「アストロノーカ」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

アストロノーカ - (2018/08/05 (日) 18:46:02) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*アストロノーカ 【あすとろのーか】 |ジャンル|宇宙作物育成・害獣退治ゲーム|&amazon(B00005OVW9)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|エニックス|~| |開発元|ムームー&brシステムサコム|~| |発売日|1998年8月27日|~| |定価|6,800円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2008年6月25日/600円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要  ''「未来の宇宙で宇宙一の農夫を目指す」''のが目的となるシミュレーションゲーム。あなたはニッカポッカ星系に住む農家となり、形も模様も味もユニークな多種多様な宇宙野菜たちを育てて収穫し、生計を立てていく。~ ~  それと同時に、定期的に開かれる様々な「宇宙野菜コンクール」に参加し、農夫としての評判を高めていく。好成績を収め、ある程度評判を得ると、より上位のコンクールに参加できるようになる。目指すは宇宙最大のコンクール''「全宇宙野菜コンクール」''での優勝だ。 **特徴・評価点 -野菜の品種改良が楽しい。 --全ての野菜は交配を行うことで、「重さ」や「形状」や「匂い」などの属性を少しずつ変化させることができる((変化する属性は野菜によって異なる。それ以外の属性値は変化しないが、交配元の野菜のもつ属性値を引き継ぐ。))。それらの特徴は野菜に反映され、野菜そのもの価値や、コンクールでの評価に繋がる。種ごとに遺伝情報などのステータスがあり、交配前と交配後でどう変化するかは大きく操作できないため、地味にハマる。たまに失敗してしまうことも。 ---各属性にはステータスに応じた称号がつくようになっている。例えばサイズなら「大きい」「小さい」から始まって、ラスト一歩手前では「恒星サイズ」「原子レベル」とまでなる。各属性はそれぞれ干渉はしないので、「''惑星サイズで空気より軽い''」とかも可能。比喩だと信じたい。((現在は更新を停止しているが、公式サイトのQ&Aで比喩表現であったことが明記されている)) ---通常、高品質であれば値段が高いのだが、ステータスをマイナス方向にひたすら傾けるとある段階から値段が跳ね上がり始める。結果、''極低品質の方が高く売れる''。こうなるとテロリスト御用達と言って差し支えない凶悪物質と化しているので、用途が心配である。 --中ランク以降の野菜には、作中設定で重要度の低さや困難さなどから消失してしまった属性を宿しているものがある。この野菜を交配に使えば、ほかの野菜にもこの特性を発生させることが可能。また、高ランクの野菜はステータスの上限が高くなっている。 --また、ゲーム中で示される法則性に従うことで、次々と新種の宇宙野菜を作ることができる。新種野菜は手間がかかるものの、収益も大きく、また見た目もかわいい。さらにお助けアイテムとして「強化種」が存在する。同品種の野菜のタネを2つかけ合わせると稀にできるこの種を交配に使用すると、ノーリスクで遺伝子が複数個追加(減少)される。ただしその野菜の「純粋さ(Pマーク)」が失われてしまうというデメリットも存在し、これが後々大きな影響を及ぼしてくる。早々に強化種に頼ったプレイヤーは後で愕然とすること必至。 --交配は序盤に入手できる交配マシンで行うが、どのようにステータスが変化するかはランダム(法則性はあるので、調整することで若干楽になる)。 ---お手伝いロボットが変化後の情報をいくつか教えてくれるが、確実に当たるわけではないので注意が必要である。精度などはパワーアップさせることで向上する。 ---気に入らない場合はL1,R1ボタンで結果を切り替えることができるので、選別は比較的楽である。 --作物の世話はお手伝いロボットが行ってくれるので、プレイヤーのやることは種植えと収穫(あるいは整地)がメイン。 ---ある程度育てば収穫可能となるが、さらに育てないと種が回収できない。種は野菜1つにつき最大3つ回収でき、最短日数で育つ野菜は一気に3つ、それ以外の野菜は1つずつ種が増えていく。 ---コンクールのスケジュールによっては畑のスペース確保や収穫だけでもしたい場合もあるので、タイミングの見極めも大事。 -トラップバトルが楽しい。 --しかし、そんな農業生活にもお邪魔虫が存在する。それが、かわいくも憎たらしい土着の害獣「バブー」である。畑の前にある広場に上手くトラップを張り巡らせてバブーを撃退し、大切な野菜を守らなければならない。バブーが進むルートを予測してトラップを仕掛け、狙い通りに決まると気分爽快。インパクトのある撃退の仕方をした場合は高得点が得られ、たまにアイテムも入手できる。ただし、バブーも少しずつ進化・学習しトラップに適応してくる((これは現実の農家の害虫対策をモデルとしている。害虫は農薬を撒かれて駆除されるとそれに対処しようと思う……のではなくまさにダーウィンの進化論の通り「特定の農薬という淘汰圧がかかり、その農薬に抵抗力を持たない個体から速やかに除去された結果、抵抗力の強い遺伝子が種内で蓄積する」ためやがて利かなくなってしまうのだ。))ので、いつまでも同じトラップ構成ではいずれ突破されてしまう。 ---畑の世話を担当するお手伝いロボット曰く「素敵なトラップバトルを見るとやる気が出る」とのことで、前述の評価点が高いと''野菜の出来が良くなる''。そのため、コンクールの勝敗にもあるいは関与してくることになる。 ---他にも、撃退方法次第だが「バブーの羽」というアイテムを落とす場合がある。これは、中盤以降レアな種や罠との交換に使うことができる。というか、''「トマトニアン」という野菜の原種はここで入手するしかない''。幸い、結構かかるが金で羽を買うことも可能。 --このように、単純に野菜を守る以外にも関連する要素が多いため、決しておざなりにはできない。状況次第では、むしろバブーに来て欲しい時もあるだろう。 --なお、どんな特徴があるかまでは実際に来てから出ないと把握できないが、バブーがいつ何体襲来するかはカレンダーの予報を見ることで把握できる(的中率は100%ではない)。 --トラップは様々な特性が存在しており、それを踏まえて使わないと十分な効果を発揮させることができない。 ---共通要素として''消費電力''という数値があり、この総和が一定値以内になるようにしないといけない。 ---落とし穴やオリなどのトラップは、一度起動するとその成否によらず翌日には使用できなくなる使い捨て。何度も使うと財布に厳しいので、使い所の見極めが必要である。ちなみに、羽のドロップ率が高め。 ---偽餌系はバブーを餌の方向に誘導する効果がある。起動しても消えることはないが、バブーに食べられると消滅してしまう。ただし、いくつも食べさせると満腹になって帰ってくれるので、下手に進化させずに済む(財布への負担は落とし穴の比ではないが)。 ---バブーのスタミナを削る攻撃装置は、叩いたり触ったりしないと起動しないものがほとんど。置き場所を考えないと、素通りされかねない。 ---扇風機や強力なジャンプ台は、バブーが外周を流れる川に突入するように配置することで、''バブーを川流しにできる''。実現可能なトラップ構成は限られるが、高速排除、高評価、高ドロップ率といいこと尽くしなので狙いたいところである。 ---バブーの能力が強すぎると、トラップが起動せず壊れてしまう場合がある。当然、壊れたトラップはストックから消えてしまう。 -情報が豊富 --ゲーム内におけるインターネットのようなものとして「アストロネット」が存在する。閲覧することで情報を得られるのだが、情報更新の間隔が短く、豆知識レベルなものから攻略にかかわる重要情報まで様々な情報を得られるため、見ているだけでも飽きない。また、新しい野菜やトラップが手に入る度にここで詳しい説明が得られる。野菜の起源など攻略とは直接関係のない情報も多々あるが、これが世界観を奥深いものにしているのは言うまでもない。~ コンクールに勝利していると、主人公のファンの女の子からの応援や、知らない人からのダメ出し、ライバルの農家からの挑戦状など、私書箱に様々なメールが届くようになる。~ なお、主人公の家にあるのは受信専用のパソコンなのでこちらからネットに投稿することはできない。 -多彩なコンクール --休日には、他の星へ出向いてコンクールに参加することができる。コンクールにはそれぞれテーマが決まっており、それに沿ったものでなければならない。審査基準はカレンダーで確認可能。 ---大抵は特定の野菜を高品質に仕上げればOKだが、上位のコンクールでは一部低品質化させなければならなかったりなど変則的なものが出てくる。最たるものは、特定の称号をピンポイントで9つ求めてくるという条件野菜コンクールである。 ---わざとバブーにかじらせて傷物にしないと評価されないなど、単純なスペックや種類以外の要素が求められるコンクールもちらほら存在する。 --コンクールなので、当然他の参加者もいる。大概は(野菜の出来はさておき)真っ当に勝ちに来ているのだが、一部こだわりに殉じるあまりコンクールの審査基準を無視して参加してくる猛者もいる。当然評価は最低だが、気にするつもりはない模様。~ 金にものを言わせて豪華な野菜を開発してくる金持ちのボンボン、地道にコツコツ腕を上げてくるさわやかな青年キャラ、歴戦のベテラン農家に自称農業界のアイドルなど、様々な個性を持ったライバル農家がいてコンクールを盛り上げてくれる。惜しむらくは皆宇宙服を着ているので素顔が分からないところ… **難点 下記に挙げる2つの要素が、後半の難易度の増加につながっている。 -コンクールの増加とスケジュール調整 --まず、野菜は成熟までに最大14日必要とする。上手くスケジュールを組まないと、狙うコンクールに出品できなかったりするといった問題が発生する。また、ある時期を起点にして一気にコンクールの数が激増し、前述の変則的なコンクールや条件野菜コンクールといったものも存在するため、事前の情報がないと年単位のスパンを組まざるを得なくなる。 -バブーの強化システム --上述のように畑には害獣バブーがやってくる。バブーに畑を荒らされてしまうと、育てていた野菜が傷物になったり枯死してしまう。((ただし、対価として低確率ながらレアアイテムを落としていくことがある。このレアアイテムはこの方法以外に入手方法がない。なお、一度きりだが増やす方法はある。))~ バブーはトラップを仕掛けることで撃退することができるのだが、トラップに引っ掛かるたびに"進化"する。トラップで撃退されたバブーは次に出現する時にそのトラップに対する耐性を獲得し、トラップバトルを繰り返すたびにバブーは強くなる。やがてはトラップを看破、破壊・迂回しながら進むようになってしまう。~ 進化の程度はトラップバトルで受けた負担に比例する((例えば、スタミナを大きく削るトラップならその分スタミナが、長時間いればそれだけ粘り強さが大幅にアップしてしまう。))。そのため、強力だからと安易に使いすぎるとまたたく間にパワーアップしてしまう。~ その結果、トラップバトルの難易度は決して下がることがない。ただし救済策も存在しており、アストロネット内でも示唆されている。つまり公式でも回避方法を用意してある、と言うこと。~ 例えば、バブーは進化もするが退化もする。短時間で速攻で撃退された場合はスタミナが減って居座る時間は短くなり、体重の重軽もそれぞれにデメリットとメリットが存在する((重くなれば踏みスイッチ系は壊れるが落とし穴は脱出されにくくなる。軽くなると羽が生えてしまったり各種罠を飛び越されやすくなるが、扇風機などは有効となる。しかし、「羽が生えていて重い」というどちらのメリットも有する最悪の事態もありうる(羽根があるので踏みスイッチにはかからず、重いので扇風機も無効という化物)。ついでに体重を増減させる罠もある。))。長く接しなかったトラップは耐性が減少するので、一つの構成で固定せずにあれこれ試すのがベスト。~ 退化スピードに比べて進化スピードの方が速いので、真剣にトラップバトルをしていると退化する以上に他の能力が伸びてしまう。退化スピードが遅いのは設定ミスで、本来はうまく罠をローテーションすればバランスが取れる予定だったとか。~ 二次策として、バブーは最大4つある畑のうち番号順に漁るという特徴を利用して、どうでもいい安物&量産野菜を囮として最初の畑に配置し、本命を後の方に配置する、という対策もある。~ ちなみに、このシステムはムームーが以前に出した育成ゲーム『がんばれ森川君2号』のシステムを流用している。 --バブーは一部のトラップによって捕獲し、「マイバブー」として保持することができる。また、他プレイヤーとの交換も可能。同じように種も交換できるが、本編クリア後限定。 ---交換において注意したいことは、高度に進化したバブーを貰った場合、そのバブーを迂闊に解放してはいけないということ。解放されたバブーは群れに戻り、自身のスペックをバブー全体に反映させてしまうので、進行状況に合わないような高スペックを反映されてしまうと為す術もなくなってしまう。ただし、その逆も可能。 --バブーが進化することで新たな種族のバブーが出現し、また同じ種族でも進化度合によって色や模様、形などの外見が変化する。この外見の変化も記録できるのでやり込み要素になる。 **総評 -作物育成は種を撒いて収穫し品種改良、傍らバブーとタワーディフェンスような戦いをする、とやることが明確でシンプルなゲームづくりのためとっつきやすい。 --またどちらも試行錯誤の過程が楽しいため、トライアンドエラーが好きな人はハマること間違いなし。 **その他 -メモリーカードを通して、2つのデータ間でタネをやり取りするシステムがある。本来は友人と交換するシステムであるのだが…これを用いると、あるデータで製作した種を他のデータに移動させることが可能。 -『[[スターオーシャン セカンドストーリー]]』に、アストロノーカの体験版ディスクが同梱されていた。&br()また、本作にも『いただきストリート ゴージャスキング』の体験版ディスクが同梱されている。 -出荷数が少なかったのか、通販サイトでも中古にしては高めで売られていた。PSアーカイブスで600円で購入できるようになってからは、相場もややおとなしくなった。 -BGMにはかなり定評があるようで、現在サントラの値段はプレミアがついている。 --作曲者は神保直明氏。マイナーなゲームのBGMを手掛けることが多いため知名度こそ低いが、曲自体の評価は高いことが多い。比較的有名なのは『[[ウィザードリィエクス ~前線の学府~]]』や『円卓の生徒』あたりか。 -アストロノーカのシステムをベースに、料理・家具・衣類などの生活要素も取り入れて作られた、『''コスモぐらし~オンライン的野菜生活~''』というWin用オンラインゲームがあったが、2003年3月28日~2005年4月25日というわずか2年少々でサービスは終了してしまった。 -少年ガンガンで連載されていた『ジャングルはいつもハレのちグゥ』には、極稀にバブーがモブキャラとして登場する事があった。
*アストロノーカ 【あすとろのーか】 |ジャンル|宇宙作物育成・害獣退治ゲーム|&amazon(B00005OVW9)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|エニックス|~| |開発元|ムームー&brシステムサコム|~| |発売日|1998年8月27日|~| |定価|6,800円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2008年6月25日/600円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要  ''「未来の宇宙で宇宙一の農夫を目指す」''のが目的となるシミュレーションゲーム。あなたはニッカポッカ星系に住む農家となり、形も模様も味もユニークな多種多様な宇宙野菜たちを育てて収穫し、生計を立てていく。~ ~  それと同時に、定期的に開かれる様々な「宇宙野菜コンクール」に参加し、農夫としての評判を高めていく。好成績を収め、ある程度評判を得ると、より上位のコンクールに参加できるようになる。目指すは宇宙最大のコンクール''「全宇宙野菜コンクール」''での優勝だ。 **特徴・評価点 -野菜の品種改良が楽しい。 --全ての野菜は交配を行うことで、「重さ」や「形状」や「匂い」などの属性を少しずつ変化させることができる((変化する属性は野菜によって異なる。それ以外の属性値は変化しないが、交配元の野菜のもつ属性値を引き継ぐ。))。それらの特徴は野菜に反映され、野菜そのもの価値や、コンクールでの評価に繋がる。種ごとに遺伝情報などのステータスがあり、交配前と交配後でどう変化するかは大きく操作できないため、地味にハマる。たまに失敗してしまうことも。 ---各属性にはステータスに応じた称号がつくようになっている。例えばサイズなら「大きい」「小さい」から始まって、ラスト一歩手前では「恒星サイズ」「原子レベル」とまでなる。各属性はそれぞれ干渉はしないので、「''惑星サイズで空気より軽い''」とかも可能。比喩だと信じたい。((現在は更新を停止しているが、公式サイトのQ&Aで比喩表現であったことが明記されている)) ---通常、高品質であれば値段が高いのだが、ステータスをマイナス方向にひたすら傾けるとある段階から値段が跳ね上がり始める。結果、''極低品質の方が高く売れる''。こうなるとテロリスト御用達と言って差し支えない凶悪物質と化しているので、用途が心配である。 --中ランク以降の野菜には、作中設定で重要度の低さや困難さなどから消失してしまった属性を宿しているものがある。この野菜を交配に使えば、ほかの野菜にもこの特性を発生させることが可能。また、高ランクの野菜はステータスの上限が高くなっている。 --また、ゲーム中で示される法則性に従うことで、次々と新種の宇宙野菜を作ることができる。新種野菜は手間がかかるものの、収益も大きく、また見た目もかわいい。さらにお助けアイテムとして「強化種」が存在する。同品種の野菜のタネを2つかけ合わせると稀にできるこの種を交配に使用すると、ノーリスクで遺伝子が複数個追加(減少)される。ただしその野菜の「純粋さ(Pマーク)」が失われてしまうというデメリットも存在し、これが後々大きな影響を及ぼしてくる。早々に強化種に頼ったプレイヤーは後で愕然とすること必至。 --交配は序盤に入手できる交配マシンで行うが、どのようにステータスが変化するかはランダム(法則性はあるので、調整することで若干楽になる)。 ---お手伝いロボットが変化後の情報をいくつか教えてくれるが、確実に当たるわけではないので注意が必要である。精度などはパワーアップさせることで向上する。 ---気に入らない場合はL1,R1ボタンで結果を切り替えることができるので、選別は比較的楽である。 --作物の世話はお手伝いロボットが行ってくれるので、プレイヤーのやることは種植えと収穫(あるいは整地)がメイン。 ---ある程度育てば収穫可能となるが、さらに育てないと種が回収できない。種は野菜1つにつき最大3つ回収でき、最短日数で育つ野菜は一気に3つ、それ以外の野菜は1つずつ種が増えていく。 ---コンクールのスケジュールによっては畑のスペース確保や収穫だけでもしたい場合もあるので、タイミングの見極めも大事。 -トラップバトルが楽しい。 --しかし、そんな農業生活にもお邪魔虫が存在する。それが、かわいくも憎たらしい土着の害獣「バブー」である。畑の前にある広場に上手くトラップを張り巡らせてバブーを撃退し、大切な野菜を守らなければならない。バブーが進むルートを予測してトラップを仕掛け、狙い通りに決まると気分爽快。インパクトのある撃退の仕方をした場合は高得点が得られ、たまにアイテムも入手できる。ただし、バブーも少しずつ進化・学習しトラップに適応してくる((これは現実の農家の害虫対策をモデルとしている。害虫は農薬を撒かれて駆除されるとそれに対処しようと思う……のではなくまさにダーウィンの進化論の通り「特定の農薬という淘汰圧がかかり、その農薬に抵抗力を持たない個体から速やかに除去された結果、抵抗力の強い遺伝子が種内で蓄積する」ためやがて利かなくなってしまうのだ。))ので、いつまでも同じトラップ構成ではいずれ突破されてしまう。 ---畑の世話を担当するお手伝いロボット曰く「素敵なトラップバトルを見るとやる気が出る」とのことで、前述の評価点が高いと''野菜の出来が良くなる''。そのため、コンクールの勝敗にもあるいは関与してくることになる。 ---他にも、撃退方法次第だが「バブーの羽」というアイテムを落とす場合がある。これは、中盤以降レアな種や罠との交換に使うことができる。というか、''「トマトニアン」という野菜の原種はここで入手するしかない''。幸い、結構かかるが金で羽を買うことも可能。 --このように、単純に野菜を守る以外にも関連する要素が多いため、決しておざなりにはできない。状況次第では、むしろバブーに来て欲しい時もあるだろう。 --なお、どんな特徴があるかまでは実際に来てから出ないと把握できないが、バブーがいつ何体襲来するかはカレンダーの予報を見ることで把握できる(的中率は100%ではない)。 --トラップは様々な特性が存在しており、それを踏まえて使わないと十分な効果を発揮させることができない。 ---共通要素として''消費電力''という数値があり、この総和が一定値以内になるようにしないといけない。 ---落とし穴やオリなどのトラップは、一度起動するとその成否によらず翌日には使用できなくなる使い捨て。何度も使うと財布に厳しいので、使い所の見極めが必要である。ちなみに、羽のドロップ率が高め。 ---偽餌系はバブーを餌の方向に誘導する効果がある。起動しても消えることはないが、バブーに食べられると消滅してしまう。ただし、いくつも食べさせると満腹になって帰ってくれるので、下手に進化させずに済む(財布への負担は落とし穴の比ではないが)。 ---バブーのスタミナを削る攻撃装置は、叩いたり触ったりしないと起動しないものがほとんど。置き場所を考えないと、素通りされかねない。 ---扇風機や強力なジャンプ台は、バブーが外周を流れる川に突入するように配置することで、''バブーを川流しにできる''。実現可能なトラップ構成は限られるが、高速排除、高評価、高ドロップ率といいこと尽くしなので狙いたいところである。 ---バブーの能力が強すぎると、トラップが起動せず壊れてしまう場合がある。当然、壊れたトラップはストックから消えてしまう。 -情報が豊富 --ゲーム内におけるインターネットのようなものとして「アストロネット」が存在する。閲覧することで情報を得られるのだが、情報更新の間隔が短く、豆知識レベルなものから攻略にかかわる重要情報まで様々な情報を得られるため、見ているだけでも飽きない。また、新しい野菜やトラップが手に入る度にここで詳しい説明が得られる。野菜の起源など攻略とは直接関係のない情報も多々あるが、これが世界観を奥深いものにしているのは言うまでもない。~ コンクールに勝利していると、主人公のファンの女の子からの応援や、知らない人からのダメ出し、ライバルの農家からの挑戦状など、私書箱に様々なメールが届くようになる。~ なお、主人公の家にあるのは受信専用のパソコンなのでこちらからネットに投稿することはできない。 -多彩なコンクール --休日には、他の星へ出向いてコンクールに参加することができる。コンクールにはそれぞれテーマが決まっており、それに沿ったものでなければならない。審査基準はカレンダーで確認可能。 ---大抵は特定の野菜を高品質に仕上げればOKだが、上位のコンクールでは一部低品質化させなければならなかったりなど変則的なものが出てくる。最たるものは、特定の称号をピンポイントで9つ求めてくるという条件野菜コンクールである。 ---わざとバブーにかじらせて傷物にしないと評価されないなど、単純なスペックや種類以外の要素が求められるコンクールもちらほら存在する。 --コンクールなので、当然他の参加者もいる。大概は(野菜の出来はさておき)真っ当に勝ちに来ているのだが、一部こだわりに殉じるあまりコンクールの審査基準を無視して参加してくる猛者もいる。当然評価は最低だが、気にするつもりはない模様。~ 金にものを言わせて豪華な野菜を開発してくる金持ちのボンボン、地道にコツコツ腕を上げてくるさわやかな青年キャラ、歴戦のベテラン農家に自称農業界のアイドルなど、様々な個性を持ったライバル農家がいてコンクールを盛り上げてくれる。惜しむらくは皆宇宙服を着ているので素顔が分からないところ… **難点 下記に挙げる2つの要素が、後半の難易度の増加につながっている。 -コンクールの増加とスケジュール調整 --まず、野菜は成熟までに最大14日必要とする。上手くスケジュールを組まないと、狙うコンクールに出品できなかったりするといった問題が発生する。また、ある時期を起点にして一気にコンクールの数が激増し、前述の変則的なコンクールや条件野菜コンクールといったものも存在するため、事前の情報がないと年単位のスパンを組まざるを得なくなる。 -バブーの強化システム --上述のように畑には害獣バブーがやってくる。バブーに畑を荒らされてしまうと、育てていた野菜が傷物になったり枯死してしまう。((ただし、対価として低確率ながらレアアイテムを落としていくことがある。このレアアイテムはこの方法以外に入手方法がない。なお、一度きりだが増やす方法はある。))~ バブーはトラップを仕掛けることで撃退することができるのだが、トラップに引っ掛かるたびに"進化"する。トラップで撃退されたバブーは次に出現する時にそのトラップに対する耐性を獲得し、トラップバトルを繰り返すたびにバブーは強くなる。やがてはトラップを看破、破壊・迂回しながら進むようになってしまう。~ 進化の程度はトラップバトルで受けた負担に比例する((例えば、スタミナを大きく削るトラップならその分スタミナが、長時間いればそれだけ粘り強さが大幅にアップしてしまう。))。そのため、強力だからと安易に使いすぎるとまたたく間にパワーアップしてしまう。~ その結果、トラップバトルの難易度は決して下がることがない。ただし救済策も存在しており、アストロネット内でも示唆されている。つまり公式でも回避方法を用意してある、と言うこと。~ 例えば、バブーは進化もするが退化もする。短時間で速攻で撃退された場合はスタミナが減って居座る時間は短くなり、体重の重軽もそれぞれにデメリットとメリットが存在する((重くなれば踏みスイッチ系は壊れるが落とし穴は脱出されにくくなる。軽くなると羽が生えてしまったり各種罠を飛び越されやすくなるが、扇風機などは有効となる。しかし、「羽が生えていて重い」というどちらのメリットも有する最悪の事態もありうる(羽根があるので踏みスイッチにはかからず、重いので扇風機も無効という化物)。ついでに体重を増減させる罠もある。))。長く接しなかったトラップは耐性が減少するので、一つの構成で固定せずにあれこれ試すのがベスト。~ 退化スピードに比べて進化スピードの方が速いので、真剣にトラップバトルをしていると退化する以上に他の能力が伸びてしまう。退化スピードが遅いのは設定ミスで、本来はうまく罠をローテーションすればバランスが取れる予定だったとか。~ 二次策として、バブーは最大4つある畑のうち番号順に漁るという特徴を利用して、どうでもいい安物&量産野菜を囮として最初の畑に配置し、本命を後の方に配置する、という対策もある。~ ちなみに、このシステムはムームーが以前に出した育成ゲーム『がんばれ森川君2号』のシステムを流用している。 --バブーは一部のトラップによって捕獲し、「マイバブー」として保持することができる。また、他プレイヤーとの交換も可能。同じように種も交換できるが、本編クリア後限定。 ---交換において注意したいことは、高度に進化したバブーを貰った場合、そのバブーを迂闊に解放してはいけないということ。解放されたバブーは群れに戻り、自身のスペックをバブー全体に反映させてしまうので、進行状況に合わないような高スペックを反映されてしまうと為す術もなくなってしまう。ただし、その逆も可能。 --バブーが進化することで新たな種族のバブーが出現し、また同じ種族でも進化度合によって色や模様、形などの外見が変化する。この外見の変化も記録できるのでやり込み要素になる。 **総評 -作物育成は種を撒いて収穫し品種改良、傍らバブーとタワーディフェンスような戦いをする、とやることが明確でシンプルなゲームづくりのためとっつきやすい。 --またどちらも試行錯誤の過程が楽しいため、トライアンドエラーが好きな人はハマること間違いなし。 **その他 -メモリーカードを通して、2つのデータ間でタネをやり取りするシステムがある。本来は友人と交換するシステムであるのだが…これを用いると、あるデータで製作した種を他のデータに移動させることが可能。 -『[[スターオーシャン セカンドストーリー]]』に、アストロノーカの体験版ディスクが同梱されていた。&br()また、本作にも『いただきストリート ゴージャスキング』の体験版ディスクが同梱されている。 -出荷数が少なかったのか、通販サイトでも中古にしては高めで売られていた。PSアーカイブスで600円で購入できるようになってからは、相場もややおとなしくなった。 -BGMにはかなり定評があるようで、現在サントラの値段はプレミアがついている。 --作曲者は神保直明氏。マイナーなゲームのBGMを手掛けることが多いため知名度こそ低いが、曲自体の評価は高いことが多い。比較的有名なのは『[[ウィザードリィエクス ~前線の学府~]]』や『[[円卓の生徒>円卓の生徒 Students of Round]]』あたりか。 -アストロノーカのシステムをベースに、料理・家具・衣類などの生活要素も取り入れて作られた、『''コスモぐらし~オンライン的野菜生活~''』というWin用オンラインゲームがあったが、2003年3月28日~2005年4月25日というわずか2年少々でサービスは終了してしまった。 -少年ガンガンで連載されていた『ジャングルはいつもハレのちグゥ』には、極稀にバブーがモブキャラとして登場する事があった。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: