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*ACE COMBAT X2 JOINT ASSAULT 【えーすこんばっとえっくすつー じょいんとあさると】 |ジャンル|共闘フライトアクション(フライトシューティング)|&amazon(B0034KZXDC)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|アクセスゲームズ|~| |発売日|2010年8月26日|~| |定価|UMD版:4,980円&br()DL版:4,700円|~| |廉価版|PSP the Best:2011年9月8日/2,800円|~| |分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''ゲームバランスが不安定''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''黒歴史''|~| |ポイント|前作から大幅に劣化&br「''スピード感が無い''」これに尽きる&br使い回しのオンパレード&brソロプレイ軽視のゲームバランス&br''<<ガガッと、きやがった。>>多し''&br''フライトシューティング史上最“狂”のラスボス''&br()''&size(30){オレオ~~~!!!}''|~| |>|>|CENTER:''[[エースコンバットシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/843.html]]''| //判定は初稿の物に「不安定」が追加される所まで決まりました。糞ゲーという意見も時々見られますが、本作単体での評価としてはまだ決定的ではありません。 //経緯・詳細は判定変更議論スレ1(>>185~あたり)を参照。 //分類欄に取り扱っていない分類名を書くのは控えてください。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -有名な『エースコンバット』シリーズの携帯機版第2作。前作『X』が好評だった為期待されていた。…が、改悪された点が多くを占めている。 --ジャンルがフライト''シューティング''からフライト''アクション''に変わっている。確かに海外ではフライトシューティングと言う言葉があまり普及しておらず同様のゲームはフライトアクションと言われるのが一般的だが、だからと言って国内でもフライトアクションと言われても今更である。 --通信プレイを中心に大幅な改良がされているらしいのだが、その改良点と謳っている箇所も実際には多数の問題点がある。その為シリーズファンにとっては評価できる所が少なく、小さなクソが積もり積もった駄作と化してしまった。 **評価点 -前述のように通信プレイに重きを置いており、シリーズ初の“キャンペーンモード”における最大4人でのCO-OPプレイが実装(『6』にはオンライン専用でCO-OPバトルはあったが“キャンペーン”において実装されたのは初の試みである)。ついでに2つのマップに分かれて同時進行で行動する“ジョアミ(ジョイントアサルトミッション)”も初搭載された。 --その為マルチプレイを行う環境が整っているプレイヤーからは好意的に受け取られていたが、本作が駄作と言われるそもそもの根源がこの多人数プレイにあった。詳細は後述。 -まさかのレシプロ機と旅客機が追加。今までジェット戦闘機を操縦するシリーズだっただけにこれらの機体が登場した事にファンは驚いた。 --レシプロ機自体はジェット機との差別化に成功しそれなりに好評だった為か、携帯機次回作『3D』にも登場した。流石に旅客機は無いが。 -本作特有の要素として“エンブレム”の概念がある。垂直尾翼や主翼にそれぞれエンブレムを設定でき、様々な組み合わせによって自分だけの“愛機”を演出できる。エンブレムの種類も豊富で、数字や幾何学模様に始まり歴代エースのエンブレムまで網羅している。 --余談だが味方の“ライジェル隊”のエンブレムは他の部隊と比べて凄く地味。そりゃ裏切りたくもなるわ(後述)。 **問題点 &color(red){''あまりに多すぎて文字数がオーバーしてしまう為一部だけ記述。実際全て書くともう1ページ必要である。''} ***システム -オンライン協力プレイが前提なのか、ミッション自体は難しめ。 --ところが敵AIがお粗末で、ミサイルを殆ど避けようとしない。加えてミサイル搭載量も増加している。その為旧シリーズ古参ファンからは「すぐに敵が堕ちてつまらない」などと言われた。 --難易度は『X』と同じく4段階なのだが、今作の難易度で変わる所は機銃に弾数制限がつくのと''敵がミサイルを発射するタイミングだけ''なので余計すぐに墜ちる事に…。 ---前作までは難易度が上がるにつれて「敵側の戦闘機動とミサイル・機銃の攻撃力が上昇し、プレイヤー側はミサイル搭載量が減り、機銃に弾数制限がつく」という物で、難易度ACEにもなると殆どの敵のミサイル攻撃が一撃クラスだった。ところが今作では''難易度による敵側の能力向上が殆どない''。 --前述の難しさというのは歯ごたえのある難しさではなく“味方の出鱈目な作戦・指示”や“敵の重力・慣性などを完全に無視した挙動”など理不尽な方面にばかり特化してしまった結果にできた「イライラする難しさ」である。 -『X』に比べソロプレイのボリュームは寧ろ減っている。 --『X』と同じくストラテジックAIシステム((プレイヤーの行動によりミッションの内容が変化するシステム。))搭載を謳っているが、おまけ程度に付随されたにすぎず『X』と違い微々たる差しか変化が出ない。 ---例えば『X』では同じマップであっても、プレイヤーの選択により敵エースパイロットとの空戦or大規模な艦隊戦と全く違うミッションになったが、今回は敵の兵装や挙動に若干の違いが出る位である。 --マルチプレイじゃないとロックが解除されないミッションがある。マルチプレイできる環境がない人はどうすれば…。 --ミニゲームの一つである着陸・着艦と空中給油が過去作と比較し難易度がシビアになっている。 --ソロプレイなのに「アンタレス''隊''」なんて言われても…''「隊」は要らなかった''。 -新しい描画技術「エンハンスド・コンバット・ビュー」が搭載されている。その効果は「NPCの機体を自機の距離に合わせて拡大する」という物であるが、この技術が前述のミサイルの当たりやすさや後述する機体のもっさり感の原因と考えるとそれ程褒められた物ではない。 --その為自機とNPC機では機体の大きさが違っていたり、輸送機などの大型機体の当たり判定が奇妙な事になってしまっている。開発者は「戦闘をダイナミックに表現した」と謳っているが、言ってしまえば''只の子供騙し''ではないのか? ---殆どの敵機が詐欺判定なので明らかに当たっていないのに命中する。逆に前述の輸送機などは極小判定になっている為ミサイルなどがすり抜けるという現象がよく起こる。 ---結論からして''スピード感があった分従来の方がダイナミック''である。 -戦闘機、特にCPUの挙動が今までのシリーズに比べもっさりしていてスピード感が無い。''ハイスピードな戦闘がこのシリーズの売りではなかったのか?'' --特にF-1やA-6など一部のアタッカー(攻撃機)はあまりにもっさりし過ぎて''次第に敵の攻撃が避けられなくなってくる''。実機も旧世代であるとは言え…。 --しかも一部の敵の挙動がおかしい所がある。敵の攻撃機A-10が非常に高い機動力を持っていたり(A-10はそこまで高い機動力を持たない)、敵の戦闘機の速度が非常に速い所があり低速度の機体では追いつけない事も。 --他シリーズと比べても極端なまでに高性能機はより高性能に、低性能機はより低性能に修正された為、対戦においては必然的に高性能機しか使われず別々の機体による戦闘の駆け引きが少なくなった。 ---特にアタッカーはその下方修正が顕著であり、あまりに''もっさりとした動き''から肝心の対地攻撃任務ですら使いにくく「遅いアタッカーを使うより機敏なファイター(戦闘機)かマルチロール機に爆弾搭載した方がマシ」という始末。 ---今作は『5』の散弾ミサイルや『ZERO』のエクスキャリバーなどのような一定範囲内に居る自機に大ダメージを与える兵器が飛んで来るミッションが多いので、アタッカーを使っているとその遅さゆえ被攻撃範囲から逃げ切れない機体が多く、''余計アタッカーが使い難くなってしまっている''。 --「戦闘において重要なのは機体性能ではなくパイロットの技量である」とよく言われるが、今作に限っては''そのような常識は通用しない''。愛機だからといって低性能機でオンラインに繰り出すと殆ど何もできずに撃墜される事が多い。 ---また、オンライン対戦においてもFALKEN専用のTLS(戦術レーザー)とSu-47などに搭載されているSASM(空中炸裂ミサイル)の存在により''ゲームバランスが崩壊''している。 ---架空機に制限をかける事はできるが、兵装単位では制限はできない。また、今作のウリの一つであった「レシプロ機」限定も設定できず、参加者の良心に任せるしかない(コメント設定はできるのに…)。故にレシプロ部屋で高性能機が暴れるなど無法っぷりは加速し、後述のバグなどもありオンライン参加者は相乗的に減少していった。 -機体のグラフィックは若干上がっており機体カラーも各機6色まで増えているが、どう言う訳か''劣化させる必要のない所が劣化している''。 --例を挙げると、“フォルネウス”という架空機体のコフィンシステム外部センサーが光らなくなった、「カスタマイズ」で「Weapon」の欄が削除された(厳密には一部のパーツは別カテゴリに移動している)など。言うまでもないが''『X』では普通にできていた''事である。 ---特に「Weapon」は長射程ミサイルや4連ミサイルなど機体の個性を出すのに一役買っていたため没個性化に拍車がかかる。 --「プレイ自体には支障はない」と言ってしまえばそれまでだが、普通に考えてどうして劣化させる必要があったのか分からない為「新規カラーを追加するよりちゃんと機体のディテールを何とかして欲しかった」という声も。 --ちなみに『X』より一機あたり2種類のカラーが追加され、中にはシリーズ歴代エースのカラーも存在するが''殆どが過去作、特に『ZERO』からの使い回し''である。本作オリジナルのカラーもあるがネタや他作品のコラボなど、あまり戦闘機らしくない物が多く不満も少なくない。 ---F-15Eに『ZERO』のピクシーカラーが無い。サイファーカラーはあるのに。 -兵装についても旧作のような「ミサイル&特殊兵装」という組み合わせではなく、「兵装1&兵装2」という組み合わせとなった。従来の組み合わせも勿論、「ミサイル&ミサイル」や「特殊兵装&特殊兵装」の組み合わせでも出撃できる。ただしその組み合わせの場合グラフィック上では片方のハードポイントにしか兵装が描画されない。 --ミサイルは従来の通常ミサイル(STDM)の他に誘導性が高いが射程が短い高精度ミサイル(HACM)、攻撃力が小さいが経済的な軽量ミサイル(LGWM)、威力が高いが値段も高い重量ミサイル(HVWM)が追加されたのだが、はっきり言ってどの新ミサイルも''性能が微妙すぎる''。 ---HACMは本当に''射程が機銃並に短く''、STDMの感覚で撃つと''敵に当たる前にミサイルが消え''てしまい殆ど敵に当てる事ができない。これなら機銃を使った方がまだマシ、と言うか射程に入ってからロックオンしてほしい物である。 ---LGWMは攻撃力が小さい為STDMでは2発で倒せる敵も3発撃たないと倒せず''大して経済的ではない''((STDMのコストが10、LGWMのコストが7である為10×2=20、7×3=21となり実はLGWMの方が総コストが高い。))。ミサイルは基本2発ずつしか撃てないので敵機を倒す為にはさらにもう1発撃つ手間が掛かってしまう。 ---HVWMは威力が高いと言われているが実の所''STDMの1.15倍''しかなく、名前とは裏腹に敵機を一撃で倒せるといった効果は無い((一応、敵のトーネード等STDM2発で倒せない敵を2発で倒せる効果はあるが、そのような敵が出る場面はたかが知れている。))。その癖搭載数がSTDMの3分の1しかない為非常にコストパフォーマンスが悪い。 ---流石に制作陣もこれらのミサイルの使えなさに気づいたようで『3D』では無くなり、代わりに高機能短射程空対空ミサイル(XSAA)や多目的ミサイル(MPM)等、新しい特殊兵装が追加されている。 --本作はプレイヤーがPMCだからなのか報酬から使用したミサイルとダメージを受けた分差し引かれる。ここまでならまだいいものの、TLSとLSWM(長距離衝撃波ミサイル)の使用コストが半端なく高い。なのにTLSは照射時間が短くなり、LSWMは攻撃範囲が狭められ気化爆弾とあまり変わらない範囲となっている。 ---恐らく対戦時にゲームバランスを崩さないようにしたのだと思われるが、それなら『6』のADMMのように使用不能にすれば良いだけで劣化させる理由にはならない。そもそもLSWMが無くても前述のように''既にTLSやSASMがゲームバランスを破壊''している。 -機体のグラフィックは上がったものの、逆にステージのグラフィックはテクスチャが粗くなっており使い回しも少なくない。 --地表テクスチャの使い回し自体は普通なのだが、今までは使い回していると思わせないような出来だった。また、エジプトミッションにて発進する基地は前作『X』のプナ基地の色を変えただけである。ご丁寧に建物のテクスチャまでそのまんま。スフィンクス?そんなもんねーよ。 --さらに言うと東京・ロンドン・サンフランシスコ以外は現実世界と言っても森の中や砂漠・峡谷などばかりであり、''現実世界である必要性を全く感じさせない''。東京ビッグサイト?そんなもんねーよ。 -「実在する戦闘機もチューニングできる」と売り文句にあるが、実際には改造はそこまで出来ない(機体によってパーツが制限される為)。これは『X』にも言える事だが、''そもそも機体毎に性能が異なるのにチューニングシステムは必要か''? --本作は特に機体における「機動性」の低下が著しい(前述の「もっさり感」の原因がコレ)為、兵装や速度性能などを捨ててでも機動性を上げるチューンをしないともっさりとして使い難い。 ---しかしチューンアップしたからと言ってF-4がF-22に勝てる、といった事は''決してない''。F-1など元から弱い機体はチューンしてもやはり弱いままである。 ---前作ではチューニングシステムは新しい試みだった為それ自体は責められる事ではないのだが、今作では''対戦システムとの相性が絶望的に悪すぎた''((ある意味『X』でも同じ事が言えるものの、その場合は「架空機を選択しない」という方法も選択できたが、本作の場合は全ての機体にチューンできてしまうせいでその方法は意味を持たない。))。 --このような結果になった反省からか、『3D』では全機体に使えるパーツが大幅に増えチューニングの自由度が増している。 -機体の値段がやや高く、その割にミッションで手に入る報酬が少ない為必然的に何回も同じミッションを繰り返す事になる事が多い。特にFALKENを含む一部架空機を購入するには莫大な資金が必要な為、必然的にミッションを繰り返さなければならない。 --そのせいか「アパリス」や「フレガータ」といった、本来なら序盤で使えなければならない筈の機体がかなりやり込まないと手に入らない。しかしその頃には更に強力な戦闘機が使えるようになっている。 ---一方フォルネウスが''他と比べ嘘のように安い上に性能が全機体でもトップクラス''である。その為プログラムミスか初心者救済措置かと疑う人が絶えなかった。最新技術を惜しげもなく投入した機体である為''値段が嘘のように高いという設定''なのだが。 -“キャンペーン”は2人ならまだしも3・4人になると協力と言うよりは''競争になってしまいがち''。 --前述の通り通信を意識した理不尽な難易度も、結局物量作戦の前には大して意味を成さない…というか理不尽方向に特化しすぎた結果、大半のミッションで参加人数に比べて敵が少なすぎる。ミサイルを撃って「(倒した)」と思ったら他のアンタレスが撃ったミサイルが先に当たって倒されてしまうなんて事もザラである。 ---因みに言うと味方の数も少ない。大して役には立たないが、多いのはエジプトに行く前までで後は大体アンタレスのみ。ロンドン戦なんて首都が攻撃されてると言うのに味方のCPU戦闘機が2機居るだけ。役に立ってるのは精々自衛隊の中部航空方面隊のみ。 --ソロプレイ時、『X』同様左上にはロックした敵の情報が表示される。多人数プレイ時はここが他のプレイヤーの情報に変わり表示されなくなるが、''自分の情報まで表示する必要は無い''だろう。その分敵の情報を表示してくれた方がやり易い。後''自分の色のマーカーを表示しなくてもロックオンしている相手ぐらい分かる''。 --今までのシリーズ作品は作戦開始から終了までシームレスであり一定の条件を満たすとそのまま作戦を続行する“ミッションアップデート方式”だったが、今作は一定の条件を満たすと画面が暗転したあと自機・味方・敵が固定位置に移される“フェイズチェンジ方式”となっている。''おかげでスムーズに行かない。'' --“ジョアミ”はプレイヤーに腕の差がありすぎるとストレスが溜まる。つまり片方がもたつくと片方が暇になってしまいテンポ良く行かないのだ。『6』のように''1つのエリアで複数の作戦が同時進行する方が自由に戦域を行き来できて盛り上がる''気がするが。と言うか航空部隊がそんな頻繁に分かれて行動していいものか?只でさえメンバー少ないのに。 ***シナリオの不備・無理矢理な設定 -シナリオも今までのシリーズから逸れて現実世界でのシナリオになった。ここは賛否両論別れる所だが…。 --大前提として、本作の1年前である2009年に『Tom Clancy's H.A.W.X.』