「F-ZERO」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

F-ZERO - (2017/09/20 (水) 11:31:34) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*F-ZERO 【えふぜろ】 |ジャンル|レース|CENTER:&image(fzeroa.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3501&file=fzeroa.jpg]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3501&file=fzerob.jpg]]&br;&image(https://img-eshop.cdn.nintendo.net/i/4f20197a47a5f3aaa11b87b43de47690c2fd3de68603e5846f7fd7903a8fe7b8.jpg?w=402&h=226,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売・開発元|任天堂|~| |発売日|1990年11月21日|~| |定価|6,800円 (税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|1個(バッテリーバックアップ)|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※バーチャルコンソール版より付加|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2006年12月2日/800Wiiポイント(税5%込)&br()【WiiU】2013年4月27日/800円(税5%込)&br()【New3DS】2016年3月4日/823円(税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|圧倒的なスピード感が特徴のレーシングゲーム|~| |>|>|CENTER:''[[F-ZEROシリーズリンク>F-ZEROシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[スーパーマリオワールド]]』などと共にSFCローンチタイトルの一つ。~ 圧倒的なスピード感が特徴のレーシングゲーム。 ***2017年10月発売の「ミニ・スーパーファミコン」にも収録。 27年の時を経ての収録。当時10歳の少年は中年真っ盛り。 ---- &font(b,18){ストーリー} >人類が宇宙に広がり、さまざまな異星人とのコンタクトをくり返していた西暦2560年代。~ 最先端の超磁力技術を駆使したマシンを用い、宇宙規模のレースが開催される。~ かつて地球上で開催されていた「F-1レース」になぞらえ、人々はこのレースのことを「F-ZERO」と呼んだ……~ ([[VCサイト>http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_fz/vc_fz_01.html]]より転載) ---- **操作方法 |Aボタン|S-JET使用| |Bボタン|アクセル| |Xボタン|| |Yボタン|ブレーキ| |L(R)ボタン|左右平行移動、ドリフト| |十字キー左右|左右への移動、カーブ時の旋回| |十字キー上|ジャンプ時に飛距離を抑える| |十字キー下|ジャンプ時に飛距離を伸ばし、着地時に弾まなくなる| ||| **特徴・評価点 -なんといっても特筆すべきはそのスピード感である。SFCの持つ背景面の回転・拡大縮小機能をフルに使い、時速400kmオーバーのスピード感がリアルに表現されていて、SFCの性能を衝撃的に見せ付けた。 --これにより、従来の表現方法では表現が困難なヘアピンカーブ、果ては画面写真のような”逆走”も表現できるようになった。 --それまでの家庭用ゲーム機のレースゲームは、ラスタスクロールと呼ばれる、背景面を横方向に歪ませる方法を多く採っていた。 -コーナーのライン取りやロケットスタートなど、タイム短縮のためのテクニックが熱い。レースゲームにおいてタイムアタックが本格的に行われるようになったのがこのゲームからだと言われている。 --ミュートシティ1で1分59秒切りに挑戦した少年は多いと思われる。 -パッドに初めて実装されたLRボタンに重心移動が割り振られており、コーナリングや直線での平行移動がやり易くなっている。 -多彩なトラップや一時的にスピードを上げる「S-JET」など、世界観を生かした仕掛けが多く、一発逆転も可能。 -BGMも疾走感を感じさせるものが多く、評価が高い。 --特にミュートシティとビッグブルーのBGMは屈指の名曲とされ、後のシリーズやアニメなどでもアレンジされて使用されている。 -選べる車体は全部で4種類。 --ブルーファルコン ---主人公的な位置づけのキャプテン・ファルコンが駆る青い機体。加速度・最高速度など平均した力を持つバランスタイプ。 ---説明書に「初心者でも少しの練習である程度使いこなせるようになるだろう」とある通り、初心者向けの面もあるが、グリップが若干弱く、意外にも耐久力はさほど高くない。また敵の体当たりにはゴールデンフォックス並みに弱いという上級者向けの一面も併せ持つ。F-ZER0マシン独特のドライビングセンスを身に付ける事がそのままレース結果に繋がりやすい性能はまさに主人公機と言える。 --ファイヤースティングレイ ---ファルコンのライバルであるサムライ・ゴローの駆る赤い(ピンク色)機体。加速度は最低だが素晴らしい最高速度を誇る。重量があるためコーナリングで横滑りしにくく、S-JETなどの加速ギミックが多い本作において最もその恩恵を強く受けられるため、本作での評価は非常に強い。 ---特に安定性の高さはそのまま初心者でも使いやすい。耐久度もそこそこ持っているため、ある程度までは他マシンの妨害にも耐え得る。 --ワイルドグース ---元軍人で好戦的な亜人のピコの駆る緑色の機体。素晴らしい耐久力及び耐衝突性能を持つ反面、車体が滑りやすく、加速度は3位、最高速度も僅差で2位とクセの強い機体で、「硬いだけ」のレッテルを貼られやすい不遇のマシン。 ---一見すると初心者向けの機体と思われがち(そしてあまりの中途半端な性能に心を折られる)が、高難易度ほど異常に増える「周回遅れのお邪魔マシン」をほぼノーリスクで跳ね除けるメリットは一度味をしめると手放せない。慣れればレース順位をコントロールする事も容易で、意外に職人向けのマシンである。 --ゴールデンフォックス ---元医者のパイロットであるドクター・スチュワートが駆る黄色い機体。機体が軽いため衝撃に弱く、最高速度も最低。しかし加速度は他機種を突き放すものを持っており、プレイヤーの腕が問われる非常にピーキーな性能となっている。 ---グランプリでのライバルマシンは、スタート時以外加速度や最高速度がほぼ全機種同じで、尚且つ常に自機の一定距離以上離れない仕様であるため、高難易度になるほど使い勝手が逆行する難点がある。ステージギミックやS-JETとの相性の悪さもあって、まさにドライバーのようにコースや特性を完全に熟知した真の上級者向けのマシンと言える。 -グランプリとコース -グランプリにはナイト、クイーン、キングの3つのリーグがあり、それぞれ特徴的でバラエティに富んだ5つのコースを走る。開始前にビギナー、スタンダード、エキスパートの3つの難易度が選べ、エキスパートをクリアしたリーグでのみ最高難易度のマスターを選択出来る。 #region(各リーグとコース紹介) #region(ナイトリーグ) -MUTE CITY I --このゲームシリーズを代表するコース。特別難しい所はなく、初心者にもやさしいコース設定。減速ゾーン、ヘアピン、ジャンププレートがある。 -BIG BLUE --広い海をバックに流れる軽快な曲が人気のコースで難易度もそれほど高くない。最終コーナーがスリップゾーンになっているのが特徴。 -SAND OCEAN --ヘアピンコーナーやコース幅が狭い所も多く、初心者の壁になる砂漠地方のコース。 -DEATH WIND I --オーバルコースで簡単そうに見えるが、常に強い横風が吹いていてマシンの制御が難しい。コースの幅も狭い。順番にプレイしていると、最初にダッシュプレートが設置されているコースであり、これに乗ってかっ飛ばす快感を覚えたプレイヤーは多いだろう。このコースはピットがバックストレートの出口に設置されていて必ず通れるようになっている。 -SILENCE --ナイトリーグの最終コースで、コースの大半が直線と直角コーナーで構成されている。スタート直後に分岐があり、遠回りの安全なルートと地雷が設置されている近道がある。