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バルーンファイトGB」を以下のとおり復元します。
*バルーンファイトGB
【ばるーんふぁいとじーびー】
|ジャンル|アクション|&image(http://shop.1983.jp/shop/p_image/5999p1.jpg,width=250)|
|対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|パックスソフトニカ|~|
|発売日|2000年7月31日|~|
|定価|3,300円(プリライト版)&br()1.050円(書き換え)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【3DS】2012年8月22日/600円|~|
|ポイント|ニンテンドウパワー専用ソフト&br()見た目から想像できない高難易度|~|

#contents

**概要
80年代にアーケードとファミコンでリリースされた風船割りあいバトルアクションゲーム『[[バルーンファイト]]』のゲームボーイ向けアレンジ作品で、元々は1990年に『Ballon kid』の名前で海外向けにゲームボーイ対応作品として発売されていたもの。諸事情から国内での発売がお蔵入りになっていたものを、2000年代のレトロゲーリバイバルブームに合わせ、ゲームボーイカラー対応版としてリリースしたものである。~
メインのゲームシステムは原作の「バルーントリップモード」に横スクロールアクションゲームの要素を取り入れている。また、発売当時の時代と対応機種に合わせ、画面のカラー化、マップ画面の追加、ステージセレクト機能、セーブ機能が追加されている。

**ストーリー
ペンシルバニアに住むアリスとジムの兄弟は、日がな一日、空にたくさんの風船を浮かべて遊んでいた。しかし、ひょんなことから風船を持ったジムが風にあおられ、遠くに飛ばされてしまったからさあ大変!アリスはジムを探すため、ジムが空に残した風船を手掛かりに、自ら風船を手にたくさんの危険が待ち受けるペンシルバニアの街の外へと、冒険の旅に出かけるのだった。

**ルール
-メインのゲームモードは上記のストーリーに沿って進んでいく「ストーリーモード」。
--システムは前作のGAME C「バルーントリップ」に敵や仕掛けを追加した形式で、横スクロールアクションの要素が取り入れられている。
--Aボタンで手を振り上昇、Bボタンで使っている風船から自分を切り離して落下できる。切り離したばかりの風船に向かってジャンプすることで再び装着することも可能。地上で十字ボタンの下を押すと風船を膨らませることができる。 敵に当たると風船が一つずつ割れ、上昇しにくくなる。場所によっては風船一つの方が操作しやすいこともある。本作では風船をすべて割られても地面に落ちるだけでミス扱いにはならない。もちろん、落下先に床が存在しない場合はミスになる。
--道中にいくつも風船が並んで浮いているが、これはあくまでスコアや残機を稼ぐためのもの(マリオシリーズでいうコイン)なので、アリスが着脱する風船として消費されることはない。取り逃すことなく、20個連続で取得すると次に取り逃すまで浮いている風船が2つセットになる。風船は100個集めると残機が一つ増える。
--道中にはゲームボーイの形をした扉のようなものがあり、触れるとボーナスステージに入れる。前作のボーナスステージと同じく、土管から出てくる風船を割ってスコアを稼ぐ。エリアが狭くなり、土管の数も減ったが画面端が通り抜けできない壁になったため、難易度は原作より高めになった。
--メインの「ストーリーモード」とは別に、地面無し、障害物は雷のみという従来通りのルールの「バルーントリップ」モードと、どちらが先にゴールに到達できるかを競う2人プレイ専用の「バトルモード」が収録されている。

**評価点
-''今作のみの要素「風船を自分から外せる」を生かしたステージ構成''
--横スクロールアクションゲームの要素が取り入れられていることに伴い、フィールド内に歩ける床や障害物が配置されている。歩いた方が楽な道、風船を放したあと細い道をくぐり抜け、突破したら最速で風船を膨らませなければいけない道など。ただし、歩きとジャンプは微調整しにくい上に他のゲームと比べると独特の操作感((ジャンプ中に壁に当たると大きく跳ね返る、ジャンプの高さがとても高く、横に飛ぶと画面の右端から左端に届くほどという風船で浮遊するより機敏な動きをする。))なので、慣性の強い風船と同じくらい難しい操作である。不必要に風船の着脱を繰り返していると膨らませる時間がなくなることも。

-''操作の(ちょっとした)改良''
--前作ではAボタンを押すごとに1回羽ばたいて上昇(連打で微調節)、Bボタンを押しっ放しで自動上昇という操作だったが、今作ではアクションの種類が増えたこともあり、いずれもAボタンに統一された。

-''田中宏和氏によるBGM''
--ステージ中のBGMは前作の「バルーントリップ」の曲をアレンジした内容で、曲数は少ないものの名曲ぞろい。前作でも登場した敵「鳥人間」が現れるときに当時のSEが流れるという遊び心も。

-''絵本のような愛らしい世界観''
--敵はカラスやペンギン、クワガタなど身近なものばかりで、ボスも体格こそ大きいもののかわいらしいデザインである。ラスボスはなかなかの強さを誇るロボットなのだが、まるで公園のゴミ箱に足が生えたような外観である。
--海外で発売された『Ballon kid』のタイトル画面はGB初期のゲームでよく合った、タイトルとちょっとした背景が書いてある程度のシンプルなものだったが、本作では鉛筆やクレヨンで描いたような雲と海の前をたくさんの風船が飛び交うという、爽快感と暖かさが溢れる奇麗な画面に変更されている。

-''セーブができるようになったこと''
--このゲームは全ステージが強制スクロールであるため、やはり時間がかかる。今作でセーブ機能が追加されたことで、ステージクリアごとにゲームを中断できるようになった。

**問題点
-''ボリューム不足''
--本作のステージは8つしかない。ひとつひとつはそれなりに長く感じる。強制スクロールのステージしか無いためクリアに時間はかかるが……。
--このゲームはバッテリーバックアップ非対応のゲームの移植なのでこの長さは適切だと言えるのだが、8年も前のゲームの内容にほとんど手を加えずに発売するのはどうなのだろうか。

-''入手方法が限られている。''
--海外ではパッケージで普通に売られていたものの、日本ではSFC向けのゲーム書き換え販売サービス「ニンテンドウパワー」((ローソンの「ロッピー」という装置を利用したゲームソフトの販売形式。ディスクシステムの書き換えサービスのSFC版といった感じ。))での書き換え販売のみだったため、現在では中古では滅多にお目にかかれず、オークションでも高値で出品されている。
--本作には2人で対戦するモードも用意されているが、上記の通り限定された入手方法、販売期間の短さ、2本ソフトが無いと通信できないというゲームボーイ本体の仕様のため機会に恵まれなかった人も多いだろう。3DSバーチャルコンソール配信ソフトとして気軽に触れられるようにはなったが、GBのバーチャルコンソールは通信機能を再現していないので結局2人プレイは楽しめない。

-''スコアの存在する意味が薄い''
--同じステージを何度も遊べる仕様((移植の際に追加された要素なので、海外版では不可能。))のため、ハイスコアは時間さえかければどこまでも上げられる。そのうえタイトル画面などに''ハイスコアが記録されない''ので、スコアの存在意義がとても薄い。さらにエクステンド((決められた得点を取るごとに残機が増える設定。))は、10万点毎にコンティニューが1回増えるのみ。

-''画面の大きさと比べてキャラが大きい''
--いきなり視界に敵が現れることになるので理不尽な事故が起きやすい。自機の当たり判定も大きく((アリス自身と風船の縦2キャラ分。アリスに敵が当たっても風船は割れないが、どちらに当たっても即死する「雷」が存在する。))、狭い通路がいたる所にあり、障害物が波のように現れる最終ステージやバルーントリップモードで地獄を見ることになる。

**総評
ボリューム不足、理不尽な難易度だと感じる部分があるものの、アクションゲームとしての面白さが光る佳作。制限プレイやハイスコア記録更新など、プレイヤーが自らやり込む余地はほとんど無いが、クリアするだけでも骨が折れるゲームなので満足感は得られるだろう。現在は3DSを持っていれば600円で買えるので、入手の困難さも値段の高さも気にならない。

**余談
-踏むと即死する床(溶岩、とげ)があるが、接触してから1~2フレームの間はその判定を受けないため、リズムよくジャンプすることで生還できることも。このバグを利用することができれば(人間にはまずできない裏技だが)『バルーンファイト』なのに風船をほとんど使わずに攻略できる。

-本作のキャラクターデザインだが、海外版のパッケージ絵のアリスはハッキリ言って&bold(){ブサイク}。国内版ではイラストのみローカライズされ、かわいらしい漫画タッチのイラストに差し替えられている。ある意味、これがなかったらより一層、マイナーな1作と化していたに違いない。

-1992年にファミリーコンピュータ向けソフト『ハローキティワールド』が発売されたが、キャラ自体は違うものの、内容はまるっきり本作と同じ。
--実は、本作の海外版『Ballon kid』をハローキティに差し替えてFCに移植したもの。サンリオの子会社「キャラクターソフト」が開発し任天堂の子会社「株式会社マリオ」が発売元となった。プログラム開発は同じくパックスソフトニカ。任天堂のクレジット表記がないため、これらの事情を何も知らない人から''「よくできたバルーンファイトのパクリ」として認識される''という不運に見舞われるも、遊んだ人々からの評価は高く、今なお名作として挙げる人も存在する。
--その一方、ファンシーなキャラクターから明らかに子供向けの作品にも拘らず、原作譲りの高難易度を引き継いでいるため、''「[[元祖覇王鬼帝>ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123!!]]」''と呼ばれることもある。
--GBより解像度が高くTVの広い画面で遊べるファミコンでリリースされたため、表示される範囲が広く「問題点」に挙げたような事故は起こりにくくなったことが大きな改善点となった。
--背景の木や気球の文字などが『Balloon kid』から変更され、キティの世界観に合ったシンプルな造形になったが、概ね原作を踏襲したデザインになっている。
--一方で、一部の敵キャラのグラフィックが差し替えられている、1P・2Pの交互プレイができる代わりに対戦モードとバルーントリップモードが削除されている、ボーナスステージのBGMがオリジナルの曲になっているなど微妙に相違点もある。
--本作ではステージクリア時の演出が強化されており、その場面に合わせた新規BGMもできた。さらに、エンディング前に軽い会話シーンが追加された。
---開発元のキャラクターソフトは既存のゲームのシステムをそのままに、キャラクターをサンリオキャラに差し替えたキャラゲーを多く制作しており、これもその1作であった。システムの古さを理由に国内でのリリースを見送られた作をキャラ替え移植作として末期のファミコンに出すことを許可された経緯は謎である。

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