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*ウルティマVI 偽りの預言者 【うるてぃましっくす いつわりのよげんしゃ】 |ジャンル|RPG|&image(http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/167000093.jpg,x=200)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|8MbitROMカートリッジ|~| |発売元|ポニーキャニオン|~| |開発元|インフィニティー|~| |発売日|1992年4月3日|~| |定価|9800円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|1個|~| |判定|なし|~| |ポイント|プレイヤーは君自身&br()''悪人はクリアできない''&br()冒険を楽しむゲーム|~| |>|>|CENTER:''[[Ultimaシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -世界3大RPG『[[ウルティマ>ウルティマI 第1暗黒期]]』シリーズ第6作のスーパーファミコン移植版。 --プレイヤーは「アバタールの聖者」と呼ばれる君自身。謎の敵『ガーゴイル』との戦いの勃発により、再びブリタニアに召還される事となる。 ---- **特徴 -自由度が非常に高い。 --逆に言えば、どこから進めるべきか具体的なヒントが極端に少なく、''何をすればいいのか分からなくなる''ことがとても多い。 --同じ世界3大RPGの『[[Might and Magic>Might and Magic (FC)]]』同様、クリアを目指すのではなく冒険そのものを楽しむためのゲームである。あちらに比べれば随分と親切設計なので敷居は低い。 ---ただクリアを目指すためだけにプレイすると、クリアに関係ないイベントでガッカリしたり、謎解きで心が折れてしまったりするかもしれない。数日でクリアしようなどと考えず、コツコツと冒険を楽しむという心構えで挑むべきだろう。 -人との会話は「なまえ」「しごと」などキーワードを質問することで情報を聞き出す選択制。洋ゲーはこういう形式が多い。 --衛兵などを除いて全ての一般人に名前がある。普通のRPGのように一言しか発しないモブキャラが大量に歩いているという不自然さがない。 --一度会話した事のある人物は最初の挨拶が変わるのですぐにわかる。 -ゲーム開始直後に『ムーンオーブ』というアイテムが手に入る。 --使ってもなくならない重要アイテムで、主人公の周囲のいずれかのマスにおいて使うと、マスによって決まった位置にワープできる。 ---ただし、主人公の真下などの簡単な位置におくだけで『ガーゴイル』の巣くうある重要な場所にワープできてしまう為、いきなり訳の分からない場所に放り出されて強力なガーゴイルに襲われて面食らうのもまたお約束。ちなみにそれらの場所はゲーム後半でかならず行く必要が出てくる場所なのだが、ゲーム開始直後からいきなりいけてしまうのはどうなのか。 --従来のようなムーンゲートシステムも健在。ただし位置固定ではなく、ムーンストーンを埋めた場所に現れるようになった。固定電話から携帯電話に進化したような感じ。 -ダンジョンは3Dではなくなり、「ドラクエ1」のように、主人公の周囲以外が全て真っ暗になる。 --「たいまつ」や魔法「ライト」を用いて周囲を明るくして進むのが定石となる。なお、奥深くもぐっていくほど、BGMがだんだんと暗くなり、音量が小さくなっていくという特徴がある。 ---ちなみにこのゲームの「たいまつ」は、片手に持つアイテムなので、たいまつを持つキャラは、たいまつが消えるまで両手装備武器を装備できない事になる。また、一度持つと消えるまで外せない。 -街にいる兵士に戦いを挑める。 --ただし、カルマシステム(後述)の関係で、こちらに危害を加えてこないものを攻撃するのは得策ではない。 --過去作と違い、ロードブリティッシュ(この世界の統治者)と一戦交えることは出来ない。 -この世界の住民すべてが1分単位(!)で生活しており、夜になると宿屋すら閉まってしまう。 --かわりに「キャンプ」システムで、時間経過+回復が可能。ただし、各々のキャラが食料を持ってないと回復できないので注意。 -魔法は店で呪文の書かれた紙を購入して、呪文の書というアイテムに書き込む事で使用できる。 --本作では主人公以外のキャラはMPが非常に低いので、魔法キャラは必然的に主人公のみとなる。本作は魔法にレベルが定められており、レベルが高い魔法は、キャラのレベルがそれに届かないと使えない((魔法を呪文の書に書き込む事は、魔法のレベルに関わらず可能))。 --呪文の書は片手装備扱いであり、装備していないと呪文を使えない。主人公に両手武器を装備させるのは得策ではない。 -戦闘はMAP上でそのまま行われるタクティカルバトルとなっている。 --難易度は正直言ってぬるい部類だが、例外としてガーゴイルやデーモン、ドラゴンなどの強モンスターは本当に手ごわい。 --消費アイテムの「火炎瓶」が、範囲攻撃+安価+なかなかの威力なので、これを投げつけていればいつのまにか敵が死んでいる。