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ドラゴンボール3 悟空伝 - (2024/03/03 (日) 13:08:04) の最新版との変更点

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本項目では、ファミコンソフト『ドラゴンボール3 悟空伝』(''賛否両論・ゲームバランスが不安定'')と、そのワンダースワンカラー移植版(''判定なし'')の紹介をしています。 ---- #contents(fromhere) ---- *ドラゴンボール3 悟空伝 【どらごんぼーるすりー ごくうでん】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(DB3.jpg,width=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|3メガbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|トーセ (プログラム、サウンド)&br()D&D (デザイン等)|~| |発売日|1989年10月27日|~| |価格|6,800円(税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|前作の正統進化として優秀&br;ただし成長システムに難あり&br;子ガメラ大活躍|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンボールゲームリンク>ドラゴンボールシリーズ]]''| **概要 前作『[[ドラゴンボール 大魔王復活]]』のシステムを引き継ぐカード式RPG。今回は悟空の少年時代~青年時代・マジュニア編までをかなりのボリュームで描いている。~ 発売当時アニメはすでに『ドラゴンボールZ』に移行(1989年4月26日から)していたが、その部分のエピソードに重ならないためかタイトルは「Z」のない従来シリーズのままになっている。~ ゲームでそれに倣うのは、ちょうど1年後に発売された次作『[[ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人]]』からとなる。 **ストーリー だいたい原作通りの展開だが、兎人参化、ピラフ、レッドリボンなどはピッコロ大魔王の支配下であり、天下一武道会は廃止に追い込まれているという独自設定。 悟空の目的は、ドラゴンボールを集めて天下一武道会を復活させることであり、原作での初参加(21回大会)や2回目(22回大会)への参加はそれぞれ別の大会に設定変更されている。そして大人になってから参加する3回目(23回大会)が、ゲームでは復活させた天下一武道会への初参加となる。 **システム -カードシステム --カードには攻撃用のドラゴンボール(星の数が1~7)・攻撃種類の漢字・防御力の漢数字の3つのステータスが存在する。 ---マップでは選んだカードの星の数だけ移動、バトルでは双方とも1枚出して星の数で勝った側が攻撃できる。 ---止まったマスに応じて「戦闘」「修行」「アイテム入手」等のイベントが起こる。戦闘については何もないマスで発生することもある。 --消費するたびカードは最大数まで補充される。 -成長システム --レベルアップ時に5ポイントを獲得して「パワー」「タフネス」「スピード」「テクニック」の4種類の能力に自由にポイントを割り可能。 --それぞれのステータスの意味はおおまかに言えば以下の通り。 ---スピード:雑魚戦の攻撃力・防御力に大きく影響 ---パワー、テクニック:攻撃力に影響 ---タフネス:防御力に影響 --レベルキャップがありシナリオ進行に応じてレベル上限が解放されていく。 -戦闘 --攻撃種類は、「拳」(パンチ)、「蹴」(キック)、「体」(体当たり)、「連」(連続攻撃)、「武」(武器攻撃)、「必」(必殺ポイントを消費して必殺技)、「特」(肘打ちや膝蹴りなどの特殊技、敵専用((特のカードは占いババの宮殿でクリリンとヤムチャを操作するときだけこちらも使える。温存して悟空に使わせると体当たりになる。)))、「術」(催眠術や忍術など術系技、敵専用)、「逃」(アイテムを使って作成、戦闘を終了する)がある。 ---同じ攻撃でも、「連」が二連攻撃(係数6倍)だったり三連攻撃(係数7倍)だったりとランダム要素もある。たまにピッコロ大魔王を倒したときのような大猿エフェクトが入って威力アップすることもある(基本的に必殺技では発生しない。ただしピッコロ大魔王を倒した攻撃が元ネタである「逆かめはめ波」のみ発生可能になっている。)。((習得済みパスワード以外では使用不可能なボツ技である「足かめはめ波」も一応、大猿を発生可能に設定されている。)) ---「必」を出して勝った時に必殺ポイントが足りなくても、「ジャンけん」(少年期)「衝撃波」(青年期)だけは使える。ただし、本来の威力より大幅に低下してしまうペナルティがあるため「蹴」以下の威力しか出ない。 ---前半の途中から使えるようになる「武」(如意棒による武器攻撃)は、係数が20倍もあってかなり強い。スピードやタフネスが低いパラ振りでも、その分だけパワーとテクニックを振ったということなので、力押しで進める。「武」や「必」に期待する運頼み要素は増すが。 ---なお、原作で如意棒はカリン塔に設置されるのを反映して、終盤は「武」を使えなくなる((大人悟空に代わったばかりの時に武のカードを使い切らずに残していた場合、そのまま温存して使わせると体当たりになる。))。 --ダメージを受ける側も、避けるorさばくor受けるの三種類の防御行動があり、受けるときはタフネスの防御効果が高く、避けるときはスピードの防御効果が高い。また、残像拳が出てノーダメージになることもある。 -ウィザードリィのような3Dダンジョンもあるが、結構かんたんな構造。 --ピッコロ大魔王の暗黒魔城はそこそこの大きさで迷うこともありマッピング推奨。マッピングしてみると構造に込められた意味((ダンジョンが漢字「魔」の形になっている。))が分かるというしかけにもなっている。 ---- **問題点 -成長システムによるゲームバランスの悪さ。均等に割り振っていると終盤での雑魚戦が非常にキツくなる。 --「スピード」は攻撃力と防御力に影響を及ぼすステータスで、雑魚戦の攻防共に大きく影響する為、スピード特化にすれば雑魚戦はほぼ無双可能。 ---ただしパワーやテクニックを上げないぶん強力な必殺技を使ってもダメージがあまり伸びない、タフネスを上げないぶん敵の必殺技をもろに喰らうと思わぬ大ダメージを受ける、といった欠点もある。 --雑魚敵はステータスが固定数値で設定されているのだが、ボスに該当する敵の大半は悟空のステータスと同じ値か少し低い値が設定されるようになっている。((最序盤のヤムチャとピラフマシーンのみ例外)) ---このためどんなに育ててもボス戦は同じ土俵で戦うことになりがち。逆に言えば均等に育てて雑魚敵に苦戦するような状態でも、ボスには勝てる。 ---スピード特化だと強力な必殺技でダメージを増やしにくくなるが、相手の必殺技もあまり怖くなくなる。スピードが高いほどお互いに与えるダメージが大きくなるので、後半でも小ダメージを与え合うような泥試合にはならない。 ---逆にスピードを育てないと、他を上げた分ボス戦は楽になってもステータス固定の雑魚戦がつらくなる。 --次に「タフネス」がほぼ完全に罠ステータス。 ---ボスが同じステータスになる都合、タフネスを上げるとボスも固くなり、場合によってはまともにダメージが通らなくなる。全く上げないでいると時々雑魚相手から思わぬ大ダメージを受ける事があるので、多少は上げた方が安全ではあるが。 --結果として、数値固定の雑魚戦用に「スピード」をメインに「タフネス」少量、ボス用に「パワー」や「テクニック」を育てるのが無難。 --こんなややこしい設定のため、単純に育成が面倒になっていることに加え、''説明書にもそれぞれなにに影響があるのか一切説明もない''。 ---「レベルポイントをスピード、パワー、テクニック、タフネスの4つの要素にそれぞれふり分けてゆくと、悟空はどんどん強くなる!」というあたりまえすぎていちいち説明するまでもない一文のみ。 #region(ステータスの詳細) 解析によるとダメージ計算式は [パワー+テクニック+カード星数] ×[攻撃方法による係数×大猿補正÷2] ÷ [(相手タフネス+相手カード漢数字) ×[防御方法による除算防御補正] +[スピード] +[カード星数の差分] - [(相手スピード+相手カード漢数字) ×防御方法による減算防御補正] ※防御方法による補正は、&br() ジャンプ回避だとどちらも等倍&br() 構え行動は、タフネスによる除算防御に1.5倍補正、スピードによる減算防御に0.75倍補正&br() 受け止め防御だと、タフネスによる除算防御に2倍補正、スピードによる減算防御に0.5倍補正&br() つまり悟空がジャンプ回避しないと、スピードによる防御力が減るため雑魚戦で被ダメージが大きくなる ※ボスは悟空のステータスが基準なので、ジャンプ回避だとスピードの攻撃力と防御力は相殺される。&br() それ以外の防御方法だと、悟空のスピードが高いほど与ダメージも被ダメージも大きくなる。&br() ※パワーとテクニックに違いはなく、単純に合計値が計算に使われる。 ※タフネスは少し振る程度なら雑魚戦で有利になるが、多く振っても割り算なので1ポイントによる差はどんどん少なくなるし、ボス戦では被ダメージが減っても与ダメージも減ってしまい長期戦になり必殺技ポイントがきつくなるデメリットがある。&br() ただし隠しボスは悟空より10高いステータスなので、悟空が受けるダメージの減少割合よりも、隠しボスが受けるダメージの減少割合の伸びが小さく、少しタフネスを上げたほうが有利に戦える。&br() (例えば漢字一のときタフネス3(初期値)をタフネス4に上げると敵パワー敵テクニック由来の被ダメージ分が8割になるが、÷14と÷15では大差ない) #endregion -最序盤の悟空の弱さ -- RPGなのでしかたないが、LV1の悟空は非常に弱い。原作では苦もなく倒した山賊はおろか、大牛相手にも死の危険がつきまとうほどに貧弱。最序盤で遭遇する通常敵5種類のうちLV1の悟空より弱いのは最弱の「リカント」だけである。 ---修行マスに止まって修行値を稼ぐと安全だが、修行でレベルアップしても何故かパラメータ上昇を先送りにされ、次の戦闘に勝たないとパラメータを上げられない。つまり最低一度はLV1のパラメータで戦闘に勝たなければならない。パラメータを上げることができればぐっと強くなり、まずまず戦えるようにはなる。 --特に「ウサギ団」が敵として出てくると絶望的に強く、出してくるのは武器攻撃のみなので星の数で負けるとまず大ダメージは免れない(こちらのカードの漢字の数(防御力)が低いと即死どころかオーバーキルまである)。拳銃1発(細身)、またはマシンガン(デブ)で射殺されてしまうLV1の悟空は、このゲームをやった人ならほとんどが経験しているであろう現象である。''原作では撃たれてもけっこう平気だったのに…。'' ---しかもタチがわるいことに出現範囲がけっこう広く、最初のエリアの空白マスで起こるランダムエンカウントで出て来る可能性があるほか、西の都のそばに多数配置されている『ウサギ団出現マス』では確実に遭遇してしまう。空白マスに止まらなければ遭遇することはないので、カードのコントロール次第では避けることは可能なのは救いか。 --ゲームスタート直後のマップは近くにカプセルハウスのマスがないので、受けたダメージの回復すらままならない。修行マスなど敵の出ないマスを狙って止まりつつ移動していかなければならない。 -シナリオの転換期が近いタイミングでは、&bold(){悟空はシナリオ進行によるレベルのリミッターに引っかかって成長できない}のに&bold(){敵だけ格上の相手が出てくることがある}。 --最初のステージから次へ進む時の「猛牛」「下忍」「ターミネーター」などは何とかならなくもないが、ピッコロ編で登場する「メカデビル」「コンガ」などはその時点の悟空では凶悪な強さとなり、必殺技でないと有効打にならないことが多い(如意棒ならやっとダメージが通る程度)。無限に湧いて出るザコだというのに全身全霊で戦わざるをえない。「メカデビル」は強さの割にもらえる修行値が低すぎて稼ぎの相手としても適していない。 ---「猛牛」は何とかならなくもないとはいえそれでも2体での出現が多く、カード運に恵まれないとやられてしまうぐらいのリスクはあるし、それが何度も何度も出てこられると尚更。 ---後述の通りストーリーパートの即死は少なくなったとはいえ、これが代わりになっていると言えなくもない。わざわざ理不尽要素を代替しなくてもいいだろうに… --シナリオクリア時に強制レベルアップが用意されていることがあるが、これもレベル上限にひっかかるので既に最高レベルに達していたら何の意味もない。 -アイテムの入手が不安定(特におたすけカード) --カプセルハウスのマスに止まると、体力を回復する食べ物や仙豆などの移動中に使う「アイテムカード」が手に入る。伏せられたカードから選ぶので、なにが出るかは全く予想できない((実際は何が出るかは事前に判定されていて、どこを選んでも同じ物が出るようになっている))。 ---種類自体は少ないので何度もマスに止まれば数をそろえることは可能。 ---確率は低いがハズレも存在する。 ---必殺技ポイントを回復させる極意書は、ストックできずにその場で強制使用される。 --?マスに止まると、戦闘中に使う「おたすけカード」がもらえる神経衰弱に挑戦できる事がある(牛魔王の「移動と戦闘に使うカード全交換」が出る確率の方が高い)。5枚の中から2組のペアを探しハズれたら即座に終了なのでミニゲーム自体の出現率の低さも災いしてなかなか貰えない。~ 単純計算で2枚獲得できるのは1/15、1枚獲得でも2/15でしかなく残る12/15(4/5)がハズレのため、1回あたりの獲得枚数期待値は約0.267枚でしかない。しかもそれぞれのカードに上限枚数があるのでその枚数に達していたら無効なため、実際の期待値は更に低くなる。 ---こちらにも必殺技ポイントを回復できるカードもありストックも可能だが、入手にはかなりの運が絡む上に後半期は?マスに通うのもザコの強さが反則的でそれに出くわすリスクが無視できないので、ストックするにしても序盤のうちに?マスに通いまくる半ば作業的なものを強いられる。 --戦闘後に敵が回復アイテムを落とすことがあるが、当然ながら確実ではない上にその場で自動的に使用される。 --アイテムカード・おたすけカード共にそれぞれのカードについて何枚までストック可能かが決められているが、現在枚数を確認する方法がない。 -フィールドマップで迷子になりやすい --イベントが終わった後、次はどこへ向かえばいいのかが示されないことが多い。原作を知っていればある程度見当はつくが、原作とはイベントの順番が違ったりもするので完全ではない。 --カード欄が邪魔で南方向への視界が悪く、たった3マス先までしか見えない。移動にカードを選ぶと見えるようになるのだが、キャンセルが効かないので進んだ先で敵出現マスを踏んでしまうこともある。移動中、何マス先に何があったのかをしっかり見極めておかなければならない。 --マップを動かして遠くを見ることはできない。ドラゴンレーダーを使っても「ここではつかえません」と出るだけで何の役にも立たない。せめて進む方向だけでも示してくれればよかったのだが。 --全体マップを見る事はできるが、本当に全体の縮小マップが表示されるだけなので、次の行き先がわかっていてもどこにあるのかまではわからない。 ---ここで「子ガメラ」を使えばある程度あてずっぽうで飛びまわれるので大活躍する。しかし筋斗雲だと…(後述) -3Dマップの操作性の悪さ --向き変更と前進をそれぞれコマンド指定する必要があるため、右方向に進みたい場合、一々「みぎをむく」「まえへすすむ」とコマンドを指定する必要がある(いわゆる「カニ歩き」が出来ない)。 ---しかも、グラフィックウインドウの更新するタイムラグが長めなのもイライラを誘発させる。 --壁に向かって移動しようとするとぶつかってダメージを受けてしまう。 -操作性の他にもアドベンチャーパートのグラフィックウィンドウが前作同様に細長で小さいので視認性が悪い。 --これは前作でもあったが改善されていない。 -アクマイト光線 --原作キャラ「アックマン」とその色違いのザコ敵が使ってくる技で、回復しづらい必殺技ポイントを減らされるという非常に厄介というか面倒な技。しかも回避不能(たとえ残像拳でも)。原作では悪の心を持たない悟空には効かない技だったのに…。 --演出も''必殺技ポイント表示欄に向かって光弾が飛んでいき数字の上で爆発''して、グラフィックウイドウの悟空はダメージを喰らった描写になり被弾のSEが鳴るのだが「ゴクウはダメージを受けていない」という珍妙なもの。 ---後述の通り戦闘の演出面での出来は良いほうだが、これに関してはお世辞にも褒められたものではない。 -一部イベントの問題点 --イベントでダメージを受けることが多く、体力が減ってるとそのダメージでゲームオーバーになる危険がある。 --筋斗雲をもらうイベントで、失敗してもらう子ガメラの方が便利。筋斗雲は回復しづらい必殺技ポイントを10も消費するのに対して、子ガメラは体力5消費なので回復しやすく気軽に使える。 ---序盤ではレベル制限のため必殺技ポイントが10までしか増えず、筋斗雲を1回使ったら必殺技も使えない状態のまま見知らぬ土地へ置き去りにされる。ちなみに体力はこの時点で40もある。 ---このイベントの成否だけでゲームの快適さが大きく違ってくる。パスワードを取っておけばやり直しができるのが救い。 --神様の修業は1回きりのミニゲームだが、この成績が悪い(8マス以下)と強力な必殺技「超かめはめ波」を覚えないまま最終イベントに挑むことになってしまう。レベルアップでは覚えない。 ---「逆かめはめ波」が「超かめはめ波」の次に強いので、「超かめはめ波」を覚えなかった場合は少年時代で最も強い必殺技だった「逆かめはめ波」を最後まで使い続けるしかない。 ---神様の修業が4マス以下で終わってしまうとジャン拳に代わるザコ戦向きな消費2必殺技である「衝撃波」も覚えない。「必」のカードでザコを攻撃することになった場合、消費4の残像拳を選ぶことになる。 -バグ・設定ミス --説明書に載ってる必殺技がいくつか通常の方法では習得不可能 ---データ上は存在しており、パスワード次第では入手済みの状態にもできる為、それで使う事は可能。((子供時代の「大きなかめはめ波」。成長後の「太陽拳」と「足かめはめ波」。)) --フリーズバグ ---ピッコロ大魔王の暗黒魔城で、ピアノの部屋のニセ悟空を倒してまた部屋に入るとフリーズする。 ---当時、サポートセンターは仕様と回答していた。 --レベル31バグ ---レベルを29から30に上げると何故か31まで上がり、''HPと必殺技ポイントの最大値が0になってしまう。'' ---当然、敵の攻撃を一発でも貰うと即死、ゲームオーバーとなる。終盤の育成時に注意((実際には膨大な修行値が必要なため、意図的に稼ぎまくらないとこの事態にはならない。))。 ---レベル29で最終イベントに挑めば、バグを回避してレベル32になりながら裏ボスに挑む事も可能。 **賛否両論点 -占いババのイベントで原作通りクリリンやヤムチャも一緒に戦えるが、活躍させることができない。 --イベント限定とはいえ二人を使えるのは嬉しい要素ではあるのだが、実質負けイベントになっている。相手が相手なので原作通りであるとも言えるのだが…。 ---二人のステータスはゴクウのステータスの半分になるので、ゴクウのステータスの割り振りとカードの引き次第では勝つのも不可能ではないが、勝ってもストーリー上は負けたことになる。 --最後に戦う相手に負けたら問答無用でゲームオーバーにされる。一応原作では負けかけながらも勝利した相手なのだが、ゲームシステム的に回復なしのボス三連戦は非常にきつく、ゲーム中屈指の難所とされる((この後すぐまたピラフマシーンとの三連戦があるが、ボス戦仕様ではなくザコ敵扱いなので育て方さえ間違っていなければ楽に勝てる。))。 **評価点 -前作に引き続き、カード式ゲームとしての楽しみは健在 --単純に数字の多い方が勝つ子どもにも分かりやすい戦闘システム。 ---前作同様★1のカードでも相手が★7であれば勝てるなど、逆転要素もよい。 -前作では豊富にあった即死トラップはほぼ廃止された。 --前作では9箇所もあった即死トラップだが本作はわずか2箇所。そのうち一方はちゃんとテキストを読んでいれば防げる((ウーロンの忠告を無視し、兎人参化に素手で戦いを挑むと悟空が人参化してゲームオーバー))し、もう一方は狙ってやらない限りはまず起こり得ない((ウミガメや山賊関連のイベントを全て無視してヤムチャを倒しフライパン山へ向かい、牛魔王に戦いを挑もうとすると返り討ちにあい強制ゲームオーバー))ので実質なくなったといってよい。 --原作の天下一武道会決勝で負けたジャッキーチュンや天津飯には、本作でも負けたとしてもそのまま進める。前述の通りボス敵との連戦はシステム的にきついのだが、決勝まで残れればとりあえずシナリオクリアとなるのは助かる。 ---もちろん頑張り次第&運を味方につければ勝つこともできるので、「if」の展開も楽しめる。 --序盤の砂漠で会う盗賊ヤムチャも、負けても殺されずにアイテムを奪われるだけですむ。序盤なのでアイテムも何も持ってなくても許してくれる。しかも何度負けても問題ない上に、奪われたアイテムも後で勝てば取り戻せる。 ---ただしブルー将軍((ネズミを使うと弱体化して楽に勝てる))や桃白白((先にカリン塔で修行しなければ桃白白に強烈なステータス補正が入り、絶対に勝てない))はさすがに負けたらゲームオーバー。レッドリボン軍関連は原作を知っていなければ即死トラップと言えなくもない。 -体力回復が容易 --食べ物、ご馳走、仙豆をストック可能になり、マップ画面はもちろんイベントの合間にも使用可能になった。 -戦闘演出も相変わらず --紙芝居表現と漫画表現を合わせて上手くゲームに落とし込んでいる。 ---戦闘のテンポの良さも後押ししている。 --シナリオを進めると悟空の戦闘グラフィックが大人になる。ヤムチャも髪を切った姿に変わる。 --イベントでもピラフ城で悟空が大猿になるシーンなどで原作のコマ割り絵が再現されている。 ---ピッコロ大魔王やマジュニアに勝利するシーンではカットイン演出がある。 -安達春樹のBGMも評価が高い。 --マップBGMや戦闘BGM等、全体的に好評で印象に残りやすい曲も多い。 ---特に武術大会のBGMは人気。 -イベントは原作再現を入れつつ、変更点も多い。 --前述の通り、筋斗雲の入手イベントでは失敗すると子ガメラを入手する。 --天下一武道会がピッコロに消滅させられているが、代わりに腕自慢武道会や世界武道選手権大会が開催されている。%%消滅させた意味あるの?%% --ブルー将軍がマッスルタワーで待ち受けており、海底洞窟がカットされている。 --兎人参化が持っている人参(ブルマの両親)を奪ったあとすぐに如意棒で叩きのめすと、ブルマの両親を元に戻せなくなってしまいストーリーが少し変わる。 --前作のようなオリジナルキャラは登場せず((せいぜい色違いザコ程度))、世界観を壊すことがない。 -隠しボスとしてラディッツ、そしてなんとアラレちゃんと戦えるというサプライズもあった。 --ラディッツはマジュニアを越える強さを誇り、原作のラディッツ初登場のような絶望感を味わうことができる。 ---戦うときはチチと結婚するミニイベントをこなさないと、各能力に+50補正がかかってしまいほぼ倒すのは無理。原作から「悟飯がいないとラディッツがパワーダウンしない」という仕様にしたと考えられる。 --アラレちゃんは回避行動を取らないためラディッツほど強くない(それでもそこそこ強いが)。 ---- **総評 わかりづらく、育て方によっては雑魚敵にも苦戦してしまうようなゲームバランスを除けば、一部設定の改変があるとはいえ流れ自体は原作に忠実であり、イベント・キャラクターも豊富。~ 前作の正統進化&拡張版として内容の質量は申し分なく、FCの中でもグラフィック、BGMは評価が高い事から「ドラゴンボール」のゲームとしてまず名を上げるオールドファンは少なくない。 ---- **余談 //パスワード系の文章になっているものは精製もできるし、詳細は不要。ステータスの割り振りの問題は上に詳しく載っている。 -特殊なパスワード --パスワード式のゲームの常として、本作も文章になってるパスワードが裏技として広まった。 --有名なものとしては大技林に掲載されたパスワード「くりりんううろんごくうてんしんはんやむちやひつころかめせんにん''たお8い8い''ふるま」がある。これはタイトル画面に表示される順番通りにキャラの名前を並べている。(タイトル画面の10キャラ中最後に表示されるウミガメだけ含まれていないが) ---LV60、大人になっていて習得不可能な必殺技も習得した状態で占いババ編スタートというものだが、開始位置が画面外になっておりアイテムで移動しないと進行不可能になってしまう。 --こういったパスワードではステータスの割り振りが極端になってしまう事もあり、それで余計ゲームバランスを酷いと感じてしまうプレイヤーもいた。 ---実際、上記のパスワードも「タフネス重視すぎてザコ戦では無敵だがボス戦が苦痛」という能力になっている。 -後に原作において、パワーばかり増してスピードが下がっているため弱いという超サイヤ人第三段階が登場、本作のことを思い浮かべた読者も結構いたらしい。 -本作は原作初期をベースにしているため、悟空の養父(通称「じっちゃん」)が「ソン・ゴハン(孫悟飯)」名義で登場する。 --だが、本作発売当時のアニメでは上記の通り『Z』に移行して半年ほど経過しており、リアルタイムで『Z』を見ていた世代からすると1話から登場している悟空の息子「悟飯=子供」というイメージが強かっただけに、本作に登場する「悟飯」が老人の方であったことに違和感を覚えたプレイヤーもいたようだ。 ---もちろん「孫悟飯」が2人いるのは原作通りであり、孫悟空がじっちゃんの「悟飯」の名にあやかって自分の息子にそのまま名付けたという設定である。 --因みに「じっちゃん」の悟飯はアニメの『Z』シリーズではテレビスペシャル『たったひとりの最終決戦』に一度しか登場せず、後に発売されるゲームの「Z」シリーズでは「じいちゃん」表記である。同時に「悟飯=悟空の子供」でスッカリ定着した。 ---そのため本作は悟空の養父を「悟飯」と表記した最後のゲームということになる。 -マッスルタワー攻略後~レッドリボン軍本部攻略までの僅かな期間にメタリック軍曹、ムラサキ曹長、ブヨンとランダムエンカウントするのだが、出現区分が「その他の敵」である。ブヨンはまだわかるが他の2人は何故「レッドリボン軍出現マス」ではないのだろうか…。 --また、同時期には「魔族出現マス」が1マスだけ存在する。RB軍本部でのブラック補佐の台詞からピッコロら魔族達が本格的に動き出した事を仄めかす演出とも取れる。 -現在でこそレベルシステムの欠陥や理不尽なポイントの多さで否定的な意見が多々あるが発売当時は一般ユーザー間では異常なほど高評価だった。 --それというのも、初めて大人になった悟空が初めて登場するゲームであることをはじめ、原作再序盤からの再現による登場キャラの多さなどドラゴンボール自体の人気の異常なまでの高さから来るところが大きかった。 ---それだけに前作から引き継がれたグラフィックやアニメーション等をはじめ演出面の出来は良かったことがより一層プラスに働いたと言えるだろう。反対に難易度バランスの悪さやシステムの欠陥などは当時はRPGにしても珍しくなかったこともあり本作ばかりではなかったので本作特有のマイナスイメージの緩和にもなっていた。 --また、この1989年のファミコンはドラクエもマリオもなかったため話題作という点では乏しかった。実際この年のファミコンにおけるミリオンセラーは2月発売の『[[ファミコンジャンプ 英雄列伝]]』のみで、特に4~6月は新作ソフトが発売初週でも前年10月発売の『スーパーマリオブラザーズ3』((ビッグタイトルには違いないが発売から半年を経ており売上ではだいぶ落ちていた。