という現実世界を舞台にしたフライトシューティングが既に発売されている。この事から当初からファンに「''『H.A.W.X.』をパクったのか?''」という疑念を向けられた。 --勿論『エナジーエアフォース』など現実世界を舞台とした和製フライトゲーが無い訳ではないのだが、今回はどう見ても「''『H.A.W.X.』が発売された途端に架空世界から現実世界にシフトチェンジした''」ようにしか見えない為、疑念は更に深まった。 --急に舞台が現実世界となった為、以前ならば「異世界だから」で説明できた筈の違和感が生じている。例を挙げると「どうやって超兵器を造ったのか?」「国連は何をやっているのか?」etc…無論この違和感に対する説明やフォローの類は''一切無い''。 --肝心のストーリーは簡潔に言うと「いきなり謎の組織が現れて攻撃し始めたので倒しに行く」という内容。旧作において好評だった「重厚な世界観」など微塵もなく、「現実世界でやる意味があったのか」という不満も噴出している。超兵器の存在やストーリーなどを鑑みるに、必ずしも「現実世界でしか出来ない事」''と言う訳ではない''為、『X2』という作品は別に現実世界が舞台でなくとも成立してしまう。 -ここまでなら特に気にはならないのだが、ストーリー展開や会話の内容に不自然な所がある。 --シリーズの代表的な要素として挙げられる「無線メッセージ」だが、本作の無線はどちらかというと痛々しいというか、中二病臭い台詞が地味に多い。気にしなければいいと言えばそれまでだが、聞く人によってはイラッとする。 --序盤のミッションでマルチプレイを行うとどう言う訳か一緒に居るライジェル隊のメンバーが参加人数に応じて減る。4人全員参加だと隊長1人になり当然その分台詞も減る。大して役には立たないが他の奴等どこいった? --ストーリー序盤、敵のボスがライジェル隊隊長に<<君が''あれ''を''落とした''部隊の隊長だな?>>と問うのだが、''あれ''とはなんの事だろうか? スピリダスの事か? ''落ちずに逃げた''んだけど…しかも止めを刺したのはプレイヤーである。にも拘らずこの直後にその味方部隊が裏切るのだからなんとも言えない。 ---結局スピリダスを撃墜するのだが、機体が大破して操縦が全く効かない筈のスピリダスが''やっぱり狙いすましたようにテムズ川のど真ん中にスッポリとハマって沈没する''。市街地に墜落してロンドンが火の海になる描写を避けたかったのかもしれないが不自然。 ---このような展開は『X』にもあったが、この時は橋梁をなぎ倒しながら爆発炎上した為さほど違和感はなかった。確かにこのシリーズの超大型航空機は大抵最後は破壊→沈没するとは言え、こんなコントのような幕切れにスタッフは違和感を感じなかったのか? --敵の核ミサイルに搭載される核物質の受領をダーダネルス海峡にて阻止するミッションがあるが、プレイ時間が無駄に長く、「敵が出現したら潰す、しばらく待ってまた敵が出現したら潰す」というもぐら叩き紛いの事を延々やらされる為非常に暇であり、本作屈指の退屈ミッションである。しかもフェイズチェンジが無い。 --オリビエリという保険会社の社長を敵の勢力圏の向こう側に護送するミッションがあるのだが、どう言う訳か戦闘機のパイロットであるアンタレスが旅客機の操縦をさせられる。&color(red){''戦闘機と旅客機では必要な免許が異なる''}のだが。 ---操縦する旅客機は“ボーイング747”。でかい。パーソナルジェットって普通もっと小さい物では。 ---マルチプレイならまだしもソロプレイでは''旅客機一機で敵の攻撃を避ける為に渓谷内を飛行''し、さらに''追い討ちをかける敵の攻撃を狭い渓谷内で避けなければならず''、ただでさえ独特な挙動で操縦しにくい旅客機を操縦しているアンタレスに対し''オリビエリがひたすら操縦に対する不満を言い続ける''。勿論旅客機なのでミサイルはおろかチャフやフレアの類の武装も''一切無い''。本作において最もプレイヤーが仰天、かつイラッと来るミッションかもしれない。 ---旅客機操縦自体は画期的な試みだったが、旅客機肯定派や渓谷ミッションファンのソロプレイヤーですらさじを投げる程の苦痛であった。「旅客機護衛」じゃ駄目だったのか? ---ついでにこのミッションが始まる際のデモシーンにおいてオリビエリが「私の提示した金額を憶えているか?400億(ビリオン)だ!400ビ・リ・オ・ン!」と憤っているが、400ビリオン(Billion)は400億ではなく''4000億である''。この様な誤植が本作には山程ある。 --シリーズ恒例の超兵器「電磁投射砲“バラウール”」の破壊ミッションにおいてバーフォードに<<バラウールの近くは死角だ、砲撃されることはない>>とアドバイスされるのだが、この''バラウールの旋回性能が半端なく''、近づいたプレイヤーが''照準を合わせてきた砲身にニアミスする''と言う事故が続出した。中には砲身に激突してミッション失敗になるプレイヤーもいた為、今作における真の敵は(ネタ的な意味も含めて)このバーフォードであると言うプレイヤーが後を絶たなかったと言う。 --最終ミッション開始直前、最後の戦いの為アンタレスとライジェル隊改め“ヴィルコラク遊撃隊”が対峙するデモシーンがある。しかしそのデモシーン、選んだ機体に関係なく特定の機体になり、しかもプレイヤーが4人以下でも自隊機が4機居る。そのシーンだけ解像度も不自然であり、明らかに別撮りしたとしか思えない。 ---で、ソロプレイ時にミッション(フェイズ1)が始まるとバーフォードにまずサンフランシスコに侵入する敵軍を阻止するよう指示される。…あれ?''遊撃隊どこ行った''((因みにマルチプレイだとフェイズ1の途中から妨害してくる。なんで最初からじゃないの?))? ---またこのミッション、プレイヤー達と敵軍が大規模戦闘を繰り広げており地上も大パニックに陥っているのだが、肝心の米軍が''ミッション中は一切登場しない''((正確には無線において米海軍第3艦隊が登場するが、本当に“無線だけ”の登場であり、ミッション中にプレイヤーに加勢してくれたりはしない。))。唯一の出番もミッション終了後のデモシーンでそれらしきF/A-18Eの編隊がちらっと映っているだけである。ロンドンでさえ少な過ぎる味方が一緒に戦ってくれたと言うのに…。 --設定の矛盾や不条理について、詳しくは[[ACE COMBAT X2 - JOINT ASSAULT - 攻略情報まとめwiki>http://www21.atwiki.jp/acecombatx2/pages/87.html]]も参照されたい。 -ストーリーに花を飾る筈のキャラクターも大半が小物臭漂う人物ばかりである。 --今作のオペレーターはシリーズ初となる女性2人と男性2人から選ぶ事ができるが、台詞の内容が若干変わるだけ。これなら男女1人ずつぐらいで良かっただろう。 --指揮官バーフォードの声優は公式ブログ曰く「骨格が似ている」とかそう言う理由で選んだらしいが、そもそも本作の登場人物は作中殆ど顔が映らない。オペレーターなんて最初の選択シーンだけである。''人の骨格を気にするよりやらねばならない事が多々あった筈。'' ---『5』『ZERO』『6』で有名声優を起用していたのに本作はあまり誰も知らないような無名声優くらいしか起用していない((強いて挙げるならば、オルマ役に川原慶久氏が起用されているくらいであろうか。))事から、上記の理由は明らかに詭弁である。 ---オペレーター増員に予算をかけすぎたせいか、ミッション中に登場する人物の演技は悲惨。特にMission 07で救助する要人のボヤキや悲鳴は、緊迫した戦場にユーモアを提供して皆をリラックスさせることを意図しているかのように笑える。 ---また、どう言う訳かムービーではボイスの音量が小さい。 --敵となる遊撃隊のメンバーはそれぞれ対地戦闘・高速戦闘・対空戦闘のスペシャリストという設定なのだが、劇中ではそのような戦い方をする事は''一切無く''所謂「死に設定」となってしまっている。 ---その遊撃隊が一体何をして来るかと言うとプレイヤーに度々ちょっかいを出しに現れ、常にミサイル並みの速度で飛びながら超機動をする上、''ちょっとボコられた程度で撤退していく''。しかもミッションを経る毎に''弱体化する''。 ---「プレイヤーが経験や新機体などを得て敵より強くなっている」という事なのだろうが、敵は前述の通り「勝手に出てきて勝手に撤退するだけ」なので全く実感が湧かず、結局弱体化しているようにしか見えない。しかも機体性能が全く反映されておらず、A-10もMiG-31もミサイル並みの速度で飛びながら高機動をする。 ---味方の内は「こいつらスペシャリストなのか?」と疑ってしまうくらい機動がトロい。それなのにいざ裏切ると''MiG-31クラスかそれ以上の速度で''去っていく。''