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*ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画 【どらごんぼーるぜっとがいでん さいやじんぜつめつけいかく】 |ジャンル|RPG|&amazon(B0000645PC)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|トーセ (プログラム、サウンド)&br()D&D (デザイン等)|~| |発売日|1993年8月6日|~| |定価|7,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|カードを揃えて必殺技を放つ&br()お助けカード(アイテム)の復活&br()揃えろベジータ&br()逃げゲー,リセゲー,テレポートゲー|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンボールゲームリンク>ドラゴンボールシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere=true) ---- **概要 人気TVアニメ『ドラゴンボールZ』を原作としたRPGの第4作([[SFC版>ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説]]を入れると第5作)。~ ただしストーリーは完全オリジナルであり、『ドラゴンボールZ』史上唯一のOVAと連動したソフトでもある((無印版では知育アニメが存在した。))。 **特徴 -物語の時期は、ピッコロがミスターサタンを知っていることから、セル編の後と思われる。 --パーティに加わるキャラは、悟空・悟飯・ピッコロ・ベジータ・未来トランクスの5人。 --悟空が生存しているのが矛盾点だが、死亡しているはずのキャラが生きて活躍するのは劇場版ではよくあることである。 -敵の黒幕やザコキャラはオリジナルだが、中ボスとしてフリーザ・クウラ・スラッグ・ターレスも登場する。 --フリーザ・クウラの兄弟が同時に登場するという、当時としては貴重な作品でもある。 ---とはいってもゲーム中では兄弟の会話はない。OVAではいちおう会話している。 --スラッグとターレスは、本作がゲーム初出演である。また本作でターレスが使用する技には「キルドライバー」と名前が付いており、後の格闘ゲームシリーズにも引き継がれている。 -本作では必殺技は最初からは使えない。戦闘中に一定の順番でバトルカードを使用する事により技を発する事ができる「アレンジメント・カードバトル」というシステムが導入されている。 --MPにあたるものはなく、カードの順番をそろえれば何度でも技はうてる。 -経験値やレベルは存在しない。 --最大HPはイベントをクリアすると増える。 **評価点 ''シナリオ面'' -一つのゲームとしてまとまったシナリオ --今まで原作を追いかける形でどうにも中途半端になってしまっていたシナリオだが、オリジナルストーリーにした事で一つのゲームとしてまとまっている。 -復活した敵との戦闘 --前述のとおり、ボスクラスの敵が復活して襲いかかってくるのはやはり燃える展開。 ---後述のとおり、せっかく復活した敵の扱いがわるいのが残念ではあるが。 -地球人キャラは仲間にこそならないものの、いろいろと手助けしてくれる --シナリオで助言をくれたり、お助けカードとして役立ってくれる。特にヤムチャはランダムで町に現れてお助けカードをくれるありがたい存在。 ''システム面'' -戦闘演出は前作に引き続きできがよい --使用カードにあわせて敵の前後に瞬間移動、投げた相手にやはり瞬間移動で追いつき攻撃を加えたりと、アニメの戦闘のようなスピード感あふれる演出となっている。 -プレイヤーが戦闘に介入できるようになった --前作までは戦闘開始後はただみているだけだったが、今作ではタイミングよくボタンを押すことで敵の光線技を回避したり、弾き飛ばすことができる。 -トランクスが操作可能になった --前作ではイベント時のみの参加で自動操作キャラだったのだが、本作ではメインのプレイヤーキャラの一人として操作可能になった。 -味方キャラのバランスはそこそこよい。 --悟空は通常技・必殺技共に強く体力も高い。しかし同じカードを使用する技が多く揃えにくい。唯一全体攻撃技がない代わりに相手の動きを封じる「たいようけん」がある。 --悟飯は通常技も必殺技も弱いが、最終的に体力は最も高くなる。また3枚技の種類が多いためどれかはそろえられることが多い。5枚技はそこそこ強い。((外伝とはいえセルゲーム後っぽい設定の舞台のわりに悟飯の攻撃力が低いのは違和感があるが…)) --ピッコロは通常技がそこそこで2・3枚技が威力が高めで使いやすいが、4・5枚技の威力が低い。 --トランクスは通常技が弱いが、3枚技の「バーニングアタック」がそろえやすいうえに非常に強力。5枚技の威力も高め。 --ベジータは原作の立ち位置を考慮してか''操作不能''。そのぶん、通常技が悟空と同等、必殺技も一番多く性能は非常によい。 //「”ひっさつわざ”カードで出る威力/カード枚数」で最大264ダメージの技が他4人は存在する(スーパーかめはめは、まげきほう、バーニングアタック、ビッグバンアタック、ファイナルフラッシュ)が悟飯にはないため通常攻撃も必殺技も最弱。悟飯の最強技かつ5枚技でも228ダメージで、この威力は悟空の”きあいほう”やベジータの”ギャリック砲”と大差ないため威力はそこそこといえるだろう。ちなみにトランクス5枚技は238。 -必殺技の出し方(アレンジメント)を見つけ出す過程が楽しい((カード流派の組み合わせのことを「アレンジメント」、組み合わせによって出た技を「必殺技」と呼ぶ。)) --当時は当然インターネットなど普及していない時代であったためソフトを持っている子どもたち同士での情報交換が盛んにおこなわれた。 --一度覚えた必殺技はアレンジメントとして記録され、いつでも確認できる。また、「ひっさつわざ」カードで使用できるようになる。 --サブイベントや修業をクリアすることで、必殺技を直接覚えたり、出し方のヒントがもらえる。 ---敵のアレンジメントや悟空のかめはめ波は悟飯も同じアレンジメントで出せるなど、他人を参考にできる技もある。 ---完全ノーヒントの技もあり、それらは自力でみつけるしかないが、覚えられなくてもクリアに支障はない。 --ラスボスには必殺技しか通用しないので、各キャラ最強の必殺技を使用できるようにしておくのは半ば必須といえる。 ---ピッコロ・ベジータの最強必殺技は修業の過程で覚えられる。悟飯はとあるキャラがヒントをくれる。他の二人も、このヒントを参考にすれば覚えることができる。 //アレンジメイトという単語はゲーム中にも説明書にも出てこないので修正 -アイテム(過去作でいう「お助けカード」)が復活した。 --これまでは名称がキャラクターの名前になっており、初見では効果がわかりにくいという問題があったが、本作では「ちょっとかいふく」「みんなかいふく」など効果が非常にわかりやすくなっている。 --主な入手法は敵からのドロップや修行、カードのハプニングマークの効果(ランダム入手orアイテム交換)。そのほかには上記にある通りヤムチャがくれる。 --更に本作では自身のカード手札の星が1から7までが揃うとアイテム「シェンロン」を手に入れられるという仕様がある(漢字まで同じだと「ポルンガ」になる)。このアイテムの効果は「好きなアイテムを2つ(ポルンガなら3つ)もらえる」というもの。この仕様により、ほぼランダム入手だった「[[激神フリーザ>ドラゴンボールZII 激神フリーザ!!]]」と違ってある程度自由にアイテムを構成することができる。 -「天下一武道会モード」が復活した。今回はパスワードではなく、本編セーブデータに記録されているキャラを出場させる事ができる。 --出場キャラの一覧とその優勝回数を閲覧できる。 ---しかし出場キャラ一覧に本編の敵キャラの名前も載っている為、本編の展開のネタばらしにもなっている。 ---なお同一覧に''ミスターサタンの名前も載っているが、対戦前に腹痛をおこしたといって逃げ出すため不戦敗となる''。 --本作でも当然のごとくゲーム終盤のボスやラスボスが出場してくる。今作ではお助けカードを使用することができないためこれらの相手に勝つことは非常に難しい。 ---さらにラスボスにはのちにあるような問題点が存在するので勝つにはかなりの運と反射神経が必要になる。 --唯一ベジータをマニュアル操作できるモードでもある。 -「隠し要素・寄り道要素」が豊富。条件を満たさないとみることができないイベントや、隠しボスも存在している。 --舞台が地球から宇宙へと移行した後にも地球上にいくつかの隠しイベントのフラグが立ち、それらのイベントをこなすことでキャラのHPが更にアップしたりする。 --なかにはなにかありげだけどなにもない場所にイベントが仕込まれていたり、ラスボス戦闘前ギリギリにフラグが立つイベントなどもありすみずみまで調べないとすべての要素を見ることができない。 --更にラスボス戦で一定の条件を満たすと… **賛否両論点 -ギャグ寄りのシナリオ展開 --初期のDBらしいとも言えるが、子どもだましな展開やしょうもない展開が多い。 ---ピッコロに''サタンを超えるバカ''と評される敵キャラ、カワーズ。こいつに絡まれたせいでピッコロさんがギャグキャラと化してしまった。まあ原作ブウ編でもそうなるのだが…。 ---トランクスがわざわざ未来から来た理由が、''なんだか嫌な予感がしたから''。 ---ピラフの変装したデンデに誰も気づかずに神龍を呼び出し、ピラフに願いをかなえられてしまう。 --事実上の超人達であるサイヤ人絶滅計画なのに、敵側の計画手段が毒ガスはまだしも洪水や嵐など本当にサイヤ人を相手にしようとしてるのか怪しい行動が多い。 -本作のゲームバランス --本作ではレベルや経験値といったシステムが廃止されてしまっているため、運要素以外で戦局を大きく左右する要素はアレンジメントの習得とアイテムの2つになる。 --カードバトルシステムはもともと賭博性の高いシステムであり本作も例外ではないが、アレンジメントカードバトルを採用したことから「次のキャラのために自キャラはどのカードを切ってどのカードを残すべきか」というポーカーのような戦術性があり、好きな人にはそこそこに中毒性の高いシステムになっている。 --アイテムは上記のようにある程度自由にアイテムを構成できるため序盤から意識して収集していけば終盤戦をスムーズに攻略できるようになる。 --反面「全体攻撃・必殺で雑魚敵を瞬時に一掃」「元気玉を撃っておけばすべての敵が地平の彼方へ吹っ飛ぶ」というようなパワープレイは不可能に。 --戦闘1回ごとに時間がかかってしまう要因にもなっており、また例えば悟空の最強必殺技を撃っても雑魚を倒せないこともあるなど従来作のような爽快感は薄いものとなってしまっている。ボス戦や天下一武道会であればそれなりに緊張感があるが、雑魚敵ではただわずらわしいと感じてしまいやすい。 --レベル上げよりお助けカードの収集が重要という点では『[[強襲サイヤ人>ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人]]』に近い調整と言える((強襲もパワープレイは可能ではあるがお助けカード収集の何倍もプレイ時間が嵩んでしまう))。 **問題点 ''シナリオ面'' -復活したフリーザ達の撃破方法が不明 --倒しても復活してくるフリーザ達をどうすればいいのか困っていると界王様から連絡があり、「そいつらはゴースト戦士、つまり幽霊なんじゃよ」と話が来るのだが、それに対し悟空が「わかった!皆、こいつらはゴースト戦士だ!」と返事をする。…まではともかく、その後特に何の説明もなく戦闘が再開され、普通に倒すだけで復活することなく倒せてしまう。''なぜそれで今度は倒せるのかがさっぱりわからない''。 ---恐らくは「相手が幽霊だと判明したから、幽霊用の戦い方を行った」のだろうとは思うが、''画面を見てる限りでは「いや、だからどうしたの?」''としか思えない((OVAでも全く同じ展開。さすがに不自然すぎたのかリメイク版では無理のない展開に変更されている。))。 -全体的にお使いゲー --目標地点と町を往復するだけのイベントも多く、特に宇宙に出てからが顕著。 -クウラ・スラッグ・ターレスはセリフらしいセリフが殆ど無く、原作に因んだネタも出てこない。技もゲームオリジナルのもの。 --また「サル野郎のサイヤ人に復讐だ!」とのたまっているが、''ターレスもサイヤ人じゃなかったっけ''((OVAでは「サイヤ人に殺されたサイヤ人」故に悟空達への恨みが深いという台詞があるため、こちらもフォローにはなっている。))? ''システム面'' -回復所やイベントマスに入った際にも戦闘判定が行われるようになった --この所為で戦闘後に再度入り直しをしなければならず、面倒に感じる事が多い。しかも一度入っただけでは全回復できないこともある。 ---敵に出会う危険を冒して回復所に向かうよりは、エリアから脱出して自宅で完全回復したほうが安全確実だったりする。 -雑魚戦をする意味がほぼない --HPとカード選択枚数以外の成長要素がなく、それら成長もイベントによる増加のみである為、雑魚戦はカードの組み合わせによる技探しくらいしか行う意味がない。 ---お使いゲーな事もあって、意味のない戦闘が余計煩わしく感じてしまう。これにより「逃げゲー」「テレポートゲー」になってしまう。 ---中盤以降は前述のフリーザやクウラ達も雑魚敵として現れる。HPもこれまでの敵と比べて高く使ってくるカード枚数も多いため戦闘にかかる時間も増える。 ---いちおう、敵を全滅させるとお助けカードが入手でき、手持ちのカード枚数を増やせる。いらないカードも移動中のイベントで交換できるので、手持ちの枚数が多くなればなるほど有利。ラスボス戦ではこれまでの稼ぎが勝負を分ける。 -ベジータの使い勝手 --前作『[[烈戦人造人間>ドラゴンボールZIII 烈戦人造人間]]』でもパーティを組んでる際には自動操作だったのは同じだが、前作ではベジータ一人のパートがあったため、そこで自由な操作が可能だった。本作ではそれもないため、終始自分勝手に動くだけで、一度も自由に操作することができない。 --今作の技の習得システムのせいでデメリットが大きい。普通にプレイしていては必殺技をそろえるのはまず無理。 ---特に彼の技の代名詞の一つ「ビッグバンアタック」の習得の難しさはもはや語り草である。オートで選ばれるカードの順番には規則性があるため普通にプレイしていてはまずそろえられない。アレンジメントもノーヒントなうえにかなり独特で他のキャラのアレンジメントが参考にならない。 ---天下一武道会では操作可能だが天下一武道会で習得したアレンジメントはもちろん本編には登録されない。 --いちおう、全キャラで唯一全体攻撃を複数持ってたり、能力も高めと自由に操作できない分の優遇はされている。 ---たとえば「ばくはつは」「れんぞくエネルギーは」は他のキャラではそれぞれ3枚、4枚のカードを要するのに対し彼は2枚で発動することが出来る。 //↑”ばくはつは”敵キャラのアレンジメントから「瞬気爆」がデフォと考えられるため前バージョンの記述は正しい。 ---巻物の修行を行えばカードを3枚以上使う技のいくらかは習得できる。オート戦闘では一度習得した技は優先的に組み合わせてくれるため、巻物の修行さえこなせていればそれなりに活躍してくれる。 -戦闘の不便な点 --2~3枚の組み合わせはともかく、4~5枚の組み合わせの必殺技はカードをそろえる手間のせいでなかなか出しにくい。 ---特にピッコロのカード5枚技は2つあるにもかかわらずどちらも威力はかなり低い((その代わりなのか2枚技の「まげきほう」が非常に強く、カード1枚当たりの威力は「スーパーかめはめは」「ファイナルフラッシュ」等と同じ。))。 ---終盤は一人につき7枚全てのカードを使用するため、次の自分のターンのためにカードを残しておいても''オートのベジータに全部使われてしまう''。 --''「蹴」のカードはベジータしか技に必要としない''ため、基本的に邪魔なマークになってしまっている。 //---彼のためにそのカードを残しておいても彼はオートなので必殺技を使ってくれるかどうか怪しい。 --せっかくのスピーディな戦闘デモなのに「気」「爆」のカードは攻撃の際に毎回タメの動作が入るため非常にテンポが悪くなる((一応「気」のカードは他のカードより威力が高く設定されている))。 -ラスボス戦の難点 --ラスボスは必殺技でしかダメージを与えられないため、実質「必ず必殺技を出せるアイテム」の物量戦となる。 ---当然ながらラスボス戦でもベジータはオート操作なので、ほぼ役立たず。 ---「光」カードで出せる単発の気功波もダメージは通るが雀の涙。 **総評 戦闘演出はFCのカードバトルの集大成といえるできで、カードの組み合わせ次第で小技なら必殺技もバンバン使っていけるようになった。~ 一方で大技は非常に出しづらく、雑魚戦の無意味さやお使いシナリオもあってストレスのたまる要素も多い。~ 進化した面もある一方で、どうにも惜しい一作となってしまった。 ---- **余談 -後に本作のOVAのリメイク版が『ドラゴンボール RAGING BLAST 2』に収録された。 -本作のフルアニメバージョンがバンダイの「プレイディア((1994年9月に発売されたバンダイいわく「CD-ROMムービープレイヤー」だが、形式的にゲーム機として分類される(強いて言えば「てれびっこ(1988)」の後継機)。発売時期は「3DO」は既に発売後(同年3月発売)、11月には「セガサターン」12月に「プレイステーション」も発売される32bit時代にもかかわらず8bit機のためゲーム機としての性能は貧弱なものだった。但し、動画再生能力は同年発売の32bit機を上回る性能を持っていた。))」のソフトにもなっている。 --こちらはゲームといえばゲームだが、選択クイズのような趣が強い。
*ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画 【どらごんぼーるぜっとがいでん さいやじんぜつめつけいかく】 |ジャンル|RPG|&amazon(B0000645PC)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|トーセ (プログラム、サウンド)&br()D&D (デザイン等)|~| |発売日|1993年8月6日|~| |定価|7,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|カードを揃えて必殺技を放つ&br()お助けカード(アイテム)の復活&br()揃えろベジータ&br()逃げゲー,リセゲー,テレポートゲー|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンボールゲームリンク>ドラゴンボールシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere=true) ---- **概要 人気TVアニメ『ドラゴンボールZ』を原作としたRPGの第4作([[SFC版>ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説]]を入れると第5作)。~ ただしストーリーは完全オリジナルであり、『ドラゴンボールZ』史上唯一のOVAと連動したソフトでもある((無印版では知育アニメが存在した。))。 **特徴 -物語の時期は、ピッコロがミスターサタンを知っていることから、セル編の後と思われる。 --パーティに加わるキャラは、悟空・悟飯・ピッコロ・ベジータ・未来トランクスの5人。 --悟空が生存しているのが矛盾点だが、死亡しているはずのキャラが生きて活躍するのは劇場版ではよくあることである。 -敵の黒幕やザコキャラはオリジナルだが、中ボスとしてフリーザ・クウラ・スラッグ・ターレスも登場する。 --フリーザ・クウラの兄弟が同時に登場するという、当時としては貴重な作品でもある。 ---とはいってもゲーム中では兄弟の会話はない。OVAではいちおう会話している。 --スラッグとターレスは、本作がゲーム初出演である。また本作でターレスが使用する技には「キルドライバー」と名前が付いており、後の格闘ゲームシリーズにも引き継がれている。 -本作では必殺技は最初からは使えない。戦闘中に一定の順番でバトルカードを使用する事により技を発する事ができる「アレンジメント・カードバトル」というシステムが導入されている。 --MPにあたるものはなく、カードの順番をそろえれば何度でも技はうてる。 -経験値やレベルは存在しない。 --最大HPはイベントをクリアすると増える。 **評価点 ''シナリオ面'' -一つのゲームとしてまとまったシナリオ --今まで原作を追いかける形でどうにも中途半端になってしまっていたシナリオだが、オリジナルストーリーにした事で一つのゲームとしてまとまっている。 -復活した敵との戦闘 --前述のとおり、ボスクラスの敵が復活して襲いかかってくるのはやはり燃える展開。 ---後述のとおり、せっかく復活した敵の扱いがわるいのが残念ではあるが。 -地球人キャラは仲間にこそならないものの、いろいろと手助けしてくれる --シナリオで助言をくれたり、お助けカードとして役立ってくれる。特にヤムチャはランダムで町に現れてお助けカードをくれるありがたい存在。 ''システム面'' -戦闘演出は前作に引き続きできがよい --使用カードにあわせて敵の前後に瞬間移動、投げた相手にやはり瞬間移動で追いつき攻撃を加えたりと、アニメの戦闘のようなスピード感あふれる演出となっている。 -プレイヤーが戦闘に介入できるようになった --前作までは戦闘開始後はただみているだけだったが、今作ではタイミングよくボタンを押すことで敵の光線技を回避したり、弾き飛ばすことができる。 -トランクスが操作可能になった --前作ではイベント時のみの参加で自動操作キャラだったのだが、本作ではメインのプレイヤーキャラの一人として操作可能になった。 -味方キャラのバランスはそこそこよい。 --悟空は通常技・必殺技共に強く体力も高い。しかし同じカードを使用する技が多く揃えにくい。唯一全体攻撃技がない代わりに相手の動きを封じる「たいようけん」がある。 --悟飯は通常技も必殺技も弱いが、最終的に体力は最も高くなる。また3枚技の種類が多いためどれかはそろえられることが多い。