ライバルはほぼ遠回りするため、ここで順位を上げやすい。 #endregion #region(クイーンリーグ) -MUTE CITY II --基本はIと同じだがロータリー形状の分岐があり、左右どちらかを選んで進む。合流直後のS字にはジャンププレートが設置されている。 -PORT TOWN I --初めて谷を飛び越えるコース。谷を越えた後には強制マグネットも初登場する。 -RED CANYON I --スタート直後の急カーブやバックストレートの連続ジャンプなどがある。 -WHITE LAND I --その名の通り白を基調とした美しいコースだが、スタート直後と後半の2か所にあるスリップヘアピンや制御の難しいダート絡みの連続ジャンプなど難易度が高いコース。 -WHITE LAND II --クイーンリーグの最終コース。ここは他の「IIコース」と異なりWHITE LAND Iコースとは全く違う構成になっていて、流れる曲もWHITE LAND Iとは違うアレンジになっている((IIの方が雰囲気が暗く、Aメロが少し短い))。また、このコースの終盤にはこのゲーム最大の谷があり、大ジャンプを要求される。が、谷のすぐ手前にコーナーがあるため、ここで減速しすぎるとジャンプが届かない事もある。2周目以降ならS-JETを使えるが、1周目では特に注意が必要。 #endregion #region(キングリーグ) -MUTE CITY III --直角コーナーの後の分岐はなくなったがスラロームになっている。その後のS字には地雷が設置されていて、減速ゾーンを突っ切ろうとしても地雷を確実には避けられない。 -DEATH WIND II --強風が吹いているのは同じだがオーバルではなくバックストレートの入り口から別コースに入り、ピット直前に元コースに合流する形になっている。こちらのコースにもダッシュプレートはあるが、ダッシュ直後からタイトなコーナーが続くうえにコース幅も狭いため、使いどころは検討が必要。 -PORT TOWN II --最終コーナーの手前から変化する。別コースはコースの幅が狭く連続ヘアピンもあり、難易度は高い。最後の直線にも仕掛けがある。 -RED CANYON II --連続ジャンプまでは同じだが、その後から別コースに入り地雷の設置されたストレートを通ることになるが、その直前左側にはジャンプ台があり、そこからまっすぐに飛ぶとコース外に矢印ジャンプ台があり、地雷をパスしてショートカットができる。 -FIRE FIELD --キングリーグの最終コースであり、最難関かつ最長のコースである。地雷、連続ヘアピン、スリップゾーン、マグネット、分岐とこのゲームの粋を尽くしたコース構成。しかも最後の分岐で遠回りをしなければピットゾーンに入れない(ピットゾーンの出口にはダッシュプレートがあるのだが、それでもロスが大きい)。全速走行がほぼ無いコースのため、かなりのテクニックが要求される。 #endregion #endregion -ステージギミック --ジャンプ台 ---マシンが飛び上がり、飛んでいる間だけ、若干速度も上がる。これで谷を飛び越えなければならないコースもある。コースによっては大きくショートカットも可能だが、あまりに悪質なショートカットをするとオフィシャルカーによって規定の地点まで戻されてしまう。また、タイムアタックにおいては乗らずに脇を通り抜けた方が速い事も多い。 --ガードビーム ---常にコースの両端に設置されているコース壁で、触れるとシールドと速度が減る。しかし故意にぶつかってコーナーをクリアするテクニックもあり、一部のコースではぶつかっても弾かれずに走り抜けられてショートカットができる所もある。 --マグネット ---線上に設置されており、マグネットがある方向にマシンを引き寄せる。触れるとダメージを受ける。ジャンプ台の直後に設置されていてジャンプしたマシンを下に引っ張る下方向マグネットもある。 --地雷 ---踏むと爆発してマシンが弾かれ、大ダメージを受ける。踏んだ地雷は復活しない。避けるのが基本だがわざと踏んで通りやすいルートを確保するやり方もある。 --減速ゾーン ---通るとマシンが減速してしまう。場所によってはS-JETで突っ切れるところもあるが、S-JETを使っても減速してしまう所もある。 --ダッシュプレート ---踏むとマシンが最高速を超えて加速する。この時はデスウインドの強風の影響も受けなくなる。