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チョロQ HG2 - (2018/12/13 (木) 08:42:58) の1つ前との変更点

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*チョロQ HG2 【ちょろきゅー はいぐれーどつー】 |ジャンル|レースゲーム|&amazon(B00005UF6F)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|タカラ|~| |開発元|イーゲーム(E-GAME)|~| |発売日|2002年1月10日|~| |定価|6,090円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |廉価版|THE BEST タカラモノ:2003年7月10日/2,980円&br()アトラスベストコレクション:2007年2月8日/1,980円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[チョロQゲームリンク>チョロQシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -「チョロQ」を題材にした『チョロQ HG』シリーズ第2弾。 -開発はE-GAMEで、良作と評判の『[[チョロQ3]]』に勝るとも劣らない大ボリュームが売り。 -E-GAMEは過去に『チョロQワンダフォー!』(以下ワンダフォー)を発売している。この作品はレースとやり込み要素の難易度の高さ、他の町に行くのがやや面倒、という問題点があった。それらをおおよそ解消したのが今作である。 -基本的なシステムや概念はワンダフォーを踏襲しているが、ワンダフォーをプレイしたことがなくても楽しめるようになっている。 --チョロQが生活している世界が舞台、チョロQが住人、ジェットタービン、燃料の概念、スタンプの存在などなど。詳しくは''[[チョロQワンダフォー!]]''の記事にて。 -GTAなどと同じオープンワールド系フィールドを採用しており、高速道路でドライブしたり、冬山でヒルクライムしたり、海の中で立ち往生したり...。 ---- **ストーリー -大統領という身分に飽き飽きした現大統領フォレストは次のワールドグランプリ(以下グランプリ)優勝者に大統領の座を譲ることにした。プレイヤーはグランプリを優勝して大統領を目指すことになる。 ---- **特徴 ''出走台数の増加とチーム制の導入'' -シリーズ初の24台同時出走。更に、町でチョロQをスカウトすることで、チームメイトとして一緒にレースもできる。これでレースの戦略性の幅が広がり、より白熱した勝負ができるように。 --チームメイトの存在が最後のレースへの進行条件になっている他、チームメイトが入賞(6位以内)すればその分の賞金も入手することができる。 -決戦の大舞台であるワールドグランプリに参加するにはチームメイトを2台見つけることと、スーパーAライセンスを取得していることが条件。 --レースへの参加はライセンス制であり、最初はランクCである6レースにしか出場できない。ここで6レース全てで入賞すればBライセンスが獲得できる。~ 続いて同じくBランクのレース全てで入賞し……と繰り返し、ランクAである9レースに入賞することで晴れてスーパーAライセンスを取得、ワールドグランプリへの道が開かれる事になる。 --また、ワンダフォーでは無かったパーツショップやボディショップ、お金の概念が復活した。 ''マップの大幅な拡張と探索要素の追加'' -本作ではフィールドマップが大幅に拡張されており、ワンダフォー!時代の町がいくつも点在している様な形になっている。 --探索要素満点だが、レースやパーツ購入といった基本的な事を行える「Q's factory」は、大概町の入口近くや分かりやすいランドマークの近くに存在しており、とにかく進めたい人にも大きな煩わしさは感じさせない。 --時間の概念が存在し、日の出や日の入りもある。ゲーム上の1日は、現実世界での1時間に相当。