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ダブルリング」を以下のとおり復元します。
*ダブルリング
【だぶるりんぐ】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|PCエンジン|~|
|メディア|?MbitHuカード|~|
|発売元|ナグザット|~|
//|開発元||~|
|発売日|1990年9月28日|~|
|定価|6,300円|~|
|ポイント|地味、だがそれがいい&br()見え辛い敵弾の恐怖&br()グラディウスIIっぽいステージ構造|~|


**概要
-PCエンジン界の主要メーカーの一つ、ナグザット(現・加賀テック)からリリースされたシューティングゲーム。
-説明書やゲーム中のメインタイトル表記は「W Ring」となっているが、タイトルの下隅っこに「THE DOUBLE RING」と表記されている。
-一人プレイ専用、難易度は通常三種類(ビキナー、ノーマル、エキスパート)だがコマンド入力の裏技(下記)にて15種類もの難易度を選ぶ事が可能、全6ステージ(難易度ノーマル以上の最終ステージは二部構成なので実質7ステージ)、周回あり(難易度ビギナーは一周END)。

**主なルール
-十字キーにて自機の移動。使用するボタンはショットボタンとスピード調整ボタンの二つ。
--ショットは前方ショットと落下型ミサイルを同時に行う。他ゲームで例えるならば、グラディウスのショット&ミサイルのそれと酷似している。それ以外の攻撃方法は原則として存在しない。
--オプション項目にて、ショットをオート連射にするか否かの設定が可能。もちろん、連射パッドを使用すればオプションに関係なくオート連射は可能であるが、無理に使用する意味はない。
--スピードボタンを押せば3段階の自機スピード調整が可能。ステージによってはスピードを最大にしないと切り抜けない場所も存在する。また、ミスすると復活後のスピード段階が初期(最低速)に戻るので、その都度切り替えのやり直しをする必要がある。
-下記のパワーアップを1つ以上取得すると、自機の胴体中央付近にリング状のシールドが発生する。これに敵弾を当てると弾を跳ね返す事ができる他、リング体当たりで敵を倒せる。弾幕状態の激戦区においては、この弾跳ね返しを駆使しないとまともにステージをクリアする事もままならないのは必至であろう。
--また、難易度ビギナー限定で常時自機周りにも回転する二つのシールドも付く(パワーアップしなくても付いている)。これらも敵弾跳ね返しと敵を体当たりで倒せる効果がある。
-難易度ノーマル以上のステージ1~5に各1箇所だけ(ステージ5は厳密にいうと2箇所)に存在する「EX」アイテムを取得すると、そのステージ毎に用意されたエクストラステージにワープする。エクストラステージは表ステージに比べボーナスアイテムが多く配置されている事が多く、スコア稼ぎに向いている。
--表ステージ、及びエクストラステージをクリアすると、次の表ステージに進む事となる。エクストラに進んだからといって次ステージもエクストラになるという事はない。また、ボスに関しては表、エクストラに関わらず全く同じである。
-アイテムキャリアーを破壊すると、パワーアップアイテムを落とす(ステージによってはアイテムが放置されている場面もある)。アイテムは時間経過にて色が切り替わり、どの色を取得するかにによってショット性能の効果が変わる。アイテムを連続で取れば最大3段階までパワーアップが可能(装備とは別の色のアイテムでもパワーアップする)。また、下記の「?」アイテムを取得すれば、装備ショットの性能がさらに派生変化する(初期装備も含めると計11種類のショットが存在する事になる)。以下その詳細。
--「マルチウェイ」(桃)…前方ショットが前後斜めに攻撃可能なマルチウェイに変化する。
---「?」取得時はマルチウェイの射程方向が前方に発射され、完全前方集中型になる。
--「レーザー」(青)…前方ショットがすべての敵と弾を貫通し、攻撃力がかなり高いレーザーに変化する。
---「?」取得時はレーザーのグラフィックが若干変わる(性能にあまり差はない)。
--「ミサイル」(黄)…初期のショット&ミサイルに加え、上方向にもミサイルが放たれる。所謂グラディウスでいうところの2WAYミサイルに該当。
---「?」取得時は2方向のミサイルが前方に発射され、完全前方集中型になる。
--「リングビーム」(緑)…前方ショットが攻撃範囲の広いリングビームに変化する。
---「?」取得時はリングビームのグラフィックが若干変わる(性能にあまり差はない)。
--「ジャイロシールド」(赤)…自機回りにトレースするような感じで動く補助オプションが付く。オプション自体は一切のショットを放たないが、敵に触れるとダメージをあたえ、ほとんどの敵弾をかき消す効果がある。
---「?」取得時はオプションが上下斜めに発射され、壁に当たると反射する性能になる(ショット扱い)。
-何もないところをショットで撃ち込むか、あらかじめ配置されているアイテムも存在する。以下その詳細。
--「B」…スコアボーナスが入る。
--「EX」…エクストラステージにワープする(上記参照)。
--「1UP」…その名の通りの1UP。
--「?」…今装備しているショットの性能を派生変化させる。但し、以下の条件で取得すると効果が現れないか、効果消滅してしまう。
---初期装備(非パワーアップ時)でこのアイテムを取得しても全く効果無し。
---このアイテムの効果中に、何かしらのパワーアップアイテムを取得すると効果消滅(すなわち、「?」効果を持続させたければパワーアップを取ってはいけない)。
---ダメージをもらうと効果消滅。
-各アイテムを取得している間は微小の無敵時間が発生する。これを利用しないと、ノーダメージでアイテムが取得できない場面も多々ある。
-難易度ノーマル以上にて全ステージをクリアするとデモシーンの後に、周回によるステージ1から始まる。もちろん、難易度は前周の比にならない程上がる。
--なお、本作にはクリア後のスタッフロールは存在しない。その代わりにタイトル画面にて裏技入力する事によりスタッフリストが表示できる。
-途中復活の残機制で、すべてなくなるとミスとなる。原則として、敵や敵弾はおろか、壁に触れてもダメージなので注意。
--パワーアップ中にダメージをもらうとと初期装備にパワーダウン、かつ「?」アイテムの効果が消え、初期でダメージにて1ミスとなる。

