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*&this_page()
【ぞーん おぶ えんだーず えいちでぃー えでぃしょん】※THEは発音しない
|ジャンル|ハイスピードロボットアクション|&amazon(B00D2MS7LC)&amazon(B00861EQI2)|&amazon(B00861EQQ4)&amazon(B00861ER0E)|
|対応機種|プレイステーション3&br()Xbox360|~|~|
|発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~|~|
|開発元|コナミデジタルエンタテインメント(小島プロダクション)&br()High Voltage Software&br()ヘキサドライブ|~|~|
|発売日|2012年10月25日&br()PS3 the Best版 / DL版価格改定:2013年7月25日|~|~|
|定価|【PS3/360共通】通常版:3,980円、限定版:8,980円、コナミスタイル特別版:9,980円&br()【PS3 the Best】2,480円|~|~|
|配信|【PS3】3,480円→1,980円、【360】3,600円/2,440マイクロソフトポイント&br()【PS3価格改定後のみ】単品:1,000円×2本|~|~|
|レーティング|【PS3初版のみ】CERO:D(17歳以上対象)(後述)&br()【PS3 Best/360】CERO:C(15歳以上対象)|~|~|
|分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''改善''|~|~|
|ポイント|''HD(HexaDrive)EDITION''|~|~|
#contents(fromhere)
**概要
-[[メタルギアシリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/543.html]]を手がける「小島プロダクション」スタッフのPS2初進出作『ZONE OF THE ENDERS』と、&br()その続編として隠れながらも名作の評価を得た『[[ANUBIS ZONE OF THE ENDERS>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/628.html]]』のカップリング・HD移植版。720p・60fps対応を謳っていた、が…。
--『ANUBIS』は増補版「SPECIAL EDITION」の移植。ただし、こちらで追加された別バージョンのオープニングムービーだけは未収録。
-PS3初版(パッケージ・DLとも)には『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』体験版の先行ダウンロードコードが付属。同年12月13日から一般配信を開始。
--このため、レーティングが高く設定されている。『ZOE HD』本編の表現に差異は一切無く、ベスト版発売時には緩和されている。
--「メタルギアシリーズの体験版セット」というのは、かつての『ZOE』とも同じである。
**問題点
-『ANUBIS』の処理落ち
--ほぼ常時処理落ちが発生する。60fps対応を謳っているにも関わらず、''実質的にはPS2版に遠く及ばない20~30fps程度。''&br()(比較したサイトではPS2版が平均56fpsの所でPS3版平均32fps、360版平均40fpsという結果になっている)
---ダッシュ、ブレードコンボなどの基本操作でさえ処理落ちしている。
---オブジェクト数を減らすようにカメラを動かしたりすれば、確かに30fps以上で動く。
---自機のダミーを投影し、自機自身はロックオン無効化・透明化されるサブウェポン「デコイ」の使用でも処理落ちを軽減できる。&br()''自機オブジェクトが処理落ちの一因を担っている、というのは悲しすぎる。''
--名実共に「ハイスピードロボットアクション」として評価されていたZOEシリーズの移植には、致命的な問題点である。
---単なるフレームレート低下ではなく処理落ちのため、ボタン入力がズレるなどの弊害も起こっている。
--『ZOE』でも大型ボス戦などで処理落ちが見られるものの、ANUBISほどではない。後述する改善評価点から省みると、グラフィック描写エンジンの違いに起因するものと考えるのが妥当か。
