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パワプロクンポケット3 - (2022/07/25 (月) 21:54:36) の最新版との変更点

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#contents() ---- *パワプロクンポケット3 【ぱわぷろくんぽけっと さん/すりー】 |ジャンル|野球ゲーム|CENTER:&amazon(B00005QBJP)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|64MbitROMカートリッジ|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|KCEO(ダイヤモンドヘッドプロダクション)|~| |発売日|2001年3月21日|~| |定価|6,090円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |周辺機器|通信ケーブル対応|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|GBAのローンチタイトル&br()狭い球場・バント無双&br()シリーズでも異色作&br()''畜生と化した亀田''&br()事故も多く、クリア難度は高め|~| |>|>|CENTER:''[[パワプロクンポケットシリーズ]]''| ---- ~ #center{&size(20){''手のひらにおさまる本格野球ゲーム!''}} ~ ---- **概要 本家『[[パワプロ>実況パワフルプロ野球シリーズ]]』シリーズとは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきた『パワプロクンポケット(パワポケ)』シリーズの3作目にしてGBA版の第1作。~ GBAのローンチタイトルの一つでもある。~ これまでのパワポケはBADエンドにおいて死ぬ彼女・寝取られ展開などはさておき、『パワプロ5』の悪役校「極亜久高校」やオリジナルのプロ球団「モグラーズ」など地に足のついた設定だったが、本作は「''事故死した初代主人公がサイボーグに改造されて蘇る''」というトンデモ設定から始まる。 ---- **ストーリー ''『サイボーグ編』'' >プロペラ団の放ったサイボーグ選手による暗躍。それによって世界中のスポーツはその手中に落ちつつあった。~ そんな中、とある事件で死んでしまった1主人公は、生前の記憶と引き換えにマッドサイエンティストの唐沢博士と高校時代の親友である亀田によってサイボーグとして蘇生された。~ クローン技術で人間の体に戻るための資金集めのため、そして毎年プロペラ団本部で開催される闇大会に潜入するため、そして失った記憶を取り戻すために、社会人野球チーム「火星オクトパス」に入団しプロペラ団との決戦に挑む。 ''『ドキドキ地雷パニック』'' -マインスイーパー。ストーリーはない。あえてあげるなら「''新ハードは地雷''」ということだけである。 ---- **評価点 ***ストーリー -『1』から暗躍していた悪の組織「プロペラ団」との完全決着。 --ファンの間からは本作と『1』『[[2>パワプロクンポケット2]]』を合わせて「プロペラ団三部作」としてあげられる事もある。 --初代から継続して登場した『四路智美』は本作では「選ばれなかった彼女キャラ」として1主人公への未練を捨てきれないプロペラ団の幹部として登場。1度クリアして条件を満たすとお互いに素性が分からないまま交流を持つことが出来る。 --「別の世界の自分」が『1』の主人公と結ばれた可能性について想像する台詞はロマンチストな彼女らしく良くも悪くもギャルゲー度の高いパワポケシリーズの根底を見据える発言として名言として挙げられている。GOODエンドで過去の記憶を取り戻した主人公が極亜久高校の頃の集合写真を手に取るアルバムEDは『1』からのプレイヤーを切なくさせるだろう。 -今回の主人公が所属する事になる草野球チーム「火星オクトパス」は、多くのキャラをスカウトできる。 --「たかゆき(ロボット)」「立花ボボ(バッタ怪人)」「服部(新興宗教の教祖)」のようなプロペラ団の部下をミニゲームで仲間にできる上、『1』で登場した聖皇学園の「ネロ」、大東亜学園の「鋼」、白鳥学園の「冬野」、『2』のモグラ―ズ選手の「ドミオ(条件を満たすとメカドミオと化してパワーアップ)」「倉刈仁志」といった旧作キャラも仲間に出来る。初期メンバーの「アンヌ」も女性ながら投手・野手能力ともに頼りになる。 --亀田は本作では野球選手としては仲間にならないが後のシリーズのアレンジモードでは「ネオ亀田」も追加される。 --初期パワポケオールスターチームとも言え、パワポケの草野球チームの中でも最強クラス。なかなか熱いシチュエーションである。 ---一方モブキャラ勢(火星カンパニー社員)も主人公がコーチをすることで強化ができ、鍛え上げればサクセスキャラに匹敵する能力にすることもできる。多くの行動ターンを消費するため、どこまで強化して試合に臨むかはプレイヤー次第。 ---初期状態でも能力バランスが良く大抵スタメンに入る「島宗」や「杉本」、特に欠点のない先発投手の「池藤」「栗原」などは頼りになり、サクセスキャラと組み合わせれば強化しなくても意外と運用しやすいチームである。 --ただし「たかゆき」「立花」「服部」「ネロ」((この4人に関してはミニゲームをクリアすると30~50万円の大金までもらえる。2年目は300万円もしくは200万円もの大金が必要なので、クリアのためにも重要。))以外のキャラは必要なイベントが多かったり加入がランダムだったりするため全員集合を見るのは難しい。 ***野球の進化 -ハード進化に伴い、グラフィックが色鮮やかに。 -パーツが必要だが守備・走塁をオート・セミオートから選べるようになった。前作まではオートオンリーだったので目覚ましい進化と言える。 --また「アウト」「フェア」「セーフ」「ゲームセット」などの掛け声がボイスで流れるようになった。GBAの性能をいかんなく発揮したと言えよう。 ***その他 -BGMは好評なものが多く、味の出ているサクセスの季節曲や1のスタッフロールのアレンジが使われている「セレクト画面の曲」やガンダーロボ戦にて流れる「ガンダーロボ」など完成度が高いものが多い。GBAのローンチタイトルのため音色使いには癖がある((それでも全GBAタイトルの中でもGB音源/PCM共にかなり良い音を鳴らしているサウンドドライバではある。))が、それがいい味を出している要因となっている。 -後のシリーズにも引き継がれた新要素 --パーツを集めて能力を上げるシステムが初登場。 ---パーツは能力パーツ・特殊能力パーツの他にサクセス内でのみ使用するアイテムパーツがあり、合計で30個まで所持できる。能力パーツは同じカテゴリ内でも上昇量の違うパーツがあり、上昇量が大きいほど値段が跳ね上がっていくが、小さいパーツで能力を上げようとすると30個しかないパーツ欄を圧迫し頭打ちになるため、所持金や目標能力・アイテムパーツとのバランスを意識したやりくりが必要となっている。なお野手はポジション・投手はフォームによって各能力パーツの基本価格が若干変動する。 ---特殊能力パーツは従来の特殊能力と同じだが、売却や破損などにより付け外しが可能である。またサブポジションも特殊能力パーツ扱いで購入できる。 ---アイテムパーツは選手能力に影響しないアイテムで、「ドリル」などのアルバイトに必要な道具、「防水スプレー」「対人ミサイル」などイベントで身を守るアイテム、購入金額と同額で売買できる「金目のもの」などがある。なおサクセス終了後は不要になるため、売却しなければパーツ欄を圧迫するだけである。 ---パーツは売却可能だが、売値は原則として買値の半額となる。なおマイナス特殊能力も売却できる(消去できる)が、多額の金を払って引き取ってもらう形となる。「呪いの人形」などのマイナスアイテムも同じ。売らなければ現金を払う必要はないが、その分パーツ欄を圧迫し続けたりマイナスイベントが起こる原因となったりする。 --通常のサクセスと違い、特定の能力を上げやすく個性的な選手を作成しやすい。 ---後のシリーズではRPGでキャラを鍛える「裏サクセス」の野球人形において使われる手法になる。 --新しい特殊能力が追加された。それに伴い彼女キャラとの攻略で得られる強力な「超特殊能力」も追加された。 --パワポケの歴代オリジナルチームと実在球団を合わせたチームを作れる「アレンジ」が選択できるようになった。 --パスワード入力により過去の作品の選手を登録できるようになった。 --条件を満たせば彼女や仲間のアルバムが追加される。 ---アルバムの自由閲覧モードは『[[4>パワプロクンポケット4]]』から追加された。 ---- **賛否両論点 -パーツシステムによる「練習しない」野球ゲーム。 --アルバイトなどでお金を稼いでパーツを買って強化する変化球システムは賛否両論である。 ---なお『4』以降は普通の練習や彼女との交際で強化するシステムに戻っている。 ---シリーズでは唯一、やる気の状態のメーターが無い。その為、試合では主人公の調子はランダムである((一応「やる気が上がった」「やる気が下がった」というメッセージがあるが、恐らくあまり関係ないものと思われる。))。ただ、やる気がないことによって管理をする必要がないため遊びやすいところもある。 -とにかくマイナスイベントが多くて死にやすい。 --以前作や本家「パワプロ」での「体力」が本作では「エネルギー」となっているが、''「エネルギー」が切れる(数値が0になる)と道端で動けなくなって粗大ごみとして捨てられて即ゲームオーバーになる''為、他シリーズ作品より体力ギリギリまで行動するリスクが高い。絶えずエネルギーには細心の注意を払う必要がある。 --通常の行動や「仕事」でのエネルギー消費はどれだけ行っても最低「1」で踏みとどまってくれる。しかしエネルギーを消費する、あるいはエネルギーを消費する状態異常になるマイナスイベントがとにかく多く、最低値付近で回復する前にその手のマイナスイベントが起きるとゲームオーバー確定である。 --「ストレス」が溜まって暴れるしかなくなってエネルギーを使い果たして死ぬ、川に落ちたりするランダムイベントで大きく削られて死ぬ、雨が降ったり事故ったり荒井三兄弟にキムチぶっこまれたりで「ショート」になってエネルギーが削れて死ぬ…等。 --かといってエネルギーを毎週大きく回復してくれる原子力発電を持つと、亀田が放射能汚染を恐れて殺しに来る(鉛箱に入れられて海に沈められゲームオーバー)。警告のイベントが2回発生するのでそれを見てからパーツを処分すればいい…のだが、原子力発電はマイナスアイテム扱いのため、売るには大金を支払う必要がある。 ---発電機にはガソリンや太陽光などもあり、回復量は原子力に劣るものの上記のようなゲームオーバーに直結するデメリットはない。ただし入手から1年経過するとランダムで爆発し他のパーツもろとも消滅してしまう。こちらは売却すれば高額で売れるので、入手時期を覚えておいて1年経過直前に買い取って貰えば低リスクで運用できる。 --運が悪いと「川に転落してショート+ストレス激増→暴れるしかできずエネルギー激減→そのままショートでエネルギー切れ」とイベント一つでゲームオーバー一直線になることも。そのため、やり込んでいてもリスクのある行動を取るとあっという間にゲームオーバーになってしまうこともある。 --その分、コマンドの「エネルギー回復」を実行すれば必ず100%まで回復できたり、上記のエネルギーを自動回復してくれる発電アイテム、ショートやサビつきを防ぐ「防水スプレー&メッキ」((「防水スプレー」は水を被る系統のイベントから完全に身を守る代わりに使い捨て、「メッキ」は消耗せずにサビつきを防げるがストレス上昇などのデメリットは受ける。両方を所持すると前述の「キムチ」など特定のイベントを除き何度でも防ぐことができる。))、エネルギーがゼロになった瞬間に自動的に100%に回復する「予備バッテリー」など、エネルギー切れを防ぐ術は結構あるため、バランスは取れてはいる。前述のケースも防水スプレーや予備バッテリーを持っていれば防げる話である。 --効率的に「ドリル」か「シールド」を手に入れてその仕事をするのが一番いいとされる。 --博士のゴミ捨てや亀田の無駄遣いなど無限発生する凡庸イベントが数多く存在する。そのくせ仲間や彼女が必要なランダムイベントは欲しいときに起こらない事もしばしば。 ---ただ、慣れれば最終的に記憶さえ上げておけば亀田と殴り合えるのでクリア自体はそれなりに安定する。ただし終盤にトラックや仕事での事故が運悪く連発して記憶が激減することがあるため油断は禁物。 -上にも繋がる話だが、相棒メガネの「亀田」が''非常にウザイ''。『1』の頃はお調子者ながらそこまで悪い奴ではなかったが、本作の亀田は本当にウザい。 --商売道具を拾ってきては主人公を故障や病気にする。一定の週に「徴収」として自分勝手な買い物(ハンコ・英会話キット・空気清浄機など最高6万)をするためにお金を持っていく((買値と同額で売却できる「金目のもの」を買って現金を減らしておくことで被害を軽減することは可能。))。そのせいで難病のヒロイン・ゆかりを救うのに必要な手術費(300万円)を稼げずに死なせてしまう事も多々あり、亀田への殺意が湧く。またエネルギー切れなどのBADエンドで主人公がうっかり死ぬ時は薄情なほどあっさり見捨てる。 --本作でも唐沢博士の娘である「ヒナコ」ルートなどでは亀田が主人公に気を効かせているシーン自体はそれなりにあるのだが、それ以上に妨害行動((記憶が戻った主人公を殴って忘れさせたり、記憶を無くす薬を飲ませたりすることなど))が目立ち、明らかな「お邪魔キャラ」として設定されている。 --だが、ストレス要素であるパーツの破損の原因には一切関わらないという憎めない点もあったりする。 ---他にも有能アイテムの「ぬいぐるみ」をくれることがある。 --そんな「亀田」とは、最後のミニゲームでの殴り合いで決着がつけられる。それまでの亀田の散々な徴収や嫌がらせで溜まった鬱憤を熱いBGMと展開と共にぶつけられ、勝った際には''主人公が亀田を一喝する''熱い展開がある。 #region(その一幕(ネタバレあり)) -荒れ果てていた極亜久高校野球部を持ち前のやる気と熱意で立て直し、甲子園優勝まで成し遂げたことや、実は主人公が好きだったのに当てつけで自分が智美と付き合うことになってしまった主人公に対して激しい嫉妬心を抱いていた亀田。自分を当て馬にした智美への当てつけとして、智美の本当の想い人だったその主人公を最大限利用して、世界征服を企んでいたことを告白する。 --それを聞いた主人公は激怒し、「''自分で努力をしようともせず、他力本願で物事を為そうとしても心が満たされるわけがない。苦労してこそ、努力してこそやり遂げたっていうことなんだよ!''」と歪んだ心を持った亀田を一喝する。 -最終決戦で負けると亀田の奴隷となり、全所持金とパーツの多くを持って行かれる悲惨なラストが待つ。だが亀田との殴り合いミニゲームは練習不可なので緊張感が溜まる。 --そのミニゲームも、亀田に今まで徴収されたお金の額によって難易度が変わるため((徴収額が多ければ多いほどガンダーロボの反応速度と防御力が上がるためクリア難易度は上がる。))、負けた時のリスクを考えれば、後述のように人の良さを上げて避けた方が良い見方もある。 -「人の良さ」が極端に高いと亀田を許し、その亀田も主人公の人の良さにあてられて主人公を人間に戻す展開になるため、ミニゲームが免除されてそのままクリアとなる(逆に「人の良さ」が極端に低いと亀田と共にサイボーグのまま(プロで大活躍するため)悪の道に進むことになってしまう((一応これでもゲームオーバーでなくクリア。))。 --その際に主人公が語る「亀田君のおかげで生き返ってみんなに出会えて野球が出来た」というお人よし全開な「相手の悪意的な行動に対して恨みを抱くよりも自分にとってプラスになったことに感謝する」という解釈をする展開は後のシリーズの一部の彼女とのクライマックスでも使われることになる。''所謂「正義の反対は、慈悲・寛容」なんじゃよ。'' #endregion -本作の亀田は主人公に対する「腐れ縁」で嫌がらせを行っており、主人公との因縁が非常に強い。DSシリーズ末期にありがちな「主人公と一切接点がない悪役」よりも、小物でも主人公への因縁が非常に強い亀田の方がいい悪役だったと評価する声もある。 --本作で完全に「悪役キャラ」が確立したためか、次作の『4』以降の裏サクセスの黒幕キャラは全て亀田と「ガンダーロボ」か(ファンタジー風世界なら)「ガンダーゴーレム」が務めている。 ---ただし後期シリーズではほるひす・曽根村・ギャスビゴー星人・ハームレス・グントラムなどのキャラに「真のラスボス」のお株を奪われる事もしばしば。 -効率良く育てる手段が''「智美」「ゆかり(難病の小学生。300万円を渡すと助かる)」ともう1人別の女性(唐沢博士の娘である「ヒナコ」など)の三股をかける事''である事は賛否が分かれる。 --結局、智美とは友情は取り戻せても恋仲になる事はないし、ゆかりは小学生である故に恋愛関係ではないので厳密には三股ではないのだが…。 --なお「ヒナコ」は彼女と結ばれた後に起こる「唐沢博士の暗殺事件」が『[[11>パワプロクンポケット11]]』において重要な伏線として回収されたため、正史ヒロインではないかという説がある。 ---パワポケにおいて今後はあまり「正史ヒロイン」を明言しなくなった。 -おまけサクセスの「ドキドキ地雷パニック」が本当におまけ。 --『2』の戦争編にあった呪い島とほぼ同じルール。要するにマインスイーパ。 --新プラットフォーム以降で開発期間が足りず、ミニゲーム的なものしか作れなかったとのこと。 --この現象は後にDSへ移り変わった直後の『[[8>パワプロクンポケット8]]』でもあり、その際に「新ハードは地雷」というネタも残している。 ---- **問題点 ***ストーリー -『1』の正史が荒井紀香(ハズレ彼女)であること。 --当時の話になるがこの紀香が本当に酷いキャラである。良い事は「野球超人伝」をくれる事くらい。 --とにかくマイナスイベントを与えてくる。パワプロのカレンが聖女に見えるほど性格も悪い。『2』では保険金目当てで2主人公を殺しに来るイベントがあるくらい。 --本作ではランダムイベントでの回想のみの登場であるが、それでも酷さは健在で、記憶はある程度戻せるがストレスが大幅に上がってしまう。ただ、これはまだマシなレベル。 --また亀田が歪んだのも、主人公が好きだった智美があてつけに亀田と付き合いだした事が大きいらしい。主人公が紀香とくっついてしまった事で起きた悲劇でもある。 ***バグ -初期出荷版ROMでのバグがある。 --彼女候補の看護婦「叶野ミキ」のイベントで''強制フリーズする''((恐らくパーツがすべてなくなる処理が行えないからだと思われる))。 ---そのため、このルートのアルバムは修正版でなければ見ることが出来ない。 --服部を仲間にしなかった場合、3年目の全試合相手の調子が絶好調になる。 --ホームラン直後にセレクトボタンでスキップするとフリーズすることがある。 --試合中に特定の操作を行うことでリセットペナルティを回避でき、何度でもリセットできる((ただしリセット回数自体はカウントされるため、試合外でリセットを行うと…))。 --一部のイベントでのパラメーター変動がテキストに表示されない。特定条件を満たすと河原で犬に合うイベントでストレスが下がらなくなる。 --ドキドキ地雷パニックでパーツアイテム((青い宝箱のこと。))から「変化球+2」パーツを手に入れることができない。 ---バグと言えるかは微妙だが、前エリアのゴール直前からのやり直しが初期版のみ可能。 -アンヌをパワーアップさせると、それまで受けていた能力補正が無くなってしまい逆に弱くなってしまう場合がある。 --これは「能力が上書きされてしまうこと」が原因。 --火星オクトパスに最初から所属しているアンヌや社員達は前述のようにコーチによる能力補正がつくのだが、この補正は「助っ人キャラ」は一切受けない。パワーアップ後のアンヌは後から入団したキャラと同じ扱いになってしまう((変化球と特殊能力は良くなるが、球速とコントロールが大きく下がる。))。 -ドミオのパワーアップイベントが発生しない((チートで無理やりイベントを呼び出さないとパワーアップ不可。))。 //-ある彼女のデートイベントで特定アイテムを所持上限まで入手できる。その中にストレスの減少値が増える「ぬいぐるみ」が含まれており、ちょっとしたイベントでストレスを大きく減少させることができるようになる。 //認知度が低いため除外。 ***野球のバランスが悪い -野球パートが良くなったといっても、あくまで「''GB時代に比べれば''」の話である。 --球場はかなり狭く''そこそこの当たりでも外野フライになることが非常に多い''。 --そのため、本作を攻略する際には「全体的に守備動作が遅い」「バントシフトへの切り替えが遅い」「捕手がゴロを拾いに行かない」等の仕様の穴を突いた''三塁線へのセーフティバント連打''がほぼ必須である。''スタメン全員がバントをする''のも本作では当たり前の戦術である。 ---ただしプロペラデストロイヤーズ戦は三塁手のアクメドが強肩のため難しい((「ヘッドスライディング」持ちの選手か内後シフトでなければ成功が安定しない。))。 --他にもパワーAの「ネロ」のみ強振でホームランを狙う場合もあるほか、本作のCPUは大きく外すボール球を投げることが多いので、変化球のレベルの高い投手が相手の場合は''ボール球へぶつかりに行く戦術''もある。 --次作の『4』よりもゴロの威力が強くライナーよりヒットになりやすい。高くバウンドすることも多く捕球が遅れて内野安打になりやすい。そのため『4』以降と異なりカーソルの上を狙って撃った方が良い。 --低弾道の強い打球の処理がCPUは苦手で変な追い方をして捕球し損ねることがある。GBAシリーズ全般で発生する。 --CPUは盗塁する際に、盗塁予約可能ギリギリのタイミングで盗塁してくる((キャッチャーの捕球直前に盗塁予約をされる。ランナーのアニメーションが変化せず、投球後に硬直挟んだ後にランナーに進塁される。))。 ---不意打ちに近く、かなり嫌らしいものとなっている。 --『7』ほどではないがカメラ移動が遅く強い当たりの落下地点が読み辛い。 --盗塁はスタートが異常に遅く、捕手の肩力次第ではどんな選手でも成功しない。 ---一方ランナーが一・三塁の状態で二盗し、画面が切り替わってすぐ本盗をするとCPUは二塁へ送球してから返球するため本盗が成功しやすいという穴もある。稀にピッチャーがカットするケースもあるが得点期待値としては高め。 ///AIレベルが高いと送球をカットしてくることが多いためそこまで成功しない。これに関しては次作の『4』の方が成功しやすい。 //↑とりあえずコンピュータ対戦で難易度全部パワフルに設定したダイエーを相手にアレンジチームを走力14以上の選手だけで構成し何試合か繰り返して計30回試行してみましたが、ピッチャーにカットされたのは2回しかありませんでした。体感的にはサクセスのデストロイヤーズ戦もカットされるケースに出会ったことがないので、記述通りそこそこ得点が期待できると感じます。 --なぜか今作のみ「走塁○・×」と「回復○・×」が存在しない。 --「ヘッドスライディング」が異様に強く内野安打のしやすさが格段に上昇する((滑り込みスピードが速い上に、塁到着判定が異常に強い。パワポケシリーズで最も強い。))。もちろん今作で用いるバント戦法とも非常に相性が良い。 ---そのため、サクセスではこの特殊能力を持つ「PX-001(たかゆき)」と「倉刈」は重要な戦力である。 --ランナーが三塁にいる状態で、肩A牽制○のピッチャー(石井一、松坂等)が三塁に牽制をすると、必ずアウトになる。このため、ヤクルトや西武を使用して、四球と牽制を繰り返すことで必ず完封勝利できる。 ---なおサクセスには該当選手はいない。主人公でも投手時は肩力最大値がB13のため条件を満たせない。 --サブポジションの性能が悪く目に見えて守備性能が落ちる。特に外野はメインポジション補正が強く守備速度が大きく落ちる。『[[7>パワプロクンポケット7]]』以外のGBA作品はこの仕様を引き継いでいる。 ---オクトパスにおいてもCPUが設定するスタメンはサブポジションで起用する場合が多く、例えば「立花」「倉刈」はどちらもメインが遊撃手であるため「倉刈」を外野にするなどやむを得ないパターンから、ポジションが一捕外の「ネロ」を捕手に、捕一の「杉本」を一塁手にして同時起用するなど疑問の残る配置もするため守備の穴ができやすい。主人公のポジション次第では主人公が優先的に起用される関係上より顕著になる。 --試合中の選手交代やポジション変更はプレイヤーが自由に行うことができるが、ポジションを変更すると直後にCPUがタイムを掛け元に戻してしまうことがある。 --投手を代打で降板させた場合、次の守備時の登板選手をプレイヤーは選ぶことが出来ず、CPUが勝手に選択する。 --次作以降よりもCPUのAIが優れている点がある。 ---スタミナが切れると投手を降板させる((次作以降はスタミナが切れても続投させることが多い。))。 ---AIレベルが高いと盗塁中に別の塁の走者を動かすと投手が送球をカットすることが多くなるなど。 -あくまで「GBAのローンチとして旧GBとは段違いのグラフィックを提示した」というだけであり、野球ゲームを期待するものでもない。 -二年目にミニゲームで仲間にできるキャラを仲間にしなかった場合、最後の試合相手に一人につき色々な補正がかかり異常に強くなってしまう。 --「立花」と「ネロ」は相手チームに参戦するだけだが、「PX-001(たかゆき)」と「服部」の効果が凶悪であり、前者は相手の野手の走力と肩力を+2((この補正は対象能力がA14以上だった場合にA15の限界値を超える。ただでさえ強肩のアクメドは肩力が17に強化されてバントヒットの難易度が更に上がる。(「立花」と「ネロ」は補正対象外になる。))・投手のコントロールを+10し、後者は相手選手全員が絶好調になる。 --助っ人キャラを誰も仲間にしなかった場合、大会優勝で貰えるボーナスが250万に増えるメリットがあるが((先述の通りミニゲームで1回あたり最高50万円(4人分で200万円)入手でき、通常の優勝ボーナスが100万円であるため、金の面でも素直にミニゲームをクリアしたほうが得。))、それでも勝つのは至難の業。そして絶好調で変化量が上がるためか、敵投手の変化球使用率が上がる。初期出荷版では前述の通り、プロペラデストロイヤーズ以外のチームも強化される。 --また、そのことを示すイベントが三年目に発生するようになるが、発生しなくても上記のことが起こる。 ***運要素の強いゲームバランス -身体の故障や心の病気の治療の成功率がGBAシリーズの中では55%と最も低く、運が悪いと連続で失敗する。 -バイトでの事故率がエネルギー関係なしに固定されているため、高額収入の仕事は常に危険が付き纏う。 --しかも事故が発生する毎にパーツが破損してしまう仕事が二つあり、それがよりによって「ドリル」所持時に行える「トンネル工事」と「シールド」所持時に行える「ボディガード」である(前者は10%、後者は15%)。 --どちらも高給の仕事で、強い選手の育成には不可欠であるため、アイテムを高価な能力パーツで埋めることが多い終盤に事故が起こり高額パーツが壊れてしまいストレスが溜まることが多い。せっかくもらった威圧感や超特殊能力パーツまで壊れてしまうことがある。 --だからといってパーツを極力買わずに現金のまま貯めておくと、しつこく亀田の徴収に遭うため損をすることになる。 --一応持っているだけで優先的に破損してくれる「チョコレート」などのパーツもあるが、非売品である。 -''トラックに轢かれるイベントの発生確率がシリーズ中最も高い''。 --育成選手の二人に一人は発生するぐらい。さらにイベント発生時にトラックに轢かれる確率が''80%''と非常に高いことも問題であり、自力回避の前に犬が助けてくれる確率も20%と低い(『1』『2』では自力回避率と犬が助けてくれる確率がそれぞれ『3』より20%高い)。 --前二作ほど轢かれた時の育成ダメージは大きくなく((「エネルギー減少」、「修理費用」、「パーツ破壊」はあるが、長期間の入院はない。))、運良く格安パーツだけが壊れるだけで済むこともある(最大3つまで)が、それでも高すぎである。 --また、このイベントは発生した瞬間、轢かれたかどうか決まるためリセットでは防げない。 -パーツシステムのためか特殊能力パーツを入手する機会がほとんどなく、基本はジャンク屋にうろついて買う以外方法はない((ちなみに威圧感と超特殊能力は非売品。))、売っているパーツがランダム((それぞれ33%か17%。))のため欲しい特殊能力パーツが売っていることが中々ないため((しかもうろつくごとに一週間消費。))入手しづらい。 --ランダムイベントでたまに入手できることもあるが、マイナス特殊能力パーツを手に入れてしまうことも多い((ムード☓」や「ケガ☓」(-80万)、「スロースターター」や「タイムリーエラー」(-100万)売る時に高額な金が必要になってしまうマイナス特殊能力も多い。))。 -ジャンク屋のシステムにも批判が多く、特殊能力以外のパーツも売っている確率がそれぞれ33%か17%で、何週間うろついても防水スプレーやドリルなど欲しいアイテムが売っておらずストレスがたまることが多い((しかもオートやセミオートなどいらないパーツに限って100%販売。))。 --せめてもう少し確率を増やすか、ローテーション制にする必要があったと思われる。 このように、パワポケ3には''プレイヤーの運を問われる要素''が多く、問題点となっている。~ 他にも仲間評価の概念が無いため、火星オクトパスの選手達の能力を上げるためには、うろつきで選手達のコーチをして上げるしかなく、この時能力が一段階上がる確率は60%でこれも運要素である。 ***その他の点 -サクセスでキャラクターの製造番号が「4n-1」の時にロックオンマシーンが貰えるイベントがあるが、真面目に強い選手を作ろうとするとこれを貰わない手は無い為、結果として選手を1回作る間に3回わざとデータを消去する必要に迫られる((作成したファイル全てにロックオンマシーンを貰えるように出来る裏技があるが、3つデータを作らないといけないため少し面倒。))。手間がかかるだけの要素として批判されやすい。 -アレンジチームとしても使用できる敵チーム「ドリームドルフィンズ」の適正ポジションの偏りが異常。 --一塁手と三塁手以外の適正ポジション持ちは各ポジション1人(外野手は3人)だけ、三塁手は2人で残り全員が一塁手というとんでもない配分になっている。その上サブポジは誰も持っていない。 --しかも一人しかいない二塁手と遊撃手は共に能力値がFとGしかなくまるで使えない。一塁手の控えはそこそこ能力の高い選手が多いが、スタメンの一塁手がパワーAの主砲であるため殆ど出番が無い。 --この時代のパワポケはアレンジチームの登録人数が少なく(野手は14名)、ドルフィンズに限らず選手のやり繰りは苦労するのだが、ここまで偏ったチーム構成は他にはない。ドルフィンズは選手の能力もかなりピーキーでありわざと偏った構成にしているのかもしれないが、それにしても使い辛いと言わざるを得ない。 ---- **総評 携帯機における野球ゲームとして見てもパワポケ世界として見ても歴史に大きな影響を与えた一作と言ってもいいだろう。今から見ると陳腐だが当時としては十分だったのだ。~ パワポケの中でも癖の強い一作ではあるものの、プロペラ団と決着をつけるストーリーは十分熱く、心に残る名言も多い。~ 後のシリーズにおいて伏線扱いされた設定も含めて『パワポケ』シリーズの方向性を決めた一作の一つと言えよう。 ---- **余談 -パワポケシリーズ本編は『[[14>パワプロクンポケット14]]』まで発売されたが、バントが必須なのは本作だけである。 --GBAの『4』~『[[6>パワプロクンポケット6]]』でもバントを生かした戦法は有効だが、使えば便利なレベルにとどまっている。 -サクセスで「安定感」が作動する数少ない作品である。 -シリーズおなじみの「ダイジョーブ博士の肉体改造イベント(サイボーグなので改造パーツ装着イベント)」だが、本作では珍しいことに(発生さえすれば)確実に成功させる手順が正攻法で存在する。 -『1』『2』『[[12>パワプロクンポケット12]]』とセットでほぼ全曲収録された「パワプロクンポケット音楽館」というサントラが発売された。 -本作のメインセレクトBGMはPSの『パワプロ2001』『2002春』『プレミアム』のものと共通(発売順的には本作が最初。またハードの違いによる音源の違いは当然存在する)。 --パワポケとパワプロで共通のBGMが用いられることは非常に珍しい(他にはDS以降のホームラン競争くらい)。 -先述した敵チーム「ドリームドルフィンズ」の選手名は、[[茂宮>スーパーマリオブラザーズ]]・[[口坂>ファイナルファンタジー]]・[[井堀>ドラゴンクエスト]]・[[尻田>ポケットモンスター 赤・緑]]・[[上三>BIOHAZARD]]・[[ビデオ>メタルギア]]など著名な(ゲーム)クリエイターの名前をもじった名前となっている。 --ややマイナーなところでは[[角西>スペースインベーダー]]・[[ジパトノフ>テトリス]]といった名前もあり、本作の対象年齢から言えば気付いた人は少ないかもしれない。 ---- **後のシリーズに与えた影響 -『4』『[[5>パワプロクンポケット5]]』では大人しくなったものの、『11』で回収された「ヒナコのGOODエンドで暗殺される唐沢博士」や『12』で中核を占めた「寺岡薫が遺したモノ」など後のシリーズへの影響は大きく、そもそも「サイボーグ」自体が『8』で別の掘り下げが進められ、DSシリーズの肥大化する世界観の根源が『3』で創られたともいえる。 --本作だけ見ても「唐沢博士の暗殺」などは引っかかるモノがある。そこもパワポケ節なのかもしれないが。 -智美の遺伝子は『8』の白瀬芙喜子、『[[9>パワプロクンポケット9]]』の広川武美にも影響を与えている。特に白瀬は最終作の『14』までその生き様を見せつけるため、智美のロマンチストでビターエンド好きな性格がパワポケシリーズの土台を支えていた重要なファクターであるともいえる。 -火星オクトパスのヤクザ監督である垣内監督は元々「火星の土地を手に入れたせいで火星開拓したがっている人」であり、プロペラ団基地を壊滅させた後に「次世代の連中がやってくれる」という事を信じていたが、最終作のつもりで創られた『14』のトゥルーエンドでは次世代の子供である主人公によって火星開拓が本当に進められ、彼の夢が叶った形になる。
