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ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス - (2017/02/11 (土) 03:57:14) の1つ前との変更点
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*ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス
【ぜるだのでんせつ とわいらいとぷりんせす】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B002I5YGE6)|&amazon(B000IN8FOW)|
|対応機種|ニンテンドーゲームキューブ、Wii|~|~|
|メディア|【GC】8cm光ディスク&br()【Wii】12cm光ディスク 各1枚|~|~|
|発売・開発元|任天堂|~|~|
|発売日|2006年12月2日|~|~|
|定価|6,800円|~|~|
|プレイ人数|1人|~|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|~|
|コンテンツアイコン|犯罪|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|雰囲気が『時オカ』路線へと回帰&br()ボリュームが倍増&br()狼リンクに賛否あり&br()良作ではあるが冗長感・マンネリ感も否定できない&br()|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[ゼルダの伝説シリーズ関連リンク>ゼルダの伝説シリーズ]]''|
#contents
----
**概要
任天堂が誇る謎解きアクションアドベンチャー『ゼルダの伝説』シリーズの一つ。2世代にまたがる据え置きハードで発売されており、GCでは最後、Wiiでは最初のソフト。~
当初はGCでのみ発売を予定していたが、後にWiiでも発売されることとなったため、混乱を防ぐためGC版をオンライン限定販売にしたという経緯がある。~
Wii/GC版合わせた売り上げは700万本強。アメリカではWii版より発売が一カ月遅れたGC版のみでミリオンを突破しており、両方合わせると400万本を超えている。~
日本でも50万本を突破しており、Wiiのロンチキラータイトルとなった。
Wii版ではヌンチャクを利用したボタン+体感操作を可能とするため、今まで左利きだったリンクが右利きになっているばかりか、GC版からUI以外のほぼすべてが左右反転になっている。他、アイテムを合計4つまでセットできるなど細かい違いがある。~
なおプロデューサーの宮本茂氏は、「Wii版がオリジナルです」と明言している。
2008年5月1日には、本作のポリゴンなどを再利用したガンシューティングゲーム、『リンクのボウガントレーニング』も発売された。
本作は、『時のオカリナ』で7年前の少年時代に戻ったリンクの進言により、ガノンドロフの野望が未然に防がれ平和を保たれたハイラルの百数年後を舞台としている。
----
**ストーリー
>魔王ガノンドロフの野望を打ち砕き、時の賢者ゼルダ姫の手引きによって7年前の少年時代に戻ったリンクは、~
ガノンドロフを未然に処刑することで魔王の野望を阻止することに成功する。~
それと引き換えに、現代のハイラルに勇者の伝説は不在となった…。
>
>百数年後。
>
>トアル村に暮らす牧童の少年リンクは、魔物にさらわれてしまった村の子供を救うべく後を追った先で、~
トワイライトと呼ばれる異世界に足を踏み入れてしまう。
>
>そこで出会った謎の魔物ミドナと共に戦う内、リンクはトライフォースを巡る因縁の戦いに身を投じることになっていく。
----
**ゲーム内容
-おおまかな志向は「''Wii(GC)で作ったリアルゼルダ''」。
--『風のタクト』でのトゥーン調からリアル路線に舵を戻し、『時のオカリナ』や『ムジュラの仮面』で見られたようなグラフィックやシステムをより精巧に突き詰めている。
--基本的にストーリーは王道。ヌンチャクを使った操作があるとはいえ、システム的に『時のオカリナ』と比べて見違えるほどの変化はない。
-最も大きな新要素として「狼リンク」と「騎馬戦」が挙げられる。
--「狼リンク」は、その名の通り狼になったリンクを操作できるシステム。
--また「騎馬戦」では、騎馬状態でかなり自由度の高い行動・戦闘が可能。それをフィーチャーしたイベントもある。
----
**評価点
-美麗なグラフィック。
--GCでは間違いなく最高クラスで、当時の次世代機であったPS3、Xb360の一部のソフトを上回るほど。
---特に任天堂が得意とした水の表現はかなりのもの。
-ボリュームが多い。
--製作期間に恥じないボリュームで、ダンジョン数、攻略するマップの広さ共にゼルダシリ-ズ最高。
-「奥義」、騎馬戦など、正当進化を果たしたと評して然るべき要素。
--特に騎馬戦ならびに騎馬の挙動は「さすがゼルダ」と言わせる出来。開発陣が実際の馬の動きを参考にしただけあって、エポナの動きはリアルな躍動感がある。それに乗って弓を射たり、乗馬して剣で渡り合うボス戦の迫力もまた当時の次世代機ゲームにも劣らない。
--旧シリーズとは違いエポナに乗っている時もしっかりダメージを受け、時には落馬することもあるので、緊張感が増した((過去作品ではエポナに乗ると完全無敵で、敵の攻撃はすり抜けていた。))
-進化した演出。
--実機ムービーが長くもなく短くもなく、かなり効果的に使われている。2周目以降はスキップも可能。
---騎馬戦前後はかなり燃えるし、ゼルダ姫の美しさが再確認できる実機ムービーや、ボス戦前のものも好評。
-細かなアクションの追加。
--走りながら剣で攻撃する事が可能になったり、爆弾等を運搬する際は持ち方を変えるようになった等、派手さは無いがリアリティを重視した改善が多々施されている。
-質の高いBGM。
--今作に今までの3Dゼルダのような楽器と専用曲はないが、曲のレベルは高い。
---ただ、良くも悪くも過去作品のリメイク曲に、耳についたりマンネリ感な曲が多いきらいはある。
-これだけのグラフィックでありながらロードは短く、処理落ちもほとんどない。
--よって、『時のオカリナ』『ムジュラの仮面』に親しんだ人もほとんどストレスなく楽しめる。
----
**賛否両論・問題点
-Wii版のリモコンとヌンチャク。
--ゲームを進めていくうちに「これ、わざわざリモコンヌンチャク振ってやるほどのものだろうか?」という場面が多い。初期のWiiソフトにしては頑張っている方だが、もう少しリモコンを振る必然性がある形でゼルダを遊ばせて欲しかったところである。
---実際、剣士系の敵とリモコンで戦うのは興奮する。これは剣を振ることにリモコンを使う意義があるからだろう。
---釣りで真価を発揮するこの感覚はGC版には無いものである。スタッフがやたらプッシュしていただけはある。
---操作性は決して劣悪ではなく、すぐ思うように動かせるようになる。
--リモコンのスピーカーから、剣を取り出したときや、仕掛けを解除したときなどにSEが鳴るが、非常にチープな音((音が反響する場所で金属板をこすり合わせたような音。))で、さらに通信できる量の限界かノイズがかかったり、時々通信不良で音が途切れたりと散々。リモコンで鳴らす必要はあったのか。そのためか次作『スカイウォードソード』ではリモコンから音は鳴らなくなった。
//-ミドナの存在
//--今作のキーキャラで賛否両論で言えば賛のほうが多いとは思うが、その傍若無人ぶりがどうも気に入らないというプレイヤーも少数いたようだ。
//--ただし後半からはむしろリンクにやさしいツンデレ系なので、そこまでいければほとんどの人は気にならくなるだろう。
//--そもそもこういうキャラは以前からいた。
//ちょっと賛否両論とはいえないと思ったのでco。
-ボリュームの濃さの裏返しでもあるが、冗長感がある。
--マップが広すぎる。2つ目のダンジョンをクリアして少し進んだ時点で、『時のオカリナ』並みのマップの広さ(例:本作のハイリア湖の広さ=『時のオカリナ』のハイリア湖+ハイラル平原ぐらい)なので印象に残りづらい。
---せめて城下町には、ダンジョンを1つ削ってでも、サブイベントや入れる建物が倍は欲しかったところ。実際、本来なら色々入る予定だったのだが、盛大に削られてしまったという大人の事情もある様子。
--狼リンクの必要性を問う声が多い。というのも、狼パートは基本的に一本道の自由度が低い探索パートであり、今作が冗長と言われる所以はこれにあるといっても差し支えない。
---「狼になれる・ゴーストなどと戦える」事自体への批判はないが、そもそも狼を操作することが『ゼルダ』らしくないという声もある。%%…じゃあ『ゼルダ』らしさとは一体何なのか、と問い質したい気はしないでもないが。%%~
もう少し狼状態の活かし方を工夫すれば十分解消可能な問題と思われるだけに、残念でならない。
--ゲームを起動するたびに、5ルピー以上のルピー取得の際には演出が入る。正直煩しい。
-自由度の低さ。
--普通の3Dアクションとしてみたらそこまででもないが、ゼルダとしてはその気が強い。攻略の自由度が高い『ムジュラの仮面』や、序盤を越えれば移動範囲が一気に開ける『時のオカリナ』『風のタクト』とは雲泥の差。
--息抜きのサブイベントは少ない上にストーリー系のおつかいイベントが多いのでダレやすい。
--ルピーを使い道が必須系のものを除きほとんどない。一応、「装備すると無敵になるが、その間ルピーがすごい勢いで減っていく」という隠しアイテム・マジックアーマーが存在し、全く使い道が無い訳ではない。ただデメリットゆえに実戦での使いどころに乏しく、ルピーを減らすためだけにマジックアーマーを装備するという本末転倒な事態になることも。マジックアーマーが本当に役立つのは大妖精の洞窟くらい。
---本作でのルピー所持上限は最大で1000ルピーと『時オカ』の2倍なのだが、ルピーを預けられる施設がない。フィールド上にはルピーの入った宝箱が大量に設置されており、軽々と所持上限に達してしまう上に、上限だと宝箱のルピーを取ることができない。結果、宝箱を開けずに放置するか、消費してから戻ってくる二度手間になる。
---次作の『スカイウォードソード』では改善されたが、こちらではコレクトアイテムで同じような問題が発生してしまっている。
--『時のオカリナ』から続投した「時間」は本作でも重要なファクターにも関わらず、昼夜を逆転する事ができない。今作でも時間に関するイベントが多い(特にゴーストはフィールドでは夜しか出てこない)ので、かなり痛い。
-目新しさに欠ける謎解きやイベントの解決法が多い。
--焼き直し感があるかというとそうでもなく、ボリュームを考えると頑張っている方であろう。新要素も多い。それでもダンジョン数の多さに対して新しい謎解きの数が間に合っていない。
---道具は『時のオカリナ』に似たりよったりだった『ムジュラの仮面』が、ダンジョンが少ない反面工夫があったのに対し、本作は『時のオカリナ』を踏襲しているのか王道なダンジョンが多い。強烈な印象を残す道具はスピナーとコピーロッド、ダンジョンのあり様として新機軸なのはスノーピーク(雪山の廃墟)ぐらいである。
---また、過去作のBGMのアレンジの多用がその感覚に拍車をかけている。
-釣堀で遊べるコロコロゲームの難易度が鬼畜。特にWii版のリモコン操作での難易度の高さが有名(ボタン操作であるGC版はそれに比べれば少し易しい)。
--最難関の8面まで全てクリアしたご褒美は、ゲーム中で最もレアな魚であるハイラルドジョウが釣れるようになる「カエルルアー」。
---クリアできなくてもコンプに関与しないのが救いだが、ルアーの解禁のために、釣りと全く関係ないミニゲームのクリアを要求されるのは何とももどかしい。
--カエルルアー入手後に挑戦できる2周目以降は、より制限時間が短くなった状態で、1~8面をループしていく形となるが…
---驚くべきことに、完全クリアしようと思えばそれを''8周''も繰り返さなくてはならない。周回ごとにみるみる制限時間が短くなっていき、最終的にはほぼ無理ゲーと化す。
---そして、そこまで苦労して達成した完全クリアのご褒美はと言うと…「現在持っているルピー額を2倍にしてくれる」…''これだけ''。他に気の利いたご褒美など一切なく、とてもではないが苦労に見合った内容とは言えない。
---とはいえ、これでもし仮に「ハートのかけらをくれる」等だったら、それ以上に批判が殺到したであろうことは疑いようがないが。
--このような鬼畜要素などのせいで、この釣堀を管理しているNPCが「悪女」呼ばわりされてしまうこともしばしばある(理由は他にもあるが)。
----
**総評
シリーズの王道を全て踏襲したハイレベルな作品。~
過去作から進化した要素も多く、その他の面も良作の水準を十二分に超えている一作と評価できるだろう。~
但し新要素である狼化がその目新しさと引き換えに、只でさえ指摘されがちな本作の冗長さ・一本道感を更に強めてしまった点だけは悔やまれる。
ゲームオブザイヤーをはじめ数々の賞を受賞し、国産ゲームとしては稀に見るハイクオリティのアクションアドベンチャーに仕上がっている。~
今までの3Dゼルダが好きだったプレイヤーならば、比較的安心して遊べる作品であろう。
//何で3Dゼルダは判定と矛盾する記述が多いの? 時オカ至上主義者の仕業なの? 文章修正。
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**余談
2016年3月10日にWiiU版が『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』として発売された。~
画面はGC版に準拠している。つまり、リンクは左利きになっている。
*ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス
【ぜるだのでんせつ とわいらいとぷりんせす】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B002I5YGE6)|&amazon(B000IN8FOW)|
|対応機種|ニンテンドーゲームキューブ、Wii|~|~|
|メディア|【GC】8cm光ディスク&br()【Wii】12cm光ディスク 各1枚|~|~|
|発売・開発元|任天堂|~|~|
|発売日|2006年12月2日|~|~|
|定価|6,800円|~|~|
|プレイ人数|1人|~|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|~|
|コンテンツアイコン|犯罪|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|雰囲気が『時オカ』路線へと回帰&br()ボリュームが倍増&br()狼リンクに賛否あり&br()良作ではあるが冗長感・マンネリ感も否定できない&br()|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[ゼルダの伝説シリーズ関連リンク>ゼルダの伝説シリーズ]]''|
#contents
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**概要
任天堂が誇る謎解きアクションアドベンチャー『ゼルダの伝説』シリーズの一つ。2世代にまたがる据え置きハードで発売されており、GCでは最後、Wiiでは最初のソフト。~
当初はGCでのみ発売を予定していたが、後にWiiでも発売されることとなったため、混乱を防ぐためGC版をオンライン限定販売にしたという経緯がある。~
Wii/GC版合わせた売り上げは700万本強。アメリカではWii版より発売が一カ月遅れたGC版のみでミリオンを突破しており、両方合わせると400万本を超えている。~
日本でも50万本を突破しており、Wiiのロンチキラータイトルとなった。
Wii版ではヌンチャクを利用したボタン+体感操作を可能とするため、今まで左利きだったリンクが右利きになっているばかりか、GC版からUI以外のほぼすべてが左右反転になっている。他、アイテムを合計4つまでセットできるなど細かい違いがある。~
なおプロデューサーの宮本茂氏は、「Wii版がオリジナルです」と明言している。
2008年5月1日には、本作のポリゴンなどを再利用したガンシューティングゲーム、『リンクのボウガントレーニング』も発売された。
本作は、『時のオカリナ』で7年前の少年時代に戻ったリンクの進言により、ガノンドロフの野望が未然に防がれ平和を保たれたハイラルの百数年後を舞台としている。
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**ストーリー
>魔王ガノンドロフの野望を打ち砕き、時の賢者ゼルダ姫の手引きによって7年前の少年時代に戻ったリンクは、~
ガノンドロフを未然に処刑することで魔王の野望を阻止することに成功する。~
それと引き換えに、現代のハイラルに勇者の伝説は不在となった…。
>
>百数年後。
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>トアル村に暮らす牧童の少年リンクは、魔物にさらわれてしまった村の子供を救うべく後を追った先で、~
トワイライトと呼ばれる異世界に足を踏み入れてしまう。
>
>そこで出会った謎の魔物ミドナと共に戦う内、リンクはトライフォースを巡る因縁の戦いに身を投じることになっていく。
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**ゲーム内容
-おおまかな志向は「''Wii(GC)で作ったリアルゼルダ''」。
--『風のタクト』でのトゥーン調からリアル路線に舵を戻し、『時のオカリナ』や『ムジュラの仮面』で見られたようなグラフィックやシステムをより精巧に突き詰めている。
--基本的にストーリーは王道。ヌンチャクを使った操作があるとはいえ、システム的に『時のオカリナ』と比べて見違えるほどの変化はない。
-最も大きな新要素として「狼リンク」と「騎馬戦」が挙げられる。
--「狼リンク」は、その名の通り狼になったリンクを操作できるシステム。
--また「騎馬戦」では、騎馬状態でかなり自由度の高い行動・戦闘が可能。それをフィーチャーしたイベントもある。
----
**評価点
-美麗なグラフィック。
--GCでは間違いなく最高クラスで、当時の次世代機であったPS3、Xb360の一部のソフトを上回るほど。
---特に任天堂が得意とした水の表現はかなりのもの。
-ボリュームが多い。
--製作期間に恥じないボリュームで、ダンジョン数、攻略するマップの広さ共にゼルダシリ-ズ最高。
-「奥義」、騎馬戦など、正当進化を果たしたと評して然るべき要素。
--特に騎馬戦ならびに騎馬の挙動は「さすがゼルダ」と言わせる出来。開発陣が実際の馬の動きを参考にしただけあって、エポナの動きはリアルな躍動感がある。それに乗って弓を射たり、乗馬して剣で渡り合うボス戦の迫力もまた当時の次世代機ゲームにも劣らない。
--旧シリーズとは違いエポナに乗っている時もしっかりダメージを受け、時には落馬することもあるので、緊張感が増した((過去作品ではエポナに乗ると完全無敵で、敵の攻撃はすり抜けていた。))
-進化した演出。
--実機ムービーが長くもなく短くもなく、かなり効果的に使われている。2周目以降はスキップも可能。
---騎馬戦前後はかなり燃えるし、ゼルダ姫の美しさが再確認できる実機ムービーや、ボス戦前のものも好評。
-細かなアクションの追加。
--走りながら剣で攻撃する事が可能になったり、爆弾等を運搬する際は持ち方を変えるようになった等、派手さは無いがリアリティを重視した改善が多々施されている。
-質の高いBGM。
--今作に今までの3Dゼルダのような楽器と専用曲はないが、曲のレベルは高い。
---ただ、良くも悪くも過去作品のリメイク曲に、耳についたりマンネリ感な曲が多いきらいはある。
-これだけのグラフィックでありながらロードは短く、処理落ちもほとんどない。
--よって、『時のオカリナ』『ムジュラの仮面』に親しんだ人もほとんどストレスなく楽しめる。
----
**賛否両論・問題点
-Wii版のリモコンとヌンチャク。
--ゲームを進めていくうちに「これ、わざわざリモコンヌンチャク振ってやるほどのものだろうか?」という場面が多い。初期のWiiソフトにしては頑張っている方だが、もう少しリモコンを振る必然性がある形でゼルダを遊ばせて欲しかったところである。
---実際、剣士系の敵とリモコンで戦うのは興奮する。これは剣を振ることにリモコンを使う意義があるからだろう。
---釣りで真価を発揮するこの感覚はGC版には無いものである。スタッフがやたらプッシュしていただけはある。
---操作性は決して劣悪ではなく、すぐ思うように動かせるようになる。
--リモコンのスピーカーから、剣を取り出したときや、仕掛けを解除したときなどにSEが鳴るが、非常にチープな音((音が反響する場所で金属板をこすり合わせたような音。))で、さらに通信できる量の限界かノイズがかかったり、時々通信不良で音が途切れたりと散々。リモコンで鳴らす必要はあったのか。そのためか次作『スカイウォードソード』ではリモコンから音は鳴らなくなった。
//-ミドナの存在
//--今作のキーキャラで賛否両論で言えば賛のほうが多いとは思うが、その傍若無人ぶりがどうも気に入らないというプレイヤーも少数いたようだ。
//--ただし後半からはむしろリンクにやさしいツンデレ系なので、そこまでいければほとんどの人は気にならくなるだろう。
//--そもそもこういうキャラは以前からいた。
//ちょっと賛否両論とはいえないと思ったのでco。
-ボリュームの濃さの裏返しでもあるが、冗長感がある。
--マップが広すぎる。2つ目のダンジョンをクリアして少し進んだ時点で、『時のオカリナ』並みのマップの広さ(例:本作のハイリア湖の広さ=『時のオカリナ』のハイリア湖+ハイラル平原ぐらい)なので印象に残りづらい。
---せめて城下町には、ダンジョンを1つ削ってでも、サブイベントや入れる建物が倍は欲しかったところ。実際、本来なら色々入る予定だったのだが、盛大に削られてしまったという大人の事情もある様子。
--狼リンクの必要性を問う声が多い。というのも、狼パートは基本的に一本道の自由度が低い探索パートであり、今作が冗長と言われる所以はこれにあるといっても差し支えない。
---「狼になれる・ゴーストなどと戦える」事自体への批判はないが、そもそも狼を操作することが『ゼルダ』らしくないという声もある。%%…じゃあ『ゼルダ』らしさとは一体何なのか、と問い質したい気はしないでもないが。%%~
もう少し狼状態の活かし方を工夫すれば十分解消可能な問題と思われるだけに、残念でならない。
--ゲームを起動するたびに、5ルピー以上のルピー取得の際には演出が入る。正直煩しい。
-自由度の低さ。
--普通の3Dアクションとしてみたらそこまででもないが、ゼルダとしてはその気が強い。攻略の自由度が高い『ムジュラの仮面』や、序盤を越えれば移動範囲が一気に開ける『時のオカリナ』『風のタクト』とは雲泥の差。
--息抜きのサブイベントは少ない上にストーリー系のおつかいイベントが多いのでダレやすい。