5枚技はそこそこ強い。((外伝とはいえセルゲーム後っぽい設定の舞台のわりに悟飯の攻撃力が低いのは違和感があるが…)) --ピッコロは通常技がそこそこで2・3枚技が威力が高めで使いやすいが、4・5枚技の威力が低い。 --トランクスは通常技が弱いが、3枚技の「バーニングアタック」がそろえやすいうえに非常に強力。5枚技の威力も高め。 --ベジータは原作の立ち位置を考慮してか''操作不能''。そのぶん、通常技が悟空と同等、必殺技も一番多く性能は非常によい。 //「”ひっさつわざ”カードで出る威力/カード枚数」で最大264ダメージの技が他4人は存在する(スーパーかめはめは、まげきほう、バーニングアタック、ビッグバンアタック、ファイナルフラッシュ)が悟飯にはないため通常攻撃も必殺技も最弱。悟飯の最強技かつ5枚技でも228ダメージで、この威力は悟空の”きあいほう”やベジータの”ギャリック砲”と大差ないため威力はそこそこといえるだろう。ちなみにトランクス5枚技は238。 -必殺技の出し方(アレンジメント)を見つけ出す過程が楽しい((カード流派の組み合わせのことを「アレンジメント」、組み合わせによって出た技を「必殺技」と呼ぶ。)) --当時は当然インターネットなど普及していない時代であったためソフトを持っている子どもたち同士での情報交換が盛んにおこなわれた。 --一度覚えた必殺技はアレンジメントとして記録され、いつでも確認できる。また、「ひっさつわざ」カードで使用できるようになる。 --サブイベントや修業をクリアすることで、必殺技を直接覚えたり、出し方のヒントがもらえる。 ---敵のアレンジメントや悟空のかめはめ波は悟飯も同じアレンジメントで出せるなど、他人を参考にできる技もある。 ---完全ノーヒントの技もあり、それらは自力でみつけるしかないが、覚えられなくてもクリアに支障はない。 --ラスボスには必殺技しか通用しないので、各キャラ最強の必殺技を使用できるようにしておくのは半ば必須といえる。 ---ピッコロ・ベジータの最強必殺技は修業の過程で覚えられる。悟飯はとあるキャラがヒントをくれる。他の二人も、このヒントを参考にすれば覚えることができる。 //アレンジメイトという単語はゲーム中にも説明書にも出てこないので修正 -アイテム(過去作でいう「お助けカード」)が復活した。 --これまでは名称がキャラクターの名前になっており、初見では効果がわかりにくいという問題があったが、本作では「ちょっとかいふく」「みんなかいふく」など効果が非常にわかりやすくなっている。 --主な入手法は敵からのドロップや修行、カードのハプニングマークの効果(ランダム入手orアイテム交換)。そのほかには上記にある通りヤムチャがくれる。 --更に本作では自身のカード手札の星が1から7までが揃うとアイテム「シェンロン」を手に入れられるという仕様がある(漢字まで同じだと「ポルンガ」になる)。このアイテムの効果は「好きなアイテムを2つ(ポルンガなら3つ)もらえる」というもの。この仕様により、ほぼランダム入手だった「[[激神フリーザ>ドラゴンボールZII 激神フリーザ!!]]」と違ってある程度自由にアイテムを構成することができる。 -「天下一武道会モード」が復活した。今回はパスワードではなく、本編セーブデータに記録されているキャラを出場させる事ができる。 --出場キャラの一覧とその優勝回数を閲覧できる。 ---しかし出場キャラ一覧に本編の敵キャラの名前も載っている為、本編の展開のネタばらしにもなっている。 ---なお同一覧に''ミスターサタンの名前も載っているが、対戦前に腹痛をおこしたといって逃げ出すため不戦敗となる''。 --本作でも当然のごとくゲーム終盤のボスやラスボスが出場してくる。今作ではお助けカードを使用することができないためこれらの相手に勝つことは非常に難しい。 ---さらにラスボスにはのちにあるような問題点が存在するので勝つにはかなりの運と反射神経が必要になる。 --唯一ベジータをマニュアル操作できるモードでもある。 -「隠し要素・寄り道要素」が豊富。条件を満たさないとみることができないイベントや、隠しボスも存在している。 --舞台が地球から宇宙へと移行した後にも地球上にいくつかの隠しイベントのフラグが立ち、それらのイベントをこなすことでキャラのHPが更にアップしたりする。 --なかにはなにかありげだけどなにもない場所にイベントが仕込まれていたり、ラスボス戦闘前ギリギリにフラグが立つイベントなどもありすみずみまで調べないとすべての要素を見ることができない。 --更にラスボス戦で一定の条件を満たすと… **賛否両論点 -ギャグ寄りのシナリオ展開 --初期のDBらしいとも言えるが、子どもだましな展開やしょうもない展開が多い。 ---ピッコロに''サタンを超えるバカ''と評される敵キャラ、カワーズ。こいつに絡まれたせいでピッコロさんがギャグキャラと化してしまった。まあ原作ブウ編でもそうなるのだが…。 ---トランクスがわざわざ未来から来た理由が、''なんだか嫌な予感がしたから''。 ---ピラフの変装したデンデに誰も気づかずに神龍を呼び出し、ピラフに願いをかなえられてしまう。 --事実上の超人達であるサイヤ人絶滅計画なのに、敵側の計画手段が毒ガスはまだしも洪水や嵐など本当にサイヤ人を相手にしようとしてるのか怪しい行動が多い。 -本作のゲームバランス --本作ではレベルや経験値といったシステムが廃止されてしまっているため、運要素以外で戦局を大きく左右する要素はアレンジメントの習得とアイテムの2つになる。 --カードバトルシステムはもともと賭博性の高いシステムであり本作も例外ではないが、アレンジメントカードバトルを採用したことから「次のキャラのために自キャラはどのカードを切ってどのカードを残すべきか」というポーカーのような戦術性があり、好きな人にはそこそこに中毒性の高いシステムになっている。 --アイテムは上記のようにある程度自由にアイテムを構成できるため序盤から意識して収集していけば終盤戦をスムーズに攻略できるようになる。 --反面「全体攻撃・必殺で雑魚敵を瞬時に一掃」「元気玉を撃っておけばすべての敵が地平の彼方へ吹っ飛ぶ」というようなパワープレイは不可能に。 --戦闘1回ごとに時間がかかってしまう要因にもなっており、また例えば悟空の最強必殺技を撃っても雑魚を倒せないこともあるなど従来作のような爽快感は薄いものとなってしまっている。ボス戦や天下一武道会であればそれなりに緊張感があるが、雑魚敵ではただわずらわしいと感じてしまいやすい。 --レベル上げよりお助けカードの収集が重要という点では『[[強襲サイヤ人>ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人]]』に近い調整と言える((強襲もパワープレイは可能ではあるがお助けカード収集の何倍もプレイ時間が嵩んでしまう))。 **問題点 ''シナリオ面'' -復活したフリーザ達の撃破方法が不明 --倒しても復活してくるフリーザ達をどうすればいいのか困っていると界王様から連絡があり、「そいつらはゴースト戦士、つまり幽霊なんじゃよ」と話が来るのだが、それに対し悟空が「わかった!皆、こいつらはゴースト戦士だ!」と返事をする。…まではともかく、その後特に何の説明もなく戦闘が再開され、普通に倒すだけで復活することなく倒せてしまう。''なぜそれで今度は倒せるのかがさっぱりわからない''。 ---恐らくは「相手が幽霊だと判明したから、幽霊用の戦い方を行った」のだろうとは思うが、''画面を見てる限りでは「いや、だからどうしたの?」''としか思えない((OVAでも全く同じ展開。さすがに不自然すぎたのかリメイク版では無理のない展開に変更されている。))。 -全体的にお使いゲー --目標地点と町を往復するだけのイベントも多く、特に宇宙に出てからが顕著。 -クウラ・スラッグ・ターレスはセリフらしいセリフが殆ど無く、原作に因んだネタも出てこない。技もゲームオリジナルのもの。 --また「サル野郎のサイヤ人に復讐だ!」とのたまっているが、''ターレスもサイヤ人じゃなかったっけ''((OVAでは「サイヤ人に殺されたサイヤ人」故に悟空達への恨みが深いという台詞があるため、こちらもフォローにはなっている。))? ''システム面'' -回復所やイベントマスに入った際にも戦闘判定が行われるようになった --この所為で戦闘後に再度入り直しをしなければならず、面倒に感じる事が多い。しかも一度入っただけでは全回復できないこともある。 ---敵に出会う危険を冒して回復所に向かうよりは、エリアから脱出して自宅で完全回復したほうが安全確実だったりする。 -雑魚戦をする意味がほぼない --HPとカード選択枚数以外の成長要素がなく、それら成長もイベントによる増加のみである為、雑魚戦はカードの組み合わせによる技探しくらいしか行う意味がない。 ---お使いゲーな事もあって、意味のない戦闘が余計煩わしく感じてしまう。これにより「逃げゲー」「テレポートゲー」になってしまう。 ---中盤以降は前述のフリーザやクウラ達も雑魚敵として現れる。HPもこれまでの敵と比べて高く使ってくるカード枚数も多いため戦闘にかかる時間も増える。 ---いちおう、敵を全滅させるとお助けカードが入手でき、手持ちのカード枚数を増やせる。いらないカードも移動中のイベントで交換できるので、手持ちの枚数が多くなればなるほど有利。ラスボス戦ではこれまでの稼ぎが勝負を分ける。 -ベジータの使い勝手 --前作『[[烈戦人造人間>ドラゴンボールZIII 烈戦人造人間]]』でもパーティを組んでる際には自動操作だったのは同じだが、前作ではベジータ一人のパートがあったため、そこで自由な操作が可能だった。本作ではそれもないため、終始自分勝手に動くだけで、一度も自由に操作することができない。 --今作の技の習得システムのせいでデメリットが大きい。普通にプレイしていては必殺技をそろえるのはまず無理。 ---特に彼の技の代名詞の一つ「ビッグバンアタック」の習得の難しさはもはや語り草である。オートで選ばれるカードの順番には規則性があるため普通にプレイしていてはまずそろえられない。アレンジメントもノーヒントなうえにかなり独特で他のキャラのアレンジメントが参考にならない。 ---天下一武道会では操作可能だが天下一武道会で習得したアレンジメントはもちろん本編には登録されない。 --いちおう、全キャラで唯一全体攻撃を複数持ってたり、能力も高めと自由に操作できない分の優遇はされている。 ---たとえば「ばくはつは」「れんぞくエネルギーは」は他のキャラではそれぞれ3枚、4枚のカードを要するのに対し彼は2枚で発動することが出来る。 //↑”ばくはつは”敵キャラのアレンジメントから「瞬気爆」がデフォと考えられるため前バージョンの記述は正しい。 ---巻物の修行を行えばカードを3枚以上使う技のいくらかは習得できる。オート戦闘では一度習得した技は優先的に組み合わせてくれるため、巻物の修行さえこなせていればそれなりに活躍してくれる。 -戦闘の不便な点 --2~3枚の組み合わせはともかく、4~5枚の組み合わせの必殺技はカードをそろえる手間のせいでなかなか出しにくい。 ---特にピッコロのカード5枚技は2つあるにもかかわらずどちらも威力はかなり低い((その代わりなのか2枚技の「まげきほう」が非常に強く、カード1枚当たりの威力は「スーパーかめはめは」「ファイナルフラッシュ」等と同じ。))。 ---終盤は一人につき7枚全てのカードを使用するため、次の自分のターンのためにカードを残しておいても''オートのベジータに全部使われてしまう''。 --''「蹴」のカードはベジータしか技に必要としない''ため、基本的に邪魔なマークになってしまっている。 //---彼のためにそのカードを残しておいても彼はオートなので必殺技を使ってくれるかどうか怪しい。 --せっかくのスピーディな戦闘デモなのに「気」「爆」のカードは攻撃の際に毎回タメの動作が入るため非常にテンポが悪くなる((一応「気」のカードは他のカードより威力が高く設定されている))。 -ラスボス戦の難点 --ラスボスは必殺技でしかダメージを与えられないため、実質「必ず必殺技を出せるアイテム」の物量戦となる。 ---当然ながらラスボス戦でもベジータはオート操作なので、ほぼ役立たず。 ---「光」カードで出せる単発の気功波もダメージは通るが雀の涙。 **総評 戦闘演出はFCのカードバトルの集大成といえるできで、カードの組み合わせ次第で小技なら必殺技もバンバン使っていけるようになった。~ 一方で大技は非常に出しづらく、雑魚戦の無意味さやお使いシナリオもあってストレスのたまる要素も多い。~ 進化した面もある一方で、どうにも惜しい一作となってしまった。 ---- **余談 -後に本作のOVAのリメイク版が『ドラゴンボール RAGING BLAST 2』に収録された。 -本作のフルアニメバージョンがバンダイの「プレイディア((1994年9月に発売されたバンダイいわく「CD-ROMムービープレイヤー」だが、形式的にゲーム機として分類される(強いて言えば「てれびっこ(1988)」の後継機)。発売時期は「3DO」は既に発売後(同年3月発売)、11月には「セガサターン」12月に「プレイステーション」も発売される32bit時代にもかかわらず8bit機のためゲーム機としての性能は貧弱なものだった。但し、動画再生能力は同年発売の32bit機を上回る性能を持っていた。))」のソフトにもなっている。 --こちらはゲームといえばゲームだが、選択クイズのような趣が強い。

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