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*チョロQ HG2 【ちょろきゅー はいぐれーどつー】 |ジャンル|レースゲーム|&amazon(B00005UF6F)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|タカラ|~| |開発元|イーゲーム(E-GAME)|~| |発売日|2002年1月10日|~| |定価|6,090円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |廉価版|THE BEST タカラモノ:2003年7月10日/2,980円&br()アトラスベストコレクション:2007年2月8日/1,980円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[チョロQゲームリンク>チョロQシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -「チョロQ」を題材にした『チョロQ HG』シリーズ第2弾。 -開発はE-GAMEで、良作と評判の『[[チョロQ3]]』に勝るとも劣らない大ボリュームが売り。 -E-GAMEは過去に『チョロQワンダフォー!』(以下ワンダフォー)を発売している。この作品はレースとやり込み要素の難易度の高さ、他の町に行くのがやや面倒、という問題点があった。それらをおおよそ解消したのが今作である。 -基本的なシステムや概念はワンダフォーを踏襲しているが、ワンダフォーをプレイしたことがなくても楽しめるようになっている。 --チョロQが生活している世界が舞台、チョロQが住人、ジェットタービン、燃料の概念、スタンプの存在などなど。詳しくは''[[チョロQワンダフォー!]]''の記事にて。 -GTAなどと同じオープンワールド系フィールドを採用しており、高速道路でドライブしたり、冬山でヒルクライムしたり、海の中で立ち往生したり...。 ---- **ストーリー -大統領という身分に飽き飽きした現大統領フォレストは次のワールドグランプリ(以下グランプリ)優勝者に大統領の座を譲ることにした。プレイヤーはグランプリを優勝して大統領を目指すことになる。 ---- **特徴 ''出走台数の増加とチーム制の導入'' -シリーズ初の24台同時出走。更に、町でチョロQをスカウトすることで、チームメイトとして一緒にレースもできる。これでレースの戦略性の幅が広がり、より白熱した勝負ができるように。 --チームメイトの存在が最後のレースへの進行条件になっている他、チームメイトが入賞(6位以内)すればその分の賞金も入手することができる。 -決戦の大舞台であるワールドグランプリに参加するにはチームメイトを2台見つけることと、スーパーAライセンスを取得していることが条件。 --レースへの参加はライセンス制であり、最初はランクCである6レースにしか出場できない。ここで6レース全てで入賞すればBライセンスが獲得できる。~ 続いて同じくBランクのレース全てで入賞し……と繰り返し、ランクAである9レースに入賞することで晴れてスーパーAライセンスを取得、ワールドグランプリへの道が開かれる事になる。 --また、ワンダフォーでは無かったパーツショップやボディショップ、お金の概念が復活した。 ''マップの大幅な拡張と探索要素の追加'' -本作ではフィールドマップが大幅に拡張されており、ワンダフォー!時代の町がいくつも点在している様な形になっている。 --探索要素満点だが、レースやパーツ購入といった基本的な事を行える「Q's factory」は、大概町の入口近くや分かりやすいランドマークの近くに存在しており、とにかく進めたい人にも大きな煩わしさは感じさせない。 --時間の概念が存在し、日の出や日の入りもある。ゲーム上の1日は、現実世界での1時間に相当。探索要素の中にはこの昼夜の入れ替わりがカギになっているものもある。 ---- **評価点 ''マップの広さと、その自由度の高さ'' -各地に点在する町へは下道や高速道路を使って移動する。町の一つ一つも中々に造り込まれており、中には隅々まで探索しないと見つけられないような場所にチョロQがいたりもする。 --町と町の行き来にはそれなりの時間がかかり、景観の変化やちょっとした冒険要素等もあって旅情感に溢れる。一方、訪れた町の「Q's factory」に入る事で、以降はいつでもどこでも好きな所からワープ移動できる等、痒い所に手が届いている。 ---道中にはプチクラと呼ばれる収集要素もアリ。その名の通り「チョロQ版プ○クラ」とも呼べるもので、各地に全部で100ヵ所も点在。単に町と町の間の行き来だけでなく、それなりに寄り道する必要もある為、コンプを狙うと意外に骨が折れる。 ''やり込み要素の豊富さ'' -本作はミニゲームが非常に多く、ワンダフォーにもあったサッカーの他、正統派のジムカーナやスペック勝負のスノージャンプ、果ては''カーリング''や''ゴルフ''などが存在し、プレイヤーを飽きさせないようになっている。 --ミニゲームのプレイ記録や、やり込み要素の達成等は、ワンダフォーにもあったスタンプによって記録する事ができる。 --「町」を主軸に置いた作風らしく、中盤からは「マイシティ」という、自分だけの町も出現。初めて訪れた時は不動産以外何もないが、移住を望んでいるチョロQをマイシティに誘うことで、町が発展していく。