きいとは言え、所詮はお帽子。
暴れまわればどうなるか。
人の良設定を見たら、パクるのと同じくらい確実なことだ。

「ゆっ? お空を飛んでいるみた――」
ぼちゃん!
大きな水飛沫をあげて、親まりさは川に落ちた。
魔王を封じる剣のように、そのおめめに突き立ったオールが印象的だ。
その古びたオールの本来の持ち主が、子まりさの〈本当のお父さん〉であるのは偶然だろうか。

お父さんのお帽子の上で〈沈み逝く〉饅頭とオールを眺めていた子まりさ。
それらが完全に没したのを確認すると、自分のお帽子を拾い上げてかぶる。
自分のオールを持ち直し、岸へと漕いでいく。
行きと異なり、安定したものだ。
最早、後ろは振り返らない。
振り返る必要もない。
過去の汚点は、ゆっくり時間をかけて溶けてゆくだけである。

                   ***
「さすが、兄ちゃん!」
「ふふふ。いいぞ、もっと褒めるがいい!」
上手くいって上機嫌な兄弟。

「どうせだから、おまけしてやろうぜ!」
「ん? 兄ちゃん何をする――ってなるほど」
兄が拾い上げたのは、ボロボロの親れいむ。
口に両手を突っ込んで、子れいむと同じように裏返そうとしている。
弟が仲良くなったまりさに、あまあまを置いていってあげようというのだ。

子れいむと違って、口を広げるのに両手を使う。
なので、れいむの〈背中〉を押すのはヒザになる。
(いだい、いだい! やべでー! おうちかえるー!)
お陰でれいむは、裏返される痛みに加えて、ヒザによる圧迫の苦しみを味わうハメになった。
加えて、子れいむよりも丈夫なことも災いした。
(ゆびー! やべで! おでがいじばず! びぎゃーあああぁっ!)
弾力のある饅頭皮は裏返らず、皮が少し千切れるだけ。
それを何度も味わう羽目になったのだ。

「うーん、ここまで皮が厚いと上手くいかないな」
(ゆげ……ぼうい゛や゛……)
「兄ちゃん、これ使うといいんじゃない?」
「おお、サンキュ! 気が利いてるな」
弟が渡したのは、ピーラー。
野菜を剥くためのアレである。
小川でバーベキューをしていった人の忘れ物らしい。
近くに転がっていた。

しゅっ! ずりっ!
(ゆううううっ! やめ――ゆんぎゃあああああああああっ!)
「おお、こりゃいいや」
軽快にれいむの皮を削っていく兄。

しゅっ、しゅっ、しゅっ!
しゅっ、しゅっ、しゅっ!
しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ!
リズムをつけて、楽しく削っていく。
れいむもきちんと震えて返すので、削りがいがある。
あっというまに、巨大な餡子玉が出来上がった。
お飾りも一緒に粉砕されているので、まりさが気が付く可能性もないだろう。

                   ***
「ゆっ! お兄さんたちありがとう! とっても美味しいよ!」
(ゆぎぎぎぎぎ! いだいいだい、やべで! ばりざ、どぼじでー!)
バレーボール大のあまあま。
しかも食べるたびに甘くなるのです。
素晴らしいご馳走を貰ったまりさは、大喜びです。

「うん、喜んでもらえて嬉しいよ」
少年も自分のことのように嬉しそうです。
「真ん中にある、色と固さの違う部分は最後に食べろよ。そうすれば長持ちするから」
兄もまりさにアドバイスを忘れません。

「ゆっ! ゆっくり理解したよ!」
素直に返事をするまりさ。
「でも、もうお腹いっぱいだよ! だから残りはお家で食べるよ!
お兄さん達、今日はありがとう! またゆっくりしに来てね!
今度はまりさが、ゆっくりできる水草さんをご馳走するよ!
あまあまの後で食べると、お口がすっきりするんだよ!」
美味しくても、さすがに一度には食べきれないようです。
「うん、それがいいね。水草さんは……楽しみにしてるよ……」
最後は歯切れが悪くなってしまいましたが、それは仕方がないでしょう。
ともかく、笑ってまりさを見送りました。

