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スーパーファイヤープロレスリング X - (2020/08/04 (火) 13:15:04) の最新版との変更点

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*スーパーファイヤープロレスリング X 【すーぱーふぁいやーぷろれすりんぐ えっくす】 |ジャンル|プロレス|&amazon(B000068HAT)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|32MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|ヒューマン|~| |発売日|1995年12年22日&br()プレミアム版:1996年3月29日|~| |定価|11,900円&br()プレミアム版: 8,000円|~| |判定|なし|~| |ポイント|グラフィック偏重|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 国内最大のプロレスゲームシリーズ『ファイヤープロレスリング』(通称『ファイプロ』)シリーズの一作。~ 前々作『3 ファイナルバウト』での最終作宣言を撤回して発売された『[[スペシャル>スーパーファイヤープロレスリング スペシャル]]』に続き、''再度''シリーズ最終作として発売された。 **ファイプロシリーズとは 『ファイプロ』シリーズは他方のプロレスゲームと違う独特なシステムを採用している。以下最も大きな二つの点を簡単に説明すると、 -本物のプロレス団体とタイアップしておらず、登場するレスラーはすべて実在の選手をモデルにして名前を捩ったレスラーである。これにより、一つの団体を題材にした他のゲームと違い団体の壁を越えて数十人のレスラーを登場させることに成功している。 --ただしこれは肖像権ギリギリでもあったらしく、シリーズ中で「グレート司馬」((ジャイアント馬場選手がモデル。))が出ているゲームは少ない。また後発作品には「WWC」((アメリカのプロレス団体で、モデルになったのはWWF(現:WWE)と旧WCW。))のレスラーは登場していない。 --レスラーエディット機能により、オリジナルレスラーを自分で作ることも可能。 -リングの視点がプレイヤーと平行ではなく、斜め45°にずらして配置されている(つまり□ではなく◇)。 --これによって、四方のコーナーポストとサイドロープを全て使った文字通り縦横無尽のアクションが可能となっている。またリング上の選手の姿がロープに阻まれ見え辛くなることも少ない。 -技は『グラップル』と呼ぶ組み合いの後、タイミングよくボタンを押すことで出す。 --連打が必要とされる場面は少なく、かつその速さで優劣が決まってしまうほど影響力も無いのでアクションや連打が苦手な人でもレスラーを動かして技を出しやすい。指が疲れることもほとんど無い。 --Yボタンで小技・Bボタンで中技・Aボタンで大技を出す。大技になるほど相手が疲れていないと極らないため、同じ技を繰り返すのではなく小技から徐々に大技に移行していく迫力ある試合を行うことができる。 **ゲームモード -ワールドチャンピオンシップ --隠しレスラーを除く全てのレスラーと順に試合をしていくおなじみのモード。COMの難度は徐々に上がっていく。 --全てのレスラーを倒すと「タイトルマッチ」モードが開き、今度はそこで隠しレスラーおよびHWFのレスラーと戦うことになる。これもクリアすると隠しレスラーや隠し技が使用可能に。 -ワンナイトドリームマッチ ---好きなレスラー、好きなルールで試合を行う対戦モード。 -ハイパーバトルロイヤル --4人が入り乱れて戦うモード。今作では負けた選手は順次退場するようになった。 -エキサイティングトーナメント --好きな組合わせで16チームまでのトーナメントを行うことができるモード。今作では一人で勝ち進むシングルプレイは無くなった。 -メガファイトリーグ --同じく好きな組合わせでリーグ戦を行うことができるモード。多すぎた前作の参加チーム数を反省してか、今作では最大32チームにまで減少した。 -イリミネーションマッチ --今作で復活した5対5の勝ち抜き戦を行うモード。チームは最初から用意されているが、好きに編成してそのチームをセーブすることも可能。 -レスラーエディット --オリジナルレスラーを作ることができるシリーズおなじみのモード。