「パワプロクンポケット11」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
パワプロクンポケット11」を以下のとおり復元します。
*パワプロクンポケット11
【ぱわぷろくんぽけっとじゅういち/いれぶん】
|ジャンル|野球バラエティ|&amazon(B001GIPGKY)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~|
|開発元|コナミデジタルエンタテインメント(パワプロプロダクション)|~|
|発売日|2008年12月18日|~|
|定価|5,250円|~|
|分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|
|ポイント|主人公に襲い掛かるウザい「魔人」&br()パワポケ世界に襲い掛かる哀れな「神条社長」&br()人を選ぶ彼女候補&br()過去作キャラの同窓会&br()ストーリー自体が賛否両論&br()やりこみ要素が強いが一方でハマる人はハマる裏サクセス|~|
|>|>|CENTER:''[[実況パワフルプロ野球シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1461.html]]''|

#contents()

*概要
-[[本家>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1461.html]]とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきた[[パワプロクンポケットシリーズ>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/409.html]]の12作目(ダッシュ含む)。
-キャッチコピーは『たのしさあふれるプロ野球ゲーム!』
-更に改善された野球パートに対して、お祭り化と暴走化を進める表サクセス。
-裏サクセスは学園モノ+パニックホラーのRPG。

**新要素・変更点
-サクセスに試合を進めて選手を育成する「グッピー」が追加された。
--このモードの調整もあってか本作に「緑髪の人」である博多氏は彼女シナリオには参加していない。
--ただし仲間キャラの柿元兄弟や羽車のイベントは描いており、そちらのシナリオの評価は高い。

-NPB12球団に在籍している実在のプロ野球選手のミニ顔が実写の着帽写真になった。元々は海外版の初搭載の要素である。

-「上下を自動的に合わせて左右だけ自分で操作する」という『ロックオン2』が本作だけ搭載。初心者向けシステム。
--『12』からはフルダケシステムが導入されたためか『ロックオン2』は本作だけのシステムになった。

-カード野球の難易度が非常に上がった。
--ルーレットが非常に早くなって目押しがやりにくくなった。

-Wii用ソフト『[[実況パワフルプロ野球NEXT]]』に選手データをパスワードで送れる。そちらは超特殊能力も対応してる数少ないパワプロである。

-本作は「しあわせ草」がパワポケPで購入できない代わりに「追加イベント」を購入する事が出来る。
--これは今までのパワポケシリーズの伏線・核心を付くイベントだが、本作の賛否両論点の一つである。

**表サクセス『新球団ナマーズ編』

-ストーリー&br()ジャジメントグループの日本支部長・神条紫杏が立ち上げた新球団・ジャジメントナマーズにドラフト下位ながら入団した主人公。そんなある日、キャンプ中先輩選手からもらったランプから魔人が出現。願いを三つと言われ、「1年目に1軍に昇格」「2年目で年俸5000万」「3年目にリーグ優勝」の三つを言うが、逆にそれらを自力で叶えないと死んでしまう呪いをかけられてしまう。さらに魔人も取り憑き、朝昼晩と心休まらない日々になってしまった。&br()死の呪いから逃れるため彼は新人野球選手であるにも関わらず、この困難な条件に立ち向かってゆく。

-各年ごとにクリア条件が用意されており、クリアできなければ魔人の呪いで死亡し、ゲームオーバーになってしまう。
--1年目の条件は『1軍に昇格』。監督評価を一定以上にすればクリアとなる。
--2年目の条件は『年俸5000万』。現実的には不可能な数字だが、契約更改時にインセンティブ契約を持ちかけられればクリアとなる。
--3年目の条件は『優勝』。リーグ優勝かクライマックスシリーズ優勝でクリアだが、ある方法で魔人を封印してもクリアとなる。

