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*METROID Other M 【めとろいど あざーえむ】 |ジャンル|アクション|&amazon(B002C1ARJY)| |対応機種|Wii|~| |メディア|12cm光ディスク(片面二層構造) 1枚|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|コーエーテクモゲームス(Team NINJA)|~| |発売日|2010年9月2日|~| |定価|6,800円(税込)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|暴力|~| |判定|なし|~| |ポイント|ムービーゲー&br()アクションゲームとしては及第点&br()シリーズ屈指の異色作&br()|~| |>|>|CENTER:''[[メトロイドシリーズリンク>メトロイドシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -任天堂とコーエーテクモゲームスの開発部署であるTeam NINJAのコラボによる「''最新技術を使ったファミコンゲーム''」をコンセプトに制作されたメトロイド。「プロジェクト M」と題された複数の会社によって開発が行われた。 -時系列は『スーパー』と『フュージョン』の間に当たり、『スーパー』のラスト部分がプロローグとなっている。 -高温多湿なジャングル地帯、雪と氷に覆われた極寒地帯、火山活動が活発な高熱地帯がそれぞれ再現されたスペースコロニー「ボトルシップ」が今作の舞台となっている。 -今までのメトロイドシリーズでは明かされることの無かったサムスの内面にスポットを当てたストーリーとなっている。そのため、シリーズとしては珍しく多くの人間キャラが登場する。 --また、シリーズでは初となる日本語によるフルボイスが搭載されており((ボイスの搭載自体はメトロイドプライム3からあった。ただしボイスは英語のみで、サムスが言葉を発する場面もない。))、シリーズの中で最もストーリーを重視した作品となっている。 ---なお、ボイス・字幕はオプションで日本語・英語の切り替えが可能。 --その為メトロイドシリーズとしても、また任天堂の作品としてもムービーの量が非常に多く、任天堂タイトルでは『[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]』以来の二層ディスク使用ソフトとなった。 **評価点 ***「最新技術を使ったファミコンゲーム」 - ''Wiiリモコン一本のみ''でゲームを進めることができるのが今作の最大の特徴。リモコンを横に持ちボタンで操作をする「''ファミコンスタイル''」と、縦に持ちポインターで操作をする「''サーチングビューモード''」の二通りの持ち方が存在する。 --基本はファミコンスタイルで操作をし、サムスの視点で周りを見渡したいときやミサイル、グラップリングビームを使用する際はサーチングビューモードに持ち替えながら進めていく。 -「最新技術を使ったファミコンゲーム」のコンセプト通り、基本操作は十字ボタンで移動、2ボタンでジャンプ、1ボタンで攻撃と非常にシンプル。 --同じボタンでも状況によってアクションが変わるのが本作の特徴で、簡単操作でスタイリッシュなアクションを楽しむことができる。 以下は状況によって変わるアクションの一部である。 ''センスムーブ'' -敵の攻撃に合わせて十字ボタンの入力、もしくはサーチングビューモードを出入りする事で行える回避行動。大体の攻撃はこれでかわすことができる。 --攻撃をかわす際に1ボタンを押すことで瞬時にフルチャージ状態となり敵への反撃が容易に行える。 --判定はシビアでなく、出すだけなら単純に十字ボタンを軽く連打しているだけでも出せる程度。ただし無敵状態は短いので、何も考えず同じ方向に回避していればいいわけではない。次の行動や避ける攻撃の性質に応じ、最適な方向に転がり込まねばならない。 ''オーバーブラスト'' -敵の上にジャンプし、1ボタンを押すことで行える強力な攻撃。中型敵と一部のボス敵に使用可能。 --1ボタンを押すタイミングはシビアではないが、敵の種類によっては体勢を崩させた時など、一定条件を満たさないと使えない。 ''リーサルストライク'' -倒れている敵に接近して向かい十字ボタン+1ボタンを押すことで行えるトドメの一撃。特定のボス含む敵に使用可能。 --決まれば大抵の敵はこれ一発で仕留められる。対応する敵にはオーバーブラストが使えない種もいる。 ''サーチングビュー'' -Wiiリモコンのポインタを画面に向ける事でサムス視点になり、部屋の周囲を見渡す事ができる。 --敵や対象物をロックオンしてミサイルを発射する事が可能。 --サーチングビュー状態では、基本的に動く事はできない。本作ではミサイルを撃てるのもこの状態のみであるため、敵のスキを見極めてこのモードに切り替えるかを考える必要がある。 --それゆえにミサイル・スーパーミサイルを連射し、切れたらチャージビームに乗り換えというパターンでの戦闘は基本的に封じられた。Wiiリモコンの持ち方を変えるという要素も含め、操作にもメリハリが出来ている。 --コツは少々必要だが、センスムーブも可能。敵の攻撃が近づいたらリモコンを画面外に振ればよい。バイザーのフチが黄色くなったときがその合図。 --じつは着地して静止している状態ではなく、ジャンプ中やモーフボール状態からでも可能である。ボス戦中なら、自動的にボスの方向を向いてくれることも。 