地球連邦軍 出自一覧


RX-78-2
先に開発された砲撃主体のガンタンク、ガンキャノンとは異なり「対MS戦」を考慮して開発された「V作戦」集大成の機体で、アムロの親父テム・レイの渾身の一作である。通称「連邦の白い悪魔」だが、他にも「白いヤツ」だの「白いモビルスーツ」等と、買ったばかりの子供用ブリーフばりにやたら白を強調した渾名で呼ばれている。当然、赤い彗星との対比の為である。

負け尽くしの地球連邦軍が起死回生をはかるべく国家予算レベルで開発製造されており機体にかけるコストは完全に度外視され、生産過程で異様に高い水準でパーツの選別を行っている。その際、基準落ちのパーツを流用し局地戦任務用として開発されたのが陸戦型ガンダム等である。

パイロットの生残性を高める緊急脱出機構「コア・ブロック・システム」、ザクマシンガンの射撃を弾ね返す丈夫な「ルナチタニウム合金」装甲、戦艦の主砲並の威力を持つ「ビームライフル」、なんでも切り裂く「ビームサーベル」を備えた、最先端技術の結晶体で、ジオン側にビーム兵器を使うMSが登場するまでは、ほぼ無敵に近いアドバンテージであった。
この機体による活躍は連邦軍の過剰な広告効果もあって「ガンダム神話」となり、以後数十年に渡って(一部例外はあるが)連邦サイドの最新鋭高性能MSは尽く「ガンダム」の名とフォルムを冠する事となる。
また、搭載兵器の威力を形容するにあたって、先程の使った「戦艦の主砲並」というキャッチフレーズを浸透させたのもここからと言われる。
本機はいわば軍事機密の集大成ともいえるが、その割にはホワイトベース(子供も乗っている)共々戦場では当て馬に等しい扱いで、ジオンのエース部隊と戦わせたり、ろくな艦隊編成もされずに最前線へ送られたりと、ワッケインの言葉を借りるなら「寒い」扱いではあった。しかし戦歴を重ねるにつれ、連邦の上層部はガンダムの戦果に着目し、ガンダム強化支援機Gアーマーを支給したり、マグネットコーティングを施してあげたりと待遇が良くなっていく。最もガンダムを通じての実戦データ収集が目的だが。

RX-78-1
かの有名な伝説的企画『モビルスーツバリエーション』(以下「MSV」)で登場。
RX-78-1、つまりはガンダム初号機。でも暴走とか捕食とか出力機関取り込みとかはしない。槍取り込んで補完の依代になったりとかもしない。
本作での格闘武器はガンダムハンマーと、漢のロマン溢れる機体となっている。
元は「ガンダム」の初期デザイン案であり、兵器然とした暗色系カラーリングに格子状スリット等、明らかにこっちが正式採用機の筈だろ的なデザインだが、当時はまだフサフサだった富野御大が却下。結果、スーパーロボット然としたトリコロールカラーが採用された。
設定上も実際の上でもプロトタイプな機体である。

RX-78-2
ブラウ・ブロとの戦いで遂にアムロの反応がガンダムの反応速度を超えた為、関節部分に磁気を纏わせ摩擦係数を抑え反応速度を向上させる「マグネットコーティング」(ブライト曰く「油を差すようなもの」)という処置を施された過敏なガンダム。
まだ実験段階であり、あくまで応急処置に近いものであったが、結果的に飛躍的な反応速度の強化へと繋がった。
ジオン軍が生み出したサイコミュ系とは技術的にまるで違うものだが、アレックスにも見られる通り機体を「NT専用機」にする処置の一環として連邦ではスタンダード化している。尚、グリプス戦役以降に登場する可変MS群の変形機構にも同様の技術が施され短時間での変形を可能としている。

ちなみにこの機体の二丁バズーカはア・バオア・クー攻略戦の際の装備形態。

RX-78-3
当時はまだフサf(ryの富野作『小説版ガンダム』に登場。作中のアムロが2番目に乗る機体で、こちらでの赤い彗星最終乗機は赤いカラーのリック・ドム(CA)でありライバル機に相当する。
TV版のガンダムと同じくマグネットコーティングが施され、尚且つ極限に機動性を高める為、装甲は敢えて薄く施している。

