ふたば系ゆっくりいじめ 769 ゆっくり採集~つかまってごめんね!~

ゆっくり採集~つかまってごめんね!~ 27KB


虐待-普通 赤子・子供 自然界 現代 実は昆虫採集したことないです

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それを見つけたのは、久しぶりに部屋の大掃除をしている時だった。

「おお、これは懐かしい……」

すっかりボロボロになった、小さめの箱。
表面には、満面の笑みを浮かべるゆっくりのイラストと、セリフが描かれている。

『ゆっくり採集セットだよ!』
『ゆっくり捕まえていってね!』

小さな頃に入手したは良いが、存在を忘れて適当に押し込んでいたのだろう。
箱を開けてみると、小さな注射器まで入っている。
最近は何かと物騒だし、この手の道具はご法度だ。

「もう、こういうものは流行らないのだろうなぁ」

野生ゆっくりは、かなり森の中まで行かないとお目にかかれなくなっている。
街の野良ゆっくりは一斉駆除ですっかり姿を消してしまったし、飼いゆっくりに手を出すと当然問題になる。
時代の流れというやつだ。

「明日は休みか……よし!」

休日の予定も特になく、街の喧噪にも飽いていたところだ。
これは、ちょうど良い暇つぶしになるかもしれない。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「居ないものだなぁ……」

手持ちぶさたに、取り網をブラブラと振り回す。

気がつけば、かなり森の奥まで来てしまった。
既に人工物の類は、全く見当たらない。
耳に入るのは、木々の葉を揺らす風の音と、微かに聞こえる河のせせらぎぐらいだ。

入念に辺りを見回すが、ゆっくりのゆの字も見あたらない。
森の中でさえ、既に絶滅してしまっているのだろうか?

……少し、腹が減ってしまった。

取り網を足元に置き、傍らの岩に腰を下ろす。
私はひとまず小腹を満たすため、リュックからおにぎりを取り出した。

「もっと、森の奥まで行くべきか?」

おにぎりに口をつけた、その瞬間だった。

「ゆっくりしていってね!」

聞きなれた、しかし最近では珍しくなった声。
木陰から覗く、キリリとした眉毛に不敵な笑顔。

「お、ゆっくりしていってね」
「ゆゆ~ん!」

挨拶を返されたのが嬉しかったのか、笑顔が更に弾けてゆく。
黒髪に赤いリボンは、れいむ種というヤツだ。
大きさはバレーボール程だろうか。

「ゆ……」

よく見れば、口元からは涎が垂れている。
その視線は、私のおにぎりに釘付けだ。

「……これが欲しいのかい?」
「ゆ! ゆ!」

れいむは、その場でピョンピョンと跳ね始めた。
どうやら正解だったようだ。

私はおにぎりを少し千切ると、れいむの手前に投げてやった。

「ほら、食べろ」
「ゆわーい」

れいむは何の警戒もせず、おにぎりの欠片へ飛びつく。
まずは匂いをかぎ始めた。
鼻も無いのに匂いが感じられるのは、まったくもって不思議なことだ。

次に、おにぎりの欠片へ舌を伸ばす。
ひと舐めすると満足気にほほ笑み、やっともそもそと食べ始めた。

「むーしゃ、むーしゃ」

私は、おもむろに取り網へ手を伸ばす。

「しあわせー!」

れいむが、歓喜の声と同時に私を見上げてきた。
静かな森の中、ガッチリと目が合う私とれいむ。

「っ!」

目線を合わせたまま、私は取り網を振り下ろす。

「……ゆ?」

れいむは幸せそうな笑顔のまま、私を見続けていた。
私も、れいむを無言で見つめ直す。

そのままの体勢で、数秒は経っただろうか。

「ゆ!? ゆっくりできない!?」

やっと状況が把握できたらしく、れいむが網の中で暴れだす。
と言っても、片手で簡単に抑えきれる程度の抵抗ではあるが。

そのうち、暴れるれいむの足元から、まだ少し残っていたおにぎりの欠片が散らばってゆく。

「ゆ! むーしゃ、むーしゃ」

れいむも気がついたらしく、おにぎりの欠片を再び食べ始める。
一通り処分すると、また私を見上げて笑顔になった。

「しあわせー!」
「そうか、良かったな」
「……ゆ? ゆっくりできない!?」

状況を思い出したのか、れいむが再び網の中で暴れだす。

野良ゆっくりの駆除は、かなり短期間で大きな成果を上げたと聞く。
私は、その理由がよくわかったような気がした。

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こんな簡単に餌で釣られるのなら、準備をしておくべきだった。
手持ちの食料は、自分の昼食分ぐらいしかない。