**評価点
-わかりやすい操作で複雑な要素は皆無。PCEシューティングの中でもわかりやすい部類のシステムであり、説明書を読まなくてもすんなり始められる。
-1ステージあたりの構造は短めで、テンポよくさくさく進められる。無駄な間延びはほとんど無い。
-BGMのクオリティはPCエンジンHuカードのソフトの中でも屈指の良さ。オプション項目にてサウンドテストが可能。
-各ステージ、及びボス戦BGMはすべて専用曲で使い回し曲がない(但し最終ステージ後編はボス戦のみで道中BGMは無い)。さらにはエクストラステージの道中BGMも専用曲(一部ステージで使い回しあり)で、本作の曲数は同期のPCエンジンシューティングと比べてもかなり多い部類に入る。
-エクストラステージはステージ構造はもちろんの事、BGMやら背景すらも変化し、実質表ステージとは別物化する。但し、ボス戦は表と全く同じ敵、及びBGMである。
-コマンド入力による裏技がやけに豊富。上記特徴表記のスタッフリストや、強制ステージクリア、ショット強化でスタートなど様々。

**問題点
-とにかく敵弾が見辛い。弾の色が薄い半透明で、よく凝視しないと弾かどうかすら判別するのが困難な程。特に難易度エキスパート以上や周回時は、''その見辛い弾で半ば弾幕化してくる有様''なので、腕前以上に敵弾を判断できる動体視力が求められる。
--弾幕に対抗するには上記特徴に表記した胴体周りシールドによる敵弾反射が重要になってくるのだが、このシールドの当たり判定も若干わかり辛いものとなっている為、多大なる慣れが必要となってくる。
-ミスするとスピードが初期段階に戻り、その都度スピード再調整しなければならない。大きな問題ではないが、微妙に難儀ではある。
-最終ステージ後編は一切のパワーアップアイテムが出現しない為、ミスするとそのまま死亡フラグに直行する可能性もあり得る。

**賛否が分かれそうな点
-ボスに対してレーザー(青)で撃ち込むとほぼ瞬殺可能。これには「あっけなくて拍車抜け」か「さくっと撃沈できる」との意見が分かれるかもしれない。
--ちなみに、レーザーを使用しなければ各ボス共にそれなりの耐久度はある。また、ボスによっては攻撃がかなり激しい場面もあるので、レーザーで進めば必ず安定とは限らない(レーザーは攻撃の隙が大きめな故に、ボス前でダメージを受ける可能性もある)。
-やはりPCEの性能の問題なのか、弾幕化すると処理落ちが激しくなる。しかし敵弾が見え辛い高難易度場面においては、見辛い敵弾がちょっとだけ判別すやすくなる。ハード処理の不備がゲームをプレイしやすくさせているという皮肉さ。
-グラフィックは特別酷いものでもないのだが、同期のPCエンジンソフトに比べると幾分か地味でパッと見で損している印象。自機を含むグラフィックが小ぢんまりとしているのが要因か。
-ゲームデザインがかなりグラディウスIIを意識した内容。
--例えばステージ2はもろにグラIIのエイリアンステージだし、ステージ5に至ってはグラII高速ステージに酷似した構造となっている。またステージ4は『XEXEX』の細胞ステージっぽい((但し、このゲームがリリースされた当時は、XEXEXはまだ稼動していない))。
--ただし、あくまでも似ているのは外見だけで、本作のゲームシステム自体は元ネタとは似て非なる物である。

**総評
-クソゲーか良ゲーかと言われれば、明らかに良ゲーよりのゲームといっていいだろう。見た目が地味ではあるが、意外な位に作り込まれた一作である。
-ただ、問題点にも述べた通り、敵弾の見辛さは頂けなく、せっかくわかりやすく作られたプレイヤー間合いの広さがオミットされているのも事実であろう。
-本作の評価としては、良ゲーに限りなく近い佳作といえる出来だと思われる。

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