余談だがこの小説版、アニメ版とは設定がかなり異なっており、ガンダムやザクの指先にはレーザートーチが内蔵され、ボールはビームライフルを携帯できる上、ジムはガンダムより高性能。
そしてアムロは金髪(セイラ)さんと肉体関係を持っている上に、最期はシャアの部下の無名(ルロイ・ギリアム中尉という名前はある)のパイロット操るリック・ドムに撃墜され、なんと物語途中で戦死してしまっている。
色々とカルチャーショックを受ける事間違い無しなので、是非読んでみてほしい。

公式設定としては前述のマグネットコーティングのテストヘッドになっていた機体で、ジオン軍の襲撃で艦ごと失われた幻のガンダムとなっている。

FA-78-1/RX-78-8(中の人)
『MSV』で登場。
ガンダムに装甲と武器を追加した機体。重装甲化で全備重量は相当跳ね上がっている。
武装が後のΖΖガンダムに似ているが、元々のコンセプトから考えれば当然ともいえる。どうも連邦軍のMSエンジニアはこの手の「増加装甲と武装をもっとくっつけたらもっともっと頑丈&強力になるんじゃね?」という子供の発想を一連の計画群として実際に運用しており、所謂「FSWS」(FullarmorSystem&WeaponSystem)として長年この手の機体群を計画、建造していた様である。流石資金潤沢な連邦軍、そこにシビれるあこがれるゥ!

長谷川裕一の漫画『MSV戦記 ジョニー・ライデン』では、ライデンの駆る高機動型ザクⅡ改フルバレットの実弾射撃を全弾喰らってももほぼノーダメージというとんでもない対弾性能を見せつけている。こりゃ連邦も↑みたいな発想をするわなwwwフヒヒwwwww
…が結局ヒートホークシンボルの一撃で顔面真っ二つにされた。アレ?さっきまでの無敵っぷりは何所へ?
ガンダムの顔にも追加装甲施してやれよ。
と思ったバンダイがリリースしたBB戦士のキットではオリジナルのヘッドギアが追加されている。アレックスのチョバムアーマーにもヘッドギアが追加されている。抜かりないな。

V作戦の成功に味をしめた地球連邦軍が更なるMSの発展へと着手し、ガンダムを含む主力兵器の更なる強化案である「FSWS」(FullarmorSystem&WeaponSystem)に基づき開発されたMS用の移動砲台である。フルアーマーガンダム(以下、FA)や本作では登場しないヘビーガンダム(以下、HG)による運用を前提としている。『MSV』であるFAもHGも単体としては群を抜く火力だが、更にこのメガ粒子砲搭載の乗り物を使わせるとは、連邦の技術者も相当な火力キチである。似たような兵器であるジオン陣営のスキウレなんか、これに比べれば貧乏臭く感じてしまう。

『ギレンの野望』や『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』などのゲーム中にも登場している。

RX-75
全RXシリーズの長男。こう書くとなんかスゴイ機体に思えてくるから不思議。
脚部が無限軌道であり、MSと戦車の中間的な存在で長距離支援を目的としている。
もとは頭部とコア・ブロック(胴体)の二人乗りだったが、後に一人乗りに改造され、その際なぜかコックピットを頭部の方に統一されてしまっている。
こうなるとコア・ブロック・システムによる脱出も不可能であり、ホントにただの戦車と変わらない。ハヤト落胆である。
劇中においてハヤトのガンタンクが被弾して撤退した後、オペレーターは「ガンタンク撤退によりWB隊の戦力は11%減少」と語っていた。この会話は非常に興味深く、他に出撃してたガンダム、ガンキャノン、Gファイターなどが、どれだけの%戦力なのか好奇心をそそられる。

また『THE ORIGIN』での話で恐縮なのだが、こちらでは何と更に時代が遡って「MS開発以前に連邦軍で運用されていた主力戦車」という、とうとうマジでMSから戦車に格下げされてしまっていたりする。ハヤト涙目である。
但しアニメ版に比べるとフォルム自体は格段に戦車らしく格好良くなっており、そこだけが唯一の救いと言える。
ちなみにMSVにはガンタンクⅡがいるのだがカテゴリがMSではなく戦闘車両(戦車)に先祖返りしてしまった。ハヤト憤死である。

劇場版でも宇宙空間じゃ戦車の出番とかねーよと言わんばかりに途中で存在を抹殺される憂き目に遭っているが、TV版ではこの機体で最後まで戦い続け、ザクレロにパンチをかます場面もあったりする。
劇中後半や『THE ORIGIN』のガンタンクなら今の技術でも問題なく作れる気がするのだが、自衛隊さん、MBT(メイン・バトル・タンク=主力戦車)としての採用しては如何だろうか?
まぁ自衛隊は高官が痛車出勤等オタクが多いのでほんとにやりそうで怖いのだが。

RX-77-2
V作戦に基づいてガンダム、ガンタンクと共に開発された支援型MS。意識されづらいが、連邦軍初の手足のついた正式な意味でのMSである。
元デザインはガンダム作品以前の「宇宙の戦士」に登場するパワードアーマーのオマージュだが、韓国のテコンV程の露骨なパクリではない。
両肩に240mm低反動キャノン砲を二門搭載し、主に中距離からの砲撃を担当する。
またガンダムのとは異なり命中精度を優先したビームライフルを備え、簡易ながら狙撃も可能。
格闘は苦手だが、アニメではアムロの援護要請にカイが岩投げで応えたことがある。岩が使えるのはザクだけじゃないんだぜ!(ガンダムVSガンダムでもこれが出来る)

尚、ガンダムよりはローコスト、ガンタンクよりは有用と言う事で、この機体だけは少数ながら量産が行われている(ガンタンクは「量産型ガンタンク」、ガンダムは「陸戦型ガンダム」としての量産はあるが、オリジナル機の量産は本機のみ ちなみに本機も量産型ガンキャノンが存在する)。
この様にアニメでは全編通して割と活躍しているが、安彦御大の漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではガンダム開発以前に製造された連邦軍初のMSとして登場しているものの、指が5本から3本に退化していたり1年戦争以前の話では「鉄騎兵大隊」という古めかしい呼び名での所属運用だったりしている。
極め付けはジオンから連邦に亡命しようとしていたあのミノフスキー博士を救出する為に10機以上も出撃しておきながら4機の旧ザクと更にそれ以前に作られたMS-04プロトタイプザクのたった5機に好き放題フルボッコにされて壊滅という酷い目に遭っている。まぁその時相手にしていたジオン側のパイロット達がシャア・アズナブル、ランバ・ラル、黒い三連星というジオンが誇るエースのオールスターだった所為もあるのだが。

RGM-79
ガンダムのデータをフィードバックして制作された連邦軍の本格的な量産機で機体名は「GM=Gundam Mass product type」(量産型ガンダム)の略称。
ジェネレーターの低出力化、装甲素材の変更でコストダウンを図っているため一気に弱体化した…と思われがちだが、実際は軽量化によって機動性能はガンダムより高く、索敵範囲もガンダムより半径300m程広く、ジャブロー戦に於いてはビームスプレーガンだけでなくガンダムと同型のビームライフル装備の機体も確認できる点などから、大幅な差があるとは言い難い。但し、装甲材が高価なルナチタニウム合金では無く普通のチタニウム合金なので、ザクⅡのマシンガンを装甲で弾く芸当はできないようだ。何にせよ連邦軍逆転勝利の原動力である事はほぼ間違いなく、ここから高性能な一品モノのガンダムタイプコストダウンした大量生産のジムタイプという連邦軍の黄金式が生まれた。劇中でのあまりのやられ役振りから多くの人間に「試作機>>>(超えられない壁)>>>量産機」というイメージを植え付けた機体とも言える。現実的な見地に立てば、「試作機=不安定、量産機=信頼性高い」が当然である。

性能のイメージは長らく一定せず、「ザクにも劣る~ゲルググとも頑張れば戦える」くらいまで様々であった。
冷静に考えればMS関連技術を持たない当時の連邦軍は当然鹵獲なり放棄されていたザクを回収し徹底研究し、それを打ち負かす為のMSを開発してるわけで、エネルギーCAPの実用化など、MS開発の元祖であるジオン側でも実現が遅れた技術を開発できるだけの力もある連邦がそこから改めてザク以下のMSが出来ちゃいました(試作であるザニーは除く)等という話は考えにくいのだがそこは乗り手の技量の差だと思われる。
………連邦側にザクⅠの様な他に適当なやられ役が居なかった故の悲劇である。
一応、最近では連邦MSの穴埋め救世主と言われる陸戦型ガンダムの登場などもあってかザクとドムの間、大体グフと同程度に落ち着きつつある。