%%人に投げつけてはいけません%% ---因みに経験値は敵を倒したキャラのみが得るシステムの為、育てたいキャラがいる場合は火炎瓶を投げまくる事も多い。 --一部の魔法以外は、その攻撃範囲内に味方がいると味方までダメージを喰らうこともある。 -ごく一部の重要なアイテム以外は、キャラクターによって装備できるアイテムに違いはない。没個性ととるか自由度が高いととるかはプレイヤー次第。 --弓矢などの飛び道具は、力ではなく素早さが重要になる。力の高いキャラは剣などの武器で直接攻撃を、素早さの高いキャラは弓矢で援護をするという役割になる。 ---弓には「普通の弓」と「クロスボウ」の違いがあり、使用する矢が違う。 -『カルマ』と呼ばれるシステムがある。最高値は100で、最低値は0。 --「人のお願いを適えてあげる」「物をめぐんであげる」「神殿でレベルアップする」など、良い事をすると上がり、「物を盗む」「兵士や無害な動物に攻撃を仕掛ける」「嘘をつく」など、悪いことをするとカルマ(業)が下がってしまう。 ---敵に攻撃を仕掛けられた場合は、反撃で倒してしまっても正当防衛ということでカルマは低下しない。環境の悪い場所では猫やウサギなども襲いかかってくることがある。 --カルマが下がると、店の価格が高くなるほか、''死亡からの復活時に総合EXPが減る''という仕様がある((カルマが80なら、復活時の総合EXPはその時の80%になってしまう。100ならデメリットなし))。経験値を稼ぎにくい本作において、これは非常に辛い。 --さらに、終盤のイベント時に''『カルマ』が80以下の状態である選択肢を選ぶと、ゲーム進行ができなくなる''((取扱説明書に「カルマが低すぎるとクリアできなくなる」と書かれている。そもそもアバタールは聖者なので、悪人プレイではクリアできないというのも当然だろう。))。該当の選択肢を選ぶ際には、カルマが80以上あるかどうか必ず確認する事。 -LVアップは『神殿』と呼ばれる場所で行う。この『神殿』は、最初はガーゴイルに占拠されており、解放の為に『ルーン』なるアイテムを探す必要がある。また、既存のRPGと違い、そのキャラの総合EXPが一定値を超えているとレベルアップができるシステムとなっている((例えば、LV3からLV4にアップさせるには、そのキャラの総合EXPを400まで稼ぐ必要がある。また、死亡して総合EXPが減り、そのレベルに必要な数値以下になってもレベルが下がるということはない))。 --本作での最高レベルは8。一見低いように見えるが、本作で敵から得られるEXPは多くても60前後がいいところ。そしてLV8に必要な総合EXPは6400と、実際にプレイすると分かるがかなりの敵を倒さなくては到達できない数値である。 --神殿を解放すると『ムーンストーン』というアイテムが手に入る。これはゲームクリアに必要なので、必然的に、8つある神殿全てを解放しなければならない。 --また神殿によって、LVアップボーナスが違う。能力値に差が出るので、LVアップの際に方針を決めておこう。 ---STR+3の「勇敢さ」、INT+3の「誠実さ」、AGI+3の「優しさ」、全パラメータ+1の「清らかさ」のいずれかでLVアップするのが望ましい。他の神殿はLVアップボーナスが少ないため、損してしまう。 ---ただしどの神殿でも、最初の1回目のレベルアップ時のみカルマが+10されるため、無駄ではない。 -シリーズキャラ「ねずみのシェリー」は、本作ではなんとアイテムとして持ち歩く事になる。 --その小さいサイズから、主人公達が入れない場所のアイテム回収に用いる。実は重要アイテムの回収の為にシェリーが必要な場面もある。 --また、シェリーが持てるアイテム(重量の大きいものは持てない)なら、盗んでもカルマが低下しないという裏技がある。 //-実はこのゲーム、数あるRPGの中でも珍しい&bold(){『ラスボスがいないゲーム』}である。 //--寧ろ、下記の記載にもあるが&bold(){「真のラスボスは最初の城の城門」}と揶揄される事もある。 //↑TRPGの影響が濃い洋ゲーなら別に珍しいことでもないのでは…。ウィザードリィ2、3もラスボスいなかったし。むしろ「必ずラスボスでストーリーを締めなければならない」日本製RPGの方が異端。 //記事作成者だけどそれは知らなかったわ。ついでにいうとウルティマはこれしかやってなかったりする。 ---- **評価点 -BGMは世界観にマッチしていて非常に出来がいい。 --メニュー画面の曲((PC版ではキャラメイク時の曲だった。SFC版にはキャラメイクがないので使用場所が変更。))などは、間違いなく耳に残るだろう。 --フィールドでは、流れるBGMがタイトル・王宮・町の曲などにランダムに変わる。いい気分転換になる。 --町中に置いてある楽器を調べるとBGMが専用のものに変わる。((ちなみに前作のBGMのアレンジ)) --何故かイカダの曲だけは妙にハイテンション。ダンジョン内で乗ると陰鬱な空気を見事に吹っ飛ばしてくれる。 ---ちなみにイカダ状態では戦闘できないので敵に狙われると凄く危険である。 --エンディングでは流れる曲自体に特殊な演出がある。これはクリアした者にしかわからないだろう。 -良質なストーリー --ストーリーを進めると分かるが、このゲームはいわゆる勧善懲悪ではない。 ---過去作、特に1~3は悪の親玉を倒すのが目的のストーリーだった。それらを知っている人なら、その意味を理解できるだろう。 -リアル志向。 --弓系の武器には消耗品の矢が必要だったり((敵が壁越しにいると、攻撃しても矢が届かず不発に終わる。ちなみに矢はきちんと消費する))、モーニングスター系の武器が離れた位置の敵を攻撃できるなど、戦闘システムにはぬかりがない。 ---斧やスピアは''敵に投げつけるもの''である。手に持って使うのは剣やメイス、ハンマーなど。 --敵を倒したときに落とすアイテムは、その敵が使っていた武器や呪文である。金貨はある程度知能のあるモンスターしか落とさない。 ---なおPC版では呪文を落とさない。 --ダンジョンは単独のものではなく、別のダンジョンとつながっていたり、離島に歩いて渡れるものもある。 -「ヘルプ」の魔法でいつでもロードブリティッシュ城に戻れる。 --MPも秘薬も消費しない。ダンジョン奥からでも目的を果たしたら安全に帰れる。 --突然強敵に遭遇したら死ぬ前にヘルプ。冒険ではこういうこともよくある。 **問題点 -最初の城から出る時点で難易度が高い。 --その理由として、ロード・ブリティッシュの長すぎる話と、その後の場内探索がある。 ---最初の城のアイテムは、ロード・ブリティッシュからのプレゼントという事もあり、持っていってもカルマが低下しない為、大量のアイテム探しに夢中になり、鍵の事を忘れるプレイヤーが続出した。聞きなおそうにも、ロード・ブリティッシュの話が長く、苦痛になる事も。 ---アイテムには全て重量が設定されており、持ち運べる限界がある。またアイテムの種類が多くなると自動的にバッグに入れられるのだが、その説明がないので重要なアイテムを紛失してしまったと勘違いする原因にもなる。 //取扱説明書には出る方法がきちんと書いてあるのだが、中古購入で取扱説明書がない場合、おそらくここで挫折するプレイヤーも多いだろう。~ //説明されているならそれは問題じゃないだろう -魔法やアイテムの説明がない。攻撃力や防御力などはかろうじて表示される程度である。 --そのため、アイテムの効果が分からない事も多い。 ---「火薬の樽」というアイテムは、投げたあと数秒後に爆発する。ただの攻撃アイテムではなく''鍵のかかった扉を強引に開ける''のにも使う(クリアに必須)のだが、この説明がない。 ---ポーションは色分けされており全8種類あるが、各色の持つ効果について説明がない。黄色(回復)と赤(解毒)以外の効果は限定的すぎてほとんど使わない。使った相手を毒にするものもあり、うかつに使うのもためらわれる。 ---このゲームのフィールドは毒沼だらけであるが、「スワンプブーツ」を装備していれば毒沼も安全に歩ける。防御力0なので装備をためらうかもしれないが、全員に装備させるべき。むしろ普通の靴こそ何の役にも立たない。 ---最初の城でいきなり「ライトニングワンド」という最強武器が手に入ってしまう。通常武器で最強の「ハルバード」と同じ威力を持ち、射程距離も長い。しかし使ったとき時々壊れるという説明がなく、突然壊れて呆然としたプレイヤーは多い。その破壊確率も非表示。 //特に「嵐のマント」というアイテムがあるが、これを装備してる間は魔法攻撃を喰らわないが、自身も魔法を使えないという特性がある。しかし、そんな説明が一切ないので「嵐のマント」を装備して魔法が使えなくなったという不可解な事態を体験したプレイヤーも少なくない //嵐のマントの防御力は0なので、鎧を外してまで装備するという物好きなプレイヤーはそれほど多くないだろう。そもそも装備品であるという情報すら出てこない。 -魔法に関しては、これまた説明書がないと辛い。 --このゲームの魔法の名前はとても独特であり((PC版の魔法音節をそのまま横文字に直しただけなので余計ややこしくなった))、説明書なしだと「そんな効果の名前かよ!」と思うこと請け合いである。 ---なお「リビール」という、説明書に名前すら載ってない魔法が一個だけあったりする(体の透明化を解除する効果)。 -また「秘薬」というアイテムが8種類あり、魔法の種類に応じて使用時に1~6種類の秘薬を消費する。 --秘薬にも重量がある上、このゲームではSTRに応じて持ち物の総重量制限が生じるため、&bold(){主人公は持ち物の大半を秘薬で圧迫される事になる}。 ---PC版ではSTR×2の所を、SFC版ではSTR×3と緩和されてはいるが、それでもきつい。因みにパラメータ上限は30なので、持てるアイテムの重量は90が最高値となる。 -ボートや気球が所持アイテムであり、使うとMAP上に設置してから乗ることとなる。 --これらの乗り物は降りた際に回収しておかないと、''建物に入ったりした瞬間に消滅してしまう''。特に気球を作り直すのはかなり面倒なので、降りたら必ず「調べる」で回収すること。 -とにかく情報量が多く、クリアに時間がかかる。期間を空けてプレイしていると何をするべきか忘れてしまうことも多いので、メモをとっておくほうがいい。 --この世界は非常に広く、あちこちでフラグを立てないと物語が進まない。なお、街から街へは『ポケモン』のようにつながっており、ドラクエのようなアイコン形式ではない。