スペシャリストってそういう意味か。'' ---最終ミッション時においては後述する新型機に乗って現れるが、<<狼の牙(ファング)>>などのようなフォーメーション名を使うわ、しまいには隊長が発狂し前述の変態機動を仕掛けてくる(後述)わ、もはや只の痛々しい人達にしか見えない。 --ミッション中一部のサブキャラクターは何故か名前で表示されない。ルブランクは兎も角都築やデイビスなんて一般兵と同じ名称である。 ***ラスボス -そして、本作を「不安定ゲー」たらしめる最大の要因がラスボスである遊撃隊隊長ミロシュ・スレイマニ。ヒヨッコだと侮っていたアンタレスに何度もボコボコにされた為か、新架空機“GAF-1ヴィルコラク”に乗り換えてアンタレスの前に立ちはだかる。ここまではラスボスにはよくあることだが、僚機を全て撃墜した後、心の箍が外れたのか突如高笑いしながら自らの生い立ちを独白し始める。それはデモシーンでやってくれ。 --その為''独白中は完全無敵''である。だから無敵にするくらいならデモシー(ry。過去作でも似た様なシチュエーションはあったが、ハッドのコンテナが外れロックオンできなくなるなどある程度処理がされていた訳だし。 -そして独白の後に戦闘が始まるのだが、後方からのミサイルを機銃で撃墜するアクティブ防御システムによってミサイルを撃ち落としてくるのだ。そこまでならまだいいものの、防御システムを破壊しようやくミサイル攻撃できる…筈が、なんと有人戦闘機ではまず有り得ない挙動をして平気でミサイルや機銃をかわしてくるのだ。あまりの理不尽さにここで憤る人多数。 --例として相手の後ろを取ったかと思えばいきなりこちらを向いてミサイルを撃ってくる(当然至近距離から撃たれるため回避は至難の業)、真横に動いてミサイルを避けるなど。そのあまりにも不自然すぎる機動から''変態機動''と呼ばれている。このミサイル回避機動の最中は''ミサイルの誘導を無効化し、尚且つ当たり判定消滅''というかなりの理不尽仕様。 ---勿論対策を講じれば一人でもちゃんと撃墜できるのだが、慣れない内は一方的に撃墜される事も少なくなくシリーズファンでないソロプレイヤーからは「どんな『スターフォックス』だ」「ラスボスが倒せないクソゲー」と言われてしまっている。 ---勿論そういったUFO機動をする敵機体には一定の手順を踏む事によって機動性が落ちると言った工夫((例を挙げると『3』のナイトレーベンの場合はイーオンジェネレータという装置を破壊する事で弱体化できた。))が施されていたが、本作において弱体化させる方法は「''通信プレイ''」である。いくら通信プレイ推奨だからとはいえソロプレイの場合を考慮していないのか? ---ところで、GAF-1は赤外線欺瞞弾IRCM(要するにフレア)も使う事ができる。名前とは異なり赤外線誘導のみならず全てのミサイルの誘導を狂わせ完全無力化する上に触れればダメージと言うなんとも優秀な兵器(爆発エフェクトは『X』の要塞砲ルートに登場した''マイクロ波兵器の使い回し'')だが、''ダメージを与える事ができる分アクティブ防御よりこっちの方が良いのでは''?てかこれを装備させてれば変態機動なんてさせずとも済んだのでは。 ---尚、戦闘中やたら''<<俺を>>''と絶叫する事から、ファンから「俺を」の発音に准えて某社のクッキー菓子である「''オレオ''」のあだ名が付けられた。シリアスなシーンなのだが思わず笑ってしまう。 ***BGMについて -「悪くはないが『エースコンバット』には合わない曲ばかり」と言う意見多数。そもそもシリーズ初期からBGM作曲に関わる中西哲一氏(後述にある一部収録されている過去シリーズのBGMは彼の物)や、『04』からメインテーマを手掛ける小林啓樹氏等が作曲に参加していない。 --ボーカルBGMである「IN THE ZONE」はロック調の為か概ね好評((人気の甲斐あってか『太鼓の達人』に収録されている。))。 ---しかし本作を代表するべきこの曲が使われているのは物語のターニングポイントとなるミッションでも、ましてやボス戦ミッションでもなく''なんの変哲もない普通のミッション''。一応スピリダスに関わるミッションではあるが明らかに使い所を間違っている。おまけに高性能機や多人数で挑むと直ぐにクリアできてしまい全く盛り上がらない。 ---一応この曲が流れるのはサソリ(アンタレス)に相応しい「砂漠ステージ」という特徴があるのだが、ならそこを重要なミッションに充てるべきだろう。単なる普通のミッションで盛り上げられても困る。 ---因みに「IN THE ZONE」の作詞&歌唱担当はロックバンドFadeのVo.jon。彼は『グランツーリスモ5P』のOPなど、ゲームミュージックにも関わりがある人物。インザゾー。 --エンディングテーマである「For Us All」は『6』のエンディング同様コーラス曲である為か好評である。専ら「エンディングテーマだけは良い」と言われる。 --『3』でも楽曲を提供している椎名豪氏や緊迫感漂う楽曲に定評のあるInon Zur氏など、作曲者の評価は概ね高いのだが…。 ---何故かゲーム中のBGM再生モードでは上記二曲を含み、聞けない曲が非常に多い。何の為の鑑賞モードなのか。 ---前述する「IN THE ZONE」などのボーカル曲は版権の関係で載せられなかったのだと思われるが、そのせいで本来聴きたい筈のBGMが聞けないという事態に。 --因みに『3D』でも本作の一部BGMが使われている。しかも『X2』より使い所が良い。''ますます『X2』の立場が…。'' ***架空兵器について -架空兵器のデザイン自体は良好な評価を得ている方である。超巨大な複葉全翼機の姿をしたスピリダス((『3』に登場した架空機“ナイトレーベン”によく似ている。))、超大型機とは思えぬ高機動性でプレイヤーの度肝を抜いたオルゴイなどが登場する。 --オルゴイの武装については機銃とミサイル、''高射砲''しか無い。一応爆弾は積んでいるらしいが、味方のAWACSを何回も攻撃しないと破壊できない程度の物しか無いようだ。あれ程の図体でありながら爆弾の威力はガンシップ並みかそれ以下である(とは言えAWACSを一撃で破壊してしまってもゲーム的に困るかもしれないが)。 ---そしてその機動性だが、あまりにも現実離れしている。いきなり横滑り→バレルロール、しかもいきなり動き出す。 --一方スピリダスは兵装が盛り沢山。通常兵器と''高射砲''の他にレールキャノン、大した事ない誘雷兵器、一番脅威なIRCMを装備。また、オルゴイ程の超機動では無いが''あの図体でコブラ機動((水平飛行中に進行方向と高度を変えずに機体姿勢をピッチアップし迎角を90度近くに変え、そのまま水平姿勢に戻る機動。パイロット個人のスキルと共にSu-27・F-22など強力なポストストール能力を有した機体でないとできない機動であるが、実戦には向かないとされている。))も行う(しかも結構素早い)''。ラスボスと言いコブラ機動の使い方を間違っていないか?と言うか幾ら『エースコンバット』とは言え航空力学を無視し過ぎである。 --尚、''高射砲''は本来飛行機を地上や水上から撃ち落す物であり''飛行機に付ける物ではない''。 --また、どちらの超大型機もFCU(火器管制装置)が備わっている。これを破壊すると周りの機銃全てを一気に破壊できるのだが、''そのせいでソロプレイでも簡単に攻略できてしまいつまらない''。協力プレイを推してるくせになんでこんな物採用したのか? --GAF-1の評価は賛否両論。“ファイヤーフォックス(同名の実写映画に登場する架空機)”みたいなその機体のあだ名は「イカ」である。察してほしい。 ---機体デザインもそうだが、前述のラスボスの様もこの機体の評価を著しく下げている原因となっている。 ---機体性能は初期状態こそ平凡である物の、チューンすれば高性能機になる。…のだが、既に「フォルネウス」や「FALKEN」「X-02」辺りが強力すぎる為あまり目立っていない。 ---この機体専用のチューニングパーツが3つも用意されており、それぞれ敵キャラの特性である対地戦闘・高速戦闘・対空戦闘に特化した性能になるというものだが、対地特化パーツは前述のアタッカー特有の''スピード・機動性の無さによるもっさり感を完全再現しており''、とてもじゃないが使えた物ではない。特殊兵装は比較的優秀な物が揃っているのだが、もっさり機動のせいで台無しとなっている。よってこれを装備しても対地戦が有利になるという訳ではなく、寧ろもっさり機動のせいで''対地戦すらやり難くなってしまう''。 ---同じく高速特化パーツも止まらず曲がらずで初心者には扱い辛い上、MiG-31などのスピード特化の機体よりも遅いという始末。それに対して対空特化パーツは非常に機動性が高い上に機銃自動追尾システムも付いて非常に使い易いパーツとなっている。その為余程の事がない限り対空特化パーツを搭載する方が無難である。 ---またアクティブ防御が使用できない。IRCMが使えるから別にいいけど。 ***オンライン -オンラインの環境も劣悪。部屋のコメントを書く事ができない((厳密にはできるのだが、予め用意された文章しか使えない。