加速している時間はマシンによって差があり、ファイヤースティングレイが最も長く持続し、ゴールデンフォックスが最も短い。 --磁場遮断コーティングゾーン(スリップゾーン) ---マシンとコースをつなぐ磁力が遮断されて惰性で動いている状態になり、スリップしやすくなってしまうゾーン。 --ピットゾーン ---スタート直後に配置されていることが多く、ここに乗っている間はオフィシャルカーから補給が受けられエネルギーを回復できる。 -グランプリにはナイト、クイーン、キングの3つのリーグそれぞれにビギナー、スタンダード、エキスパートの3つの難易度があり、最高難易度のマスターは、エキスパートをクリアしたリーグでのみプレイ出来る。 ---- **問題点 -選べる車体のバランス調整にやや偏りがある。 --加速こそ最低なものの他を寄せ付けない最高速度を誇るファイヤースティングレイが非常に強力。カーブでの安定度が高い上速度も落ち難く、一周毎に手に入るS-JETの仕様との相性が抜群に良い。タイムアタックの仕様上どうしても本機一択の傾向が強くなる。 //この部分いらなくね?タイムアタックだとファイヤースティングレイ以外見向きもされないし、書いてある事が上の車体紹介と差別化できてない //--反対にワイルドグースは走行時の安定性が低いために滑りやすく、最高速や加速力も中途半端、唯一の長所は極端に頑丈なことだけという有様。故にタイムアタックでの好成績を狙う上級プレイヤーにはほとんど見向きもされなくなってしまう。 //---これはワイルドグースに乗っているドライバーが「他のドライバーを妨害して優位に立つ」という性質を持っていることを反映しているからなのだが、まだ他のマシンを破壊したりする要素がなかった本作に於いてはあまり有効に活用できる場面が少ない。 -グランプリの難易度調整が大雑把。 --上記の通り各コース難易度は4つあるが、CPUの最高速による調整のみである。また、CPUの機体の挙動はプレイヤーのものとかなり差異があるため、その辺りの兼ね合いでバランスの悪さを生じてしまっている。 ---一番顕著なのは後続のCPUを一定距離突き放すと自機近くまでワープする点。S-JETやショートカットで大きく突き放すと逆にすぐ手前まで近寄られた状態になり、独走だったはずがワンミスであっという間に抜かれるということも。~ 逆に、前方のCPU車が減速してくれたりということはなく、自力で追いつけなければ差が詰まることはない。 ---その他、慣性を無視したコース取りや、衝突してもさほど減速することなく走行し続けるといった優遇点がCPU側にあり、難易度と状況によってはまともにクリアするのは極端に難しいことがある。~ 特に難易度マスターでのゴールデンフォックス使用時のデスウインドIコースでは、最高速の関係で雑魚車にすら簡単に抜かされる上に一度抜かれると追いつくのが非常に困難なため、1位フィニッシュはほぼ不可能、3位以内でクリアすることすら達人の域とすら言える超高難易度になってしまっている。 //IIはCPUがダッシュボードに乗らないのでそれほど難しくもなかったです。訂正。 ---とはいえ、他のレースゲームでも似たような問題点をあげられることが多く、ある程度仕方ない部分もあるか。 -''2Pとの対戦モードがなく、「プラクティス」でのコースがデフォルトの7つしか選べない''。 --本作のレースゲームとしての革新性故に、対戦機能がないことを惜しむファンも多い。 --タイムアタックが熱いゲームなだけに全コースで競えないのは残念。 ---ちなみに本作がコロコロコミックの『電脳ボーイ!』で扱われた際は、「参加者全員が別々のテレビとスーファミ本体を用いた30人同時参加のF-ZERO大会」というかなり大掛かりなイベントになっていた。実際そうでもしないと対戦プレイにならないので仕方ない。 ----- **総評 障害物が飛ぶような速さで後方へ過ぎ去ってゆく演出によって表現された今までにないスピード感と、シンプルながら様々なギミックが盛り込まれた魅力的なレーシングスタイルで、多くのユーザーに衝撃を与えた革新的な作品。SFCの性能を存分に見せ付けた本作はローンチタイトルとしての役割を十分に果たした名作と言えるだろう。 ---- **その後の展開 -N64やGCなどで続編が出されている。詳細はF-ZEROシリーズリンクを参照。 -この後、SFCでの任天堂製レースゲームは、多人数プレイの楽しさを追求し大ヒットとなった『[[スーパーマリオカート]]』、拡張チップ搭載でポリゴンを駆使した『ワイルドトラックス』と続いていくこととなる。