~ 上記にある、設置した場所によって様々な場所にワープできる『ムーンオーブ』なるアイテムがあるが、それを駆使してやっと楽になるほどである。~ 本作をクリアできずに投げたプレイヤーは、この長さや面倒くささに付き合いきれなかったところも大きい。 -セーブデータが1つしかない。しかもデータが消えやすい。取り扱いには細心の注意を払うように。 -仲間キャラは初期の4人が固定で、さらに2人まで一緒につれていけるが、追加の仲間の当たり外れが結構激しかったりする。 #region(ネタバレ注意) --そして最終盤において「ベーレム」というガーゴイルを必ず仲間にしなくてはならないため、実質、自由に使える枠は1枠になってしまう。ベーレムが仲間になった時点で、ほぼクリア目前にも等しいのだが。~ 本作で自由に仲間に出来るのは数人ほどしかいないのだが、仲間の枠に関しては不自由というほかないだろう。 --なおPC版では最大8人連れて行けたが、それはそれで管理が面倒だった。ただ、荷物持ち専用の仲間がいるとかなり便利。 #endregion **総評 洋ゲーの雰囲気を味わうには最適とも言える出来の作品で、自力で解くにはかなりボリュームもあり、長い間冒険気分を味わえる。~ しかし日本のRPGに慣れて%%タンスから物を盗るのが当たり前になって%%いる人は、洋ゲー特有の濃すぎるシステムにかなり困惑してしまうだろう。~ 高い自由度を求めるプレイヤーなら、ぜひともプレイしてほしい一本。その広すぎる世界に最初は面食らうだろうが、一度入り込めば、隅々まで探索したくなるだろう。~ ただ逆に言えば、この高すぎる自由度が足を引っ張っているのも事実であるが…。 **余談 -元のPC版から削除された要素が結構多い。これらを残念がる声もあるが、BGMの聞き応えや演出面などでは良好な評価を得ている。 --仲間の単独行動ができなくなった。 ---最も影響を受けたと思われるのが、ねずみのシェリー。PC版では正式な仲間である。~ STRが最低値なのでほとんどアイテムを持てないが非常に素早く、鉄格子も通り抜けられる。レベルアップでSTRを上げればアイテムも持てるようになってくれる。だがSFC版の彼女はアイテム扱い。 --アイテムを売る時はその店で扱っているものしか買い取ってくれなかったが、SFC版ではなんでも買い取ってくれるようになった。値段も統一され、わざと値段の高い店に売る(売値は買値の半分)というテクニックが使えなくなった。 --戦闘時、仲間の行動の「前衛」「側攻」「後衛」がなくなり簡略化された。 --ムーンストーンを集めるのには「ルーン」と「マントラ」が必要だったが、マントラが削除されルーンだけになった。 --クモの巣にひっかかることがなくなり、クモの洞窟の難易度が格段に下がった。 --名曲「ストーンズ」を演奏するイベントでは、数字で音階を指定する必要があった。SFC版では自動演奏。 --船や気球の航行は風向きの影響を受ける。風向きを変える呪文もあるが''肝心の乗っている間に使えない''のでほぼ役に立たなかった(大洋横断にもボートを使ったほうが楽なほど)。SFC版では風そのものが削除。 --とあるダンジョンで分かれ道があり、間違えると別ダンジョンの溶岩の上に落とされるトラップがある。SFC版でも存在するが、すぐに元の場所に戻ることができるのであまり問題にならない。 --呪文を込める杖が削除。それに関連する「魔法の検出」などの呪文も削除。 --「窃盗」という呪文があり、使うと当然カルマが下がる。 ---ある重要アイテムを手に入れるには窃盗行為が必須で、持ち主に見つかると''ガラスの剣''(攻撃力255)で襲われ一撃で死ぬ。SFC版では会話で譲ってくれるようになり、「ちょっと前までこんなに話のわかる女じゃなかった」とメタ発言する。 --ウィスプが「ハルマゲドン」という魔法を教えてくれる。これを使うと''ゲームクリア不可能''になる。 ---ウィスプに渡す本も削除され、ウィスプの存在価値がほぼなくなってしまった。 --「消火」「罠の検出」などの意味のない呪文の削除。 ---なぜか「解罠」も削除されてしまい、よけて歩けない罠は踏み越えるしかなくなった。 --「念動力」で手の届かないスイッチなどを操作できたが削除。きちんと謎解きをしなければならなくなっている。 -今作ではスカラブレイで殺人事件が起きているが、今作では解決せず、続編で犯人が明らかになる。 --一応今作内で犯人がポロッと失言をかます。 -「ガーゴイル語」という独自の言語がある。ガーゴイル語を習わずにガーゴイルの世界に行くと、翻訳されていないガーゴイル語を聞く事ができる。ただし会話は通じない。 --例:「an-bal-sil-fer」悪い予言を現実にする者(=偽りの預言者)
*ウルティマVI 偽りの預言者 【うるてぃましっくす いつわりのよげんしゃ】 |ジャンル|RPG|&image(http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/167000093.jpg,x=200)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|8MbitROMカートリッジ|~| |発売元|ポニーキャニオン|~| |開発元|インフィニティー|~| |発売日|1992年4月3日|~| |定価|9800円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|1個|~| |判定|なし|~| |ポイント|プレイヤーは君自身&br()''悪人はクリアできない''&br()冒険を楽しむゲーム|~| |>|>|CENTER:''[[Ultimaシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -世界3大RPG『[[ウルティマ>ウルティマI 第1暗黒期]]』シリーズ第6作のスーパーファミコン移植版。 --プレイヤーは「アバタールの聖者」と呼ばれる君自身。謎の敵『ガーゴイル』との戦いの勃発により、再びブリタニアに召還される事となる。 ---- **特徴 -自由度が非常に高い。 --逆に言えば、どこから進めるべきか具体的なヒントが極端に少なく、''何をすればいいのか分からなくなる''ことがとても多い。 --同じ世界3大RPGの『[[Might and Magic>Might and Magic (FC)]]』同様、クリアを目指すのではなく冒険そのものを楽しむためのゲームである。あちらに比べれば随分と親切設計なので敷居は低い。 ---ただクリアを目指すためだけにプレイすると、クリアに関係ないイベントでガッカリしたり、謎解きで心が折れてしまったりするかもしれない。数日でクリアしようなどと考えず、コツコツと冒険を楽しむという心構えで挑むべきだろう。 -人との会話は「なまえ」「しごと」などキーワードを質問することで情報を聞き出す選択制。洋ゲーはこういう形式が多い。 --衛兵などを除いて全ての一般人に名前がある。普通のRPGのように一言しか発しないモブキャラが大量に歩いているという不自然さがない。 --一度会話した事のある人物は最初の挨拶が変わるのですぐにわかる。 -ゲーム開始直後に『ムーンオーブ』というアイテムが手に入る。 --使ってもなくならない重要アイテムで、主人公の周囲のいずれかのマスにおいて使うと、マスによって決まった位置にワープできる。 ---ただし、主人公の真下などの簡単な位置におくだけで『ガーゴイル』の巣くうある重要な場所にワープできてしまう為、いきなり訳の分からない場所に放り出されて強力なガーゴイルに襲われて面食らうのもまたお約束。ちなみにそれらの場所はゲーム後半でかならず行く必要が出てくる場所なのだが、ゲーム開始直後からいきなりいけてしまうのはどうなのか。 --従来のようなムーンゲートシステムも健在。ただし位置固定ではなく、ムーンストーンを埋めた場所に現れるようになった。固定電話から携帯電話に進化したような感じ。 -ダンジョンは3Dではなくなり、「ドラクエ1」のように、主人公の周囲以外が全て真っ暗になる。 --「たいまつ」や魔法「ライト」を用いて周囲を明るくして進むのが定石となる。なお、奥深くもぐっていくほど、BGMがだんだんと暗くなり、音量が小さくなっていくという特徴がある。 ---ちなみにこのゲームの「たいまつ」は、片手に持つアイテムなので、たいまつを持つキャラは、たいまつが消えるまで両手装備武器を装備できない事になる。また、一度持つと消えるまで外せない。 -街にいる兵士に戦いを挑める。 --ただし、カルマシステム(後述)の関係で、こちらに危害を加えてこないものを攻撃するのは得策ではない。 --過去作と違い、ロードブリティッシュ(この世界の統治者)と一戦交えることは出来ない。 -この世界の住民すべてが1分単位(!)で生活しており、夜になると宿屋すら閉まってしまう。 --かわりに「キャンプ」システムで、時間経過+回復が可能。ただし、各々のキャラが食料を持ってないと回復できないので注意。 -魔法は店で呪文の書かれた紙を購入して、呪文の書というアイテムに書き込む事で使用できる。 --本作では主人公以外のキャラはMPが非常に低いので、魔法キャラは必然的に主人公のみとなる。本作は魔法にレベルが定められており、レベルが高い魔法は、キャラのレベルがそれに届かないと使えない((魔法を呪文の書に書き込む事は、魔法のレベルに関わらず可能))。 --呪文の書は片手装備扱いであり、装備していないと呪文を使えない。よって本作では主人公に両手武器を装備させるのは得策ではない。強力な武器はデュプレなどに任せるのが吉である。 -戦闘はMAP上でそのまま行われるタクティカルバトルとなっている。 --難易度は正直言ってぬるい部類だが、例外としてガーゴイルやデーモン、ドラゴンなどの強モンスターは本当に手ごわい。 --消費アイテムの「火炎瓶」が、範囲攻撃+安価+なかなかの威力なので、これを投げつけていればいつのまにか敵が死んでいる。%%人に投げつけてはいけません%% ---因みに経験値は敵を倒したキャラのみが得るシステムの為、育てたいキャラがいる場合は火炎瓶を投げまくる事も多い。 --一部の魔法以外は、その攻撃範囲内に味方がいると味方までダメージを喰らうこともある。 -ごく一部の重要なアイテム以外は、キャラクターによって装備できるアイテムに違いはない。没個性ととるか自由度が高いととるかはプレイヤー次第。 --弓矢などの飛び道具は、力ではなく素早さが重要になる。力の高いキャラは剣などの武器で直接攻撃を、素早さの高いキャラは弓矢で援護をするという役割になる。 ---弓には「普通の弓」と「クロスボウ」の違いがあり、使用する矢が違う。 -『カルマ』と呼ばれるシステムがある。最高値は100で、最低値は0。 --「人のお願いを適えてあげる」「物をめぐんであげる」「神殿でレベルアップする」など、良い事をすると上がり、「物を盗む」「兵士や無害な動物に攻撃を仕掛ける」「嘘をつく」など、悪いことをするとカルマ(業)が下がってしまう。 ---敵に攻撃を仕掛けられた場合は、反撃で倒してしまっても正当防衛ということでカルマは低下しない。環境の悪い場所では猫やウサギなども襲いかかってくることがある。 --カルマが下がると、店の価格が高くなるほか、''死亡からの復活時に総合EXPが減る''という仕様がある((カルマが80なら、復活時の総合EXPはその時の80%になってしまう。100ならデメリットなし))。経験値を稼ぎにくい本作において、これは非常に辛い。 --さらに、終盤のイベント時に''『カルマ』が80以下の状態である選択肢を選ぶと、ゲーム進行ができなくなる''((取扱説明書に「カルマが低すぎるとクリアできなくなる」と書かれている。そもそもアバタールは聖者なので、悪人プレイではクリアできないというのも当然だろう。))。該当の選択肢を選ぶ際には、カルマが80以上あるかどうか必ず確認する事。 --救済措置として、シェイムのダンジョンにいるイバラというNPCに食料をあげるたびにカルマが1上昇するようになっているので、どうしても行き詰まったらここで調整する事が出来る。このダンジョン自体がかなり入り組んでおりイバラのところにたどり着くのも苦労するので、悪人プレイをするには相応のデメリットがあると暗に伝えてくれている要素ともとれる。 -LVアップは『神殿』と呼ばれる場所で行う。この『神殿』は、最初はガーゴイルに占拠されており、解放の為に『ルーン』なるアイテムを探す必要がある。また、既存のRPGと違い、そのキャラの総合EXPが一定値を超えているとレベルアップができるシステムとなっている((例えば、LV3からLV4にアップさせるには、そのキャラの総合EXPを400まで稼ぐ必要がある。また、死亡して総合EXPが減り、そのレベルに必要な数値以下になってもレベルが下がるということはない))。 --本作での最高レベルは8。一見低いように見えるが、本作で敵から得られるEXPは多くても60前後がいいところ。そしてLV8に必要な総合EXPは6400と、実際にプレイすると分かるがかなりの敵を倒さなくては到達できない数値である。 --神殿を解放すると『ムーンストーン』というアイテムが手に入る。これはゲームクリアに必要なので、必然的に、8つある神殿全てを解放しなければならない。 --また神殿によって、LVアップボーナスが違う。能力値に差が出るので、LVアップの際に方針を決めておこう。 ---STR+3の「勇敢さ」、INT+3の「誠実さ」、AGI+3の「優しさ」、全パラメータ+1の「清らかさ」のいずれかでLVアップするのが望ましい。他の神殿はLVアップボーナスが少ないため、損してしまう。 ---ただしどの神殿でも、最初の1回目のレベルアップ時のみカルマが+10されるため、無駄ではない。補欠となる仲間にレベルアップさせてカルマを回復するのにも使える。 -シリーズキャラ「ねずみのシェリー」は、本作ではなんとアイテムとして持ち歩く事になる。 --その小さいサイズから、主人公達が入れない場所のアイテム回収に用いる。実は重要アイテムの回収の為にシェリーが必要な場面もある。 --また、シェリーが持てるアイテム(重量の大きいものは持てない)なら、盗んでもカルマが低下しないという裏技がある。 //-実はこのゲーム、数あるRPGの中でも珍しい&bold(){『ラスボスがいないゲーム』}である。 //--寧ろ、下記の記載にもあるが&bold(){「真のラスボスは最初の城の城門」}と揶揄される事もある。 //↑TRPGの影響が濃い洋ゲーなら別に珍しいことでもないのでは…。ウィザードリィ2、3もラスボスいなかったし。むしろ「必ずラスボスでストーリーを締めなければならない」日本製RPGの方が異端。 //記事作成者だけどそれは知らなかったわ。ついでにいうとウルティマはこれしかやってなかったりする。 ---- **評価点 -BGMは世界観にマッチしていて非常に出来がいい。 --メニュー画面の曲((PC版ではキャラメイク時の曲だった。SFC版にはキャラメイクがないので使用場所が変更。))などは、間違いなく耳に残るだろう。 --フィールドでは、流れるBGMがタイトル・王宮・町の曲などにランダムに変わる。いい気分転換になる。 --町中に置いてある楽器を調べるとBGMが専用のものに変わる。((ちなみに前作のBGMのアレンジ)) --何故かイカダの曲だけは妙にハイテンション。ダンジョン内で乗ると陰鬱な空気を見事に吹っ飛ばしてくれる。 ---ちなみにイカダ状態では戦闘できないので敵に狙われると凄く危険である。 --エンディングでは流れる曲自体に特殊な演出がある。これはクリアした者にしかわからないだろう。 -良質なストーリー --ストーリーを進めると分かるが、このゲームはいわゆる勧善懲悪ではない。 ---過去作、特に1~3は悪の親玉を倒すのが目的のストーリーだった。それらを知っている人なら、その意味を理解できるだろう。 -リアル志向。 --弓系の武器には消耗品の矢が必要だったり((敵が壁越しにいると、攻撃しても矢が届かず不発に終わる。ちなみに矢はきちんと消費する))、モーニングスター系の武器が離れた位置の敵を攻撃できるなど、戦闘システムにはぬかりがない。 ---斧やスピアは''敵に投げつけるもの''である。手に持って使うのは剣やメイス、ハンマーなど。 --敵を倒したときに落とすアイテムは、その敵が使っていた武器や呪文である。金貨はある程度知能のあるモンスターしか落とさない。 ---なおPC版では呪文を落とさない。 --ダンジョンは単独のものではなく、別のダンジョンとつながっていたり、離島に歩いて渡れるものもある。 -「ヘルプ」の魔法でいつでもロードブリティッシュ城に戻れる。戻った時点で仲間は全回復する。 --MPも秘薬も消費しない。ダンジョン奥からでも目的を果たしたら安全に帰れる。 --突然強敵に遭遇したら死ぬ前にヘルプ。冒険ではこういうこともよくある。 **問題点 -最初の城から出る時点で難易度が高い。 --その理由として、ロード・ブリティッシュの長すぎる話と、その後の場内探索がある。 ---最初の城のアイテムは、ロード・ブリティッシュからのプレゼントという事もあり、持っていってもカルマが低下しない為、大量のアイテム探しに夢中になり、鍵の事を忘れるプレイヤーが続出した。聞きなおそうにも、ロード・ブリティッシュの話が長く、苦痛になる事も。 ---アイテムには全て重量が設定されており、持ち運べる限界がある。またアイテムの種類が多くなると自動的にバッグに入れられるのだが、その説明がないので重要なアイテムを紛失してしまったと勘違いする原因にもなる。 //取扱説明書には出る方法がきちんと書いてあるのだが、中古購入で取扱説明書がない場合、おそらくここで挫折するプレイヤーも多いだろう。~ //説明されているならそれは問題じゃないだろう -魔法やアイテムの説明が一切ない。攻撃力や防御力、重量などが簡潔に表示される程度である。 --そのため、情報なしではアイテムの効果が分からない事態に陥る。アイコンも非常に簡素であり、一例を挙げるとロールパンなどは現実のロールパンのそれとは剥離した見た目(例えるならマカロンみたいな形状)である。 ---「火薬の樽」というアイテムは、投げたあと数秒後に爆発する。ただの攻撃アイテムではなく''鍵のかかった扉を強引に開ける''のにも使う(クリアに必須)のだが、ゲーム中ではこの説明がない(取扱説明書には記載してある)。 ---ポーションは色分けされており全8種類あるが、各色の持つ効果について説明がない。黄色(回復)と赤(解毒)以外の効果は限定的すぎてほとんど使わない。使った相手を毒にするものもあり、うかつに使うのもためらわれる。 ---このゲームのフィールドは毒沼だらけであるが、「スワンプブーツ」を装備していれば毒沼も安全に歩ける。防御力0なので装備をためらうかもしれないが、安価で購入可能なので全員に装備させるべき。むしろ普通の靴こそ何の役にも立たない。 ---最初の城でいきなり「ライトニングワンド」という最強武器が手に入ってしまう。通常武器で最強の「ハルバード」と同じ威力を持ち、射程距離も長い。しかし使ったとき時々壊れるという説明がなく、突然壊れて呆然としたプレイヤーは多い。その破壊確率も非表示。 //特に「嵐のマント」というアイテムがあるが、これを装備してる間は魔法攻撃を喰らわないが、自身も魔法を使えないという特性がある。しかし、そんな説明が一切ないので「嵐のマント」を装備して魔法が使えなくなったという不可解な事態を体験したプレイヤーも少なくない //嵐のマントの防御力は0なので、鎧を外してまで装備するという物好きなプレイヤーはそれほど多くないだろう。そもそも装備品であるという情報すら出てこない。 -魔法に関しては、これまた説明書がないと辛い。 --このゲームの魔法の名前はとても独特であり((PC版の魔法音節をそのまま横文字に直しただけなので余計ややこしくなった))、説明書なしだと「そんな効果の名前かよ!」と思うこと請け合いである。 ---なお「リビール」という、説明書に名前すら載ってない魔法が一個だけあったりする(体の透明化を解除する効果)。 -また「秘薬」というアイテムが8種類あり、魔法の種類に応じて使用時に1~6種類の秘薬を消費する。 --秘薬にも重量がある上、このゲームではSTRに応じて持ち物の総重量制限が生じるため、&bold(){主人公は持ち物の大半を秘薬で圧迫される事になる}。 ---PC版ではSTR×2の所を、SFC版ではSTR×3と緩和されてはいるが、それでもきつい。因みにパラメータ上限は30なので、持てるアイテムの重量は90が最高値となる。 -ボートや気球が所持アイテムであり、使うとMAP上に設置してから乗ることとなる。 --これらの乗り物は降りた際に回収しておかないと、''建物に入ったりした瞬間に消滅してしまう''。特に気球を作り直すのはかなり面倒なので、降りたら必ず「調べる」で回収すること。 -とにかく情報量が多く、クリアに時間がかかる。