ふたば系ゆっくりいじめ 665 基本種 れいむの受難

基本種 れいむの受難 12KB


ギャグ 飼いゆ 現代 愛護人間 ぬる愛で注意


季節は冬。
ぶっちゃけ寒い。
深夜に吹き荒れる肌を刺すような冷たい突風は、暖かい毛皮を着込んだ人間でさえも根をあげる。

そんな凍てつく大地に住み着く現代日本の裸族、その名はゆっくり。
桃色の柔肌を惜しげもなくさらけ出して記録的氷点下に立ち向かう命知らず。
その過酷な運命に挑み続ける勇敢な姿に全世界が泣いた。

「…れいむ、野良はああなるんだぞ? 飼いゆで良かったな」
「ぶるぶるぶるっ!? こわいよ! かちかちだよっ!?」

お兄さんが指し示す方向には、大きな冷凍饅頭が転がっていた。
ボロボロの黒い帽子を被ったゆっくり。
全身にはうっすらと雪が積もり、眼を開いたままの汚い表情で固まっている。
パリパリになった生気の欠片も残らない体皮は、今にも粉々に崩れてしまいそうだ。

黒帽子のゆっくりは、完全にぽっくりしていた。

「あれって美味いのかな? どう思う?」
「れいむにきかれてもこまるよっ!?」

右手にぶら下げているキャリーバック。
その中に入っていたれいむが悲鳴をあげる。
こいつは同属を食べる趣味は無いらしい。
非常に残念だ。

「踏んだら、パリパリして気持ちよさそう…」
「やめてねっ!? そんなひどいことはしないでね!!」

早朝の寒い気温で道端に出来た霜や、水溜りに張った薄氷を潰していた古き記憶を思い出す。
長靴が汚れていくのも気にせず、躍起になって踏み潰していたなー。
あの時、俺も若かった。

「踏まないよ」
「ゆ? ゆっくりあんしんしたよっ!!」

「どうせ、饅頭中心はグズグズだろ? 靴が汚れる」
「そんなりゆうだったのっ!?」

バイトで買った靴をこんな事で汚したくない。
せめて、安い靴を履いていれば迷わす実行していた。
俺の運は悪いと言わざるをえない。

「早く店にいくか。寒いだろ?」
「ゆん! さむいよ!! 
 でも、あのまりさたちを、ゆっくりたすけてあげてほし……ゆ? ゆゆ?
 なぜか、あるくすぴ~どがはやくなったよ!?」

早足で歩道を進む。
れいむの訴えを、俺は知らん顔をしながら受け流す。
あんな死に様を迎えた野良はどこにでも転がっている。
いちいち助けてたらキリが無い。

俺は目的の場所へと速やかに移動した。




『『 いらっしゃいませーっ! 』』

店員の挨拶が広い売り場に響く。
ここは、ゆっくりの衣料専門店。
最近、ゆっくり達の健康のために、洋服を着せることが流行っているらしい
雑誌で特集を組まれていた記事を参考に、俺も飼いゆの洋服を購入してみる事にした。

「いっぱいあるな……これ全部ゆっくり用かよ」
「ゆ! ゆゆ! ゆゆゆっ!? すごいよっ!! とってもゆっくりできるよ!!」

最初に驚かされたのは、所狭しと並べられたその圧倒的な品数だ。
体に着る洋服だけだと思ったら、帽子やアクセサリーなど幅広く扱っている。
雑誌広告に乗っていた情報からすると、この店はある系列の傘下にあたる中型店舗となっていた。

 その中規模系列の品数がこんなにあるのか?
 本店はもっと大きいんだろ?
 どの位儲けがあるんだ? 

俺は口をあんぐりと開けながら、頭の中で疑問を反芻していた。

キャリーバックに入っていたれいむは、綺麗なお洋服にハイテンション状態。
見た事も無い膨大な数の商品に息を荒く吐き出す。
『店内にゆっくりを歩かせても大丈夫ですよ』
そう店員から告げられたので、半放心状態だった俺は、何気なくれいむをバックから出してしまう。

…だけど、それは後悔を招く結果となる。

「うわーっ? これ五千円もするのかよ!? 
 この構造だと、うんうん漏らしたら一発アウトだしっ!! 
 見た目はオムツを履かせてるみたいだな……」 
「おにいさん!」