-過去作からの再登場が多いプロ野球編だが、本作はその中でも特に再登場キャラが多い。
--所属球団の「ジャジメントナマーズ」(以下ナマーズ)ではプロ野球編ではおなじみの『水木』『古沢』が監督として登場するほか、『7』の『東』や『10』の『官取』など過去の高校編の仲間キャラが再登場する。
---ライバル球団である「大神ホッパーズ」(以下ホッパーズ)からトレードされる『天道』『アキラ』『小角』なども再登場キャラである。
---過去作ではモブキャラだった『狩村』『木村』が顔つきで登場。特に狩村は本作の中でも重要な位置づけにあるキャラで、主人公の行動次第で結末が変わる。
---「ナマーズ」の社長である『神条 紫杏』は『10』では彼女候補の一人であり、「ホッパーズ」の社長である『大神 博之』は過去作のプロ野球編の主力投手だった。
--過去作では味方だった『湯田』『諸星』はホッパーズの選手として再登場。諸星はホッパーズの主力選手として成長を遂げており、駄目監督に振り回されながらも大人の対応を示す。『5』の問題児だった時期や『8』の重要人物・石中学との友情を踏まえると彼の成長も熱い。
---『10』では仲間だった「越後」もホッパーズの選手として登場。追加イベントを購入すると見れる一連のランダムイベントの発生率はかなり低く、全部見ることができたプレイヤーは少ないだろう。
--彼女シナリオについても過去作からの登場キャラが多く、彼女候補である『倉刈 日出子』『浜野 朱里』は過去作にも登場している。
--他のサブキャラについても過去作からの続投が多い。

*賛否両論点

**表サクセス

***主人公を執拗に妨害する「魔人」
-『本作(11)主人公の物語』にとって最大の壁が「魔人(ジン)」である。
--元々は『[[8>パワプロクンポケット8]]』のペナントに出てきた魔人を元ネタにしていると思われるが、本作では''非常にウザい。''
--元々「願いを叶えろ」と言われて「死ぬ気で努力して自分で叶えろマジン。叶えられなければ死ねマジン」とか言い出すあたり完全に詐欺師そのものなのだが、その上で執拗な妨害を続けてくる。

-「体力とやる気を削ぐ」のは基本。「マイナスアイテムを押し付けてくる」「カゼをひかせたり不眠症にしたりする」「箱の山を崩したり階段から突き落として打ち身・腰痛にしてくる」「練習場で嫌がらせをして仲間評価・監督評価を下げる」「カレーを食わせて胃痛にしてくる」etc
--&bold(){魔人に電話をした月はランダムイベントが発生しなくなる}ので、月の1週目に電話をかければ被害を抑えられるのだが、その分練習や彼女攻略に割くターンがなくなる。
--電話をして好感度を上げるとプラスイベントも発生するようになる。だが''好感度を上げきっても完全にマイナスイベントを無くす事は出来ない。''
--そのウザさは『[[3>パワプロクンポケット3]]』の亀田や『[[10>パワプロクンポケット10]]』の北乃先輩が引き合いにされるほど。
---確実に防ぐ方法があるだけ前の2人よりはマシではあるが・・・。

-その上、「主人公と一部のキャラ(彼女候補の魔人娘「シズヤ」と、サブキャラのヒーロー「真央」くらい)にしか見えない」という設定のせいで、主人公が一人で抱える問題になってしまっている。
--終盤に「ジャジメントナマーズの存続」が話の主軸に食い込んでくるが、魔人とほとんどつながりがない。
--このため仲間の消滅や廃人化も含めて立ち向かった『[[4>パワプロクンポケット4]]』の呪いや『[[7>パワプロクンポケット7]]』のヒーローよりも解決した時の達成感がないという意見もある。
--裏社会に関わる神条紫杏や浜野朱里にすら見えない。ただし紫杏のイベントで見えない事を利用したセクハライベントがあったり、朱里シナリオでは敵の超能力者との戦いで結果的に主人公を援護する事が少しだけあったりする。
---また最後はミニゲームで撃退する事も出来る。亀田殴り合いではなくタッチペンを使ったSTGなのだが。