期間を空けてプレイしていると何をするべきか忘れてしまうことも多いので、メモをとっておくほうがいい。 --この世界は非常に広く、あちこちでフラグを立てないと物語が進まない。なお、街から街へは『ポケモン』のようにつながっており、ドラクエのようなアイコン形式ではない。~ 上記にある、設置した場所によって様々な場所にワープできる『ムーンオーブ』なるアイテムがあるが、それを駆使してやっと楽になるほどである。~ 本作をクリアできずに投げたプレイヤーは、この長さや面倒くささに付き合いきれなかったところも大きい。 -セーブデータが1つしかない。しかもデータが消えやすい。取り扱いには細心の注意を払うように。 -仲間キャラは初期の4人が固定で、さらに2人まで一緒につれていけるが、追加の仲間の当たり外れが結構激しかったりする。 #region(ネタバレ注意) --そして最終盤において「ベーレム」というガーゴイルを必ず仲間にしなくてはならないため、実質、自由に使える枠は1枠になってしまう。ベーレムが仲間になった時点で、ほぼクリア目前にも等しいのだが。~ 本作で自由に仲間に出来るのは数人ほどしかいないのだが、仲間の枠に関しては不自由というほかないだろう。 --なおPC版では最大8人連れて行けたが、それはそれで管理が面倒だった。ただ、荷物持ち専用の仲間がいるとかなり便利。 #endregion **総評 洋ゲーの雰囲気を味わうには最適とも言える出来の作品で、自力で解くにはかなりボリュームもあり、長い間冒険気分を味わえる。~ しかし日本のRPGに慣れて%%タンスから物を盗るのが当たり前になって%%いる人は、洋ゲー特有の濃すぎるシステムにかなり困惑してしまうだろう。~ 高い自由度を求めるプレイヤーなら、ぜひともプレイしてほしい一本。その広すぎる世界に最初は面食らうだろうが、一度入り込めば、隅々まで探索したくなるだろう。~ ただ逆に言えば、この高すぎる自由度が足を引っ張っているのも事実であるが…。 **余談 -元のPC版から削除された要素が結構多い。これらを残念がる声もあるが、BGMの聞き応えや演出面などでは良好な評価を得ている。 --仲間の単独行動ができなくなった。 ---最も影響を受けたと思われるのが、ねずみのシェリー。PC版では正式な仲間である。~ STRが最低値なのでほとんどアイテムを持てないが非常に素早く、鉄格子も通り抜けられる。レベルアップでSTRを上げればアイテムも持てるようになってくれる。だがSFC版の彼女はアイテム扱い。 --アイテムを売る時はその店で扱っているものしか買い取ってくれなかったが、SFC版ではなんでも買い取ってくれるようになった。値段も統一され、わざと値段の高い店に売る(売値は買値の半分)というテクニックが使えなくなった。 --戦闘時、仲間の行動の「前衛」「側攻」「後衛」がなくなり簡略化された。 --ムーンストーンを集めるのには「ルーン」と「マントラ」が必要だったが、マントラが削除されルーンだけになった。 --クモの巣にひっかかることがなくなり、クモの洞窟の難易度が格段に下がった。 --名曲「ストーンズ」を演奏するイベントでは、数字で音階を指定する必要があった。SFC版では自動演奏。 --船や気球の航行は風向きの影響を受ける。風向きを変える呪文もあるが''肝心の乗っている間に使えない''のでほぼ役に立たなかった(大洋横断にもボートを使ったほうが楽なほど)。SFC版では風そのものが削除。 --とあるダンジョンで分かれ道があり、間違えると別ダンジョンの溶岩の上に落とされるトラップがある。SFC版でも存在するが、すぐに元の場所に戻ることができるのであまり問題にならない。 --呪文を込める杖が削除。それに関連する「魔法の検出」などの呪文も削除。 --「窃盗」という呪文があり、使うと当然カルマが下がる。 ---ある重要アイテムを手に入れるには窃盗行為が必須で、持ち主に見つかると''ガラスの剣''(攻撃力255)で襲われ一撃で死ぬ。SFC版では会話で譲ってくれるようになり、「ちょっと前までこんなに話のわかる女じゃなかった」とメタ発言する。 --ウィスプが「ハルマゲドン」という魔法を教えてくれる。これを使うと''ゲームクリア不可能''になる。 ---ウィスプに渡す本も削除され、ウィスプの存在価値がほぼなくなってしまった。 --「消火」「罠の検出」などの意味のない呪文の削除。 ---なぜか「解罠」も削除されてしまい、よけて歩けない罠は踏み越えるしかなくなった。 --「念動力」で手の届かないスイッチなどを操作できたが削除。きちんと謎解きをしなければならなくなっている --PC版ではグラスソードを用いて、就寝しているロード・ブリティッシュを殺害できたのだが、SFC版では&s(){言うまでもなく}不可能になった。 -今作ではスカラブレイで殺人事件が起きているが、今作では解決せず、続編で犯人が明らかになる。 --一応今作内で犯人がポロッと失言をかます。 -「ガーゴイル語」という独自の言語がある。ガーゴイル語を習わずにガーゴイルの世界に行くと、翻訳されていないガーゴイル語を聞く事ができる。ただし会話は通じない。 --例:「an-bal-sil-fer」悪い予言を現実にする者(=偽りの預言者)

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