「うおっ!? でたよ、三万八千円!!
 なんなんだ……このふかふかの毛皮はっ!? ありえない!! 
 これがあれば、ゆっくりなんてイラネェよっ!!」
「おにいさんってばっ!!」

「なんだよ!? 一体、どうし…た……」
「れいむこれにきめたっ!!」

何ということでしょう。
俺が視線を下に向けると、そこにはドレスアップしたれいむの姿がっ!
以前は冴えない風貌だった糞饅頭が、見違えるような良饅頭へと早代わり。
真っ白なフリルが付いたドレスの裾を、ずーりずーりと床に引きずりながら、俺にゆっくりと近づいてくる。
頭に乗せていたティアラを、ゴドンと足元に落とした挙句、ビリビリと純白のドレスが破れ…、

「……っおまっ゛? なにしとんじゃああああああっ゛!?」
「ゆぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶっ゛!?」

れいむをベアクローで持ち上げる。

「おい……れいむくん。キミは何をやっているのかな?」
「やべでねっ!! ながみがでじゃうよっ!?」

脳内が高速で動き出す。

 なかなか高級そうなドレスだった。
 さぞかし、お高いのだろうか?
 もう、困ったなこのれいむは。
 こいつ、何匹分で元がとれるのかなー。

俺は最適な弁償方法を模索していた。
れいむの丸い体に、指先がギリギリと食い込んでいく。

「お、お客様っ!?」

そんな修羅場な現状の最中、勇気ある店員が仲裁に入る。
俺はれいむの顔面にベアクローを決めながら、店員さんが話す事のあらましを聞いた

まず、このドレスとティアラはいくら汚しても問題ないらしい。
その後店員さんは、かなり焦りながら詳しい説明してくれた。
要点を拾い上げてまとめると、こういう事を伝えたかったらしい。

お客様に内緒でドレスを着せて、
以前とは見違えるような綺麗なれいむに、ゆっくりしまくる飼い主の未来を予測した店員さん。
現実には、れいむを鷲掴みにして握り潰す一歩手前までに追い詰めた悪魔の姿。
店内話題騒然。どうしてこうなった?

そういう顛末だったらしい。

しかし、俺は突っ込みを入れたかった。
店側が催したサプライズの仕方が悪いと思う。
誰でも弁償の二文字が頭に浮かぶのは当然だと感じるのだが?
でも、ここは素直に謝っておくか。
来た早々に追い出されては適わない。
そういう事にしておこう。

「えーと、色々とスイマセンでした」
「ゆぶぶぶ……なんか、きもちよくなってきたよ?」
「ハイッ! こちらも説明不足の不手際でご迷惑をお掛けして、申し訳ありませんでしたっ!!
 それで、あのっ! ベアクローを止めてほしいのですが!?」

にょい~んと、体を伸ばしながら脱力させているれいむを、俺は慌てて放した。
床に転がるれいむを指で突っつく。
反応無し。
これは……ヤバイ?

その状況を正確に判断した店員さんは、直ぐに栄養剤を持ってきてくれた。
瀕死のれいむに投与する。
これだけ深刻なダメージを受けたゆっくりが、果たして助かるのだろうか?

「ゆっ! ふっかつだよっ!! かわいくてごめんねっ!?」 

目に生気が戻ったれいむは咆哮をあげながら立ち上がる。
まさに不死鳥。
ここが自宅ならば、地獄めぐりツアー決定だった。

「それでは、ごゆっくり店内をご覧ください……」

少々疲れたご様子で立ち去っていく店員さん。
すっごく気まずい。
商品を購入して、好感度アップ作戦を実行しよう。
そう。俺は自他共に認めるチキンなのだ。

「よし! 何か買うぞ!?」
「ゆん! れいむあれがいいなっ!?」

れいむがおねだりしたのは、三万八千円のコート。
直後、れいむの頭上が陥没した。




お買い得コーナーで商品を選ぶ。
俺は掘り出し物を探すのが、何よりも得意なのだ。

「これはどうだ?」
「……なかなかゆっくりできるかもね」

「それなら、これは?」
「……いいんじゃないでしょうか」

れいむは目を空ろにしながら、俺に片言で返答をしている。
さっき叩いたダメージが原因という訳ではなく、これは完全にふて腐れているのだろう。

「機嫌直せよ」
「れいむは、きげん、わるくない、よ?」

口を尖らせて拗ねるれいむ。

「選んだ服の何が気に入らないんだ?」

頭を叩いた後、涙目で拗ねていたれいむ。
やりすぎだと反省した俺は、お詫びにお菓子を買ってあげる約束した。
その後は、凄くご機嫌さんだったのに……。
服を選び始めてから、段々とれいむの顔から笑顔が消えていった。
お菓子に続いて洋服も買ってあげるんだから、何も悪いところは無いはずなんだが?

