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*From TV Animation ONE PIECE とびだせ海賊団! 【ふろむてぃーびーあにめーしょん わんぴーす とびだせかいぞくだん】 |ジャンル|海賊アドベンチャーRPG|&amazon(B00005OVIZ)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|エイムアット・エンターテインメント|~| |発売日|2001年8月2日|~| |定価|6,090円(通常版)&br()9,240円(ポケットステーション同梱版)|~| |レーティング|CERO:全年齢対象&br()※ベスト版で付与されたレーティングを記載|~| |判定|なし|~| |ポイント|ストーリーで空気な主人公たち、戦闘で空気な原作キャラたち&br()「海賊なりきりRPG」として見ると地味に完成度高し|~| |>|>|CENTER:''[[ONE PIECEゲームリンク>ONE PIECEシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -いまやジャンプはおろか、日本を代表する漫画となった感もある『ONE PIECE』の世界観とキャラクターを用いたRPG。 --発売時期としては、アラバスタ編突入直前ぐらいまでは描けたはずだが、グランドライン編はクリア後のオマケとなっており、本編のシナリオは全て「東の海」で完結する。 -ポケットステーションに対応しており、同梱版も発売されている。 **ストーリー > ローグタウンの近海、「イニシエの黄金」と呼ばれる財宝の手掛かりとなる「イニシエのかけら」を探すルフィたち。~ 無事5つの「イニシエのかけら」を探し当てることに成功するも、その直後一行は謎の敵の襲撃を受け、それぞれがかけらをもったまま離れ離れになってしまう。~ ~ 一方、そのころ大海賊になるという夢を掲げて3人の少年少女が大海原へと乗り出そうとしていた…。 **特徴 -本作の主人公は、オリジナルキャラの少年少女達である。原作キャラはNPCや助っ人として登場する。 -本作のフィールドマップは全て「海」で構成されている。地上を冒険する機会は一切存在しない。 --海上なので当然移動には船を用いる。 ---一般的なRPGと異なり、船の操作の自由度は低い。始めたばかりのころは思った通りの場所に行くことは難しいだろう。 ---ただし、造船所で金を払えば操作性の向上が可能。慣れないうちは優先的に上げていくといい。 --移動中は食料を消費する。ゼロになってもゲームオーバーにはならないが、船上バトル(後述)でパラメーターが大幅にダウンしてしまう。 -各所にある陸地には上陸ポイントが設定されている。 --「町」や「村」はイベントの進行に関わる。 --「木」は果物がなっていれば食料を入手できる。果物がなくてもイベントのキーになることがある。 --「宝箱」は宝物が入手できる。何が手に入るかはルーレットで決まるが、目押しが利くので狙いの宝をゲットしたい。 --「店」は5種類ある。装備品の調達ができる「武器屋」と「アクセサリー屋」、船の能力向上を行う「造船所」、食料の補給や助っ人の変更を行う「酒場」、手に入れた財宝の鑑定、換金を行う「鑑定所」。 -海上には様々な障害物が存在する。基本的には避けていくことになるが、うまく活用すれば有用なこともある。 --「サルガッソ」は絡むと大幅にスピードがダウンする。敵に追いつかれるリスクが高まる。 --「暗礁」に入ると船がダメージを受ける。これだけで沈没することはないが、耐久力が減ったところに敵船の砲撃を食らうと沈没してしまう。 --「潮流」に巻き込まれると潮流の終わりまで流されてしまう。基本的には邪魔な存在だが、長距離の高速移動や敵船をうまくはめて遠くまで流してしまうといった使い方もできる。 --「大渦」は黒と白の2種類がある。黒に触れるとはるか彼方の白まで飛ばされてしまう。潮流と同じくワープ手段として用いることも可能。 -本作には4種類の戦闘が存在する。ただし船上バトル以外は任意で発生させることはできない。 --「船上バトル」は最も一般的な戦闘。海上で敵船に触れると発生、敵味方ともに3対3のバトルとなる。 ---攻撃は武器ごとに設定されたルーレットを止めることで行われる。弱、中、強、ハズレの他、これらのパネルに別個に状態異常や回復などのパネルが追加されることもある。 ---特徴的なのは「心力」カード。ここに止めることができるともう一度ルーレットを回せる。ダメージを受ければ受けるほど多く出現する特徴があり、一発逆転を狙える。 ---原作キャラが船に乗っていれば「助っ人」として戦闘に参加してくれる。ルーレットに「助っ人」カードが追加され、止めると「助っ人ポイント」を消費して様々な行動でサポートしてくれる。場合によっては敵が助っ人を連れていることもある。 --「ワードミックスバトル」は海王類などの大型の敵と遭遇した際に起きる。船内にあるものを敵に投げて撃退する、というもの。 ---長い単語のものほど威力は高くなる。 --「技名バトル」はイベントでルフィたちが戦うことになった際発生する。彼らが次に使う技を選んでいくことで勝利を目指すというもの。 --「ボス船シューティングバトル」は相手の船に対し段数無制限の大砲で弾を撃ち込み、沈没させることを狙うバトル。その名の通り各ステージの終わりに発生することが多い。 ---こちらは回避行動が一切とれないため、敵の弾は撃ち落として対処することになる。 -戦闘以外でも様々なことがルーレットで決まる独特の世界観。 --前述の通り宝箱の中身はルーレットで決まる。財宝以外にも弾薬や能力値アップの薬などが出ることもある。 --沈没時のペナルティもルーレットで決まるという割と珍しい仕様がある。 ---ゼフに助けてもらえれば食料を最大まで補充してもらえる。しかしアルビダやクリークを当ててしまうと財宝や食料を奪われる羽目になる。それでも助けてくれるのは律儀なのか。 --まぁ「ワンピースらしい世界観か?」と聞かれたら大きな疑問符を付けざるを得ないのだが…。 **評価点 -「海賊なりきりRPG」としては意外と面白い。 --前述の通り操作は不自由だが、それが逆に独特の緊張感を生み出している。細かい移動のためにはブレーキも使いこなすことが重要となる。 ---上陸ポイントの判定は広めにとられており、操作性が悪くとも上陸はしやすいようになっている。 --実は結構珍しい「海賊行為が行えるRPG」である。 ---海賊をテーマにしたゲームはそれなりにあるが、民間船を普通に襲えるものは意外に少ない。