特に5月に入ると衰えは顕著化し例年ならランキング下位に落ちていてもおかしなかったほど。))の後塵を拝する惨状を呈するほどで、7月発売の『[[MOTHER]]』(任天堂)は話題のRPGで日常世界を舞台とした意欲作で完成度は高かったもののRPGの花形「剣と魔法のファンタジー」ではなかったことから当時のゲーマーはその魅力を理解できなかった者も多く、売上ではそれほど芳しくなくなかった。そして本作発売直前の頃にはファミコンでは前年12月発売の『[[テトリス]]』(BPS)が遅まきで地味ながらもブレイクし当時の新作を押し退けてランキングの1位に何週も居座ることになり再び「新作が前年作に負けてばかり」という不名誉な事態となった。~ 話題という点では本来この年に発売される予定でありながら延期を繰り返し最終的に年内に間に合わなかった(最終的な発売は1990年2月11日)『[[ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』(エニックス)の影響も無視はできず、この続報に話題を持っていかれ新作の注目度を軒並み奪っていった一面もあった。~ そんな中、新ハード『ゲームボーイ』発売という一大ニュースはあり売上本数こそ3タイトルがミリオンを達成したとはいえ、ソフト全体に注目すれば任天堂作品が多かったことでクソゲーこそ少なかったとはいえ低性能が災いして反対に「名作」と呼べるものも少なく『[[スーパーマリオランド]]』でさえ前述のファミコンソフトの『3』に比べると「携帯機でどこでもマリオができる」以外そこまで際立ったものではなく、それ以外は全体的に平凡レベルなゲームが多かった。 --上記の要因も相まってより一層本作が目立ったことになる。結果的に本作は1989年後半期では最大のヒットとなり、そのまま1990年2月『ドラゴンクエストIV』までゲーマーの話題の中心でありつづけ、売上ランキングも1989年は12月初週まで6週にわたり週刊売上ランキングの1位をキープし続けたのだった。 ---その後在庫切れにより首位から陥落し『[[ファミスタ'90]]』(ナムコ)や再浮上した『テトリス』に奪われた。再出荷後は『ドラゴンクエストIV』発売まで上位をキープしていたものの首位返り咲きはなかった。だが、この6週連続1位、1位獲得週6回ともこの年に発売されたファミコンソフトでは最高記録にあたるものとなった。 ---- *ドラゴンボール(ワンダースワン) 【どらごんぼーる】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(https://www.suruga-ya.jp/pics_light/boxart_m/143000216m.jpg,x=180)| |対応機種|ワンダースワンカラー(スワンクリスタル対応)|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|トーセ|~| |発売日|2003年11月20日|~| |価格|3,980円(税抜)|~| |判定|なし|~| |ポイント|原作の問題点だったゲームバランス面が改善&br;セーブがパスワード制なのもそのまま|~| //ダメージイベントはそういうものと割り切ってるプレイヤーもいるし、ポイントに書くほどじゃないだろう **概要(WS) 上記ソフトのワンダースワンカラーリメイク版。([[紹介ページ(アーカイブ)>https://web.archive.org/web/20210213081635/http://www.swan.channel.or.jp/swan/software/line_up/index_line49.html]]) **変更点(WS) -FC版に多かった独自設定を原作準拠に。 -一部敵キャラクターの名称変更。 --一例ではターミネーター(FC)→アサシン(WS)、ゾンビリカント(FC)→毒リカント(WS)など。また一部の敵はFC版とカラーリングが異なっている。 -ゲームバランスの調整 --純粋な難易度調整のほか、ゲームオーバーがなくなり、全ての回復アイテムとお助けカードを失うかわりにその場で復活するようになった。 --戦闘中にお助けカード以外の回復アイテムカードが使用可能になった。 -全体MAPに目的地表示を追加 **評価点(WS) -ゲームバランスのマイルド調整 --一番の改善点だろう。これでかなり遊びやすくなった。 -各種UIの改善 -原作イベントの強化 --FC版でははしょられすぎていたピラフ関連のイベントは非常に原作に忠実でファンならニヤリとする内容。 --マッスルタワークリア後にアラレちゃんを操作して((原作にもあったブルー将軍を追いかけてペンギン村まで行く展開))ボスを追いかけるだけのエリアを追加。 --桃白白がカリン塔に襲来するようになった。((FC版のように絶対に勝てない桃白白と戦うことがなくなった)) --追加キャラクターとしてシェンと匿名希望(第23回天下一武道会に参加した時のチチ)が登場。 -戦闘演出の強化 --一部の必殺技にカットインが入るようになった。 ---カットインは原作のコマ絵そのものであり、原作と照らし合わせるのも面白い。 ---悟空やクリリンといった主要キャラ以外にも、ミイラくんやブルー将軍などにもしっかりとカットインが用意されている。 -オープニングにアニメ『ドラゴンボール』の主題歌である『魔訶不思議アドベンチャー』を使用。 --FC版では、権利上の都合かアニメの曲は一切使われていなかった。 --ゲーム中のBGMは基本的にFC版のアレンジが使われている。 **賛否両論点(WS) ''一部イベントの変化'' -亀仙人にパンティ探しを頼まれるイベントでパンティのお礼が乗り物からドラゴンボールへ変更された。 --子ガメラと筋斗雲の二択はなくなり、乗り物は筋斗雲のみになった。 ---この変更でパンティ探しが地味に面倒になっており、ギャルのパンティを当てない限り延々とカメハウス→パンティエリアをマラソンさせられるハメになった。 ---また、前述の通り使い勝手の面で子ガメラに分があったため、移動手段が少々不便になった。~ ただしWS版ではWPの回復は容易になっている(WP回復手段の極意書がアイテムカード扱いになり携帯可能にされている)のでFC版ほど使いづらくはなく、移動手段としては十分使えるようになった。 -うらないババの館の戦闘内容の変化 --ヤムチャやクリリンでミイラくんやアックマンはおろか達人((FC版ではソン・ゴハンと表記されていたが、リメイクでは達人表記にされている))すら撃破可能になった。 ---元々せっかく使えるのに倒されるしかなく使える意味が薄い戦闘だったが、二人の戦闘を楽しむことができるようになった。とはいえ、シナリオ再現の面では倒せるようになったことに違和感も出ている。 -3Dダンジョンエリアの追加 --もともと好みの分かれていた要素だけに、増えたことにも意見は分かれる。 ---ちなみに追加されたのはピラフ城とレッドリボン軍本部の2箇所。ピラフ城のダンジョンは実質イベント扱いであるが。 -ADVパートの理不尽なダメージイベントはそのまま。 --それも含めてゲームバランスであるため、そのままでいいという原作ファンもいる。 -隠しボス関係の変化 --隠しボスのラディッツは削除された。 --その代わりかアラレちゃんが強化され、必殺技「んちゃ砲」が255ダメージ固定で即死(残像拳で回避不可((残像拳回避のモーション自体は出るが、大爆発のエフェクトの後強烈な一撃のダメージポーズではなく通常の立ちポーズのままダメージの効果音とエフェクトが出て255ダメージを食らうという形。)))というトンデモ性能に変化。 ---ある意味原作通りの最強キャラになった。 **問題点(WS) -この時代にパスワード制をそのまま採用 --いくらFC版のリメイクとはいえ、この時代、何かしらのセーブシステムの採用や中断機能の追加が行われるのが普通であり、パスワードのみというのは非常に不便。しかもFC版より字数が増えている。 ---一応、ワンダースワン本体の一時保存機能があるにはあるが、ハード設計上の問題でワンダースワンソフトのセーブデータは消えやすいため、パスワード制だとその被害を受けないメリットはある。 --加えてパスワードシステム自体、メモを取る必要等から携帯機との相性は良くない。 ---当時既に普及していたカメラ付き携帯電話で撮るという手はあるが、面倒な事には変わりない。 --また、一部文字フォントの区別が付きにくく「ね」と「わ」と「れ」、「ぬ」と「め」等は特に間違えやすい。 **総評(WS) 元々のゲーム自体人気があり、各種問題点が改善された事でキャラゲーとしての完成度を上げたレベルの高い作品である。~ とはいえ、パスワード制をそのまま引き継いだり、相変わらずの運ゲーが人を選んだりと、どうにも残念な面も残ってしまった。~ ハード末期のソフトということもあってプレミア価格がついており、入手は困難である。