--ルピーを使い道が必須系のものを除きほとんどない。一応、「装備すると無敵になるが、その間ルピーがすごい勢いで減っていく」という隠しアイテム・マジックアーマーが存在し、全く使い道が無い訳ではない。ただデメリットゆえに実戦での使いどころに乏しく、ルピーを減らすためだけにマジックアーマーを装備するという本末転倒な事態になることも。マジックアーマーが本当に役立つのは大妖精の洞窟くらい。
---本作でのルピー所持上限は最大で1000ルピーと『時オカ』の2倍なのだが、ルピーを預けられる施設がない。フィールド上にはルピーの入った宝箱が大量に設置されており、軽々と所持上限に達してしまう上に、上限だと宝箱のルピーを取ることができない。結果、宝箱を開けずに放置するか、消費してから戻ってくる二度手間になる。
---次作の『スカイウォードソード』では改善されたが、こちらではコレクトアイテムで同じような問題が発生してしまっている。
--『時のオカリナ』から続投した「時間」は本作でも重要なファクターにも関わらず、昼夜を逆転する事ができない。今作でも時間に関するイベントが多い(特にゴーストはフィールドでは夜しか出てこない)ので、かなり痛い。
-目新しさに欠ける謎解きやイベントの解決法が多い。
--焼き直し感があるかというとそうでもなく、ボリュームを考えると頑張っている方であろう。新要素も多い。それでもダンジョン数の多さに対して新しい謎解きの数が間に合っていない。
---道具は『時のオカリナ』に似たりよったりだった『ムジュラの仮面』が、ダンジョンが少ない反面工夫があったのに対し、本作は『時のオカリナ』を踏襲しているのか王道なダンジョンが多い。強烈な印象を残す道具はスピナーとコピーロッド、ダンジョンのあり様として新機軸なのはスノーピーク(雪山の廃墟)ぐらいである。
---また、過去作のBGMのアレンジの多用がその感覚に拍車をかけている。
-釣堀で遊べるコロコロゲームの難易度が鬼畜。特にWii版のリモコン操作での難易度の高さが有名(ボタン操作であるGC版はそれに比べれば少し易しい)。
--最難関の8面まで全てクリアしたご褒美は、ゲーム中で最もレアな魚であるハイラルドジョウが釣れるようになる「カエルルアー」。
---クリアできなくてもコンプに関与しないのが救いだが、ルアーの解禁のために、釣りと全く関係ないミニゲームのクリアを要求されるのは何とももどかしい。
--カエルルアー入手後に挑戦できる2周目以降は、より制限時間が短くなった状態で、1~8面をループしていく形となるが…
---驚くべきことに、完全クリアしようと思えばそれを''8周''も繰り返さなくてはならない。周回ごとにみるみる制限時間が短くなっていき、最終的にはほぼ無理ゲーと化す。
---そして、そこまで苦労して達成した完全クリアのご褒美はと言うと…「現在持っているルピー額を2倍にしてくれる」…''これだけ''。他に気の利いたご褒美など一切なく、とてもではないが苦労に見合った内容とは言えない。
---とはいえ、これでもし仮に「ハートのかけらをくれる」等だったら、それ以上に批判が殺到したであろうことは疑いようがないが。
--このような鬼畜要素などのせいで、この釣堀を管理しているNPCが「悪女」呼ばわりされてしまうこともしばしばある(理由は他にもあるが)。
-HD版において追加された「ハンコ」の入手場所がノーヒント。
--ハンコとはMiiverseで使えるスタンプを増やすアイテムで、各地の宝箱に全50個隠されている。
--各ハンコを入手した場所は自分で憶えておくしかないため、ハンコの在り処について当のMiiverseで情報交換をするといったことは難しくなっており、普通に攻略サイトなどに頼る羽目になってしまう。
--上記のコロコロゲームと同様、集めなくてもコンプには影響しない。
----
**総評
シリーズの王道を全て踏襲したハイレベルな作品。~
過去作から進化した要素も多く、その他の面も良作の水準を十二分に超えている一作と評価できるだろう。~
但し新要素である狼化がその目新しさと引き換えに、只でさえ指摘されがちな本作の冗長さ・一本道感を更に強めてしまった点だけは悔やまれる。
ゲームオブザイヤーをはじめ数々の賞を受賞し、国産ゲームとしては稀に見るハイクオリティのアクションアドベンチャーに仕上がっている。~
今までの3Dゼルダが好きだったプレイヤーならば、比較的安心して遊べる作品であろう。
//何で3Dゼルダは判定と矛盾する記述が多いの? 時オカ至上主義者の仕業なの? 文章修正。
----
**余談
2016年3月10日にWiiU版が『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』として発売された。~
画面はGC版に準拠している。つまり、リンクは左利きになっている。