ふたば系ゆっくりいじめ 1220 虐待ハウス

虐待ハウス 22KB


虐待-普通 悲劇 理不尽 現代 虐待人間 虐待ハウス。 ゆっくりを虐待を商売とする店


錆びついた扉が開けられる。
夜10時。
人気も少なくなってくる時間帯。
出来るだけ店"らしくなく"装われた部屋の一角に、一人の男が佇んでいた。
上には上品なジャケットを羽織って年相応の体裁を整えながらも、下半分は見るからに安物で揃えている。
金が無いから間に合わせで着ているというよりは、明らかに着替えてやって来たという印象であった。

しばらく待った男はもどかしそうに、カウンターらしき台を小突いた。

「何か御用ですか?」

これまた生活感あふれる、お世辞にも綺麗とは言えない格好をした若者が奥のドアを開け、男を出迎える。
それでも言葉使いは丁寧で、また客の男が気を悪くしたような素振りを見せることもない。

「分かっているだろう?ゆっくりだ」
「もちろんでございます。○○様、お待ちしておりました」

ゆっくり。副詞。
奇妙だがそれは隠語でも何でもなく、ただ彼が扱っている商品の名前。
秘密は厳守、絶対に隠匿すべきという物でも無いのだが、最近では「ゆっくり」の保護を叫ぶ人々も多い。
だからこそ、店は敢えて古びたアパートのような内装・外装を残している。
余計ないざこざは誰だって避けたいものだ。

そもそもここに来る人々にはブランド物を買う店のような「洗練された雰囲気」は必要ないのだ。
彼らが買うのは嗜虐心を満たす行為そのもの。
法を犯すものでは無いとは言え、それは決して万民に受け入れられることの無い娯楽。
薄汚れ、コンクリートで固められた無機質な部屋こそ、それをするに相応しい。

「いつもの」

客の男が代金をカウンターに置きながら注文を出す。
彼は常連だった。
幾度となくこの店に通えば、好みは定まってくる。
また店側も、客の趣向を熟知している。

この店のたった一人の店員、経営者である若者は客の男からジャケットを預かり、カウンター裏のハンガーにかけると
「少々お待ちください」と男に告げて階段を降りていった。

このアパートの上層階はほとんど利用されていない。近隣への騒音を考えてのことである。
男はそのボサボサの髪を掻き上げながら階段を下り、単調な廊下を歩み、無造作に一つの扉を押し開いた。

「おうたをうたうよ ゆー……♪ゆゆー……♪」
「ゅー」

そこにはいた。
丸い体をした生き物達がおおよそ5匹ほど。
ご存じ、ゆっくり達である。

黒い髪に赤いリボンを揺らしているものと、金色の髪に帽子をかぶっているもの。
それぞれの大きさはまちまちであるが、おおよその分類はその二種類で出来ている。
そしてどれもが、悲しみに暮れているのか、それともただ何も考えていないのかどっちともつかないような顔でそこに鎮座していた。

「ゆ…」
「……」

無表情のまま、壊れたラジオのように調子外れな歌を歌っていた黒髪のゆっくり、ゆっくりれいむは息を飲んで押し黙った。
部屋の中では一番体の大きいと思われるゆっくりれいむ。二週間前くらいから、何故か歌うようになり始めた。
大きな体に身を預け、その歌に聞き入っていた小さな金髪のゆっくりまりさも、扉の方を確認するとビクッと身を固めた。

部屋が凍りついた。
微かな歌以外には何の会話も交わされていない静かな部屋だったが、店の男が入るなり確実に空気が変わった。
扉の前で立ったままの男を、あるものは見ないように、あるものはチラチラと窺いながらも、皆が皆意識していた。

所々黒ずんだ饅頭色の肌に冷や汗が滲む。
何度にも及ぶ非道な行為によって付けられた傷跡。
いくら小麦粉で表面上は修復されようにも、その餡子・心に刻みつけられた記憶までは拭い去れない。