探索要素の中にはこの昼夜の入れ替わりがカギになっているものもある。 ---- **評価点 ''マップの広さと、その自由度の高さ'' -各地に点在する町へは下道や高速道路を使って移動する。町の一つ一つも中々に造り込まれており、中には隅々まで探索しないと見つけられないような、隠し場所にチョロQがいたりもする。 --町と町の行き来にはそれなりの時間がかかり、景観の変化やちょっとした冒険要素等もあって旅情感が溢れる。一方、訪れた町の「Q's factory」に入る事で、以降はいつでもどこでも好きな町へワープ移動できる等、痒い所に手が届いている。 ---道中にはプチクラと呼ばれる収集要素もアリ。その名の通り「チョロQ版プ○クラ」とも呼べるもので、各地に全部で100ヵ所も点在。単に町と町の間の行き来だけでなく、それなりに寄り道する必要もある為、コンプを狙うと意外に骨が折れる。 ''やり込み要素の豊富さ'' -本作はミニゲームが非常に多く、ワンダフォーにもあったサッカーの他、正統派のジムカーナやスペック勝負のスノージャンプ、果ては''カーリング''や''ゴルフ''などが存在し、プレイヤーを飽きさせないようになっている。 --ミニゲームのプレイ記録や、やり込み要素の達成等は、ワンダフォーにもあったスタンプによって記録する事ができる。 --「町」を主軸に置いた作風らしく、中盤からは「マイシティ」という、自分だけの町も出現。初めて訪れた時は不動産以外何もないが、移住を望んでいるチョロQをマイシティに誘うことで、町が発展していく。~ 流石に住民の選択や町の傾向といったプレイヤー独自の町になる訳ではなく、最終的には住民も家も同じ町に仕上がるのだが、自分で誘ったチョロQ達と町の発展ぶりにワクワクした人も多いはず。 ''細かな造り込みの数々'' -マップの広さは上述しているが、何よりの特徴はこれらマップをほとんどロードなしで走りまわる事ができる点。スペックによっては道なき道を強引に進んでいく事も可能。 --広いマップ((建物だけでも200を越える))に、多くのチョロQが存在。その一人(一台?)ずつに確固たるキャラ付けがなされており、プレイヤーもその世界の住人として、チョロQの住む世界を十分に体感することが出来る。 --イベントやお願い事をこなす事で仲間になる、いわゆる主要キャラポジションのチョロQも。ヒロインこそいないものの、主人公に明確な好意を持っている女性チョロQもいる((ちなみに、メインキャラの女性チョロQは2名。何と片方はJGTCでお馴染みのカストロール・トムス・スープラ。前述の女性チョロQはR31スカイラインのスーパーシルエット車両と、異様にレーシーで人気の高いボディを使っている))。 -長いドライブで退屈しない様にラジオ機能まで完備。朝には天気予報が流れたり、昼には宇宙人がゲストで来たり、深夜には実在バンドの曲を聴けたり、夕方にはトーク番組を楽しめたり。~ とにかく、自分の好きな番組を聞きながらドライブするのもこのゲームの醍醐味の一つ。 ---- **問題点 ''拙いCPUのレースAI'' -ワンダフォーでは一部高い難易度が問題視されていた事もあって、本作では全体的に難易度は低下傾向にある。これ自体は改善といっていいのだが、その難易度の下がり幅が極端すぎて、かえって不評を呼んでいる。 --24台同時出走の弊害か、敵同時がよくぶつかっている事が一つの要因。また、本シリーズ自体がトリッキーなコースレイアウトの多いゲームであり、PS時代に見られた、「跳ね返るような衝突判定」が消え、AIもバック走行もしない結果、~ 壁にぶつかったまま抜け出せなくなってしまうチョロQが出る事も多い。 ---特にワールドグランプリではチームメイトを含めた順位で優勝が決まる為、チームメイトが動けなくなってしまうと目も当てられない状況に。 --グリップ力の落ちるオフロードコース、長いストレートからの直角カーブなどでは、後から曲がりきれなかったチョロQがたくさん突っ込んできて一気に順位を落とすことも。~ 従って、プレイヤーは適度にパーツを買い替え、コースを理解してスローイン・ファストアウトを意識すれば、スペック差を除いて大概のレースで勝利する事ができる。