とはいえ扱いとしては他の敵である海賊や海軍の船とあまり変わらないのだが((違いとしては、海軍船の敵は「守備力が他より高めであり、戦闘終了後に得られる経験値が大きい」、民間船の敵は「非常に素早さが高いが、得られるお金は最も多い」、海賊船の敵は「攻撃力が非常に高く、得られる経験値、お金は海軍と市民の中間」、という特徴がある))。 --強そうな敵がいたら、大砲の弾を当てて沈めれば戦闘を回避できる。この場合経験値が手に入らないので、使い分けが重要。 ---大砲で攻撃し、沈めきれなかった際の反応も敵の所属ごとに異なる。普段は不動の海軍船であっても、こっちから喧嘩を売ると当然反撃してくる。 ---沈めきれずに追いつかれて戦闘になることも。それもまた海賊ライフ。 -「船上バトル」の面白さ。 --武器ごとにルーレットの回転速度と出目は固定されている。強い武器ほどハズレが多くなったり、回転速度が速まって目押しが難しくなったりするのであえて弱い武器を使うのもあり。 ---金さえかければ弱い武器も元のレベル+5まで強化できる。新しい武器が出たら古い武器はお役御免になることが多いRPGにしては珍しく、弱い武器にも利用価値がある。 ---武器ごとに特殊効果の内容も異なる。「性能は低いが特殊効果が超強力な武器」ももちろんある。単純な性能だけでは真価は図れない。 ---店での購入前にルーレットの出目と回転速度を確認できる機能がある。なかなか嬉しい配慮である。 ---買値と売値が全く同じ仕様になっている。購入しても、気に入らない武器、使いにくかった武器は売ってしまえばお金は丸ごと返ってくる。 --「心力カード」を当てまくって怒涛の連続攻撃を成功させたときの爽快感はかなりのもの。最大で9回もの連撃を叩き込めるため、大ダメージを見込める。 -助っ人キャラの種類の多さ。 --キャラゲー的にはほぼ唯一の評価点。その数総勢''68人((ただし、オリジナルキャラ2名を含むため、純粋な原作キャラは66名。))''。発売時期を考えれば驚異的な人数である。 ---その構成も、ルフィ、ゾロ、サンジと言ったメインキャラ、バギー、アルビダ(悪魔の実を食べる前と後両方が登場)、クロ、クリークといった強力な敵キャラ達、モージ、ブチ、ギン等彼らの手下やシャンクス、ミホーク、ガープのようにこの時点ではほぼ顔見せだけのキャラ、シュシュ、マキノ、カヤなどの非戦闘員、リカやプリンプリン准将のようにもはやファンでも「誰だっけ…?」レベルのキャラ、果ては映画版のキャラまでとことん網羅している。 ---プリンプリン准将((全体攻撃に加え、こちら全員に敵の攻撃を一回無効にするバリアを張ってくれる。ドーピング無しでは非常に頼もしいキャラ))やネズミ大佐((単体攻撃だが、何故か異様な威力を誇る))の技が強力なのは何か間違っている気がするが。 -自分オリジナルの海賊旗を作れる機能がある。 --作った海賊旗は実際の船のグラフィックに反映される。さらに原作の海賊団の旗がデフォルトで用意されているので、これらを使うこともできる。 ---とはいえドットを一個ずつ打つのが結構面倒くさいので、結局デフォルトの旗を多少いじったものになってしまうことが多いが。 --その他、武器にオリジナルの名前をつけることもできる。「本来の武器の名前の先頭につく」「4文字まで」と割と厳しい制約があるが、攻撃時には武器の名前も表示されるので結構印象に残る。 ---更に、自分が武器に付けた名前がゲーム中で流行(店売りのアイテムや敵の武器の名前に付けられていることも)することも。 --他にも、ゲーム始めに~海賊団等の名前やキャッチフレーズ、選択したキャラのタイプによって、キャラの強さが変わる…等いじれる要素は結構多い。 **問題点 -ストーリーにおいて主人公たちがほぼ空気。 --基本原作キャラの指示に従ってあちこちと走りまわらされるだけなので、存在感がやたら薄い。 --ストーリー自体はそれなりに面白いと言われる。しかし全体的に「少年少女の冒険」と言ったスケールであまり原作らしくないとも。 --せっかく、ストーリー(普通の戦闘と船で移動、あとストーリー含む一部のイベント&一部のキャラ以外)は当時のアニメでのフルボイスだってのに…もったいない。 ---ちなみに、あちこちで表示される選択肢は大半が「結局同じものを選ばされる」無限ループ仕様となっており、ストーリーの分岐等は一切ない。 ---ストーリー最終盤ではとある海軍に「''麦わらのパシリ団だってな! 違うのかよ!?''」と言われるが、''事実なので否定できない。'' -''中途半端なところで打ち止めになる仕様'' --本編シナリオをポルスター諸島までクリアし、グランドラインまで到達すると上限LV80、武器のLV上限は70となる。…のだが、この後名声値を溜めてグランドラインに入っても、ここでシナリオが終わっているのか、''グランドラインで起きるイベントをどれだけやっても先に進むことはできない。''下記のLV上限も解放されないため、ここで実質的にゲーム終了になってしまう。 --この段階で打ち止めになることで''装備品は中途半端な状態のまま一切強化できなくなり''、結果的に何千回も戦って無理矢理LVを上げれば敵だけが一方的に強くなって戦いはより厳しくなっていく。…あんまりである。 -特定レベルを超えると非常にレベルを上げにくくなる仕様 --実は獲得できる名声値(=経験値)はレベルとシナリオの進行状況に応じて限界が設定されており、適正レベルを10超えると一律で''5''しか入手できなくなってしまう(一応レベルを上げることはできるが、非常にレベルを上げにくくなる)。 ---上記の打ち止めポイントであるグランドライン突入時点でのレベル上限は80であり、そこまでレベルが上がるとその後はどれだけ戦っても名声値が毎回5しか入らなくなってしまい、レベルがまともに上がらなくなってしまう。 ---もっとも、こちらがLVを上げるとそれに応じて敵のLVが上がっていくため、頑張ってLVを上げたところで特に有利にはならない。一応自分のLVよりも値段の高い装備を購入するときは通常より高い値段を吹っ掛けられるのだが、売値は買値と全く変わらないため強引に買っても問題は無い。 -ポケットステーションが無いと厳しすぎる「賞金額の上昇」 --ポケットステーションに対応しており、ポケットステーションと連動したミニゲームで遊ぶと賞金首ランキングを非常に上げやすくなっているのだが、逆にこれを使わなかった場合、マップで船を10隻潰すか10回戦場バトルで倒してようやく1万ベリー上がる仕様になっている。 --単純計算で''最低80000隻の船を潰さなければ賞金首1位になれない''((隠しパスワードで「クロコダイル」が出てくるのだが、彼の賞金が8000万))ため、ポケットステーションが無いと恐ろしい労力が必要となってしまう。 -とことん「ワンピースらしさ」に欠ける戦闘。 --システム自体は悪くない。しかし主人公たちは別に悪魔の実の能力者でも、超人的な戦闘力を持っているわけでもない普通の少年少女なので地味。 ---武器も「カトラス」「シミター」「こんぼう」「太刀」「ピストル」「''さつたば''」「''キック''」などで、割と普通のRPGっぽい…''というかさつたばとかキックは店で買うような武器ではない''。原作らしい武器は「せんそう(戦槍)」と「キリバチ」ぐらい。そしてこれらを装備したところで外見は変わらないので地味さに変化なし。 ---おまけに「敵専用の武器」を前提にしたような動きのキャラが多く、別の武器を使っているとどうしてもミスマッチ感が拭えない。 --ちなみに、原作キャラと直接闘うのは麦わら海賊団だけであり、他はクリーク海賊団や海軍との戦いでも''原作キャラを助っ人にした本作独自のモブキャラ''が敵となる。 -「ワードミックスバトル」と「技名バトル」のつまらなさ。 --ワードミックスバトルは「ひたすら長い単語を選ぶ」以外、''攻略方法が存在しない''という空前絶後のつまらなさ。 ---ランダムに選ばれる単語自体は奇天烈なものもあって意外と面白い。しかしバトル自体が単調すぎて全く相殺されていない。 ---一応「相手のHPをジャスト0にしないといけない」バトルもある。が、そもそも「長い名前を選んだ方が敵から受けるダメージを減らせる」という仕様があるので…。 --技名バトルは逆に''攻略方法が不明''。次にどの技を選べば勝てるのか原作を読んでいても予測不可能。 --ボス船シューティングはそこそこ面白い。しかし任意で起こせないために何度も遊ぶことが出来ず、何度も遊びたい場合は再プレイが必須となってしまう。 -オープニングがMAD(にしか見えない)。 --オリジナルキャラ登場の場面以外は、おそらく原作アニメの映像を継ぎはぎして一つのオープニングにしている。MADとして見ると出来自体は悪くないのだが、公式のキャラゲーでこれはいかがなものか。グランドバトルでは新規の書き下ろしだったため余計に腑に落ちない。 -セーブ回りの不便さ。 --ステージを攻略している途中でのセーブは不可。一度ステージ選択画面に戻る必要があるのだが、この際ストーリー進行が全て元に戻ってしまう。 ---とくに、「ゲッコー諸島」というステージは長すぎる。葉っぱを10枚集めたり、キャラを特定の場所に送ったり…等。 ---慣れたプレイヤーが全雑魚敵との戦闘を回避し、潮流や渦潮もフル活用して最短ルートで効率よく進んでも1時間以上かかる、と書くとどれだけ長いか分かるだろう。 -絶対に入れない場所の存在 --黒い潮流は「船が入ると操作を一切無視して押し流す」という仕掛けなのだが、この黒い潮流の流れている先や、流されている途中に空間がある(しかも宝箱が置いてある)ことが多い。当然、この場所に入ることはできないため、そこに配置されている宝箱などは絶対に手に入れることが出来ない。 --同様に、閉まっている水門は何をやっても開けることが出来ないものがあるにもかかわらず、絶対に開けられない水門の先に何故か宝箱や施設が用意されていることがある。 ---ちなみに、これらのマップは自動生成で作られているわけでは無いようで、何度入りなおしても同じものが出現する。 -次の目的地に関する不備 --浮き輪マークとコンパスで次の目的地を指示してくれるのだが、これが「ゲッコー諸島」「コノミ諸島」ではまともに機能しない場面がある。前者は「バラティエ」の位置が表示されず、葉っぱを10枚集めるイベントの時には真ん中の島しか表示してくれない((実際にはその島の周辺の島の上陸ポイントも全て回らないとクリアできない))、キノコ探しの時にも同じく島一つしかマークしてくれない((4つ全てを回らないとイベントが進まない))、と不便。コノミ諸島も「珍獣の島」や「船の材料集め」の際に機能しないため、どちらも広大な海域をひたすら探し回る羽目となる。 -微妙すぎる収集要素。 --各地に流れているタルを拾うと中にカードダスが入っていることがある。…それはいいのだが、これが「カードの性能の確認」しかできず実際のカードゲームを遊ぶことができない。ルールの説明もあるのに遊べないのはどうにもモヤモヤしてしまう。 -上記に述べた沈没だが、他の海賊船が大砲を撃ってきて体力が無くなると沈没→その後助けてもらっても即撃ってきて何度も沈没…というのがある。 --沈没して復活した時は体力が半分になる(一部を除く)という仕様も厳しい。 ---沈没後に救助してくれるキャラが数名いるが、中には倉庫(アイテム)の装備品以外や金を全部取られてしまうことも… ---ちなみに、この救助でヨサク&ジョニーが出てくるが、こいつらは''ハズレ''。もう1回救助のためのルーレットをやることに…これ、いらないのでは? -船を強化できるが、速度を上げたら上げただけ''敵の船も速くなる''。移動速度が上がるためメリットはあるが、なぜこのような仕様にしたのか。 --船を強化していくと最終的に敵の小型海賊船(の追尾して攻撃してくるタイプ)は''ミサイルのような猛スピードで画面外から突如突っ込んでくる''ようになり、戦闘を避けるのも振り切るのも非常に難しくなってしまう。小回りさせると速度を落とさせて振り切れるので対処法はあるとはいえ、あんまりである。 -ややゲームバランスが悪い。 --ドリンク(ドーピングアイテム)を大量に入手する手法を取らない限りこのゲームでは味方の能力の上がり幅が小さく、武器とアクセサリーを装備して強くしないといけないのだが、それをどれだけ駆使しても次第にこちらが全ての面で相手に劣っていくようになる。 ---まともに殴り合おうとすると装備とレベルによっては「一部の素早い敵が複数回連続で攻撃してくる((「まきもの」で全体攻撃してくる忍者や「槍」で攻撃してくるキャラなど。当然市民船であればもっと速くなる))」ほどに能力差が開くようになり、ポルスター諸島やグランドラインでは適当な装備ではもう張り合えなくなっていく。相手の装備にレベル上限は無いのに味方の装備のレベルが70で打ち止めになってしまうのも非常に痛い((攻略本等を見るとデータ上はレベル100まで用意されているようだが、シナリオがグランドライン突入(装備の最大レベル70)で打ち止めになるのでどうやっても高レベル武器を買えるようにできない))。 -漢字が使えない --キャッチフレーズ(船上バトル時に表示される一文)や海賊団の名前を決める時に使えるのはひらがな、カタカナ、数字、英語のみであり、漢字が一切使えない仕様となっている。 --そのため、敵のキャッチフレーズは漢字使い放題なのに、プレイヤーが自分で考えるキャッチフレーズは漢字が使えない不便な(+全文字ひらがなだと非常にダサい)ものになる。漢字が使いたい場合、最初にランダムで出てくるキャッチフレーズを吟味するしかないが、これで出てくる漢字も種類が多いとはいえず、限度がある。 -取り返しのつかない武器が余りに多い --シナリオ進行に合わせて武器、アクセサリーの販売レベルが上がっていく(最初はレベル1~10の装備だけで、その後はシナリオ1つクリアするごとに10単位で上がっていく)のだが、武器、アクセサリーにレベルの上限が設定されており、シナリオを進めるごとに新しい武器が入る一方で二度と手に入らない武器が出てくる。 ---特に「シミター((味方全体の速さを上げる効果を全武器で唯一持っていて、ドーピング無しでやるならほぼ必須になってくる))」や「もり((ルーレットの回転がやたら速いが、全武器で唯一敵全員の防御を下げる効果持ち))」といった超強力な効果を持つアイテムが一切手に入らなくなるのが痛い。 ---一品物の「キリバチ((アーロンの武器。敵全員の速さを下げる効果はこの武器だけ))」に至ってはさらに酷く、シナリオで入手した時の「プレイヤーのレベルに依存」するとんでもない仕様。そのため、強いキリバチを手に入れるためには強引にレベルを上げるしかない。元の性能が激レア武器と同レベルで高いとはいえ、うっかり低レベルで手に入れてしまったら悲惨なことになる。 ---一応アクセサリーの方は単に能力だけで選んでいいので気になることは少ない。無駄に値段が高い上に能力がさっぱり上がらない宝石やレベルだけ高くて実は対して強くない販売品でショップが埋められるようになるのは見ていて鬱陶しいが…。 -ドーピングしても防御のステータスがさっぱり役に立たない。 --もちろん、上げたら上げただけダメージは減る(たまに敵が繰り出す貧弱な攻撃の威力は目に見えて下がっている)。のだが、ドーピングで通常の数十倍の能力にしたところで、今度は敵の攻撃が非常に強くなってしまう((敵のルーレットの目がやたら強化され、こっちの強攻撃以上の威力で殴ってくるため。もちろんそんな攻撃力でノードーピングのキャラが殴られたら一発で死ぬため、ドーピングしない通常プレイではちゃんと「非常に」加減されている。それでも大抵2~3発で転がるが))ので結局ダメージは減っていない。むしろ''4桁ダメージを量産してくる''ため、逆に受けるダメージが増している。 -何故か体力(=HP)だけ表示が999で打ち止めになってしまい、正確な数字が分からなくなってしまう。 --実際には9999まで増やせるのに突然999で見えなくなってしまうため、ドーピングを施していた場合などは実際の体力の把握に難儀することになる。やりこみになるが最強のキャラを作る場合などは、LV3の時点で体力が''1183以上必要になる''((この場合、毎レベル91体力が上昇し、レベル最大でカンストする))ため、メモが必須。 -成長率の都合上、LVを上げてからドーピングすると非常に不利になる仕様がある。 --成長式が「''現在値÷(10+レベル)の端数切捨て''」というとんでもない物((無論、ドーピングさえしなければこの成長率の影響は一切ない))なので、同じ能力520をドーピングした場合、LV3(ドーピング可能になる最低LV)とLV80ではその重みがまるで違ってしまう。 --前者の場合、以後のレベルアップ全てで1LV上がるごとに''40''(520÷13=40)もの超成長が入ってしまうのに対し、後者の場合はそのあと頑張ってレベルを上げてもそれまでと比べて''5''(520÷90=5余り70)多く増えるだけである。なお、ドーピングを施しても''前者はあくまでLV3なので、経験値を少し稼げばあっという間にLVが上がり、爆発的に育つ。'' --もう少し具体的に書くと「LV3で520だった」能力値は、LV10まで経験値を稼ぐと''800''になり、LV20になると''1200''、30になると''1600''…と、とてつもない勢いでパワーインフレを起こす。後者のキャラと同じ「LV80」まで育てると''3600''ものステータスを持つため、もはや勝負にならない。無論、もっとドーピングを施してからLV3のキャラを育てれば''毎LV100を超える成長すら実現する。'' //計算式を間違えていたので書き直しました。 //成長率が40になった(LV3、能力520)状態でLVを上げるとLV4、能力560→LV5、能力600と増えていき、比較に出したLV80まで育てると能力は3600になります。 -味方をドーピングすると助っ人の威力も比例して上がっていくのだが、何故か敵の助っ人の威力まで強化されてしまい、結局敵の助っ人技の対策にはつながらない。 --そのため、即死同然の威力を誇る技は結局耐えることが出来ない。敵が助っ人技を使用してくる確率は低めとはいえ、運が悪いとどれだけドーピングしても相手に先制されてしまい、開幕で助っ人技をぶっ放してきてこっちが壊滅する、という展開は低確率ながら、ありえてしまう。 **総評 まとめて言うと「''ワンピース要素が邪魔''」。~ 「キャラゲーとしてはよくできているが、ゲームとしては微妙」という作品は多いが、その逆は珍しい。~ そもそも原作漫画は「海賊」を名乗ってはいても実際のところ、そのような行為はほぼ皆無な上、海の上での冒険のシーンもほとんどなしと、本作のようなゲームとはあまり相性が良くなかったのかもしれない。~ むしろワンピース無関係の単発のゲームとして売り出した方が高い評価を得られたのでは……? と考えるといろいろと残念な作品である。 **余談 攻略本は一応出ている。敵のデータ、アイテムのデータは上限レベル含めてちゃんと載っているのだが…よりによって''肝心の成長式(上述)が欠けている''ため、本に載っているデータをそのまま見たところで何のことか全く理解できず、真価を発揮できない((計算式に当てはめる「基準値」しか載っておらず、LVに対応した補正を出す方法が載っていない))。~ なお、この本にはポルスター諸島までのシナリオしか載っておらず、その先は一切不明。結果的にグランドラインに突入した場所で詰まり、誰一人としてLV70以上の装備を見ることは叶わない。~ また、助っ人のうち、「エース」「クロコダイル」「コビー、ヘルメッポ」は載っておらず、データも無い。~ 本作には『[[From TV Animation ONE PIECE グランドバトル!]]』の隠しキャラ出現条件リストと、実際に使えるカードダスが一枚同梱されている。~