#region(参考動画)
&nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm19223104)
#endregion
-『ANUBIS』一部テクスチャ・エフェクトの劣化
--PS2と比べ色鮮やかでなくなっている、発色が変わってしまっている箇所がある。
--ベタ塗り的な建造物に縞模様が出ているだけでもマズいが、画面を赤く染めるアヌビスのバーストショット、空間を歪めて出現するベクターキャノンなど、見せ場にも影響が出てしまっている。
-非HD化ムービー
--『ZOE』のムービーはプリレンダリング(収録済み)が多く、人間も含め全編3Dとなっているのだが、このムービーがHD化されていない。
---いかにも作り物っぽくテカテカしてる10年前の3Dのキャラクターを、今の目で見るのは厳しい。
---ムービーにはロボットや建物も写っているので、ゲーム本編よりムービーのほうが汚いという逆転現象が起こっている。''HD化のありがたみを、こんな形で実感させられても困る。''
---メタルギアシリーズを制作する小島プロダクションらしく、リアルタイムレンダリングムービーも間に挟んでいるのが仇になってしまっている。&br()ロボット出撃はリアルタイム、コクピット内会話~ロボットまでの引きはプリレンダ、のようにシーンの途中で画質が変わってしまうことも。
--プリレンダムービーのHD化には、1からの作り直しに等しい作業量が必要なので、致し方ない点もある。同様の問題点を抱えた他社HD化タイトルに『[[デビルメイクライ HDコレクション]]』など。
--『ANUBIS』のムービーは2Dのアニメだが、同じくHD化なし。
---とは言っても、アニメを作り直すのは、ZOEの人体3Dを作り直す以上に無茶な話である。『ZOE』ほど違和感があるわけではない。
--OPムービーには、ゲーム本編のプレイ映像と、ゲーム本編でリアルタイムレンダリングになるムービーが挟まれているが、そこはきちんとHD EDITIONのものに差し替えてある。
**評価点
-グラフィック
--ロボットやエフェクトの3Dは、元々がPS2タイトルの中でも高水準であったため、720pに対応しても、引き伸ばしは感じさせない。ただし、問題点で先述した変色などは除く。
--ロボットの各所にはコーションマークが施されており、PS2では潰れて模様や落書きのようなものにしか見えなかったが、本作では描き直されている。
--サブウェポンのアイコンなどのUIグラフィック、『ANUBIS』のコクピット内通信グラフィックの表情やコンソールも、HD準拠で描き直されている。
**PS3パッチ適用後 改善点
-『ANUBIS』が劣化移植であることは明白であり、''発売からわずか2~3日で比較動画が投稿される''など、批判・落胆の声が寄せられた。&br()その後、半年以上経った2013年5月2日に配信された小島プロダクションのネットラジオ[[(27分ごろから)>http://www.kjp.konami.jp/gs/hideoblog/2013/05/000473.html]]で本作が話題に。&br()本作に下された低評価を踏まえ、製作の過程を交えて、PS3版の修正パッチ・修正ROM発売、ダウンロード版配信による2作の分売化の予定が明らかになった。
-そして7月25日、ついにパッチ配信を開始((何故かヨーロッパでは1週間先行して配信されていた。))。
&i(){「HD EDITIONがPS2版と並ぶためには一つ欠けている物がある。スペックを最大限に引き出すためのプログラムだ。」}
-''描画エンジン入れ替えの英断、スタッフロールにパッチ製作スタッフのクレジットを入れる時間すら惜しむ執念''によって、&br()''容量588MB、バージョン表記2.00''というパッチとは思えないレベルの大規模なクオリティアップが施されている。
-詳しい内容は[[公式サイト「HDリマスター改善版とは?」>http://www.konami.jp/zoe_hd/jp/best.html]]にて、画像・動画を用いた解説が行われている。
--''本作のパッチを製作したのは、コナミでもHigh Voltage Softwareでもなく、株式会社ヘキサドライブである。''&br()ヘキサドライブ自身も[[パッチを解説しており>http://hexadrive.sblo.jp/article/71326168.html]]、当時作品のファンを公言するプログラマーによる記事は、&br()専門用語がかなり使われているものの、ビジュアル的にも技術的にも興味深く、ファンなら必見。
