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*バベルの塔
【ばべるのとう】
|ジャンル|アクションパズル|&image|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売・開発元|ナムコ|~|
|発売日|1986年7月18日|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
**概要
考古学者インディー・ボーグナインを操作し、バベルの塔の頂上にあるとされる伝説の空中庭園を目指す。~
当時のナムコとしては珍しい本格パズルゲーム。「ナムコット ファミリーコンピュータゲームシリーズ」第16弾として発売された。
**システム
-プレイヤーが操る主人公・インディーをフロアごとに存在する出口に辿り着かせると、そのフロアはクリア。
--フロアによっては複数の出口が存在するが、どの出口に辿り着いてもクリアとなり、ステージやエンディングの分岐は存在しない。
--全64フロア突破後に表示されるコマンドをオープニングで入力すると、難易度が上がった裏ステージに挑戦できる。
-インディーが可能なアクションは、移動とL字型のブロックを持ち上げることのみ。ジャンプすら不可能で、自分の身長以上の高さを登ることはできない。
-L字型ブロックは、同じ向きならば階段状に斜め上へと繋げていくことができ、インディーもその上をよじ登っていくことができる。
--よって、このブロックで階段を作って出口へのルートを確保するのが基本的なクリア方法となる。
--『出口の前に何もない』『出口の真下に足場がある(ツタや移動床でも可)』という最低条件がある。
--出口が封印されているフロアが存在し、そのフロアにある水晶玉を全て集めて封印を解かないと出口に入ることができない。
-フロアごとにブロックを持ち上げられる回数は『POWER』という形で表示されており、これが0の時にブロックを持ち上げると力尽きて1ミス。
--『POWER』は一定時間ごとに現れるツボを取ることで回復可能。
-敵に触れる、ブロックに潰される、フロア最下段に必ず存在するトゲに触れる等でも1ミスとなる。
--そのため、敵を回避する・倒す、落ちてくるブロックを避けるといったアクション要素も存在する。
--どれだけの高さから落ちてもミスになることはないが、ブロックを持ったまま落ちると着地と同時にブロックに潰されるため、1ミスになってしまう。
-残機制だが、ゲームオーバーやコンティニューにペナルティはない。
--16フロア以降はパスワードが表示され、途中からプレイすることが可能となるため。
---ただし、『遊びたいフロアを選ぶ』→『そのフロアに対応するパスワードを入力する』という手順のため、適当にパスワードを入力して、偶然出たフロアからプレイするといったことは不可能となっている。
**評価点
-シンプルながら、かなり歯ごたえのある難易度。
--できるアクションは『ブロックの移動』のみという極めてシンプルな操作ながら、それが全てを左右するという奥深い内容となっている。
--基本的に制限時間がなく(フロアによっては手早い作業が必要なこともあるが)スタートボタンを押せばゲームの進行を止めたうえで、画面をスクロールしてフロア全体を観察できるため、長考が気軽にできることもポイント。
--序盤はコツをつかめばサクサク進むものの、中盤に入れば難易度が上がりだし、ブロックの処理や敵の回避に頭をひねらなくてはならないフロアが増えてくる。
---詰まる人はフロア1から詰まる。
---『ブロックの方向転換』という、今後数え切れないほど利用することになる基本中の基本テクニックを学ぶフロアなのだが、これを思いつく時点で一捻り必要になっている。
--裏はそれ以上に難しい。フロア1から表の後半フロアに匹敵する難易度がある。
---前述のツボによるPOWER回復もないため、より慎重にブロックを動かす必要がある。
-表64フロア+裏64フロアの計128フロアというかなりのボリューム。
--同じものは一つとしてない。要求されるテクニックも様々で、敵を利用する必要があるフロアや、直感の閃き、ブロックを動かさずアクション要素のみが要求されるフロアもある。
--複数の出口があってもハズレの出口は存在せず、必ずどの出口にも辿り着けるようになっている。そのため『全ての出口から出る』というやりこみ要素として評価されている。
**問題点
-ゲーム中では一切ノーヒント。全てのフロアに答えがあり、試行錯誤を繰り返せばいずれ出口には辿り着ける。しかし、やはりその難易度から途中で投げ出してしまう人も多かった。
--ノーヒントの煽りを一番受けたのが、8フロアごとに存在する壁画フロア。
---このゲームは全フロアを踏破するだけではクリアにならず、フロア64を突破後に『ビッグパスワード』を入力してようやくクリアとなる。
---ビッグパスワードの答えは、8の倍数フロアに存在する通称『壁画フロア』で特定の操作を行い、出現した壁画を下のフロアから順番に並べたもの。
---このフロアが曲者で、黒い背景にブロックと何のひねりもなく入れる出口があるだけ。眺めていれば流れが見えてくる通常フロアと違い、壁画の出し方は全く見えてこない。ノーヒントのせいで、ただの通過面だと勘違いしていた人もいる。
---一応、当時の攻略本には壁画の出し方のヒントは書かれていた。が、意味不明な文章で全くヒントになっていない。
---例えば、フロア8のヒントは「聖なる騎士は、右目を傷つけた。上方より落つ銀のおの。それはたましいの叫びよ。きつつきの矢のあいずにしたがい、とけいの針は右に回る。」というもの。これで分かれと言う方が無茶な話である。
#region(ちなみに正解は・・・(ネタバレ注意))
正解は、『十字キーの右上を押し続ける』というもの。わかるかコラ。
#endregion
-BGMが極端に少ない。
--タイトルとエンディングを除けば、通常フロア・壁画フロア・フロア開始前・フロアクリア時・ゲームオーバー時にそれぞれ一曲ずつしかない。進行によってBGMが変わったりもしない。
--ただ、一番よく聞くことになる通常フロアのBGMは、耳に残りやすく聞く者が不快にならない明るくポップな曲調であり、曲そのものの評価は高い。
--通常フロアのBGMは、アレンジ版が『太鼓の達人』や『ファミソン8BIT☆アイドルマスター03』に収録されている。
**総評
非常にシンプルな操作性ながら奥が深く、多くのパズルゲーマーを熱中させた傑作。~
難しい操作が一切必要ないことから間口は広く、要求されるのはほぼ試行錯誤と閃きのみのため、『アクションは苦手だが、頭を使うのは好き』という人におすすめできる一作。
**余談
プレイステーション用ソフト『ナムコアンソロジーvol.1』に、本作のアレンジ版が収録されている。~
ほぼ全てのフロアがリニューアルされており、さらにやりこみ要素として『古文書』収集が追加されているなど、『アレンジ』というよりもはや『新作バベルの塔』と言える内容になっている。~
ファミコン版を完全制覇した上級プレイヤーも新鮮な気持ちで難問に挑戦できるため、一度手にしてみてもよいだろう。
*バベルの塔
【ばべるのとう】
|ジャンル|アクションパズル|&image|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売・開発元|ナムコ|~|
|発売日|1986年7月18日|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
**概要
「ナムコット ファミリーコンピュータゲームシリーズ」第16弾として発売された、当時のナムコとしては珍しい本格パズルゲーム。~
考古学者インディー・ボーグナインを操作し、バベルの塔の頂上にあるとされる伝説の空中庭園を目指す。
**システム
-プレイヤーが操る主人公インディーをフロアごとに存在する出口に辿り着かせると、そのフロアはクリア。
--フロアによっては複数の出口が存在するが、どの出口を目指してもよい。ステージやエンディングの分岐は存在しない。
--全128面(通常面64+エクストラステージ64)。フロア64突破後に表示されるコマンドをオープニングで入力すると、高難易度のエクストラステージ「裏バベルの塔」に挑戦できる。
-「運ぶ」もしくは「持ち上げる」が本作のキーワード。インディーが可能なアクションは、移動と目の前のブロックを持ち上げる/降ろすことのみ。ジャンプすら不可能。
--ブロックは全てL字型となっており、同じ向きならば階段状に斜め上へと繋げていくことが可能。よって、このブロックで階段を作って出口へのルートを確保するのが基本的なクリア方法となる。
--出口に関しては『出口の前に何もない』『出口の真下に足場がある(ツタや移動床でも可)』『出口が封印されており、そのフロアにある水晶玉を全て集めないと入れない』といった制限がある。
--前述の通り、インディーはブロックを持ち上げることが可能なのだが、1フロア毎に回数制限が課せられている。
---「POWER」という形で表示されており、これが0の時にブロックを持ち上げると力尽きて1ミス。なお、POWERは時間経過で現れるツボを取ることで回復可能(裏バベルでは不可)。
-残機制&パスワードコンティニュー制。ただし、パスワードが表示されるのはフロア16以降から。
--ミスの条件は「敵に触れる」「ブロックに潰される」「トゲ床を踏む」「POWERが0の時にブロックを持ち上げる」に触れる等。
--どれだけの高さから落ちてもミスになることはない。ただし、ブロックを持ったまま落ちると着地と同時にブロックに潰されてミスになってしまう。
**評価点
***シンプルながら、かなり歯ごたえのある難易度
-できるアクションは「ブロックの移動のみ」という極めてシンプルな操作ながら、それが全てを左右するという奥深い内容となっている。
--基本的に制限時間がなく(フロアによっては手早い作業が必要なこともあるが)スタートボタンを押せばゲームの進行を止めたうえで、画面をスクロールしてフロア全体を観察できるため、長考が気軽にできることもポイント。
-序盤はコツをつかめばサクサク進むものの、中盤からは難易度が上昇。ブロックや敵の処理に頭をひねらなくてはならないフロアが増えてくる。
--裏バベルはフロア1から表の後半フロアに匹敵する難易度。ステージ構成もさることながら、ツボによるPOWER回復が行えないため、より慎重にブロックを動かす必要がある。
-表64フロア+裏64フロアの計128フロアというかなりのボリューム。
--同じものは一つとしてない。要求されるテクニックも様々で、敵を利用する必要があるフロアや、直感の閃き、ブロックを動かさずアクション要素のみが要求されるフロアもある。
--複数の出口があるのだが、到達までの難易度の差こそあれどハズレの出口は存在せず、必ずどの出口にも辿り着けるようになっている。そのため「全ての出口から出る」というやりこみプレイも成立している。
**問題点・賛否両論点
***「ビッグパスワード」関連
このゲームは全フロアを踏破するだけではクリアにならず、フロア64突破後に「ビッグパスワード」を入力してようやくクリアとなる。~
のだが、このビッグパスワードに関する謎解きの難易度が常軌を逸しており、答えを自力で導き出すのは非常に困難。
-ビッグパスワードの答えは、8の倍数フロアに存在する通称「壁画フロア」で特定の操作を行い、出現した壁画を下のフロアから順番に並べたもの。~
この壁画フロアが曲者で、壁画を表示させるには各壁画フロアにてコントローラー入力をしなければならない。そして壁画の出し方はノーヒント。
-一応、当時の攻略本には壁画の出し方のヒントは書かれていた。が、意味不明な文章で全くヒントになっていない。
--例えば、フロア8のヒントは「聖なる騎士は、右目を傷つけた。上方より落つ銀の斧。それは魂の叫びよ。きつつきの矢の合図に従い、時計の針は右に回る」。
#region(ちなみに正解は・・・(ネタバレ注意))
''「十字キーの右上を押し続ける」。''わかるかコラ。
#endregion
***BGMが極端に少ない
-タイトルとエンディングを除けば、通常フロア・壁画フロア・フロア開始前・フロアクリア時・ゲームオーバー時にそれぞれ一曲ずつしかない。進行によってBGMが変わったりもしない。
--ただし、曲そのものの評価は高い。中でも一番よく聞くことになる通常フロアのBGMは、明るくポップな曲調で耳に残りやすい。このBGMは後にアレンジ版が『太鼓の達人』や『ファミソン8BIT☆アイドルマスター03』に収録されている。
**総評
非常にシンプルな操作性ながら奥が深く、多くのパズルゲーマーを熱中させた傑作。~
難しい操作があまり必要ないことから間口は広く、要求されるのはほぼ試行錯誤と閃きのみのため、「アクションは苦手だが、頭を使うのは好き」という人におすすめできる一作。
**移植
-プレイステーション用ソフト『ナムコアンソロジーvol.1』に、本作が収録されている。
--FC版の完全移植だけでなく、システムの微変更及び全フロアをリニューアルしたアレンジ版を収録しており、もはや「新約・バベルの塔」と言っても過言ではない内容になっている。~