*From TV Animation ONE PIECE とびだせ海賊団! 【ふろむてぃーびーあにめーしょん わんぴーす とびだせかいぞくだん】 |ジャンル|海賊アドベンチャーRPG|&amazon(B00005OVIZ)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|エイムアット・エンターテインメント|~| |発売日|2001年8月2日|~| |定価|6,090円(通常版)&br()9,240円(ポケットステーション同梱版)|~| |レーティング|CERO:全年齢対象&br()※ベスト版で付与されたレーティングを記載|~| |判定|なし|~| |ポイント|ストーリーで空気な主人公たち、戦闘で空気な原作キャラたち&br()「海賊なりきりRPG」として見ると地味に完成度高し|~| |>|>|CENTER:''[[ONE PIECEゲームリンク>ONE PIECEシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -いまやジャンプはおろか、日本を代表する漫画となった感もある『ONE PIECE』の世界観とキャラクターを用いたRPG。 --発売時期としては、アラバスタ編突入直前ぐらいまでは描けたはずだが、グランドライン編はクリア後のオマケとなっており、本編のシナリオは全て「東の海」で完結する。 -ポケットステーションに対応しており、同梱版も発売されている。 **ストーリー > ローグタウンの近海、「イニシエの黄金」と呼ばれる財宝の手掛かりとなる「イニシエのかけら」を探すルフィたち。~ 無事5つの「イニシエのかけら」を探し当てることに成功するも、その直後一行は謎の敵の襲撃を受け、それぞれがかけらをもったまま離れ離れになってしまう。~ ~ 一方、そのころ大海賊になるという夢を掲げて3人の少年少女が大海原へと乗り出そうとしていた…。 **特徴 -本作の主人公は、オリジナルキャラの少年少女達である。原作キャラはNPCや助っ人として登場する。 -本作のフィールドマップは全て「海」で構成されている。地上を冒険する機会は一切存在しない。 --海上なので当然移動には船を用いる。 ---一般的なRPGと異なり、船の操作の自由度は低い。始めたばかりのころは思った通りの場所に行くことは難しいだろう。 ---ただし、造船所で金を払えば操作性の向上が可能。慣れないうちは優先的に上げていくといい。 --移動中は食料を消費する。ゼロになってもゲームオーバーにはならないが、船上バトル(後述)でパラメーターが大幅にダウンしてしまう。 -各所にある陸地には上陸ポイントが設定されている。 --「町」や「村」はイベントの進行に関わる。 --「木」は果物がなっていれば食料を入手できる。果物がなくてもイベントのキーになることがある。 --「宝箱」は宝物が入手できる。何が手に入るかはルーレットで決まるが、目押しが利くので狙いの宝をゲットしたい。 --「店」は5種類ある。装備品の調達ができる「武器屋」と「アクセサリー屋」、船の能力向上を行う「造船所」、食料の補給や助っ人の変更を行う「酒場」、手に入れた財宝の鑑定、換金を行う「鑑定所」。 -海上には様々な障害物が存在する。基本的には避けていくことになるが、うまく活用すれば有用なこともある。 --「サルガッソ」は絡むと大幅にスピードがダウンする。敵に追いつかれるリスクが高まる。 --「暗礁」に入ると船がダメージを受ける。これだけで沈没することはないが、耐久力が減ったところに敵船の砲撃を食らうと沈没してしまう。 --「潮流」に巻き込まれると潮流の終わりまで流されてしまう。基本的には邪魔な存在だが、長距離の高速移動や敵船をうまくはめて遠くまで流してしまうといった使い方もできる。 --「大渦」は黒と白の2種類がある。黒に触れるとはるか彼方の白まで飛ばされてしまう。潮流と同じくワープ手段として用いることも可能。 -本作には4種類の戦闘が存在する。ただし船上バトル以外は任意で発生させることはできない。 --「船上バトル」は最も一般的な戦闘。海上で敵船に触れると発生、敵味方ともに3対3のバトルとなる。 ---攻撃は武器ごとに設定されたルーレットを止めることで行われる。弱、中、強、ハズレの他、これらのパネルに別個に状態異常や回復などのパネルが追加されることもある。 ---特徴的なのは「心力」カード。ここに止めることができるともう一度ルーレットを回せる。ダメージを受ければ受けるほど多く出現する特徴があり、一発逆転を狙える。 ---原作キャラが船に乗っていれば「助っ人」として戦闘に参加してくれる。ルーレットに「助っ人」カードが追加され、止めると「助っ人ポイント」を消費して様々な行動でサポートしてくれる。場合によっては敵が助っ人を連れていることもある。 --「ワードミックスバトル」は海王類などの大型の敵と遭遇した際に起きる。船内にあるものを敵に投げて撃退する、というもの。 ---長い単語のものほど威力は高くなる。 --「技名バトル」はイベントでルフィたちが戦うことになった際発生する。彼らが次に使う技を選んでいくことで勝利を目指すというもの。 --「ボス船シューティングバトル」は相手の船に対し段数無制限の大砲で弾を撃ち込み、沈没させることを狙うバトル。その名の通り各ステージの終わりに発生することが多い。 ---こちらは回避行動が一切とれないため、敵の弾は撃ち落として対処することになる。 -戦闘以外でも様々なことがルーレットで決まる独特の世界観。 --前述の通り宝箱の中身はルーレットで決まる。財宝以外にも弾薬や能力値アップの薬などが出ることもある。 --沈没時のペナルティもルーレットで決まるという割と珍しい仕様がある。 ---ゼフに助けてもらえれば食料を最大まで補充してもらえる。しかしアルビダやクリークを当ててしまうと財宝や食料を奪われる羽目になる。それでも助けてくれるのは律儀なのか。 --まぁ「ワンピースらしい世界観か?」と聞かれたら大きな疑問符を付けざるを得ないのだが…。 **評価点 -「海賊なりきりRPG」としては意外と面白い。 --前述の通り操作は不自由だが、それが逆に独特の緊張感を生み出している。細かい移動のためにはブレーキも使いこなすことが重要となる。 ---上陸ポイントの判定は広めにとられており、操作性が悪くとも上陸はしやすいようになっている。 --実は結構珍しい「海賊行為が行えるRPG」である。 ---海賊をテーマにしたゲームはそれなりにあるが、民間船を普通に襲えるものは意外に少ない。