「すーや、すーや」

リュックに取り付けた捕獲用の網に目をやると、れいむが眠りこけていた。
先を絞った網に納まっている様子は、まるでスイカのようだ。

閉じ込める時は、それなりに抵抗をしていたのだが……。
ものの数分もしないうちに、絶賛睡眠中のようだ。

「すーや、すーや」
「………………」

リュックと共にれいむを下ろし、拳を握り締める。
大きなキズは付けたくないので、れいむの底面を手前に向けた。

よく見ると、底面が軽く波を打っている。
このれいむは、あまり寝相がよろしくないようだ。
おしおきが必要だな。

「ふんっ!」

渾身の気合で、れいむの底面に拳を打ち込む。
適度に柔らかく、それでいて心地よい反発。

「ゆぎゅ!?」

素早くリュックを背負い直す。
当然、網に入ったれいむも背中へ戻る。

「……なんだか、いたいゆめだったよ。こんどはもっとよいゆめをみるよ!」
「ああ、ゆっくりしていってね」
「ゆっくりしていってね! ……すーや、すーや」

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

私は、れいむが出てきた木陰の奥へ足を進めていた。
ゆっくりは、少なからず群れるものだと聞く。
もしかしたら、仲間か……巣が見つかるかもしれない。

だが、いくらゆっくりとはいえ、野生のものだ。
さすがに巣となると、そう簡単には見つからないだろう。

「みゃみゃのけっかいっ! は、ゆっきゅりできるにぇ!」
「ゆっくち! ゆっくち!」

簡単に見つかったようだ。

木のうろに、不自然に立てかけられた小枝。
小枝の隙間からは、プチトマト大の丸いものがしっかりと見えていた。
1、2、3……たくさんの赤ゆっくりだ。
巣の目前に立ちふさがる私に、全く気がつく様子もない。

「みゃみゃは、まだかえってこにゃいの?」
「きっと、いっぱいかりをしてるんだよ!」
「あまあま、いっぱいだにぇ!」
「あまあま! あまあま!」
「ゆっくち! ゆっくち!」

もしかして、さっきのれいむの子たちなのだろうか。
そんな疑問も浮かんだが……。
熟睡中のれいむを起こすのも忍びないので、確認はしないでおく。

しかし、こんな小さな子だけを巣に残して、大丈夫なのだろうか。
赤ゆっくりを良く見ると、れいむ種の他にまりさ種も見える。
ということは、親の片方はまりさ種のはずだが……。