PS版チョロQのようにドリフトを極めたりブレーキを考えたり、という必要性は終盤まであまりない。 --これはチームメイトについても同様であり、例え最高級のパーツを買い揃えても、それを活かせずにあっさりと差されてしまう。逆にオーバルコースではしっかりとパーツに見合ったタイムを刻むなど、全体的にコーナリングのAIの甘さが見える。~ 特に高性能なエンジンとタイヤにいわゆるブーストに当たるジェットタービンを組み合わせた時のオーバルの速さはなかなかの物。 ''その他レースに関する問題点'' -コース数がやや少ない。ワンダフォーよりは多いものの、チョロQ3などと比較すると少々物足りないかもしれない。同様に、コースの全長そのものも全体的に短く、終盤のスペックだと、大抵のコースは一周1分もかからない。 --最も、この点に関してはスプリントレースとして、資金稼ぎの観点から見ると悪いとは言い切れない。複雑な形状のコースも存在している為、それに対する救済措置としての一面もある。 -左右で曲がりやすさに差があったり、タコメーターがブルブル震え、実車における息継ぎ症状の様に回転・速度共になかなか上がらなかったり、段差では突然、ひっくり返りそうなほど角度を付けて飛び上がる等、不自然な挙動がある。 --中でも息継ぎ症状と段差飛びはレースに大きく関わる部分であり、特に段差での飛び上がりはかなり速度を落とす上、着地までの時間も大きなロスになる為、本来であればレースゲームとして致命的。~ ウィングを装着する事でジャンプの高度を変えられるはずだが、その影響も受けない。全体的な難易度の低さ故に大きな問題にはなっていないが、ある程度歯ごたえのある難易度だった場合、この一点でゲームとしての評価を落とす事もあり得る程のポイント。 --また、確率は低いが、壁にめりこんでしまうバグも存在。特定の角度や速度が影響しているらしく、チョロQの性能が上がってくると多発の恐れあり。 -本作はそのボリュームと「チョロQの世界」を上手く表現している点で高い評価を受けているが、実はレース面は意外と危なっかしい出来栄えだったりするのである。 ''その他の細かな問題点'' -オープンワールドという概念が今ほど深く浸透してない時代の作品としては十分工夫が凝らされているが、中には広々と野が広がっているだけで建物やイベントがまったくない場所も。 --特に陸の孤島に当たるパパイヤアイランドへ向かうには、一つ前の町に当たるホワイトマウンテンから抜け道を通り、更に海底を抜けて上陸する必要がある。~ ホワイトマウンテンを抜けるまではガイドがついているが、いざ海底に出ると水中用のスクリュー込みでも身動きが遅い上、距離もそこそこある為、大雑把に西へ進んでいると、ナビゲーターにも映らないまま素通りしてしまう事も。~ この海底マップもまた無駄に広大な為、酷いと数十分近くウロチョロする事になる。 -あるミニゲームの、スタンプ取得条件のクリアタイムを少しオーバーしても、スタンプが取れてしまう。そのミニゲームは難易度が高めなので助かるが。 ---- **総評 E-GAME製チョロQシリーズの前作であるワンダフォーの問題点をある程度解消。レース以外の要素は非常にボリュームたっぷりで、やり込み要素の多い良作である。~ 難易度は低いものの、それが逆にとっつきやすく、ゆったりしたゲームを好む方ならおススメ。未だに本作が最高傑作とするファンの数も少なくない。~ 今作以降は町要素は縮小気味であり、今作のように町要素=キャラとのコミュニケーションの多いチョロQシリーズを期待している人も多いのではないだろうか。~ 純粋なレースゲームとしてみると粗い部分も少なくないが、それを補ってあまりある魅力が本作にはあるだろう。~ 中古価格は現在でも定価の半額程度と、廉価版の定価どころか、下手な新鋭ソフトや人気作の中古価格すら上回り、一部の名作級プライスタグを付けている事が多い。~ もしも安値で売っているのを見かけたら手に取ってみるのもいいかもしれない。 ---- **余談 -ボリュームたっぷりなのにもかかわらず、今作はなんとCD-ROMで提供されている。 -とあるコースでは、スタートラインを過ぎた後横の壁に登ってスタートライン前まで戻り、スタートラインを切ると1周出来てしまうという裏技がある。