とはいえ扱いとしては他の敵である海賊や海軍の船とあまり変わらないのだが((違いとしては、海軍船の敵は「守備力が他より高めであり、戦闘終了後に得られる経験値が大きい」、民間船の敵は「非常に素早さが高いが、得られるお金は最も多い」、海賊船の敵は「攻撃力が非常に高く、得られる経験値、お金は海軍と市民の中間」、という特徴がある))。 --強そうな敵がいたら、大砲の弾を当てて沈めれば戦闘を回避できる。この場合経験値が手に入らないので、使い分けが重要。 ---大砲で攻撃し、沈めきれなかった際の反応も敵の所属ごとに異なる。普段は不動の海軍船であっても、こっちから喧嘩を売ると当然反撃してくる。 ---沈めきれずに追いつかれて戦闘になることも。それもまた海賊ライフ。 -「船上バトル」の面白さ。 --武器ごとにルーレットの回転速度と出目は固定されている。強い武器ほどハズレが多くなったり、回転速度が速まって目押しが難しくなったりするのであえて弱い武器を使うのもあり。 ---金さえかければ弱い武器も元のレベル+5まで強化できる。新しい武器が出たら古い武器はお役御免になることが多いRPGにしては珍しく、弱い武器にも利用価値がある。 ---武器ごとに特殊効果の内容も異なる。「性能は低いが特殊効果が超強力な武器」ももちろんある。単純な性能だけでは真価は図れない。 ---店での購入前にルーレットの出目と回転速度を確認できる機能がある。なかなか嬉しい配慮である。 ---買値と売値が全く同じ仕様になっている。購入しても、気に入らない武器、使いにくかった武器は売ってしまえばお金は丸ごと返ってくる。 --「心力カード」を当てまくって怒涛の連続攻撃を成功させたときの爽快感はかなりのもの。最大で9回もの連撃を叩き込めるため、大ダメージを見込める。 -助っ人キャラの種類の多さ。 --キャラゲー的にはほぼ唯一の評価点。その数総勢''68人((ただし、オリジナルキャラ2名を含むため、純粋な原作キャラは66名。))''。発売時期を考えれば驚異的な人数である。 ---その構成も、ルフィ、ゾロ、サンジと言ったメインキャラ、バギー、アルビダ(悪魔の実を食べる前と後両方が登場)、クロ、クリークといった強力な敵キャラ達、モージ、ブチ、ギン等彼らの手下やシャンクス、ミホーク、ガープのようにこの時点ではほぼ顔見せだけのキャラ、シュシュ、マキノ、カヤなどの非戦闘員、リカやプリンプリン准将のようにもはやファンでも「誰だっけ…?」レベルのキャラ、果ては映画版のキャラまでとことん網羅している。 ---プリンプリン准将((全体攻撃に加え、こちら全員に敵の攻撃を一回無効にするバリアを張ってくれる。ドーピング無しでは非常に頼もしいキャラ))やネズミ大佐((単体攻撃だが、何故か異様な威力を誇る))の技が強力なのは何か間違っている気がするが。 -自分オリジナルの海賊旗を作れる機能がある。 --作った海賊旗は実際の船のグラフィックに反映される。さらに原作の海賊団の旗がデフォルトで用意されているので、これらを使うこともできる。 ---とはいえドットを一個ずつ打つのが結構面倒くさいので、結局デフォルトの旗を多少いじったものになってしまうことが多いが。 --その他、武器にオリジナルの名前をつけることもできる。「本来の武器の名前の先頭につく」「4文字まで」と割と厳しい制約があるが、攻撃時には武器の名前も表示されるので結構印象に残る。 ---更に、自分が武器に付けた名前がゲーム中で流行(店売りのアイテムや敵の武器の名前に付けられていることも)することも。 --他にも、ゲーム始めに~海賊団等の名前やキャッチフレーズ、選択したキャラのタイプによって、キャラの強さが変わる…等いじれる要素は結構多い。 **問題点 -ストーリーにおいて主人公たちがほぼ空気。 --基本原作キャラの指示に従ってあちこちと走りまわらされるだけなので、存在感がやたら薄い。 --ストーリー自体はそれなりに面白いと言われる。しかし全体的に「少年少女の冒険」と言ったスケールであまり原作らしくないとも。 --せっかく、ストーリー(普通の戦闘と船で移動、あとストーリー含む一部のイベント&一部のキャラ以外)は当時のアニメでのフルボイスだってのに…もったいない。 ---ちなみに、あちこちで表示される選択肢は大半が「結局同じものを選ばされる」無限ループ仕様となっており、ストーリーの分岐等は一切ない。 ---ストーリー最終盤ではとある海軍に「''麦わらのパシリ団だってな! 違うのかよ!?''」と言われるが、''事実なので否定できない。'' -''中途半端なところで打ち止めになる仕様'' --本編シナリオをポルスター諸島までクリアし、グランドラインまで到達すると上限LV80、武器のLV上限は70となる。…のだが、この後名声値を溜めてグランドラインに入っても、ここでシナリオが終わっているのか、''グランドラインで起きるイベントをどれだけやっても先に進むことはできない。''下記のLV上限も解放されないため、ここで実質的にゲーム終了になってしまう。 --この段階で打ち止めになることで''装備品は中途半端な状態のまま一切強化できなくなり''、結果的に何千回も戦って無理矢理LVを上げれば敵だけが一方的に強くなって戦いはより厳しくなっていく。…あんまりである。 -特定レベルを超えると非常にレベルを上げにくくなる仕様 --実は獲得できる名声値(=経験値)はレベルとシナリオの進行状況に応じて限界が設定されており、適正レベルを10超えると一律で''5''しか入手できなくなってしまう(一応レベルを上げることはできるが、非常にレベルを上げにくくなる)。 ---上記の打ち止めポイントであるグランドライン突入時点でのレベル上限は80であり、そこまでレベルが上がるとその後はどれだけ戦っても名声値が毎回5しか入らなくなってしまい、レベルがまともに上がらなくなってしまう。 ---もっとも、こちらがLVを上げるとそれに応じて敵のLVが上がっていくため、頑張ってLVを上げたところで特に有利にはならない。一応自分のLVよりも値段の高い装備を購入するときは通常より高い値段を吹っ掛けられるのだが、売値は買値と全く変わらないため強引に買っても問題は無い。 -ポケットステーションが無いと厳しすぎる「賞金額の上昇」 --ポケットステーションに対応しており、ポケットステーションと連動したミニゲームで遊ぶと賞金首ランキングを非常に上げやすくなっているのだが、逆にこれを使わなかった場合、マップで船を10隻潰すか10回戦場バトルで倒してようやく1万ベリー上がる仕様になっている。 --単純計算で''最低80000隻の船を潰さなければ賞金首1位になれない''((隠しパスワードで「クロコダイル」が出てくるのだが、彼の賞金が8000万))ため、ポケットステーションが無いと恐ろしい労力が必要となってしまう。 -とことん「ワンピースらしさ」に欠ける戦闘。 --システム自体は悪くない。しかし主人公たちは別に悪魔の実の能力者でも、超人的な戦闘力を持っているわけでもない普通の少年少女なので地味。 ---武器も「カトラス」「シミター」「こんぼう」「太刀」「ピストル」「''さつたば''」「''キック''」などで、割と普通のRPGっぽい…''というかさつたばとかキックは店で買うような武器ではない''。原作らしい武器は「せんそう(戦槍)」と「キリバチ」ぐらい。そしてこれらを装備したところで外見は変わらないので地味さに変化なし。 ---おまけに「敵専用の武器」を前提にしたような動きのキャラが多く、別の武器を使っているとどうしてもミスマッチ感が拭えない。 --ちなみに、原作キャラと直接闘うのは麦わら海賊団だけであり、他はクリーク海賊団や海軍との戦いでも''原作キャラを助っ人にした本作独自のモブキャラ''が敵となる。 -「ワードミックスバトル」と「技名バトル」のつまらなさ。 --ワードミックスバトルは「ひたすら長い単語を選ぶ」以外、''攻略方法が存在しない''という空前絶後のつまらなさ。 ---ランダムに選ばれる単語自体は奇天烈なものもあって意外と面白い。しかしバトル自体が単調すぎて全く相殺されていない。 ---一応「相手のHPをジャスト0にしないといけない」バトルもある。が、そもそも「長い名前を選んだ方が敵から受けるダメージを減らせる」という仕様があるので…。 --技名バトルは逆に''攻略方法が不明''。次にどの技を選べば勝てるのか原作を読んでいても予測不可能。 --ボス船シューティングはそこそこ面白い。しかし任意で起こせないために何度も遊ぶことが出来ず、何度も遊びたい場合は再プレイが必須となってしまう。 -オープニングがMAD(にしか見えない)。 --オリジナルキャラ登場の場面以外は、おそらく原作アニメの映像を継ぎはぎして一つのオープニングにしている。MADとして見ると出来自体は悪くないのだが、公式のキャラゲーでこれはいかがなものか。グランドバトルでは新規の書き下ろしだったため余計に腑に落ちない。 -セーブ回りの不便さ。 --ステージを攻略している途中でのセーブは不可。一度ステージ選択画面に戻る必要があるのだが、この際ストーリー進行が全て元に戻ってしまう。 ---とくに、「ゲッコー諸島」というステージは長すぎる。葉っぱを10枚集めたり、キャラを特定の場所に送ったり…等。 ---慣れたプレイヤーが全雑魚敵との戦闘を回避し、潮流や渦潮もフル活用して最短ルートで効率よく進んでも1時間以上かかる、と書くとどれだけ長いか分かるだろう。 -絶対に入れない場所の存在 --黒い潮流は「船が入ると操作を一切無視して押し流す」という仕掛けなのだが、この黒い潮流の流れている先や、流されている途中に空間がある(しかも宝箱が置いてある)ことが多い。当然、この場所に入ることはできないため、そこに配置されている宝箱などは絶対に手に入れることが出来ない。 --同様に、閉まっている水門は何をやっても開けることが出来ないものがあるにもかかわらず、絶対に開けられない水門の先に何故か宝箱や施設が用意されていることがある。 ---ちなみに、これらのマップは自動生成で作られているわけでは無いようで、何度入りなおしても同じものが出現する。 -次の目的地に関する不備 --浮き輪マークとコンパスで次の目的地を指示してくれるのだが、これが「ゲッコー諸島」「コノミ諸島」ではまともに機能しない場面がある。前者は「バラティエ」の位置が表示されず、葉っぱを10枚集めるイベントの時には真ん中の島しか表示してくれない((実際にはその島の周辺の島の上陸ポイントも全て回らないとクリアできない))、キノコ探しの時にも同じく島一つしかマークしてくれない((4つ全てを回らないとイベントが進まない))、と不便。コノミ諸島も「珍獣の島」や「船の材料集め」の際に機能しないため、どちらも広大な海域をひたすら探し回る羽目となる。 -微妙すぎる収集要素。 --各地に流れているタルを拾うと中にカードダスが入っていることがある。…それはいいのだが、これが「カードの性能の確認」しかできず実際のカードゲームを遊ぶことができない。ルールの説明もあるのに遊べないのはどうにもモヤモヤしてしまう。 -上記に述べた沈没だが、他の海賊船が大砲を撃ってきて体力が無くなると沈没→その後助けてもらっても即撃ってきて何度も沈没…というのがある。 --沈没して復活した時は体力が半分になる(一部を除く)という仕様も厳しい。 ---沈没後に救助してくれるキャラが数名いるが、中には倉庫(アイテム)の装備品以外や金を全部取られてしまうことも… ---ちなみに、この救助でヨサク&ジョニーが出てくるが、こいつらは''ハズレ''。もう1回救助のためのルーレットをやることに…これ、いらないのでは? -船を強化できるが、速度を上げたら上げただけ''敵の船も速くなる''。移動速度が上がるためメリットはあるが、なぜこのような仕様にしたのか。 --船を強化していくと最終的に敵の小型海賊船(の追尾して攻撃してくるタイプ)は''ミサイルのような猛スピードで画面外から突如突っ込んでくる''ようになり、戦闘を避けるのも振り切るのも非常に難しくなってしまう。小回りさせると速度を落とさせて振り切れるので対処法はあるとはいえ、あんまりである。 -ややゲームバランスが悪い。 --ドリンク(ドーピングアイテム)を大量に入手する手法を取らない限りこのゲームでは味方の能力の上がり幅が小さく、武器とアクセサリーを装備して強くしないといけないのだが、それをどれだけ駆使しても次第にこちらが全ての面で相手に劣っていくようになる。 ---まともに殴り合おうとすると装備とレベルによっては「一部の素早い敵が複数回連続で攻撃してくる((「まきもの」で全体攻撃してくる忍者や「槍」で攻撃してくるキャラなど。当然市民船であればもっと速くなる))」ほどに能力差が開くようになり、ポルスター諸島やグランドラインでは適当な装備ではもう張り合えなくなっていく。相手の装備にレベル上限は無いのに味方の装備のレベルが70で打ち止めになってしまうのも非常に痛い((攻略本等を見るとデータ上はレベル100まで用意されているようだが、シナリオがグランドライン突入(装備の最大レベル70)で打ち止めになるのでどうやっても高レベル武器を買えるようにできない))。 -漢字が使えない --キャッチフレーズ(船上バトル時に表示される一文)や海賊団の名前を決める時に使えるのはひらがな、カタカナ、数字、英語のみであり、漢字が一切使えない仕様となっている。 --そのため、敵のキャッチフレーズは漢字使い放題なのに、プレイヤーが自分で考えるキャッチフレーズは漢字が使えない不便な(+全文字ひらがなだと非常にダサい)ものになる。漢字が使いたい場合、最初にランダムで出てくるキャッチフレーズを吟味するしかないが、これで出てくる漢字も種類が多いとはいえず、限度がある。 -取り返しのつかない武器が余りに多い --シナリオ進行に合わせて武器、アクセサリーの販売レベルが上がっていく(最初はレベル1~10の装備だけで、その後はシナリオ1つクリアするごとに10単位で上がっていく)のだが、武器、アクセサリーにレベルの上限が設定されており、シナリオを進めるごとに新しい武器が入る一方で二度と手に入らない武器が出てくる。 ---特に「シミター((味方全体の速さを上げる効果を全武器で唯一持っていて、ドーピング無しでやるならほぼ必須になってくる))」や「もり((ルーレットの回転がやたら速いが、全武器で唯一敵全員の防御を下げる効果持ち))」といった超強力な効果を持つアイテムが一切手に入らなくなるのが痛い。 ---一品物の「キリバチ((アーロンの武器。敵全員の速さを下げる効果はこの武器だけ))」に至ってはさらに酷く、シナリオで入手した時の「プレイヤーのレベルに依存」するとんでもない仕様。そのため、強いキリバチを手に入れるためには強引にレベルを上げるしかない。元の性能が激レア武器と同レベルで高いとはいえ、うっかり低レベルで手に入れてしまったら悲惨なことになる。 ---一応アクセサリーの方は単に能力だけで選んでいいので気になることは少ない。無駄に値段が高い上に能力がさっぱり上がらない宝石やレベルだけ高くて実は対して強くない販売品でショップが埋められるようになるのは見ていて鬱陶しいが…。 -ドーピングしても防御のステータスがさっぱり役に立たない。 --もちろん、上げたら上げただけダメージは減る(たまに敵が繰り出す貧弱な攻撃の威力は目に見えて下がっている)。のだが、ドーピングで通常の数十倍の能力にしたところで、今度は敵の攻撃が非常に強くなってしまう((敵のルーレットの目がやたら強化され、こっちの強攻撃以上の威力で殴ってくるため。もちろんそんな攻撃力でノードーピングのキャラが殴られたら一発で死ぬため、ドーピングしない通常プレイではちゃんと「非常に」加減されている。それでも大抵2~3発で転がるが))ので結局ダメージは減っていない。むしろ''4桁ダメージを量産してくる''ため、逆に受けるダメージが増している。 -何故か体力(=HP)だけ表示が999で打ち止めになってしまい、正確な数字が分からなくなってしまう。 --実際には9999まで増やせるのに突然999で見えなくなってしまうため、ドーピングを施していた場合などは実際の体力の把握に難儀することになる。やりこみになるが最強のキャラを作る場合などは、LV3の時点で体力が''1183以上必要になる''((この場合、毎レベル91体力が上昇し、レベル最大でカンストする))ため、メモが必須。 -成長率の都合上、LVを上げてからドーピングすると非常に不利になる仕様がある。 --成長式が「''現在値÷(10+レベル)の端数切捨て''」というとんでもない物((無論、ドーピングさえしなければこの成長率の影響は一切ない))なので、同じ能力520をドーピングした場合、LV3(ドーピング可能になる最低LV)とLV80ではその重みがまるで違ってしまう。 --前者の場合、以後のレベルアップ全てで1LV上がるごとに''40''(520÷13=40)もの超成長が入ってしまうのに対し、後者の場合はそのあと頑張ってレベルを上げてもそれまでと比べて''5''(520÷90=5余り70)多く増えるだけである。なお、ドーピングを施しても''前者はあくまでLV3なので、経験値を少し稼げばあっという間にLVが上がり、爆発的に育つ。'' --もう少し具体的に書くと「LV3で520だった」能力値は、LV10まで経験値を稼ぐと''800''になり、LV20になると''1200''、30になると''1600''…と、とてつもない勢いでパワーインフレを起こす。後者のキャラと同じ「LV80」まで育てると''3600''ものステータスを持つため、もはや勝負にならない。無論、もっとドーピングを施してからLV3のキャラを育てれば''毎LV100を超える成長すら実現する。'' //計算式を間違えていたので書き直しました。 //成長率が40になった(LV3、能力520)状態でLVを上げるとLV4、能力560→LV5、能力600と増えていき、比較に出したLV80まで育てると能力は3600になります。 -味方をドーピングすると助っ人の威力も比例して上がっていくのだが、何故か敵の助っ人の威力まで強化されてしまい、結局敵の助っ人技の対策にはつながらない。 --そのため、即死同然の威力を誇る技は結局耐えることが出来ない。敵が助っ人技を使用してくる確率は低めとはいえ、運が悪いとどれだけドーピングしても相手に先制されてしまい、開幕で助っ人技をぶっ放してきてこっちが壊滅する、という展開は低確率ながら、ありえてしまう。 **総評 まとめて言うと「''ワンピース要素が邪魔''」。~ 「キャラゲーとしてはよくできているが、ゲームとしては微妙」という作品は多いが、その逆は珍しい。~ そもそも原作漫画は「海賊」を名乗ってはいても実際のところ、そのような行為はほぼ皆無な上、海の上での冒険のシーンもほとんどなしと、本作のようなゲームとはあまり相性が良くなかったのかもしれない。~ むしろワンピース無関係の単発のゲームとして売り出した方が高い評価を得られたのでは……? と考えるといろいろと残念な作品である。 **余談 攻略本は一応出ている。敵のデータ、アイテムのデータは上限レベル含めてちゃんと載っているのだが…よりによって''肝心の成長式(上述)が欠けている''ため、本に載っているデータをそのまま見たところで何のことか全く理解できず、真価を発揮できない((計算式に当てはめる「基準値」しか載っておらず、LVに対応した補正を出す方法が載っていない))。~ なお、この本にはポルスター諸島までのシナリオしか載っておらず、その先は一切不明。結果的にグランドラインに突入した場所で詰まり、誰一人としてLV70以上の装備を見ることは叶わない。~ また、助っ人のうち、「エース」「クロコダイル」「コビー、ヘルメッポ」は載っておらず、データも無い。~ 本作には『[[From TV Animation ONE PIECE グランドバトル!]]』の隠しキャラ出現条件リストと、実際に使えるカードダスが一枚同梱されている。~

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