グラフィックの点で大きく進化している通り、外観をかなり細かく設定することが可能になった。また必殺技の指定も可能に。 **評価点 -今回はアクションにそれほどの追加はないが、グラフィックがリアル路線へと大幅に変更された。 --選手の大きさも変わり、リングに対して小さすぎた前作までよりも現実に即した大きさとなった。 --レスラーの足下に影が付いたため、互いの位置取りがわかりやすくなった。 --場外に落ちる姿や極め技を解く動きなど、今まで瞬間的に表示されてきたアクションがモーション込みで細かく表示されるようになった。 -体力の他に、「首」「腕」「脚」各部の耐久度という概念が加わった。 --これにより、身体の一ヶ所を集中攻撃する戦法が可能になった。 --また腕や脚の耐久度が低くなると、それに関係する技の攻撃力も減少する。 -クリティカルの種類が増えた。 --新たに「パワー」「グラウンド」が追加されて「絞め落とし」が再現されている他、属性の付いた技が必殺技なら誰でもクリティカルを狙えるようになった。 -レフェリーの動きが速く的確になった。 --前作まではレフェリーの位置によってカウントを取りに来る早さが違いそれによって勝敗まで左右されていたが、本作のレフェリーは位置取りも動きも的確で気を揉まされることはなくなった。 -以前にACで稼働しSSにも移植された作品『ブレイジングトルネード』の架空レスラーが本作にも登場。なんと彼らの必殺技まで再現している。 **問題点 本作の容量自体は前作と同じ32Mである。~ そのうえでグラフィックを重視したためか、それ以外の点にかなりの犠牲を強いてしまっている。 -レスラー数と技数の減少。前作の105人から104人とほぼ横這いになっているように見えるが、HWFレスラーと新世代レスラーが加入した分、名レスラーが何人も消えてしまっている。 --ジャスティン・ローゼスやアブドル・ザ・デンジャーなどの名レスラーに加え、若本一徹やザ・スパイクまで削除されてしまっている。 --評価点で述べた『ブレイジングトルネード』の追加選手についても、作品自体が駄作であったせいか、完全に架空のレスラーである HWFレスラーを出すより既存の名レスラーを消さずに出せという批判が多かった。 -処理落ちが酷い。レスラーの動きが普段から緩慢なのはリアル指向と取ることもできるが、画面を三人の選手が動くようになった途端処理落ちで動きがさらに鈍るようになる。四人が同時に動く時に至っては、''選手が点滅してチラつくこともある始末。'' --そのくせ、なぜか飛び技の動きはやたら早くなっている。 -レスラーのパフォーマンスも一人につき試合前中後で3パターンが用意されているものの、試合中に札束をバラ撒いたりする選手もいた前作に比べ地味なパフォーマンスばかりになってしまった。 -実況席にも動きが無くなっている。 -それ以外の問題点 --プレイヤーの戦績を記録する『戦いの記録』が無くなってしまった。 --エディットレスラー用のオリジナル顔グラフィックが2つしかない。大抵の場合、既存の選手と同じ顔グラフィックを付けることになる。 --前作が多すぎたとはいえ、メガファイトリーグの参加可能チーム数が最大32チームに減少してしまった。また、一度始めるとセーブはできてもメニューに戻ることはできない。 **総評 本作は容量据え置きの中、グラフィックの質の向上に力を注いだ作品である。~ そのためか、この時点では未だ無理をしている感じが強い未熟な作品となってしまった。 リアルグラフィック路線こそ次世代シリーズに継承されていくものの、本作のグラフィックと前作までのボリュームを兼ね備えるゲームとしては、SSの『6MEN SCRAMBLE』を待つことになる。 **その後の展開 -ヒューマンは同時に次世代機PSでもその容量をグラフィックに偏重させていたらしく、本作の発売からわずか3ヶ月足らずで3Dポリゴンの駄作『アイアンスラム‘96』を発売。さらなるグラフィック偏重に批判が強まった。 -また上記のアイアンスラムの発売の方が本命とでもとらえていたのか、アイアンスラムの発売から2週間後(本作の発売から3ヶ月後)に『X プレミアム』が発売。一部レスラーの技が変わるなどして再調整がなされ、さらにエディットレスラーを80人も作成可能にした上価格も8,000円に抑えていた。
