「ポップンミュージック (Wii)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
ポップンミュージック (Wii) - (2015/01/20 (火) 16:22:10) の最新版との変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
*ポップンミュージック (Wii)
【ぽっぷんみゅーじっく】
|ジャンル|音楽シミュレーション|&amazon(B002BDTLJK)|
|対応機種|Wii|~|
|発売・開発元|コナミデジタルエンタテインメント|~|
|発売日|2009年8月6日|~|
|定価|5,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''黒歴史''|~|
|ポイント|''ポップンミュージック…のような何か''&br()キャラデザ大幅変更&br()操作性が悪すぎ&超誰得&br()簡単すぎる難易度&br()''収録曲数が40曲''と明らかにボリューム不足&br()楽曲有料追加(それもなんと''10曲までしか追加できない'')&br()ヘタしたらKOTY入選レベル&br()従来のファンからは完全''黒歴史認定''&br()こんなものを作るならCS版15を出すべき|~|
|>|>|CENTER:''[[ポップンミュージックシリーズリンク>ポップンミュージックシリーズ]]''|
//管理人より「クソにも黒歴史にもあたる場合はクソ判定一本で」との裁定はありましたがソフト評価には確か関与していなかったと思うので、分類の「ガッカリゲーでは済まない~」と「(管理人裁定により)」を外しました。
----
#contents
----
**概要
1998年、アーケードから始まった定番の音楽ゲーム『[[pop'n music]]』シリーズ。~
その歴史は10年を越え、アーケード以外にも様々な家庭用機種に登場、多くのファンを生み出す事に成功した。~
そのほとんどはソニー据え置き機であるプレイステーションシリーズでのリリースであり、意外と任天堂ハードで登場する機会は少なかったが、遂に任天堂の据え置き機ソフト初としてWii版が発売される事になった。
しかし、Wiiのリモコン操作でAC/PS版と同様の操作をする事は不可能であり、基本的なゲームルールはそのままに、「Wiiリモコンとヌンチャクを振って画面の中のキャラクターがボタンを押す」というWii向けのチューニングがされ、5ボタン形式になっている。~
シリーズ異色のアレンジ作としての登場であり、従来の9ボタン仕様のポップンシリーズ(以下本家)に馴れたプレイヤーにとっては、あまりの変貌ぶりに困惑を隠せないのは否めないところか。~
Wiiで出た同ブランドの別シリーズ『DanceDanceRevolution』(DDR)ではWii用コントローラーが作られたのに((ゲームキューブで発売されたDance Dance Revolution with MARIO専用コントローラのデザイン変更品だが、裏を返せばGC時代のDDRにも専用コントローラが作られたということになる。))、何故ポップンは作られなかったのか、疑問がぬぐえないのが正直なところだろう。
もちろん、操作性や外観が変わった事自体はこの作品屈指の批判要素ではない。問題なのは、''音楽ゲームとしてのクオリティとボリュームが、あまりにもお粗末だった''ところにある。
**問題点
***ゲームとして、そしてポップンとしての問題点
-キャラクターのデザインが豹変している。
--棒状の胴体に腕のない手と、楕円形の大きな頭部がくっついているデザインで、まるでコケシのような造詣。((パワプロのようなものを想像して頂ければわかりやすいか。))イラストのタッチも本家と大きく異なっており、なじみ難い。
//((余談だが、ACのポップンで排出されているポップンミュージックカードのレアカードで弐寺のイラストやハロポプのイラストがあるにもかかわらずこのゲームのデザインだけ存在しない。公式側も黒歴史にしてしまったのだろうか…))
//ポップン19における第2弾レアカードのカードナンバーPC19R004/016「Hello! NIGHT PARTY!~Cute◇side~」はハロポプのタッチで描かれてる。
--また、キャラクターの数も14人と本家に比べると非常に少ない。
-まず本家プレイヤーにとって目につくのは、収録曲の少なさであろうか。デフォルトで全40曲しかなく、隠し曲も存在しない。
--音ゲー未経験者からしてみれば「40曲ってそんなに少ないのか?それなりに多そうだが?」という疑問が沸くかもしれないが、過去のPS2版シリーズは''平均101曲''という圧倒的な曲数を誇り、CD-ROM媒体だった『[[ポップンミュージック Best Hits!]]』でさえ55曲を収録している。
---他の音楽ゲームと比較すると、beatmaniaIIDXが平均85曲、PS2以降のDDRが平均80曲、同じWiiの太鼓の達人でも70曲、''1年前に発売された『めっちゃ! 太鼓の達人DS 7つの島の大冒険』でも50曲。''現環境では据置機はおろか携帯機ですら40曲は少ないのである。
--さらに、その内訳は有名曲(版権曲)が30曲、ポップンオリジナル曲は''10曲''。
---版権曲はほとんどが新規収録であるが、オリジナル曲は全て過去のポップンからの曲の再収録であり、スタッフロールなどのシステムBGMを除いて''本作オリジナルの新曲は無い''。
--その新規収録された版権曲も、ラインナップの大半が太鼓の達人と被ってしまっている。
---同社に同じく版権曲が多い音ゲーにアーケードの『jubeat』があるが、こちらは収録する版権曲の傾向をずらしており(少しは被っているが)太鼓の達人シリーズとの差別化を図っている。
-そして1曲あたりの譜面(ステージ内容)が、2つ(スタンダード、チャレンジ)しか存在せず、恐ろしく中身が薄くなっている。本家は原則として1曲あたり6譜面(5ボタン(EASY)、NORMAL、HYPER、EX、BATTLE譜面(2人用)NORMAL、HYPER)が用意されており、同じ曲でも様々なステージが楽しめた。
--チャレンジ譜面はスタンダード譜面を100点クリアすると出現する隠し譜面…なのだが、「100点クリア=ゲージ満タンでクリア」なので簡単に出現する。
-これでまだやりがいのある難易度なら救いがあるのだが、全体的に初見でも余裕でクリアできるヌルい難易度で、''ほぼすべての楽曲の尺を3分の2以上すっぽかしてもクリアできる''という、やりがいも何も無い超ゆとり仕様。難易度「むずかしい」の曲ですら子供にとってもあくびが出そうな低レベルぶりで、「お手軽」を通り越して「''虚しい''」だけである。
-Wiiに合わせ、Wiiリモコンとヌンチャクを使った操作形式に変化している。
--これはポップンのボタン配置に見立ててリモコン/ヌンチャクを振るという操作方法である。ボタン配置は「緑青赤青緑」となっているが、落ちてくるポップ君に合わせて、両端の緑はそれぞれ左右の外側、青は対応する側の下側、中央の赤は内側(左右どちらを使ってもOK)へ振るというもの。成功すれば画面の中のキャラクターが対応するボタンを押す。
--……のだが、''操作性が劣悪で、まともに操作させてくれない''。リモコン/ヌンチャクを大きく振っても反応しない(=BAD判定)、振っても誤反応が起こる(例:右に振ったのに、上や左に振ったことになる)など、リモコンの感度の悪さが大きなストレスとなり、プレイヤーを苛立たせること必至。
--もうリモコン操作は期待できないからとクラシックコントローラで操作したい気分になってくるが、なんと''クラコン未対応''である。そのためリモコンとヌンチャクで反応するかどうかも分からない振り操作を強要される事になる。
--ちなみに無理にリモコン操作限定にこだわったポップンWiiに対し、[[太鼓の達人Wii]]は従来のような専用コントローラをきちんと用意した上でヒットしている。果たして、リモコン操作にこだわる必要はあったのだろうか…。
***計略上の問題点
-Wi-Fi機能により、曲/譜面を追加できるサービスが存在するが、信じられない事に有料である(''2曲セットで100円'')。元の曲数が少なく、ゲームとしての基本もなっていない状態で金をせびり、さらにWii本体の容量をも圧迫させるという、メーカーの企業態度を疑う姿勢には首をかしげずにはいられない。
--しかも本体には最大10曲(5セット)までしか保存できない(購入済み楽曲の再ダウンロード自体は無料で可能)。
--DLC曲は全てポップンオリジナル曲だが、こちらも過去のポップンシリーズからの再録のみである。しかも一部の曲は''曲名を誤植''されてたりする(「ポップミュージック論」→「ポップ''ン''ミュージック論」など。最もこの楽曲の名前はファンの間でも間違われやすくはあるが、公式でやらかすのはいかがなものか)。