本項目では、ファミコンソフト『ドラゴンボール3 悟空伝』(''賛否両論・ゲームバランスが不安定'')と、そのワンダースワンカラー移植版(''判定なし'')の紹介をしています。 ---- #contents(fromhere) ---- *ドラゴンボール3 悟空伝 【どらごんぼーるすりー ごくうでん】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(DB3.jpg,width=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|3メガbitROMカートリッジ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|トーセ (プログラム、サウンド)&br()D&D (デザイン等)|~| |発売日|1989年10月27日|~| |価格|6,800円(税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|前作の正統進化として優秀&br;ただし成長システムに難あり&br;子ガメラ大活躍|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンボールゲームリンク>ドラゴンボールシリーズ]]''| **概要 前作『[[ドラゴンボール 大魔王復活]]』のシステムを引き継ぐカード式RPG。今回は悟空の少年時代~青年時代・マジュニア編までをかなりのボリュームで描いている。~ 発売当時アニメはすでに『ドラゴンボールZ』に移行(1989年4月26日から)していたが、その部分のエピソードに重ならないためかタイトルは「Z」のない従来シリーズのままになっている。~ ゲームでそれに倣うのは、ちょうど1年後に発売された次作『[[ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人]]』からとなる。 **ストーリー だいたい原作通りの展開だが、兎人参化、ピラフ、レッドリボンなどはピッコロ大魔王の支配下であり、天下一武道会は廃止に追い込まれているという独自設定。 悟空の目的は、ドラゴンボールを集めて天下一武道会を復活させることであり、原作での初参加(21回大会)や2回目(22回大会)への参加はそれぞれ別の大会に設定変更されている。そして大人になってから参加する3回目(23回大会)が、ゲームでは復活させた天下一武道会への初参加となる。 **システム -カードシステム --カードには攻撃用のドラゴンボール(星の数が1~7)・攻撃種類の漢字・防御力の漢数字の3つのステータスが存在する。 ---マップでは選んだカードの星の数だけ移動、バトルでは双方とも1枚出して星の数で勝った側が攻撃できる。 ---止まったマスに応じて「戦闘」「修行」「アイテム入手」等のイベントが起こる。戦闘については何もないマスで発生することもある。 --消費するたびカードは最大数まで補充される。 -成長システム --レベルアップ時に5ポイントを獲得して「パワー」「タフネス」「スピード」「テクニック」の4種類の能力に自由にポイントを割り可能。 --それぞれのステータスの意味はおおまかに言えば以下の通り。 ---スピード:雑魚戦の攻撃力・防御力に大きく影響 ---パワー、テクニック:攻撃力に影響 ---タフネス:防御力に影響 --レベルキャップがありシナリオ進行に応じてレベル上限が解放されていく。 -戦闘 --攻撃種類は、「拳」(パンチ)、「蹴」(キック)、「体」(体当たり)、「連」(連続攻撃)、「武」(武器攻撃)、「必」(必殺ポイントを消費して必殺技)、「特」(肘打ちや膝蹴りなどの特殊技、敵専用((特のカードは占いババの宮殿でクリリンとヤムチャを操作するときだけこちらも使える。温存して悟空に使わせると体当たりになる。)))、「術」(催眠術や忍術など術系技、敵専用)、「逃」(アイテムを使って作成、戦闘を終了する)がある。 ---同じ攻撃でも、「連」が二連攻撃(係数6倍)だったり三連攻撃(係数7倍)だったりとランダム要素もある。たまにピッコロ大魔王を倒したときのような大猿エフェクトが入って威力アップすることもある(基本的に必殺技では発生しない。ただしピッコロ大魔王を倒した攻撃が元ネタである「逆かめはめ波」のみ発生可能になっている。)。((習得済みパスワード以外では使用不可能なボツ技である「足かめはめ波」も一応、大猿を発生可能に設定されている。)) ---「必」を出して勝った時に必殺ポイントが足りなくても、「ジャンけん」(少年期)「衝撃波」(青年期)だけは使える。ただし、本来の威力より大幅に低下してしまうペナルティがあるため「蹴」以下の威力しか出ない。 ---前半の途中から使えるようになる「武」(如意棒による武器攻撃)は、係数が20倍もあってかなり強い。スピードやタフネスが低いパラ振りでも、その分だけパワーとテクニックを振ったということなので、力押しで進める。「武」や「必」に期待する運頼み要素は増すが。 ---なお、原作で如意棒はカリン塔に設置されるのを反映して、終盤は「武」を使えなくなる((大人悟空に代わったばかりの時に武のカードを使い切らずに残していた場合、そのまま温存して使わせると体当たりになる。))。 --ダメージを受ける側も、避けるorさばくor受けるの三種類の防御行動があり、受けるときはタフネスの防御効果が高く、避けるときはスピードの防御効果が高い。また、残像拳が出てノーダメージになることもある。 -ウィザードリィのような3Dダンジョンもあるが、結構かんたんな構造。 --ピッコロ大魔王の暗黒魔城はそこそこの大きさで迷うこともありフリーズバグが発生する部屋(後述)まで存在するのでマッピング推奨。マッピングしてみると構造に込められた意味((ダンジョンが漢字「魔」の形になっている。))が分かるというしかけにもなっている。 ---- **問題点 -成長システムによるゲームバランスの悪さ。均等に割り振っていると終盤での雑魚戦が非常にキツくなる。 --「スピード」は攻撃力と防御力に影響を及ぼすステータスで、雑魚戦の攻防共に大きく影響する為、スピード特化にすれば雑魚戦はほぼ無双可能。 ---ただしパワーやテクニックを上げないぶん強力な必殺技を使ってもダメージがあまり伸びない、タフネスを上げないぶん敵の必殺技をもろに喰らうと思わぬ大ダメージを受ける、といった欠点もある。 --雑魚敵はステータスが固定数値で設定されているのだが、ボスに該当する敵の大半は悟空のステータスと同じ値か少し低い値が設定されるようになっている。((最序盤のヤムチャとピラフマシーンのみ例外)) ---このためどんなに育ててもボス戦は同じ土俵で戦うことになりがち。逆に言えば均等に育てて雑魚敵に苦戦するような状態でも、ボスには勝てる。 ---スピード特化だと強力な必殺技でダメージを増やしにくくなるが、相手の必殺技もあまり怖くなくなる。スピードが高いほどお互いに与えるダメージが大きくなるので、後半でも小ダメージを与え合うような泥試合にはならない。 ---逆にスピードを育てないと、他を上げた分ボス戦は楽になってもステータス固定の雑魚戦がつらくなる。 --次に「タフネス」がほぼ完全に罠ステータス。 ---ボスが同じステータスになる都合、タフネスを上げるとボスも固くなり、場合によってはまともにダメージが通らなくなる。全く上げないでいると時々雑魚相手から思わぬ大ダメージを受ける事があるので、多少は上げた方が安全ではあるが。 --結果として、数値固定の雑魚戦用に「スピード」をメインに「タフネス」少量、ボス用に「パワー」や「テクニック」を育てるのが無難。 --こんなややこしい設定のため、単純に育成が面倒になっていることに加え、''説明書にもそれぞれなにに影響があるのか一切説明もない''。 ---「レベルポイントをスピード、パワー、テクニック、タフネスの4つの要素にそれぞれふり分けてゆくと、悟空はどんどん強くなる!」というあたりまえすぎていちいち説明するまでもない一文のみ。 #region(ステータスの詳細) 解析によるとダメージ計算式は [パワー+テクニック+カード星数] ×[攻撃方法による係数×大猿補正÷2] ÷ [(相手タフネス+相手カード漢数字) ×[防御方法による除算防御補正] +[スピード] +[カード星数の差分] - [(相手スピード+相手カード漢数字) ×防御方法による減算防御補正] ※防御方法による補正は、&br() ジャンプ回避だとどちらも等倍&br() 構え行動は、タフネスによる除算防御に1.5倍補正、スピードによる減算防御に0.75倍補正&br() 受け止め防御だと、タフネスによる除算防御に2倍補正、スピードによる減算防御に0.5倍補正&br() つまり悟空がジャンプ回避しないと、スピードによる防御力が減るため雑魚戦で被ダメージが大きくなる ※ボスは悟空のステータスが基準なので、ジャンプ回避だとスピードの攻撃力と防御力は相殺される。&br() それ以外の防御方法だと、悟空のスピードが高いほど与ダメージも被ダメージも大きくなる。&br() ※パワーとテクニックに違いはなく、単純に合計値が計算に使われる。 ※タフネスは少し振る程度なら雑魚戦で有利になるが、多く振っても割り算なので1ポイントによる差はどんどん少なくなるし、ボス戦では被ダメージが減っても与ダメージも減ってしまい長期戦になり必殺技ポイントがきつくなるデメリットがある。&br() ただし隠しボスは悟空より10高いステータスなので、悟空が受けるダメージの減少割合よりも、隠しボスが受けるダメージの減少割合の伸びが小さく、少しタフネスを上げたほうが有利に戦える。&br() (例えば漢字一のときタフネス3(初期値)をタフネス4に上げると÷4が÷5になるので敵パワー敵テクニック由来の被ダメージ分が8割になるが、÷14と÷15では大差ない) #endregion -最序盤の悟空の弱さ -- RPGなのでしかたないが、LV1の悟空は非常に弱い。原作では苦もなく倒した山賊はおろか、大牛相手にも死の危険がつきまとうほどに貧弱。最序盤で遭遇する通常敵5種類のうちLV1の悟空より弱いのは最弱の「リカント」だけである。 ---修行マスに止まって修行値を稼ぐと安全だが、修行でレベルアップしても何故かパラメータ上昇を先送りにされ、次の戦闘に勝たないとパラメータを上げられない。つまり最低一度はLV1のパラメータで戦闘に勝たなければならない。パラメータを上げることができればぐっと強くなり、まずまず戦えるようにはなる。 --特に「ウサギ団」が敵として出てくると絶望的に強く、出してくるのは武器攻撃のみなので星の数で負けるとまず大ダメージは免れない(こちらのカードの漢字の数(防御力)が低いと即死どころかオーバーキルまである)。拳銃1発(細身)、またはマシンガン(デブ)で射殺されてしまうLV1の悟空は、このゲームをやった人ならほとんどが経験しているであろう現象である。''原作では撃たれてもけっこう平気だったのに…。'' ---しかもタチがわるいことに出現範囲がけっこう広く、最初のエリアの空白マスで起こるランダムエンカウントで出て来る可能性があるほか、西の都のそばに多数配置されている『ウサギ団出現マス』では確実に遭遇してしまう。空白マスに止まらなければ遭遇することはないので、カードのコントロール次第では避けることは可能なのは救いか。 --ゲームスタート直後のマップは近くにカプセルハウスのマスがないので、受けたダメージの回復すらままならない。修行マスなど敵の出ないマスを狙って止まりつつ移動していかなければならない。 -シナリオの転換期が近いタイミングでは、&bold(){悟空はシナリオ進行によるレベルのリミッターに引っかかって成長できない}のに&bold(){敵だけ格上の相手が出てくることがある}。 --最初のステージから次へ進む時の「猛牛」「下忍」「ターミネーター」などは何とかならなくもないが、ピッコロ編で登場する「メカデビル」「コンガ」などはその時点の悟空では凶悪な強さとなり、必殺技でないと有効打にならないことが多い(如意棒ならやっとダメージが通る程度)。無限に湧いて出るザコだというのに全身全霊で戦わざるをえない。「メカデビル」は強さの割にもらえる修行値が低すぎて稼ぎの相手としても適していない。 ---「猛牛」は何とかならなくもないとはいえそれでも2体での出現が多く、カード運に恵まれないとやられてしまうぐらいのリスクはあるし、それが何度も何度も出てこられると尚更。 ---後述の通りストーリーパートの即死は少なくなったとはいえ、これが代わりになっていると言えなくもない。わざわざ理不尽要素を代替しなくてもいいだろうに… --シナリオクリア時に強制レベルアップが用意されていることがあるが、これもレベル上限にひっかかるので既に最高レベルに達していたら何の意味もない。 -アイテムの入手が不安定(特におたすけカード) --カプセルハウスのマスに止まると、体力を回復する食べ物や仙豆などの移動中に使う「アイテムカード」が手に入る。伏せられたカードから選ぶので、なにが出るかは全く予想できない((実際は何が出るかは事前に判定されていて、どこを選んでも同じ物が出るようになっている))。 ---種類自体は少ないので何度もマスに止まれば数をそろえることは可能。 ---確率は低いがハズレも存在する。 ---必殺技ポイントを回復させる極意書は、ストックできずにその場で強制使用される。 --?マスに止まると、戦闘中に使う「おたすけカード」がもらえる神経衰弱に挑戦できる事がある(牛魔王の「移動と戦闘に使うカード全交換」が出る確率の方が高い)。5枚の中から2組のペアを探しハズれたら即座に終了なのでミニゲーム自体の出現率の低さも災いしてなかなか貰えない。~ 単純計算で2枚獲得できるのは1/15、1枚獲得でも2/15でしかなく残る12/15(4/5)がハズレのため、1回あたりの獲得枚数期待値は約0.267枚でしかない。しかもそれぞれのカードに上限枚数があるのでその枚数に達していたら無効なため、実際の期待値は更に低くなる。 ---こちらにも必殺技ポイントを回復できるカードもあり、上述の極意書と違ってこちらはストック可能だが、入手にはかなりの運が絡む上に後半期は「?」マスに通うのもザコの強さが反則的でそれに出くわすリスクが無視できないのでストックするにしても序盤のうちに「?」マスに通いまくる半ば作業的なものを強いられる。 --戦闘後に敵が回復アイテムを落とすことがあるが、当然ながら確実ではない上にその場で自動的に使用される。 --アイテムカード・おたすけカード共にそれぞれのカードについて何枚までストック可能かが決められているが、現在枚数を確認する方法がない。 -フィールドマップで迷子になりやすい --イベントが終わった後、次はどこへ向かえばいいのかが示されないことが多い。原作を知っていればある程度見当はつくが、原作とはイベントの順番が違ったりもするので完全ではない。 --カード欄が邪魔で南方向への視界が悪く、たった3マス先までしか見えない。移動にカードを選ぶと見えるようになるのだが、キャンセルが効かないので進んだ先で敵出現マスを踏んでしまうこともある。移動中、何マス先に何があったのかをしっかり見極めておかなければならない。 --マップを動かして遠くを見ることはできない。ドラゴンレーダーを使っても「ここではつかえません」と出るだけで何の役にも立たない。せめて進む方向だけでも示してくれればよかったのだが。 --全体マップを見る事はできるが、本当に全体の縮小マップが表示されるだけなので、次の行き先がわかっていてもどこにあるのかまではわからない。 ---ここで「子ガメラ」を使えばある程度あてずっぽうで飛びまわれるので大活躍する。しかし筋斗雲だと…(後述) -3Dマップの操作性の悪さ --向き変更と前進をそれぞれコマンド指定する必要があるため、右方向に進みたい場合、一々「みぎをむく」「まえへすすむ」とコマンドを指定する必要がある(いわゆる「カニ歩き」が出来ない)。 ---しかも、グラフィックウインドウの更新するタイムラグが長めなのもイライラを誘発させる。 --壁に向かって移動しようとするとぶつかってダメージを受けてしまう。 -操作性の他にもアドベンチャーパートのグラフィックウィンドウが前作同様に細長で小さいので視認性が悪い。 --これは前作でもあったが改善されていない。 -アックマンの「アクマイト光線」の再現がなっておらず演出も珍妙。 --原作キャラ「アックマン」とその色違いのザコ敵が使ってくる技で、回復しづらい必殺技ポイントを減らされるという非常に厄介というか面倒な技。しかも回避不能(たとえ残像拳でも)。原作では悪の心を持たない悟空には効かない技だったのに…。 ---演出は''光弾が必殺技ポイント表示欄に向かって飛んでいき数字の上で爆発''する。グラフィックウイドウの悟空はダメージを喰らった描写になり被弾のSEが鳴るのだが体力は減らないので「ゴクウはダメージを受けていない」と出る。 //---後述の通り戦闘の演出面での出来は良いほうだが、これに関してはお世辞にも褒められたものではない。 ←設定面はともかく演出面は体力ではなく必殺技ポイントが減る技として良い演出だと思う -一部イベントの問題点 --イベントでダメージを受けることが多く、体力が減ってるとそのダメージでゲームオーバーになる危険がある。 --筋斗雲をもらうイベントで、失敗してもらう子ガメラの方が便利。筋斗雲は回復しづらい必殺技ポイントを10も消費するのに対して、子ガメラは体力5消費なので回復しやすく気軽に使える。 ---序盤ではレベル制限のため必殺技ポイントが10までしか増えず、筋斗雲を1回使ったら必殺技も使えない状態のまま見知らぬ土地へ置き去りにされる。ちなみに体力はこの時点で40もある。 ---このイベントの成否だけでゲームの快適さが大きく違ってくる。パスワードを取っておけばやり直しができるのが救い。 --神様の修業は1回きりのミニゲームだが、この成績が悪い(8マス以下)と強力な必殺技「超かめはめ波」を覚えないまま最終イベントに挑むことになってしまう。レベルアップでは覚えない。 ---「逆かめはめ波」が「超かめはめ波」の次に強いので、「超かめはめ波」を覚えなかった場合は少年時代で最も強い必殺技だった「逆かめはめ波」を最後まで使い続けるしかない。 ---神様の修業が4マス以下で終わってしまうとジャン拳に代わるザコ戦向きな消費2必殺技である「衝撃波」も覚えない。「必」のカードでザコを攻撃することになった場合、消費4の残像拳を選ぶことになる。 -バグ・設定ミス --説明書に載ってる必殺技がいくつか習得不可能 ---データ上は存在しており、パスワード次第では入手済みの状態にもできる為、それで使う事は可能。((子供時代の「大きなかめはめ波」。成長後の「太陽拳」と「足かめはめ波」。)) --フリーズバグ ---ピッコロ大魔王の暗黒魔城で、ピアノの部屋のニセ悟空を倒してまた部屋に入るとフリーズする。 ---当時、サポートセンターは仕様と回答していた。 --レベル31バグ ---レベルを29から30に上げると何故か31まで上がり、''HPと必殺技ポイントの最大値が0になってしまう。'' ---当然、敵の攻撃を一発でも貰うと即死、ゲームオーバーとなる。終盤の育成時に注意((実際には膨大な修行値が必要なため、意図的に稼ぎまくらないとこの事態にはならない。))。 ---レベル29で最終イベントに挑めば、バグを回避してレベル32になりながら裏ボスに挑む事も可能。 **賛否両論点 -占いババのイベントで原作通りクリリンやヤムチャも一緒に戦えるが、活躍させることができない。 --イベント限定とはいえ二人を使えるのは嬉しい要素ではあるのだが、実質負けイベントになっている。相手が相手なので原作通りであるとも言えるのだが…。 ---二人のステータスはゴクウのステータスの半分になるので、ゴクウのステータスの割り振りとカードの引き次第では勝つのも不可能ではないが、勝ってもストーリー上は負けたことになる。 --最後に戦う相手に負けたら問答無用でゲームオーバーにされる。一応原作では負けかけながらも勝利した相手なのだが、ゲームシステム的に回復なしのボス三連戦は非常にきつく、ゲーム中屈指の難所とされる((この後すぐまたピラフマシーンとの三連戦があるが、ボス戦仕様ではなくザコ敵扱いなので育て方さえ間違っていなければ楽に勝てる。))。 **評価点 -前作に引き続き、カード式ゲームとしての楽しみは健在 --単純に数字の多い方が勝つ子どもにも分かりやすい戦闘システム。 ---前作同様★1のカードでも相手が★7であれば勝てるなど、逆転要素もよい。 -前作では豊富にあった即死トラップはほぼ廃止された。 --前作では9箇所もあった即死トラップだが本作はわずか2箇所。そのうち一方はちゃんとテキストを読んでいれば防げる((ウーロンの忠告を無視し、兎人参化に素手で戦いを挑むと悟空が人参化してゲームオーバー))し、もう一方は狙ってやらない限りはまず起こり得ない((ウミガメや山賊関連のイベントを全て無視してヤムチャを倒しフライパン山へ向かい、牛魔王に戦いを挑もうとすると返り討ちにあい強制ゲームオーバー))ので実質なくなったといってよい。 --原作の天下一武道会決勝で負けたジャッキーチュンや天津飯には、本作でも負けたとしてもそのまま進める。前述の通りボス敵との連戦はシステム的にきついのだが、決勝まで残れればとりあえずシナリオクリアとなるのは助かる。 ---もちろん頑張り次第&運を味方につければ勝つこともできるので、「if」の展開も楽しめる。 --序盤の砂漠で会う盗賊ヤムチャも、負けても殺されずにアイテムを奪われるだけですむ。序盤なのでアイテムも何も持ってなくても許してくれる。しかも何度負けても問題ない上に、奪われたアイテムも後で勝てば取り戻せる。 ---ただしブルー将軍((ネズミを使うと弱体化して楽に勝てる))や桃白白((先にカリン塔で修行しなければ桃白白に強烈なステータス補正が入り、絶対に勝てない))はさすがに負けたらゲームオーバー。レッドリボン軍関連は原作を知っていなければ即死トラップと言えなくもない。 -体力回復が容易。 --食べ物、ご馳走、仙豆をストック可能になり、マップ画面はもちろんイベントの合間にも使用可能になった。 --「おたすけカード」と違ってストックもしやすい。 -戦闘演出も相変わらず --紙芝居表現と漫画表現を合わせて上手くゲームに落とし込んでいる。 ---戦闘のテンポの良さも後押ししている。 --シナリオを進めると悟空の戦闘グラフィックが大人になる。ヤムチャも髪を切った姿に変わる。 --イベントでもピラフ城で悟空が大猿になるシーンなどで原作のコマ割り絵が再現されている。 ---ピッコロ大魔王やマジュニアに勝利するシーンではカットイン演出がある。 -安達春樹のBGMも評価が高い。 --マップBGMや戦闘BGM等、全体的に好評で印象に残りやすい曲も多い。 ---特に武術大会のBGMは人気。 -イベントは原作再現を入れつつ、変更点も多い。 --前述の通り、筋斗雲の入手イベントでは失敗すると子ガメラを入手する。 --天下一武道会がピッコロに消滅させられているが、代わりに腕自慢武道会や世界武道選手権大会が開催されている。%%消滅させた意味あるの?%% --ブルー将軍がマッスルタワーで待ち受けており、海底洞窟がカットされている。 --兎人参化が持っている人参(ブルマの両親)を奪ったあとすぐに如意棒で叩きのめすと、ブルマの両親を元に戻せなくなってしまいストーリーが少し変わる。 --前作のようなオリジナルキャラは登場せず((せいぜい色違いザコ程度))、世界観を壊すことがない。 -隠しボスとしてラディッツ、そしてなんとアラレちゃんと戦えるというサプライズもあった。 --ラディッツはマジュニアを越える強さを誇り、原作のラディッツ初登場のような絶望感を味わうことができる。 ---戦うときはチチと結婚するミニイベントをこなさないと、各能力に+50補正がかかってしまいほぼ倒すのは無理。原作から「悟飯がいないとラディッツがパワーダウンしない」という仕様にしたと考えられる。 --アラレちゃんは回避行動を取らないためラディッツほど強くない(それでもそこそこ強いが)。 ---- **総評 わかりづらく、育て方によっては雑魚敵にも苦戦してしまうようなゲームバランスを除けば、一部設定の改変があるとはいえ流れ自体は原作に忠実であり、イベント・キャラクターも豊富。~ 前作の正統進化&拡張版として内容の質量は申し分なく、FCの中でもグラフィック、BGMは評価が高い事から「ドラゴンボール」のゲームとしてまず名を上げるオールドファンは少なくない。 ---- **その後の展開 -概要の通りピッタリ1年後にあたる1990年10月27日にゲームでは初の「Z」を冠した『[[ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人]]』を発売。 --カードシミュレーションバトルは変わらないものの流派式にモデルチェンジしている。マップもスゴロク式から一般的なシミュレーションゲーム風なものに変わった。 --他に対戦モード的な位置付けの天下一武道会モードが追加されている。 ---- **余談 //パスワード系の文章になっているものは精製もできるし、詳細は不要。ステータスの割り振りの問題は上に詳しく載っている。 -特殊なパスワード --パスワード式のゲームの常として、本作も文章になってるパスワードが裏技として広まった。 --有名なものとしては大技林に掲載されたパスワード「くりりんううろんごくうてんしんはんやむちやひつころかめせんにん''たお8い8い''ふるま」がある。これはタイトル画面に表示される順番通りにキャラの名前を並べている。(タイトル画面の10キャラ中最後に表示されるウミガメだけ含まれていないが) ---LV60、大人になっていて習得不可能な必殺技も習得した状態で占いババ編スタートというものだが、開始位置が画面外になっておりアイテムで移動しないと進行不可能になってしまう。 --こういったパスワードではステータスの割り振りが極端になってしまう事もあり、それで余計ゲームバランスを酷いと感じてしまうプレイヤーもいた。 ---実際、上記のパスワードも「タフネス重視すぎてザコ戦では無敵だがボス戦が苦痛」という能力になっている。 -後に原作において、パワーばかり増してスピードが下がっているため弱いという超サイヤ人第三段階が登場、本作のことを思い浮かべた読者も結構いたらしい。 -本作は原作初期をベースにしているため、悟空の養父(通称「じっちゃん」)が「ソン・ゴハン(孫悟飯)」名義で登場する。 --だが、本作発売当時のアニメでは上記の通り『Z』に移行して半年ほど経過しており、リアルタイムで『Z』を見ていた世代からすると1話から登場している悟空の息子「悟飯=子供」というイメージが強かっただけに、本作に登場する「悟飯」が老人の方であったことに違和感を覚えたプレイヤーもいたようだ。 ---もちろん「孫悟飯」が2人いるのは原作通りであり、孫悟空がじっちゃんの「悟飯」の名にあやかって自分の息子にそのまま名付けたという設定である。 --因みに「じっちゃん」の悟飯はアニメの『Z』シリーズではテレビスペシャル『たったひとりの最終決戦』に一度しか登場せず、後に発売されるゲームの「Z」シリーズでは「じいちゃん」表記である。同時に「悟飯=悟空の子供」でスッカリ定着した。 ---そのため本作は悟空の養父を「悟飯」と表記した最後のゲームということになる。 -マッスルタワー攻略後~レッドリボン軍本部攻略までの僅かな期間にメタリック軍曹、ムラサキ曹長、ブヨンとランダムエンカウントするのだが、出現区分が「その他の敵」である。ブヨンはまだわかるが他の2人は何故「レッドリボン軍出現マス」ではないのだろうか…。 --また、同時期には「魔族出現マス」が1マスだけ存在する。RB軍本部でのブラック補佐の台詞からピッコロら魔族達が本格的に動き出した事を仄めかす演出とも取れる。 -現在でこそレベルシステムの欠陥や理不尽なポイントの多さで否定的な意見が多々あるが発売当時は一般ユーザー間では異常なほど高評価だった。 --それというのも大人になった悟空が初めて登場するゲームであることをはじめ、原作最序盤からの再現による登場キャラの多さなどドラゴンボール自体の人気の異常なまでの高さから来るところが大きかった。 ---それだけに前作から引き継がれたグラフィックやアニメーション等をはじめ演出面の出来は良かったことがより一層プラスに働いたと言えるだろう。反対に難易度バランスの悪さやシステムの欠陥などは当時はRPGにしても珍しくなかったこともあり本作ばかりではなかったので本作特有のマイナスイメージの緩和にもなっていた。 --また、この1989年のファミコンはドラクエもマリオもなかったため話題作という点では乏しかった。