~ 流石に住民の選択や町の傾向といったプレイヤー独自の町になる訳ではなく、最終的には住民も家も同じ町に仕上がるのだが、自分で誘ったチョロQ達と町の発展ぶりにワクワクした人も多いはず。 ''細かな造り込みの数々'' -マップの広さは上述しているが、何よりの特徴はこれらマップをほとんどロードなしで走りまわる事ができる点。スペックによっては道なき道を強引に進んでいく事も可能。 --広いマップ((建物だけでも200を越える))に、多くのチョロQが存在。その一人(一台?)ずつに確固たるキャラ付けがなされており、プレイヤーもその世界の住人として、チョロQの住む世界を十分に体感することが出来る。 --イベントやお願い事をこなす事で仲間になる、いわゆる主要キャラポジションのチョロQも。ヒロインこそいないものの、主人公に明確な好意を持っている女性チョロQもいる((ちなみに、メインキャラの女性チョロQは2名。何と片方はJGTCでお馴染みのカストロール・トムス・スープラ。前述の女性チョロQはR31スカイラインのスーパーシルエット車両と、異様にレーシーで人気の高いボディを使っている))。 -長いドライブで退屈しない様にラジオ機能まで完備。朝には天気予報が流れたり、昼には宇宙人がゲストで来たり、深夜には実在バンドの曲を聴けたり、夕方にはトーク番組を楽しめたり。~ とにかく、自分の好きな番組を聞きながらドライブするのもこのゲームの醍醐味の一つ。 ---- **問題点 ''拙いCPUのレースAI'' -ワンダフォーでは一部高い難易度が問題視されていた事もあって、本作では全体的に難易度は低下傾向にある。これ自体は改善といっていいのだが、その難易度の下がり幅が極端すぎて、かえって不評を呼んでいる。 --24台同時出走の弊害か、敵同時がよくぶつかっている事が一つの要因。また、本シリーズ自体がトリッキーなコースレイアウトの多いゲームであり、PS時代に見られた、「跳ね返るような衝突判定」が消え、AIもバック走行もしない結果、~ 壁にぶつかったまま抜け出せなくなってしまうチョロQが出る事も多い。 ---特にワールドグランプリではチームメイトを含めた順位で優勝が決まる為、チームメイトが動けなくなってしまうと目も当てられない状況に。 --グリップ力の落ちるオフロードコース、長いストレートからの直角カーブなどでは、後から曲がりきれなかったチョロQがたくさん突っ込んできて一気に順位を落とすことも。~ 従って、プレイヤーは適度にパーツを買い替え、コースを理解してスローイン・ファストアウトを意識すれば、スペック差を除いて大概のレースで勝利する事ができる。PS版チョロQのようにドリフトを極めたりブレーキを考えたり、という必要性は終盤まであまりない。 --これはチームメイトについても同様であり、例え最高級のパーツを買い揃えても、それを活かせずにあっさりと差されてしまう。逆にオーバルコースではしっかりとパーツに見合ったタイムを刻むなど、全体的にコーナリングのAIの甘さが見える。~ 特に高性能なエンジンとタイヤにいわゆるブーストに当たるジェットタービンを組み合わせた時のオーバルの速さはなかなかの物。 ''その他レースに関する問題点'' -コース数がやや少ない。ワンダフォーよりは多いものの、チョロQ3などと比較すると少々物足りないかもしれない。同様に、コースの全長そのものも全体的に短く、終盤のスペックだと、大抵のコースは一周1分もかからない。 --最も、この点に関してはスプリントレースとして、資金稼ぎの観点から見ると悪いとは言い切れない。複雑な形状のコースも存在している為、それに対する救済措置としての一面もある。 -左右で曲がりやすさに差があったり、タコメーターがブルブル震え、実車における息継ぎ症状の様に回転・速度共になかなか上がらなかったり、段差では突然、ひっくり返りそうなほど角度を付けて飛び上がる等、不自然な挙動がある。 --中でも息継ぎ症状と段差飛びはレースに大きく関わる部分であり、特に段差での飛び上がりはかなり速度を落とす上、着地までの時間も大きなロスになる為、本来であればレースゲームとして致命的。~ ウィングを装着する事でジャンプの高度を変えられるはずだが、その影響も受けない。全体的な難易度の低さ故に大きな問題にはなっていないが、ある程度歯ごたえのある難易度だった場合、この一点でゲームとしての評価を落とす事もあり得る程のポイント。 --また、確率は低いが、壁にめりこんでしまうバグも存在。特定の角度や速度が影響しているらしく、チョロQの性能が上がってくると多発の恐れあり。 -本作はそのボリュームと「チョロQの世界」を上手く表現している点で高い評価を受けているが、実はレース面は意外と危なっかしい出来栄えだったりするのである。 ''その他の細かな問題点'' -オープンワールドという概念が今ほど深く浸透してない時代の作品としては十分工夫が凝らされているが、中には広々と野が広がっているだけで建物やイベントがまったくない場所も。 --特に陸の孤島に当たるパパイヤアイランドへ向かうには、一つ前の町に当たるホワイトマウンテンから抜け道を通り、更に海底を抜けて上陸する必要がある。~ ホワイトマウンテンを抜けるまではガイドがついているが、いざ海底に出ると水中用のスクリュー込みでも身動きが遅い上、距離もそこそこある為、大雑把に西へ進んでいると、ナビゲーターにも映らないまま素通りしてしまう事も。~ この海底マップもまた無駄に広大な為、酷いと数十分近くウロチョロする事になる。 -あるミニゲームの、スタンプ取得条件のクリアタイムを少しオーバーしても、スタンプが取れてしまう。そのミニゲームは難易度が高めなので助かるが。 ---- **総評 E-GAME製チョロQシリーズの前作であるワンダフォーの問題点をある程度解消。レース以外の要素は非常にボリュームたっぷりで、やり込み要素の多い良作である。~ 難易度は低いものの、それが逆にとっつきやすく、ゆったりしたゲームを好む方ならおススメ。未だに本作が最高傑作とするファンの数も少なくない。~ 今作以降は町要素は縮小気味であり、今作のように町要素=キャラとのコミュニケーションの多いチョロQシリーズを期待している人も多いのではないだろうか。~ 純粋なレースゲームとしてみると粗い部分も少なくないが、それを補ってあまりある魅力が本作にはあるだろう。~ 中古価格は現在でも定価の半額程度と、廉価版の定価どころか、下手な新鋭ソフトや人気作の中古価格すら上回り、一部の名作級プライスタグを付けている事が多い。~ もしも安値で売っているのを見かけたら手に取ってみるのもいいかもしれない。 ---- **余談 -ボリュームたっぷりなのにもかかわらず、今作はなんとCD-ROMで提供されている。 -とあるコースでは、スタートラインを過ぎた後横の壁に登ってスタートライン前まで戻り、スタートラインを切ると1周出来てしまうという裏技がある。
*チョロQ HG2 【ちょろきゅー はいぐれーどつー】 |ジャンル|レースゲーム|&amazon(B00005UF6F)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|タカラ|~| |開発元|イーゲーム(E-GAME)|~| |発売日|2002年1月10日|~| |定価|6,090円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |廉価版|THE BEST タカラモノ&br;2003年7月10日/2,980円&br()アトラスベストコレクション&br;2007年2月8日/1,980円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[チョロQシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 デフォルメされた車の玩具「チョロQ」を題材にしたチョロQシリーズの内、PS2で展開された『チョロQ HG』シリーズの第2弾。~ 開発は過去に『チョロQワンダフォー!』(以下『ワンダフォー』)を発売しているE-GAMEで、今作『HG2』は、良作と評判の『[[チョロQ3]]』に勝るとも劣らない大ボリュームが売り。 ~ 上記の『ワンダフォー』はレースとスタンプの難易度が非常に高く、他の街に行くのもやや面倒であったが、今作では全体的な難易度が下がり、街の移動も手軽にできる様になった。~ しかし、レース面では他のシリーズ作品に比べると粗い部分が多く見られる。 ---- **ストーリー -大統領という身分に飽き飽きした現大統領フォレストは、次のワールドグランプリ(以下グランプリ)優勝者に大統領の座を譲ることにした。プレイヤーはグランプリを優勝して大統領を目指すことになる。 ---- **特徴 ''基本システム'' -基本的な概念は『ワンダフォー』を踏襲しているが、『ワンダフォー』をプレイしたことがなくても楽しめるようになっている。 --チョロQが生活している世界が舞台でありチョロQが住人、オプションパーツの「ジェットタービン」や燃料の概念、スタンプの存在など。詳しくは『''[[チョロQワンダフォー!]]''』の記事を参照。 -本作のメインモードである「ぼうけんにでる」では、『GTA』等と同様にオープンワールド系フィールドを採用しており、高速道路でドライブしたり、冬山でヒルクライムをしたり、海の中で立ち往生してしまったり…などができ、自由度が非常に高い。 --また、タムソフト時代の『チョロQ』シリーズの「とにかくあそぶ」にあたる「きがるにレース」と、「ふたりであそぶ」というモードも存在する。 ''出走台数の増加とチーム制の導入'' -シリーズ初の24台同時出走。さらに「ぼうけんにでる」で街のチョロQをスカウトすることで、''チームメイトとして一緒にレースもできる''(2台のチームメイトのスカウトが可能)。これでレースの戦略性の幅が広がり、より白熱した勝負ができるように。 --チームメイト2台の存在がワールドグランプリへの進行条件になっている他、チームメイトが入賞(6位以内)すればその分の賞金も獲得することができる。 -決戦の大舞台であるワールドグランプリに参加するには上記の通りチームメイトを2台見つけることと、スーパーAライセンスを取得していることが条件。 -本作ではスプリントレースは「ランクレース」となっている。 --レースへの参加はライセンス制であり、最初はランクCである6レースにしか出場できない。ここで6レース全てで入賞すればBライセンスが獲得できる。 --続いて同じくBランクのレース全てで入賞し……と繰り返し、ランクAである9レースに入賞することで晴れてスーパーAライセンスを取得、ワールドグランプリへの道が開かれる事になる。 --また、『ワンダフォー』では廃止されていたパーツショップやボディショップ、お金の概念が再び登場した。 ''マップの大幅な拡張と探索要素の追加'' -本作のメインモードである「ぼうけんにでる」では、非常に大きなマップをシームレスに移動することができ、そこにいくつもの街や収集・探索要素が点在しているような構成になっている((最後に行くことになるであろうクラウドヒルのみ、街のテーマの関係上そのひとつ前のパパイヤアイランドから別マップへ移る仕組みとなっている。))。 //-本作では『ワンダフォー』までと比べフィールドマップが大幅に拡がり、そして『ワンダフォー』同様に街がいくつも点在している形となっている。 --探索要素満点だが、レースの参加やパーツ変更といった基本的な事を行える「Q's factory」は、大抵が街の入口近くや分かりやすいランドマークの近くに存在しており、とにかく進めたい人にも大きな煩わしさは感じさせない。 //すでに訪れたQ'sfactoryであれば、ワールド内でどんな状況下にあろうと、どこからでもワープできるので非常に利便性が高い。←下に統一 --時間の概念が存在し、簡易的ではあるものの朝焼けや夕暮れの演出もある。((但し年・月・日数の概念はない。))ゲーム内の1日は、現実世界での1時間に相当。探索要素の中にはこの昼夜の入れ替わりがカギになっているものもある((例えば、フジシティのオトミさんを助けるには夜にならないと助けられない。また、ホワイトマウンテンのサンタさんに会うには昼にならないと会えない。))。 ---- **評価点 以下の解説は基本的に「ぼうけんにでる」モードに関してのものとなる。また、同じくE-GAME製であり類似点が多く見られる『ワンダフォー』を主な比較対象とする。 ''ワールドマップのワープ機能の改善'' -『ワンダフォー』の場合は、街間の移動は序盤〜中盤の頃は時間がかかる煩雑な手段を選ばなければならず、終盤になるにつれ徐々に短時間で移動ができる様になっていく構成だったが((大まかな流れとしては「序盤はミニゲームや地下迷路を挟んで移動→中〜終盤はタイムスリップ解禁によりルートの自由度が広がる→最終的には転送センターが解禁され短時間で移動ができる」と言った具合。))となっていたが、今回はワープ機能がゲーム開始時から解禁されている。 --更に各街のQ'sファクトリーに一度でも入っていればその街へのワープ登録が完了され、いつ何処からでもメニュー画面から同施設へ瞬時にワープすることができる様になった。 ---仮にワールド内で迷子になったり燃料切れを起こしたり等のトラブルがあっても、一度訪れたQ'sであればすぐに戻れる様になっているので非常に利便性が高い。 ''マップの広さと、その自由度の高さ'' -各地に点在する街には舗装路などの下道や高速道路を使って移動する。街の一つ一つも中々に造り込まれており、中には隅々まで探索しないと見つけられないような場所にチョロQがいたりもする。 --街と街の行き来にはそれなりの時間がかかり、景観の変化やちょっとした冒険要素等もあり旅情感に溢れる。一方、訪れた街の「Q's factory」に入る事で、上述した通り以降はどこからでもワープ移動ができる様になる為、痒い所にも手が届いている。 --『ワンダフォー』では特定の施設でしか燃料を補給してもらえなかったが、今作ではどの家に入っても燃料を補給してもらえる様になった。 ---道中にはプチクラと呼ばれる収集要素もアリ。その名の通り「チョロQ版プ○クラ」とも呼べるもので、各地に全部で100ヵ所も点在。単に街と街の間の行き来だけでなく、それなりに寄り道する必要もある為、コンプを狙うと中々骨が折れる。 ---既存の背景画像の右下に自分のチョロQが載るだけではあるが、単に既存の画像を集めるのではなく、撮影時のカスタムが反映されるので、実際に旅行している気分を楽しめる。 ''やり込み要素の豊富さ'' -本作はミニゲームの種類が豊富であり、『ワンダフォー』にもあったジムカーナやサッカーの他、スペック勝負のスノージャンプ、果ては''カーリング''や''ゴルフ''((『チョロQ3』にも「ゴルフレース」として「ふたりであそぶ」専用コースで登場していた。一人用モードではGBCの『パーフェクトチョロQ』以来。))などが存在し、プレイヤーを飽きさせないようになっている。 --レースの最高記録や達成したスタンプ、上述のプチクラなどはポーズメニューの「''テチョウ''」で確認する事ができる。 --「街」を主軸に置いた作風らしく、ワールド中盤には「マイシティ」という、自分だけの街も登場。初めて訪れた時は不動産以外何もないが、移住を望んでいるチョロQをマイシティに誘うことで、街が発展していく。 ---流石に住民の選択や街の傾向といったプレイヤー独自の街になる訳ではなく、最終的には家は固定された場所に配置、住民も固定の街に仕上がるのだが、自分で誘ったチョロQ達と街の発展ぶりにワクワクした人も多いはず。 ''細かな造り込みの数々'' -マップの広さは上述しているが、何よりの特徴はこのマップを1つの街を除いて、ロード無しで走りまわる事ができる点。自車のスペックによっては道なき道を強引に進んでいく事も可能。 --非常に広大なマップ((写真を撮る施設であるプチクラが100軒を占めるとはいえ、その数は建物だけでも200を越える。))に、多くのチョロQが存在。その一台ずつにキャラ付けがなされており、プレイヤーもその世界の住人として、チョロQの住む世界を十分に体感することが出来る。 --イベントやお願い事をこなす事で仲間になるチョロQも。ヒロインこそいないものの、主人公に明確な好意を持っている女性チョロQも存在し、((デートイベントの様なものは特に無い。))チームメイトにできるものもいる。 -『ワンダフォー』では自車用ボディが6種類しか存在せず途中変更も不可能だったが、今作では151種類にまで増加。((ボディのモデル制作は『チョロQマリン Qボート』や『チョロQHG』を開発したバーンハウスエフェクト社が担当したと、本作のエンディングでクレジットされている。))ボディ全100種の『チョロQ3』や、全102種の『HG』と比べても多くなった。 --スポーツカーやクラシックカー、働く車など膨大な種類が揃っており、中には木馬や雪だるまといったネタ系ボディも存在している。 -パーツの種類も増加。特に『ワンダフォー』の時にカスタマイズできなかったメーターやホイールなどのオシャレ系パーツが充実しており、メインのパーツ自体もワンダフォーより少し増加している。 -''ラジオ機能''((ゲーム内時間に合わせてBGMの内容が変化する、ワールドマップ内のみの機能。3つのラジオチャンネル(その内2つがBGMや雑談ありで、残りの1つが24時間BGMのみの雑談無し)と、BGMなし、の4種類から選べる。))も存在し、ワールド内の長いドライブも退屈しない。 --チャンネルによっては朝に天気予報が流れたり、昼には宇宙人がゲストで来たり、夜には実在バンドの曲を聴けたり、夕方にはトーク番組を楽しめたりなどを楽しむことができる。深夜0時20分ごろ、とあるラジオチャンネルのノイズに耳を澄ませると宇宙人の声が聞こえるようになる。 ---自分の好きな番組を聞きながらドライブするのもこのゲームの醍醐味の一つ。 -条件を満たすと手に入る''マイガレージ''では、イベントで手に入るアイテムや、『ワンダフォー』同様にレースのトロフィーが飾られる。そして模様替えセットを入手する事で、部屋の模様替えをすることが可能に。 -通常の施設の屋内同様にガレージ内を移動することはできないが、「あそびにいく」から一度入ったアクションステージの入り口にワープすることができたり、「メールチェック」で届いたメールを確認((メールは128通まで保存され、以降は古い順から削除されていく。))することができる。 --メールはスタンプ達成の条件には全く関係ないオマケ要素だが、本編では会えない住人からのメールやマイシティに引っ越した住人からの連絡、知る人ぞ知る「うらないシスター」からの今日の運勢や怪しげな団体からのスパムメール…など小ネタが盛りだくさん。 ---コンピュータウィルス感染の様なイベントは存在しないので、偶にメールの中身を覗いてみるのも一興。 ''チョロQコインの用途の追加'' 『ワンダフォー』ではチョロQコインはスタンプ達成用の収集アイテムであり、集める以外の用途が存在しなかった。~ しかし今作にはコインを100枚集めると特典パーツが貰えた『チョロQ3』や、~ GBCの『パーフェクトチョロQ』にて採用されていた「コインつうちょう」((イベントを達成することでコインが入手でき、コインを10枚集める毎にカスタムパーツがプレゼントされるシステムとなっている。本作『HG2』でパーツと交換して貰えるのもコイン10枚毎である。))の様に、~ チョロQコインを集め、更にマイシティに「とある住人」を連れてくることでコインを特典パーツと交換してもらえる様になった。 ''過去シリーズの機能の復活'' E-GAME製チョロQとしては久々に、初代PSのタムソフトチョロQシリーズにあった視点切り替えやクラクション機能が復活した。((クラクション機能はバーンハウスエフェクト開発の『チョロQHG』で復活していた。)) 特に視点切り替えは『ワンダフォー』の際にも望まれていた機能であった為、目立たないながらも大きく評価できる点。 ''キーコンフィグの仕様'' 今作ではキーコンフィグが各ボタン毎に1つ1つ細かく変更できる様になり、『ワンダフォー』の様に最初のタイミング以外2度と変更が出来ないという事も無くなった。 初期設定のキーコンフィグも『ワンダフォー』の仕様((⚪︎ボタンでアクセル・×ボタンでブレーキ。))ではなくタムソフト時代のチョロQ準拠((×ボタンでアクセル・◻︎ボタンでブレーキ。他社から発売されたチョロQシリーズでも踏襲されている定番のコンフィグとなっている。))となっている。 ''隠しパーツの性能'' #region(完全クリア後に関わる要素の為クリックで詳細) -本作にもシリーズ恒例のアクマパーツが存在し、スタンプを100個全て集めて、自称神様のヤムヤムの元に向かう事で入手できる。さらに本作と同じく街がメインであった『ワンダフォー』と異なり、本作には''タイヤ以外のアクマパーツも存在する。'' --本作のアクマのエンジンとアクマのタイヤは、装備すると『チョロQ3』のアクマパーツに勝るとも劣らない非常に高い加速力と速いスピードを発揮する。 ---更にアクマのエンジンは燃料消費が「0」となっており、ジェットタービンを使用し燃料を空にしても走り続ける事ができる。 --このアクマパーツとワールドマップとの相性が非常に良く、並外れたスピードを出しつつ広大なワールドマップを自由に駆け巡る、ジェットタービンなどのオプションパーツと組み合わせてワールドマップの上空を飛行する、などの非常に疾走感と爽快感のある遊び方ができ、アクマパーツ無しでは本作は語れない程。スタンプを全て集めた後からが本番といっても過言ではないだろう。 #endregion ---- **賛否両論点 ''ストーリーの薄さ'' -本作はチョロQシリーズとして、そしてPS2時代のオープンワールドゲームとして、マップの広さや住民・イベントの数に関しては非常に凝った作りになっているのだが、反面ストーリーに関しては薄い内容となっている。 #region(一応微ネタバレ注意) -上述した主人公がグランプリを優勝し大統領を目指す…という結末までの間に、敵対勢力が出て来て主人公と対立したり、チームメイトやQ'sファクトリーのレッカー車といった仲間と切磋琢磨する、突然の緊急事態によって世界が一変する、複雑な過去を持ったキャラクターが登場する…といった様な展開は特に起こらず、「とにかくレースをこなし大統領になる」本当にそれだけと言っても良い程でストーリーらしいストーリーはない。『ワンダフォー』に存在したブルーシティやゴールドシティの様な黒い設定も本作では殆ど無くなっている。(此方に関しては好みが分かれる風刺的な設定であった為、致し方ない面もあるが…) --周囲キャラクターとの関わり合いは本作の後にバーンハウスエフェクトが制作しストーリーの評判が高い『チョロQHG4』に比較すると中身が薄く、その面で期待して本作を遊ぶと肩透かしを喰らう可能性がある。イベントもメインイベントは特に存在せず、一話完結型で任意のサブクエストの様なものが多い。HG4の様に序盤のメインイベントに出て来たキャラクターが後々のストーリーに関わる様な展開はない。 -但しキャラ付けに関しては後発作に劣るかと言えばそういう訳でもなく、本作の上位ライバルであるディーツとピーオーや、最下位ポジションとしてシリーズお馴染みのせいそうしゃのクリーン、女性キャラクターのミーンやソーシー、ナナハひめ、マチルと言った本作初登場の人気キャラクターは多い。 -他にもニューマン、ナツオ、ジョーンズ、ガンプ、アキバン等、マニアックな元ネタのあるキャラも複数存在している。 --ストーリーの薄さや(強制の)メインイベントがほぼ存在しない点も、裏を返せば話の都合に強制されずやりたいイベントを自由に決める事が可能な為プレイヤー毎に違う体験ができる…という捉え方もでき、良くも悪くも本作の自由度を狭めていないストーリーだと言える。 ---また本作以前のチョロQシリーズが必ずしもストーリー重視であったと言えば全くの嘘であり、本作と一部制作スタッフが共通している『チョロQ1〜3』や、別会社作の『チョロQHG』に関してもストーリーはほぼ存在しない。対照的に本作以前に明確なストーリーがあった例としては、初代PSの『チョロQジェット』やGBCの『ハイパーカスタマブルGB』が挙げられる。 #endregion ---- **問題点 ''拙いCPUのレースAI'' -『ワンダフォー』では全体的に難易度が高くなり敷居が上がってしまった部分もあってか、本作では全体的に難易度は低下傾向にある。しかしその難易度の下がり幅が極端である((高難易度であったがやりごたえがある難易度調整がされていたワンダフォーに比べると、こちらは易しく調整されたというよりは大半のコースが最悪ジェットタービンさえあればどうにかできてしまう様な、ぬるい難易度になっている傾向がある。))ためか、かえって不評を呼んでいる。 --24台同時出走の弊害か、敵同時がよくぶつかっている事が一つの要因。また、本シリーズ自体がトリッキーなコースレイアウトの多いゲームであり、初代PSのタムソフトのチョロQに見られた、「跳ね返るような衝突判定」が消え、AIもバック走行をしない結果、壁にぶつかったまま抜け出せなくなってしまうチョロQが出る事も多い。 --時には壁でハマっていたCPUが、次の週に同じように突っ込んできた別のCPUにぶつけられて抜け出し、ぶつけたCPUが同じ位置でハマっている事も。 ---特にワールドグランプリではチームメイトを含めた順位で優勝が決まるため、チームメイトが動けなくなってしまうと目も当てられない状況に。 --グリップ力の落ちるオフロードコース、長いストレートからの直角カーブなどでは、後から曲がりきれなかったCPUがたくさん突っ込んできて一気に順位を落とすこともある。~ 従って、プレイヤーは適度にパーツを買い替え、コースを理解してスローイン・ファーストアウトを意識すれば、スペック差を除いて大概のレースで勝利する事ができる。初代PSのチョロQシリーズのようにドリフトやブレーキを考えたり、という必要性は終盤まであまりない。 --敵CPUの問題点はチームメイトについても同様であり、例え最高級のパーツを買い揃えても、曲がりきれない敵CPUの群に埋もれ、性能を活かせずにあっさりと差されてしまう事も。逆にオーバルコース(モリモリサーキットII)ではしっかりとパーツに見合ったタイムを刻むなど、全体的にコーナリングのAIの甘さが見える。~ 特に高性能なエンジンとタイヤにいわゆるブーストに当たるジェットタービンを組み合わせた時のオーバルの速さはなかなかの物。 --また、チームメイトにはレースに参加し走り込むことで走りが良くなる育成機能も存在する。 -レースの難易度が低い分、シリーズ入門としては比較的向いている。 ''その他レースに関する問題点'' -コース数がやや少ない。 --『ワンダフォー』と比べると多くなったものの、『チョロQ3』などと比較すると少々物足りない部分も。コースの全長そのものも全体的に短く、終盤のスペックだと、大抵のコースは一周1分もかからない。 --もっとも、この点に関してはスプリントレースとして、クリアまでの資金稼ぎの観点から見ると悪いとは言い切れない。複雑な形状のコースも存在している為、それに対する救済措置としての一面もある。 --資金稼ぎとしてはワールドグランプリやミニゲームの「くるくるルーレット」といった上記以外の稼ぎやすい方法も存在する。しかし前者はスーパーAライセンス取得まで挑戦できず、後者は慣れるまで狙い通りの数字に止める事が難しい。 -&bold(){自車の挙動に問題がある。} --左右で曲がりやすさに差があったり、タコメーターがブルブル震え、実車における息継ぎ症状の様に回転・速度共になかなか上がらなかったり、段差では突然、ひっくり返りそうなほど角度を付けて飛び上がる等、不自然な挙動がある。 --中でも息継ぎ症状と段差飛びはレースに大きく関わる部分であり、特に段差での飛び上がりはかなり速度を落とす上、着地までの時間も大きなロスになる為、''本来であればレースゲームとして致命的。'' --ウィングセットを装着する事で跳ねやすさ・跳ねにくさを変えられるが、その影響も受けない。全体的な難易度の低さ故に大きな問題にはなっていないが、''ある程度歯ごたえのある難易度だった場合、この一点でゲームとしての評価を落とす事もあり得る程のポイント。'' --また、確率は低いが、壁にめりこんでしまうバグも存在。特定の角度や速度が影響しているらしく、チョロQの性能が上がってくると多発の恐れあり。 ---しかし本作はクラッシュ判定((タムソフト、E-GAMEのチョロQシリーズに存在する。隠しパーツで壁にぶつかり、無理矢理壁を越えようとすると『クラッシュしました』というメッセージが出現し、メニュー画面やガレージに戻される。))がワールドマップでは存在せず((『クラッシュしました』のメッセージはないが、本作にもレース中やミニゲームではクラッシュ判定が存在する。))、ワールド内ではどれだけ壁にめり込もうがQ'sファクトリーに戻されないので、自由度の高さには貢献している部分もある。 -本作は、主に街のボリュームと「チョロQの世界」を上手く表現している点で高い評価を受けているのだが、レース面に関しては他の『チョロQ』シリーズと比較すると、全体的に粗い出来栄えとなっている。 -これらの挙動やレースAIの問題点は、同じE-GAME開発である次作の『チョロQHG3』では改善された。 ''ワールドマップの問題点'' -オープンワールドという概念が今ほど深く浸透してない時代の作品としては十分工夫が凝らされているが、中には広々と野が広がっているだけで建物やイベントがまったくない場所が存在する。 --裏を返せばその分見つけにくいイベントや強制されるイベントも存在しない((ただし、本作の収集要素の一つであるチョロQコインには、酒場で聞けるヒントや、マップ上のコインの位置を示すアイテム『コインレーダー』があるとはいえ、見つけにくい場所に配置されているものが存在する。)) ため、ワールドマップを気兼ねなく自由に走り回れるという捉え方もできる。 --終盤の目的地に当たるパパイヤアイランドへ向かうには、一つ前の街であるホワイトマウンテンから抜け道を通り、更に海底を抜けて上陸する必要がある。~ ホワイトマウンテンを抜けるまではある程度ガイドがついているが、いざ海底に出ると水中用のスクリュー込みでも身動きが遅い上、パパイヤアイランドまでの距離がそこそこある為、大雑把に西へ進んでいるとナビゲーターにも映らないまま素通りしてしまう事も。海底マップも広大であり方向を見失いやすい為、数十分近く海底を彷徨うことも珍しくない。 ---ポーズ画面のワールドマップでは島や自車の位置が確認できる上、島付近にも島の入り口を示す矢印看板が一応いくつか設置されているなど対処が全くされていない訳ではない。 ''その他の問題点'' ''トランスミッションがATのみ'' -今作は『ワンダフォー』同様、マニュアルミッションが存在せずオートマチックミッションのみとなっている。この仕様は『HG3』でも続く。 --ただし、『ワンダフォー』や『HG3』も言えることだが、ジェットタービンやウィングセット(バリアブルウィング)の様な機能の追加によって使用するボタン数が増加したため、本シリーズの対象年齢層が広いことや操作の複雑化などを考えると致し方ない部分もある。 ''クラッチの廃止'' -本作は『ワンダフォー』同様に燃料制が採用されているのだが、『ワンダフォー』にあったクラッチシステム((ボタンを押しクラッチを切ることで、エンジンブレーキを切って失速を抑えたり、燃料の消費を一時的に無くす事ができるシステム。))が廃止された。 --実際の実車との矛盾点((実車の場合はクラッチを切ろうと燃料を消費する。そもそもトランスミッションがATの場合、クラッチを切ると返って燃費が悪くなってしまう、など。))はあるものの中々出来の良いシステムであり、本作の広大なワールドマップとの相性も良さげだっただけに廃止されてしまったのは惜しい。 ---本作では上記のオプションパーツの機能に加え、タムソフトのPSチョロQシリーズにあった視点切り替えやクラクション機能が復活し使用ボタン数が『ワンダフォー』以上に増加しているので、使用ボタン数の関係上本システムが廃止された可能性もある。 ''チームメイト人数の仕様'' -チームメイトは2台スカウトした後は入れ替えすることしか出来ず、チームメイトの数を減らすことはできない。 --自車とチームメイト1台のみ、自車のみといった編成でレースに挑むことは、チートなどを使わない通常プレイではワールドグランプリから完全に不可能となる。 ''オプションパーツの装備制限'' 5つ全てのオプションパーツが制限なしに複数装備できた『ワンダフォー』とは異なり、本作ではオプションパーツの分類が3種類に分かれ、全てのオプションパーツを同時に着けることは出来なくなってしまった。 とはいえ、あくまで『ワンダフォー』と比べると自由度が若干狭まっただけであり、クリアまでには十分な装備枠数((3種類のオプションパーツを1つずつ、計3つのオプションパーツが装備できる。))となっている。 ''オフロード系タイヤの不足'' 『ワンダフォー』にも存在した問題点だが、タムソフトのシリーズや、他社から発売された前作『チョロQHG』に比べるとオフロード特化のタイヤが3種類であり、若干少ない。 但し、実質的に序盤のグリップ不足のタイヤで後半のオフロードコースを攻略する様なものであった『ワンダフォー』とは異なり、 本作はオフロードグリップが強化されたタイヤが2種類存在しており性能的にもまずまずではあるが、 2種類ともオフロードグリップ自体は同等である((2種の違いはグリップのみならウェットとスノー路面のグリップ強化の有無。))ため、前作の『HG』に比べると性能の幅は少ない((『HG』ではオフロード特化タイヤが4種類(とある歴代の隠しタイヤを1種含めるが、タムソフト系チョロQの様に全く滑らない訳ではなく、オフロード特化のタイヤという位置付けなのでカウント。隠しタイヤの名称も若干異なる)存在しそれぞれの性能の幅も大きく、終盤に購入できるタイヤのオフロードグリップはオフロード界のレーシングタイヤとも言える性能を誇った。))。 ''セーブデータが1つ'' 「ぼうけんにでる」モードのボリュームが多い事も影響してか、本作はメモリーカード1枚につき1つのセーブデータしか保存する事が出来ない。 ''その他'' -あるミニゲームのスタンプが、取得条件のクリアタイムをオーバーしてもスタンプが取れてしまう((タイムに関係なく2回目のクリアのみで必ずスタンプが貰えてしまう。))。 --ただし、そのミニゲームはクリア難易度が高い為、一応救済措置になっている面はある。 -BGMが大人しく、PSのタムソフト3部作や前作の『チョロQHG』のようなギターが効いたBGMはラジオの歌でしか聴くことが出来ない。 --大人しいBGMが本作の雰囲気とマッチしていると言う声もない訳ではない。 ---- **総評 E-GAME製『チョロQ』シリーズの前作である『ワンダフォー』で不満が多かった点をある程度解消。レース面では粗い部分もあるが、それ以外の要素は非常にボリュームが多く、やり込み要素も充実している良作である。~ 難易度は低いものの、かえってそれがとっつきやすく、ゆったりしたゲームを好む方ならおススメ。未だに本作が最高傑作とするファンの数も少なくない。~ 今作以降は街要素は縮小気味であり、今作のように町要素=キャラとのコミュニケーションの多い『チョロQ』シリーズを期待している人も多いのではないだろうか。~ レースゲームとしてみると出来が良いとは言えない部分もあるが、それを補ってあまりある魅力が本作にはあるだろう。~ 実際、純粋なグラフィックでは昨今のオープンワールド作品と比べると流石に劣るが、世界観を楽しむ分には十分なグラフィックとなっており、問題視する声は少ない。~ 中古価格は現在でも高額で、廉価版の定価どころか下手な新鋭ソフトや人気作の中古価格すら上回り、一部の名作級プライスタグを付けられている事が多い。~ もしも安値で売っているのを見かけたら手に取ってみるのもいいかもしれない。 ---- **余談 -ボリュームたっぷりなのにもかかわらず、今作はなんとCD-ROMで提供されている。 -本作にはバグによって大幅にショートカットできるコースが2つある。 #region(クリックで詳細) -「ブルルンマウンテン」では、コントロールライン通過後スタート地点からすぐ左側の壁を上手くよじ登って逆走し、再びコントロールラインを通過すると''あっという間に1位になることができる。'' #video(https://www.youtube.com/watch?v=dDSSebrjNhk&t=99s) よじ登る力さえあれば''初期装備に近い性能でも可能。'' -また、E-GAME恒例の空中コース枠である「ブリキンランチ」では、''空を飛んでコース外側へ迂回し、ホームストレート付近を往復すること''でショートカットできる。~ #video(https://www.youtube.com/watch?v=K7_nTeP9jvI) ただし、こちらは隠しパーツなどの多くの装備を揃える必要がある上に、操作も少々難しいのである程度のウデがないとやりづらい。 -- なぜか海外版では悪化しており、&bold(){激しく前後するだけ}で10秒程度でクリアできてしまう。 #video(https://www.youtube.com/watch?v=VnAY4FQsC3s&t=18s) -- しかもこのバグはどうやら一定の速度を出せれば発生するとのことで、理論上は他のどのコースでも可能とのこと。 //↑参考:https://www.nicovideo.jp/watch/sm36320935(3:30辺りで判定のすり抜けに成功している) #endregion //「問題点」ではないと思うので「余談」の項に移動 -『HG』シリーズとしては攻略本が発売された最後のタイトルである。『HG3』以降は発売されていない。 --シリーズ全体では『新コンバットチョロQ』が最後。 -「きがるにレース」のモードにて「モリモリサーキット」というコースがあるが、実際には「ぼうけんにでる」のモードに登場した「モリモリサーキットⅡ」というコース名である。 //HG2のコンポーザーとマイケル氏の間で既に和解している為非表示 -2023年1月23日に音楽家のマイケル・ヴァルティウス氏が、自身の音楽が本作において無断で使用されているという旨の投稿を、動画共有サイト「Streamable」で行った([[参照>https://www.gamespark.jp/article/2023/01/23/126388.html]])。 -海外では『Road Trip Adventure』のタイトルで発売されている。

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