「…ゆっ」
「ゆっ!」
「ゆっ ゆっ」

その状況を楽しむように観察していた男が歩を進め始めると、ゆっくり達は一層緊張の度合いを強めた。
先ほどの小さなゆっくりまりさは、おもむろにゆっくりれいむの腹にめり込んで震えている。
逃げられないと分かりながらも、他のゆっくり達はジリジリと後退し、壁に寄り添う。
ピタリと壁に背中を当てて、ゆっくり達は銃の的になったかのように恐怖の色を浮かべた。

「……ゆっ!!!」

何かに驚いたような、大きな声が響いた。
同時に、声の主以外のゆっくり達は一気に安堵した。
それがつかの間の平和であって、死ぬまで傷めつけられるだけの生と決まっているとしても、安心してしまう。
安心しても表情は一切変わらず、茫然としたままのゆっくり達。

それはまるで人形のよう。
安堵のため息などといった、自ずと出てくるちょっとした感情表現はとっくの昔にみな失っていた。
他のゆっくりを思いやる心が残っているわけもなく、ただ少しでも苦しみから遠ざかったという喜びだけが生きがいとなっていた。

「ゆっ…ゆっ…!」

当の本人。男が現れるまで歌っていた大きめのゆっくりれいむは、今、男の腕の中で震えていた。
周りのゆっくり達と違い、こちらは泣きだしそうな笑うような、アンバランスかつ繊細な表情で宙を見つめている。

「ゅー! ゅー!」
「ゆ…ゆ…」

男の足元を回る、ここでの生活も二週間間あまりで、まだゆっくりらしい感情を保っている小さなゆっくりまりさ。
彼女がゆーゆー泣きつくのも聞こえず、れいむはただ己の心を平静に保つのに必死だった。

「仕事だ」
「ゆ゛ぅっ!!」

男がれいむの頬を手で打った。
ビシッ!と快音が鳴り、れいむの目には溢れんばかりの涙が滲む…はずだった。
普通のゆっくりなら。

「ゆっ…! ゆっ…! ゆっくりっ!」

泣けば酷く痛いことをされる。
それだけが餡子に刷り込まれていて、れいむの中の恐怖心を抑えさせていた。
実際のところ、これから客に出す商品に酷く手荒な真似をすることは滅多にないのだが、れいむがそれを知る由もない。

無言のまま、男はれいむを抱えて部屋を出る。
部屋には、閉められた頑丈な扉に縋って泣くゆっくりまりさと、人形のように薄ら笑いを浮かべるゆっくり達が残された。


   ○
      □

「こちらですね」
「ああ」

客の男は、自分の方に視線を合わせて震えるゆっくりれいむを見て、満足げな顔をした。
ゆっくりれいむもまたそれを見て「ゆっくりしていってね!」とぎこちなく笑った。
笑顔とは言っても、れいむ種ゆっくりの笑顔とは眉をキリッとさせた、人を小馬鹿にするような表情のことである。
彼女らには、これが最上の笑顔と認識されている。
人間とゆっくりの諍いの元となる要因の一つである。

「ゆっくりしていってね!!!」

しかし、ここには諍いは生まれない。彼らはこの瞬間から、金銭契約で結ばれたに等しい。
それにこのゆっくりれいむは男の大のお気に入りだった。そしてゆっくれいむは、とりわけこの男が嫌いだった。

「では、ごゆっくりお楽しみください」

店員の手渡す鍵とゆっくりれいむを受け取ると、男は階段を下り始めた。
先ほど登って来たのと同じ階段、しかし行きつく先はさっきまでいた所とは違う場所。
それをれいむはよく知っていた。