「じゃあ俺達も帰るか」
そう言う兄。
弟は渋い顔です。
もう怒ってはいませんが、そのまま帰るのには踏ん切りがつかないのです。

「なんて顔してるんだよ。平然とただいまって言って帰れば良いんだよ」
何を気にしてるんだが、といった風の兄。
「でも……」
なおもグズグズ言う弟。

「まったく……」
ため息をつくと、お家に帰っていくまりさを指差します。
首を傾げる弟。
「よく見ろ。表面上はあんなに虐めていたのに、親まりさも親れいむも、
まりさのためにあんな立派なものを残しているじゃないか」
まりさが二重に被った、お帽子を指差して一言。
「親まりさは、立派なお帽子」
さらに引きずられて涙を流す、餡子玉を指差して一言。
「親れいむは、とっても美味しいあまあま」
自分の顔を見つめる弟にうなずいて、また一言。
「ゆっくりですら子どもは可愛いんだ。
ましてや人間で、自分の子どもが可愛くないはずないだろう?」

これが茶番なのは、分かっている。
でも今必要なのはきっかけ。
ここはありがたく茶番に乗るとしよう。
「そうだね」
短く、だがはっきりと返事をした。

「あっ、そうそう。靴は駄目だけど、代わりに欲しがってたゲーム買ってくれるってさ。
お父さんに頼んだら、あっさりOKでたぞ。ああいう時は、お父さんに頼まなきゃ。
お父さんも末っ子だから、そういうの分かるんだよ」
「えっ、本当!」
一転して、目を輝かせる弟。

「うん本当、でも――」
そういってニヤリと笑う兄。
「お父さんに言ったゲーム名は、俺の欲しいのだけどね」
そういって駆け出した。

「――なっ! ふざけんな!」
そういって追いかけるが、とても追いつけない。
この時代の2歳の差は絶望的だ。
それでも完全に引き離されない辺り、手加減されてるのだろう。
それが逆に腹が立つ。

なかなかヒドイことをするものだが、これもいつものこと。
もっとも、こういう事をしても最後には許しあえるあたり、家族の絆というのは偉大かもしれない。
もちろん今はそんな気にはならないが。

穏やかな小川に、楽しげな怒りと挑発の声が響いた。

                   ***
「ゆーん! まだまだ沢山のあまあまがあるよ!」
冬の真っ只中だというのに、今日もまりさはご機嫌だ。
そこにあるのは沢山の饅頭。
とてもじゃないが、まりさには十分すぎる量だ。

(どぼじでごんな――ゆ゛っ!)
(ぼう゛や゛べでー!)
(ぼう゛ゆ゛るじで!)
(お゛に゛ーじゃん゛)
(ばり゛ざざばを゛だべる゛ん゛じゃな゛い゛ぜ!)
(でい゛ぶばお゛がーざんだよ゛)
(ごろじでー、ぼうごろじでー)
(ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ……)

二人と別れた後、さらに追加で沢山のあまあまを手に入れたのだ。
川さんの障害物に生えてきた、大小さまざまなお饅頭さん。
もちろんの事、半分は川に落ちた水上まりさ達である。
お飾りはボロボロ。
髪の毛はドロドロ。
お口もふやけて喋れない。
まりさが正体に気が付くこともなかった。

残り半分は、誰にも看取られず〈永遠にゆっくりした〉子れいむの匂いにひかれた愚か者たちである。
子れいむを平らげ、ふと川を見れば、沢山の水草さん。
無謀にもそれを狩りにいって流されたのだ。

「ゆう、今日はこれくらいにしておくよ! あまあまばかりだと体に良くないしね!」
そういって貯蔵してある食料を食べるまりさ。
一家では足りない量でも、まりさ一匹なら十分な貯蔵量だ。
舌が肥えては生活に支障がでる。
それを本能的に知っているからこその行動だ。