#contents() ---- *パワプロクンポケット3 【ぱわぷろくんぽけっと さん/すりー】 |ジャンル|野球ゲーム|CENTER:&amazon(B00005QBJP)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|64MbitROMカートリッジ|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|KCEO(ダイヤモンドヘッドプロダクション)|~| |発売日|2001年3月21日|~| |定価|6,090円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |周辺機器|通信ケーブル対応|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|GBAのローンチタイトル&br()狭い球場&バント無双&br()シリーズでも異色作&br()''畜生と化した亀田''&br()事故が多くクリア難度は高め|~| |>|>|CENTER:''[[パワプロクンポケットシリーズ]]''| ---- ~ #center{&size(20){''手のひらにおさまる本格野球ゲーム!''}} ~ ---- **概要 本家『[[パワプロ>実況パワフルプロ野球シリーズ]]』シリーズとは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきた『パワプロクンポケット(パワポケ)』シリーズの3作目にしてGBA版の第1作。~ GBAのローンチタイトルの一つでもある。~ これまでのパワポケはBADエンドにおいて死ぬ彼女・寝取られ展開などはさておき、『パワプロ5』の悪役校「極亜久高校」やオリジナルのプロ球団「モグラーズ」など地に足のついた設定だったが、本作は「''事故死した初代主人公がサイボーグに改造されて蘇る''」というトンデモ設定から始まる。 ---- **ストーリー ''『サイボーグ編』'' >プロペラ団の放ったサイボーグ選手による暗躍。それによって世界中のスポーツはその手中に落ちつつあった。~ そんな中、とある事件で死んでしまった1主人公は、生前の記憶と引き換えにマッドサイエンティストの唐沢博士と高校時代の親友である亀田によってサイボーグとして蘇生された。~ クローン技術で人間の体に戻るための資金集めのため、そして毎年プロペラ団本部で開催される闇大会に潜入するため、そして失った記憶を取り戻すために、社会人野球チーム「火星オクトパス」に入団しプロペラ団との決戦に挑む。 ''『ドキドキ地雷パニック』'' -マインスイーパー。ストーリーはない。あえてあげるなら「''新ハードは地雷''」ということだけである。 ---- **評価点 ***ストーリー -『1』から暗躍していた悪の組織「プロペラ団」との完全決着。 --ファンの間からは本作と『1』『[[2>パワプロクンポケット2]]』を合わせて「プロペラ団三部作」としてあげられる事もある。 --初代から継続して登場した『四路智美』は本作では「選ばれなかった彼女キャラ」として1主人公への未練を捨てきれないプロペラ団の幹部として登場。1度クリアして条件を満たすとお互いに素性が分からないまま交流を持つことが出来る。 --「別の世界の自分」が『1』の主人公と結ばれた可能性について想像する台詞はロマンチストな彼女らしく良くも悪くもギャルゲー度の高いパワポケシリーズの根底を見据える発言として名言として挙げられている。GOODエンドで過去の記憶を取り戻した主人公が極亜久高校の頃の集合写真を手に取るアルバムEDは『1』からのプレイヤーを切なくさせるだろう。 -今回の主人公が所属する事になる草野球チーム「火星オクトパス」は、多くのキャラをスカウトできる。 --「たかゆき(ロボット)」「立花ボボ(バッタ怪人)」「服部(新興宗教の教祖)」のようなプロペラ団の部下をミニゲームで仲間にできる上、『1』で登場した聖皇学園の「ネロ」、大東亜学園の「鋼」、白鳥学園の「冬野」、『2』のモグラ―ズ選手の「ドミオ(条件を満たすとメカドミオと化してパワーアップ)」「倉刈仁志」といった旧作キャラも仲間に出来る。初期メンバーの「アンヌ」も女性ながら投手・野手能力ともに頼りになる。 --亀田は本作では野球選手としては仲間にならないが後のシリーズのアレンジモードでは「ネオ亀田」も追加される。 --初期パワポケオールスターチームとも言え、パワポケの草野球チームの中でも最強クラス。なかなか熱いシチュエーションである。 ---一方モブキャラ勢(火星カンパニー社員)も主人公がコーチをすることで強化ができ、鍛え上げればサクセスキャラに匹敵する能力にすることもできる。多くの行動ターンを消費するため、どこまで強化して試合に臨むかはプレイヤー次第。 ---初期状態でも能力バランスが良く大抵スタメンに入る「島宗」や「杉本」、特に欠点のない先発投手の「池藤」「栗原」などは頼りになり、サクセスキャラと組み合わせれば強化しなくても意外と運用しやすいチームである。 --ただし「たかゆき」「立花」「服部」「ネロ」((この4人に関してはミニゲームをクリアすると30~50万円の大金までもらえる。2年目は300万円もしくは200万円もの大金が必要なので、クリアのためにも重要。))以外のキャラは必要なイベントが多かったり加入がランダムだったりするため全員集合を見るのは難しい。 ***野球の進化 -ハード進化に伴い、グラフィックが色鮮やかに。 -パーツが必要だが守備・走塁をオート・セミオートから選べるようになった。前作まではオートオンリーだったので目覚ましい進化と言える。 --また「アウト」「フェア」「セーフ」「ゲームセット」などの掛け声がボイスで流れるようになった。GBAの性能をいかんなく発揮したと言えよう。 ***その他 -良質なBGM --GBAにはGB音源があり、それが原因で癖の強いGBAソフトがこの先いくつも出てくることになるのだが、今作ではそのGB音含めハードの性能をうまく活用している。 ---サクセス中のBGMは「1」と同じく春夏秋冬と用意されており、どれも出来が非常に良い。 ---「セレクト画面の曲」は「パワプロ2001」のアレンジになっているが、GBAの電子音を逆手にサイボーグ感を後押ししている。 ---他にも、ガンダーロボ戦にて流れる「ガンダーロボ」など全体的に「サイボーグ」というワードに合った電子音が多い。 --GBAの音源は非常にクセが強く、GB音源に毛の生えた程度なものが多い。上手く使いこなした作品は後に「[[リズム天国]]」などが登場することになるが、それはGBA末期の作品である。今作は''ローンチタイトルにしてGBA音源を使いこなした''と言えるだろう。次作以降、さらにこの音源は洗礼されていくことになる。 -後のシリーズにも引き継がれた新要素 --パーツを集めて能力を上げるシステムが初登場。 ---パーツは能力パーツ・特殊能力パーツの他にサクセス内でのみ使用するアイテムパーツがあり、合計で30個まで所持できる。能力パーツは同じカテゴリ内でも上昇量の違うパーツがあり、上昇量が大きいほど値段が跳ね上がっていくが、小さいパーツで能力を上げようとすると30個しかないパーツ欄を圧迫し頭打ちになるため、所持金や目標能力・アイテムパーツとのバランスを意識したやりくりが必要となっている。なお野手はポジション・投手はフォームによって各能力パーツの基本価格が若干変動する。 ---特殊能力パーツは従来の特殊能力と同じだが、売却や破損などにより付け外しが可能である。またサブポジションも特殊能力パーツ扱いで購入できる。 ---アイテムパーツは選手能力に影響しないアイテムで、「ドリル」などのアルバイトに必要な道具、「防水スプレー」「対人ミサイル」などイベントで身を守るアイテム、購入金額と同額で売買できる「金目のもの」などがある。なおサクセス終了後は不要になるため、売却しなければパーツ欄を圧迫するだけである。 ---パーツは売却可能だが、売値は原則として買値の半額となる。なおマイナス特殊能力も売却できる(消去できる)が、多額の金を払って引き取ってもらう形となる。「呪いの人形」などのマイナスアイテムも同じ。売らなければ現金を払う必要はないが、その分パーツ欄を圧迫し続けたりマイナスイベントが起こる原因となったりする。 --通常のサクセスと違い、特定の能力を上げやすく個性的な選手を作成しやすい。 ---後のシリーズではRPGでキャラを鍛える「裏サクセス」の野球人形において使われる手法になる。 --新しい特殊能力が追加された。それに伴い彼女キャラとの攻略で得られる強力な「超特殊能力」も追加された。 --パワポケの歴代オリジナルチームと実在球団を合わせたチームを作れる「アレンジ」が選択できるようになった。 --パスワード入力により過去の作品の選手を登録できるようになった。 --条件を満たせば彼女や仲間のアルバムが追加される。 ---アルバムの自由閲覧モードは『[[4>パワプロクンポケット4]]』から追加された。 ---- **賛否両論点 -''パーツシステムによる「練習しない」野球ゲーム。'' --''アルバイトなどでお金を稼ぎ、その金でパーツを買ってステータスを強化するシステム''は賛否両論。『4』以降は普通の練習や彼女との交際で強化するシステムに戻っているためシリーズ中でも異色のシステムとなっている。 ---そのアルバイトも「清掃」「ティッシュ配り」「皿洗い」「夜警」「バグチェッカー」など種類は豊富なのだが、「特定アイテムを所持しているのが条件でないバイトは完全ランダム選出」「同じバイトを繰り返すと昇給する」システム上、早急にジャンク屋で「ドリル」か「シールド」を手に入れて「トンネル工事」「ボディガード」の仕事をひたすら繰り返すのが一番いいとされる。 --過去作にあった「タフ」も存在せず、代わりのステータスも「ストレス((過去作における「血の気」「プレッシャー」のようなシステム。上がりすぎると大量のエネルギーを消費しストレスを減らす「暴れる」コマンドしか選べなくなる。))」「人の良さ」とかなり独特。 --主人公がサイボーグなので、ケガによる長期間の「入院」も存在しない。そのため故障時の育成ダメージも低い方。 --開始時の選手能力も完全固定化され、病気も持たなくなった。このシステムは以降のシリーズでも引き継がれていく。 -とにかくマイナスイベントが多くて死にやすい。 --以前作や本家「パワプロ」での「体力」が本作では「エネルギー」となっているが、''「エネルギー」が切れる(数値が0になる)と道端で動けなくなって粗大ごみとして捨てられて即ゲームオーバーになる''為、他シリーズ作品より体力ギリギリまで行動するリスクが高い。絶えずエネルギーには細心の注意を払う必要がある。 --通常の行動や「仕事」でのエネルギー消費はどれだけ行っても最低「1」で踏みとどまってくれる。しかし踏み止まれずエネルギーを消費する、あるいは週ごとにエネルギーを消費する状態異常「ショート」になるマイナスイベントがとにかく多く、最低値付近で回復する前にその手のマイナスイベントが起きるとゲームオーバー確定である。 ---具体的には、「ストレス」が溜まって暴れるしかなくなってエネルギーを使い果たして死ぬ、川に落ちたりチンピラにカツアゲされたりトラックに撥ねられるランダムイベントで大きく削られて死ぬ、雨が降ったりアルバイトで事故ったり''荒井三兄弟にキムチぶっこまれたり''で「ショート」になってエネルギーが削れて死ぬ…等。 --他シリーズに比べ、定期イベントやランダムイベント等でエネルギーを回復できる機会が少ないため、回復コマンドや発電機パーツの管理が重要になる。 --エネルギーを毎週回復してくれるパーツもあるが、その内の一つ「原子力発電」を持つと、亀田が放射能汚染を恐れて殺しに来る(鉛箱に入れられて海に沈められゲームオーバー)。警告のイベントが2回発生するのでそれを見てからパーツを処分すればいいのだが、原子力発電はマイナスアイテム扱いのため、売るには大金を支払う必要がある。 ---発電機にはガソリンや太陽光などもあり、回復量は原子力に劣るものの上記のようなゲームオーバーに直結するデメリットはない。ただし入手から1年経過するとランダムで爆発し他のパーツもろとも消滅してしまう。こちらは売却すれば高額で売れるので、入手時期を覚えておいて1年経過直前に買い取って貰えば低リスクで運用できる。 --運が悪いと「''川に転落してショート+ストレス激増→暴れるしかできずエネルギー激減→そのままショートでエネルギー切れ''」「''エネルギーが危険域に達したので回復しようとしたらチンピラのカツアゲやおばちゃんのゴミ分別で削り切られてエネルギー切れ''」とイベント一つでゲームオーバー一直線になることも。そのため、やり込んでいてもリスクのある行動を取るとあっという間にゲームオーバーになってしまうこともある。 --その分、コマンドの「エネルギー回復」を実行すれば必ず最大値の100%まで回復できたり、上記のエネルギーを自動回復してくれる発電アイテム((ターン開始時に回復するので「ショート」で死ぬこともない))、ショートやサビつきを防ぐ「防水スプレー&メッキ」((「防水スプレー」は安価で水を被る系統のイベントから完全に身を守る代わりに使い捨て、「メッキ」は消耗せずにサビつきを防げるが高額で、ストレス上昇などのデメリットは受ける。両方を所持すると前述の「キムチ」など特定のイベントを除き何度でも防ぐことができる。))、エネルギーがゼロになった瞬間に自動的に100%に回復する「予備バッテリー」など、エネルギー切れを防ぐ術は結構あるため、バランスは取れてはいる。前述のケースも防水スプレーや予備バッテリーを持っていれば防げる話である。 --博士のゴミ捨てや亀田の無駄遣いなど無限発生する汎用イベントが数多く存在する。そのくせ仲間や彼女が必要なランダムイベントは欲しいときに起こらない事もしばしば。 --慣れれば最終的に記憶さえ上げておけば亀田と殴り合えるのでクリア自体はそれなりに安定する。ただし終盤にトラックや仕事での事故が運悪く連発して記憶が激減することがあるため油断は禁物。 -上にも繋がる話だが、相棒メガネの「亀田」が''非常にウザイ''。『1』の頃はお調子者ながらそこまで悪い奴ではなかったが、本作の亀田は本当にウザい。 --商売道具を拾ってきては主人公を故障や病気にする、一定の週に「徴収」として自分勝手な買い物(ハンコ・英会話キット・空気清浄機など最高6万)をするためにお金を持っていく((買値と同額で売却できる「金目のもの」を買って現金を減らしておくことで被害を軽減することは可能。))。そのせいで難病のヒロイン・ゆかりを救うのに必要な手術費(300万円)を稼げずに死なせてしまう事も多々あり、亀田への殺意が湧く。またエネルギー切れなどのBADエンドで主人公がうっかり死ぬ時は薄情なほどあっさり見捨てる。 --本作でも唐沢博士の娘である「ヒナコ」ルートなどでは亀田が主人公に気を効かせているシーン自体はそれなりにあるのだが、それ以上に妨害行動((記憶が戻った主人公を殴って忘れさせたり、記憶を無くす薬を飲ませたりすることなど))が目立ち、明らかな「お邪魔キャラ」として設定されている。 --だが、ストレス要素であるパーツの破損の原因には一切関わらないという憎めない点もあったりする。他にも持っているだけでストレスの減少量を増やす有能アイテムの「ぬいぐるみ」を(有償で)くれたり、一部のイベントでは高額な「シールド」や「対ロボミサイル」、特殊能力パーツなどをくれることもある。 --そんな「亀田」とは、最後のミニゲームでの殴り合いで決着がつけられる。それまでの亀田の散々な徴収や嫌がらせで溜まった鬱憤を熱いBGMと展開と共にぶつけられ、勝った際には''主人公が亀田を一喝する''熱い展開がある。 #region(その一幕(ネタバレあり)) -荒れ果てていた極亜久高校野球部を持ち前のやる気と熱意で立て直し、甲子園優勝まで成し遂げたことや、実は主人公が好きだったのに当てつけで自分が智美と付き合うことになってしまった主人公に対して激しい嫉妬心を抱いていた亀田。自分を当て馬にした智美への当てつけとして、智美の本当の想い人だったその主人公を最大限利用して、世界征服を企んでいたことを告白する。 --それを聞いた主人公は激怒し、「''自分で努力をしようともせず、他力本願で物事を為そうとしても心が満たされるわけがない。苦労してこそ、努力してこそやり遂げたっていうことなんだよ!''」と歪んだ心を持った亀田を一喝する。 -最終決戦で負けると亀田の奴隷となり、全所持金とパーツの多くを持って行かれる悲惨なラストが待つ。だが亀田との殴り合いミニゲームは練習不可なので緊張感が溜まる。 --そのミニゲームも、亀田に今まで徴収されたお金の額によって難易度が変わるため((徴収額が多ければ多いほどガンダーロボの反応速度と防御力が上がるためクリア難易度は上がる。))、負けた時のリスクを考えれば、後述のように人の良さを上げて避けた方が良い見方もある。 -「人の良さ」が極端に高いと亀田を許し、その亀田も主人公の人の良さにあてられて主人公を人間に戻す展開になるため、ミニゲームが免除されてそのままクリアとなる(逆に「人の良さ」が極端に低いと亀田と共にサイボーグのまま(プロで大活躍するため)悪の道に進むことになってしまう((一応これでもゲームオーバーでなくクリア。))。 --その際に主人公が語る「亀田君のおかげで生き返ってみんなに出会えて野球が出来た」というお人よし全開な「相手の悪意的な行動に対して恨みを抱くよりも自分にとってプラスになったことに感謝する」という解釈をする展開は後のシリーズの一部の彼女とのクライマックスでも使われることになる。''所謂「正義の反対は、慈悲・寛容」なんじゃよ。'' #endregion -本作の亀田は主人公に対する「腐れ縁」で嫌がらせを行っており、主人公との因縁が非常に強い。DSシリーズ末期にありがちな「主人公と一切接点がない悪役」よりも、小物でも主人公への因縁が非常に強い亀田の方がいい悪役だったと評価する声もある。 --本作で完全に「悪役キャラ」が確立したためか、次作の『4』以降の裏サクセスの黒幕キャラは全て亀田と「ガンダーロボ」か(ファンタジー風世界なら)「ガンダーゴーレム」が務めている。 ---ただし後期シリーズではほるひす・曽根村・ギャスビゴー星人・ハームレス・グントラムなどのキャラに「真のラスボス」のお株を奪われる事もしばしば。 -シリーズでは唯一、「やる気」のパラメーターが無い。その為、試合では主人公の調子はランダムである((一応「やる気が上がった」「やる気が下がった」というメッセージがあるが、恐らくあまり関係ないものと思われる。))。 --ただ、「やる気」がないことによってイベントやアイテムでの管理をする必要がないため遊びやすいところもある。 -効率良く育てる手段が''「智美」「ゆかり(難病の小学生。300万円を渡すと助かる)」ともう1人別の女性(唐沢博士の娘である「ヒナコ」など)の三股をかける事''である事は賛否が分かれる。 --結局、智美とは友情は取り戻せても恋仲になる事はないし、ゆかりは小学生である故に恋愛関係ではないので厳密には三股ではないのだが…。 --なお「ヒナコ」は彼女と結ばれた後に起こる「唐沢博士の暗殺事件」が『[[11>パワプロクンポケット11]]』において重要な伏線として回収されたため、正史ヒロインではないかという説がある。 ---パワポケにおいて今後はあまり「正史ヒロイン」を明言しなくなった。 -おまけサクセスの「ドキドキ地雷パニック」が本当におまけ。 --『2』の戦争編にあった呪い島とほぼ同じルール。要するにマインスイーパ。 --新プラットフォーム以降で開発期間が足りず、ミニゲーム的なものしか作れなかったとのこと。 --この現象は後にDSへ移り変わった直後の『[[8>パワプロクンポケット8]]』でもあり、その際に「新ハードは地雷」というネタも残している。 ---- **問題点 ***ストーリー -『1』の正史が荒井紀香(ハズレ彼女)であること。 --当時の話になるがこの紀香が本当に酷いキャラである。良い事は「野球超人伝」をくれる事くらい。 --とにかくマイナスイベントを与えてくる。パワプロのカレンが聖女に見えるほど性格も悪い。『2』では保険金目当てで2主人公を殺しに来るイベントがあるくらい。 --本作ではランダムイベントでの回想のみの登場であるが、それでも酷さは健在で、記憶はある程度戻せるがストレスが大幅に上がってしまう。ただ、これはまだマシなレベル。 --また亀田が歪んだのも、主人公が好きだった智美があてつけに亀田と付き合いだした事が大きいらしい。主人公が紀香とくっついてしまった事で起きた悲劇でもある。 ***バグ -初期出荷版ROMでのバグがある。 --彼女候補の看護婦「叶野ミキ」のイベントで''強制フリーズする''((恐らくパーツがすべてなくなる処理が行えないからだと思われる))。 ---そのため、このルートのアルバムは修正版でなければ見ることが出来ない。 --服部を仲間にしなかった場合、3年目の全試合相手の調子が絶好調になる。 --ホームラン直後にセレクトボタンでスキップするとフリーズすることがある。 --試合中に特定の操作を行うことでリセットペナルティを回避でき、何度でもリセットできる((ただしリセット回数自体はカウントされるため、試合外でリセットを行うと…))。 --一部のイベントでのパラメーター変動がテキストに表示されない。特定条件を満たすと河原で犬に合うイベントでストレスが下がらなくなる。 --ドキドキ地雷パニックでパーツアイテム((青い宝箱のこと。))から「変化球+2」パーツを手に入れることができない。 ---バグと言えるかは微妙だが、前エリアのゴール直前からのやり直しが初期版のみ可能。 -アンヌをパワーアップさせると、それまで受けていた能力補正が無くなってしまい逆に弱くなってしまう場合がある。 --これは「能力が上書きされてしまうこと」が原因。 --火星オクトパスに最初から所属しているアンヌや社員達は前述のようにコーチによる能力補正がつくのだが、この補正は「助っ人キャラ」は一切受けない。パワーアップ後のアンヌは後から入団したキャラと同じ扱いになってしまう((変化球と特殊能力は良くなるが、球速とコントロールが大きく下がる。))。 -ドミオのパワーアップイベントが発生しない((チートで無理やりイベントを呼び出さないとパワーアップ不可。))。 //-ある彼女のデートイベントで特定アイテムを所持上限まで入手できる。その中にストレスの減少値が増える「ぬいぐるみ」が含まれており、ちょっとしたイベントでストレスを大きく減少させることができるようになる。 //認知度が低いため除外。 ***野球のバランスが悪い -野球パートが良くなったといっても、あくまで「''GB時代に比べれば''」の話である。あくまで「GBAのローンチとして旧GBとは段違いのグラフィックを提示した」というだけであり、野球ゲームを期待するものでもない。 --球場はかなり狭く''そこそこの当たりでも外野フライになることが非常に多い''。 --そのため、本作を攻略する際には「全体的に守備動作が遅い」「バントシフトへの切り替えが遅い」「捕手がゴロを拾いに行かない」等の仕様の穴を突いた''三塁線へのセーフティバント連打''がほぼ必須である。パワーが極端に高く強振でホームランを狙える「ネロ」や「ドミオ」以外の''スタメン全員がバントをする''のも本作では当たり前の戦術である。 ---ただし最終戦の相手となる「プロペラデストロイヤーズ」戦は三塁手の「アクメド」が肩力15と高い能力を持つためバント戦法を阻止されることが多く、「ヘッドスライディング」持ちの選手か内後シフトでなければ安定しない。 --本作のCPUは大きく外すボール球を投げることが多いので、変化球のレベルの高い投手が相手の場合は''死球狙いでボール球へぶつかりに行く戦術''もある。 --次作の『4』よりもゴロの威力が強くライナーよりヒットになりやすい。高くバウンドすることも多く捕球が遅れて内野安打になりやすい。そのため『4』以降と異なりカーソルの上を狙って撃った方が良い。 --低弾道の強い打球の処理がCPUは苦手で変な追い方をして捕球し損ねることがある。GBAシリーズ全般で発生する。 --CPUは盗塁する際に、盗塁予約可能ギリギリのタイミングで盗塁してくる((キャッチャーの捕球直前に盗塁予約をされる。ランナーのアニメーションが変化せず、投球後に硬直挟んだ後にランナーに進塁される。))。 ---不意打ちに近く、かなり嫌らしいものとなっている。 --『7』ほどではないがカメラ移動が遅く強い当たりの落下地点が読み辛い。 --盗塁はスタートが異常に遅く、捕手の肩力次第ではどんな選手でも成功しない。 ---一方ランナーが一・三塁の状態で二盗し、画面が切り替わってすぐ本盗をするとCPUは二塁へ送球してから返球するため本盗が成功しやすいという穴もある。稀にピッチャーがカットするケースもあるが得点期待値としては高め。 ///AIレベルが高いと送球をカットしてくることが多いためそこまで成功しない。これに関しては次作の『4』の方が成功しやすい。 //↑とりあえずコンピュータ対戦で難易度全部パワフルに設定したダイエーを相手にアレンジチームを走力14以上の選手だけで構成し何試合か繰り返して計30回試行してみましたが、ピッチャーにカットされたのは2回しかありませんでした。体感的にはサクセスのデストロイヤーズ戦もカットされるケースに出会ったことがないので、記述通りそこそこ得点が期待できると感じます。 --なぜか今作のみ「走塁○・×」と「回復○・×」が存在しない。 --「ヘッドスライディング」がパワポケシリーズ最強クラスの高性能。具体的には滑り込みスピードが異常に速く、瞬間移動をしているかのような挙動になっており発動すればまずセーフになる。そのため今作は「ヘッドスライディング」を所持していたら内野安打になっていたというケースが多発する。もちろん今作で用いるバント戦法とも非常に相性が良い。 ---そのため、サクセスではこの特殊能力を持つ「PX-001(たかゆき)」と「倉刈」は重要な戦力である。 --''ランナーが三塁にいる状態で、肩A牽制○のピッチャー(石井一、松坂等)が三塁に牽制をすると、必ずアウトになる。''このため、ヤクルトや西武を使用して、四球と牽制を繰り返すことで必ず完封勝利できる。 ---なおサクセスには該当選手はいない。主人公でも投手時は肩力最大値がB13のため条件を満たせない。 --サブポジションの性能が悪く目に見えて守備性能が落ちる。特に外野はメインポジション補正が強く守備速度が大きく落ちる。『[[7>パワプロクンポケット7]]』以外のGBA作品はこの仕様を引き継いでいる。 ---オクトパスにおいてもCPUが設定するスタメンはサブポジションで起用する場合が多く、例えば「立花」「倉刈」はどちらもメインが遊撃手であるため「倉刈」を外野にするなどやむを得ないパターンから、ポジションが一捕外の「ネロ」を捕手に、捕一の「杉本」を一塁手にして同時起用するなど疑問の残る配置もするため守備の穴ができやすい。主人公のポジション次第では主人公が優先的に起用される関係上より顕著になる。 --試合中の選手交代やポジション変更はプレイヤーが自由に行うことができるが、ポジションを変更すると直後にCPUがタイムを掛け元に戻してしまうことがある。 --投手を代打で降板させた場合、次の守備時の登板選手をプレイヤーは選ぶことが出来ず、CPUが勝手に選択する。 -一応、次作以降よりもCPUのAIが優れている点はある。 --スタミナが切れるとすぐに投手を降板させる((次作以降はスタミナが切れても続投させることが多い。))、AIレベルが高いと盗塁中に別の塁の走者を動かすと投手が送球をカットすることが多くなるなど。 -二年目にミニゲームで仲間にできるキャラを仲間にしなかった場合、最後の試合相手に一人につき色々な補正がかかり異常に強くなってしまう。 --「立花」と「ネロ」は相手チームに参戦するだけだが、「PX-001(たかゆき)」と「服部」の効果が凶悪であり、前者は相手の野手の走力と肩力を+2((この補正は対象能力がA14以上だった場合にA15の限界値を超える。ただでさえ強肩のアクメドは肩力が17に強化されてバントヒットの難易度が更に上がる。(「立花」と「ネロ」は補正対象外。) ))・投手のコントロールを+10し、後者は相手選手全員が絶好調になる。 --助っ人キャラを誰も仲間にしなかった場合、大会優勝で貰えるボーナスが250万に増えるメリットがあるが((先述の通りミニゲームで1回あたり最高50万円(4人分で200万円)入手でき、通常の優勝ボーナスが100万円であるため、金の面でも素直にミニゲームをクリアしたほうが得。))、それでも勝つのは至難の業。また、PX-001の強化が入ると敵のAIも強化される。初期出荷版では前述の通り、プロペラデストロイヤーズ以外のチームも絶好調になる。 --また、そのことを示すイベントが三年目に発生するようになるが、発生しなくても上記のことが起こる。 ***運要素の強いゲームバランス -身体の故障や心の病気の治療成功率が''55%''とかなり低く、運が悪いと連続で失敗し病気一つ治すのに1ヶ月以上消費する。一応、複数の病気を持っていると成功率は上がるが…。 -バイトでの事故率がエネルギー関係なしに固定されているため、高額収入の仕事は常に危険が付き纏う。 --しかも事故が発生する毎にパーツが破損してしまう仕事が二つあり、それがよりによって「ドリル」所持時に行える「トンネル工事」と「シールド」所持時に行える「ボディガード」である(前者は10%、後者は15%)。 --どちらも高給の仕事で、強い選手の育成には不可欠であるため、アイテムを高価な能力パーツで埋めることが多い終盤に事故が起こり高額パーツが壊れてしまいストレスが溜まることが多い。せっかくもらった威圧感や超特殊能力パーツまで壊れてしまうことがある。 ---1年目の場合でも「年末に行われる入団テストの直前に事故が発生して能力パーツが破損、能力が足りなくなり再起不能」という悲惨な結果も発生しうる。 --だからといってパーツを極力買わずに現金のまま貯めておくと、しつこく亀田の徴収に遭うため損をすることになる。 --一応持っているだけで優先的に破損してくれる「チョコレート」などのパーツもあるが、非売品である。 -''トラックに轢かれる「交通事故イベント」の発生確率がシリーズ中最も高い''。 --育成選手の二人に一人は発生するどころか、一回の育成中に2〜3回轢かれることも普通にある。さらにイベント発生時にトラックに轢かれる確率が''80%''と非常に高いことも問題であり、自力回避の前に犬が助けてくれる確率も20%と低い(『1』『2』では自力回避率と犬が助けてくれる確率がそれぞれ『3』より20%高い)。 --入院が存在しない都合上、前二作ほど轢かれた時の育成ダメージは大きくない。「エネルギー減少+修理費用50万円+最大3つパーツ破壊」で済むが、それでも高すぎである。 --また、このイベントは発生した瞬間、轢かれたかどうか決まるためリセットでは防げない。 -パーツシステムのためか特殊能力パーツを入手する機会がほとんどなく、基本はジャンク屋にうろついて買う以外方法はない((ちなみに威圧感と超特殊能力は非売品。))、売っているパーツがランダム((それぞれ33%か17%。))のため欲しい特殊能力パーツが売っていることが中々ないため((しかもうろつくごとに一週間消費。))入手しづらい。 --ランダムイベントでたまに入手できることもあるが、マイナス特殊能力パーツを手に入れてしまうことも多い((ムード☓」や「ケガ☓」(-80万)、「スロースターター」や「タイムリーエラー」(-100万)売る時に高額な金が必要になってしまうマイナス特殊能力も多い。))。 -ジャンク屋のシステムにも批判が多く、特殊能力以外のパーツも売っている確率がそれぞれ33%か17%で、何週間うろついても防水スプレーやドリルなど欲しいアイテムが売っておらずストレスがたまることが多い((しかもオートやセミオートなどいらないパーツに限って100%販売。))。 --せめてもう少し確率を増やすか、ローテーション制にする必要があったと思われる。 このように、パワポケ3には''プレイヤーの運を問われる要素''が多く、問題点となっている。~ 他にも仲間評価の概念が無いため、火星オクトパスの選手達の能力を上げるためには、うろつきで選手達のコーチをして上げるしかなく、この時能力が一段階上がる確率は60%でこれも運要素である。 ***その他の点 -サクセスでキャラクターの製造番号が「4n-1」の時にジャンク屋の初回うろつき時に「ロックオンマシーン」が貰えるイベントがあるが、真面目に強い選手を作ろうとするとこれを貰わない手は無い(普通に使うのはもちろん、売却しても15万円で売れるため金策にも便利)為、結果として選手を1回作る間に3回わざとデータを消去する必要に迫られる((作成したファイル全てにロックオンマシーンを貰えるように出来る裏技があるが、3つデータを作らないといけないため少し面倒。))。手間がかかるだけの要素として批判されやすい。 -アレンジチームとしても使用できる敵チーム「ドリームドルフィンズ」の適正ポジションの偏りが異常。 --一塁手と三塁手以外の適正ポジション持ちは各ポジション1人(外野手は3人)だけ、三塁手は2人で残り全員が一塁手というとんでもない配分になっている。その上サブポジは誰も持っていない。 --しかも一人しかいない二塁手と遊撃手は共に能力値がFとGしかなくまるで使えない。一塁手の控えはそこそこ能力の高い選手が多いが、スタメンの一塁手がパワーAの主砲であるため殆ど出番が無い。 --この時代のパワポケはアレンジチームの登録人数が少なく(野手は14名)、ドルフィンズに限らず選手のやり繰りは苦労するのだが、ここまで偏ったチーム構成は他にはない。ドルフィンズは選手の能力もかなりピーキーでありわざと偏った構成にしているのかもしれないが、それにしても使い辛いと言わざるを得ない。 ---- **総評 携帯機における野球ゲームとして見てもパワポケ世界として見ても歴史に大きな影響を与えた一作と言ってもいいだろう。今から見ると陳腐だが当時としては十分だったのだ。~ パワポケの中でも癖の強い一作ではあるものの、プロペラ団と決着をつけるストーリーは十分熱く、心に残る名言も多い。~ 後のシリーズにおいて伏線扱いされた設定も含めて『パワポケ』シリーズの方向性を決めた一作の一つと言えよう。 ---- **余談 -パワポケシリーズ本編は『[[14>パワプロクンポケット14]]』まで発売されたが、バントが必須なのは本作だけである。 --GBAの『4』~『[[6>パワプロクンポケット6]]』でもバントを生かした戦法は有効だが、使えば便利なレベルにとどまっている。 -サクセスで「安定感」が作動する数少ない作品である。 -シリーズおなじみの「ダイジョーブ博士の肉体改造イベント(サイボーグなので改造パーツ装着イベント)」だが、本作では珍しいことに(発生さえすれば)確実に成功させる手順が正攻法で存在する。 -『1』『2』『[[12>パワプロクンポケット12]]』とセットでほぼ全曲収録された「パワプロクンポケット音楽館」というサントラが発売された。 -本作のメインセレクトBGMはPSの『パワプロ2001』『2002春』『プレミアム』のものと共通(発売順的には本作が最初。またハードの違いによる音源の違いは当然存在する)。 --パワポケとパワプロで共通のBGMが用いられることは非常に珍しい(他にはDS以降のホームラン競争くらい)。 -先述した敵チーム「ドリームドルフィンズ」の選手名は、[[茂宮>スーパーマリオブラザーズ]]・[[口坂>ファイナルファンタジー]]・[[井堀>ドラゴンクエスト]]・[[尻田>ポケットモンスター 赤・緑]]・[[上三>バイオハザード]]・[[ビデオ>メタルギア]]など著名な(ゲーム)クリエイターの名前をもじった名前となっている。 --ややマイナーなところでは[[角西>スペースインベーダー]]・[[ジパトノフ>テトリス]]といった名前もあり、本作の対象年齢から言えば気付いた人は少ないかもしれない。 ---- **後のシリーズに与えた影響 -『4』『[[5>パワプロクンポケット5]]』では大人しくなったものの、『11』で回収された「ヒナコのGOODエンドで暗殺される唐沢博士」や『12』で中核を占めた「寺岡薫が遺したモノ」など後のシリーズへの影響は大きく、そもそも「サイボーグ」自体が『8』で別の掘り下げが進められ、DSシリーズの肥大化する世界観の根源が『3』で創られたともいえる。 --本作だけ見ても「唐沢博士の暗殺」などは引っかかるモノがある。そこもパワポケ節なのかもしれないが。 -智美の遺伝子は『8』の白瀬芙喜子、『[[9>パワプロクンポケット9]]』の広川武美にも影響を与えている。特に白瀬は最終作の『14』までその生き様を見せつけるため、智美のロマンチストでビターエンド好きな性格がパワポケシリーズの土台を支えていた重要なファクターであるともいえる。 -火星オクトパスのヤクザ監督である垣内監督は元々「火星の土地を手に入れたせいで火星開拓したがっている人」であり、プロペラ団基地を壊滅させた後に「次世代の連中がやってくれる」という事を信じていたが、最終作のつもりで創られた『14』のトゥルーエンドでは次世代の子供である主人公によって火星開拓が本当に進められ、彼の夢が叶った形になる。

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