実際この年のファミコンにおけるミリオンセラーは2月発売の『[[ファミコンジャンプ 英雄列伝]]』のみで、特に4~6月は新作ソフトが発売初週でも前年10月発売の『[[スーパーマリオブラザーズ3]]』の後塵を拝する((マリオ3はビッグタイトルには違いないが発売から半年を経ており売上ではだいぶ落ちていた。特に5月に入ると衰えは顕著化し例年ならランキング下位に落ちていてもおかしくなかったほどだったが当時の新作はそれにさえ届かなかった。))惨状を呈するほどで、7月発売の『[[MOTHER]]』(任天堂)は話題のRPGで日常世界を舞台とした意欲作で完成度は高かったもののRPGの花形「剣と魔法のファンタジー」ではなかったことから当時のゲーマーはその魅力を理解できなかった者も多く、売上ではそれほど芳しくなかった。そして本作発売直前の頃にはファミコンでは前年12月発売の『[[テトリス]]』(BPS)が遅まきで地味ながらもブレイクし当時の新作を押し退けてランキングの1位に何週も居座ることになり再び「新作が前年作に負けてばかり」という不名誉な事態となった。 --話題という点では本来この年に発売される予定でありながら延期を繰り返し最終的に年内に間に合わず年明け後の1990年2月11日発売となった『[[ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』(エニックス)の影響も無視はできず、この続報に話題を持っていかれ新作の注目度を軒並み奪っていった一面もあった。 --そんな中、新ハード『ゲームボーイ』発売という一大ニュースはあり売上本数こそ3タイトルがミリオンを達成したとはいえ、ソフト全体に注目すれば任天堂作品が多かったことでクソゲーこそ少なかったとはいえ低性能が災いして反対に「名作」と呼べるものも少なく『[[スーパーマリオランド]]』でさえ前述のファミコンソフトの『3』に比べると「携帯機でどこでもマリオができる」以外そこまで際立ったものではなく、それ以外は全体的に平凡レベルなゲームが多かった。 --上記の要因も相まってより一層本作が目立ったことになる。結果的に本作は1989年後半期では最大のヒットとなり、そのまま1990年2月『ドラゴンクエストIV』までゲーマーの話題の中心でありつづけ、売上ランキングも1989年は12月初週まで6週にわたり週刊売上ランキングの1位をキープし続けたのだった。 ---その後在庫切れにより首位から陥落し『[[ファミスタ'90]]』(ナムコ)や再浮上した『テトリス』に奪われた。再出荷後は『ドラゴンクエストIV』発売まで上位をキープしていたものの首位返り咲きはなかった。だが、この6週連続1位、1位獲得週6回ともこの年に発売されたファミコンソフトでは最高記録にあたるものとなった。 -一般ユーザーの過熱っぷりとは逆に見るべき人は見ていたようで『ファミコン通信』におけるクロスレビューの評価は25点(6・6・7・6)と至って凡ゲーなレベルだった。 ---- *ドラゴンボール(ワンダースワン) 【どらごんぼーる】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(https://www.suruga-ya.jp/pics_light/boxart_m/143000216m.jpg,x=180)| |対応機種|ワンダースワンカラー(スワンクリスタル対応)|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|トーセ|~| |発売日|2003年11月20日|~| |価格|3,980円(税抜)|~| |判定|なし|~| |ポイント|原作の問題点だったゲームバランス面が改善&br;セーブがパスワード制なのもそのまま|~| //ダメージイベントはそういうものと割り切ってるプレイヤーもいるし、ポイントに書くほどじゃないだろう **概要(WS) 上記ソフトのワンダースワンカラーリメイク版。([[紹介ページ(アーカイブ)>https://web.archive.org/web/20210213081635/http://www.swan.channel.or.jp/swan/software/line_up/index_line49.html]]) **変更点(WS) -FC版に多かった独自設定を原作準拠に。 -一部敵キャラクターの名称変更。 --一例ではターミネーター(FC)→アサシン(WS)、ゾンビリカント(FC)→毒リカント(WS)など。また一部の敵はFC版とカラーリングが異なっている。 -ゲームバランスの調整 --純粋な難易度調整のほか、ゲームオーバーがなくなり、全ての回復アイテムとお助けカードを失うかわりにその場で復活するようになった。 --戦闘中にお助けカード以外の回復アイテムカードが使用可能になった。 -全体MAPに目的地表示を追加 **評価点(WS) -ゲームバランスのマイルド調整 --一番の改善点だろう。これでかなり遊びやすくなった。 -各種UIの改善 -原作イベントの強化 --FC版でははしょられすぎていたピラフ関連のイベントは非常に原作に忠実でファンならニヤリとする内容。 --マッスルタワークリア後にアラレちゃんを操作して((原作にもあったブルー将軍を追いかけてペンギン村まで行く展開))ボスを追いかけるだけのエリアを追加。 --桃白白がカリン塔に襲来するようになった。((FC版のように絶対に勝てない桃白白と戦うことがなくなった)) --追加キャラクターとしてシェンと匿名希望(第23回天下一武道会に参加した時のチチ)が登場。 -戦闘演出の強化 --一部の必殺技にカットインが入るようになった。 ---カットインは原作のコマ絵そのものであり、原作と照らし合わせるのも面白い。 ---悟空やクリリンといった主要キャラ以外にも、ミイラくんやブルー将軍などにもしっかりとカットインが用意されている。 -オープニングにアニメ『ドラゴンボール』の主題歌である『魔訶不思議アドベンチャー』を使用。 --FC版では、権利上の都合かアニメの曲は一切使われていなかった。 --ゲーム中のBGMは基本的にFC版のアレンジが使われている。 **賛否両論点(WS) ''一部イベントの変化'' -亀仙人にパンティ探しを頼まれるイベントでパンティのお礼が乗り物からドラゴンボールへ変更された。 --子ガメラと筋斗雲の二択はなくなり、乗り物は筋斗雲のみになった。 ---この変更でパンティ探しが地味に面倒になっており、ギャルのパンティを当てない限り延々とカメハウス→パンティエリアをマラソンさせられるハメになった。 ---また、前述の通り使い勝手の面で子ガメラに分があったため、移動手段が少々不便になった。~ ただしWS版ではWPの回復は容易になっている(WP回復手段の極意書がアイテムカード扱いになり携帯可能にされている)のでFC版ほど使いづらくはなく、移動手段としては十分使えるようになった。 -うらないババの館の戦闘内容の変化 --ヤムチャやクリリンでミイラくんやアックマンはおろか達人((FC版ではソン・ゴハンと表記されていたが、リメイクでは達人表記にされている))すら撃破可能になった。 ---元々せっかく使えるのに倒されるしかなく使える意味が薄い戦闘だったが、二人の戦闘を楽しむことができるようになった。とはいえ、シナリオ再現の面では倒せるようになったことに違和感も出ている。 -3Dダンジョンエリアの追加 --もともと好みの分かれていた要素だけに、増えたことにも意見は分かれる。 ---ちなみに追加されたのはピラフ城とレッドリボン軍本部の2箇所。ピラフ城のダンジョンは実質イベント扱いであるが。 -ADVパートの理不尽なダメージイベントはそのまま。 --それも含めてゲームバランスであるため、そのままでいいという原作ファンもいる。 -隠しボス関係の変化 --隠しボスのラディッツは削除された。 --その代わりかアラレちゃんが強化され、必殺技「んちゃ砲」が255ダメージ固定で即死(残像拳で回避不可((残像拳回避のモーション自体は出るが、大爆発のエフェクトの後強烈な一撃のダメージポーズではなく通常の立ちポーズのままダメージの効果音とエフェクトが出て255ダメージを食らうという形。)))というトンデモ性能に変化。 ---ある意味原作通りの最強キャラになった。 **問題点(WS) -この時代にパスワード制をそのまま採用 --いくらFC版のリメイクとはいえ、この時代、何かしらのセーブシステムの採用や中断機能の追加が行われるのが普通であり、パスワードのみというのは非常に不便。しかもFC版より字数が増えている。 ---一応、ワンダースワン本体の一時保存機能があるにはあるが、ハード設計上の問題でワンダースワンソフトのセーブデータは消えやすいため、パスワード制だとその被害を受けないメリットはある。 --加えてパスワードシステム自体、メモを取る必要等から携帯機との相性は良くない。 ---当時既に普及していたカメラ付き携帯電話で撮るという手はあるが、面倒な事には変わりない。 --また、一部文字フォントの区別が付きにくく「ね」と「わ」と「れ」、「ぬ」と「め」等は特に間違えやすい。 **総評(WS) 元々のゲーム自体人気があり、各種問題点が改善された事でキャラゲーとしての完成度を上げたレベルの高い作品である。~ とはいえ、パスワード制をそのまま引き継いだり、相変わらずの運ゲーが人を選んだりと、どうにも残念な面も残ってしまった。~ ハード末期のソフトということもあってプレミア価格がついており、入手は困難である。

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