ほっとする物言えぬ饅頭たち。
しかしその平穏はすぐに崩れた。
「ゆっ! このあまあまさんはカビが生えてるよ!
ゆっくりできないあまあまさんは、川にぽーいするよ!」
まりさの見ているのは、小さな饅頭。
水上子まりさである。
体力が落ちてカビに侵食されたらしい。
冬と言っても油断はできない。
誤って中枢餡をほじってしまったのも、侵食を後押しした。
いくらカビに強いゆっくりでも、中枢餡がむき出しではひとたまりもないからだ。
結局このカビ子まりさは川に投げ捨てられ、ジワジワと餡子と流出して〈ゆっくり〉した。

他のゆっくりたちは、恐怖した。
自分達をモノ扱いするまりさに。
少しずつ自分を削り取られる痛みに。
次の瞬間には、中枢を削られるのではないかと言う可能性に。
そしてジワジワと侵食するカビという名の絶対の絶望に。
脆くなった身を流水に削られる、冷たい死に。

そう彼らは気が付いていたのだ。
周りに転がっている饅頭が同属だと。
それは自分が同じ境遇に置かれたからかもしれない。
あるいは身動きがとれないため、見つめ続けていたせいかもしれない。
またあるいは、単に一緒に川に落ちたからかもしれない。
いずれにせよ、気が付いてしまった。
あれらは自分と同じ存在なのだと。
そうしてまりさにとっては好都合な事に、絶望を深めどんどん甘くなってゆく。

彼らの苦しみは、簡単には終わらない。
冬ごもりはまだまだ続くのだから。
仮に途中でリタイヤするにしても、それはカビにまみれ、流水に砕かれる凄惨なものになる。
中枢を蝕まれる痛みを何日も味わった末、冷たい川の中でやっと〈永遠にゆっくり〉できるのだ。
舌で体をこそぎとられる事の比ではない。
あれだけはゴメンだ。
この状況にあってなお、そう思える。

ともかく、彼らの苦痛の旅路は始まったばかりだ。
特に体の大きい、親れいむと親まりさにとっては、まだまだ先は長い。
ゆっくり、ゆっくりと。
時間をかけて苦しんでいくことだろう。
そうして十分に甘くなった餡子を、愛する家族に提供するのだ。

                  - The End -



次回予告

あらゆるゆっくりがゆんやぁ!するニジウラコミュニティ。
ここはとっしー達が産み落とした、フタバノアンコのアンコンペ。
しんぐるまざーに染みついた返り餡の臭いに惹かれて、今日も危険な鬼威惨が生えてくる。
次回「でいぶ」。
鬼威惨が食べる、おちびちゃんの味は甘い。



あとがき

テーマは1.親子「期待外れ」と「家族殺し」に、2.差別「下克上」です。
あとは広い意味で「仲直り」 も入ってるかしら。

ちなみにタミフル服用中です。
いや、本当に。
新型インフルエンザです。
きっと、SSさんがオカシイのはそのせいです。
異常行動ってやつです。
だったらしょうがないねっ!





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  • 川だよな?
    ゆっくりが漕げる程度の波なら弟君入れるだろ?
    人間が入れないくらいの川ならゆっくりが自由に漕げる訳がない。
    絵本を描くように文章を書かないと、矛盾が発生するよ。 -- 2018-01-11 11:21:05
  • 多分5年後ぐらいに奇跡的に再会し水草ご馳走され、意外に水草が美味しいことに気づく少年であった -- 2012-07-10 11:50:28
  • 子まりさ「水草さんをごちそうするよ」            殺す気だwwwwwww -- 2011-07-24 08:57:33
  • 予告が面白すぎて本編が霞むwww -- 2010-11-03 12:24:32
  • 上手いなぁ。ゲス制裁はすっきりするね。
    子まりさ、げすにならずに強く生きろよー! -- 2010-10-19 14:10:10
  • 不幸な境遇のゆっくりって極端にいいかゲスだよね。
    まあ、ゲスは死んですっきり!! -- 2010-07-27 14:13:52
  • うまいなあ・・・ -- 2010-06-10 00:53:37
最終更新:2009年12月18日 22:23
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