--ちなみにCMは低年代層向けテレビ番組『おはスタ』内で展開していた。子役を配置するなど明らかに幼稚園~小学生低学年をアピールしていたのだが、有料コンテンツとはこれいかに。
--PSP版『太鼓の達人ポータブル/同2』にもDLCでの楽曲配信があるが、こちらは初めから無料サービスである。また、PC用『ポップンミュージックBe-Mouse』の配信は、初めは有料だったが後に無料サービスとなっている。(現在はサービス終了)
--参考までに、PS2ポプの現最新作である『ポップンミュージック14 FEVER』、『太鼓の達人Wii』、そして本作の曲と譜面数を比較してみると…。
---[PS2 ポプ14] 112曲(5KEY 112/NORMAL 112/HYPER 112/EX 88 計424譜面 + 2人用のBATTLE譜面(1曲2譜面))((ENJOYモードの3ボタン、7ボタンの譜面も合わせるとさらに増える。))
---[Wii 太鼓] 70曲(かんたん、ふつう、むずかしい、おに/各70 計280譜面 + 極僅かだが2人プレイ専用譜面)
---''[Wii ポプ] デフォルトで40曲(スタンダード、チャレンジ/計80譜面)+ 追加曲購入(有料)''
---単純計算で本作の譜面数はPS2版14の五分の一以下、太鼓Wiiの七分の二しか無く、いかにボリューム不足なのかお分かりであろうか。(追加配信すれば多少譜面が増えるが、それでもボリュームアップには程遠いレベル)。
**評価点
-版権曲が多いため本家と比べると有名曲の割合が多く、万人向けをアピールしている。
--当時、本家は若干古めの版権曲を多く入れており、有名曲をあまり入れてくれなかった。だが、AC16以降は収録傾向が変わり、有名な版権曲を多く入れるようになった。
-難易度が易しい分、本家よりも入り込みやすい。''飽きやすくもあるが。''
-対戦モードがそれなりに豊富で、一応はパーティゲームとしての機能を果たしている。
--といっても、これでパーティゲームする位なら、同じ価格でよりクオリティの高いソフトがWiiにはいくらでもあるのだが。
-ロード時間は皆無。本作はウエイトに待たされる気配が全くなく、テンポの面だけでいえば本家以上の快適さである。
-登場キャラクターはシリーズの有名キャラが中心((ミミ、ニャミ、リエちゃん、さなえちゃん、ポエット、スミレ、ユーリ、アッシュ、六、ミルク、マリィ、ハマノフ、コービー、MZD。))で、本家よりも滑らかに動く。
--ただし、Deuilトリオのうち何故かスマイルだけが未登場、マイナーキャラ・コービー((このキャラの元ネタは黒人バスケット選手のコービー=ブライアント。おそらく海外展開する際の黒人差別対策による起用だと思われる。ちなみにマリィは日本出身。))の起用など、選考基準に関しては疑問が残る。
**総評
以上の通り、従来のファンを奈落のどん底に突き落とすのには十分な内容であり、まさに「どうしてこうなった」状態でファンを敵に回す結果となってしまった。~
本作の出来の悪さもあるが、PS2版のポップン関連があまりにもハイボリューム、ハイクオリティな内容な為、本作のあまりもの落差に家庭用を経験したプレイヤーの落胆が大きかったこと、~
またAC15以降、PS2での家庭用移植が途絶えてしまったことから来る幾ばくかの期待感という要因が、本作をよりガッカリさせる結果に向かわせたのかもしれない。
**その他
結果、販売数は''初日約900本・累計約2700本''と散々な結果に。古くからのファンにも全国のちびっ子にも見切られた結果であった。PS2のポップンはいずれも万単位の売り上げだった事を考えると、いかに不評だったのかが伺える。~
ファンからは「こんなものを作るならアーケードの移植版を作れ」という怒りの声が多くあった。それを差し置いてなぜこんな無謀なものを発売しようと思ったのか理解に苦しむ所である。((あくまで噂の類ではあるが、上層部から「子供向けのポップンを作れ」と命令されて渋々作ったのが本作だと言われている。))
もしもWiiで音ゲーをやりたいだけなら、『太鼓の達人』や『ダンスダンスレボリューション』を買ったほうが良い。ポップンにこだわるのであれば、PS2で7~14のいずれかを専用コントローラー((安価な簡略版の物とACのコントローラーを再現している物があるが、どちらかと言えば高くても(中古でも3万円程)ACコンを手に入れるのを推奨。またユーザーの自作コントローラーまで存在する。))とともに買うことをおすすめする。金額は高くなるが、どれを選んでもボリュームはある程度あるのですぐ飽きることはないだろう。
ちなみに、本作の次に発売された家庭用BEMANI新作であるPS2版『beatmania IIDX 16 EMPRESS + PREMIUM BEST』は総収録''180曲オーバー''という、超弩級ボリュームである。PS関係のBEMANIシリーズはやりすぎな位作り込まれているのだが、他社ハードになると一気にパワーダウンするのは何故なのか?~
同じ事例として、Wiiに展開しているDDRもパワーダウンしているが、そちらはまだ許容できる範囲(楽曲の大半がWii版専用楽曲((そのうち数曲はAC版DDRとDanceEvolutionに移植された。))・曲数が50~60)である。が、こちらは明らかに手抜きと言わざるを得ない。
**余談・その後のシリーズ展開
-ポップン18のサウンドトラックCDにこのゲームの曲が収録されている。ただし、前述の通り本作オリジナルのプレイ楽曲などは存在しないため、収録は''スタッフロールBGM1曲のみ''(アーティストは村井聖夜)。
--同CDには下記PSP版と番外編であるうたっちの楽曲も収録されており、そのついでで入れたように思えなくもない。
-2010年2月、本作に次ぐ家庭用新作ポプである『ポップンミュージックポータブル』がPSPにて発売された。AC版15とは曲やスキンが共通しており、実質CS版15を兼ねていると言えるか。
--PS2版に比べやや曲数が少ない、PSPのコントローラーで最大9ボタン操作を必要とする為にハードルが高く本体に負担をかけやすい、ロード時間が従来作より長め、という問題点はあるが、丁寧に作られた内容でボリュームもあり、AC15のほとんどの曲及び家庭用新曲・追加版権曲が収録され、概ね評価は良好な模様である。
--週刊ファミ通のクロスレビューでは総合31点のシルバー殿堂入りであるが、従来ファンからも「まあ妥当な評価」として受け入れられているようだ。
-続編の『ポップンミュージックポータブル2』も発売。AC版16をベースとして、新曲が4曲と17以降の曲も収録されている。
--前作と違い、DLCによる曲の追加ができるようになった。値段は10曲で700円。また、サウンドスタッフである村井聖夜氏の2011年発売のアルバムに収録された「A.I.ダークネス(DOES NOT COMPUTE)」がタイアップDLCとして先行配信された。
--その他に、一部の譜面・難易度の修正や、削除曲がアーティスト変更されての再録、アーケードとの連動である楽曲解禁のパスワードが固定でなくなった。((これは前作で問題になっていたことであり、パスワードを調べればゲームを買わなくても解禁することができた。))
---前作と違い版権曲が収録されていないほか、プレイ中に判定がおかしくなる、カクツキが発生するなどの不具合が多いという問題点はあるが、多くの不具合は後のアップデートで修正されており、作品そのものの作りに対しては概ね好意的な評価を寄せられている。
-なお、本作は2009年11月にアメリカでは初の『pop'n music』としても発売された(これ以前にXBLAでポップン風のゲーム『[[Beat'n Groovy]]』も出ていたが、pop'n musicというタイトルとしては初)。
--こちらは日本版と収録曲が大きく異なり、洋楽版権や、日本版では未配信のポップンオリジナル曲、さらにはオリジナル新曲1曲(先述のスタッフロールBGMをプレイアブル楽曲化したもの)も収録されている。
---ただしデフォの曲数は日本と同じ40曲だけの為、ゲームにおける問題点は日本版と同様。
--ちなみにアメリカでの販売本数は累計約19000本。散々な結果に終わった日本版よりはマシかもしれない。
--しかし、向こうのBEMANIファンからは「なぜ従来のポップンを移植しなかったのか」という不満の声も。
---余談だが、アメリカ版ではポエットの天使の輪が何故か消えている。恐らくは宗教的配慮による修正だろう。
-さらに、2010年にはヨーロッパのWiiでもこれをベースに『pop'n rhythm』として発売。
--こちらはDLCそのものが廃止されている。
-後に欧米初のアーケードとして『POP'N MUSIC』が進出したが、絵柄、操作が最大8ボタン、譜面もヌルいものが多かったりとWii版に似ている点が多く、海外からも''「見えている地雷」''と危ぶまれていた。
--さらに2011年3月、この欧米で稼働していたバージョンをベースに収録曲などを変えて逆輸入した『[[ハロー!ポップンミュージック]]』が稼働。((2012年3月31日をもってe-AMUSEMENTサービス終了。))
--だが、ヌルい譜面、曲とキャラの少なさ、システム変更などで散々な評価を受けることになった。詳しくは記事を参照。
-長らく黒歴史とされていた…と思われていたが、2013年4月24日に『クイズマジックアカデミー 賢者の扉』内のゲーム、「検定」に追加された「BEMANI検定」内の選択肢に本作があることが発覚。存在がなかったことにされている訳ではないらしい。
この状況からしてKONAMIはまったく反省していないようである。そんなもの作るならCS続編を(ry
//初稿者?の私怨の強い部分は削除
*ポップンミュージック
【ぽっぷんみゅーじっく】
|ジャンル|音楽シミュレーション|&amazon(B002BDTLJK,image=http://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81ewLSpZdVL._SL160_.jpg)|
|対応機種|Wii|~|
|発売・開発元|コナミデジタルエンタテインメント|~|
|発売日|2009年8月6日|~|
|定価|5,800円(税5%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~|
|ポイント|ポップンミュージック''のような何か''&br;キャラデザ大幅変更&br;操作性悪すぎ&超誰得&br;ヌルすぎる難易度&br;''収録曲数が40曲''と明らかにボリューム不足|~|
|>|>|CENTER:''[[ポップンミュージックシリーズリンク>ポップンミュージックシリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
アーケードで根強い人気の音楽ゲーム『[[ポップンミュージック]]』シリーズの任天堂の据え置き機初のソフト。~
しかし、Wiiのリモコン操作でAC/PS版と同様の操作をする事は不可能であり、基本的なゲームルールはそのままに、「Wiiリモコンとヌンチャクを振って画面の中のキャラクターがボタンを押す」というWii向けのチューニングがされ、5ボタン形式になっている。~
**特徴
-Wiiに合わせ、Wiiリモコンとヌンチャクを使った操作形式に変化している。
--ポップンのボタン配置に見立ててリモコン/ヌンチャクを振るという操作方法である。ボタン配置は「緑青赤青緑」となっているが、落ちてくるポップ君に合わせて、両端の緑はそれぞれ左右の外側、青は対応する側の下側、中央の赤は内側(左右どちらを使ってもOK)へ振るというもの。成功すれば画面の中のキャラクターが対応するボタンを押す。
-Wi-Fi機能により、曲・譜面を追加できるサービスが存在する(2曲セットで100円)。
----
**問題点
***音楽ゲームとしての問題点
-明らかに''収録曲が少なすぎる''。デフォルトで全40曲しかなく、隠し曲も存在しない。
--PS2シリーズではほぼ必要最低限の曲しか入っていないにもかかわらず''平均101曲''((CD-ROM媒体で収録曲数が55曲しかなかった『Best Hits!』を含めてこの数字である。))を収録しており、メディア容量の制約が大きく、かつ楽曲自体が少なかったPS/DCシリーズを含めての比較でも、40曲という数字は''歴代ワースト2位''に相当する。
--他の音楽ゲームと比較しても、同じWiiで1年前に発売された『[[太鼓の達人Wii]]』が70曲、ソフトの容量が桁違いに少ない『[[めっちゃ! 太鼓の達人DS 7つの島の大冒険]]』ですら50曲…と、現環境では据置機はおろか携帯機ですら40曲は少ない。
--さらに、その内訳は版権曲(J-POPやアニソン等の有名曲)が30曲、ポップンオリジナル曲は''10曲''。
---版権曲はほとんどが新規収録であるが、オリジナル曲は全て過去の作品からの再収録であり、スタッフロールなどのシステムBGMを除いて''本作オリジナルの楽曲は無い''。
--その新規収録された版権曲も、ラインナップの大半が『太鼓の達人』と重複してしまっている。
---同社に同じく版権曲が多い音ゲーにアーケードの『[[jubeat]]』があるが、こちらは収録する版権曲の傾向をある程度ずらしており、『[[太鼓の達人シリーズ]]』との差別化を図っている。
-DLCの問題点
--有料追加曲自体はDLCとしては妥当だが、元の曲数が少ない状態での有料配信だったため批判が強い。
---しかも本体には最大10曲(5セット)までしか保存できない(購入済み楽曲の再ダウンロードは無料で可能)。
--DLC曲は全てポップンオリジナル曲だが、こちらも過去のポップンシリーズからの再録のみである。いっその事、最初から入れておいて欲しかった。
---しかも一部の曲は''曲名を誤植''されている(「ポップミュージック論」→「ポップ''ン''ミュージック論」など。この曲に限って言えばファンの間でも間違われやすくはあるが、公式でやらかすのはいかがなものか)。
-譜面の少なさ
--1曲あたりの譜面(ステージ内容)が、2つ(スタンダード、チャレンジ)しか存在せず、恐ろしく中身が薄くなっている。本家は原則として1曲あたり6譜面(5ボタンorEASY、NORMAL、HYPER、EX+BATTLE譜面2種類)が用意されており、同じ曲でも様々なステージが楽しめた。
---チャレンジ譜面はスタンダード譜面を100点クリアすると出現する隠し譜面…なのだが、「100点クリア=ゲージ満タンでクリア」なので簡単に出現する。
-難易度の異常な低さ
--音楽ゲーム初心者でも余裕でクリアできるヌルい難易度で、''ほぼすべての楽曲の尺を3分の2以上すっぽかしてもクリアできる''という、やりがいも何も無い超ゆとり仕様。~
難易度「むずかしい」の曲ですらあくびが出そうな低レベルぶりで、「お手軽」を通り越して「''虚しい''」だけである。
--だが、後述の操作性により譜面の難易度とは裏腹に思ったようにプレーできないストレス感がある。
-リモコン操作の劣悪さ
--リモコン/ヌンチャクを大きく振っても反応しない(=BAD判定)、振っても誤反応が起こる(例:右に振ったのに、上や左に振ったことになる)など、リモコンの感度の悪さが大きなストレスとなり、プレーヤーを苛立たせること必至。
---リモコン操作を諦めてクラシックコントローラでの操作に切り替えたいところだが、なんと''クラシックコントローラ未対応''。そのため反応するかどうかもわからないリモコン操作を強要される事になる。
--ちなみに無理にリモコン操作限定にこだわった本作に対し、『太鼓の達人Wii』はリモコン横持ちもクラシックコントローラも対応、更にPS2版のように太鼓の形をした専用コントローラもきちんと用意した上でヒットしている。果たして、リモコン操作にこだわる必要はあったのだろうか…。
***シリーズ作品としての問題点
-キャラクターのデザインが豹変している。
--棒状の胴体に楕円形の大きな頭部がくっつき、腕の無い手が浮かんでいるデザインで、まるでコケシのような造詣。[[パワプロ>実況パワフルプロ野球シリーズ]]のキャラクターを想像して頂ければわかりやすいか。
---イラストのタッチも本家と大きく異なっており、なじみ難い。
--また、キャラクターの数も14人と本家に比べるとあまりに少ない。
-ボタンで音楽を奏でるのではなく、音楽に合わせてクラップ音を重ねるだけ。
--本家ではボタンを押すとキー音が鳴り、それで音楽を演奏するというスタイルだった。しかし、本作は完成された音楽に合わせてボタンを押すだけの内容になっている。
---いわゆる『太鼓の達人』シリーズ等と同様の形式となっているため、本家のプレーヤーからすると物足りないものとなっている。
--一応、ボタンを押した時の音色は「手拍子」「スネアドラム」「ホイッスル」「ティンパニー」など様々に選択でき、さらにプレー回数に応じて音色の種類が徐々に解禁されていく(最終的に全18種類)。
-選曲画面も曲名と文字表記の難易度(かんたん・ふつう・むずかしい)のみの寂しいデザイン。
--出典表記のあるクラシック曲以外は単に曲名のみで説明文などはないため、知らないと出典が何の曲なのかも分かりづらい。一応、楽曲を選択するとプレビューは流れる。
--コナミオリジナル曲も混ざって配置されており、本家のようなジャンル名も当然無い。
--一応、アニメやJ-ポップ、オリジナルなどの傾向によって曲名の枠の色が分かれているのだが、具体的な表記はないためなんとなくで判別するしかない。
-設定できるオプションは前述の「ねいろ」、ハイスピード設定の「ポップ君のはやさ」、譜面種類選択の「ゲームのタイプ」だけ。
--ポップ君のはやさは「ふつう」「はやい」「すごくはやい」の3段階なのだが、具体的な数値設定やBPM表記などは一切無いため少し分かりづらい。
----
**総評
Wiiリモコン強制の割にはWiiリモコンへの最適化もされておらず、曲数も少なく、単純に音ゲーとしての出来が悪い。~
過去の家庭用ポップンの出来の良さや、AC15以降家庭用移植が途絶えてしまったことからくる期待感との落差にシリーズファンは非常に落胆させられる事になった。~
----
**余談
//-販売数は''初日約900本・累計約2700本''と散々な結果になった。
//--ちなみにPS2シリーズはいずれも万単位の売り上げである。
//↑孫引きソースしか見つからなかったのでCO http://gcompass.sp.land.to/rank/2009_genre.html#music
-本作唯一のオリジナル曲であるスタッフロールBGMは『[[ポップンミュージック18 せんごく列伝]]』のサウンドトラックCDに収録されている。
-家庭用ポップンシリーズは2007年発売のPS2版『[[ポップンミュージック14 FEVER!]]』が出た後、2008年にWindows PC向け『ポップンミュージック Be-Mouse』、Xbox 360向け『[[Beat'n Groovy]]』などの本編からややずれた派生作品を連発していたため、Wiiという新たなハードで『ポップンミュージック』の名を冠して発売される本作に過分な期待が掛かってしまったことも、ユーザーからの落胆の原因とも言える。
-発売後、長らく本作について公式で触れられることが無かったが、『クイズマジックアカデミー 賢者の扉』内の「BEMANI検定」で本作の名前が出たため、一応は存在がなかったことにされている訳ではないらしい。
----
**その後の展開
-本作の海外展開
--2009年11月にアメリカでは初の『pop'n music』としても発売された(これ以前にXBLAでポップン風のゲーム『[[Beat'n Groovy]]』も出ていたが、ポップンミュージックというタイトルとしては初)。
---こちらは日本版と収録曲が大きく入れ替わり、洋楽版権や、日本版では未配信のポップンオリジナル曲、さらにはオリジナル新曲1曲(先述のスタッフロールBGMをプレイアブル楽曲化した「S-S-PM&R」((「SHAKE'N SWING'N POP'N MUSIC( & RHYTHM)!」の略で、本家『4』の「スペシャルエンディング / Tap'n! Slap'n! Pop'n Music!」の流れを汲む楽曲。作曲も同じ村井聖夜。)))も収録されている。
---ただしデフォルトの曲数は日本と同様に40曲しかなく、ゲームにおける問題点は日本版と同様。
---その他の変更点として、ポエットの天使の輪が消えている。恐らくは宗教的配慮による修正だろう。
---ちなみにアメリカでの販売本数は累計約19000本。散々な結果に終わった日本版よりはマシかもしれない。しかし、向こうのBEMANIファンからは「なぜ従来のポップンを移植しなかったのか」という不満の声も。
---またこちらのDLCはスロット方式が撤廃されひとまとめになったものの、全部入りだとデータが1000ブロック近くになり今度は本体容量を圧迫するという問題がある。((WiiのDLCは本体ストレージ上に存在しないとゲームに反映されず、SDカードにコピーしていても一時退避用にしかならないため。))
--さらに、2010年にはヨーロッパのWiiでも『pop'n rhythm』として発売。
---収録曲は欧州向けに入れ替えられたが曲数は40曲のままな上に、こちらはDLCそのものが廃止されているため、日本版・アメリカ版以上に物足りない。
-後に欧米初のアーケードとして『POP'N MUSIC』が進出したが、その絵柄、操作が4ボタン、譜面もヌルいものが多かったりとWii版に似ている点が多く、海外からも''「見えている地雷」''と危ぶまれていた。
--さらに2011年3月、この欧米で稼働していたバージョンをベースに収録曲などを変えて逆輸入した''『[[ハロー!ポップンミュージック]]』''が稼働した。
//---だが、ヌルい譜面、曲とキャラの少なさ、システム変更などで散々な評価を受けることになった。詳しくは該当記事を参照。
//既に記事があるので批評的な記述はCO
-発売当時のポップンシリーズは本作を含む外伝作品を連発していたが、本家アーケード版の流れを汲む作品としては、2010年に実質AC15のアレンジ移植といえるPSP版『[[ポップンミュージック ポータブル]]』がようやく登場している。
----