その為初心者部屋かそうでないかを見分けるのが難しく、初心者部屋に一人だけ強機体でいるという事も有り得る。))、機体や兵装の制限に難がある、接続落ちが激しい(無線LANだと少し離れただけで頻発する)、チャットができない、ルーム検索で部屋が全く出て来ない事がある等。 --只、インフラストラクチャーに対応している為比較的安価にネットワーク通信ができるという利点はある。最も内容がズタボロなので殆ど意味のない利点なのだが…。 ***バグ -最後のトドメとしてオンラインを中心にフリーズを始めとしたバグも多く存在する((他に「敵機が消失」「プレイヤーの階級が下がる」「ミッションが進まない」「オンラインで保存したリプレイを見ようとすると電源が落ちる」「ミッションを始めようとしたら電源が落ちる」「機体のカラーが勝手に変わる」「次のフェーズにいけなくなる」「違うミッションになる」「スピリダスが背面状態で空中静止」etc…。))。 --また、前作で存在したQAAM(高機動対空ミサイル)が通信対戦時にアラートが鳴らなくなるバグも健在。「もっと作り込む」とか言って発売延期しといてこんなにバグがあるとはPROJECT ACES((プロジェクト・エイセス。『エースコンバット』開発チーム。))とアクセスゲームズは一ヶ月間何をしていたのか? ---「同じ兵装を同時に装備」「未購入の兵装を搭載して出撃できる」など細かいものを上げるとキリがない。この2つの場合は少なくともプレイヤーにとってマイナスにならないとは言え、余りにもバグが多い為ちゃんとデバッグしたのか疑問が残る。 ***その他 -本作のコンセプトは「シリーズファンを楽しませつつ新たなファンを獲得する」と言う物であった。ところが同社作品『アイドルマスター2』も同じコンセプトを掲げた結果大失敗している。寧ろ''下手に内容を変えた結果ファンが離れて行ってしまった''。 -OPムービー、と言うよりタイトルデモも前述のデモシーン同様レンダリングムービーを使わず別撮りした可能性が高い。前作『X』のタイトルデモはCGを用いたドッグファイトを全面に押し出した気合の入った物だったが、本作のOPデモは単にゲーム画面を継ぎはぎしただけの簡素な物で、こちらもやはり手抜きと思わざるをえない。しかも画質が悪い。 -あちこちで文字が母国語になったのは世界中に居るユーザーにとって優しい設定。ところがミッションタイトルとスタッフロールは何故か全部英語。PS2のシリーズとは逆のパターンである。どうせなら全部変換しようよ。 -本作には今までシリーズに関わってきた『04』『6』のディレクターである一柳宏之氏や『5』『AH』のディレクターである河野一聡氏などの著名ディレクターは関わっていない。そのため「新人に丸投げしたんじゃないのか?」と言われる事も。 --しかし、同じアクセスゲームズによって制作された次回作『3D』は、超機動マニューバが一部の旧作ファンに批判されているものの、『2』に『1』の要素を加え再構成した内容(実質リメイク作)であるという事もあり概ね好評である。''…本当に『X2』は新人に丸投げしたのでは?'' -UMD版に同梱されているアンケート葉書には「ゴッドイーターとのコラボは如何ですか?」と書かれているが、コラボとは言っても『ゴッドイーター』のエンブレムが''たった1つ''あるだけでありコラボと言う程の物なのかが疑問。 --Fenrirという機体にゴッドイーターのフェンリルカラーがある。そんなに『ゴッドイーター』売りたいの? **総評 シナリオ、キャラクター、アクション性、通信プレイ。どれを取っても安っぽいという結果に終わった今作は、旧作のファンからは「''『エースコンバット』の皮を被った何か''」とまで言われた。~ 作中だけでなく''取扱説明書にまで''見受けられる誤字脱字、シナリオの不備・煮詰められていない設定、BGMの使い回しなど、''明らかに制作期間・予算が足りていなかった''事を否が応にも痛感させられる。~ なお、本作を開発したアクセスゲームズは良作だった『X』を開発した実績ある企業である…筈なのに''どうしてこうなった''。~ ところがまたアクセスゲームズが制作した『3D』の評価は概ね好評。やっぱやればできるんじゃん。''ほんとにどうしてこうなったのか…。''~ 通信プレイは強化されたものの劣悪な仕様となり、ソロプレイでも個性に乏しく全体的な面白さでは『X』に劣っている。発売延期までしたのにこの出来は…てかテストプレイヤー仕事しろ。~ この通り多数の問題点を抱えている本作だが、ファミ通ではなんと''プラチナ殿堂入り''している。立場上ボロクソ言う訳にはいかないのかもしれないが、こんなゲームに''一番いい評価''を与えるとは、やはりゲーム雑誌の評価は当てにできない。~ 高く褒められるのはバンナムお得意のDLCを行っていない事ぐらいか?~ その後本作と同じく現実の地球を舞台にした『エースコンバットAH(アサルト・ホライゾン)』が発売。が、プレイの自由度がかなり低くなってしまい人によっては「''本作よりクソ''」と言う人も。現実世界を舞台に新機軸を打ち出した作品がこのような結果になってしまったのはなんとも皮肉な事である。 ----
*ACE COMBAT X2 JOINT ASSAULT 【えーすこんばっとえっくすつー じょいんとあさると】 |ジャンル|共闘フライトアクション(フライトシューティング)|&amazon(B0034KZXDC)&amazon(B005APXMY6)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|アクセスゲームズ|~| |発売日|2010年8月26日|~| |定価|UMD版:4,980円&br()DL版:4,700円|~| |廉価版|PSP the Best:2011年9月8日/2,800円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|『X』から大幅に劣化&br戦闘機なのに''スピード感が無い''&br''使い回し・バグ多数''&brソロプレイ軽視のゲームバランス&br''フライトシューティング史上最“狂”のラスボス''&br()''&size(30){<<オレオ~~~!!!>>}''|~| |>|>|CENTER:''[[エースコンバットシリーズ]]''| //判定は初稿の物に「不安定」が追加される所まで決まりました。クソゲーという意見も時々見られますが、本作単体での評価としてはまだ決定的ではありません。 //経緯・詳細は判定変更議論スレ1(>>185~あたり)を参照。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 有名な『エースコンバット』シリーズの携帯機版第2作。~ 通信プレイを中心に大幅な改良がされている。『X』が好評だったため期待されていたが、改悪された点が多くを占め「改良点」と謳っている箇所には細かな問題点が多数存在する。旧作と比べて改悪された点が多いため、評価点の少ない作品となってしまった。~ ---- **評価点 -前述のように通信プレイに重きを置いており、シリーズ初の、キャンペーンモードにおける最大4人でのCO-OPプレイが実装(『6』にはオンライン専用でCO-OPバトルはあったが、キャンペーンにおいて実装されたのは初の試みである)。ついでに2つのマップに分かれて同時進行で行動する「ジョイントアサルトミッション」も初搭載された。そのため、マルチプレイを行う環境が整っているプレイヤーからは好意的に受け取られた。 -レシプロ機と''旅客機''が自機として追加。今までジェット戦闘機を操縦するシリーズだっただけにこれらの機体が登場したことにファンは驚いた。 --レシプロ機自体はジェット機との差別化に成功しそれなりに好評だったためか、携帯機次回作『3D』にも登場した。''流石に旅客機は無いが''。 --レシプロ機はミサイル搭載が不可能な上、速度と耐久力がとても低いが、機動性が非常に高い。この機動性をいかに活用できるかがポイントとなる。 -本作の要素として「エンブレム」の概念がある。垂直尾翼や主翼にそれぞれエンブレムを設定でき、様々な組み合わせによって自分だけの「愛機」を演出できる。エンブレムの種類も豊富で、数字や幾何学模様に始まり歴代エースのエンブレムまで網羅している。 -『X』では不可能だった、「実在機のチューニング」が可能になった。 -従来のような「ミサイル&特殊兵装」という武装組み合わせの他、「特殊兵装1&特殊兵装2」という組み合わせが可能になった。 -ゲーム開始前に、男女2人ずつ計4人存在するオペレーターを選択できる。 -大規模戦闘に重きを置いた『6』や、CRAを採用しゲームシステムを一新させた『AH』と異なり基本的なゲームシステムや操作性は『X』以前とほぼ変わらない。よって、前述の作品に比べれば、経験者にとって慣れ親しんだ旧作のような感覚でプレイしやすい。 ---- **問題点 ***システム -難易度の調整が良くない。