「でも、みゃみゃがいないと、れいみゅさびちぃよ」
「まりちゃ、ゆっくちしてにぇ!」
「ぴゃぴゃがいれば……ゆっぐ、ゆっぐ」
「ゆ……ゆわーん!」

ご丁寧な説明に、感謝する。
なるほど、親まりさは既に永遠にゆっくりしてしまったようだ。
可愛そうに。色々と辛いこともあっただろう。

「よっ、と」

私は汚物を避けるかのごとく、けっかいっ! を蹴り払った。
ついでに、足の裏で丹念に踏みにじる。

「ゆゆ!?」

赤ゆっくり達が、慌てて巣から飛び出してきた。
飛び出したといっても、歩みはゆっくりしたものだったが。

赤ゆっくりはどれもこれも、跡形も無くなったけっかいっ!
……が、あった筈の場所を見て驚愕している。

「けっかいっ! さん、ゆっくちちてにぇ!?」
「どこいっちゃの、けっかいっ! さん!?」

しばらくオロオロとしていた赤ゆっくり達だが、何匹かが私の存在に気が付いたようだ。

「……ゆ?」
「ゆわぁ!? にんげんしゃんだぁ!!」

私に気が付いたからなのか、単に錯乱しているのか。
赤ゆっくり達は、てんでバラバラな方向に散らばってゆく。
小さく細かく跳ねるもの、這いずり回るもの、と色々だ。

「ゆわーん! みゃみゃー!」
「たちゅけちぇね! たちゅけちぇね!」

赤ゆっくり達の移動スピードは、とてもゆっくりしている。
しかし、汗だか涙だかわからないが、妙に身体が湿っていて掴み辛かった。

「まりちゃ、ちゅかまりちゃくないよぉ!」

掴み辛かった赤まりさに、おもむろに足を振り下ろす。

「ゆぎゅぶっ!」

ついでに、足の裏で踏みにじる。
すり潰すように、丹念に丹念に。

「た、たちゅけちぇぶっ! ふぎゅ!」

処理を終えた私は、比較的掴みやすかった赤れいむを、母と同じ網へ放り込んだ。
親子水入らず、感動のご対面だ。

「みゃみゃ!?」
「すーや、すーや」
「ゆぅ、みゃみゃとってもゆっくちしてりゅにぇ!」
「すーや、すーや」
「れいみゅもゆっくちしゅるよ! ……ゆぴー、ゆぴー」

ああ、逃げるのに疲れて眠ってしまったんだね。
まだ赤ちゃんだもの、それは仕方がない。

私は、渾身の気合を込め、親れいむに拳を打ち込む。

「ゆぎゅ!?」
「ぴぎゅ!?」

押しつぶされるように、赤れいむが潰されてしまったようだ。
原型を全く留めず、ただの餡子の染みになっている。

「ゆぅ、またいたいゆめを……ゆゆっ!? あまあま!? ぺーろ、ぺーろ!」
「よかったな、れいむ」
「しあわせー! ……すーや、すーや」

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結局、生きたまま捕まえられたのは、赤れいむ2匹、赤まりさ2匹だけだった。
他は全部、不可抗力により餡子の染みになってしまったようだ。

捕まえたゆっくり達は、網の中で親子仲むつまじく熟睡中だ。

「成体だと、あと1匹ぐらいか」

親れいむを捨てて、赤ゆっくりだけにすれば、もっと持ち運べそうではある。
しかし赤ゆっくりだけというのも、情緒が無い。なんの情緒かは知らないが。

「ゆゆっ!? れいむとおちびちゃんがぁ!?」

突然、背後からすっとんきょうな声。
慌てて振り向くと、金髪に黒帽子をかぶった丸い物体が鎮座していた。
網の中のゆっくりを見つめて、驚愕の顔で固まっている。

このゆっくり達と、顔見知りのまりさなのだろうか。
もしかしたら父親? しかし、父親は永遠にゆっくりしたはず……。

「れいむとおちびちゃん、まるでおそらをとんでるみたい!」

既にまりさから驚愕の顔は消え、恍惚とした表情に変化していた。
私は、ひとまず声をかけてみる。

「ゆっくりしていってね」
「ゆっ! ゆっくりしていってね!」
「お前、このゆっくりの知り合いか?」
「そんなことより、まりさもおそらをとびたいよ!」

まりさが頬を染めつつ、その場で何度も飛び跳ねる。
ポヨンポヨンと、自然界に相応しくない奇妙な音が響き渡る。

「これは飛んでいるのではなく、捕まっているだけなんだが」
「とばせてね! まりさとんじゃう!」

どうやら日本語が通じないようだ。
仕方がないので、網の中のれいむを地面に下ろし、拳を打ち込む。

「ゆぎゅ!?」
「おはよう、れいむ」
「ゆぅ……れいむ、いたいゆめを」
「このまりさは、お前の知り合いなのか?」
「ゆ? ま、まりさ!? れいむのまりさ!?」

親れいむの声に、やっと我に返ったのだろうか。
飛び跳ねるだけだったまりさが、反応を示し始める。

「そうだよ! れいむのまりさだよ! ゆっくりりかいしてね!」
「まりさ、あいたかったよー!」
「れいむ、あいたかったよー!」

まりさが、一直線に愛するれいむの元……つまり私の元へ向かってくる。
すかさず手を伸ばし、まりさの帽子を掴み上げる。

「ゆあぁ! すてきなまりさのおぼうしさんが!」

急ブレーキをかけて、れいむに向かうのを止めるまりさ。
頭上高く持ち上げられた帽子を取り戻そうと、一生懸命に身体を伸ばし始めた。

「まりさのおぼうしさん、ゆっくりもどってね! のーびのーび!」
「がんばってね、まりさ!」

まりさは何やら忙しそうなので、代わりにれいむへ疑問をぶつけてみる。

「なぁれいむ、お前のまりさは死んだんじゃなかったのか?」
「まりさはしんでないよ! れいむはしんじていたよ!」
「じゃあ今まで、まりさは何処に居たんだ?」
「かりにいって、かえってこなくなっただけだよ!」

なるほど、何か事故にでも遭っていたのだろうか。
見れば親まりさの身体は、あちこちキズだらけだ。
愛するものの元へと帰るべく、様々な苦難を乗り越えてきた証なのだろう。
暖かい家族の絆に、思わず目頭が熱くなってしまうのを禁じえない。

「のーびのーび! のーびのーび!」

親まりさの妙に伸びたドテっ腹に、私は尊敬の気持ちを込めた拳を打ち込んだ。

「のーびのーぶぎゅふぅっ!」

親まりさが、くの字になって吹っ飛んでゆく。
それを見て親れいむが絶叫する。

「ばでぃさー!?」
「こらこら、愛するものの名前を間違うなよ。バディサじゃなくてまりさだろ?」
「ばでぃさは、ばでぃさだよ! ゆっぐりりがいじでね!」
「……ふんっ!」
「ゆぶっ!」