「なぜだ…? 一体、俺のどこがいけないというのだ!?」
「ぜんぶだよっ!?」

ミニスカートれいむは大声で全てを否定した。




れいむは腰をフリフリ、お尻をチラチラ見せながら涙を流す。

 お兄さんが、先程から選ぶ洋服のセンスは最悪の一言。
 大きな扇が開き、ゆっくりできない文字が書いている奇抜な服。
 ギラギラと無駄に光り輝く悪趣味な服。
 そして、この寒い季節にミニスカートと来たもんだ!

 れいむ、こんなんじゃ、ゆっくりおふゆをこせないよっ!?

「よーくかんがえてねっ!? れいむのおもいをかんじてねっ!?」
「え~っ……そんな高度な要求をされても…」

 嫌そうな顔をするお兄さん。
 そんなにれいむの熱い思いを理解するのは難しいのだろうか?
 違うっ! そんな事はないっ!!
 れいむはがんばるよっ!!

「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆっ!?」

れいむは目力を強めながら、お兄さんに向けて念を飛ばす。




目の前にいるれいむは、瞼を大きく見開き何かを訴えてくる。
せり出す二つの眼球部分。
過去に経験したような懐かしい眼差し。
その時、何故か奇跡的にれいむの願いを理解した。

 そうかっ! これは、欲しい物を見つめている子供の瞳だ!!
 この目線の先にれいむが求める商品があるんだな!!
 ゆっくり理解したぜっ! 

 うん……それがどんなものでも買ってあげよう。
 俺があの時買って貰えなかった物をれいむに与える。
 そうだな……それもいいだろう。

「どれどれ?」

俺はれいむが求めるプレゼントを確認する。

「……なんてこった…れいむ、チョイスが渋いぜっ!?」

直ぐにれいむを抱えて試着室へと向かった。




赤いリボンを髪に束ねた基本種。
長い黒髪は直毛で、左右にあるぴこぴこ部分が特徴的。
肌は健康そうな薄ピンク色をしていて、掌で撫でてみるとぷにぷにとした触感で気持ち良い。
可愛いれいむが、?キリッ!!?とした顔で笑みを浮かべた。
ぽっこりお腹に巻かれたお兄さんの愛が込められたプレゼント。

それは、真紅に染めあげられた、ふんどしだった。

「れいむ、似合うぞっ!」
「とても素敵だと思います!!」
「うそつけええええええっ゛!? ありえないでしょおおおおおおっ゛!!」

俺と店員さんは、凛々しい赤ふんれいむを大絶賛。
れいむは大きな鏡でふんどし姿を認識した後、大きな叫び声を店内に響かせた。

「捻り鉢巻も似合うな! これも追加で!!」
「お買い上げありがとうございますっ!!」
「やめてねっ!? やめてねっ!!」

そんなに遠慮しなくていいのに。
こうなったらトコトンだ!
俺はそう決めた時には、金に糸目をつけない男だぜっ!! 

「色違いふんどしも三つ追加!!」
「はいっ!」
「やめてええええええええええええっ゛!?」

れいむは喜びの涙を流していた。





「なんでそんなに不機嫌なんだよ?」
「ふきげん、じゃ、ないもんっ」

店を後にした俺はれいむに呼びかける。
赤いふんどしを体に巻きながら、ぶすっと、頬を膨らましたままなのだ。
何がそんなに気に入らないのだろうか?