*チョロQ HG2 【ちょろきゅー はいぐれーどつー】 |ジャンル|レースゲーム|&amazon(B00005UF6F)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|タカラ|~| |開発元|イーゲーム(E-GAME)|~| |発売日|2002年1月10日|~| |定価|6,090円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |廉価版|THE BEST タカラモノ:2003年7月10日/2,980円&br()アトラスベストコレクション:2007年2月8日/1,980円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[チョロQゲームリンク>チョロQシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -「チョロQ」を題材にした『チョロQ HG』シリーズ第2弾。 -開発はE-GAMEで、良作と評判の『[[チョロQ3]]』に勝るとも劣らない大ボリュームが売り。 -E-GAMEは過去に『チョロQワンダフォー!』(以下ワンダフォー)を発売している。この作品はレースとやり込み要素の難易度の高さ、他の町に行くのがやや面倒、という問題点があった。それらをおおよそ解消したのが今作である。 -基本的なシステムや概念はワンダフォーを踏襲しているが、ワンダフォーをプレイしたことがなくても楽しめるようになっている。 --チョロQが生活している世界が舞台、チョロQが住人、ジェットタービン、燃料の概念、スタンプの存在などなど。詳しくは''[[チョロQワンダフォー!]]''の記事にて。 -GTAなどと同じオープンワールド系フィールドを採用しており、高速道路でドライブしたり、冬山でヒルクライムしたり、海の中で立ち往生したり...。 ---- **ストーリー -大統領という身分に飽き飽きした現大統領フォレストは次のワールドグランプリ(以下グランプリ)優勝者に大統領の座を譲ることにした。プレイヤーはグランプリを優勝して大統領を目指すことになる。 ---- **特徴 ''出走台数の増加とチーム制の導入'' -シリーズ初の24台同時出走。更に、町でチョロQをスカウトすることで、チームメイトとして一緒にレースもできる。これでレースの戦略性の幅が広がり、より白熱した勝負ができるように。 --チームメイトの存在が最後のレースへの進行条件になっている他、チームメイトが入賞(6位以内)すればその分の賞金も入手することができる。 -決戦の大舞台であるワールドグランプリに参加するにはチームメイトを2台見つけることと、スーパーAライセンスを取得していることが条件。 --レースへの参加はライセンス制であり、最初はランクCである6レースにしか出場できない。ここで6レース全てで入賞すればBライセンスが獲得できる。~ 続いて同じくBランクのレース全てで入賞し……と繰り返し、ランクAである9レースに入賞することで晴れてスーパーAライセンスを取得、ワールドグランプリへの道が開かれる事になる。 --また、ワンダフォーでは無かったパーツショップやボディショップ、お金の概念が復活した。 ''マップの大幅な拡張と探索要素の追加'' -本作ではフィールドマップが大幅に拡張されており、ワンダフォー!時代の町がいくつも点在している様な形になっている。 --探索要素満点だが、レースやパーツ購入といった基本的な事を行える「Q's factory」は、大概町の入口近くや分かりやすいランドマークの近くに存在しており、とにかく進めたい人にも大きな煩わしさは感じさせない。 --時間の概念が存在し、日の出や日の入りもある。ゲーム上の1日は、現実世界での1時間に相当。探索要素の中にはこの昼夜の入れ替わりがカギになっているものもある。 ---- **評価点 ''マップの広さと、その自由度の高さ'' -各地に点在する町へは下道や高速道路を使って移動する。町の一つ一つも中々に造り込まれており、中には隅々まで探索しないと見つけられないような場所にチョロQがいたりもする。 --町と町の行き来にはそれなりの時間がかかり、景観の変化やちょっとした冒険要素等もあって旅情感に溢れる。一方、訪れた町の「Q's factory」に入る事で、以降はいつでもどこでも好きな所からワープ移動できる等、痒い所に手が届いている。 ---道中にはプチクラと呼ばれる収集要素もアリ。その名の通り「チョロQ版プ○クラ」とも呼べるもので、各地に全部で100ヵ所も点在。単に町と町の間の行き来だけでなく、それなりに寄り道する必要もある為、コンプを狙うと意外に骨が折れる。 ''やり込み要素の豊富さ'' -本作はミニゲームが非常に多く、ワンダフォーにもあったサッカーの他、正統派のジムカーナやスペック勝負のスノージャンプ、果ては''カーリング''や''ゴルフ''などが存在し、プレイヤーを飽きさせないようになっている。 --ミニゲームのプレイ記録や、やり込み要素の達成等は、ワンダフォーにもあったスタンプによって記録する事ができる。 --「町」を主軸に置いた作風らしく、中盤からは「マイシティ」という、自分だけの町も出現。初めて訪れた時は不動産以外何もないが、移住を望んでいるチョロQをマイシティに誘うことで、町が発展していく。~ 流石に住民の選択や町の傾向といったプレイヤー独自の町になる訳ではなく、最終的には住民も家も同じ町に仕上がるのだが、自分で誘ったチョロQ達と町の発展ぶりにワクワクした人も多いはず。 ''細かな造り込みの数々'' -マップの広さは上述しているが、何よりの特徴はこれらマップをほとんどロードなしで走りまわる事ができる点。スペックによっては道なき道を強引に進んでいく事も可能。 --広いマップ((建物だけでも200を越える))に、多くのチョロQが存在。その一人(一台?)ずつに確固たるキャラ付けがなされており、プレイヤーもその世界の住人として、チョロQの住む世界を十分に体感することが出来る。 --イベントやお願い事をこなす事で仲間になる、いわゆる主要キャラポジションのチョロQも。ヒロインこそいないものの、主人公に明確な好意を持っている女性チョロQもいる((ちなみに、メインキャラの女性チョロQは2名。何と片方はJGTCでお馴染みのカストロール・トムス・スープラ。前述の女性チョロQはR31スカイラインのスーパーシルエット車両と、異様にレーシーで人気の高いボディを使っている))。 -長いドライブで退屈しない様にラジオ機能まで完備。朝には天気予報が流れたり、昼には宇宙人がゲストで来たり、深夜には実在バンドの曲を聴けたり、夕方にはトーク番組を楽しめたり。~ とにかく、自分の好きな番組を聞きながらドライブするのもこのゲームの醍醐味の一つ。 ---- **問題点 ''拙いCPUのレースAI'' -ワンダフォーでは一部高い難易度が問題視されていた事もあって、本作では全体的に難易度は低下傾向にある。これ自体は改善といっていいのだが、その難易度の下がり幅が極端すぎて、かえって不評を呼んでいる。 --24台同時出走の弊害か、敵同時がよくぶつかっている事が一つの要因。また、本シリーズ自体がトリッキーなコースレイアウトの多いゲームであり、PS時代に見られた、「跳ね返るような衝突判定」が消え、AIもバック走行もしない結果、~ 壁にぶつかったまま抜け出せなくなってしまうチョロQが出る事も多い。 ---特にワールドグランプリではチームメイトを含めた順位で優勝が決まる為、チームメイトが動けなくなってしまうと目も当てられない状況に。 --グリップ力の落ちるオフロードコース、長いストレートからの直角カーブなどでは、後から曲がりきれなかったチョロQがたくさん突っ込んできて一気に順位を落とすことも。~ 従って、プレイヤーは適度にパーツを買い替え、コースを理解してスローイン・ファストアウトを意識すれば、スペック差を除いて大概のレースで勝利する事ができる。PS版チョロQのようにドリフトを極めたりブレーキを考えたり、という必要性は終盤まであまりない。 --これはチームメイトについても同様であり、例え最高級のパーツを買い揃えても、それを活かせずにあっさりと差されてしまう。逆にオーバルコースではしっかりとパーツに見合ったタイムを刻むなど、全体的にコーナリングのAIの甘さが見える。~ 特に高性能なエンジンとタイヤにいわゆるブーストに当たるジェットタービンを組み合わせた時のオーバルの速さはなかなかの物。 ''その他レースに関する問題点'' -コース数がやや少ない。ワンダフォーよりは多いものの、チョロQ3などと比較すると少々物足りないかもしれない。同様に、コースの全長そのものも全体的に短く、終盤のスペックだと、大抵のコースは一周1分もかからない。 --最も、この点に関してはスプリントレースとして、資金稼ぎの観点から見ると悪いとは言い切れない。複雑な形状のコースも存在している為、それに対する救済措置としての一面もある。 -左右で曲がりやすさに差があったり、タコメーターがブルブル震え、実車における息継ぎ症状の様に回転・速度共になかなか上がらなかったり、段差では突然、ひっくり返りそうなほど角度を付けて飛び上がる等、不自然な挙動がある。 --中でも息継ぎ症状と段差飛びはレースに大きく関わる部分であり、特に段差での飛び上がりはかなり速度を落とす上、着地までの時間も大きなロスになる為、本来であればレースゲームとして致命的。~ ウィングを装着する事でジャンプの高度を変えられるはずだが、その影響も受けない。全体的な難易度の低さ故に大きな問題にはなっていないが、ある程度歯ごたえのある難易度だった場合、この一点でゲームとしての評価を落とす事もあり得る程のポイント。 --また、確率は低いが、壁にめりこんでしまうバグも存在。特定の角度や速度が影響しているらしく、チョロQの性能が上がってくると多発の恐れあり。 -本作はそのボリュームと「チョロQの世界」を上手く表現している点で高い評価を受けているが、実はレース面は意外と危なっかしい出来栄えだったりするのである。 ''その他の細かな問題点'' -オープンワールドという概念が今ほど深く浸透してない時代の作品としては十分工夫が凝らされているが、中には広々と野が広がっているだけで建物やイベントがまったくない場所も。 --特に陸の孤島に当たるパパイヤアイランドへ向かうには、一つ前の町に当たるホワイトマウンテンから抜け道を通り、更に海底を抜けて上陸する必要がある。~ ホワイトマウンテンを抜けるまではガイドがついているが、いざ海底に出ると水中用のスクリュー込みでも身動きが遅い上、距離もそこそこある為、大雑把に西へ進んでいると、ナビゲーターにも映らないまま素通りしてしまう事も。~ この海底マップもまた無駄に広大な為、酷いと数十分近くウロチョロする事になる。 -あるミニゲームの、スタンプ取得条件のクリアタイムを少しオーバーしても、スタンプが取れてしまう。そのミニゲームは難易度が高めなので助かるが。 ---- **総評 E-GAME製チョロQシリーズの前作であるワンダフォーの問題点をある程度解消。レース以外の要素は非常にボリュームたっぷりで、やり込み要素の多い良作である。~ 難易度は低いものの、それが逆にとっつきやすく、ゆったりしたゲームを好む方ならおススメ。未だに本作が最高傑作とするファンの数も少なくない。~ 今作以降は町要素は縮小気味であり、今作のように町要素=キャラとのコミュニケーションの多いチョロQシリーズを期待している人も多いのではないだろうか。~ 純粋なレースゲームとしてみると粗い部分も少なくないが、それを補ってあまりある魅力が本作にはあるだろう。~ 中古価格は現在でも定価の半額程度と、廉価版の定価どころか、下手な新鋭ソフトや人気作の中古価格すら上回り、一部の名作級プライスタグを付けている事が多い。~ もしも安値で売っているのを見かけたら手に取ってみるのもいいかもしれない。 ---- **余談 -ボリュームたっぷりなのにもかかわらず、今作はなんとCD-ROMで提供されている。 -とあるコースでは、スタートラインを過ぎた後横の壁に登ってスタートライン前まで戻り、スタートラインを切ると1周出来てしまうという裏技がある。

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