これもまた余談だが、連邦軍は宇宙世紀を通じて局地戦専用機の開発には消極的で、各時代毎の主力ジムタイプにちょっとした設計変更を加えるというスタンスで通している。
MSの本家とも言えるジオン軍がピンからキリまで実に多種多様なMS、MAを開発していたのとは実に対照的である。
ちなみに、ジム→ジムⅡまでの系譜に「ジムコマンド」「ジム改」「ジム・カスタム」といった機体が居るが、これらはデザイン系統が明らかに異なっている。
勿論、企画ごとにデザイナーが違うからなのだが、これは「同じ連邦内のジムでも開発した部署が違う」という設定で一旦の解決を見ている。

RGC-80
MSVに登場。当初連邦軍はガンキャノンの量産化を目指していたが、思ったよりコストが高いことが判明し、仕方が無いのでジムの生産ラインで支援用機の開発に切り替えられた砲撃型ジム。
搭載された右肩のキャノン一門により機体のバランスを著しく奪う為、脚部にガンキャノンに酷似した重装甲を施し重心を下げることで問題点をカバーしたようだが、機体のバランスが悪いことには変わらないのであった。
『機動戦士Ζガンダム』でもエゥーゴのジャブロー攻略作戦でティターンズ(連邦)側の色違いの機体が登場。

RB-79
異名は動く棺桶、もしくは丸い棺桶、とあるジオンの学徒兵からは亜細亜の西瓜ともいわれている。どれにしても碌なネーミングではない。元は宇宙用作業ポッドで、出力機関は核融合ではなく燃料電池である。ある意味とてもクリーンな機体ともいえる。
ジムの支援用として改めて生産され要塞攻略戦に参加。ビグ・ザムにドロドロに溶かされたりザクに蹴られたりと映像での典型的やられ役としてジムともども大活躍した。
とあるニュータイプがガンダムフェイスの偽装を施してリック・ドムを6機も撃墜したりしている。
現在でもその活躍はAAとして記録に残っている程だそうな(日本昔話風
コストパフォーマンスが非常に優れ、また出自が出自の為大して訓練を積まなくても操縦が容易であるらしい。
また、本作未出場のフルCG作品『MS IGLOO』では、凶悪なシャークマウスペイントが施され、ジムと共に「溺れている」陸戦型ザクや救出待ちのHLVを多数撃墜している。
数少ないボールの活躍シーンだが、基本的にジオン側視点で描かれた作品の為悪役扱い。やはりかわいそう。

が、肝心のゲームでは出自が出自の為「バカじゃねえの?死ねってか?」って位に酷いデフォルト性能だが、限界突破すると化ける。前作でのコールボールはインパクト、性能ともに秀逸。機転を利かせればドムを何機も撃破できることも…
分身して撃ちまくればガンダムF91だって怖くない、本物の分身という奴を見せ付けてやろう!

基本的にネタの域を出ない散々な評価だが、MSの普及した時代以降も使われ続け、果てはUC130年代の小型MS時代にも改良型が存在していたりする。

RX-78-2
TV版最終回の第43話「脱出」および劇場版Ⅲ「めぐりあい宇宙」のクライマックスシーンにて、ジオングに頭部・左腕を破壊されたガンダム(MC)の姿。アムロはこの状態でもドムを蹴り飛ばしたり、首ジオングを心眼で追いかけながらア・バオア・クーの坑内に侵入している。真性NTのアムロにとってメインカメラなんて飾りなんです。OTはそれがわからないのです。こんな異能の人間であれば、一年戦争終結後、連邦上層部もアムロを軟禁したがる理由も十二分にわかる気がする。
LSは「ラストシューティング」の略。「ビーム噴水」なSPAは必見。
ちなみにラストシューティングの際にはアムロは搭乗しておらず、自動操縦(教育型コンピューター)によるオートパイロット。ただし度重なる激闘をアムロと共にくぐり抜けてきたのでこのコンピューターも並の兵より圧倒的に強い。
どう見てもネタ機体なのだが、性能は思いの他高い。
メインカメラを破壊されて尚高い命中率はもはや心眼の領域。
ロボアニメの看板とも言える顔を破壊させる演出はかなり異色で、ガンダムがスーパーロボットではなく、あくまで戦争の道具(一兵器)の延長線上に過ぎないことを示している。


一年戦争外伝ゲーム登場の機体はゲーム作品出典へどうぞ。

最終更新:2010年03月16日 22:46