「なかなか実用的でいいと思うけどなー?」
「ゆ? どういうことなの?」

ちらりと視線を上に向けたれいむ。
俺はれいむと目を合わせながら静かに語る。

「このふんどし。お肌に優しい材質で出来ていて、ぴったりと肌に馴染じむその着心地は悪くないはずだ」
「ゆん?……たしかに、ぺにぺにがきゅっ! となって、わるいきぶんではないよ」

「外出に良し、パジャマ代わりにも良し、汚れても洗いやすいの清潔使用」
「ゆっ! おもらしーしーや、いねむりうんうんでよごれても、だいじょうぶなんだね!?」

「例え、厳しい寒気が訪れても、先程購入したこれを羽織れば問題ない!!」
「ゆーん!! おにいさんはよういしゅうとうだねっ! ゆっくりできるよっ!!」

追加ふんどしと同時購入した紋付袴。
これは安売りコーナーで見つけた掘り出し物だ。
中に綿が詰め込まれているから保温性にも優れている。
良い買い物をしたぜっ!

俺の掌の上でコーディネートされたれいむは、?ゆじゃ~ん!!?と、大きくお腹を反らせながら満面の笑み。
頭には捻り鉢巻、紋付袴を体に羽織り、赤いふんどしが寒風に靡いてパタパタと揺れている。
その珍妙な格好で、自信満々にえびぞりポーズをしていたれいむを見ていた俺は、ついつい余計な一言を呟いてしまった。

「お祭り?」
「……ゆはっ!?」

れいむが凍った。
道端に落ちている野良よりも、悲痛な顔を浮かべながらの硬直状態。
その後、れいむはギギギギと鳴り響くような動きをしながら、俺の方へと顔を向けてくる。

「どう、いう、こと、なの?」

これは中々の迫力。
俺は、さっと目線を反らす。

俺達の周辺では、奇怪な格好をした赤ふんれいむ。
もとい、お祭りれいむに奇異な視線が集まっているのが感じ取れた。
なんとなく人が集まってきているような…? 気がする。

「…ま、まあ、あれだ、えーと…、
 ……そうだっ!! 約束したよな!? お菓子、お菓子買ってやるよ!!」
「おかしはあとでいいよ!? ゆっくりきがえさせてねっ!!」

両手の上で暴れるれいむ。
落とさないようにしっかりと掴みながら、俺達は製菓店へと入る。
扉を開けて入店した後、確実に店内の空気が変わった。
全ての視線がお祭りれいむに集中する。

この時の事件について、後に頭を抱えながら思い出すと、確かにお客が何事かと警戒するのも無理もない話だ。
完璧に怪しすぎるれいむのスタイル。
どこかで祭りをやっているのかと、窓の外を確信した客も居た。

でも、俺は完全に混乱中。
何故あんなに焦っていたのかは解らない。
初めてのお洋服を貶した罪悪感もあったのかもしれない。
ただ、れいむのご機嫌取りに夢中だった。

「ケーキ、ケーキ買ってやるよ!? それも二つ!! わー、れいむちゃん羨ましいなーっ!」
「やめっ……!? にんげんさんのおおいところはいやあああっ!! 
 らめえええっ!? れいむをみないでえええええええええっ゛!!」

れいむはぴこぴこを器用に動かして目元を隠すが、腹に巻いた赤ふんはぴこぴこと靡いたままだった。

席に着いたれいむに向けられる了承を得たカメラのシャッター音。
終始、真っ赤な顔をしながら恥ずかしがって俯くれいむ。
俺が冷静な判断を取り戻し、れいむを着替えさせるまでの間、店内では賑やかなお祭り騒ぎが続いていた。







・れいむにふんどしの素晴らしさを教える予定だったお話
 ベアクローの後は優しさ全開

・ふんどしで止めを刺すケツマクがぬる愛でに変化
 元の原型はお兄さんが履いて人肌になったふんどしをゆっくりに巻きつけ……
 いえ、何でもありません忘れてください

・一部、きっかけとなった既出絵のネタをお借りしました





トップページに戻る
このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
感想

すべてのコメントを見る
  • ↓↓
    現実だって犬やら何やらの服売ってるがゆっくりはそもそも手足がないからなあ
    胴付きならまだしも生首饅頭に服を着せるというのは少々理解しがたい・・・ -- 2011-08-17 06:19:51
  • まあ今だけ知能が高そうなゆっくりなら愛でてもよい -- 2010-11-18 10:11:39
  • ゆっくり用の服が商売として成立するなんて、愛で派の多い世界なんだろうね。 -- 2010-08-08 21:03:20
  • おもしろかったよ! -- 2010-07-14 00:49:51
最終更新:2010年03月14日 09:34
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。