-基本的に彼女キャラで魔人の存在が深く関わるのは「魔人を倒してほしい」という主人公の願いで具現化したシズヤのルートくらい。
--またシズヤルートでも「シズヤとばかりイチャついて自分に構ってくれない事に嫉妬した魔人が、シズヤの生命力を削って殺そうとする」などワガママ妨害し放題。
---一応、魔人はシズヤにも友情を感じていることから、弱っていくシズヤを見て罪悪感を覚える姿は見せるのだが……。
---シズヤルートでは魔人をミニゲームで撃破し、彼の協力を得ることで大幅にハッピーエンドの可能性が上がる。条件を満たせば魔人戦に挑む前にシズヤが魔法で援護してくれるなど熱い展開もある。
---また「魔人END」もある。人間の欲深さへの批判も込めているが、主人公との絆もあって200年後までに別の方法を考える事になる。
---彼のエンディングでは主人公との友情も明確に感じられ、決して後味が悪いオチではない。

-だがそれを差し引いてもあまりにもウザすぎるため、本作を何度もプレイする気力が起きないという意見も根強い。
--頻発するマイナスイベントを耐えきるのはストレスが溜まる。

***地雷多めの「彼女候補」
-本作の彼女候補のぶっちゃけ半数以上が「地雷」要素の強いキャラとされている。
--前作の彼女候補が概ね好評であったため、特に落差が激しい。

#region
--「室町しのぶ」はナマーズパークのマスコット・ズーコの中の人として働いている。だが交流を始めてすぐに「付き合ってほしい」と頼まれるが、そこで彼女にすると最後の最後で''主人公を捨ててイケメンのナマピー先輩に乗り換える。''
---彼女にするのを後で考える選択肢を取ってから好感度を上げると、主人公を選んで結ばれる……だが''ストーリーの流れは中盤で付き合った場合とあまり変わらない。''
---ちなみにナマピー先輩は決してNTRる気で接してるわけではなく、むしろ主人公としのぶの関係にアドバイスしていただけなのだが勝手にしのぶがなびいていく流れになる。
---なおこのナマピー先輩は「村山」という人物であり、『6』のマザコン村山君ではないかと言われ、成長したと評価される声もある。むしろ中盤の選択肢次第で特に理由もなく主人公を捨てるしのぶに問題があるといわれる。
---グッドエンド単体で見れば特に問題はないのだが、バッドエンドを見た後に見るともやもやすることだろう。

--「真島涼子(まじまりょうこ)」は''ストーカー''。痩せてると可愛いのだが思考回路がちょっと行き過ぎている。その上、食べ過ぎると太る体質。料理は上手く弁当の差し入れをしてくれるのだが''汚部屋生活をしているせいで彼女の弁当を食べた主人公は何度も食中毒にあう''
---終盤、絶対に太らない代わりに主人公は日本一になるという約束をして一時別れるが、その後に日本一になれないと逆恨みして付きまとい続ける。日本一になると太らなくなって結ばれるが''汚部屋生活は解決されず、主人公は彼女の部屋を片付け続ける''というオチがつく。
---一部のイベントにランダム要素がある、グッドEDの条件が日本一になることであるなど攻略難度が高い割にいまいち恩恵が薄い。
---野球超人伝がもらえるのはありがたいが、好感度の条件がかなり厳しくラブダイナミクスを用意するか大半をデートに費やさないと間に合わない。

--「武内華音(たけうちかのん)」はわがままな三流ライター。とにかくやる気を削ぐ言動と行動を行い、グッドENDでも「''ナマーズの暴露ネタを本にして華音は幸せになるけど、主人公はかつての仲間達から憎まれる(最後とはいえ仲間評価と監督評価がゼロまで下がる)''」という酷いオチ。
---義姉に『10』からサブレギュラーで登場するミーナが居て、「むしろミーナを攻略させろ」という声も多かった。「ルチアに正義感を増幅されて華音を殺すミーナ」という没ネタに対しても「''煮るなり焼くなり好きにしてください''」という意見もアンサイクロペティアのページにはある。
---ミーナとの和解イベントは用意されているが、&bold(){エンディングの分岐には全く影響しない}。
---また彼女を攻略するとマイナス得能が確実につく。回避する術はない。そこも地雷キャラ扱いされる所以である。