*F-ZERO 【えふぜろ】 |ジャンル|レース|CENTER:&image(fzeroa.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3501&file=fzeroa.jpg]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3501&file=fzerob.jpg]]&br;&image(https://img-eshop.cdn.nintendo.net/i/4f20197a47a5f3aaa11b87b43de47690c2fd3de68603e5846f7fd7903a8fe7b8.jpg?w=402&h=226,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売・開発元|任天堂|~| |発売日|1990年11月21日|~| |定価|6,800円 (税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|1個(バッテリーバックアップ)|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※バーチャルコンソール版より付加|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2006年12月2日/800Wiiポイント(税5%込)&br()【WiiU】2013年4月27日/800円(税5%込)&br()【New3DS】2016年3月4日/823円(税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|圧倒的なスピード感が特徴のレーシングゲーム|~| |>|>|CENTER:''[[F-ZEROシリーズリンク>F-ZEROシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[スーパーマリオワールド]]』などと共にSFCローンチタイトルの一つ。~ 圧倒的なスピード感が特徴のレーシングゲーム。 ---- &font(b,18){ストーリー} >人類が宇宙に広がり、さまざまな異星人とのコンタクトをくり返していた西暦2560年代。~ 最先端の超磁力技術を駆使したマシンを用い、宇宙規模のレースが開催される。~ かつて地球上で開催されていた「F-1レース」になぞらえ、人々はこのレースのことを「F-ZERO」と呼んだ……~ ([[VCサイト>http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_fz/vc_fz_01.html]]より転載) ---- **操作方法 |Aボタン|S-JET使用| |Bボタン|アクセル| |Xボタン|| |Yボタン|ブレーキ| |L(R)ボタン|左右平行移動、ドリフト| |十字キー左右|左右への移動、カーブ時の旋回| |十字キー上|ジャンプ時に飛距離を抑える| |十字キー下|ジャンプ時に飛距離を伸ばし、着地時に弾まなくなる| ||| **特徴・評価点 -なんといっても特筆すべきはそのスピード感である。SFCの持つ背景面の回転・拡大縮小機能をフルに使い、時速400kmオーバーのスピード感がリアルに表現されていて、SFCの性能を衝撃的に見せ付けた。 --これにより、従来の表現方法では表現が困難なヘアピンカーブ、果ては画面写真のような”逆走”も表現できるようになった。 --それまでの家庭用ゲーム機のレースゲームは、ラスタスクロールと呼ばれる、背景面を横方向に歪ませる方法を多く採っていた。 -コーナーのライン取りやロケットスタートなど、タイム短縮のためのテクニックが熱い。レースゲームにおいてタイムアタックが本格的に行われるようになったのがこのゲームからだと言われている。 --ミュートシティ1で1分59秒切りに挑戦した少年は多いと思われる。 -パッドに初めて実装されたLRボタンに重心移動が割り振られており、コーナリングや直線での平行移動がやり易くなっている。 -多彩なトラップや一時的にスピードを上げる「S-JET」など、世界観を生かした仕掛けが多く、一発逆転も可能。 -BGMも疾走感を感じさせるものが多く、評価が高い。 --特にミュートシティとビッグブルーのBGMは屈指の名曲とされ、後のシリーズやアニメなどでもアレンジされて使用されている。 -選べる車体は全部で4種類。 --ブルーファルコン ---主人公的な位置づけのキャプテン・ファルコンが駆る青い機体。加速度・最高速度など平均した力を持つバランスタイプ。 ---説明書に「初心者でも少しの練習である程度使いこなせるようになるだろう」とある通り、初心者向けの面もあるが、グリップが若干弱く、意外にも耐久力はさほど高くない。また敵の体当たりにはゴールデンフォックス並みに弱いという上級者向けの一面も併せ持つ。F-ZER0マシン独特のドライビングセンスを身に付ける事がそのままレース結果に繋がりやすい性能はまさに主人公機と言える。 --ファイヤースティングレイ ---ファルコンのライバルであるサムライ・ゴローの駆る赤い(ピンク色)機体。加速度は最低だが素晴らしい最高速度を誇る。重量があるためコーナリングで横滑りしにくく、S-JETなどの加速ギミックが多い本作において最もその恩恵を強く受けられるため、本作での評価は非常に強い。 ---特に安定性の高さはそのまま初心者でも使いやすい。耐久度もそこそこ持っているため、ある程度までは他マシンの妨害にも耐え得る。 --ワイルドグース ---元軍人で好戦的な亜人のピコの駆る緑色の機体。素晴らしい耐久力及び耐衝突性能を持つ反面、車体が滑りやすく、加速度は3位、最高速度も僅差で2位とクセの強い機体で、「硬いだけ」のレッテルを貼られやすい不遇のマシン。 ---一見すると初心者向けの機体と思われがち(そしてあまりの中途半端な性能に心を折られる)が、高難易度ほど異常に増える「周回遅れのお邪魔マシン」をほぼノーリスクで跳ね除けるメリットは一度味をしめると手放せない。慣れればレース順位をコントロールする事も容易で、意外に職人向けのマシンである。 --ゴールデンフォックス ---元医者のパイロットであるドクター・スチュワートが駆る黄色い機体。機体が軽いため衝撃に弱く、最高速度も最低。しかし加速度は他機種を突き放すものを持っており、プレイヤーの腕が問われる非常にピーキーな性能となっている。 ---グランプリでのライバルマシンは、スタート時以外加速度や最高速度がほぼ全機種同じで、尚且つ常に自機の一定距離以上離れない仕様であるため、高難易度になるほど使い勝手が逆行する難点がある。ステージギミックやS-JETとの相性の悪さもあって、まさにドライバーのようにコースや特性を完全に熟知した真の上級者向けのマシンと言える。 -グランプリとコース -グランプリにはナイト、クイーン、キングの3つのリーグがあり、それぞれ特徴的でバラエティに富んだ5つのコースを走る。開始前にビギナー、スタンダード、エキスパートの3つの難易度が選べ、エキスパートをクリアしたリーグでのみ最高難易度のマスターを選択出来る。 #region(各リーグとコース紹介) #region(ナイトリーグ) -MUTE CITY I --このゲームシリーズを代表するコース。特別難しい所はなく、初心者にもやさしいコース設定。減速ゾーン、ヘアピン、ジャンププレートがある。 -BIG BLUE --広い海をバックに流れる軽快な曲が人気のコースで難易度もそれほど高くない。最終コーナーがスリップゾーンになっているのが特徴。 -SAND OCEAN --ヘアピンコーナーやコース幅が狭い所も多く、初心者の壁になる砂漠地方のコース。 -DEATH WIND I --オーバルコースで簡単そうに見えるが、常に強い横風が吹いていてマシンの制御が難しい。コースの幅も狭い。順番にプレイしていると、最初にダッシュプレートが設置されているコースであり、これに乗ってかっ飛ばす快感を覚えたプレイヤーは多いだろう。このコースはピットがバックストレートの出口に設置されていて必ず通れるようになっている。 -SILENCE --ナイトリーグの最終コースで、コースの大半が直線と直角コーナーで構成されている。スタート直後に分岐があり、遠回りの安全なルートと地雷が設置されている近道がある。ライバルはほぼ遠回りするため、ここで順位を上げやすい。 #endregion #region(クイーンリーグ) -MUTE CITY II --基本はIと同じだがロータリー形状の分岐があり、左右どちらかを選んで進む。合流直後のS字にはジャンププレートが設置されている。 -PORT TOWN I --初めて谷を飛び越えるコース。