親れいむも疲れているようなので、私の拳で眠らせてあげた。
寝言もなく横たわっている様子を見る限り、今度は幸せな夢でも見ているのかもしれない。
傍らに居た赤れいむが、今の衝撃で一匹潰れてしまったようだが致し方ない。

「まりさのおぼうし、かえして……ね」

か細い涙声が、私にかけられた。
お腹の辺りを真っ赤にした親まりさが、私に向かって這いずってきているようだ。

「どうした、お腹でも痛いのかい?」
「すてきな……まりさの……おぼうし……」

大事な帽子に、万が一のことがあってはいけない。
親れいむ達が眠る網の中へ、帽子をそっとしまいこむ。

「ゆんやー! かえしてね! かえしてね!」

それを見て、親まりさが一目散に網の中へ潜り込む。
やはり家族の絆は、私が思っていたよりも強かったようだ。
また生き別れになどならないよう、網の口をきつく締め上げる。

「まりさのおぼうしさん! ゆっくりおかえり!」

さっきまで涙目だった親まりさも、すっかり満面の笑顔だ。

「ふんっ!」
「ゆぎゅふっ!」」

長旅で疲れた身体を癒すには、睡眠が一番だ。
親まりさが安らかな眠りについたのを確認し、私は安堵する。

今の衝撃で更に赤まりさが一匹潰れてしまったことも、いつか良い思い出になるだろう。
これで後腐れなく、森を後にすることができそうだ。

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森から帰ってきた私は、早速、次の準備を始めた。
網の中から熟睡中のゆっくり達を取り出し、ちょうど空いていた大き目の水槽に並べてゆく。
この大きさなら、先刻のように不可抗力で赤ゆっくりが潰れることもないだろう。

結局、最終的に持ち帰ることができたのは……。
親れいむ&親まりさと、赤れいむ&赤まりさ、それぞれ一匹ずつ計4匹だけだった。
希少種までとは言わないが、もう少し色々な種類が欲しかったものだが……。

一斉駆除の影響が出ているのだろうか。
既に野生では、元々絶対数の多いれいむとまりさが大半なのかもしれない。

「ゆふぁ~、よくねちゃよ……」
「ゆ……おはようおちびちゃん」
「……まだねみゅいよ~」
「ゆふふ、おちびちゃんはおねぼうさんだね!」
「きゃわいくちぇ、ごめんにぇ!」

ゆっくりの生態について思いを巡らせているうちに、家族がお目覚めのようだ。
眠そうな目をもみあげやおさげで擦りつつ、ぼんやりと私の方へ視線を向けてくる。

「ゆゆっ!」
「ゆっくりしていってね!」
「しちぇいっちぇにぇ!」
「ああ、ゆっくりしていってね」
「ゆふ~ん」

挨拶を返すと、満足げに笑みを浮かべるゆっくり達。

「ゆゆ? ここはどきょ?」
「わからないよ!」
「ぴゃぴゃがいるよ!」
「おちびちゃん!」
「みゃみゃもいるよ!」
「おちびちゃん!」

親子が夢にまで見た、感動の再会だ。
どのゆっくりも涙が滝のように溢れている。

「ゆっくりできるね!」
「ゆっくりしようね!」
「ゆっくりしていってね!」
「しちぇいっちぇにぇ!」

家族の問題は無くなったようなので、私は準備の続きに戻る。
水槽から少し離れた場所に標本台を置き、採集セットの中身を広げてゆく。

「さて、まずは……」

私は腕を組み、最初のゆっくりをどれにするか考え始める。

「おちびちゃん、これからはずっといっしょだよ!」
「ぴゃぴゃ~!」
「ゆっくち、ゆっくち!」

まぁ、どれでも良いか。

「なにがあっても、まもってあげるからね!」
「れいむのまりさは、もりでいちばんつよいんだよ!」
「ゆゆ~ん! てれるよ、れいむぅ~」

たまたま目に止まった赤れいむを、水槽の中から摘み上げる。

「ゆっくち、ゆっく……ゆっ?」

涙で滑っているのか、掴み辛い。
もう少し指に力を込めて……。

「ゆ、ゆわぁ~! れいみゅ、おしょらを」

グシャッ!