極端に簡単になっている部分と、極端に難しくなっている部分が存在する。 --敵AIがお粗末で、ミサイルを殆ど避けようとしない。旧シリーズ古参ファンからは「すぐに敵が堕ちてつまらない」などと言われた。 --前作までは難易度が上がるにつれて「敵側の戦闘機動とミサイル・機銃の攻撃力が上昇し、プレイヤー側はミサイル搭載量が減り、機銃に弾数制限がつく」という物で、難易度ACEにもなると殆どの敵のミサイル攻撃が一撃クラスだった。ところが、今作では難易度による敵側の能力向上が殆どない。 --本作の難しさは、『X』のような歯ごたえのある難しさではなく「味方の出鱈目な作戦・指示や敵の重力・慣性などを完全に無視した挙動」など理不尽な方面にばかり特化してしまった結果にできた「イライラする難しさ」である。 -『X』に比べソロプレイのボリュームは寧ろ減っている。 --『X』と同じく、プレイヤーの行動によりミッションの内容が変化する「ストラテジックAIシステム」搭載を謳っているが、おまけ程度に付随されたに過ぎず、『X』と違い微々たる差しか変化が出ない。 ---例えば『X』では同じマップであっても、プレイヤーの選択により「敵エースパイロットとの空戦」or「大規模な艦隊戦」と全く違うミッションになったが、今回は敵の兵装や挙動に若干の違いが出る位である。 --マルチプレイでないとロックが解除されないミッションがある。 --ソロプレイでも「アンタレス''隊''」と言われるので、不自然。 -新しい描画技術「エンハンスド・コンバット・ビュー」が搭載されている。その効果は「NPCの機体を自機の距離に合わせて拡大する」という物である。しかし、この技術がスピード感のなさの原因と考えるとそれ程褒められた物ではない。 --そのため、自機とNPC機では機体の大きさが違っていたり、輸送機などの大型機体の当たり判定が奇妙なことになっている。 ---殆どの敵機が詐欺判定なので明らかに当たっていないのに命中する。逆に前述の輸送機などは極小判定になっているため、ミサイルなどがすり抜けるという現象がよく起こる。 ---結論からして''スピード感があった分従来の方がダイナミック''である。 -戦闘機、特にCPUの挙動が今までのシリーズに比べてスピード感が無い。 --特に一部のアタッカーはあまりに遅すぎて''次第に敵の攻撃が避けられなくなってくる''。 --しかも一部の敵の挙動がおかしい所がある。敵の攻撃機A-10が非常に高い機動力を持っていたり(A-10はそこまで高い機動力を持たない)、敵の戦闘機の速度が非常に速い所があり、低速度の機体では追いつけないことがある。 --他シリーズと比べても極端なまでに高性能機はより高性能に、低性能機はより低性能に修正されたため((第5世代機であるはずのF-35の性能が下方修正されているなど基準もあいまい。))、対戦においては必然的に高性能機しか使われず別々の機体による戦闘の駆け引きが少なくなった。 ---特にアタッカーはその下方修正が顕著であり、肝心の対地攻撃任務ですら使いにくく「遅いアタッカーを使うよりファイターかマルチロール機に爆弾搭載した方がマシ」という始末。 ---今作は『5』の散弾ミサイルや『ZERO』のエクスキャリバーなどのような一定範囲内に居る自機に大ダメージを与える兵器が飛んで来るミッションが多いので、アタッカーを使っているとその遅さゆえ被攻撃範囲から逃げ切れない機体が多く、''余計アタッカーが使い難くなってしまっている''。 --愛機だからといって低性能機でオンラインに繰り出すと殆ど何もできずに撃墜されることが多い。 ---また、オンライン対戦においてもFALKEN専用のTLS(戦術レーザー)とSu-47などに搭載されているSASM(空中炸裂ミサイル)の存在により''ゲームバランスが崩壊''している。 ---架空機に制限をかけることはできるが、兵装単位では制限はできない。また、今作のウリの一つであった「レシプロ機」限定も設定できず、参加者の良心に任せるしかない(コメント設定可能ではあるが)。故に、レシプロ部屋で高性能機が暴れるなどの無法振りは加速し、後述のバグなどもありオンライン参加者は相乗的に減少していった。 -機体のグラフィックは若干上がっており機体カラーも各機6色まで増えているが、どう言う訳か劣化させる必要のない所が劣化している。 --例を挙げると、架空機体のコフィンシステム外部センサーが光らなくなった、''チューニングで「Weapon」の欄が削除された''(厳密には一部のパーツは別カテゴリに移動している)など。『X』では普通にできていたことである。 ---特に「Weapon」は長射程ミサイルや4連ミサイルなど機体の個性を出すのに一役買っていたため没個性化に拍車がかかる。 ---フェンリアは前作『X』では、コクピット視点にてディスプレイ上の3Dモデルが機動に合わせて回転するというギミックがあったが本作では動かなくなっている。 ---F-15Eに『ZERO』のピクシーカラーが無い。 -「ミサイル1&ミサイル2」や「特殊兵装1&特殊兵装2」の組み合わせで出撃した場合、グラフィック上では片方のハードポイントにしか兵装が描画されない。 -ミサイルは従来の通常ミサイル(STDM)の他に誘導性が高いが射程が短い高精度ミサイル(HACM)、攻撃力が小さいが経済的な軽量ミサイル(LGWM)、威力が高いが値段も高い重量ミサイル(HVWM)が追加されたのだが、どの新ミサイルもSTDM以下の使い勝手のため、''実用性が低い''。 --HACMは''射程が機銃並に短く''、STDMの感覚で撃つと''敵に当たる前にミサイルが消えてしまい殆ど敵に当てることができない''。 --LGWMは攻撃力が小さいため、STDMでは2発で倒せる敵も3発撃たないと倒せず、''経済的ではない''((STDMのコストが10、LGWMのコストが7であるため10×2=20、7×3=21となり実はLGWMの方が総コストが高い。))。ミサイルは基本2発ずつしか撃てないので敵機を倒すためにはさらにもう1発撃つ手間が掛かってしまう。 --HVWMは威力が高いと言われているが実の所''STDMの1.15倍''しかなく、名前とは裏腹に敵機を一撃で倒せるといった効果は無い((一応、敵のトーネード等STDM2発で倒せない敵を2発で倒せる効果はあるが、そのような敵が出る場面は限られる。))。一方で搭載数がSTDMの3分の1しかないため、コストパフォーマンスが悪い。 --制作陣もこれらのミサイルの使えなさに気づいたようで『3D』では無くなり、代わりに高機能短射程空対空ミサイル(XSAA)や多目的ミサイル(MPM)等、新しい特殊兵装が追加されている。 -本作では、『[[2>エースコンバット2]]』以来の13年ぶりに報酬から修理費と弾薬費が差し引かれる。これ自体は大きな問題点ではないが、TLSとLSWM(長距離衝撃波ミサイル)の使用コストが非常に高い。迂闊に乱射してしまうと、報酬が大幅に減ってしまう。 --その上、LSWMの弱体化は深刻で、攻撃範囲が狭められて気化爆弾とあまり変わらない範囲となっている。 --恐らく対戦時にゲームバランスを崩さないようにしたのだと思われるが、それなら『6』のADMMのように使用不能にすれば良いだけで、性能低下させる理由にはならない。そもそもLSWMが無くても前述のように''既にTLSやSASMがゲームバランスを破壊''している。 -機体のグラフィックは上がったものの、逆にステージのグラフィックはテクスチャが粗くなっており使い回しも多い。 --地表テクスチャの使い回し自体は問題ないが、今までは使い回していると思わせないような出来だった。また、エジプトミッションにて発進する基地は『X』のプナ基地の色を変えただけである。さらに建物のテクスチャまでそのまま。 --さらに、東京・ロンドン・サンフランシスコ以外は現実世界と言っても森の中や砂漠・峡谷などばかりであり、''現実世界である必要性がほとんどなくなっている''。 -「実在機もチューニングできる」と売り文句にあるが、機体によってパーツが制限されるため、実際に改造はそこまで出来ない。 --本作は特に機体における「機動性」の低下が著しいため、兵装や速度性能などを捨ててでも機動性を上げるチューンほぼ一択になりやすい。 ---しかしチューンアップしたからと言ってF-4がF-22に勝てる、といったことはない。低性能機はチューンしても弱いまま。 ---前作ではチューニングシステムは新しい試みだったためそれ自体は責められることではないのだが、今作では''対戦システムとの相性が悪過ぎた''((『X』でも同じことが言えるものの、その場合は「架空機を選択しない」という方法も選択できた。本作の場合は全ての機体にチューンできてしまうせいでその方法は意味を持たない。))。 --このような結果になった反省からか、『3D』では全機体に使えるパーツが大幅に増えチューニングの自由度が増している。 -機体の値段が高く、その割にミッションで手に入る報酬が少ないため、必然的に何回も同じミッションを繰り返すことになりやすい。 --そのせいか、アパリスやフレガータといった、本来なら序盤で使えなければならない筈の機体がかなりやり込まないと手に入らない。しかしその頃には更に強力な戦闘機が使えるようになっている。 ---一方フォルネウスが''他と比べ嘘のように安い上に性能が全機体でもトップクラス''である。このように、値段と性能が釣り合っていない機体が多い。 -マルチプレイによるキャンペーンでは協力と言うよりは''競争になってしまいがち''。 --通信を意識した理不尽な難易度も、物量作戦の前には大して意味を成さない。というよりも、理不尽方向に特化しすぎた結果、大半のミッションで参加人数に比べて敵が少ない。 --プレイヤーが狙っている敵のコンテナに各々の色の矢印マーカーが表示されるが、自分の画面に自分の矢印を表示する必要は無い。 --ジョイントアサルトミッションでは、各プレイヤー間の腕の差が大きいと、忙しい側と暇な側に分かれてしまう。 -ソロプレイでは左上に狙っている敵の情報が表示され、多人数プレイでは他のプレイヤー達の情報が表示されるが、何故か自分の情報まで表示される。リスボーン(復活)回数は兎も角、自分の画面に自分の情報まで表示させる必要は無い。その分狙っている敵CPUの情報を表示してくれた方がやり易い。 ***シナリオの不備・無理矢理な設定 -シナリオも今までのシリーズから逸れて現実世界でのシナリオになった。ここは賛否両論分かれる箇所ではある。 --大前提として、本作の1年前である2009年に『Tom Clancy's H.A.W.X.』という現実世界を舞台にしたフライトシューティングが既に発売されている。このことから、当初からファンに「''『H.A.W.X.』をパクったのか?''」という疑念を向けられた。『エナジーエアフォース』など、現実世界を舞台とした和製フライトゲームは存在するが、今回は「''『H.A.W.X.』が発売された途端に本家世界(俗称:ストレンジリアル)から実在世界にシフトチェンジした''」ように見えるため、疑念は更に深まった。 --急に舞台が実在世界となったため、以前ならば「本家世界だから」で説明できた筈の違和感が生じている。例を挙げると「どうやって超兵器を造ったのか?」「国連は何をやっているのか?」など。これらに対する説明やフォローの類は存在しない。 --ストーリーを簡潔に説明すると「突如謎の組織が現れて攻撃し始めたので倒しに行く」という内容。旧作において好評だった「重厚な世界観」が希薄で、「実在世界でやる意味があったのか」という不満も噴出している。超兵器の存在やストーリーなどを鑑みるに、''必ずしも「実在世界でしか出来ないこと」と言う訳ではないため、『X2』という作品は別に実在世界が舞台でなくとも成立してしまう''。 -ストーリー展開、ミッション目的、会話の内容に不自然な箇所が多数存在する。また、台詞の誤植も多い。 --序盤のミッションでマルチプレイを行うと、どう言う訳か一緒に居るライジェル隊のメンバーが参加人数に応じて減る。4人全員参加だと隊長1人になり、その分台詞も減る。 --ストーリー序盤、敵のボスがライジェル隊隊長に《君が''あれ''を''落とした''部隊の隊長だな?》と問う。「あれ」とはスピリダスのことであろうが、スピリダスは 「落ちずに逃げて」いる上に、大打撃を与えたのはプレイヤーであり、さらにプレイヤーはライジェル隊とは別の部隊である。 --スピリダス撃墜シーンは、機体が大破して操縦が全く効かない筈なのに、狙いすましたようにテムズ川に沈没するというもの。市街地に墜落してロンドンが火の海になる描写を避けたかったのかもしれないが不自然。また、このような撃墜シーンは『X』で既に行われている。 --''敵の核ミサイルに搭載される核物質の受領をダーダネルス海峡にて阻止するミッションでは、待機時間が途轍もなく長く、「敵が出現したら潰す、しばらく待ってまた敵が出現したら潰す」ことを延々とやらされる。シリーズでも屈指の待機時間を誇る作業感の強いミッションでありながら、大規模作戦でもないのにクリアには15分近くかかる。'' --''旅客機操縦ミッションに登場するネームド機は、マルチプレイでないと撃墜できない。'' ---ちなみにこのミッションが始まる際、デモシーンにおいてオリビエリが「私の提示した金額を憶えているか?400億ビリオンだ!400ビ・リ・オ・ン!」と憤っている場面。日本語字幕では「400億だ!400ビ・リ・オ・ン!」となっているのだが''400ビリオン(Billion)は400億ではなく4000億である''。 ---そもそも&color(red){''戦闘機と旅客機では必要な免許が異なる''}。アンタレスは両方持っている設定なのかもしれないが、その様な説明は一切されていない為''本作の製作者達が知らずに旅客機操縦ミッションを導入した可能性が高い''。 --シリーズ恒例の超兵器「電磁投射砲“バラウール”」の破壊ミッションにおいてバーフォードに《バラウールの近くは死角だ、砲撃されることはない》とアドバイスされるのだが、この''バラウールの旋回性能が非常に速く''、近づいたプレイヤーが''照準を合わせてきた砲身にニアミスする''と言う事故が続出した。 --最終ミッション開始直前、最後の戦いのためにアンタレスとライジェル隊改めヴィルコラク遊撃隊が対峙するデモシーンがある。しかし、このデモシーンでは選んだ機体に関係なく特定の機体になり、プレイヤーが4人以下でも自隊機が4機居る。また、そのシーンだけ解像度が他のムービーと異なり、別撮りであることが明らかである。 ---また、このミッションではプレイヤー達と敵軍が大規模戦闘を繰り広げており地上も大パニックに陥っているのだが、肝心の米軍がミッション中は一切登場しない((正確には無線において米海軍第3艦隊が登場するが、「無線だけ」の登場であり、ミッション中にプレイヤーに加勢してくれたりはしない。))。唯一の出番もミッション終了後のデモシーンでそれらしきF/A-18Eの編隊が映っているだけである。 --設定の矛盾や不条理について、詳しくは[[ACE COMBAT X2 - JOINT ASSAULT - 攻略情報まとめwiki>https://www21.atwiki.jp/acecombatx2/pages/87.html]]も参照されたい。 -ストーリーに花を飾る筈のキャラクターは、大半が小物臭漂う人物ばかりである。 --『5』『ZERO』『6』では有名声優を起用していたが、本作では大半が無名の声優である((強いて挙げるならば、オルマ役に川原慶久氏が起用されているくらいであろうか。))。 ---メインキャラは兎も角、脇役のキャラクターを演じている声優は演技力が低く、棒読みな台詞が多い。 --ムービーではボイスの音量が小さい。 --敵となる遊撃隊のメンバーはそれぞれ対地戦闘・高速戦闘・対空戦闘のスペシャリストという設定なのだが、劇中ではそのような戦い方をすることはなく、いわゆる「死に設定」となっている。 ---遊撃隊はミッションを経る毎に機動性が低下するため、弱体化しているように見える。 ---各機体の性能が反映されておらず、A-10もMiG-31もミサイル並みの速度で飛びながら高機動をする。 ***ラスボス -''本作を「不安定ゲー」たらしめる最大の要因がラスボスである遊撃隊隊長ミロシュ・スレイマニ。''ヒヨッコだと侮っていたアンタレスに何度も敗北したため、僚機と共に新架空機「GAF-1ヴィルコラク」に乗り換えてアンタレスの前に立ちはだかる。ここまではラスボスにはよくあることだが、僚機を全て撃墜した後、心の箍が外れたのか突如高笑いしながら自らの生い立ちを独白し始める。 --独白中は完全無敵である。本来ならムービーシーンで流すべきだが、通常の無線会話のため、飛ばすことができない。 -ラスボスとの戦闘が進んで最終段階に入ると、''有人戦闘機としてもゲーム的にも有り得ない挙動をしてミサイルを避ける。相手の後ろを取ったかと思えばいきなりこちらを向いてミサイルを撃ってくるため、至近距離から撃たれて被弾がほぼ確定する。また、真横に動いてミサイルを避けることもある。''あまりにも不自然な機動から''変態機動''と呼ばれている。このミサイル回避機動の最中は''ミサイルの誘導を無効化し、尚且つ当たり判定消滅''という理不尽仕様。 --慣れれば、絶対に勝てない相手と言う訳ではない。しかし、この超機動のせいで攻略には運が関わりやすく、初心者にとっては「ラスボスを倒せない理不尽ゲー」と思われやすい。 --旧作では、超機動する敵機体には一定の手順を踏むことによって機動性が落ちると言った工夫((例を挙げると『3』のナイトレーベンの場合はイーオンジェネレータという装置を破壊することで弱体化できた。))が施されていた。本作において弱体化させる方法は、実質的に通信プレイで集団攻撃である。 --ちなみに、戦闘中やたら&color(red){''《俺を》''}と絶叫することから、ファンから「俺を」の発音に准えて某社のクッキー菓子である「&color(red){''オレオ''}」のあだ名が付けられた。 ***架空兵器について -架空兵器のデザイン自体は良好な評価を得ている方である。超巨大な複葉全翼機の姿をしたスピリダス((『3』に登場した架空機“ナイトレーベン”によく似ている。))、超大型機とは思えぬ高機動性でプレイヤーの度肝を抜いたオルゴイなどが登場する。 --オルゴイに関して、高機動であること自体は問題ではないが、その高さは高性能戦闘機並。いきなり横滑りやバレルロールを行う。GAF-1ほどではないが、これも理不尽と思われやすい。 -GAF-1の評価は賛否両論。ファイヤーフォックス(同名の実写映画に登場する架空機)のようなその機体のあだ名は「イカ」。 --機体デザインもそうだが、前述のラスボスの様もこの機体の評価を著しく下げている原因となっている。 --この機体専用のチューニングパーツが3つも用意されており、それぞれ敵キャラの特性である対地戦闘・高速戦闘・対空戦闘に特化した性能になるというもの。しかし、性能バランスは悪く、対空特化パーツ一択である。 ---対地特化パーツは前述のアタッカー特有の、速度と機動性のなさを完全再現しており、実用性はほぼ皆無。これを装備しても低機動のせいで対地戦すらやり難くなる。 ---高速特化パーツも止まらず曲がらずで初心者には扱い辛い上、MiG-31などのスピード特化の機体よりも遅い。 ---対空特化パーツは非常に機動性が高い上に機銃自動追尾システムも付いて非常に使い易いパーツとなっている。 --敵が使えたアクティブ防御が使用できない。その代わりかIRCM(赤外線欺瞞弾)が使用できる。 ---IRCMは全てのミサイルの追尾を狂わせる事ができる上触れた相手にダメージを与える事もできる何とも優秀なフレアの一種。因みに''エフェクトなどは『X』に登場したある架空兵器の使い回し''である。 ***オンライン -オンラインの環境は整っているとは言い難い。部屋のコメントを書くことができない((厳密にはできるのだが、予め用意された文章しか使えない。そのため初心者部屋かそうでないかを見分けるのが難しく、初心者部屋に一人だけ強機体でいるということも有り得る。))、機体や兵装の制限に難がある、接続落ちが激しい(無線LANだと少し離れただけで頻発する)、チャットができない、ルーム検索で部屋が全く出て来ないことがあるなど。 -インフラストラクチャーに対応しているため比較的安価にネットワーク通信ができるという利点はある。 ***バグ -オンラインを中心にフリーズを始めとしたバグも多く存在する((他に「敵機が消失」「プレイヤーの階級が下がる」「ミッションが進まない」「オンラインで保存したリプレイを見ようとすると電源が落ちる」「ミッションを始めようとしたら電源が落ちる」「機体のカラーが勝手に変わる」「次のフェーズにいけなくなる」「違うミッションになる」「スピリダスが背面状態で空中静止」など。))。 --また、前作で存在したQAAM(高機動対空ミサイル)が通信対戦時にアラートが鳴らなくなるバグが改善されていない。 ---「同じ兵装を同時に装備」「未購入の兵装を搭載して出撃できる」など、細かいものを上げればかなりの数になる。 ***その他 -本作のコンセプトは「シリーズファンを楽しませつつ新たなファンを獲得する」と言う物であった。ところが同社作品『アイドルマスター2』も同じコンセプトを掲げた結果大失敗している。寧ろ''下手に内容を変えた結果ファンが離れて行ってしまった''。 -OPムービーは前述のデモシーン同様、レンダリングムービーを使わず別撮りしたものである。『X』のタイトルデモはCGを用いたドッグファイトを全面に押し出した気合の入った物だったが、本作のOPデモは単にゲーム画面を継ぎはぎしただけの簡素な物。しかも画質が悪い。 -本作には今までシリーズに関わってきた『04』『6』のディレクターである一柳宏之氏や『5』『AH』のディレクターである河野一聡氏などの著名ディレクターは関わっていない。そのため「新人に丸投げしたのではないか?」と言われる。 --しかし、同じアクセスゲームズによって制作された次回作『3D』は、超機動マニューバが一部の旧作ファンに批判されているものの、『2』に『1』の要素を加え再構成した内容(実質リメイク作)ということもあり概ね好評である。 -UMD版に同梱されているアンケート葉書には「ゴッドイーターとのコラボは如何ですか?」と書かれているが、コラボとは言っても『ゴッドイーター』をモチーフとしたフェンリア用のカラーリングとエンブレムが1つずつあるだけでありコラボと言う程の物なのかが疑問。 ---- **賛否両論点 ***BGM -「悪くはないが『エースコンバット』には合わない曲ばかり」と言う意見多数。そもそもシリーズ初期からBGM作曲に関わる中西哲一氏(後述にある一部収録されている過去シリーズのBGMは彼の物)や、『04』からメインテーマを手掛ける小林啓樹氏等が作曲に参加していない。 --ボーカルBGMである「IN THE ZONE」はロック調のためか概ね好評((人気の甲斐あってか『太鼓の達人』に収録されている。))。 ---しかし本作を代表するべきこの曲が使われているのは、物語のターニングポイントとなるミッションでもボス戦ミッションでもなく、''なんの変哲もない普通のミッション''。一応スピリダスに関わるミッションではあるが使い所を間違っている。 --エンディングテーマである「For Us All」は『6』のエンディング同様コーラス曲であるため好評。 --『3』でも楽曲を提供している椎名豪氏や緊迫感漂う楽曲に定評のあるInon Zur氏など、作曲者の評価は概ね高い。 ---ゲーム中のBGM再生モードでは上記二曲を含み、聞けない曲が存在する。 ---前述する「IN THE ZONE」などのボーカル曲は版権の関係で載せられなかったのだと思われるが、そのせいで本来聴きたい筈のBGMが聞けないという事態に。 --ちなみに、『3D』でも本作の一部BGMが使われている。『X2』より使い所が良くなっている。 ---- **総評 シナリオ、キャラクター、アクション性、通信プレイ。どれを取っても安っぽい結果に終わった今作は、旧作のファンからは「''『エースコンバット』の皮を被った何か''」とまで言われた。~ 通信プレイは強化されたものの劣悪な仕様となり、それ以外も個性に乏しく全体的な面白さでは『X』に劣っている。~ 作中だけでなく、取扱説明書にまで見受けられる誤字脱字、シナリオの不備、煮詰められていない設定、BGMの使い回しなど、制作期間・予算が足りていなかったことを否が応にも痛感させられる。~ ---- **余談 -何気にジャンルが「フライトアクション」になっている。 --確かに海外では「フライトシューティング」と言う言葉があまり普及しておらず同様のゲームは「フライトアクション」と言われるのが一般的だが、だからと言って国内でも「フライトアクション」と言われても今更である。 -本作を開発したアクセスゲームズは良作だった『X』を開発した実績ある企業であるため、本作に期待していたファンから失望される結果となった。 --ところが、またアクセスゲームズが制作した『3D』の評価は概ね好評であり、名誉挽回に取り敢えずは成功している。 -この通り多数の問題点を抱えている本作だが『ファミ通』ではなんと''プラチナ殿堂入り''している。立場上酷評する訳にはいかないのかもしれないが、このようなゲームにさえ最高評価が与えられているため、やはりゲーム雑誌の評価は当てにできない。 -その後本作と同じく実在世界を舞台にした『[[エースコンバットAH>エースコンバット アサルト・ホライゾン]]』と『[[エースコンバット インフィニティ]]』が発売、配信された。 --しかし両者とも、それぞれ異なる方向性でプレイの自由度がかなり低くなっており、人によっては「''本作より劣る''」と言う人もいる。実在世界を舞台に新機軸を打ち出した作品が3連続でこのような結果になってしまったのは皮肉なことである。 -自衛隊は外部の創作作品とコラボや協力をする例は多いが、内部指針があり航空自衛隊は自衛隊機が落ちる作品には協力しないと言われている。((厳密には空自自身が公式にそう表明したわけではないが空自が協力するのは自衛隊機が墜落しない作品か、墜落しないように内容を改変したものばかりとなっている。))それに対して陸自はある程度のやられ役をするくらいなら許容している。 --エスコンシリーズも昔から航空自衛隊の協力を受けている関係からか、今作において陸自部隊を守るミッションでは手を抜くと簡単に陸自が壊滅するのに対して、NPC空自機と共闘するミッションでは空自機は無敵で''絶対に落ちない''上にわざと放置してミッション失敗させたとしても自衛隊機が墜落したという表現を徹底的に避けている。 ----

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