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*サモンナイト2 【さもんないとつー】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(http://sce.scene7.com/is/image/playstation/slps03237_jacket?$pkgL$,height=160)&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61wOBvICe8L.jpg,height=160)| |対応機種|プレイステーション&br;ニンテンドーDS|~| |発売元|【PS】バンプレスト&br;【DS】バンダイナムコゲームス|~| |開発元|【PS】フライト・プラン&br;【DS】チャイム|~| |発売日|【PS】2001年8月2日&br;【DS】2008年8月7日|~| |定価|【PS】5,800円&br;【DS】4,800円(全て税別)|~| |レーティング|CERO:全年齢対象※PS one Books&br;CERO:A(全年齢対象)※DS/ゲームアーカイブス|~| |廉価版|PS one Books:2003年11月6日/2,800円(税別)|~| |配信|ゲームアーカイブス:2012年8月29日/600円(税5%込)|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[サモンナイトシリーズリンク>サモンナイトシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -2000年に発売された『[[サモンナイト]]』の続編。我々の暮らす世界から異世界リィンバウムに召喚された前作主人公とは異なり、本作の主人公はリィンバウムで暮らす「蒼の派閥」の召喚師見習い。 -ストーリーの時系列は前作の約1年後で、『4』の約5年前になる。 **ストーリー 遥か遠く、聖王国領辺境の街サイジェントで起きた「無色の派閥の乱」から1年の後。聖王都ゼラムにある「蒼の派閥」の養成施設にて、一人の召喚師が誕生した。 若者に与えられたのは、視察の旅という任務。~ それは、若者を疎む者によって仕組まれた事実上の追放だった。~ 追い立てられるようにして旅立つ若者。~ だがその瞳はうつむくことなく、しっかりと前を見つめていた…。 かくして~ 見習い召喚師の冒険の旅が始まる…~ (PS版のあらすじから抜粋) **特徴 -概要の通り、本作の主人公は召喚師の集団である「蒼の派閥」の召喚師見習い。ゲーム開始前に性別を、最初のバトル前に自分の得意な戦闘分野と召喚術の属性を選択する。 --選んだ召喚術の属性で、主人公のパートナーとなる召喚獣(護衛獣)が決定される。~ この護衛獣も、状態異常無効で物理攻撃・防御力が高い機械兵士、装備は刀だが強力な魔法攻撃を覚える妖狐、槍による間接攻撃が便利な悪魔、移動力が高く相手をマヒさせる特殊能力を覚える亜人、と個性分けされている。シナリオ面でも護衛獣ごとに一部サブシナリオが異なっている。 ---『1』のパートナーのように、主人公毎の排他な組み合わせは存在しない。 -基本的なゲームの流れはおおむね前作と同様。 **前作からの変更・追加点 ***システム面 ''召喚システムの改善'' -前作では魔法攻撃力に極振りした召喚師の広範囲召喚術で相手が半壊するようなバランスだったが、本作ではこの召喚術のシステムに改善が加えられた。 --まず単体のものは高威力、範囲が広いほど低威力またはMP消費が激しい、といった分類分けがされ、各召喚術および通常攻撃とのバランスがとられるようになった。 --さらに召喚術のダメージ上限が基礎威力の3倍に設定されており、どれだけ魔法攻撃力を上げても極端なダメージが出なくなった。そもそも前作では威力自体が表示されていなかったため与えるダメージが予測できなかった。 -前作では主人公しか行えなかった召喚術の作成((前作の時点で召喚師なら誓約の儀式が可能、という設定はあったがゲーム上では反映されていなかった。))が、他の召喚師キャラでも行えるようになった(ただし自分が扱える属性と無属性のみ) --前作では「誓約→即発動」となっていた流れが「誓約→使用可能技確認→発動or送還」といった形になり、「発動するまで何が起こるかわからない」といった問題が解消された。 --誓約の儀式で作成した直後でも召喚魔法発動には別途MPが必要になったため、「サモナイト石を大量に用意して誓約分のMPのみで上級召喚を使い続ける」といった前作の小技が使用できなくなっている。 --ただし誓約の儀式は一族秘伝の技である上、膨大な準備が必要になるという設定面との矛盾が生じてしまった。設定上、ホイホイ誓約の儀式ができるのは前作主人公のみである。 -前作は一つの誓約済みの召喚石に一つの魔法、という仕様だったが、本作では一部の召喚獣に複数の召喚魔法が設定されるようになった。 --例えば「プチデビル」という召喚獣は、前作にもあった「イビルファイア」「エビルスパイク」といった召喚魔法が設定されている。 -無属性以外の召喚魔法にC/B/A/Sの4種類の「ランク」が設定されるようになり、高性能な召喚魔法ほどランクが高い。キャラクターにも属性ごとに使用できるランクが設定されており、クラスチェンジで上がることがある。 --霊属性である「プチデビル」の「イビルファイア」はCランク、「エビルスパイク」はBランクに設定されている。霊属性のランクがB/A/Sに設定されているキャラは両方使えるが、Cに設定されているキャラは「イビルファイア」しか使用できない。 -誓約を行えるキャラがいない属性の誓約を、蒼の派閥または金の派閥の本部でお金と引き換えに代行依頼できるようになった。誓約を行えるキャラが揃う中盤以降は依頼できなくなる。この代行システムはシリーズ通しても本作のみ。 -一部召喚獣に、キャラに憑依させることで一定ターンの間ステータスを変動させる「憑依召喚」が追加された。状態異常とは別枠として扱われる。 --シナリオ上では「外道の術」などと呼ばれ悪用する敵も出て来るが、味方側が使用してもカルマ値((バッドエンドや、一部隠しキャラの加入条件に関わる隠しパラメータ。仲間の戦闘不能や、会話上で主人公らしくない選択をすると増加する。))が上がるなどのデメリットは特にない。 -一部召喚獣の名前に特定の文字列を付けると召喚魔法が強化・弱化するようになった。前述の「プチデビル」は名前に「ミニ」を入れると与えるダメージが減少してしまう。 -新キャラであるメイメイが運営するお店(ショップとは別)で、一度付けた召喚獣の名前を変更できるようになった。改名の度にあるアイテムが必要になる。 -誓約済みの召喚獣と誓約したアクセサリーの組み合わせが自動で記録される召喚辞典が追加された。 -誓約の儀式実行時、すでに誓約を行ったことがある属性はチェックマークがついて分かりやすくなった。 ''ギャラリーモード'' -タイトル画面のメニューに、様々な設定画やイラストなどを確認できるギャラリーが追加された。ギャラリーの内容は特定の誓約の組み合わせや特定の敵を倒すことなどで増やすことができる。 -一度クリアするとギャラリーからサウンドセレクト画面に移行できるようになり、『1』『2』のBGMを好きなだけ堪能できる。 ''無限界廊'' -メイメイのお店から挑戦できるようになる、腕試し用のバトル施設。 -全15階で、それぞれ機・鬼・霊・獣・無属性の敵が登場する。本編をクリアできる程度のレベルだと太刀打ちできないような強敵も現れるが、無限界廊限定の装備品やギャラリーも入手できる。 ''戦闘前セーブの追加'' -戦闘準備画面でセーブすることが可能になり、戦闘のリトライが非常にスムーズになった。~ 数は少ないが、前作では「途中で負けたら最初から」だった連続戦闘や、上記の無限界廊でも役に立つ。 //-ただしうっかりセーブ先を間違えると詰みかねない。 //このゲームに限った事ではない。 ''周回プレイ'' -クリアした状態を保存できるようになり、そのデータを引き継いで最初からプレイできるようになった。 --周回による引継ぎは、入手済み召喚獣各1個と消費アイテム、ギャラリー等。 **評価点 ''質の良いストーリー'' -ストーリーの質はシリーズ内でも特に高く評価されている。 --はぐれ召喚獣となったものの末路や過去から繋がる悲劇など、かわいらしいイラストから想像できないようなブラックなストーリーといった『1』の特徴が強化されている。 ---ブラック一直線というわけではなく救いのある展開も多い。 --序盤から親切に主人公に接してくれているとある新キャラの素性には驚かされたプレイヤーも多いだろう。 --シナリオ終盤の黒の旅団との決着~黒幕との決戦の流れも非常に熱い。 ''エンディングの内容が濃くなった'' -前作ではエンディングを迎えるキャラクターが一言コメントをくれる程度だったが、今作のエンディングは対象のキャラクターと主人公が会話を行った後、専用の一枚絵((隠しキャラクターのルヴァイドとイオスのみ兼用。))とコメントで締める内容になった。 --好感度によって最後の夜会話やエンディングの内容が変化するキャラクターの数も増加。前作では好感度が高い場合でもあっさり気味だった異性間の恋愛要素も、はっきり告白するなど強調されている。 ''前作プレイ者へのファンサービス'' -本作の拠点は前作に登場した蒼の派閥の本部となっているほか、前作の登場人物も数多く登場している。 --前作中盤から登場したミモザ・ギブソンは主人公たちのよき先輩として出番が多い。登場が終盤で出番の少なかったカザミネ・カイナは序盤~中盤に登場し、今作でも仲間に加わる。 --それでいて前作をやっていなくても今作のストーリーを理解する分には問題ない、ちょうどいいさじ加減となっている。 -特定のキャラでエンディングを迎えた上で、タイトル画面であるコマンドを入れることで「番外編」に入ることができる。護衛獣が前作にも登場したモナティになり、主に前作のキャラやミニスとの会話が大幅に変わる。 --さすがにこちらは前作未プレイだと話をつかみづらい。ミニス絡みで『1』の小説版を読んでおかないと分からない内容も増える。 --通常ルートだと終盤に差し掛かるところで突如最終話が始まり、舞台が一時的に前作の舞台だったサイジェントに移り、前作主人公を含む前作キャラが多く仲間に加わる。前作主人公が誰になるかは序盤の会話で決定し、前作パートナーは最終話で決定する。 ---ただし初期出荷版は一部キャラをレベルアップさせるとバグってしまう。PS one Books版やゲームアーカイブス版では修正済み。 --前作で声が無かった主人公は、それぞれの主人公で選べないパートナー((ハヤト→ソル、トウヤ→キール、ナツミ→カシス、アヤ→クラレット))の声優が担当することで声が付いた。しかしナツミは概ね好評だがそれ以外は賛否が分かれる。 --ちなみにカルマルートの分岐が存在する話に入る直前で最終話に入るため、番外編ではカルマエンドを見ることができない。 ''数を増やしたBGM'' -前作の戦闘BGMはシナリオ・フリー合わせほぼ一曲のみで、バノッサ戦・金の派閥戦など一部の戦闘のみ専用BGMがあったが、今作ではシナリオ・フリーバトルで別のBGMが使用され、シナリオ時の戦闘BGMのバリエーションも増加した。 --戦闘の機会が多い黒の旅団戦の「戦いの意志」やラスボスの一つ前のバトルの「英雄の戦い」など、好評なBGMも多い。 **賛否両論点 ''非常に大きいボリュームと選択肢'' -今作は選択肢による分岐や仲間の変化が多い。主人公×護衛獣だけで2×4の8通り、仲間や戦闘の分岐も多数ある。 -話数も計25話とシリーズ中最大で、各話の戦闘回数もかなり多くなっている。そのため全ての分岐を見るにはかなりの時間を要することになる。全ての組み合わせのテキストを読めた人は、はたしているだろうか。 -番外編もディスク入れ替えまでの大まかな流れは通常の本編と大差ない。しかも『1』主人公4人×パートナー3人((『1』のパートナーは実際は4人いるが、上記の通り主人公毎に絶対に選べないキャラが1人いる。))の計12通り。 -この長大なボリュームを、やり込み甲斐があると取るか、網羅するのが面倒と取るかは人それぞれである。 ''主人公のボイスがない'' -前作に続き本作にも主人公の声はない --感情移入の面で主人公には声がないのを望む声もあるが、主人公のキャラ付けがしっかりしている為、一人のキャラとして声をつけて欲しかった声も多い。 ---ちなみに前述の通り本作の番外編で登場する前作の主人公はボイス付で登場する。 //純粋なファンタジーものでも主人公だけ声無しってのが多かった時代ではあるし、しっかりキャラクターがあるタイプでもないほうが良いって人もいる。それと続編の話は続編の記事で。 **問題点 ''主人公名・護衛獣名を呼ぶセリフでボイスが途切れる'' -本作の主人公と護衛獣の名前は任意で変更可能だが、その影響か他のキャラクターが主人公や護衛獣の名前を呼ぶセリフでボイスが途切れてしまう((一例をあげると、「これはアメルさんにマグナ(主人公)さん」というセリフのボイスは「これはアメルさんに…」で終わってしまうため違和感が生じてしまう。))。前作ではボイスが二人称代名詞になるなど、それなりの処置があったのだが…。 -番外編で登場する前作の主人公は名前が固定となっており、名前も(ある一か所を除き)そのままボイス付で呼ばれる。 ''ユニット間のバランスが良くない'' -「特定のユニットが必須」というバランスではないが、一部ユニットの性能差は埋めがたいものがある。一応スキルや召喚クラスで差別化は出来ているのだが。 --不遇気味なのは攻撃タイプが横斬りと打撃のユニット。前作同様どちらも上下射程が1段しかなく、平坦なマップもそこまで多くない。~ 横斬りは同じ高さの斜めマスにいる敵に攻撃すれば横斬り以外のユニットから反撃を受けないという長所があるが、一部ユニットは「反撃されない」というパッシブスキルを持つ。 --ミニスは獣属性の召喚術をランダムで使用する「パニック召喚・獣」というスキルを持つ((発動可能な召喚術はクラスごとに決まっており、一度実行するとキャンセルできない。))が、このスキルには条件を満たせば「本来消費MP80の強力な召喚術を消費20で可能にする」という裏技があり、後半はとんでもない燃費のアタッカーに変貌する。 --戦闘自体も前作から引き続き「遠距離攻撃で少しずつ釣りだして各個撃破」という基本が通用する場面が多く、遠距離攻撃ユニットの使い勝手は非常に良い。 ''バトルで入手できる経験値が少ない'' -フリーバトルでの入手経験値量があまり多くないため、複数のキャラを育成しようとすると時間がかかってしまう。 -今作のユニット召喚獣のレベルは召喚した者のレベルと同じではなく、通常のパーティメンバー同様経験値を割り振らなければならないため、こちらも育成しようとすると尚更。 ''不便な無限界廊'' -前述の通り全15階からなる特殊なダンジョンであるが、1~5階・6~10階・11~15階で区切られていて(それぞれ1巡目、2巡目、3巡目と呼ばれる)、~ 一度に1~5階をクリアしないと6階に、一度に6~10階をクリアしないと11階に到達出来ない。9階で撤退したら6階からやり直しとなる。~ そして一度次の巡目に進むことを選んでしまうと、前の巡目に戻れなくなってしまう。 -特定のユニットがいないと手に入らないアイテムとランダムドロップのアイテムが存在する。~ 三巡目はともかく、二巡目までじゃないと手に入らない装備品や特定ユニット必須のギャラリーアイテムは取り逃す可能性がある。 -10階までは経験値がほとんど入らないようなもので、三巡目に入ると敵のレベルが一気に跳ね上がる。~ 三巡目の敵は最終話の敵よりも軒並み高レベルなうえ、最終話直前ではフリーバトルがこの無限界廊しか選べなくなるので、詰まったときのレベル上げは大変である。 **総評 //前作の特徴はそのままに、CD2枚組となったことでシステム・シナリオ共に大幅にボリュームアップした。~ 前作の特徴はそのままに、荒があったシステムは調整・改善され、以降のシリーズの基礎となった。~ シナリオ面もCD2枚組になったことで大幅にボリュームアップ。長いこと自体は賛否あるが、シナリオの濃さはシリーズ随一である。~ 前作をプレイした人・シリーズに初めて触れる人どちらにもお勧めできる内容と言える。 DS版はキャラクターボイス・ギャラリー・サウンドモードの削除など劣化している部分があるため、これを重く見るならゲームアーカイブス版をプレイした方が良い。 ---- **DS版の追加・変更点 -[[DS『1』>サモンナイト#id_bbaa1bd7]]と大体同じなのでそちらを参照。引き継ぎ要素もDS『1』と同様。 -召喚獣から召喚大賞受賞作の4つの召喚獣と、漫画『召喚戦記サモンナイト』のゲストであるアシュタルが削除。その代わりDS『1』の鬼・霊属性の他にも機・獣属性に新規召喚獣が追加。 -サモナイトペンを使用する召喚コミュニケーションはメイメイのお店で実行できる。 -番外編出現の条件が緩和され、カルマエンド(バッドエンド)以外ならどのキャラでエンディングを迎えても出現するようになった。 -ギャラリーとサウンドモード、召喚獣の名前による一部召喚獣の強化・弱化は削除されている。 -特定のアクセサリー・属性で誓約の儀式を行うとフリーズする、終盤のサブイベントで入手できる強力な限定アクセサリーと中盤のフリーバトルで入手できるアクセサリーの効果が入れ替わっているなどのバグ・ミスが存在する。 -ミニスの「パニック召喚・獣」実行時にキャンセルが可能になった。実行⇔キャンセルの度に発動する召喚術が変わるため、上記の裏技が使えない時期でも強力な召喚術を簡単に使えてしまう。 ---- **余談 -本作はドラマCDが2度発売されている。2002年2月に『界の狭間のゆりかご』が、2004年2月に『あの日のカケラ』が発売された。 --前者は本編終盤の内容。主人公のトリスは木村郁絵氏が担当。『[[6>サモンナイト6 失われた境界たち]]』のトリス役も担当している。 --後者は『[[3>サモンナイト3]]』番外編終了後の内容。主人公のマグナは岸尾だいすけ氏が担当。 -2003年8月に小説『私だけの王子さま』が発売された。内容は本編クリア後~『3』番外編の間の出来事。 -2004年8月に発売された『[[クラフトソード物語2>サモンナイト クラフトソード物語2]]』に本作から主人公・護衛獣・アメル・ネスティがゲストで登場した。 --トリスの声優が浅野真澄氏に変更されている。DS版の予約特典アニメのトリス役も氏が担当している。
*サモンナイト2 【さもんないとつー】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(SummonNight2_PS.jpg,height=160)&image(SummonNight2_DS.jpg,height=160)| |対応機種|プレイステーション&br;ニンテンドーDS|~| |発売元|【PS】バンプレスト&br;【DS】バンダイナムコゲームス|~| |開発元|【PS】フライト・プラン&br;【DS】チャイム|~| |発売日|【PS】2001年8月2日&br;【DS】2008年8月7日|~| |定価|【PS】5,800円&br;【DS】4,800円(全て税別)|~| |レーティング|CERO:全年齢対象※PS one Books&br;CERO:A(全年齢対象)※DS/ゲームアーカイブス|~| |廉価版|PS one Books:2003年11月6日/2,800円(税別)|~| |配信|ゲームアーカイブス:2012年8月29日/600円(税5%込)|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[サモンナイトシリーズリンク>サモンナイトシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -2000年に発売された『[[サモンナイト]]』の続編。我々の暮らす世界から異世界リィンバウムに召喚された前作主人公とは異なり、本作の主人公はリィンバウムで暮らす「蒼の派閥」の召喚師見習い。 -ストーリーの時系列は前作の約1年後で、『4』の約5年前になる。 **ストーリー 遥か遠く、聖王国領辺境の街サイジェントで起きた「無色の派閥の乱」から1年の後。聖王都ゼラムにある「蒼の派閥」の養成施設にて、一人の召喚師が誕生した。 若者に与えられたのは、視察の旅という任務。~ それは、若者を疎む者によって仕組まれた事実上の追放だった。~ 追い立てられるようにして旅立つ若者。~ だがその瞳はうつむくことなく、しっかりと前を見つめていた…。 かくして~ 見習い召喚師の冒険の旅が始まる…~ (PS版のあらすじから抜粋) **特徴 -概要の通り、本作の主人公は召喚師の集団である「蒼の派閥」の召喚師見習い。ゲーム開始前に性別を、最初のバトル前に自分の得意な戦闘分野と召喚術の属性を選択する。 --選んだ召喚術の属性で、主人公のパートナーとなる召喚獣(護衛獣)が決定される。~ この護衛獣も、状態異常無効で物理攻撃・防御力が高い機械兵士、装備は刀だが強力な魔法攻撃を覚える妖狐、槍による間接攻撃が便利な悪魔、移動力が高く相手をマヒさせる特殊能力を覚える亜人、と個性分けされている。シナリオ面でも護衛獣ごとに一部サブシナリオが異なっている。 ---『1』のパートナーのように、主人公毎の排他な組み合わせは存在しない。 -基本的なゲームの流れはおおむね前作と同様。 **前作からの変更・追加点 ***システム面 ''召喚システムの改善'' -前作では魔法攻撃力に極振りした召喚師の広範囲召喚術で相手が半壊するようなバランスだったが、本作ではこの召喚術のシステムに改善が加えられた。 --まず単体のものは高威力、範囲が広いほど低威力またはMP消費が激しい、といった分類分けがされ、各召喚術および通常攻撃とのバランスがとられるようになった。 --さらに召喚術のダメージ上限が基礎威力の3倍に設定されており、どれだけ魔法攻撃力を上げても極端なダメージが出なくなった。そもそも前作では威力自体が表示されていなかったため与えるダメージが予測できなかった。 -前作では主人公しか行えなかった召喚術の作成((前作の時点で召喚師なら誓約の儀式が可能、という設定はあったがゲーム上では反映されていなかった。))が、他の召喚師キャラでも行えるようになった(ただし自分が扱える属性と無属性のみ) --前作では「誓約→即発動」となっていた流れが「誓約→使用可能技確認→発動or送還」といった形になり、「発動するまで何が起こるかわからない」といった問題が解消された。 --誓約の儀式で作成した直後でも召喚魔法発動には別途MPが必要になったため、「サモナイト石を大量に用意して誓約分のMPのみで上級召喚を使い続ける」といった前作の小技が使用できなくなっている。 --ただし誓約の儀式は一族秘伝の技である上、膨大な準備が必要になるという設定面との矛盾が生じてしまった。設定上、ホイホイ誓約の儀式ができるのは前作主人公のみである。 -前作は一つの誓約済みの召喚石に一つの魔法、という仕様だったが、本作では一部の召喚獣に複数の召喚魔法が設定されるようになった。 --例えば「プチデビル」という召喚獣は、前作にもあった「イビルファイア」「エビルスパイク」といった召喚魔法が設定されている。 -無属性以外の召喚魔法にC/B/A/Sの4種類の「ランク」が設定されるようになり、高性能な召喚魔法ほどランクが高い。キャラクターにも属性ごとに使用できるランクが設定されており、クラスチェンジで上がることがある。 --霊属性である「プチデビル」の「イビルファイア」はCランク、「エビルスパイク」はBランクに設定されている。霊属性のランクがB/A/Sに設定されているキャラは両方使えるが、Cに設定されているキャラは「イビルファイア」しか使用できない。 -誓約を行えるキャラがいない属性の誓約を、蒼の派閥または金の派閥の本部でお金と引き換えに代行依頼できるようになった。誓約を行えるキャラが揃う中盤以降は依頼できなくなる。この代行システムはシリーズ通しても本作のみ。 -一部召喚獣に、キャラに憑依させることで一定ターンの間ステータスを変動させる「憑依召喚」が追加された。状態異常とは別枠として扱われる。 --シナリオ上では「外道の術」などと呼ばれ悪用する敵も出て来るが、味方側が使用してもカルマ値((バッドエンドや、一部隠しキャラの加入条件に関わる隠しパラメータ。仲間の戦闘不能や、会話上で主人公らしくない選択をすると増加する。))が上がるなどのデメリットは特にない。 -一部召喚獣の名前に特定の文字列を付けると召喚魔法が強化・弱化するようになった。前述の「プチデビル」は名前に「ミニ」を入れると与えるダメージが減少してしまう。 -新キャラであるメイメイが運営するお店(ショップとは別)で、一度付けた召喚獣の名前を変更できるようになった。改名の度にあるアイテムが必要になる。 -誓約済みの召喚獣と誓約したアクセサリーの組み合わせが自動で記録される召喚辞典が追加された。 -誓約の儀式実行時、すでに誓約を行ったことがある属性はチェックマークがついて分かりやすくなった。 ''ギャラリーモード'' -タイトル画面のメニューに、様々な設定画やイラストなどを確認できるギャラリーが追加された。ギャラリーの内容は特定の誓約の組み合わせや特定の敵を倒すことなどで増やすことができる。 -一度クリアするとギャラリーからサウンドセレクト画面に移行できるようになり、『1』『2』のBGMを好きなだけ堪能できる。 ''無限界廊'' -メイメイのお店から挑戦できるようになる、腕試し用のバトル施設。 -全15階で、それぞれ機・鬼・霊・獣・無属性の敵が登場する。本編をクリアできる程度のレベルだと太刀打ちできないような強敵も現れるが、無限界廊限定の装備品やギャラリーも入手できる。 ''戦闘前セーブの追加'' -戦闘準備画面でセーブすることが可能になり、戦闘のリトライが非常にスムーズになった。~ 数は少ないが、前作では「途中で負けたら最初から」だった連続戦闘や、上記の無限界廊でも役に立つ。 //-ただしうっかりセーブ先を間違えると詰みかねない。 //このゲームに限った事ではない。 ''周回プレイ'' -クリアした状態を保存できるようになり、そのデータを引き継いで最初からプレイできるようになった。 --周回による引継ぎは、入手済み召喚獣各1個と消費アイテム、ギャラリー等。 **評価点 ''質の良いストーリー'' -ストーリーの質はシリーズ内でも特に高く評価されている。 --はぐれ召喚獣となったものの末路や過去から繋がる悲劇など、かわいらしいイラストから想像できないようなブラックなストーリーといった『1』の特徴が強化されている。 ---ブラック一直線というわけではなく救いのある展開も多い。 --序盤から親切に主人公に接してくれているとある新キャラの素性には驚かされたプレイヤーも多いだろう。 --シナリオ終盤の黒の旅団との決着~黒幕との決戦の流れも非常に熱い。 ''エンディングの内容が濃くなった'' -前作ではエンディングを迎えるキャラクターが一言コメントをくれる程度だったが、今作のエンディングは対象のキャラクターと主人公が会話を行った後、専用の一枚絵((隠しキャラクターのルヴァイドとイオスのみ兼用。))とコメントで締める内容になった。 --好感度によって最後の夜会話やエンディングの内容が変化するキャラクターの数も増加。前作では好感度が高い場合でもあっさり気味だった異性間の恋愛要素も、はっきり告白するなど強調されている。 ''前作プレイ者へのファンサービス'' -本作の拠点は前作に登場した蒼の派閥の本部となっているほか、前作の登場人物も数多く登場している。 --前作中盤から登場したミモザ・ギブソンは主人公たちのよき先輩として出番が多い。登場が終盤で出番の少なかったカザミネ・カイナは序盤~中盤に登場し、今作でも仲間に加わる。 --それでいて前作をやっていなくても今作のストーリーを理解する分には問題ない、ちょうどいいさじ加減となっている。 -特定のキャラでエンディングを迎えた上で、タイトル画面であるコマンドを入れることで「番外編」に入ることができる。護衛獣が前作にも登場したモナティになり、主に前作のキャラやミニスとの会話が大幅に変わる。 --さすがにこちらは前作未プレイだと話をつかみづらい。ミニス絡みで『1』の小説版を読んでおかないと分からない内容も増える。 --通常ルートだと終盤に差し掛かるところで突如最終話が始まり、舞台が一時的に前作の舞台だったサイジェントに移り、前作主人公を含む前作キャラが多く仲間に加わる。前作主人公が誰になるかは序盤の会話で決定し、前作パートナーは最終話で決定する。 ---ただし初期出荷版は一部キャラをレベルアップさせるとバグってしまう。PS one Books版やゲームアーカイブス版では修正済み。 --前作で声が無かった主人公は、それぞれの主人公で選べないパートナー((ハヤト→ソル、トウヤ→キール、ナツミ→カシス、アヤ→クラレット))の声優が担当することで声が付いた。しかしナツミは概ね好評だがそれ以外は賛否が分かれる。 --ちなみにカルマルートの分岐が存在する話に入る直前で最終話に入るため、番外編ではカルマエンドを見ることができない。 ''数を増やしたBGM'' -前作の戦闘BGMはシナリオ・フリー合わせほぼ一曲のみで、バノッサ戦・金の派閥戦など一部の戦闘のみ専用BGMがあったが、今作ではシナリオ・フリーバトルで別のBGMが使用され、シナリオ時の戦闘BGMのバリエーションも増加した。 --戦闘の機会が多い黒の旅団戦の「戦いの意志」やラスボスの一つ前のバトルの「英雄の戦い」など、好評なBGMも多い。 **賛否両論点 ''非常に大きいボリュームと選択肢'' -今作は選択肢による分岐や仲間の変化が多い。主人公×護衛獣だけで2×4の8通り、仲間や戦闘の分岐も多数ある。 -話数も計25話とシリーズ中最大で、各話の戦闘回数もかなり多くなっている。そのため全ての分岐を見るにはかなりの時間を要することになる。全ての組み合わせのテキストを読めた人は、はたしているだろうか。 -番外編もディスク入れ替えまでの大まかな流れは通常の本編と大差ない。しかも『1』主人公4人×パートナー3人((『1』のパートナーは実際は4人いるが、上記の通り主人公毎に絶対に選べないキャラが1人いる。))の計12通り。 -この長大なボリュームを、やり込み甲斐があると取るか、網羅するのが面倒と取るかは人それぞれである。 ''主人公のボイスがない'' -前作に続き本作にも主人公の声はない --感情移入の面で主人公には声がないのを望む声もあるが、主人公のキャラ付けがしっかりしている為、一人のキャラとして声をつけて欲しかった声も多い。 ---ちなみに前述の通り本作の番外編で登場する前作の主人公はボイス付で登場する。 //純粋なファンタジーものでも主人公だけ声無しってのが多かった時代ではあるし、しっかりキャラクターがあるタイプでもないほうが良いって人もいる。それと続編の話は続編の記事で。 **問題点 ''主人公名・護衛獣名を呼ぶセリフでボイスが途切れる'' -本作の主人公と護衛獣の名前は任意で変更可能だが、その影響か他のキャラクターが主人公や護衛獣の名前を呼ぶセリフでボイスが途切れてしまう((一例をあげると、「これはアメルさんにマグナ(主人公)さん」というセリフのボイスは「これはアメルさんに…」で終わってしまうため違和感が生じてしまう。))。前作ではボイスが二人称代名詞になるなど、それなりの処置があったのだが…。 -番外編で登場する前作の主人公は名前が固定となっており、名前も(ある一か所を除き)そのままボイス付で呼ばれる。 ''ユニット間のバランスが良くない'' -「特定のユニットが必須」というバランスではないが、一部ユニットの性能差は埋めがたいものがある。一応スキルや召喚クラスで差別化は出来ているのだが。 --不遇気味なのは攻撃タイプが横斬りと打撃のユニット。前作同様どちらも上下射程が1段しかなく、平坦なマップもそこまで多くない。~ 横斬りは同じ高さの斜めマスにいる敵に攻撃すれば横斬り以外のユニットから反撃を受けないという長所があるが、一部ユニットは「反撃されない」というパッシブスキルを持つ。 --ミニスは獣属性の召喚術をランダムで使用する「パニック召喚・獣」というスキルを持つ((発動可能な召喚術はクラスごとに決まっており、一度実行するとキャンセルできない。))が、このスキルには条件を満たせば「本来消費MP80の強力な召喚術を消費20で可能にする」という裏技があり、後半はとんでもない燃費のアタッカーに変貌する。 --戦闘自体も前作から引き続き「遠距離攻撃で少しずつ釣りだして各個撃破」という基本が通用する場面が多く、遠距離攻撃ユニットの使い勝手は非常に良い。 ''バトルで入手できる経験値が少ない'' -フリーバトルでの入手経験値量があまり多くないため、複数のキャラを育成しようとすると時間がかかってしまう。 -今作のユニット召喚獣のレベルは召喚した者のレベルと同じではなく、通常のパーティメンバー同様経験値を割り振らなければならないため、こちらも育成しようとすると尚更。 ''不便な無限界廊'' -前述の通り全15階からなる特殊なダンジョンであるが、1~5階・6~10階・11~15階で区切られていて(それぞれ1巡目、2巡目、3巡目と呼ばれる)、~ 一度に1~5階をクリアしないと6階に、一度に6~10階をクリアしないと11階に到達出来ない。9階で撤退したら6階からやり直しとなる。~ そして一度次の巡目に進むことを選んでしまうと、前の巡目に戻れなくなってしまう。 -特定のユニットがいないと手に入らないアイテムとランダムドロップのアイテムが存在する。~ 三巡目はともかく、二巡目までじゃないと手に入らない装備品や特定ユニット必須のギャラリーアイテムは取り逃す可能性がある。 -10階までは経験値がほとんど入らないようなもので、三巡目に入ると敵のレベルが一気に跳ね上がる。~ 三巡目の敵は最終話の敵よりも軒並み高レベルなうえ、最終話直前ではフリーバトルがこの無限界廊しか選べなくなるので、詰まったときのレベル上げは大変である。 **総評 //前作の特徴はそのままに、CD2枚組となったことでシステム・シナリオ共に大幅にボリュームアップした。~ 前作の特徴はそのままに、荒があったシステムは調整・改善され、以降のシリーズの基礎となった。~ シナリオ面もCD2枚組になったことで大幅にボリュームアップ。長いこと自体は賛否あるが、シナリオの濃さはシリーズ随一である。~ 前作をプレイした人・シリーズに初めて触れる人どちらにもお勧めできる内容と言える。 DS版はキャラクターボイス・ギャラリー・サウンドモードの削除など劣化している部分があるため、これを重く見るならゲームアーカイブス版をプレイした方が良い。 ---- **DS版の追加・変更点 -[[DS『1』>サモンナイト#id_bbaa1bd7]]と大体同じなのでそちらを参照。引き継ぎ要素もDS『1』と同様。 -召喚獣から召喚大賞受賞作の4つの召喚獣と、漫画『召喚戦記サモンナイト』のゲストであるアシュタルが削除。その代わりDS『1』の鬼・霊属性の他にも機・獣属性に新規召喚獣が追加。 -サモナイトペンを使用する召喚コミュニケーションはメイメイのお店で実行できる。 -番外編出現の条件が緩和され、カルマエンド(バッドエンド)以外ならどのキャラでエンディングを迎えても出現するようになった。 -ギャラリーとサウンドモード、召喚獣の名前による一部召喚獣の強化・弱化は削除されている。 -特定のアクセサリー・属性で誓約の儀式を行うとフリーズする、終盤のサブイベントで入手できる強力な限定アクセサリーと中盤のフリーバトルで入手できるアクセサリーの効果が入れ替わっているなどのバグ・ミスが存在する。 -ミニスの「パニック召喚・獣」実行時にキャンセルが可能になった。実行⇔キャンセルの度に発動する召喚術が変わるため、上記の裏技が使えない時期でも強力な召喚術を簡単に使えてしまう。 ---- **余談 -本作はドラマCDが2度発売されている。2002年2月に『界の狭間のゆりかご』が、2004年2月に『あの日のカケラ』が発売された。 --前者は本編終盤の内容。主人公のトリスは木村郁絵氏が担当。『[[6>サモンナイト6 失われた境界たち]]』のトリス役も担当している。 --後者は『[[3>サモンナイト3]]』番外編終了後の内容。主人公のマグナは岸尾だいすけ氏が担当。 -2003年8月に小説『私だけの王子さま』が発売された。内容は本編クリア後~『3』番外編の間の出来事。 -2004年8月に発売された『[[クラフトソード物語2>サモンナイト クラフトソード物語2]]』に本作から主人公・護衛獣・アメル・ネスティがゲストで登場した。 --トリスの声優が浅野真澄氏に変更されている。DS版の予約特典アニメのトリス役も氏が担当している。

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