「……あ」
「ゆ?」
「おちび……ちゃん?」

どうやら、力を込めすぎたようだ。
空中で餡子を撒き散らしながら、潰れてしまった。

「まりちゃの、きゃわいい、いもうちょがぁ~!?」

水槽の中に、赤れいむだったものの破片が降り注ぐ。
その様子は、まるで餡子のシャワーのようだ。

「れいむの、かわいいおちびちゃんがぁ~!?」
「かわいいまりさの、おちびちゃんがぁ~!?」

まぁいいか、赤ゆっくりならもう一匹いるし。
私は、あらためて慎重に赤まりさを摘み上げる。

「ゆゆっ! まりちゃ、おしょらをとんでりゅみちゃい!」
「ゆ、ゆわぁ~! れいむのかわいいおちびちゃん、とってもゆっくりしてるよ~」
「さすが、かわいいまりさのおちびちゃんだよ!」

家族の歓迎に包まれながら、赤まりさは標本台にセットされた。
標本台は、四方を浅く囲まれた箱のような形になっている。
赤まりさは、顔を天井に向けた状態だ。

「……ゆゆっ? なにしゅるの?」

キョロキョロとせわしなく周囲を伺う赤まりさを、片手で抑える。
暴れないことを確認すると、私は採集セットからピン針を何本か取り出した。
少々錆びついているようだが大丈夫だろうか?

「あしょんでくりぇりゅの? ゆわーい!」
「ねぇ、れいむ!」
「なぁに、まりさ?」
「おちびちゃんも、りっぱにゆっくりしていることだし、ひさしぶりに……!」
「ゆふふ……まりさったら、こんなあかるいうちから!」
「そういうれいむだって、まんざらじゃないんだよ!」
「まりさ……!」
「れいむ……!」

まずは……どこに刺せば良いんだろう?
赤まりさの身体を見渡し、適当な所を探す。

「はやくあしょんでにぇ! あしょんでにぇ!」

期待に満ち溢れた目で、赤まりさが私を見つめている。
ふと、ピコピコと激しく揺れるおさげが目についた。

「ここかな」

プスッ!

「……ゆ?」

赤まりさが、おさげと私の顔を交互に見つめる。
まん丸な目には、疑問の色が浮かんでいるようにも感じた。

「まりちゃのおしゃげさん……? うごきゃないよ?」
「そりゃ、ピン止めしたからな」
「どうちて?」
「どうして、って……」

返事の代わりに、ピン針を頬のあたりに差し込んでやる。
決して、説明が面倒だったわけではない。

「ゆびゃあ~っ!」

ピン針に特に問題はないようだ。
もう片方の頬やお腹のあたりに、次々と刺してゆく。

「いちゃい! いちゃいよぉ!」

ここにきて、赤まりさが暴れだした。
帽子が外れて、標本台から落ちそうになる。

「まりちゃの、しゅてきなおぼうちがぁ~!」
「おっと」

赤まりさが大きく身体を捻ろうとした瞬間だった。
ピン針が、赤まりさに刺さったまま折れてしまったのだ。

「やっぱり錆びてたかぁ」
「ゆんやぁ~!? いちゃい、いちゃいよぉ~!」

赤まりさが、グニグニと身体を揺らす。
異物を排除しようとしているのだろうか。

「まりちゃのなかに、なにか、はいってくりゅ~!」
「仕方ない、もう一本刺すか」

折れたピン針の辺りを狙い、再度刺しこむ。

「ゆっぴいぃ~!?」
「お?」

赤まりさがあんまり暴れるものだから、ピン針で刺されている周辺が裂けてきたようだ。
じわりじわりと、裂けた肌から餡子が漏れ始めている。

「まずいな、補強しないと」

裂けている周辺に、次々にピン針を刺しこんでゆく。

「やめっ! いちゃ! ぴぃ! ゆ゙っ! ゆ゙っ!」

刺しこまれる度に、赤まりさはビクビクと痙攣を始めるようになってしまった。

「ん? どうした?」
「ゆ゙っ! ゆ゙っ! ゆ゙っ! ゆ゙っ!」

赤まりさが妙なリズムで鳴き始めた。
ピン針を刺されるのが嬉しいのだろうか?
ゆっくり版の針治療みたいなものだろうか。

そういうことなら、期待に答えてやらねばなるまい。
今度は赤まりさの腹の真ん中あたりに、ピン針を一気に刺しこんでやった。

「ゆ゙っ!」

今まで以上に、赤まりさが大きく鳴いた。
ゆっくりのツボはよく分からないが、針が効いたんだろうか。

「……もっちょ……ゆっきゅり……したかっちゃ……」
「あれ?」

赤まりさは、身体の穴という穴から餡子を漏らし、動かなくなってしまった。
これでは標本とは呼べない。ただの生ゴミだ。
おかしい……何を間違った?

「……あ、そうか。先に殺さないと駄目だったっけ」

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「んほおおおぉぉ!」
「……すっきりー!」

水槽の方から、何やら嬌声が聞こえた気がした。
元赤まりさだった生ゴミを処分した後、あらためて水槽へ向かう。

「なにしてんだ、お前ら?」
「ゆふぅ……」
「ひさしぶりだから、いちだんともえちゃったよ!」
「なやましくてごめんね!」
「よく分からないが、お前らの番だぞ」

どちらでも良かったのだが、とりあえず親れいむを両手で持ち上げる。

「ゆゆゆ!? れいむおそらをとんでるみたい!」
「ゆわー! さすがかわいいまりさのれいむ、ゆっくりしてるよー!」
「……あれ?」

気のせいか、捕まえた時よりサイズが大きくなっているような気がする。
特にお腹のあたりが大きく膨れているような……。

「まぁ、殺ることは一緒だから別にいいか」

ひとまず作業台へ親れいむを乗せる。
これだけ大きくなると、普通の標本台じゃうまく入らないかもしれない。

「ちょっと待ってろ」
「ゆゆ~。おちびちゃん、ゆっくりうまれ……」

親れいむの声を背にし、標本台の代わりにダンボール箱を持ってくる。
天井側のフタを切り取り、あらためて親れいむを上から入れ込んだ。

「ゆゆっ? ここどこ?」
「注射器は……よし」

笑顔のまま、ダンボールを気にしてキョロキョロしている親れいむに注射器を向ける。
そのまま躊躇なく一気に刺しこむ。

「チクっとしたよ!」

親れいむが、もみあげを使って注射部分をさすり始める。
まるで予防接種を受けた昔の子供のようだ。
そんなに揉んで欲しいのなら……私は手を伸ばす。

「ゆゆっ! もーみもーみ! もーみもーみ!」

私が揉むのに合わせて、親れいむがリズムを取り始めた。
だんだん頬が紅潮してきているような気がする。

「……ゆゆっ! う、うまれる!」
「え?」

膨らんだお腹に小さな穴が開き始め、小さな丸いものが顔を覗かせている。
目をこらして丸いものをよく見ると……。

「ゆっくちうまれりゅよ! きゃわいくてごめんにぇ!」

それは親れいむそっくりの目と口で、満面の笑みを浮かべていた。
外へ出るべく、丸いものがじりじりと蠢いている。

「おいおい、こんな時に……」
「れいむのかわいいおちびちゃん、ゆっくりうまれてね!」
「ゆっくち! ゆっく……ゆ?」
「……ゆぐっ!?」

赤ゆっくりは、既に半分ぐらい顔を出していた。
髪の毛や飾りはまだ見えないので、何の種類なのかは分からない。

親れいむが苦しそうな声を上げて、いきみ始める。
なぜか赤ゆっくりまで苦しそうだ。

「ゆっくりでも、お産は苦しいものなんだな」
「なんだきゃ、ゆっくちできにゃい……」
「く、くるしい……たす……け……」

私は、生命の神秘を静かに見守った。
やがて赤ゆっくりがボテッっと生れ落ちると……。

「れいみゅ……ゆっくちうまれちゃ……かった……」

そのまま、ピクリとも動かずに固まってしまった。

黒髪に赤リボン、どうやられいむ種だったようだ。
が、既に笑顔はどこにもなく、生気が全く感じられない。

「あれ? どうしたんだ、おい」
「お、おちび……ちゃん……?」

親れいむも気がついたようだが、動かしたのは視線だけだ。
身体は全く動かしていない。
大きな目からは涙が溢れ、苦しみを訴えるかのような口元からは涎が垂れている。
いつも無駄にキリリとつり上がっていた眉毛も、すっかり八の字型になっていた。

「どぼじで……」

ついに親れいむも、固まってしまった。
いくら突付いても、殴っても、反応が無い。

「……ああ、注射が効いただけか」

注射器に貼られた、イラスト付きラベルを見直す。
『ゆっくり固めていってね!』とフキダシ付きのゆっくりが、そこには描かれていた。

「こんなに苦しんじまうのか」

親子れいむの表情は、とてもじゃないか飾るに適したものではなかった。
目も口も眉毛も、恐怖と苦痛に満ち溢れている。

もっと良い表情で固めるには、どうすれば良いのだろう?
元親子れいむだった生ゴミを処分しながら、私は考えを巡らせた。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「ゆゆっ? おそらをとんでるみたい!」

昼寝を始めようとウトウトしていた親まりさを、水槽から掴み上げる。
こいつも、捕まえた時より大きくなっているような……?

「まりさとんでる~!」
「なぁ、まりさ」

ダンボールに親まりさをセットして、私は問いかけた。

「お前も子供産むのか?」
「ゆゆ!? まりさとんでない! とびにくい!」
「このお腹の大きさは……」
「そんなことより、まりさをとばせてね!」

親まりさの帽子を掴み上げ、即バラバラに引き裂く。

「ゆあぁぁぁ!? すてきなまりさのおぼうしさんが!」
「質問に答えたら、おぼうし治してやるぞ」
「ほんとう!? ゆっくりありがとう!」
「で、子供産むのか?」
「れいむがはげしすぎて、まりさまでおしたおしたんだよ!」
「へー」
「だから、おぼうしなおしてね!」
「あれは嘘だ」
「ゆがーん!?」

とりあえず、この身体のキズを何とかしなければならない。
親まりさの身体は、長い放浪生活のせいか、かなり痛んでいる。

私は採集セットから、小さなチューブ型容器を取り出した。
イラスト付きラベルには『ゆっくり治していってね!』とフキダシ付きのゆっくり。
容器を絞ると、練った小麦粉のようなものがひり出てきた。
どうやら、これが修復薬のようだ。

「暴れるなよ?」
「ゆゆっ?」

両手を使って、修復薬を親まりさの身体に万遍なくすり込んでゆく。

「ゆ、ゆふっ! ゆふっ!」

見る見る間に、親まりさのキズが目立たなくなってゆく。
かなり古い薬なのだが、ちゃんと効くものなのだなぁ。

「き、きもちいいよ! もっとぬりぬりしてね!」

同時に親まりさの息も荒くなってきているようだ。
頬もほんのりと染まり、幸せ一杯の笑顔だ。

「ぬーりぬーり! ぬーりぬーり!」
「うん、この表情なら……」

注射器を手に取り、ほんの少しだけ薬剤を注入する。

「チクっとしたよ! ……ゆぐっ!?」

あっという間に表情が曇り、苦痛を訴える親まりさ。
これでは先程と同じ結果になってしまう。
私は、慌てて修復薬を塗り直した。

「ゆぐっ……ぬーりぬーり? ぬーりぬーり!」

ガッチリと私に視線を合わせ、もっと塗ってくれと訴えんばかりの親まりさ。
輝くような笑顔は、まさにゆっくりの標本に相応しい。

再び私は、注射器を刺しこむ。

「チクっとしたよ! ぬーりぬーり! チクっとしたよ! ぬーりぬーり!」

私は注射器と修復薬を交互に使い、親まりさの笑顔を絶やさないよう留意した。
これならば、良い標本が完成しそうだ。

そして、注射器を使い終わろうとした瞬間……。

「……ゆっ!? うまれる!」

先程の親れいむと同じように、親まりさのプックリ膨れたお腹に穴が開き始める。
そこから親まりさ同様の眩しい笑顔が、ゆっくりと覗き始めた。

「ゆっくちうまれりゅ……」

これも先程と同じく、顔部分だけが覗いているため種類はわからない。
違っていたのは、希望に満ち溢れた笑顔のまま動かなくなったことだ。

「かわいいまりさの、おちび……」

視線を親まりさの顔へ戻すと、こちらも笑顔のまま固まっている。
指で突付いても、何の反応も示さない。

どうやら、今度はうまくいったようだ。

しかも親子セットだ。
達磨の腹に、もう一つ小さな達磨の顔があるような外見になっている。
今度は安心して、ピン針を身体のあちこちに刺しこむことが出来た。

「苦労したが……これで完成だな!」

よくわからない達成感に、私は満たされていた。
親子まりさの輝くような笑顔も、祝福を送っているかのようだった。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

それを見つけたのは、久しぶりに部屋の大掃除をしている時だった。

「おお、これは懐かしい……って、あれ?」

すっかりボロボロになった、小さめの箱。
表面には、満面の笑みを浮かべるゆっくりのイラストと、セリフが描かれている。

『ゆっくり採集セットだよ!』
『ゆっくり捕まえていってね!』

「数ヶ月前にも、こんなことがあったような……あっ!」

採集セットの更に奥、押し入れの最深部に小汚いダンボールを見つける。
ゆっくりと戻ってくる記憶とともに、ダンボールの中を覗くと……。

「忘れてた」

そこには、親子まりさの標本が鎮座していた。
完成したは良いが、あっという間に飽きて、しまい込んでいたのだった。
いつかまた飾りたい気分になるかもしれない、と思っていたのだが……。

「もういいや。捨てよう」

ピン針は分別しないとな……。
処理を終えると、私は最寄りのゴミ置き場へ向かった。
見上げれば、今にも雨が降りそうな曇り空。

「思い出も、雨とともに過去へ流されてゆくのかな」

うまいこと言ったつもりだったが、全くそんなことはなかった。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

あれから、どのぐらい経ったのだろう。
ゆっくり採集のことも、親子まりさのことも忘れかけていた、ある日のことだった。

「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくちしちぇいってにぇ!」

突然の声に振り向けば、そこには見覚えあるゆっくりが居た。

「お前は……」
「おにいさん、ひさしぶり!」
「ゆっくち! ゆっくち!」

達磨の腹に、また小さな達磨の顔。
親子まりさの標本だったものが、ゆらゆらと身体を揺らしていた。

「なんで生きてるんだ?」
「よくわからないよ!」
「ゆっくちりかいしてにぇ!」

拳を何度か打ち込んで、平和的に事情を聞いてみる。

簡単に言うと、こういうことらしかった。
ゴミ捨て場に親子まりさを捨てた日、やはり雨が降ってきていた。
そこには他のゆっくりゴミも混じっており、餡子が雨に流れて親子まりさに降り注いだらしい。

「とってもおいしかったよ!」
「また、たべたいにぇ!」

採集セットの注射薬剤は、固めるだけで殺しはしないものだったのか。
親れいむを捨てたのが晴れの日で良かったよ。
それにしても、そんな簡単に復活できるものなのか?

「適当だな、お前ら」
「ゆゆっ! かわいくてごめんね!」
「ごめんにぇ!」

その時、複数の足音が近づいてくるのに気が付いた。

「通報があったのは、確かこの辺りだが……」
「お、居た居た」

声が聞こえた方へ、私も親子まりさも顔を向ける。
制服を着込んだ二人の大人が、こちらへ向かってきていた。
あの制服は確か……野良ゆっくり処理の……。

「失礼します。野良ゆっくり処理班なのですが……」
「これは、あなたのゆっくりですか?」

処理班の一人が、親子まりさを指差した。

「いえ、全く知りません」
「ゆ~?」

状況を把握していないだろう親子まりさが、間の抜けた声を上げる。
相変わらずの笑顔のまま、私と処理班を交互に見上げ続けていた。

「そうですか、では処理しますね」
「お疲れ様です」

処理班の一人が、ポケットから小さな注射器と飴玉を取り出した。
その場にしゃがみこんで、親子まりさに顔を向ける。

「あまあまあげるから、おいで」
「あまあま!」
「あみゃあみゃ!」

顔と腹から涎を撒き散らしつつ、親子まりさが処理班の元へ飛び跳ねてゆく。
すかさず注射器が親子まりさに刺しこまれた。

「ゆぐっ」

一瞬だった。

あっという間に親子まりさはその場に固まり、動かなくなってしまった。
やはり最新のものは効果が早いものなんだなぁ。

「またそんな……こんなものは適当に処理すれば良いんですよ」

もう一人の処理班が、固まった親子まりさに蹴りを入れた。

「ほら、こうやって……こう……ヘヘッ!」

蹴る。蹴る。殴る、蹴る。殴る、蹴る。
気が付けば親子まりさは、餡子と何かが混じった塊と化していた。

「……終わったか?」
「ハァ、ハァ、ハァ」
「じゃ、それお前が片付けろよ?」
「えっ。あっ……クソッ!」

最後にもう一度、親子まりさだったものに蹴りが入った。
ずっと親まりさと一緒だった子まりさ部分も既に分解され、飛び散っている。
しかし偶然か、顔の欠片部分だけが親子向かい合ったような形で、そこにはたたずんでいた。

「すみません。見苦しい所をお見せしました」
「し、失礼しました……」

処理班の二人が、私に向かって頭を下げる。

「いえいえ、気持ちはわかりますよ。では……」

処理班と親子まりさだったものを背にし、私はその場から立ち去った。
全てが終わったはずなのに、何か、心の中にこみ上げるものがあった。

「……あんまん食べたくなってきた」



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感想

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  • 生きたままって面白いなww
    苦しんでいる表情のまま固めて、畑周辺に置けばゆ害対策に使えそうだなwww -- 2018-01-17 05:14:24
  • 人間を悪態をつく野良ゆっくりよりももっと素直で馬鹿な原始に近いゆっくりかな
    でもこれはこれはでとってもゆっくりできるね! -- 2011-07-26 07:40:05
  • 希少種の標本なら高値で売れるかもな -- 2011-01-18 15:57:39
  • 森の奥にちょっと行っただけで見つかる程度なら
    標本はありあまってると思っていいと思うよ -- 2010-11-21 10:07:45
  • ゆっくりが珍しくなった状況なら、まりさ達の標本珍しかったんじゃないかな?
    うーん、でも希少種じゃないなら別に要らないのかなー -- 2010-11-02 20:32:17
  • れいむ?・・・ああごみのことね
    -- 2010-09-23 18:55:28
  • れいむたちはひどいことをされるためにうまれてきたんだよ ゆっくりしね!! -- 2010-09-01 19:48:40
  • 最後のまりさ親子の標本は是非部屋に飾っておきたいな -- 2010-07-13 19:14:20
  • れいむたちにひどいことするくそじじいはゆっくりしないでしんでね!! -- 2010-07-13 10:20:53
  • 面白かった -- 2010-06-13 01:36:23
最終更新:2010年02月05日 18:25
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