谷を越えた後には強制マグネットも初登場する。 -RED CANYON I --スタート直後の急カーブやバックストレートの連続ジャンプなどがある。 -WHITE LAND I --その名の通り白を基調とした美しいコースだが、スタート直後と後半の2か所にあるスリップヘアピンや制御の難しいダート絡みの連続ジャンプなど難易度が高いコース。 -WHITE LAND II --クイーンリーグの最終コース。ここは他の「IIコース」と異なりWHITE LAND Iコースとは全く違う構成になっていて、流れる曲もWHITE LAND Iとは違うアレンジになっている((IIの方が雰囲気が暗く、Aメロが少し短い))。また、このコースの終盤にはこのゲーム最大の谷があり、大ジャンプを要求される。が、谷のすぐ手前にコーナーがあるため、ここで減速しすぎるとジャンプが届かない事もある。2周目以降ならS-JETを使えるが、1周目では特に注意が必要。 #endregion #region(キングリーグ) -MUTE CITY III --直角コーナーの後の分岐はなくなったがスラロームになっている。その後のS字には地雷が設置されていて、減速ゾーンを突っ切ろうとしても地雷を確実には避けられない。 -DEATH WIND II --強風が吹いているのは同じだがオーバルではなくバックストレートの入り口から別コースに入り、ピット直前に元コースに合流する形になっている。こちらのコースにもダッシュプレートはあるが、ダッシュ直後からタイトなコーナーが続くうえにコース幅も狭いため、使いどころは検討が必要。 -PORT TOWN II --最終コーナーの手前から変化する。別コースはコースの幅が狭く連続ヘアピンもあり、難易度は高い。最後の直線にも仕掛けがある。 -RED CANYON II --連続ジャンプまでは同じだが、その後から別コースに入り地雷の設置されたストレートを通ることになるが、その直前左側にはジャンプ台があり、そこからまっすぐに飛ぶとコース外に矢印ジャンプ台があり、地雷をパスしてショートカットができる。 -FIRE FIELD --キングリーグの最終コースであり、最難関かつ最長のコースである。地雷、連続ヘアピン、スリップゾーン、マグネット、分岐とこのゲームの粋を尽くしたコース構成。しかも最後の分岐で遠回りをしなければピットゾーンに入れない(ピットゾーンの出口にはダッシュプレートがあるのだが、それでもロスが大きい)。全速走行がほぼ無いコースのため、かなりのテクニックが要求される。 #endregion #endregion -ステージギミック --ジャンプ台 ---マシンが飛び上がり、飛んでいる間だけ、若干速度も上がる。これで谷を飛び越えなければならないコースもある。コースによっては大きくショートカットも可能だが、あまりに悪質なショートカットをするとオフィシャルカーによって規定の地点まで戻されてしまう。また、タイムアタックにおいては乗らずに脇を通り抜けた方が速い事も多い。 --ガードビーム ---常にコースの両端に設置されているコース壁で、触れるとシールドと速度が減る。しかし故意にぶつかってコーナーをクリアするテクニックもあり、一部のコースではぶつかっても弾かれずに走り抜けられてショートカットができる所もある。 --マグネット ---線上に設置されており、マグネットがある方向にマシンを引き寄せる。触れるとダメージを受ける。ジャンプ台の直後に設置されていてジャンプしたマシンを下に引っ張る下方向マグネットもある。 --地雷 ---踏むと爆発してマシンが弾かれ、大ダメージを受ける。踏んだ地雷は復活しない。避けるのが基本だがわざと踏んで通りやすいルートを確保するやり方もある。 --減速ゾーン ---通るとマシンが減速してしまう。場所によってはS-JETで突っ切れるところもあるが、S-JETを使っても減速してしまう所もある。 --ダッシュプレート ---踏むとマシンが最高速を超えて加速する。この時はデスウインドの強風の影響も受けなくなる。加速している時間はマシンによって差があり、ファイヤースティングレイが最も長く持続し、ゴールデンフォックスが最も短い。 --磁場遮断コーティングゾーン(スリップゾーン) ---マシンとコースをつなぐ磁力が遮断されて惰性で動いている状態になり、スリップしやすくなってしまうゾーン。 --ピットゾーン ---スタート直後に配置されていることが多く、ここに乗っている間はオフィシャルカーから補給が受けられエネルギーを回復できる。 -グランプリにはナイト、クイーン、キングの3つのリーグそれぞれにビギナー、スタンダード、エキスパートの3つの難易度があり、最高難易度のマスターは、エキスパートをクリアしたリーグでのみプレイ出来る。 ---- **問題点 -選べる車体のバランス調整にやや偏りがある。 --加速こそ最低なものの他を寄せ付けない最高速度を誇るファイヤースティングレイが非常に強力。カーブでの安定度が高い上速度も落ち難く、一周毎に手に入るS-JETの仕様との相性が抜群に良い。タイムアタックの仕様上どうしても本機一択の傾向が強くなる。 //この部分いらなくね?タイムアタックだとファイヤースティングレイ以外見向きもされないし、書いてある事が上の車体紹介と差別化できてない //--反対にワイルドグースは走行時の安定性が低いために滑りやすく、最高速や加速力も中途半端、唯一の長所は極端に頑丈なことだけという有様。故にタイムアタックでの好成績を狙う上級プレイヤーにはほとんど見向きもされなくなってしまう。 //---これはワイルドグースに乗っているドライバーが「他のドライバーを妨害して優位に立つ」という性質を持っていることを反映しているからなのだが、まだ他のマシンを破壊したりする要素がなかった本作に於いてはあまり有効に活用できる場面が少ない。 -グランプリの難易度調整が大雑把。 --上記の通り各コース難易度は4つあるが、CPUの最高速による調整のみである。また、CPUの機体の挙動はプレイヤーのものとかなり差異があるため、その辺りの兼ね合いでバランスの悪さを生じてしまっている。 ---一番顕著なのは後続のCPUを一定距離突き放すと自機近くまでワープする点。S-JETやショートカットで大きく突き放すと逆にすぐ手前まで近寄られた状態になり、独走だったはずがワンミスであっという間に抜かれるということも。~ 逆に、前方のCPU車が減速してくれたりということはなく、自力で追いつけなければ差が詰まることはない。 ---その他、慣性を無視したコース取りや、衝突してもさほど減速することなく走行し続けるといった優遇点がCPU側にあり、難易度と状況によってはまともにクリアするのは極端に難しいことがある。~ 特に難易度マスターでのゴールデンフォックス使用時のデスウインドIコースでは、最高速の関係で雑魚車にすら簡単に抜かされる上に一度抜かれると追いつくのが非常に困難なため、1位フィニッシュはほぼ不可能、3位以内でクリアすることすら達人の域とすら言える超高難易度になってしまっている。 //IIはCPUがダッシュボードに乗らないのでそれほど難しくもなかったです。訂正。 ---とはいえ、他のレースゲームでも似たような問題点をあげられることが多く、ある程度仕方ない部分もあるか。 -''2Pとの対戦モードがなく、「プラクティス」でのコースがデフォルトの7つしか選べない''。 --本作のレースゲームとしての革新性故に、対戦機能がないことを惜しむファンも多い。 --タイムアタックが熱いゲームなだけに全コースで競えないのは残念。 ---ちなみに本作がコロコロコミックの『電脳ボーイ!』で扱われた際は、「参加者全員が別々のテレビとスーファミ本体を用いた30人同時参加のF-ZERO大会」というかなり大掛かりなイベントになっていた。実際そうでもしないと対戦プレイにならないので仕方ない。 ----- **総評 障害物が飛ぶような速さで後方へ過ぎ去ってゆく演出によって表現された今までにないスピード感と、シンプルながら様々なギミックが盛り込まれた魅力的なレーシングスタイルで、多くのユーザーに衝撃を与えた革新的な作品。SFCの性能を存分に見せ付けた本作はローンチタイトルとしての役割を十分に果たした名作と言えるだろう。 ---- **その後の展開 -N64やGCなどで続編が出されている。詳細はF-ZEROシリーズリンクを参照。 -この後、SFCでの任天堂製レースゲームは、多人数プレイの楽しさを追求し大ヒットとなった『[[スーパーマリオカート]]』、拡張チップ搭載でポリゴンを駆使した『ワイルドトラックス』と続いていくこととなる。 -2017年10月発売の「ミニ・スーパーファミコン」にも収録。27年の時を経ての復刻であり、当時10歳の少年は中年真っ盛り。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: