「se・きらら」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
se・きらら」を以下のとおり復元します。
*se・きらら
【せきらら】
|ジャンル|純愛アドベンチャー|~|
|対応機種|Windows 2000~7|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚orダウンロードソフト|~|
|発売・開発元|native(マックスファクトリー)|~|
|配信日|2010年3月26日~2011年2月28日|~|
|価格|&bold(){無料}(通常版)、2,800円(figma同梱版)|~|
|レーティング|CSA:18歳未満禁止|~|
|ポイント|''業界史上初の無料エロゲー''&br()シナリオが色々予想外すぎ&br()主人公にやや問題あり&br最終シナリオは救いがないモノが多い|~|
----
#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20){''本作は18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}}
----
#contents(fromhere)

**概要
アニメ・漫画作品などの高品質なフィギュアの企画開発を行っている企業「マックスファクトリー」が、グッズメーカーである「native」を発売元としてエロゲーを開発、しかし''「社長の鶴の一声で無料配布することが決まった」''という非常に特殊な経緯のある作品。~
本作のウリは業界史上初の「完全無料エロゲー」((これまで、生産終了となった過去の作品や、小規模なファンディスク的な作品を、無料配布したり雑誌付録にする例は数多くあった。だが本作ほどの作り込み度と規模の新作ゲームを無料配布する例は前代未聞である。))であり、ニコニコ動画での協力もあってか10万DLを記録するに至った。~
肝心の出来はというと、グラフィックやシステム面では及第点。致命的なバグもない。しかしストーリーがそれはもう色々と予想外すぎる展開だらけであった。
----
**問題点

***シナリオ
キャラクター紹介と合わせて各ルートの概要および問題点を説明させていただきます。
#region(ネタバレを含むため閉じています。)

-上条咲
--本作の主人公。短気かつ場の空気に流されやすい性格であるためからかわれやすい。過去の記憶が曖昧。
--また、やや意固地なところがあり、変なところで頑固。

-河村優
--咲の幼馴染。甲斐性と社交性を併せ持つ魅力的な妹系キャラ。主人公を「咲ちゃん」と呼んでおり、(ありきたりな展開ではあるが)咲に想いを寄せている。
--優ルートは咲の言動のせいで評価は微妙。それでも他と比べるとまともなほうではある。
---優はルート突入前から咲にそれなりの好意を寄せていたが、咲のほうは頑としてその態度を受け入れない。しかも''優ルートに入ったら入ったで、一度優を力強くフッてしまう。''当然他のキャラからも強く糾弾され、紆余曲折あって一応二人は結ばれる。
--優ルートは全て咲がぶち壊してしまっているため、咲の性格にある程度許容できる人でないとやっててイライラするだろう。優には何の落ち度もない。

-神楽亜矢
--財閥の娘だが、それを鼻にかけず周囲の人に友好的に振舞う。どんちゃん騒ぎが好きで、本作のムードメーカーといえる存在。
--亜矢ルートでは早々に咲と肉体関係になるが、今度は亜矢が''「私達ってセ●レだよね」と決めつけてしまう。''これにより、お楽しみシーンは楽しめるが、イチャラブを期待したプレイヤーは微妙にがっかりした。
--しかし最終的にはしっかり恋人同士になり、咲の性格の悪い面も問題になっていないため、シナリオはそこそこ評価がいい。
--ちなみに亜矢は公式で行なわれた人気投票でも堂々の1位となっている、これにはシナリオ的にもキャラ的にも納得のいく結果と言えるだろう。

-深雪真奈
--同級生を冷めた目で見ている問題児。しかしてその正体はライブを愛する歌姫。
--真奈のシナリオは割と倫理的に危ないシーンが続くものの、NTRといった鬱要素はない。ただし、''「真奈の貞操概念の低さ」をどう受け止めるか''によって好き嫌いがはっきり分かれる。
--余談だが、真奈のステータスは中の人とことごとく符合している。製作者が狙ってやったのかもしれない。

-秋山望美
--幼女キャラ。このゲームのキーマンと言える存在。実は後述する「藤巻安子」を消すためにやってきた存在。しかし、この時点では安子の正体は絶対にわからないため、プレイヤーは''1馬身ほど置いてけぼりを食うことになる。''
--ちなみに消すというのは比喩でもなんでもなく、「この世界から存在をなかったことにする」行為である。''ワケがわからないよ…。''

-志津野泉
--主人公の姉のような存在、なのだが、彼女のシナリオに入ると、唐突に泉が巫女さん姿になり、和風ファンタジーばりのバトルを繰り広げる。''…あれ!?これなんてゲームだ…?''
--しかも、とどめの演出が胸を丸出しにして乳首からビームを放ち、「お還りなさーい!」と叫ぶもの。''もうワケがわからないよ…。''
--無論、この設定に関する伏線などは一切なし。破天荒すぎて「伏線など要らない」とも言えるが。

-藤巻安子
--教師。本名は「やすこ」だが音読みによる「あんこ」が呼びやすいためそう呼ばれる。
--その正体は別の世界から来た科学者で、咲の部下。実は本作の舞台は咲が作り出した「理想の世界」であり、本来の地球は滅びが間近に迫っている荒廃した世界。''…あれ!?これ(ry''
--その滅びが近い地球にて救世主として生み出された咲が現実逃避の為に逃げ込んだのがこの世界であり、安子はそれを追ってきた。ただし咲の幸せを優先している為、見守るだけで無理やり連れ戻す気は無い。
---ぶっ飛んだ内容の泉シナリオを含め、上記5人のシナリオはある意味「咲が望んだもの」。それなのに優ルートで意固地になって彼女をフッた理由は謎だが。
--望美が安子を消すのは、この世界に存在してはならないイレギュラーな存在であるため。本来なら咲もイレギュラーな存在なのだが、創造主だからかノーカウント。ただし既に独立した世界として機能している為、もう咲の思い通りにはならないし、咲が居ても居なくても問題ないそうだ。
---進め方によっては咲はこの世界で幸せに暮らし、安子は消されてしまう。本来の地球は見捨てられた事に。
---トゥルーエンドだと二人で元の世界に帰ることになる。その場合ヒロイン達の記憶から彼らの存在が消えてしまうが、本来の地球には希望が残ることになる。実際に地球が救われるかは「ご想像にお任せします」と言う洋画式エンドだが。
--ちなみに、安子とのお楽しみシーンはなんと&bold(){CGを分割したダイジェストでお送りされる}。なんという手抜k…もといエコロジック。

-水樹将太
--咲の悪友。よくいるエロ男。
--ちなみに、彼は最終シナリオ(安子シナリオ)では有無をいわさず死んでしまう。''救いがねえ。''

-特に問題となったのが望美、安子ルートのシナリオ。彼女らのルートにおける、いわゆる「超展開」は賛否両論を招いた。~
とはいえ、このような二元構造・メタフィクション的構造を持った物語は昔から存在し、さほど珍しくはない。同ジャンルである成人向けPCゲームの範疇内でも、例えば『マブラヴ』((発売日前は「王道学園物」と宣伝していたが、第二部以降は平行世界へ飛ばされて凄惨な戦争物になるという、購入者の意表をつく内容であった。現在ではファンからは「熱血アクション活劇」と位置づけられているが、鬱要素や、グロテスクな描写を含む衝撃的展開も多い。))や『AIR』などの前例が存在しており、人気を博していた((『マブラヴ』はむしろ第二部以降の方が人気が高く、多数の外伝作品が作られている。さらに第二部以降のみに登場する巨大戦闘ロボのアクションフィギュアやプラモデルまで発売されている。))。
-では、なにがいけなかったのかというと、意表を突いたシナリオ展開から来る驚きよりも、「このゲームに望んていたものはこれじゃない」という失望感の方が大きかった点である。大半のプレイヤーはこのゲームに「ほのぼの学園もの」を期待していたのである。奇をてらったシナリオ展開は話題を呼びやすいため、処女作をこのような内容にした判断は理解できなくもないのだが、本作ではそれが裏目に出てしまい、かなりの賛否両論、それも「否」の方に傾いた評価となってしまった。
--事前の宣伝と実際の内容を食い違うものにして話題性を煽る広告展開は一時期流行した物だが、本作配信の時点では既に使い古された感のある手法であった。それでも十分に優れたシナリオを備えているのならば、そのような広告手法も功を奏するのであろうが、王道展開(悪く言えば量産型、テンプレ)と違い、超展開を納得させるだけの力量をシナリオライターに問う手法でもある。
//文章を大きく改変・削除しないように配慮しながら文体を整えましたが、ややネガティブな文章になってしまいました。公正さを保つため、肯定的な見地からの補足・修正をお願いします。
--その後も(アニメ作品ではあるが)同様の広告手法を使った『[[魔法少女まどか☆マギカ>沙耶の唄]]』がヒットしており((ただしメインシナリオライターが虚淵玄氏であることが明かされた時点で、その作風を知っているファンからは予想(期待)されていた。))、図らずも本作が超展開を納得させるだけのシナリオを書けなかった(特に安子シナリオは短い上、あまりにも説明的過ぎた)事を証明してしまった。
//『まどか☆マギカ』のシナリオは優れていないという意味にも取れる文章だったので修正した。それ以前の話として、ここで『まどか』の話をする必要があるのか疑問ではあるが。
//↑本作より後発で広告詐欺をしてヒットしたゲームがあるなら、そちらに変えても良いとは思うけど。とりあえず思いつかなかった。
#endregion

***盗作問題
無料配布からしばらく経った後、背景などをフリー素材から丸コピペしたことが発覚。そのため2010年4月頃に急遽配信を一時停止。問題となった個所を差し替えた上で再配信となった。

**評価点
-無料とは思えないクオリティの高さ。上記の背景盗作問題を除けば、主だったバグや不具合もない。シナリオは賛否両論の結果になってしまったが…。
-声優は大物が多く、ビジュアルも(エロゲーの)流行り((お楽しみシーンが肌色一色でのっぺりするのを避ける為か、陰影が濃いのが一般的。普段は薄いが、お楽しみシーンになると突然濃くなる作品もある。又はCGだからとグラデーションを多用する作品も多い。))からは逸れたアニメ塗り((現代はTVアニメも基本的にCGだが、セル画時代と同じ手法を使い、グラデーションはほぼ使わない。逆にエロゲーでもムービーシーンではアニメ塗りだったりする。アニメ塗りで無いと動かすのが大変なのだろう。))なため、やや新鮮に感じることもできる。
----
**総評
エロゲーとしては平均的レベル(むしろまともな部類)の凡作。むしろ無料である点を考慮すれば十分過ぎるクオリティである。このゲームが初めてプレイしたエロゲーになった諸兄も多いのではないだろうか。~
だが無料である事が裏目に出て、普段エロゲをやらない層(超展開に慣れていない層)にまでプレイされ叩かれる事となってしまった。

**余談
-マックスファクトリーの社長であるMAX渡辺氏は、[[こちらのブログのインタビュー>http://blog.livedoor.jp/geek/archives/50996100.html]]にて、この作品の辿った経緯について語っている。
-後にパッケージ版が発売されたが、生産数が少ないためfigma同梱版ともどもプレミアがついている。もっとも無料配布の為、作るほど赤字になるから仕方が無い。
--初期版DVDはグラ差し替えが行われていないため希少価値が付いた。
--figma同梱版に至っては、付属した亜矢のfigmaが初の「裸ワイシャツ」(※パンツははいている)だった為、好きなキャラを裸ワイシャツにする(首を挿げ替える)目的で複数欲しがるfigmaファンもいた。また、2800円という値段はfigmaの平均的価格とほぼ同じなため、ゲーム自体が無料なのは変わらない。
---亜矢も含めたヒロイン5人(制服姿)のfigmaも順次発売された。
---亜矢も含めたヒロイン5人(制服姿)のfigmaも順次発売された。本作品自体、figmaの宣伝目的で無料配布したゲームとも言われている。
//この解釈は、MAX渡辺氏へのインタビュー記事の中で氏自らにより否定されています。
-現在では無料配信は終了している。ただし、コンプティークにて漫画化が決定したため、2011年7/8~7/31までの期間限定で再度無料配信される事になった。 

復元してよろしいですか?