オーバーブラストとリーサルストライクは多様な敵の種類に応じた異なるアクションがそれぞれ用意されており、見た目的にも飽きさせない。そのため決めたときには爽快に感じることができる。 特にセクター3のゴヤケード戦で決めると、カメラワークが目まぐるしく非常に迫力がある。必見。 ***その他の特徴 -今作は''敵を倒しても回復アイテムの類が一切登場しない。'' --その代わり、Wiiリモコンを垂直にもつことで行えるコンセントレーションでエネルギーとミサイルの回復が行える。 ---ミサイルの回復はいつでも行えるが、エネルギーの回復はエネルギーの残量が一定以下にならないと行えない。 ---ナビゲーションブース(今までのシリーズにおけるセーブステーション)にたどりつけば、エネルギーとミサイルが全快する。 -また、エネルギーが0になる致命傷を受けても一度だけエネルギーは1の状態で踏みとどまる。そこからさらにもう一発を受けない限りは倒れることがない。 --この場合のエネルギー表示は0と1が点滅した状態になっている。 --この瀕死状態からでも、コンセントレーションが成功すればエネルギーを一定まで回復して持ち直す事ができる。 --即死ポイントもいくつかあったりするが、ゲームオーバーになってもペナルティーは特にない。少し前に戻されるだけ。 -今作のサムスは、最初から一通りのアイテムを全て装備している設定となっている。 --ただし、司令官であるアダム・マルコビッチに従う形で制限が施されているため、当然ながら序盤は殆どのアイテムを封印している。ゲームを進めることで徐々に解禁されていく仕組み。 --アイテム獲得によるスーツの機能アップは「エネルギー・ミサイルの最大値」に加え、新たに「コンセントレーションの回復下限・上限」「チャージ速度の加速」が加わっている。 -ストーリー・演出重視の作風。 --これまであまり明らかにされなかったサムスの過去や内面の心理描写がストーリー中で多く語られる。ムービーも多く取り入れられている(ゲーム中の合計で2時間ほど)。 ***その他評価点 -グラフィックのレベルがWiiソフトの中でも屈指の高さ。 --特に随所に挿入されるプリレンダリングムービーの質が非常に高い。ムービーパートとゲームパートもシームレスに繋がる。 -常に先読みを行なうようになっており、ロード時間で待たされるようなことはほとんどなく快適。 -過去作品に登場した一部のボスの再登場(常連のリドリー以外で)。 --意外なボスと再会できるかもしれない。 **問題点・賛否両論点 -ゲーム自体のボリュームが少ない。 --普通にプレイしてもクリア時間はおおよそ8~10時間程度。マップ自体も他のシリーズと比べると狭いことがボリューム不足に拍車をかけている。%%こういう部分も含めて「ファミコンゲーム」なのだろうか? %% -攻略が一本道で探索要素が大きく減り、ひたすらに単調。 --迷う事が殆ど無いので初心者にも遊びやすいと評価できないこともないが、もともとメトロイドシリーズは探索要素を売りにしていた為、この点は非常に痛い。 -アダムの指令によって使用が制限されている装備を解禁していくという仕様のため、アイテムを入手した時の達成感がない。 --これも今までのシリーズのアイテムを獲得しながら主人公を強化していくというコンセプトと全く異なるため批判されることがある。 --パワーボム以外(プラズマビームとアイスビームは設定上仕方ないとして)は使用を制限する理由の説明が全くされないため、必然性がないのにわざわざ弱い装備でミッションを進めるという不自然な展開になる。挙句の果てに装備を制限しているせいで窮地に陥るシーンや、必要な時に防御機能を解禁してもらえないシーンも存在する。 --プライムシリーズなどの他作品で「外的要因でスーツが故障し、機能も消滅した」というワンパターン展開が続いていた事を思えば、今までと異なる展開に挑戦しマンネリを打破しようとしたという点は評価可能ではある。 -サーチングビューモードの存在について --サーチングビューモード使用時は一切の移動ができないため、若干テンポが悪い。 --特にミサイルは、サーチングビューモードでしか使用出来ないため、これまで以上に戦闘における効率が非常に悪い。 --なお、本作ではビームが有効な場合のほうが圧倒的に多く、ミサイルはそのまま連発するよりも特定の状況でのとどめに使用される事のほうが多い。 --基本はビーム、スキを見てミサイルという戦略性はあるが、いちいち持ち替えをさせられるのが煩雑。ただ、ある方法を用いればチャージが必要なスーパーミサイルを瞬時に撃つ事は可能。 --強制的にサーチングビューモードになるイベントがいくつかあるが、特定の場所を注視しないと先に進むことができない。 ---これがノーヒントであるため場面によっては非常に見つけ難い。そこがゲーム中一番難しい部分とさえ言われることも。 --リモコンの持ち替えという操作がそもそも「最新技術を使ったファミコンゲーム」というコンセプトから矛盾しているため、最初からリモコン+ヌンチャク操作にしていればよかったと指摘する者も多い。 -ストーリー展開 --ストーリーに力を入れた割に、そのストーリー展開が不自然、描写不足な点が目立つ。ゲームの終盤は盛り上がりが欠けるのもマイナス。 --サムスの内面描写についてはそれまでのシリーズでファンの間で培われたイメージからあまりにもギャップがあり、過去作からすると矛盾していると言える描写も存在することに批判が多い。 #region(ネタバレ注意) -ストーリー中盤辺りでシリーズお馴染みの宿敵リドリーが出現するのだが、その際にサムスが幼少時のトラウマを思い出し錯乱する。 --サムスはスーパーメトロイドまでに幾度もリドリーと戦っているはずなのだが、今回でパニック状態に陥ってしまうのは明らかに不自然とも見れる。 -ストーリー中サムスと共に戦っている小隊の中にデリーター(上層部のまわし者で関係者及び目撃者の殺害が目的)が潜んでいることが明らかになる。このデリーターとは一度ある形で戦うことになるが、そのときは決着がつかず持ち越しになる。~ しかしその後再戦することはなくいつの間にか何者かによって殺されているため、プレイヤーにとって拍子抜けとなる。その人物が誰であるかはストーリー上サムスが知ることはない。 --ただし、サムスには明かされないだけで、正体についてプレーヤー側で察することは可能。クリア後のおまけで閲覧できる開発資料を見れば正体がハッキリと分かる。 -リドリーも同様にサムスと決着がつかないまま逃げられてしまい、その後再戦があると思わせるようなイベントがあるにも関わらずいつの間にか殺されてしまっている。 このようにゲーム終盤はプレーヤーが関与できず、いつの間にか終わっていたりムービーシーンで片付けられてしまうことが多く、アクションゲームとしては物足りなさが残る。 #endregion -ヒントが少なすぎる、エネルギー回復手段が少ないなど難易度は比較的高い。 --倒し方の分かりづらいボスが比較的多いのだが、プライムシリーズのスキャンバイザーのようなサーチング機能が何も用意されていないため、攻略情報に頼らざるを得なくなる場面が多い。 --前述の通り敵を倒しても回復アイテムを落とさないため、エネルギーの回復手段が非常に限られる。~ 特にボス戦は相当上手くこなさないと、コンセントレーションを行う余裕は全く見いだせない。 -雰囲気重視の為か、BGMに環境音が多く、シリーズでもひときわ地味な印象を受ける。リドリー戦などごく一部のBGMは高く評価されている。 -初回プレイ時にムービーをスキップすることができない。 -アイテム取得時におなじみのジングルがない。効果音のような短い音が鳴るのみである。 -クリア後、何の理由付けもなく通行止めになってしまうゲートが存在する。 --特に、メインセクターと各セクターを繋ぐエレベーターがある部屋まで行く途中のゲートが封鎖されてしまうのが不便。クリア後にこのエレベーターを利用したい場合は無駄に遠回りをする羽目になる。 -不具合((アイスビーム解禁後、特定の場所まで進めた後に再びアイスビームが解禁された場所に引き返すと特定の場所のゲートが開かなくなる。))がある。 --この件は早期に公式発表されており、上記の症状が発生したセーブデータのコピーが入ったSDカード(またはWii本体)を任天堂に送付することで無償で改善して返却してくれる。([[外部リンク>http://metroid.jp/info/index.html]]) --発生条件の都合上、一本道の攻略を普通に進めているのであれば気付く方が難しい類のバグであることは救いか。 **総評 一本道のゲーム展開でシリーズ最大の売りであった探索要素が薄まっていることや、サムスの内面描写など~ シリーズ作品のコンセプトを悉く否定するかのような作風から、従来のファンからは否定的に見られることが多い((中には、どこぞの3~4作目よろしく本作をメトロイドシリーズの黒歴史としているファンも存在する))。~ 一方アクションゲームとしては操作性は良好で、ロード時間も短く快適であるなど、単体のゲームとして見るなら決して悪い作品ではない。~ 従来のシリーズとは一味異なるアクション寄りの難易度で、ゲームオーバー時のペナルティがあまりなくテンポよく遊べるなど、未経験者にもある程度親切な作品になってはいる。~ 欠点こそ多いが任天堂のゲームとして一定の水準はクリアしている作品、と捉えるべきだろう。 **余談 -ラスト前後の展開が従来とは異なり、特殊な構成となっている。 --詳しくは伏せるが、初見時は確実に面食らうかと。 -シリーズお馴染みの敵リドリーだが本作では意外な事実が明らかに…。 -ハードモード --ゲームをクリアすると、ダメージ1.4倍+タンク類が一切出なくなるハードモードで遊べるようになる。 --つまりは終始エネルギー99、ミサイルも10発しかない。加えて、''致命傷を受けた際の瀕死状態による踏みとどまりがなくなったため、後半になると一撃即死の攻撃も出てくる''など、非常に難易度が高い。 --クリアしても何も解禁されないが、言い換えれば特典解禁のためにやらなくてはならないという事はない。つまりこのモード自体が特典である。 --センスムーブの使い方、サーチングビューやコンセントレーションのタイミング、敵の対処法をマスターしたら、その腕試しに挑戦してみるといいだろう。 -コーエーテクモゲームスの『[[DEAD OR ALIVE Dimensions]]』にはステージ「GEOTHERMAL POWER PLANT」、任天堂の『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』にはステージ「パイロスフィア」がある。双方ともにセクター3の地熱発電所をベースとしたステージになっていて、リドリーも登場する。 -CMでは、「''メトロイド オモロイド''」と最後にサムスが言っている。
*METROID Other M 【めとろいど あざーえむ】 |ジャンル|アクション|&amazon(B002C1ARJY)| |対応機種|Wii|~| |メディア|12cm光ディスク(片面二層構造) 1枚|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|コーエーテクモゲームス(Team NINJA)|~| |発売日|2010年9月2日|~| |定価|6,800円(税込)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|暴力|~| |配信|【WiiU】2016年3月17日/2,700円|~| |判定|なし|~| |ポイント|ムービーゲー&br()歯ごたえのあるアクションゲームとしては及第点&br()シリーズ屈指の異色作|~| |>|>|CENTER:''[[メトロイドシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「''最新技術を使ったファミコンゲーム''」をコンセプトに制作されたメトロイドシリーズのひとつ。~ 「Project M」の名の下、任天堂とコーエーテクモゲームスの開発部署・Team NINJA(代表作は『[[DEAD OR ALIVE>DEAD OR ALIVEシリーズ]]』『[[NINJA GAIDEN>忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ]]』など)を筆頭に複数の会社によって開発が行われた。 シナリオは過去作でキャラクターデザインやディレクターを務めた坂本賀勇。~ 音楽は蓜島邦明が担当。ドラマ『世にも奇妙な物語』を始め数々の作品に携わっており、ゲームでは『[[KOWLOON'S GATE -九龍風水傳-]]』『[[SIREN2]]』などを手掛けている。 **特徴 -時系列は『[[スーパー>スーパーメトロイド]]』と『[[フュージョン>メトロイド フュージョン]]』の間に当たり、『スーパー』のラスト部分がプロローグとして語られる。 -本作は『フュージョン』において回想で語られる「アダム・マルコビッチ」との関わりをテーマに描いた補完的な作品であるとともに、~ 今までのメトロイドシリーズでは明かされることの無かったサムスの内面にスポットを当てたストーリーとなっている。そのため、シリーズとしては珍しく多くの人間キャラが登場する。 --また、シリーズでは初となる日本語によるフルボイスが搭載されており((キャラクターボイス自体は『プライム』シリーズからあったが、ボイスは英語のみで、サムスが台詞を発する場面は一切ない。))、シリーズの中で最もストーリーを重視した作品となっている。 ---なお、オプションでボイス・字幕それぞれを日本語・英語の切り替えが可能。 --その為メトロイドシリーズとしても、また任天堂の作品としてもムービーの量が非常に多く、任天堂タイトルでは『[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]』以来の二層ディスク使用ソフトとなった。 -高温多湿なジャングル地帯、雪と氷に覆われた極寒地帯、火山活動が活発な高熱地帯がそれぞれ再現されたスペースコロニー「ボトルシップ」が今作の舞台となっている。 ---- **評価点 ***「最新技術を使ったファミコンゲーム」 - ''Wiiリモコン一本のみ''でゲームを進めることができるのが今作の最大の特徴。リモコンを横に持ちボタンで操作をする「''ファミコンスタイル''」と、縦に持ちポインターで操作をする「''サーチングビュー''」の二通りの持ち方を使い分ける。 --基本はファミコンスタイルで操作をし、サムスの視点で周りを見渡したいときやミサイル、グラップリングビームを使用する際はサーチングビューに持ち替えながら進めていく。 -「最新技術を使ったファミコンゲーム」のコンセプト通り、基本操作は十字ボタンで移動、2ボタンでジャンプ、1ボタンで攻撃と非常にシンプル。 --同じボタンでも状況によってアクションが変わるのが本作の特徴で、簡単操作でスタイリッシュなアクションを楽しむことができる。 以下は状況によって変わるアクションの一部である。 ''センスムーブ'' -敵の攻撃に合わせて十字ボタンの入力、もしくはサーチングビューを出入りする事で行える回避行動。大体の攻撃はこれでかわすことになる。 --攻撃をかわす際に1ボタンを押すことで瞬時にフルチャージ状態となり敵への反撃が容易に行える。 --判定はシビアでなく、出すだけなら単純に十字ボタンを軽く連打しているだけでも出せる程度。ただし無敵状態は短いので、何も考えず同じ方向に回避していればいいわけではない。次の行動や避ける攻撃の性質に応じ、最適な方向に転がり込まねばならない。 --なお、ムービー開けにセンスムーブを決めないと敵の攻撃を受けたり、突然の奇襲をセンスムーブで避けたりとQTE的な使い方をされる場面も非常に多い。 ''オーバーブラスト'' -敵の上にジャンプで飛び乗り、そこから1ボタンを押すことで、相手に組み付いたままチャージビームを打ち込んで大ダメージを与えられる。中型敵と一部のボス敵に使用可能。 --1ボタンを押すタイミングはシビアではないが、敵の種類によっては体勢を崩させた時など、一定条件を満たさないと使えない。 --ちなみに相手に組み付いてから1ボタンを押さずにしばらく放置すると、体勢を立て直され振り落とされてしまう。相手に銃口を突きつけながら意味もなく反撃される姿はかなりシュール。 ''リーサルストライク'' -怯んだり倒れている敵に接近して向かい十字ボタン+1ボタンを押すことで行えるトドメの一撃。特定のボス含む敵に使用可能。 --こちらも一定条件を満たさなければ発動しないが、ザコ敵に決まれば一発で仕留められ、ボスに対しても大ダメージを与えられる。対応する敵にはオーバーブラストが使えない種もいる。 ''カウンター'' -説明書などに記載はないが、一部の敵の特定の攻撃を受けた直後に特定の操作を行うと、専用のアクションで反撃に転ずることが可能。この場合でも一定のダメージは受けるが、追撃は避けられるため被ダメージを大きく軽減できる。 --代表的なのがゼーベス星人が繰り出すつかみ攻撃で、つかまれた直後に1ボタンを押すと華麗な回し蹴りを放ち、逆に相手を怯ませることができる。これ以外では、モーフボールやチャージビームで反撃できる敵もいる。 ''サーチングビュー'' -Wiiリモコンのポインターを画面に向ける事でサムス視点になり、周囲の空間を見渡す事ができる。また、敵や対象物をロックオンして攻撃やギミックに対応した装備を使用する事が可能。 --サーチングビュー状態では、基本的に動く事はできない。本作ではミサイルを撃てるのもこの状態のみであるため、敵のスキを見極めてこのモードに切り替えるかを考える必要がある。 ---なお、サーチングビュー中はサムス以外の時間の流れが少しだけスローモーションで動くようになる。地味ながら、プレイヤーの操作に配慮した適切な調整と言えるだろう。 --このため「ミサイルを連射し、弾切れ後はビームに切り替え」という2D作品でおなじみだった戦闘スタイルは基本的に封じられた。本作では「ビームを主力に、スキを見てミサイル(または各種新アクション)で攻撃」という『プライム3』のようなスタイルとなる。Wiiリモコンの持ち方を変えるという要素も含め、操作にもメリハリが出来ている。 --コツは少々必要だが、センスムーブも可能。敵の攻撃が近づいたらリモコンを画面外に振ればよい。バイザーのフチが黄色くなったときがその合図。 --実は着地して静止していなくとも、ジャンプ中やモーフボール状態からでも切り替え可能である。ボス戦中なら、自動的にボスの方向を向いてくれるほか、ボスをしばらくロックオンすることで残り耐久力を画面に表示するスキャン機能もある。 --また、本作のスーパーミサイルはミサイルをチャージし5発重ねて放つチャージコンボ仕様となっているが、通常視点のチャージを引き継げる仕様を活用すれば、視点を切り替えて即座に発射することも可能である。 オーバーブラストとリーサルストライク、そしてカウンターは多様な敵の種類に応じた異なるアクションがそれぞれ用意されており、見た目的にも飽きさせず、動作自体もスタイリッシュで爽快感は抜群。~ 特にセクター3のゴヤケード戦でのアクションは、カメラワークが目まぐるしく変わるなど非常に迫力があり、必見である。 ***その他の特徴 -今作は''敵を倒しても回復アイテムの類が一切登場しない。''~ Wiiリモコンを垂直に握る「コンセントレーション」により、エネルギーとミサイルの回復を行うことになる。 --ミサイルの回復はいつでも行えるが、エネルギーの回復はエネルギーの残量が一定以下の状態でないと発生しない。 --エネルギーが0になる致命傷を受けても、一度だけエネルギーは1の状態で踏みとどまる。そこからさらにもう一発を受けない限りは倒れることがない。 ---この場合のエネルギー表示は0と1が点滅した状態になっている。この瀕死状態からでも、コンセントレーションが成功すればエネルギーを一定まで回復して持ち直す事ができる。 -ナビゲーションブース(今までのシリーズにおけるセーブステーション)にたどりつけばエネルギーとミサイルが全快する。 -メトロイドシリーズでは掟破りの初見殺しな即死ポイントもいくつかあったりするが、ゲームオーバーになってもペナルティーは特にない。『プライム3』と同じく、少し前に戻されるだけ。 -今作のサムスは、最初からほぼ全ての特殊能力・機能を全て装備している設定となっている。 --ただし、司令官であるアダムの指示に従う形で制限が施されているため、序盤は殆どの能力を封印している。基本的には該当する装備が有効な場面、あるいは必要になったタイミングで開放されるようになっており、ゲームを進めていく中で徐々に解禁されていく。 --一応、初期では持たない新たな装備アイテムも存在し、ディフュージョンビームとシーカーミサイルの2つが追加されている。 --アイテム獲得によるスーツの機能アップは上記の2つと「エネルギー・ミサイルの最大値増加」に加え、新たに「コンセントレーションでのエネルギー回復量増加」「チャージ時間の短縮」が登場している。 -ストーリー・演出重視の作風。 --これまであまり明らかにされなかったサムスの過去や内面の心理描写がストーリー中で多く語られる。ムービーも多く取り入れられている(ゲーム中の合計で2時間ほど)。 ***その他評価点 -グラフィックのレベルがWiiソフトの中でも屈指の高さ。 --特に随所に挿入されるプリレンダリングムービーの質が非常に高い。ムービーパートとゲームパートもシームレスに繋がる。 --ムービーパートから唐突にゲームパートに切り替わってプレイヤーに操作を要求するQTEに似た場面もあるが、ゲームパートは基本的に「バイザーが発光してサムスの表情が見えない状態」で表現されており、その移り変わりは視覚的に予測・判別ができるようになっている。 ---ゲームパートの進行中にも不意打ち気味に操作を要求される場面が存在し、そうした場面も概ねセンスムーブで対応することになる。前述のように、入力自体は十字ボタンを押すだけとシンプル。 -常に先読みを行なうようになっており、ロード時間で待たされるようなことはほとんどなく快適。 --ゲーム開始時のロード時間は長めなものの、その待ち時間にはゲーム中断時までのあらすじを表示してくれる。 -過去作品をオマージュした要素も多い。 --各アクションは2Dメトロイドのそれであるが、ゲームデザインが3Dとなったことで比較的新鮮な感覚でプレイできる。「スピードブースター」など、3D作品では初めて採用されたという能力もある。 ---ビームをチャージした状態でモーフボールになると周囲にボムをばら撒く「ポップンボム」が発動するなど、小ネタ的なアクションも一部再現されている。 --過去作に登場していたクリーチャーやボスも数多く登場しており、3D作品では初めて対峙する相手も少なくない。中にはかなり意外性のあるチョイスも見られる。 ---シリーズお馴染みの宿敵リドリーも、本作では意外な事実が明らかとなる。 --灼熱地帯でのリドリー戦や、終盤のあるエリアには砲台「リンカ」が配置されているなど、シリーズ経験者にはマップ構成にもニヤリとなる部分がある。 --リドリー戦ではムービー・ゲームパート共に「サムスを鷲掴みにして壁に叩き付け、そのまま引き摺る」という攻撃が見られるが、これは『スマブラX』の「亜空の使者」のムービーが元ネタ。相手を鷲掴みにする動作自体は以前から見られたほか、見た目のえげつなさもリドリーのイメージとマッチしており、外部作品からの逆輸入と思わせないほど自然かつダイナミックなものになっている。 ---なお、ゲームパートにおいてこの攻撃を受けるとさらに追撃として至近距離からのブレス攻撃を浴びせてくるが、ここではチャージビームによるカウンターが可能。直前のムービーパートでは反撃すらできずに一方的に引き摺り攻撃を受けていたため、その対比にもなっている。 -クリア後に見られるムービーモードの連続視聴が秀逸である。 --今まで見てきたレンダリングムービーの間に、実際のゲーム画面も使用したダイジェスト形式の攻略ムービーが追加され、「''METROID Other M The Movie''」としての通し視聴が可能となっている。ゲーム内容を見返しつつ、誰にでも格好良いサムスの動きを堪能できる。勿論途中からでも視聴可。 --特にボス戦のプレイムービーは、プレイヤーによっては気づかなかったような攻略が行われることもあるため、一見の価値あり。 ---- **賛否両論点 -アダムの指示によって、使用が制限されている装備を順次解禁していくという展開。 --アイテムを入手した時の達成感がなく、従来の「アイテムを獲得しながら主人公を強化していく」というコンセプトと全く異なるため、批判されることがある。 ---ただし、上記のディフュージョンビームなど、新装備が皆無というわけではない。 --パワーボムは「生存者や味方の連邦軍兵士への被害を考慮して使用を制限する」と説明されるため、攻撃用の装備もそれに近い事情を推察できるが、探索用や行動範囲を広げる装備に関しては特に説明がない。特にバリア機能は「高熱地帯を(何故か)バリア機能なしで突破させた後、しばらくした後のボス戦でようやく解禁が指示される」という、ゲーム的にも違和感のある展開になっている。 ---一応、終盤のアダムの行動から、サムスの探索・行動範囲に制限をかけていた理由はいくらか推測はできるものの、上記の解禁タイミングの不自然さなどはフォローされていない。 --ただし、過去作品では「特に設定もなく初期装備から開始」「序盤に外的要因によるダメージでスーツの装備が消滅して初期装備に」といった展開が続いていたため、設定面を補いつつ今までと異なる展開でマンネリを打破しようとしたという点は評価可能ではある。 --また、リドリー戦ではスーパーミサイル→プラズマビームと立て続けに最強装備を解禁((正確には、スーパーミサイルはリドリーとの交戦の直前に解禁している。))し、「宿敵に対して全力をもって排除にあたる」という開放感や爽快感を感じさせる展開がある。 ---さらに終盤にはサムスが自発的に能力を開放する場面もあり、サムスの精神的成長・自立を演出しているなど、シナリオ的に全く無意味な制限というわけではない。 -雰囲気重視の為かBGMに環境音が多い。 --このためシリーズでもひときわ地味な印象を受けるが、リドリー戦など一部のシーンで流れるBGMは高く評価されている。 -一部能力の設定が変更された。 --地形を貫通する効果を持っていたウェイブビームは、本作においてはガラスなどの半透明の物質を貫通する程度に留まる。ゲームデザインが3Dであることを考えればやむを得ない点ではあるが。 --バリアスーツとグラビティスーツの能力は、それぞれバリア機能とグラビティ機能に改名されている。それに伴い、前者はスーツの形状の変化がなく配色がオレンジ色に変わるだけになり、後者は水中などで重力操作を行っている時のみ紫色のオーラを纏う演出となったため、従来の演出を好む層から批判されることがある。 ---「[[社長が訊く>https://www.nintendo.co.jp/wii/interview/r3oj/vol2/index.html]]」によれば、制作者の「シリアスな場面でサムスが紫色なのはおかしい」という発想から変更された模様。メタ的に言えば、『フュージョン』でのサムスの姿((過去作での最強装備を持つ設定だが、SA-X共々外見は従来のバリアスーツのままであった。))に設定面で辻褄を合わせる都合もあったと思われる。 ---- **問題点 -ゲーム自体のボリュームが少ない。 --普通にプレイしてもクリア時間はおおよそ8~10時間程度。マップ自体も他のシリーズと比べると狭いことがボリューム不足に拍車をかけている。%%こういう部分も含めて「ファミコンゲーム」なのだろうか? %% -攻略が一本道で探索要素が大きく減り、ひたすらに単調。 --迷う事が殆ど無いので初心者にも遊びやすいと評価できないこともないが、もともとメトロイドシリーズは探索要素を売りにしていた為、この点は非常に痛い。 -サーチングビューの存在について --サーチングビュー時は一切の移動ができないため、若干テンポが悪い。 --前述のようなビームとミサイルの切り替えによる戦略性はあるが、いちいち持ち替えをさせられるのは少々煩雑。従来作のようなミサイル多用の立ち回りができず、慣れない内は戦闘における効率が悪く感じられる。 --リモコンの持ち替えという操作が「最新技術を使ったファミコンゲーム」というコンセプトから矛盾しているという指摘もあり、リモコン+ヌンチャク操作にしていればよかったとする声もある。 ---ただし、本作ではビームが有効な場面が圧倒的に多く、新たに追加されたディフュージョンビームも、多数の敵に対応できるように用意されたものである。センスムーブで攻撃を回避すれば即フルチャージとなる仕様もあり、ビーム中心で立ち回れるだけの調整はなされている。~ なお、本作のミサイルは特定状況でのとどめで活用するようになっており、戦闘中の持ち替えが最低限になるように最適化もされている。 --強制的にサーチングビューになるイベントがいくつかあり、特定の場所を注視しないと先に進むことができない。 ---注視場所は直前のムービーパートがヒントになっていたり、画面内の不自然な箇所に設定されているものが多いが、そもそもどこが不自然なのか分かりにくい場面もあったりと見つけ難い。さらに判定自体が小さめな上、注視箇所をしばらくポイントし続けないと判定されない仕様のため、適当にリモコンを振り続けていても発見できない。このため、ここが''ゲーム中最も難しい部分''と言われることも。 -ストーリー展開 --ストーリーに力を入れた割に、そのストーリー展開が不自然、描写不足な点が目立つ。ゲームの終盤は盛り上がりが欠けるのもマイナス。 --サムスの内面描写についてはそれまでのシリーズでファンの間で培われたイメージからあまりにもギャップがあり、過去作からすると矛盾していると言える描写も存在することに批判が多い。 ---一応、公式監修の漫画版『メトロイド』のサムスは本作に近い性格で、未熟な面も描かれている。ただしこちらの時系列は初代・『ゼロミッション』以前のものであるが。 #region(ネタバレ注意) -ストーリー中盤辺りでシリーズお馴染みの宿敵リドリーが出現するのだが、その際にサムスが幼少時のトラウマを思い出し錯乱する。 --サムスは『スーパー』までに幾度もリドリーと戦っており、今回で今更パニック状態に陥るのは不自然である。さらに本作は『スーパー』の直後なので、ベビーメトロイドの死の原因をつくったリドリーには怒りが沸くべきとも言える。 ---一応上記の通り、錯乱から立て直した後は2種の最強装備を解禁して全力で排除にかかっている。またこの戦闘を最後に、『フュージョン』を含めてサムスがリドリーを意識する場面はほぼ皆無となっている。 --メトロイドシリーズの総括責任者の坂本賀勇氏は本作における「精神的に未熟で人間味のあるサムス」こそが本来の彼女のキャラクターであると考えていたが、シリーズのファンにとっては危機的な状況に立たされても物怖じせずに難局を乗り切るクールなヒーローというイメージが強かったため、開発側とシリーズファンの間で認識の乖離が生じていた。 ---『フュージョン』におけるアダムとの回想など、過去作でもサムスの心理描写が描かれることはあったが、サムスの心理的動揺や未熟さによって判断を誤るような描写ではなかった。 --また、本作はシリーズの時系列的にも後期の作品であるため、過去の作品よりも未熟なサムスの振る舞いの違和感はより大きくなっている。 -ストーリー中でアダムの指揮する小隊の中に、軍上層部から派遣された関係者及び目撃者の殺害を目的とする裏切り者「デリーター」が潜んでいることが明らかになる。このデリーターとは一度ある形で戦うことになるが、そのときは決着がつかず持ち越しになる。~ しかしその後再戦することはなく、終盤に何者かによって殺害されて遺体を確認するだけとなるため、プレイヤーにとって拍子抜けとなる。その人物が誰であるかはストーリー上サムスが知ることはない。 --ただしサムスやゲーム中には明言されることがないだけで、正体についてプレイヤー側で察することは可能。クリア後のおまけで閲覧できる開発資料に答えが載っている。 -リドリーも同様で一旦撃退はするものの、トドメを刺す前に逃げられてしまい、結局再戦することなく終盤に遺体を確認するだけである。 --サムス達は知る由もないが、終盤にてとあるクリーチャーにエネルギーを吸収されて再起不能になった模様。遺体はその後銀河連邦軍に研究資料として回収されたらしく、結果的に『フュージョン』にて再び対峙することになる。前述のようにサムス側は特に反応しないが。 -ラスボスのように見られるであろうMBとも、結局直接対決はできない。ただし、こちらは展開・心情的にも、サムスが決着を付けない形となるのは納得できるものとなっている。 このようにゲーム終盤はプレイヤーが関与できず、いつの間にか終わっていたりムービーシーンで片付けられてしまうことが多く、アクションゲームとしては物足りなさが残る。 #endregion -ヒントが少なすぎる、エネルギー回復手段が少ないなど難易度は高くなっている。 --回避アクションに重きをおいた調整になっている一方で倒し方の分かりづらいボスが比較的多いのだが、プライムシリーズのスキャンバイザー/リモートスキャンのようなヒント機能が何も用意されていないため、攻略情報に頼らざるを得なくなる場面が多い。 --前述の通り敵を倒しても回復アイテムを落とさないため、エネルギーの回復手段は皆無に等しい。~ このため、コンセントレーションを行う余裕が総じて少ないボス戦での持ち直しがかなり厳しいものとなっている。 ---一応、リトライは各チェックポイントからのリトライで、ボス戦も直前からの再開になるため、ゲームオーバーになっても再挑戦しやすく「死に覚え」がやりやすい作りではある。 -初回プレイ時にムービーをスキップすることができない。 -アイテム取得時におなじみのジングルがない。効果音のような短い音が鳴るのみである。 -クリア後、何の理由付けもなく通行止めになってしまうゲートが存在する。 --特に、メインセクターと各セクターを繋ぐエレベーターがある部屋まで行く途中のゲートが封鎖されてしまうのが不便。クリア後にこのエレベーターを利用したい場合は無駄に遠回りをする羽目になる。 -不具合がある。アイスビーム解禁後、特定の場所まで進めた後に再びアイスビームが解禁された場所に引き返すと特定の場所のゲートが開かなくなる。 --この件は早期に公式発表されており、上記の症状が発生したセーブデータのコピーが入ったSDカード(またはWii本体)を任天堂に送付することで無償で改善して返却してくれる。([[外部リンク>http://metroid.jp/info/index.html]]) --発生条件の都合上、一本道の攻略を普通に進めているのであれば気付く方が難しい類のバグであることは救いか。 ---- **総評 一本道のゲーム展開でシリーズ最大の売りであった探索要素が薄まっていることや、従来のイメージと合わないサムスの内面描写など、シリーズ作品のコンセプトを悉く否定するかのような作風から、過去作からのファンには否定的に見られることが多い。~ 一方アクションゲームとしては操作性は良好で、サムスの軽快かつ爽快なアクションは見応えがあり、ロード時間も短く快適。シリーズと切り離した単体のゲームとして見れば決して悪い作品ではない。~ 従来作とも一味異なるアクション寄りの難易度で、ゲームオーバー時のペナルティがあまりなくテンポよく遊べるなど、未経験者にもある程度手軽に歯ごたえを感じさせるものになってはいる。~ 総じて問題点は目立つものの、評価点も多い。任天堂のゲームとして一定の水準はクリアしていると捉えるべきだろう。~ なお、「Project M」による共同開発は[[後のコラボ無双>ゼルダ無双]]に繋がったほか、シンプルかつダイナミックなアクション性も[[後のシリーズ作品>メトロイド サムスリターンズ]]に引き継がれている。~ 後述の可動フィギュア発売など、任天堂作品としても先駆けとなった要素が目立ち、本作が後に与えた影響は決して少なくない。 ---- **余談 -ラスト前後の展開が従来とは異なり、特殊な構成となっている。 --詳しくは伏せるが、初見時は確実に面食らうかと。 -ハードモード --ゲームをクリアすると、ダメージ1.4倍+タンク類が一切出なくなるハードモードで遊べるようになる。 --つまりは終始エネルギー99、ミサイルも10発しかない。それだけでなく、''致命傷を受けた際の瀕死状態による踏みとどまりがなくなったため、&color(#F54738){後半になると一撃即死の攻撃も出てくる}''など、非常に難易度が高い。 --クリアしても何も解禁されないが、言い換えれば特典解禁のためにやらなくてはならないという事はない。つまり&u(){このモードそのものが特典という扱い}になっている。 ---センスムーブの使い方、サーチングビューやコンセントレーションのタイミング、敵の対処法をマスターしたら、その腕試しに挑戦してみるといいだろう。 ---ただし残念なことにハードモードでは本編クリア後の隠しボスであるアイツとは戦えない。 -コーエーテクモゲームスの『[[DEAD OR ALIVE Dimensions]]』にはステージ「GEOTHERMAL POWER PLANT」、任天堂の『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U>大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』にはステージ「パイロスフィア」がある。双方ともにセクター3の地熱発電所をベースとしたステージになっていて、リドリーも登場する。 -前述の『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』に参戦したサムス及びゼロスーツサムスのデザインは本作に準拠している。ただし日本語・英語含め本作のCVは採用されていない。 --続編である『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』にも、本作のデザインで続投している。リドリーやダークサムスもファイターとして参戦したが、その兼ね合いか上記のステージ「パイロスフィア」は未収録となった。 ---『スマブラSP』においては上記の引き摺り攻撃がリドリーの横必殺ワザ「グラビングスクラッチ」として採用されているほか、サムスのダッシュ攻撃・上投げ・チャージショットの動作が本作以降のアクションや演出を意識したものに変更されている。 -CMでは、『[[メトロイドII RETURN OF SAMUS]]』にて用いられた「''メトロイド オモロイド''」のフレーズが使われている。 --ちなみに関西圏で放送されたCMでは、「''メトロイド オモロイデ''」となっていたりする。 -本作のサムスは、後に「グッドスマイルカンパニー」販売のアクションフィギュアシリーズ『figma』にて立体化されている。 --任天堂作品のキャラクターとしては初の商品化であり、これ以外では本作でのスーツを解除したサムスを「ゼロスーツver.」と呼称して発売するなどの展開を見せている。 --そして、これを皮切りに[[リンク>ゼルダの伝説シリーズ]]や[[ピット>新・光神話 パルテナの鏡]]など、様々な任天堂キャラがアクションフィギュアとして立体化されることとなり、任天堂自体も『スマブラfor』よりNFCフィギュア「amiibo」の展開へと至っていく。

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