--「倉刈日出子(くらがりひでこ)」は『[[5>パワプロクンポケット5]]』以来、久々の彼女キャラとしての登場。医者になっており上記の3名に比べると性格は良い。
---だが彼女のルートは事実上、『[[6>パワプロクンポケット6]]』のしあわせ島での生活で麻薬漬けにされ記憶喪失になってホームレス化していた父親・仁志の救済話でもある。バッドエンドだと''倉刈さんが死ぬ。''ハッピーエンドでは''倉刈さんが救われる。''弟の「明」がホッパーズからナマーズにトレードされることが攻略の必須条件でもあるせいか、むしろ''倉刈一家ルート''である。

--「シズヤ」はドジっ子の魔人娘。主人公の願いによって生み出され、彼を手助けするために尽くす古風な喋り方をする人物。「術レベル」と「生命力」という独自のパラメータがあり、ハッピーエンドには「術レベル」を鍛える必要があるが「生命力」がゼロになると消滅してしまう。生命力を上げる方法はないため慎重さが必要になる。
---魔人を打ち倒すために主人公に望まれて生み出された存在であるせいか、本作の二つの本筋の内「魔人」に深く関わる彼女キャラ。敵対はしているが奇妙な友情も生まれており、シズヤと結ばれるには魔人の協力があると確実性が増す。
---術による失敗は多いモノのその都度主人公に罪悪感を覚えており、またそもそも魔人の方が酷いせいか嫌な印象は受けない。そのため本作でもマトモな彼女キャラの一人であると言われる。
---本作では未熟なキャラの印象が強いが、裏サクセスでは強キャラとしての印象が強い。主人公と同ライターヒロイン(イーベル・レン)に助力したりラスボスよりも強い隠しボス的な存在になったりする。『14』の表サクセスでも本作のシズヤと知識を共有した別個体が天月さやかのシナリオに関わったりする。

--「浜野朱里(はまのあかり)」は『10』でカズ・紫杏のシナリオに関わった(そして彼女らを裏社会に引きずり込む事になってしまった)アンドロイド。前作では悪役寄りのキャラ付けだったが、カズと共に逃げ出し真央に接触したものの方針が合わず一人でレジスタンス活動を行っている。カズには10主人公と引き離してしまった事に罪悪感を覚えている。
---前作に比べると民間人を巻き込む事を是としない傾向が強くなっており、戦闘力的にも旧式になりつつある状況に追い込まれてるのかしおらしくなる。ある種のツンデレでもある。
---彼女のルートではカズや真央が協力者として関わるほか、ジャジメントの超能力者達との時間制限つき選択肢テキストバトルがやたら多くなっている。
---敵の超能力者「デスマス」は『ダッシュ』の登場人物である「にのみや」の死に深く影響を受ける展開があって人気は高く、『12裏』で仲間キャラとして再登場する。
---本作の二つの本筋の内「紫杏」に深く関わる人物。終盤では紫杏の野望によって主人公との思い出も含めた記憶を抜き取られてしまうが、その後にどうなるかは紫杏の側近である甲斐の「ロマン」を求めた行動によって変わる。その結末は多岐に分岐する。
---攻略本で「真のハッピーエンド」と呼称されるエンディングは、お互いに記憶を失った主人公と朱里が再び巡り合って交際を続ける希望を甲斐達が見守るというモノ。『14』で朱里が再登場した際もこのエンディングを通った節があり、サイボーグとしての記憶を失った上で結婚間近である事が語られた。
#endregion

-統合すると、地雷扱いされる彼女キャラが多いとも言われがちな一作。
--「グッドエンドがグッドエンドに見えない」というのが主な理由に挙げられる。
---「魔人」に関わるシズヤ・「紫杏」とヒーロー・裏社会に関わる朱里のシナリオが本作ではマシとされている。後は日出子が居るくらい。
---2人とも普通の人間ではないのだが、自分の行いで主人公や他人に迷惑をかけたらそのことで反省する描写がちゃんとある事も大きいのかもしれない。
--また、本作の彼女は攻略の進め方が特殊になっているものが多く、グッドエンドのフラグがわかりにくい。
---超特殊能力の取得もラブダイナミクスの用意が必須と言われるぐらい難易度が高い。

***一部の再登場キャラの扱い
-再登場キャラが多いというのは前述のとおりだが、ネタ度が上がったり悲惨な結末を迎えるキャラがいる。

--『官取』は一部の人にアニキと慕われる鬼鮫コーチに目を付けられる。『10』の頃から元々嘘つきだったが本作では『''ホモは嘘つき''』を具現化する存在になり、''鬼鮫コーチと一緒に主人公に襲い掛かって3Pで「ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤ(み~みみみみ~)」を仕掛けてくる。''
--『東』は『7』の頃から傾向はあったが、本作では「やたらケガをする人」扱いされている。あまりのケガっぷりからシリーズ常連の出て来て怪我をする外人アルベルトと同列に扱われファンからは『[[スペランカー先輩>スペランカー]]』と呼ばれている。
---『7』で彼女候補の一人だった『倉見 春香』も東の後輩としてイベントで登場。相変わらずの「○><」っぷりが可愛らしく、主人公の誕生日にプレゼントをくれたりするぐうの音も出ない聖女。癖が強すぎる本作候補の彼女キャラよりも可愛いという意見もあり、本作で数少ない株の上がったキャラ。
--『天道』は『10』で10主人公に負けた事を引きずって迷走して''ハゲる''。「子供の作り方がわからない」というネタでCEROに引っかかりそうな発言をして夢オチになっている。
---この頃の10主人公は正史だと五十鈴と結婚してさやかをもうけてるはずなので、その辺のライバル心もあるのかもしれない。
---アルバムでは当時の彼女である若菜から見捨てられてない事が判明し、彼の救いになっている。
--『アキラ』はパワーアップイベントで多額の借金を背負うことになり、父親と同じ悲惨な結末を迎えてしまう。
---姉が彼女候補の一人になっており、こちらのグッドエンドでは少し救われる結末になっている。
--『2』では期待の新人スター選手としてライバルキャラとして立ちはだかった『小角』は本作では落ちぶれて登場する。
---しかし、パワーアップイベントでは主人公の激励を受けてやる気を取り戻す。
--『2』の彼女候補キャラ「愛」も再登場するが変わり果てて太ったおばちゃんと化し、しかも当時コーチだった槌田と結婚しながら水木と不倫していたネタの帰着など当時のファンから見ると厳しい現在を辿っている。

--そして本作での扱いで最も賛否両論となっているのが、本作のストーリーに深く関わっている「ナマーズ」のオーナーである&bold(){『神条 紫杏』}である。

#region
---紫杏は元は『10』の彼女候補キャラなのだが、本作では''BADエンドルートを通ってしまった後''である。
---『10』の紫杏BADエンドは「ジャジメントに英才教育すべく紫杏を連れ去ろうとした浜野朱里とルッカに対し、主人公とカズ(大江和那)が立ち向かうモノの紫杏を止められず彼女はジャジメントの教育を受けて、''世界を破滅させる哀れな独裁者になる''」というモノ。
---グッドエンドルートでなければ今の状況になることはあり得るので、必ずしもバッドエンドルートを通った後とは言えないが、少なくとも10主人公との交流があったことは示唆されている。

--追加イベントを購入してプレイすると彼女の末路を知ることができ、普通に進めれば「ツナミグループ」を作って罪悪感に苛まれながらも世界を独裁するという結末になる。
--ある条件を満たすと「紫杏ルート」になり友好を結ぶことが出来るのだが、&bold(){ルッカによって暗殺されてしまう}。
---倉刈一家と並んで「''再登場したせいで不幸になった人物''」と言えよう。しかも彼らよりも救いがない。
--表サクセスの登録選手数を15人以上にしてノーマルルートでクリアするとシリーズ全体の裏事情が明かされ、ツナミグループ設立の理由も明かされるようになる。
---本作では救いのなかった彼女だが、シリーズ最終作である『14』の最後でその目的が果たされ報われることになる。

-本作の主人公が抱える「魔人」が前述のように「主人公と一部彼女(シズヤ)の問題でしかない」ため、本作を取り巻く情勢として紫杏はかなり出張る。それこそ主人公を乗っ取りかねないくらいに。
--''本作のストーリーの問題点は「魔人に脅かされる主人公」と「紫杏を中心としたジャジメント・大神・ヒーローの裏抗争」が完全に分離してしまっている''事も大きい。魔人を倒して達成感がないといわれる所以でもある。

-一応、紫杏の在り方を擁護すると「''パワポケの歴代プロ野球のオーナーの中では、恐らく一番選手に親身な社長''」という事だろうか。
--モグラーズ・ホッパーズのオーナーだった任月と大神父に比べると選手に対して親身に接する。本作は系統が違う新球団ナマーズである事や本作の「評価が足りなかったらゲームオーバーに追い込む係」を魔人が請け負ってる事もあるかもしれないが。
--本作の主人公から見た「神条社長」は自分と同世代ながらやり手で話の分かるいい社長であり、二年目の『年棒5000万円』の条件に対しても飲み込めないまま何かしら事情があるのを察して取り計らってくれたりもする。
--スランプに陥った狩村の件で相談したら水をかけながらも激励して彼が引退試合でノーヒットノーランを成し遂げた時には喜んだり、水木の浮気を知りつつも黙認してやったり、芦沼が実力を発揮できるようほぼ三文でホッパーズにトレードしてやるなど、球団運営はあくまで片手間ながらも選手には親身に接している姿はそれなりに描かれている。
--大神の息子の博之は、ナマーズが日本一を取った光景を見た紫杏が「私には眩しすぎる光景」と寂しそうに呟いて去るのを見て「あんたはパパとは違う」という事を察している。
---朱里ルートでは主人公がジャジメントの裏の姿を教え込まれて結果的に紫杏の手の者と戦う事になるものの、紫杏と朱里、カズが親切高校時代の友人という事もあって複雑な人間関係を醸し出している。
---朱里ルートのクライマックスでは目的のために朱里の中に眠る記憶を取り出す非情な姿を見せるが、側近の甲斐が記憶を抜き取られた朱里の処置をどうするかは黙認している。甲斐のロマンを求める行動が朱里とのハッピーエンドのカギを握っている。

-新規層からは「碌でもない女」扱いされかねない行動も十分取っており、人によっては畜生キャラ扱いする人も居る。
-初登場作品から次作品にまで出張った事から、カズと並んで「''パワポケ衰退の戦犯''」として扱われる事も多い。
-かといって「''BADエンドが正史で、しかも殺されるためだけにルートを作られた''」という行為は元の紫杏ファンからも受け入れられる事ではない。
-紫杏を殺したルッカは紫杏ファンから嫌われている。またルッカは紫杏への挑発のために無関係の狩村や託児所の子供達も殺してるためそれを許せないという意見もある。
--後のルッカは本作が絶頂期と言わんばかりに後の作品では、ただ「''悪い奴ほど死なず生き残る''」という皮肉を体現するためだけにスタッフに惨めに生かされ続け最後はただのテロリスト扱いされ遂に警察に逮捕されるのだが。

-ちなみに紫杏は本作の裏サクセスでも、『10』に近い立ち位置の「委員長」として登場。そちらではキャラの名前が「委員長」として参戦。
--キャラ的には表と同じく『演じる才能』を生かして黒幕に大立ち回りをする事も多く、ストーリー的にも優遇されている。

-『決して報われない結末』という点から『ダッシュ』のキャラと絡む事が多い。
--過去に『ダッシュ』の桜の精霊である「モモコ」と出会って人生観に影響を受けた事が本作の紫杏のアルバムで判明。切ないものとなっている。
--『12』の裏サクセスでは「メモリー(わん子を元にしたキャラ)」に懐かれている。
--モモコもわん子も「主人公と結ばれなかったヒロイン」であり、本作で主人公と結ばれなかったルートが正史にされてしまった紫杏との共通項もある。

-実質、紫杏は「''本作のストーリーにおける真の主人公''」のような扱いを受けてる事が賛否両論になった。主人公から見ればいい社長なのだが主人公の物語と殆ど関わらない事も大きい。
--ただし前述のように「''ナマーズのオーナーとしての神条社長''」は友人だったらしい『10』主人公の影響もあってか、彼女なりに真筆に球団運営に取り組みナマーズ選手にも親身に接している事は確かである。
#endregion

-統括して見ると本作はパワポケの中でも「''再登場しない方がマシ''」な扱いを受けているキャラが多い。
--本作で株を上げたキャラは『7』の春香、しのぶルートでカッコいいナマピー先輩の中の人と思われる『6』の村山くん、当初は頼りなかったものの主人公や水木達に支えられ監督としての成長を見せる古沢、『10』の頃より可愛げを増して攻略キャラになった朱里くらいだろう。
--不幸になる新属性が増えた継続キャラが多い事、新規ファンお断りなノリでもある事に加えて魔人システムの面倒くささもあってストーリーそのものをつまらないと断ずる意見も少なくない。

-ただし「ホッパーズ」の主力選手・首脳陣を引き抜いた「ナマーズ」というシチュエーション自体はパワポケのプロ野球編から追いかけてみると熱いモノはある。
--ナマーズとホッパーズはライバル関係であり試合は熱い。
--モブ選手はジャジメント繋がりで『9』の「キングコブラーズ」のメンバーが多く、少し弱体化しつつも「スミス」「星野」「バルソー」などは本作では頼りになる仲間として使える。
--ネタキャラ化したとはいえ『7』では頼れる先輩だった東や『10』でのライバルキャラだった天道が仲間になったりする展開などは燃えるシチュエーションといえるだろう。
--ホッパーズとナマーズによる両社での大型トレードの駆け引きなどもパワポケオリジナル球団が2つある故に出来る展開であり、狩村と仲たがいをしていた芦沼がホッパーズにトレードされて本気を出したり、両球団に所属している柿元兄弟がトレードされたりなどの展開は本作だから出来る展開と言えるだろう。
---その分、実在のプロ球団が空気気味ではあるのだが。
--主人公はやや空気気味ながらも、魔人のせいで命を賭けてる事もあってか「3年目にリーグ優勝する事」への熱意は強く、ベテランコーチ陣やトレードされてきた仲間達といった新旧メンバーを巻き込んでいく展開は見所はある。

-なお『1』の亀田から今までパワポケシリーズでは「メガネ一族」が相棒キャラを務めていたが、『12』の開田はプロローグで行方不明、『13』の餅田はライバルの一人、『14』では山田・落田・湯田が主人公の義父となっており、現在では本作の具田が「主人公の相棒メガネ」としては最後のメガネになっている。
--本作の具田は基本的にはいい奴なのだが、マヨネーズを好むマヨラーであり「ステーキはすてーき(素敵)でやんす」と何度も言いながら朝にステーキに食べてる主人公に対し、無理やりステーキにマヨネーズをかけて胃炎にしてくるイベントの悪印象が強い。

***CPUが先発要員の投手を中継ぎ・リリーフで起用してくれない。
--このため具田、羽車、天道、狩村といった主人公の仲間キャラも、以前の作品で強敵として立ちはだかったバルソー・大北といったキャラもなかなか使ってくれない。
--監督評価を上げきれば采配を主人公に丸投げしてくれるのだが、せっかくの『9』『10』のライバルキャラを自分で使えるシチュエーションがあまり生きていない。
---しかもクライマックスシリーズ以降の試合は必ず監督が采配を取るようになる。ストーリー的には頼りなかった古沢監督が頼れる監督に成長するという熱いイベントなのだが、ゲームとしてはやりづらくなってしまっている。