*スーパーファイヤープロレスリング X 【すーぱーふぁいやーぷろれすりんぐ えっくす】 |ジャンル|プロレス|&amazon(B000068HAT)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|32MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|ヒューマン|~| |発売日|1995年12年22日&br()プレミアム版:1996年3月29日|~| |定価|11,900円&br()プレミアム版: 8,000円|~| |書換|ニンテンドウパワー&br()1997年9月30日/1,000円/F×8・B×16|~| |判定|なし|~| |ポイント|グラフィック偏重|~| |>|>|CENTER:''[[ファイプロシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 国内最大のプロレスゲームシリーズ『ファイヤープロレスリング』(通称『ファイプロ』)シリーズの一作。~ 前々作『3 ファイナルバウト』での最終作宣言を撤回して発売された『[[スペシャル>スーパーファイヤープロレスリング スペシャル]]』の続編でスーファミでのシリーズ最終作として発売された。 **ファイプロシリーズとは 『ファイプロ』シリーズの特徴的なシステムは、 --レスラーエディット機能により、オリジナルレスラーを自分で作ることも可能。本作未収録の実在レスラーを作ったり、他社プロレスゲームのキャラの再現なんてこともやればできる…はず。 -リングの視点がプレイヤーと平行ではなく、斜め45°にずらして配置されている(つまり□ではなく◇)。 -投げ技などは選手同士が一定の距離まで間合いが詰まると自動的に組み合いになり、そこでタイミングよくボタンを押すことで出す。 --Yボタンで小技・Bボタンで中技・Aボタンで大技を出す。大技になるほど相手にダメージを蓄積させないと極らない。 **ゲームモード -ワールドチャンピオンシップ --隠しレスラーを除く全てのレスラーと順に試合をしていくおなじみのモード。COMの難度は徐々に上がっていく。 --全てのレスラーを倒すと「タイトルマッチ」モードが開き、今度はそこで隠しレスラーおよびHWF(サターンで出たブレイジング・トルネードのオリジナル選手たち)のレスラーと戦うことになる。これもクリアすると隠しレスラーや隠し技が使用可能に。 -ワンナイトドリームマッチ ---好きなレスラー、好きなルールで試合を行う対戦モード。 -ハイパーバトルロイヤル --4人が入り乱れて戦うモード。今作では負けた選手は順次退場するようになった。 -エキサイティングトーナメント --好きな組合わせで16チームまでのトーナメントを行うことができるモード。今作では一人で勝ち進むシングルプレイは無くなった。 -メガファイトリーグ --同じく好きな組合わせでリーグ戦を行うことができるモード。今作では登録は最大32チームにまで。 -イリミネーションマッチ --今作で復活した5対5の勝ち抜き戦を行うモード。チームは最初から用意されているが、好きに編成してそのチームをセーブすることも可能。 -レスラーエディット --オリジナルレスラーを作ることができるシリーズおなじみのモード。衣装のレイヤーの有無などを設定して外観をかなり細かく設定することが可能になった。また必殺技の指定も可能に。 ---ただしビクトリー武蔵(アントニオ猪木モデル)のインディアナデスロックのみ不可。これはミスや容量都合ではなく「あの技を猪木以外が使うのは考えられない」というこだわりから敢えて外したとのこと。 **評価点 -今回はアクションにそれほどの追加はないが、グラフィックがリアル路線へと大幅に変更された。 --レスラーの足下に影が付いた。ただし処理落ちも大きくなる。タッグマッチやバトルロイヤルでは特に。 -防御のパラメーターに「首」「腕」「脚」各部の耐久度という概念が加わった。 --これにより、身モデルの選手が過去に膝を故障している場合に脚の耐久度が低いという設定が可能に(一部では、前作の冴刃強すぎる問題へのアンチテーゼと言われている)。 -クリティカルの種類が変更。 --新たに「パワー」が追加され、スリーパー型のクリティカルもグラウンドに変更され対象技が増加、サブミッションは細分化から逆に1種類に簡素化。また、属性の付いた技が必殺技なら誰でもクリティカルを狙えるようになった。 -以前にACで稼働しSSにも移植された作品『ブレイジングトルネード』の架空レスラーが本作にも登場。しかし、グラフィック性能の関係上、アーケード版やサターン版と比べてこれじゃない感の強い絵だったりする物も(既存技のパレットの流用が多い)。 **問題点 -レスラー数は、前作の105人から104人とほぼ横這いになっているように見えるが、HWFレスラー9人が…。 --ドット絵をゼロから書き直した結果、削られた技やレスラーも多い。エディットモードを駆使して作るということできなくないが。 --評価点で述べた『ブレイジングトルネード』の追加選手についても、完全に架空のレスラーである HWFレスラーを出すより既存の名レスラーを消さずに出せという批判が多かった。 -処理落ちが酷い。スーファミの限界といえばそれまでだが、タッグマッチやバトルロイヤルで、足元の影表示ありでプレイはスプライト欠けがひどくてとてもプレイは…。 -クリティカル発生頻度の差が激しすぎる。 --特に上記の「パワー」は新規追加されたとはいえ、それでの発生率は極端に低く発生すればラッキーという程度。打撃や関節技とはその発動率が比べ物にならない。 **総評 本作はスーファミでは最後と謳い、スーファミの性能の限界まで使い切り制作された作品で、快適さの部分がイマイチという評価だが、後のシリーズの原型となる土台が新たに作り起こされたという点がポイントで、一概に良ゲーか否かは評価できない。 **その後の展開 -ヒューマンは同時に次世代機PSでも『アイアンスラム 96'』を発売したが、「収録選手少ない、エディットモードなし」という点で不評。 アイアンスラムの発売から2週間後(本作の発売から3ヶ月後)にバグフィックス、細部のバランス調整、エディットモードセーブ枠拡大などを施した『X プレミアム』が発売。 ファイプロシリーズ正当進化版はサターンで「6メンスクランブル」が発売された。 **余談 -本作で初登場のレスラー「ストロング信濃」のモデルは坂口征二なのだが、彼がジャイアント馬場モデルという誤解されたこともあった。 --言うまでもなくジャイアント馬場モデルのレスラーは4年前のシリーズ作品『[[スーパーファイヤープロレスリング]]』で既に登場している「グレート司馬」である。以後は権利関係の問題から本作を含めてシリーズ作品では登場せず単発登場に終わっている(後述の「太平洋プロレス」の創始者ということで一応設定上では残っている)。 ---本物の坂口も馬場ほどではないが196cmと充分大柄な体つきで面長なことからゲームキャラ程度のサイズに落とし込んだならうり二つなデザインになっても何らおかしくない。また猪木モデルの「ビクトリー武蔵」とのタッグもデフォルトで登場しており、猪木と坂口の「新日本黄金コンビ」もプロレスファンに対しては充分知名度は高いのだが、そこまでプロレスに興味のない一般人からも高い知名度を誇る馬場と猪木のコンビ「B・I砲」と比べると大きく劣る((因みに馬場と坂口もお互い大柄で似たような特徴をしていることもあって日本プロレス時代に「東京タワーズ」というコンビを組んだことがあった。))ため、見た目だけを見ると馬場と猪木の先行印象を受けるのも無理はない。 --片やストロング信濃はゲーム中でのレスラーの並びでビクトリー武蔵とともに新日本プロレスがモデルの「新世界プロレス」の中に入っていることなどもあって「馬場にしてはおかしい」と思える部分もあるにはある(全日本プロレスモデルは「太平洋プロレス」)。 --やはり猪木と並び日本でのプロレスの看板的存在であることをはじめプロレスに興味のない人に対しても知名度が高いこともあって「馬場ほどの超有名なレスラーが入っていないとは考えられない」「知名度の高い馬場をなんとか登場させたくて名前を変えて再登場させた」という印象を与えやすいことも、このような誤解を生んだ要因だろう。 -XとXプレミアムは、当時のオンラインゲームサービス「X-BAND」対応タイトルで、シリーズ初のオンライン対応タイトルだった。 -スーパーファミコンのシリーズ作品では他が下位互換なこともあってかニンテンドウパワー((ローソンで1997年9月30日~2002年8月31日まで行われたゲームソフトの書換えサービス。空状態の専用メモリカセットを3,980円購入して別料金で書換て入れる必要がある。割高な上に端末の操作がわかりにくくスーパーファミコン自体が時代遅れ同然だったこともあって普及しなかった。しかもこういった既存タイトル専用タイトルに比べると書換え料が安かったが中古カセットを購入した方が安かったため尚の事利用されなかった。))のローンチとして再発売されたのは本作のプレミアム版のみである。 --また本作はFブロックもBブロックもすべて使い切る数少ないソフトでローンチでは唯一である。

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