-1080p対応
--720pから更に高画質化。黒っぽい背景に白っぽいロゴが並ぶメニュー画面の時点でも影響を受ける。
-60fps対応
--本来想定されていた60fps仕様を実現。PS2でも処理落ちを起こしがちだった「荒野乱戦」「圧縮空間」でも善戦している。
-ジャギー/ギザギザの軽減(アンチエイリアス適用)
--ホーミングレーザーをはじめ、ロックオンカーソルやリングレーダーといった、本作で特徴的な「線」の表現が更に鮮明になっている。
-グラフィック向上、エフェクト追加
--縞模様の削除、PS2版に近い色彩・エフェクトを再現した。
-被写界深度(ピンボケ)の追加
--奥行きのあるイベントムービーが迫力・臨場感を増した。
-2Dマップ書き直し
--ほぼ単純に16:9に引き伸ばされていたマップをレイアウトごと変更、16:9対応しつつPS2版同様の表現を可能にした。
**総評
-「再起動(REBOOT)」というキャッチコピーを引っさげてきたものの、その再起動を待っていた旧来のファンには不安を与え、&br()「名作」「ハイスピードロボットアクション」というフレーズに惹かれた新規のファンにも期待外れであった、と言わざるを得ない出来。
-しかし、パッチ適用により、スピードの復活だけでなく、グラフィックも今まで以上のHD化が実現された。&br()思わず投げ出してしまった人も、悪評を聞いて触れられなかった人も、今一度手に取ってもらいたい。
**開発・製作などについて
-本作の開発を担当したHigh Voltage Softwareは、[[本作がPS3の''2本しかない''開発タイトルである。>http://www.high-voltage.com/games.htm]]
--更に本作以降、PS3どころかコンシューマー機での開発を行っていない。開発力の貧弱さ、こんなデベロッパーに依頼したコナミ/小島プロの甘さを認めざるを得ない。
--ゲーム起動直後に流れるメーカーロゴに、High Voltage Softwareのものも入っているが、そのロゴには「DANGER」という文字が含まれている。''「これはクソゲーです」という警告なのか。''
--同時期にHD化が発表され、本作に先行して『[[METAL GEAR SOLID HD EDITION>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/1338.html]]』が発売されている。こちらはHD化に定評のあるBluepoint Gamesによる移植が公式サイトで発表され、発売後も好評を博しており、(パッチ適用前の)本作とは対照的である。
-最初からヘキサドライブに開発を依頼していれば良かったのでは…と思うかもしれないが、本作とほぼ同時に発売された『大神 絶景版』(2012年11月1日)の開発も担当していた。&br()あちらも名高い名作であり、本作もパッチ配信という後手を取ったものの、かつての名作が2本とも次世代機に移植された、と考えれば怪我の功名と言えよう。
-小島プロダクションは『HD EDITION』シリーズの発表と共に、据置機と携帯機でセーブデータを共有する「トランスファリング」というコンセプトを掲げており、本作もPSVitaでの発売が[[2012年発売予定(ページ下方参照)>http://www.famitsu.com/news/201205/31015413.html]]とされていたが、''公式サイトからはいつの間にか「発売予定」の表記すら無くなっていた。''
--ネットラジオでもVita版の予定については触れられる事はなかった上、''本作の低評価のせいで続編制作チームを解散させた''ということが明らかにされ、多くのファンを落胆させた。過去作の劣化移植によって新作の「再起動(REBOOT)」が無くなるというのは本末転倒であろう。
-[[コナミ公式サイトの「REBOOT GUIDE」>http://www.konami.jp/zoe_hd/jp/reboot.html]]で''「フレームレートは秒間30コマから60コマに増加し、より滑らかなスピード感を醸成することにも成功した。」''と、HD化の際に60fpsになったように書かれているが''PS2版は元々60fpsであり、コナミの紹介文が間違っている。''
--これだけなら広報担当者の手違いと思えるのだが、ネットラジオ内で本作プロデューサー・是角有二氏が''「PS2の時は30フレームだったんですけども~」''と発言しており、小島秀夫氏も発言を訂正することなく会話を続けている。&br()小島プロダクション、それもプロデューサーという制作トップの人間が仕様を理解していない、というのはいかがなものか。
--なお、ヘキサドライブの記事はきちんと''「PS2と同じ60fps」''と記述している。他社スタッフが把握していて自社スタッフが理解してないというのはいかがなものだろうか。
-Xbox360版もフレームレートの低下を起こしているが、PS3版ほど酷くないということでパッチ制作は見送られている。
--さらに、360では価格改定も打ち切られている。営業戦略にもよるのだろうが、明らかに不公平である。
移植元の『[[ZONE OF THE ENDERS]]』と『[[ANUBIS ZONE OF THE ENDERS]]』に起因する評価点・問題点は当該記事を参照。~
PS4/SteamのVR+4K対応版『M∀RS』についても『[[ANUBIS ZONE OF THE ENDERS]]』の記事へ記載。
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*ZONE OF THE ENDERS HD EDITION
【ぞーん おぶ えんだーず えいちでぃー えでぃしょん】※THEは発音しない
|ジャンル|ハイスピードロボットアクション|CENTER:&amazon(B00D2MS7LC)&amazon(B00861EQAA)&amazon(B00861EQI2)|CENTER:&amazon(B00861EQQ4)&amazon(B00861ER0E)|
|対応機種|プレイステーション3&br()Xbox 360|~|~|
|発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~|~|
|開発元|コナミデジタルエンタテインメント (小島プロダクション)&br()High Voltage Software|~|~|
|開発元(廉価版)|ヘキサドライブ|~|~|
|発売日|2012年10月25日&br()PlayStation 3 the Best版 / DL版価格改定:2013年7月25日|~|~|
|定価|【PS3/360通常版】&br() 通常版:3,980円、限定版:8,980円&br() コナミスタイル特別版:9,980円&br()【PS3廉価版】2,480円|~|~|
|配信|【PS3】3,480円 ⇒ 1,980円&br()【360】3,600円(2,440マイクロソフトポイント)&br()【PS3単品版】1,000円×2本|~|~|
|レーティング|【PS3初版のみ】CERO:D(17才以上対象)(後述)&br()【PS3廉価版/360】CERO:C(15才以上対象)|~|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~|~|
|判定(パッチ2.00)|BGCOLOR(paleturquoise):''改善''|~|~|
|~|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|''「最悪のHD移植」と「最高のパッチ」という両極端な作品''|~|~|
|>|>|>|CENTER:''ZONE OF THE ENDERSシリーズ''&br()[[ZONE OF THE ENDERS]] / Z.O.E 2173 TESTAMENT / [[ANUBIS ZONE OF THE ENDERS]]&br''ZONE OF THE ENDERS HD EDITION'' / ANUBIS ZONE OF THE ENDERS:M∀RS|
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#contents(fromhere)
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**概要
『[[メタルギア>メタルギアシリーズ]]』シリーズを手がける「小島プロダクション」スタッフのPS2初進出作『[[ZONE OF THE ENDERS]]』と、その続編として「隠れた名作」として評価されていた『[[ANUBIS ZONE OF THE ENDERS]]』((こちらは増補版『SPECIAL EDITION』準拠の内容となっている。))をHDリマスターした移植版。~
720p・60fps対応を謳っていたのが、発売当初の出来は酷いものであった。~
PS3では廉価版の発売と共に『ANUBIS』をパッチにより大幅に改善し、ほぼ文句なしの良作に仕立て直された。
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**問題点
***後に改善された問題点
-''『ANUBIS』における処理落ち''
--ほとんどの場面で処理落ちが発生しており、''PS3版は平均20~30fps''、360版でさえ平均40fpsという有様。~
''そもそもPS2版の時点で60fps対応''であった。
---ダッシュ、ブレードコンボなどの基本操作でさえ処理落ちする。
---オブジェクト数を減らすようにカメラを動かしたり、ロックオンを無力化・自機を透明化させるサブウェポン「デコイ」の使用などで、ようやく30fps超過となる。
---つまり''自機テクスチャさえもが処理落ちの一因''であり、技術力・テストプレイの不足が否めない。
--名実共に「ハイスピードロボットアクション」として評価されていた『Z.O.E』シリーズの移植には、致命的な問題点である。
---単なるフレームレート低下ではなく処理落ちのため、''ボタン入力がズレる、タイムアタックで時間が歪む''などの弊害も起こる。
--『Z.O.E』でも大型ボス戦などで処理落ちが見られるものの、『ANUBIS』ほどではない。後述する改善評価点から省みると、グラフィック描写エンジンの違いに起因するものと考えるのが妥当か。
-''『ANUBIS』の一部テクスチャ・エフェクトの劣化''
--PS2と比べ色鮮やかでなくなっている、発色が変わってしまっている箇所がある。
--ベタ塗り的な建造物に縞模様が出ているだけでもマズいが、画面を赤く染めるアヌビスのバーストショット、空間を歪めて出現するベクターキャノンなど、見せ場にも影響が出ている。
-『ANUBIS』が劣化移植であることは明白であり、発売から2~3日で[[PS2版との比較動画が投稿される>https://www.nicovideo.jp/watch/sm19223104]]等、批判・落胆の声が数多く挙がった。
***改善後も変化なし
-非HD化ムービー
--『Z.O.E』のムービーのレンダリング(描画処理/略称レンダ)はリアルタイムレンダでなくプリレンダが多く、人間も含め全編3Dとなっているのだが、ムービーはHD化されていない。
---プリレンダは「動画データの再生」(事前収録)、リアルタイムレンダは「ゲーム内3Dモデルをそのまま動かす演出」で大きく異なる。~
(PS2時代では)諸事情からプリレンダの方が多かったが((本体の処理負荷が低いことと、ゲーム内よりも高品質のモデルを使えることもあるのが主な利点。なお、『Z.O.E』では同一モデルの使用。))、リアルタイムレンダはゲーム本編から繋ぎ目なくイベントが開始・終了され、テンポを損なわない利点がある。
---特に小島プロダクションではリアルタイムレンダの利点を『メタルギア』シリーズで多く活かしており、『Z.O.E』でも所々にリアルタイムレンダが挟まれていた。~
しかしPS2基準のゲーム本編で作られたムービーなので、HD版のゲーム本編に全く追いついておらず、''ムービーパートだけ極端に画質が下がる。''
---ロボット出撃はリアルタイム、コクピット内の会話~カメラが遠景に引いてロボットが映し出される演出はプリレンダ、のようにシーンの途中で画質が変わってしまうことも。
---また、当時の3DCGの技術的問題や流行から、画風・表現としても今見るには厳しい。人肌や衣服まで、作り物のような・ロボットのようなテカテカとした光沢を持っている。
---しかし、プリレンダムービーをHD化する場合、モデルの高画質化・モーションデータの変換ないし再制作……ほぼイチからの作り直しに等しい作業量が必要なので、致し方ない点もある。~
『[[デビルメイクライ HDコレクション]]』等、他社HD化タイトルでも同様の問題点を抱えているものは少なくない。
--『ANUBIS』のムービーは2Dのアニメだが、同じくHD化なし。
---また、本編の会話シーンでのイラストと色合いが異なる。特にケン・マリネリスについて顕著。
---とは言っても、アニメを作り直すのは『Z.O.E』の人体3Dを作り直す以上に無茶な話である。『Z.O.E』ほど違和感があるわけでもない。
--新たに作られた『Z.O.E』『ANUBIS』選択前のOPムービーには、ゲーム本編のプレイ映像と、ゲーム本編でリアルタイムレンダリングになるムービーが挟まれているが、それらはHDで作り直されている。
-''電子説明書をプレイ中に読むことができない''
--PS3準拠であれば、プレイ中に読むことができるが、今作は『Z.O.E』『ANUBIS』タイトル選択画面からしかマニュアルを開けない。プレイを中断して読む場合に不便。
--同様の仕様は同社の『[[メタルギアソリッド HD エディション]]』でも存在している。
-メニューの扱いづらさ
--『Z.O.E』においてメニューをSTARTボタンで開いた後、項目を選択しているとSTARTボタンでメニューから抜けられない。
---一度、×ボタンでメニュートップに戻ってからSTARTボタンを押さなければならない。
--セーブデータをロードしなおしたい時は、いったんソフトを終了しないとならない((PS2版ANUBISではR1、2、L1、2、START、SELECT同時押しでタイトル画面に戻れた。))。
---「違法な配信やダウンロードはやめましょう」の警告画面からのコナミのロゴからのやり直しとなり飛ばせないため時間がかかる。
--ゲームセレクト画面はそれぞれのゲームタイトルトップにしかない。~
また、ゲームセレクトに戻ると、同様に「違法な配信やダウンロードはやめましょう」の警告画面からのやり直しとなり飛ばせないため時間がかかる。
----
**評価点
***改善前から評価されていた内容
-グラフィック
--ロボットやエフェクトの3Dは、元々がPS2タイトルの中でも高水準であった為、720pに対応しても、引き伸ばしは感じさせない。ただし、問題点で先述した変色などは除く。
--ロボットの各所にはコーションマークが施されており、PS2では潰れて模様や落書きのようなものにしか見えなかったが、本作では描き直されている。
--サブウェポンのアイコン等のUIグラフィック、『ANUBIS』のコクピット内通信グラフィックの表情やコンソールも、HD準拠で描き直されている。
***PS3での改善後に評価された内容
-''PS3版の『ANUBIS』パートについては"the Best"に際して改善された。''初代は描写エンジンを変えたことによって処理落ちは改善されている。
-発売から半年以上経った2013年5月2日、小島プロダクションのネットラジオ[[(27分ごろから)>https://web.archive.org/web/20180911002312/http://www.kjp.konami.jp/gs/hideoblog/2013/05/000473.html]]で突如本作が話題に挙がる。~
本作の製作事情と低評価について触れた上で、PS3版の修正パッチ・修正ROM発売、ダウンロード版配信による2作の分売化の予定が明らかになった。
-そして7月25日、"the Best"発売と共に、ついにパッチを配信((ヨーロッパでは1週間先行して配信されていた。))。
-「%%%HD EDITIONがPS2版と並ぶためには一つ欠けている物がある。スペックを最大限に引き出すためのプログラムだ。%%%」
--詳しい内容は[[公式サイト「HDリマスター改善版とは?」>https://web.archive.org/web/20170724181900/http://www.konami.jp/zoe_hd/jp/best.html]]にて、画像・動画を用いた解説が行われている。
-本作のパッチを製作したのは''株式会社ヘキサドライブ''。パッチ適用後は『ANUBIS』の起動直後に同社ロゴも表示されるようになる。~
当時作品のファンを公言するプログラマーによる[[パッチ解説記事>http://hexadrive.sblo.jp/article/71326168.html]]は、専門用語の多用でやや難解ではあるが、ビジュアル的にも技術的にも興味深い。
-描画エンジン入れ替えの決断、''スタッフロールにパッチ製作スタッフのクレジットを入れる時間すら惜しむ執念''によって、容量588MBのバージョン2.00表記という大規模なクオリティアップが施されている。
--自然数(小数点より上)の繰り上がるバージョン表記は、大幅な機能の追加、ゲーム的には「大型アップデート」にあたる。2013年当時としてはバグの修正やDLCでのキャラクター追加程度が主であり、極めて異例。
''主な特徴''
-1080p対応
--720pからさらに高画質化。黒っぽい背景に白っぽいロゴが並び、文字がぼやけやすいメニュー画面の時点でも影響を受ける。
-60fps対応
--本来想定されていた60fps仕様を実現。PS2版でも処理落ちを起こしがちだった「荒野乱戦」「圧縮空間」でも善戦している。
-ジャギー/ギザギザの軽減(アンチエイリアス適用)
--ホーミングレーザーをはじめ、ロックオンカーソルやリングレーダーといった、本作で特徴的な「線」の表現が更に鮮明になっている。
-グラフィック向上、エフェクト追加
--縞模様の削除、PS2版に近い色彩・エフェクトを再現した。
-被写界深度(ピンボケ)の追加
--奥行きのあるイベントムービーが迫力・臨場感を増した。
-2Dマップ書き直し
--単純にワイドに引き伸ばされていたマップをレイアウトごと変更、ワイド表示に対応させ、PS2版マップと同様の表現を可能にした。
----
**総評
「再起動 (REBOOT)」というキャッチコピーを引っさげてきたものの、その再起動を待っていた旧来のファンには不安を与えてしまった。~
さらに「名作」「ハイスピードロボットアクション」というフレーズに惹かれた新規のファンにも期待外れであった、と言わざるを得ない出来。~
しかし、PS3版はパッチ適用により、スピードの復活だけでなく、グラフィックも今まで以上のHD化が実現され、完成度を取り戻した。~
思わず投げ出してしまった人も、悪評を聞いて触れられなかった人も、今一度手に取ってもらいたい。
ただし、360版は「PS3版ほど処理落ちが酷くない」ということでパッチ制作は見送られている上、''価格改定もされていない。''本作に興味があっても、360版は残念ながらオススメできない。
----
**その他
-『Z.O.E』と『ANUBIS』を総括したサンライズ制作の新規アニメオープニングが収録されている。ただし、内容はほとんど『ANUBIS』のものとなっている。それでも『Z.O.E』時代のレオの勇姿%%とケンの素っ裸%%が見られるのは高評価。
#region(新規OPムービー)
#video(https://www.youtube.com/watch?v=656uLW55iHQ)
#endregion
-『ANUBIS』は増補版『SPECIAL EDITION』をベースとした移植だが、こちらで追加された別バージョンの裏オープニングムービーだけは未収録。
-PS3初版には『[[メタルギアライジング リベンジェンス]]』体験版の先行ダウンロードコードが付属。同年12月13日から一般配信を開始。
--この為、PS3版のみレーティングがCOLOR(orange){''CERO:D''}(17歳以上対象)となっている。『Z.O.E HD』本編の表現に差異は無く、廉価版には『MGR』体験版が同梱されない為、360版と同じCOLOR(blue){''CERO:C''}(15歳以上対象)に緩和されている。
--「『メタルギア』シリーズの体験版セット」というのはオリジナルの『Z.O.E』とも同じである。
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**開発・製作について
-本作の開発を担当したHigh Voltage Softwareにとって、PS3での開発は本作がほぼ初めて、なおかつ通算で''5本目の開発タイトル''である。
-同時期に『[[メタルギアソリッド HD エディション]]』が発表され、本作に先行して発売されている。~
こちらはHD化に定評のあるBluepoint Gamesによるもので、発売後も好評を博しておりパッチ適用前の本作とは対照的である。
-本作のパッチ開発を担当したヘキサドライブは、本作と同時期の2012年11月1日に発売された『[[大神 絶景版>大神]]』の開発(移植)を担当しており、仮に当初から本作のオファーがあっても、小規模開発会社での並行作業は難しかったと思われる。
--あちらも名高い名作であり、本作はパッチ配信という後手を取ったものの、かつての名作が2本とも次世代機に遜色なく移植されたのは怪我の功名と言えよう。
---この時のスタッフはその後Cygamesに移籍し、そちらでも2018年にPS4/Win版の再々リマスター『''ANUBIS ZONE OF THE ENDERS:M∀RS''』を手がけている。同作については[[PS2版記事の参考記述>ANUBIS ZONE OF THE ENDERS]]として掲載。