*評価点

**裏サクセス「怪奇!ハタ人間編」
-ストーリー&br()中学生達が、宇宙人に洗脳された人々がうろつく街で脱出を目指す、学園物サバイバルRPG。

-『10』からRPG要素が強まってきた裏サクセスだが、本作からより遊びやすく進化した。
--宇宙人によって倫理観を壊され操られる「ハタ人間」との戦いは、ゾンビモノを彷彿とさせるパニックホラー風味。カニバリズムの要素もありホラー要素も多い。
--だが仲間達は「大人」を除けばみんな中学生。原作で高校生だったキャラは勿論、小学生だったキャラ(るりか)も成人扱いされてるキャラ(白瀬・エリ)もみんな中学生の同級生であり、そういったシチュエーション自体が評価されている。
--中学生の主人公はパライソタウンで仲間達を救出してハタ人間に戦いを挑むのだが、条件を満たさなければ仲間になる前にハタ人間として操られてしまい仲間に出来なくなる。
--しかし上手くやれば全員仲間にすることが出来る。やりこみ要素が大きい。
---なお本作の主人公が中学生なのは極限状態で男女が一緒になっても間違いが起こらないようにするため。
---余談だが本作のマイナーチェンジともいえる『12』裏は成人男性が主人公のせいか、妊娠するヒロインキャラが2人も居る(しかもそのアルバムは両立する)

-ゴキブリがリアル。
-本作のカメダはハタ人間として黒幕に利用されるだけの被害者キャラ。アジトに殴り込みをかけるイベントではガンダーロボも主人公達に奪われてしまう。
--完全に黒幕としての凋落を迎えており、以後の裏サクセスでも毎回碌な目に合わなくなる。今までやらかした事を考えると同情の余地はないが。

-ストーリーは2章構成。
--第1章は10日間に仲間を救出してラスボスを倒すか、アジトに殴り込みをかければクリア。
--第2章は100階仕立てのランダム構成。こちらは永遠に遊べる。第2章のラスボスは著作権的に『[[あれ>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%82%B9]]』 でもKONAMIオリジナルキャラである……はず。

-レベルアップで得られる「スキル」がランダムで粘り要素がある。ここで廃人ゲームとも言われている。

-「パワポケオールスターでの夢の学園生活」の雰囲気は評価は高く、やりこみ要素の多いバランスも含めて本作を裏サクセス最高傑作に挙げる声もある。
--『12』の裏サクセスはマイナーチェンジながらダークファンタジー寄り、『13』の裏サクセスはペナルティの軟化によるシステムの変化と独自の進化を遂げており、こちらも評価は高い。
--表サクセスより裏サクセスを評価するプレイヤーも少なくない。

**試合進行型育成モード「グッピー」
-新モード。「パワプロ99」の冥球島を初めとした試合のみで育成するモードのパワポケ版。
--選手の初期能力がかなり低い「グッピーズ」で戦いを挑み、試合を勝ち抜いてステータスを上げていく。選手名は毎回ランダム。
--強い選手を作れる代わりに難易度が高い「通常勝負」とイニングと最大試合数が少ない「ギリギリ勝負」がある。
--負けた時点で育成終了。3回以上勝てばその時点で負けても選手登録は可能。

-以後のシリーズでは「ロックオン」「フルダケ」などを使う事は出来るが、本作では「かけごえ」の有無しか設定できずマニュアルオンリーで勝ち進まなければいけない。上級者向けのモード。

-難易度は高いのだが、野球をするだけのモードとしては歯ごたえがあり、以後のパワポケでも標準搭載されるモードとなる(『14』では進化版のトツゲキ甲子園となる)

*総評
-とにかく表シナリオの賛否両論が目立つ一作。
--「ホッパーズ(旧モグラーズ)から主要メンバーが引き抜かれて作られたナマーズ」による球団再編の空気感を評価する意見もあるものの、魔人のウザさと「野球なんてどうでもいい人々」の異能バトルの暴走っぷりが裏目に出てしまって反発意見も強くなってしまった。
--少なくとも『10』で増えた新規層は、本作以降抜けて行ったらしく『12』と共にパワポケから離れるファンを続出させた。
---『12』と並んで未だに「シリーズ迷走期」として挙げる声も大きい問題作でもある。

-一方で裏サクセスは好評。
--元から裏サクセスの方が選手を作りやすい側面はあったが、本作は特に裏を評価する意見が根強い。

復元してよろしいですか?