先の部屋よりもいっそう重々しい扉が開けられ、れいむは男よりも先に部屋に投げ込まれる。
硬いコンクリートの床に身を打ち付け、少し弾みながら壁の間際まで転がるれいむ。
並みの成体ゆっくりなら泣いて痛みを訴えるような衝撃にも、れいむはうめき声一つ上げなかった。
それどころか、起き上がるなり絵に描いたような笑顔で「ゆっくりしていってね!!!」と叫んで跳ねるゆっくりれいむ。

「ゆー! ゆっくり…していってね!!!」
「いつもながら思うが…よく調教されている」

男は呟き、はやる気持ちを抑えながら後ろ手に扉を閉めた。
このゆっくりれいむを含めた、先ほどの部屋のゆっくり達は皆あることを教え込まれている。

「ゆっくりしていってね!!!」
「いいねぇ」

苦痛・不安・怯え。それらを表に出そうものなら、さらなる苦痛を与えられる。
常日頃からそうして調教され、ゆっくり達は客の前で、とびきりの人懐っこさを強要されている。
一度店の男の手に取られた瞬間から、笑顔を作らなければならない。逆に、普段はどう過ごしていても構わない。
それでもゆっくり達が普段の生活でまともな精神状態を保てるわけもなく、その結果があのボーッとしたゆっくり達である。
彼女らは完璧な「ゆっくりしていってね!!!」と引き換えに、色々なものを失ったに違いない。
いや、そうでもしなければ正気を保てなかったのかもしれない。

このゆっくり達が正気、と呼べるならの話ではあるが。

「ゆっくりしていっでっ!!!!」
「いいなぁ」

言い終わる前に男の蹴りが顔面にめり込み、吹っ飛ぶゆっくりれいむ。
男は"こういったゆっくり"が好きだった。
人間の恐怖を知らない純朴なゆっくり達を虐待するのも好みだったが、
耐えがたい苦痛を与えられながらも壊れたように笑うゆっくりの姿が、自分は特に好きなのだとここに通う内に知った。
そして気がつけば、このゆっくりれいむばかり指名して通い詰めるようになっていた。
精神的にも強く、並大抵の苦しみには笑って耐えるタフなゆっくりれいむが好きだった。
成体ゆっくりにしても一回り大きい巨体もまた、ぞんざいに扱えて都合がよかった。
大きいゆっくりは表面を覆う皮も厚く、ボロボロになり難いのだ。

「ゆっぐ!!!」
「ちゃんと言えよ」

壁に寄せた靴先でれいむの気道を塞ぐ。
突き刺された顎下。その周囲がドーナツ状に盛り上がる。
ゆっくれいむはひーひーと苦しそうな声を洩らしながらも、笑顔を取り繕っていた。
当然ながら常軌を超えた仕打ちに涙は流れる。それでも顔は笑顔のままだった。

「ゆっぐ!!ゆっぐ!!ゆっぐ!!ゆっぐ!!ゆっぐ!!ゆっぐ!!」
「言えよ」

足でずるりとれいむを引き寄せ、踏みつけ始める男。
れいむは男が足を上げる度に、彼の為にしっかり言いなおそうと必死に呻いた。
目を瞬かせて涙を飛ばしながら、痙攣したように定められた台詞を言おうとするゆっくりれいむに、男は笑いを堪えきれなかった。
男の足元が緩み、その隙からするりとゆっくりれいむが体を逃がした。

「ゆっくりしていってね!!!」
「いい子だ」

男から解放されたゆっくりれいむはでんぐり返って台詞を言うと、すぐさま男の足元に纏わりついてきた。
顔を強張らせながらも、れいむは男に笑顔を向ける。
先ほどまで自分を痛めつけていた、その張本人が目の前にいるというのに、れいむは馴れ馴れしく男の周りを跳ねまわった。

「ゆっゆっ」

反応が無いのを見ると、今度は頬を男の脚に擦りつけ始める。
強い親愛の情を示す、ゆっくりの行動の一つだった。
男はまた、れいむの一連の"心にもない"行動を、いやらしい笑みを浮かべながら無言で眺めていた。

「ゆっくりー♪ っ?」

「ゆ゛!」

突然、フッと足の支えを失ってバランスを崩すれいむの体に、またもや硬い靴先がめり込む。
もんどり打って、起き上がったれいむの顔は一部裂け、黒っぽい餡子が滲んでいた。
それでもれいむはニコニコ跳ねて男の元に戻って来た。

「ゆっくりしようよ!」
「こっちにおいで」

男はれいむに答え、にこやかな笑顔で誘った。
客を満足させようとひたすら媚びる娼婦のように、れいむは懐っこく男の足に体を擦りつけた。
その度に男はれいむを思い切り蹴り、部屋の隅まで飛ばした。
多少傷がつこうともお構いなしだった。店によると、餡さえ残っていればほぼ完全に治すことが出来るらしい。
ゆっくりってのは便利なものだ。

「ゆ゛~っぐりじよう~ね゛っ!」

れいむが脳震盪を起こしたようにふらふらになり、呂律が回らなくなってくると、男は蹴るのを止めた。
もちろん可哀想になったから、とか流石にやり過ぎた、などと思ったわけではない。
男は単純に時間を置きたかった。
れいむはしばらく舌を噛みながらも「ゆっくり~」と言っていたが、
意識が戻って来ると体をブルブルッと振って男の方に向き直った。

「いっしょにゆっくりしようよー」
「ああ、ゆっくりしよう。だからおいで」

男はうやうやしく手招きをしてれいむを誘った。
れいむはそれに喜び、否、喜んだふりをしながら跳躍しようとした。

「ゆっくりー」
「おいで」

れいむは少しも進んでいなかった。
怖い。
きっとまた蹴られる。
本格的に震えが止まらなくなり、笑顔とは裏腹にれいむはその場に凍りついた。

「ゆっくりしようね」
「来いよ」

男の口調が強いものに変わる。
れいむは男が自分の非礼に憤怒していると思った。
今すぐ男の元に駆けつけなくては。
そう思うのだが、増長する恐怖が、逆にれいむの足を動けなくさせていた。
怖くて怖くて、れいむはいつの間にか歯を打ち鳴らしてガタガタ震えていた。

笑顔のまま。

「俺の言うことが聞けないのか」

男はいらついたように言い放つと、れいむを頭の上から踏みつぶした。
かかとに力を籠め、先ほどとは違って容赦の無い様子であった。
大きなリボンを付けた後頭部を上に向け、顔面を下にしてペシャンコにされるれいむ。
れいむの体の一部が、力いっぱい握られた風船のように膨らむ。

体が押し潰されながらも、れいむは頭の中に謝罪や友好的な言葉を思い描いた。
口は体躯と一緒に床に押し付けられ、一句としてれいむが言葉を発することは出来なかった。
「いたいからやめて」とも「なかよくしよう」とも言えなかった。
ただ、全身の皮膚を襲う膨圧から来る激しい痛みに、今は耐えるだけ。

「…ぐ………」

プッ!

行き場を失った餡子が口に溢れ、ププッ!と甲高い音と共に床に噴出する。
先ほどの傷口も開き、餡が染み出ていた。
れいむは自分の温かい餡子が体から溢れていくのを、肌で直に感じた。
ゆっくりは自らの餡子が体外に出ていくのを極端に恐れる。
体のほとんどが餡子で構成されているゆっくりにとって、それだけ餡の流出が死活問題だからである。

れいむもまた、そこに死を僅かながら感じていた。
ただ、れいむが一般的なゆっくりと違ったのは、意外と冷静にその状況を見ていたということである。

―死にそうになるまでやられる。でも死にはしない。毎日この繰り返し。
れいむにとってこれは日常だった。
されど日常茶飯事であっても、その苦しみには死ぬまで慣れそうにもなかった。

「分かったか 逆らえばこうなるんだ」
「ゆ゛ーっ!  ゆ゛ーっ!!! ゴホッ!! コホッ!! ゴボッ!!! ゆ゛ーっ!!」

男は戒めには十分だと判断し、れいむを解放した。
歪になっていたれいむの体が少しずつ元の形を取り戻し、球形に戻っていく。
れいむはゴロンと仰向けになり、苦しそうに餡を吐き散らしながら転げ回った。
壁に頭をぶつけ、床をのたうちながら、れいむがまともに呼吸できるようになったのは数分経ってからだった。

「ゆ゛っ ゆ゛っ  ゆーっ!!」
「どうした?一緒にゆっくりするんじゃないのか?」
「ゆ゛っくりー!! じでっでね゛!!!」

涙が止まらなかった。
笑顔が曖昧に崩れながらも、れいむは「ゆっくりしていってね」と言おうとした。
泣きじゃくる子供のように嗚咽が言葉を遮ってしまい、上手く言えなかった。
腫れた全身が悲鳴を上げている。
潰され、代わりに引き裂かれるように伸ばされた全身の皮から、激痛がやって来る。

痛みでもって入念に教え込まれてきたはずなのに、実際にはいつまでも痛みを乗り越えることが出来なかった。
それもそのはず、店の男はいい塩梅に躾の手加減をしていたのである。
完璧に正気を失ったゆっくりを作っても面白くない。
耐え忍びながらも、いざという時には痛みに負けてしまうゆっくりが客には好まれる。
はなかられいむに勝ち目は無かった。

「ゆっぐぃ!  じよーっ! よ゛っ…!」
「……」
「ゆ゛っ!  っぐりじでっ!! いっでで!!!」

れいむは涙をとめどなく流しながら、笑顔を作ろうと必死だった。
口元だけでも、目元だけでも、自然な笑いになるようにれいむは顔に力を入れる。
れいむは気付かなかったが、意識すればするほど、彼女の顔は不自然に歪んだ。
笑顔の努力をすればするほど、その顔は絶望の表情に似てきた。

男はこのれいむの滑稽で健気な様を、黙って見守っていた。
何度見ても飽きない、れいむの心の中での葛藤。
その繊細で、ともすれば容易く壊れてしまいそうな悲痛な面持ちを、男は悠長に眺めていた。
この遊戯に制限時間は無い。
ゆっくりの餡が少なくなって危篤状態になった時、それが終了なのである。
逆に言えば、客は瀕死になるまでゆっくり達をじっくりと痛めつけることが出来る。実際、ほとんどの客がそうする。
そして翌週にでもやって来て、何食わぬ顔で同じゆっくりを虐待する。ゆっくり達はそれを抵抗せずに受け入れる。
彼女らは分かっている。拒めばそれが終わりであることを。

だから、彼女らは拒めない。

「ゆっー?  ゆ゛ゆ゛ーっ!! やだー!!!」
「さあ本番だ」

そう、これからだった。
十分に堪能したのか、男はれいむを掴み上げ、部屋に無造作に置かれていた大きな置物にあてがった。
置物。それはただの木製の円錐。
先が少し丸められ、ゆっくりの体が"むやみに"傷つかないように配慮されたそれは、店の男の自作物。

彼は自分の店に来る客が色々な方法で虐待を楽しめるよう、こういった用具を幾つか用意していた。
また、欲求不満な客がゆっくりの体で再生が遅い場所、例えば目や髪を直接傷つける虐待をしように、という役割もある。
どちらにせよ、この器具達は店のゆっくりにとって畏怖の対象だった。

「ゆっ!  ゆっ!!」

器具の先端でなぞられ、ゆっくりれいむの底部に陥没が出来てきた。
陥没の先は穴となり、点のように内部の餡子が透けて見えるようになって来る。
ゆっくりは水分過多の場合や、有害物質を取り込んだ時などにここから餡や水分の排出を行う。
本来、そういった生命に関わるような危険状態になった時しか開かないのだが、該当箇所を刺激してやることで僅かに開く。

僅かに開きさえすれば、十分。
裏返して穴を確認すると、男はれいむを円錐の頂点に突き立てた。

「ゆぎぎぎぎぃぃぃぃいいい!!!」

まるでメリメリと音を立てるかのような勢いで、円錐がれいむの底部から侵入していく。
餡の排出にしか使わないはずの小さな穴は、既に直径3cm程にまで広げられていた。
もう一息、男が力を加えると、れいむの体は更にずり下がった。

器具の断面に書かれた線と数字でおおよその直径を確認する男。
れいむの底に開けられた穴は、既に直径5cmほどに達していた。
底穴の縁が、内にめり込むような形で押し広げられているのが見てとれる。

「ゆ゛ぅぅぅっー!!!! ゆ゛うううううー!!!! いだいいだいじんじゃう」

れいむが訴えるのも聞かず、男はれいむの観察を続けた。
「いやだ」と言いながらも、口角だけは上げて涙を流す。
もう笑顔が体に染みついてしまったのだろう。幾度となく虐待されたゆっくりはこうなる。
そして、この手の客は心までズタボロになったゆっくりこそが最高の顔を見せてくれるという。

「だずげでよおおおおおおおおおおお!!!! やだ!! れいむの あんよやぶれちゃうよ!!!」

男はれいむと器具を放置したまま、至福の一時を味わっていた。
こうしてれいむが暴れれば暴れるほど、重い体が円錐にのしかかっていく。
もともとは小さな排出穴を利用しているため、れいむの体に大きな傷がつくこともない。
穴がどんどん開かれる。そして苦痛が増す。それだけの話なのである。

「ゆぐううううううううう!!! れいむのなかに何かはいってくるよぉ! だずげでぇ…たすげで」

実にゆっくりを虐待するのに適した用具だ、と男は思う。
なに、柔らかいゆっくりの体だ。全体がひしゃげようが、潰れようが、こいつらは生きる。
置物の先が頭を突き破る直前まで続ければいい。
前などは径25cmまで行った。そこで口から餡を盛大に吹き始めたので、慌てて中止した。

25cm。直径40cmほどの成体ゆっくりの、実に半分以上もの大きさの穴が開いたのである。
そこまで行くと"穴"と言うよりは、底部が真っ二つに裂けていると言った方が正確だ。
今度は何センチまで行くだろうか?どんな顔をするだろうか?
男は興奮を隠しきれずに更にれいむの体を押し込んだ。また数センチ、穴は広がり、れいむは苦しげに呻いた。
穴はようやく10cmに達しようとしていた。


10cmの穴。
れいむにとってそこは、飲み過ぎたお水、排泄餡を出すだけの穴。
今は逆に異物が侵入してきて、穴を遡っていく。れいむの底部は熱を持って、ジンジンと疼いていた。
穴を抉りながら、体の中に異物が侵入してくるのを感じる。
その存在を確かに感じる度、れいむは自分の底部の穴の状況を想像して、震える。

「れいむの れいむの…」

ゆっくりの"穴"は本来1cmにも満たない。
それが10倍にも広げられていれば、いくら柔らかいゆっくりの体でも軋んで痛烈な痛みを覚える。
もがけば余計にめり込んで来ることは薄々分かっていながらも、
身勝手にやって来る痛みは、二通りの方法でれいむに動くことを強要させる。

反射的な体のビクつき。
体は異物を拒否している。
れいむが意図する・しないに関わらず、体の振動は大きくなっていき、異物が体を侵すのを早める。

逃れようという試み。
仮に一回この器具から逃れたとして、れいむに何が出来るだろうか?
目の前には男がいる。すぐに捕まえられて再び円錐の上だ。
それ以前に試みは十中八九失敗し、余計に苦しむ羽目になるだろう。
それでもれいむは冷静でいられない。
今すぐに、一刻でもこの苦悶から抜けだしたいと切に願っている。
飛び跳ねて、ここから少しでも離れて体を癒したい。

そう刹那的に思い、足である底部を使って跳躍の動作を試みる。べらぼうに体を波打たせる。
まるで底なし沼。
れいむが暴れるほどに、れいむの体は器具を飲み込んでいく。
いや違う。それはまるで木の円錐が、れいむの体を飲み込もうとしているようであった。

「どぼじでえっ! どぼじでっ!  くるしい! ぐるじいよお!」
「そんなに暴れるからだ」

男は器具に突き刺さったれいむの周りを、腕組みしながら愉快そうに回っていた。
れいむが跳ねる度に、確かにその鈍重な体は少し浮く。
だが、その反動でメリメリとずり下がっていく。
ラインチャートのように上昇と下降を繰り返しながら、ジリジリと体が崩壊へと向かっていく。

「ゆぎいぃぃあああああああああああ!!!!」

唸るような悲鳴をあげるれいむ。
20cm。
ついに体の半分もの大穴が開くと、今度は体内を占める器具の影響が出てくる。
既にれいむの顔はパンパンに膨張している。
時折苦しげに唸ってはいるが、もはや声をあげることすら辛いに違いない。

「ゆ゛!!!   ゆ!!!!゛    ゆ゛ぅ゛!!!!」

底部は過大に変形させられ、その他の部分は破裂しそうなぐらいにまで膨張。
顔の輪郭がみるみる押し広げられ、眉・目・口、各パーツの距離が広がっていく。
蹴られた時の傷口が再び開き、餡子が飛沫のように飛び出す。
れいむの体は内側から壊されようとしていた。

突然、弾かれるように餡を吐く。
気持ちが悪いからではなく、行き場を失った餡子が、潰された時にように体から逃げていくのだった。
これを見た男は、すかさずガムテープを使って口を塞ぐ。
22cm。前とほとんど同じ進行状況だが、二の舞は踏むまい。

ここからはれいむはもちろん、両者とも無言であった。


23cm
れいむは苦しそうに蠢いている。
息を吸えなくとも即死するゆっくりではないが、激しい状況下で呼吸を整えられないのは体にこたえるのだろう。

25cm
男は数字を見て、静かに喜んだ。
いける。まだいける。

27cm
カッと見開かれたれいむの目から、大量の黒いものが流れ始める。
餡子だ。本来なら口から出るはずの餡が目から飛び出そうとしている。
液状化した餡は絶えず流れ、れいむの頬を伝って滴り落ちる。

れいむは今までになく激しく暴れる。
暴れると、体の一部が異常なまでに盛り上がって決壊する。
体に入った小さな亀裂が線を結び、大きな傷口となって餡が噴き出す。
餡を振りまきながら、れいむの体は少しずつ崩れおちていく。

29cm
ようやく円錐の頂点がれいむの頭部に到達し、わずかに隆起させていた。
もうここまで来ると突き刺さったゆっくり、と言うよりもまるで元からそういうオブジェのようである。
餡、即ち血の涙を垂れ流して、れいむは死線を彷徨っていた。
ほとんど意識は無かった。
自分の体が大量の熱を持っていることをれいむは感じていた。
そして熱や痛覚と共にやって来る、おかしな感情が身を侵そうとしているように、れいむには感じられた。
れいむはそれに身を任せないように、ただ生きるために、静かに心を閉ざした。


男が動かなくなったれいむに手を当てる。
まだ生きている。気絶もしていない。
もうここまで来るとただの余興だ。

最後の一息。
男が全体重をかけてれいむを押し込む。
れいむはガムテープの裏から「クホッ!」と大きく息を吸い込むと、ピクリとも動かなくなった。
男は焦ったが、れいむの体がまだ温かさを保っているのが分かると一安心してれいむを器具から外しにかかった。

円錐を飲み込んでいた穴からボトボトと餡が落ちた。
形がすぐには戻らない。
ボロボロの楕円形になったれいむを抱えて、男は店員になじられる覚悟を決めた。
部屋を出る際に、男はまだ口のガムテープを剥がしていなかったことに気がついた。

端をつまんでビッと剥がす。

口元は、最高の笑顔のままだった。


   ○
      □

「くそっ こっちの手間も考えろってんだ」

文句を言いながら、店の男はひとまずれいむの修復を終えた。
役目を終えた時のれいむはすでに息も絶え絶えで、体も悲惨な状態だった。
オレンジジュースに漬け込み、小麦粉を何回にも分けて塗すことでれいむはほぼ元の形を取り戻した。

「こりゃ、しばらくは出せないな」

完全に治癒し、酷使に耐えうるようになるまでに数日はかかるだろう。
多少の追加料金を男からせしめたものの、それだけでは補えない損失だった。

扉を開け、れいむを離してやる。
れいむはバインバインと跳ねて部屋の真ん中に陣取った。
小さなまりさが、それに寄り添った。




それから四日後の昼。
重傷を負ったれいむの様子を見に部屋に入った男は、ちょっとした異変を感じた。
変化を探すために注意深く見てみると、れいむの居る場所の近くに、積もった砂のような黒っぽい物体がある。
近づいて見て、男にはその物体が何なのか分かった。
黒い帽子を頭に載せたそれを、男は汚そうに摘みあげた。

虐待を繰り返された末にこうして弱っていくのは、案外よくあることである。
まりさのようにまだ精神が未成熟な子ゆっくりの場合、ストレスのあまり突然死んでしまうことすらある。
実に脆いゆっくりだった。心身ともに衰弱しているのだろう。もう使い物にならない。

まりさ種は比較的少ないので、代わりを用意する必要がありそうだ。本当に手間をかけさせてくれる。
成体にもなれば、多少のことには動揺しない人形になれるのだが。

男は、単調に歌っているゆっくりれいむを見やった。
こちらの具合はもう大丈夫そうだ。さっそく今日から働いてもらうとしよう。


「ゆー…♪ ゆゆー…♪」


ゆっくりれいむはいつものように、いつもと変わらず、呑気な歌を歌っていた。


ただ変わったのは、傍で聞いてくれる者が居なくなったということだけだった。




続く


【あとがき】
久々すぎてちょっと感覚がズレてます。
なんか愛が足りないです。ゆっくりは好きだけど、虐待への愛が足りない。
いつになるか分かりませんが、次ではもう少し好きなことやってみたいと思います。

あと大分遅くなってしまいましたが、前作、前々作で挿絵を書いてくださった方本当にありがとうございます
自分の想像した話が画像化されるなんて、作者冥利に尽きます。


【過去作品】




挿絵 byめーりんあき


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感想

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  • 虐待を受けたれいむが回復して、何もしてないまりさが死んだのかw
    なんと不思議饅頭www
    この店、よく潰れないな。(経済的な意味で) -- 2018-03-06 05:49:30
  • 饅頭って凄いんだな -- 2017-01-14 01:37:13
  • 3))天才 -- 2014-09-18 17:28:04
  • 体とほぼ同じぐらいに広がったあにゃる・・・ -- 2014-09-18 17:26:43
  • もう三角錐が虐待道具にしか見えない -- 2011-11-14 17:44:26
  • わかった。ゆっくりは人間のストレスのはけ口になるために人間にストレスを与えるのか!!
    -- 2011-10-20 01:49:41
  • こんなに三角錐が凄いと思ったことはない…! -- 2011-01-11 21:21:44
  • なんて頑丈なれいむなんだ… -- 2011-01-09 04:01:30
最終更新:2010年05月25日 14:38
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