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THE KING OF FIGHTERS '98 DREAM MATCH NEVER ENDS」を以下のとおり復元します。
*THE KING OF FIGHTERS '98 DREAM MATCH NEVER ENDS
【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃえいと どりーむ まっち ねばー えんず】
|ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&image(562643_5688_front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3279&file=562643_5688_front.jpg]]&br()[[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3279&file=562643_5688_back.jpg]]|
|対応機種|アーケード(MVS)&br()ネオジオ・ネオジオCD|~|
|発売・開発元|SNK|~|
|稼働開始日|1998年7月23日|~|
|発売日|【NG】1998年9月28日&br()【NGCD】1998年12月23日|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|配信|アーケードアーカイブス&br;【Switch】2017年3月3日/823円(税8%込)&br;【PS4】2018年1月11日/842円(税8%込)&br;【One】2018年1月11日/823円(税8%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|歴代最高数のキャラとバランス|~|
|>|>|CENTER:''[[THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]''|

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#contents(fromhere)
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**概要
-SNKを代表する対戦格闘ゲームの第5弾。通称''98''(きゅうはち)。また本作でシリーズで初めてサブタイトルが冠された。
-「オロチ編」と呼ばれるストーリーが『[['97>THE KING OF FIGHTERS '97]]』で完結したことを受け、~
本作は特別編として初代『[['94>THE KING OF FIGHTERS '94]]』の「格闘の祭典」「オールスターゲーム」としての方向性をさらに推し進めた作風となった。それに伴い、ストーリー性は皆無となっている。

**特徴
-KOFの代名詞、''3人1組のチームバトル''
--3人のキャラクターを選んでチームを組み、勝ち抜き式の対戦を行う。
--ラウンドが終了するごとに勝者側には残りタイムに比例する体力回復、敗者側にはパワーゲージ面のアドバンテージが与えられる。
--勝敗に影響することは少ないが、背景に待機している控えメンバーが「援護攻撃」を行える場合もある。

#region(close,キャラ一覧)
-デフォルト12チーム+エディット専用2人+裏キャラ12人+ラスボス1人
--主人公チーム:草薙京 二階堂紅丸 大門五郎
--餓狼伝説チーム:テリー・ボガード アンディ・ボガード ジョー東
--龍虎の拳チーム:リョウ・サカザキ ロバート・ガルシア ユリ・サカザキ
--怒チーム:レオナ・ハイデルン ラルフ・ジョーンズ クラーク・スティル
--サイコソルジャーチーム:麻宮アテナ 椎拳崇 鎮元斎
--女性格闘家チーム:神楽ちづる 不知火舞 キング
--キムチーム:キム・カッファン チャン・コーハン チョイ・ボンゲ
--オロチチーム:七枷社 シェルミー クリス
--'97スペシャルチーム:ブルー・マリー ビリー・カーン 山崎竜二
--八神チーム:八神庵 マチュア バイス
--おやじチーム:ハイデルン タクマ・サカザキ 草薙柴舟
--アメリカンスポーツチーム:ヘビィ・D! ラッキー・グローバー ブライアン・バトラー
--エディット専用:ルガール・バーンシュタイン
--乱入キャラ(エディット専用):矢吹真吾
--裏キャラ(隠しキャラ((複雑なコマンドを入力する必要は無く、裏キャラが存在するキャラにカーソルを合わせてスタートボタンを押しながら選択することで使用可能になる。家庭用は更にルガールの裏キャラとしてオメガ・ルガールも使用可能になる。))):裏テリー 裏アンディ 裏ジョー 裏リョウ 裏ロバート 裏ユリ 裏舞 裏ビリー 乾いた大地の社 荒れ狂う稲光のシェルミー 炎のさだめのクリス '95草薙京
--ラスボス(家庭用のみ使用可):オメガ・ルガール
#endregion()

システムが異なる2つのモード
-''ADVANCEDモード(ADV)''
--ストックが可能なパワーゲージを持つ。メインの溜め方は攻撃を相手に当てること。必殺技に至っては出すだけでもゲージが溜まる。相手の攻撃をガードしたり投げ以外の攻撃を喰らっても一応溜まるが微弱程度。
--ゲージストック数は1人目は最大3本だが、1人敗北するごとに1ストック拡張され、3人目は最大5本までストック可能。この形式は多くの続編にも引き継がれることになった。
--ゲージ1本消費で超必殺技、ガードキャンセル、パワーMAX発動の使用が可能。
---MAX発動中はゲージが溜まらないが攻撃力が上昇し、超必殺技がMAX超必殺技になる。ただし『'97』と違い、超必殺技を使った時点でMAX状態は終了する。
--前方ダッシュは「ラン」タイプ、回避動作は前方or後方に短距離移動する「緊急回避」。全体的に小回りの利いた立ち回りが可能で、安定感がある。
-''EXTRAモード(EX)''
--「パワー溜め動作」か相手の攻撃を受ける(ガード/喰らう問わず)ことでしかゲージが溜まらないが、ゲージが満タンになると自動的にパワーMAX状態に移行する。
--本作では自チームの1人が敗北するごとに、ゲージの長さが短くなるアドバンテージを得られる。3人目はかなり短くなり、作中で最もMAXになりやすい。
--EX同士の対戦限定で、挑発によって相手のパワーゲージを減らす仕様が復活。
---残り体力が1/4以下になると超必殺技が使い放題になり、このときはパワーMAX中の間にMAX超必殺技が使える。
--前方ダッシュは「(フロント)ステップ」タイプ、回避動作はその場で避ける「攻撃避け」。
---ステップ中は空中判定。前作と異なり今作では空中特殊技と空中必殺技をステップ中に出せる。~
また、前作では削除されていた、攻撃避けから出せる専用の派生技である「カウンター攻撃」が復活。ただし出した瞬間から攻撃避けの無敵時間も終了する。
--動作中に空中特殊技や空中必殺技を出せるステップと、攻撃避けやそこから専用の派生技「カウンター攻撃」などを駆使した、トリッキーな立ち回りが可能だが、投げ外しができないなど安定感に欠ける。
---ただしこれでも前作よりは強化されている(前作ではステップ中に空中で出せる特殊技も必殺技も一切出せない上に攻撃避けからカウンター攻撃も出せず、さらにADVモードと違って中ジャンプができないなど、明らかに冷遇されていたモードであった)。
--ちなみにCPUはこのモードを一切使用しない。

共通システム
-ふっとばし攻撃
--CD同時押しで出る強力な攻撃。出が遅い代わりに判定が強く、当たるとダウンを奪える。
-大ジャンプ、中ジャンプ、小ジャンプ
--細かいレバー操作により多彩なジャンプを使い分けることができ、スピーディーな攻防が行われる。前作と異なりどのモードでも全種類のジャンプを使用可能。
-空中ガード
--一部の垂直ジャンプや後方ジャンプ中のみ可能。ただし空中ガードできる技は限られ、ジャンプ離陸直後はガード不能状態。

CPU戦について
-前作までのCPU戦はゲーム開始時にデフォルトチーム中心かエディットチーム中心のどちらかのルートにランダムに決定されていたが、本作ではデフォルトチームルートに固定されている。
--CPU戦の仕様変更によりエディット専用キャラクターは通常の対戦カードでは出現しなくなったものの、ゲーム内で条件を満たすことによってエディット専用キャラクターが乱入してくる様になった((前作『'97』の暴走庵&覚醒レオナは建前上では乱入キャラクターだが「通常戦を全て勝ち抜いた後で必ず対決することになる」「倒さなければ先に進めない」という仕様から、実質中ボスとして扱われていた。))。
--6ステージ+ボス(オメガ・ルガール)という構成だが、5ステージまでは前作に登場した9チームから、6ステージ目は本作からの追加キャラである八神チーム・おやじチーム・アメスポチームのいずれかから選ばれる。これらのチームには専用のステージも用意されている。
-CPU側が使用するモードは前作と同じくADVANCEDモードのみ。
-CPU戦でのコンティニュー時、1ステージの間プレイヤーが有利になる「コンティニューサービス」を導入。

**評価点
-整ったシステム面
--『'97』や他のSNK作品で培われたシステムに調整が行き届き、攻守にバランスの取れたシステム体系が完成した。
---強過ぎたコマンド投げにはきちんと調整が入り、ほとんどの技に、成立しない状況で出した際に発生してしまう失敗モーションこと「投げスカりポーズ」がついた((投げスカリポーズの硬直はキャラごとに差があり、例えばシェルミーは比較的短いが、チャン、山崎などは極端に長すぎてリスクが非常に高くなっている。また、スカリポーズにおいて手を伸ばしたり前進した距離で投げ間合いをある程度測れるようにもなり(勿論クラークなど例外もあり)、例えば大門の天地返しはその広すぎる間合いを示すかのように他のスカリポーズよりもかなり前進する。))他、ジャンプ攻撃から直接間合い内の相手を投げる連続技は成立しなくなった。それでも充分に有用たりえる技が多く、良調整であると言える。
---ちなみに本作のコマンド投げは「コマンド成立後1フレームで投げが成立する(大門の天地返し、クラークのスーパーアルゼンチンバックブリーカー等)」「コマンド成立後投げ成立まで若干フレームを挟むが無敵時間が存在する(大門の超大外刈り、アテナのスーパーサイキックスルー等)」「コマンド成立後投げ成立まで若干フレームを挟む上に無敵時間も存在しない(庵の屑風、ハイデルンのストームブリンガー)」と、大きく分けて3つの種類がある((1フレーム投げは通常技キャンセルで連続技に組み込めるが、若干フレームを挟む投げはほぼ密着状態の弱攻撃キャンセルでなければ連続技にはならない。これにより前作で使えた庵の屑風絡みの永久連続技は使えなくなった。))。
---ADVモード/EXモードは『[[CAPCOM VS. SNK 2>CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001]]』でもそれぞれ「Nグルーヴ」/「Sグルーヴ」として採用されている。
-優れた対戦バランス
--登場キャラクターの多さ、制作期間の短さによる大味な作りから、一貫してバランス面に問題があるとされていたKOFシリーズにあって極めてバランスが良い。
--本シリーズは前作までは永久連続技や即死連続技が多く見られたが、本作にはごく一部に高難易度でなら永久が存在するのみである。
--もちろん開発が人間の仕事である以上、格闘ゲームに完璧なバランスというのはあり得ず、本作にも大門五郎や神楽ちづる、乾いた大地の社(裏社)といった強キャラ、~
一方でブライアンやラッキー、ジョー東(裏)、ビリー(表裏どちらも)、山崎といった弱キャラは存在するのだが、キャラの多さを考慮すれば奇跡的な出来と言える。
//山崎竜二はそこまで弱キャラでもないと思うので、表現を変えました
//でも山崎は砂かけの弱体化に加えて裁きの匕首が繋がりにくかったりとダメージが取れず、待つにしても蛇使いの隙が大きくガードキャンセル前転されると反撃確定するから充分弱キャラだと思いますが。
---主人公・草薙京(表)とライバルキャラ・八神庵というシリーズを象徴する人気キャラ二人が揃って強キャラに収まった点も見逃せない点。
---各キャラに性能に応じたポイントを割り振り、総合的に均一な戦力で対戦する「レシオ制」を大会などで採用する動きもある。
-多彩なキャラクター
--『'97』の登場キャラに加えて、旧作からの復活キャラも多数登場し、合計51名。それぞれの性能も多岐に渡り、祭典に相応しい豪華な顔ぶれとなった。
--キャラが多いと言われる一般的な作品でも20~30名が普通で、KOFはそれをやや上回る程度だが、本作のキャラ数は驚異的な数字である。
---ストーリー上で死亡扱いになっているルガール・バーンシュタインやマチュア、バイスといったキャラも、ストーリー性の無い祭典ということで再登場を果たした。
--『餓狼伝説』『龍虎の拳』からの客演キャラの一部には元のシリーズに準拠した性能の裏キャラが用意されており、ファンにも納得の出来。
-熟成された演出
--BGMや背景演出もシリーズの集大成と言える出来となっており、「祭典」感を盛り上げてくれる。
--本作にはストーリーの展開が無いが、代わりに収録された特殊エンディングの遊び要素やキャラへのインタビューも見所のひとつ。
-扱える容量が増加。同時に処理落ちの頻度が減った。
--前作は処理落ちが発生しやすく、キャラとステージの組み合わせによっては負荷がかかりすぎて最悪フリーズしてしまう場合もあったが、本作はROMの扱える容量が増えたおかげで大幅に処理落ちの頻度が減少。これにより快適なゲーム展開が行われるようになった。
--ちなみに本作はシリーズで初めて起動画面上の表記が「''GIGA POWER''」((この表記に変更された初のネオジオ作品は同年に稼働開始の『リアルバウト餓狼伝説2』。))に変更された作品でもあるが、これは扱える容量が増強されたこととこれからも容量と表現が増していくことを示している((過去作は「MAX 330 MEGA」(最大アクセス速度=1秒330メガビット、を意味する)表記。))。
-コンティニューサービスが導入されたことにより、CPU戦に救済措置ができた。
--当時の格闘ゲームはCPU戦が難しいゲームが多く((前作『'97』など例外もあるにはあるが))、とりあえずクリアしたいというライト層への大きな助けとなった。サービスなしでコンティニューすることもできるため、善意の押し付けと感じる事も少ないシステムとなっている。

**問題点
-フィーリングバリエーションシステム
--ADVモードにのみ影響する隠しシステム。日替わりで各キャラの「機嫌」が変化し、これに応じてキャラクター交代時に引き継がせるパワーゲージのストックが、負けたキャラ本人の機嫌が良いと+1本、逆に機嫌が悪いと-1本、普通だとそのままとなる。その日のキャラの機嫌はチームのオーダー選択画面でスタートボタンを押すと確認できる。
---『'97』のキャラ相性と似たシステムだが、本作では個人毎でランダムに変化するため、援護攻撃の相性とは切り離された。また、キャラ相性と違い次のキャラの機嫌は無関係で、負けたキャラ本人の機嫌のみに左右される点に注意。このため、機嫌の悪いキャラを3人目に置くことでデメリットを避けられる。
---対戦にランダム要素を持たせるため(機嫌が良いキャラを先鋒or中堅にして機嫌が悪いキャラを大将にするといい)のシステムだが、せっかく溜めたゲージが減ったり、逆に極端に有利になることがあるため不評が多い。特に「強キャラの機嫌がいいとき」「弱キャラの機嫌が悪い時」は選択の偏りを免れない。持ちキャラ3人全員の機嫌が悪い日、ゲージ依存度が高いキャラ(例:タクマ)が機嫌が悪いキャラ2人に挟まれてしまう例なども起こり得る。
-モード間の格差
--特殊動作が使いやすく、守りが安定しているADVモードがEXモードよりも強いというのが定説。
---ただしEXモードでも、ブライアンやバイス((どちらもフロントステップ中に出すと強力な空中必殺技がある点が共通して挙げられる(ブライアン:スクリューボディプレス、バイス:レイヴナス)。))等キャラ次第では十分に特長を生かすことができ、また使用者が少ないため対策が立てられにくいというのも利点になる。前述のフィーリングバリエーションシステムも適用されないため、ゲージ管理が運に左右されることがないのも利点。
---草薙京と不知火舞にはEX限定の高難度永久コンボがある。京の方は熟練プレイヤーならなんとか使いこなせるレベル。舞はほぼ無理だろう。
-ガードキャンセルによる状況の膠着
--本作のガードキャンセルふっとばし攻撃には少量ながらダメージがあり、これでKOすることも可能。極めて出が早く、ガードキャンセルを予測していても回避するのは至難の業であるため、ゲージさえあれば割合簡単に切り替えしができる。このため、残り体力の少ない状況からの逆転が非常に困難になっている。
---そのためか、次回作『'99』ではガードキャンセルふっとばしがダメージゼロに変更されている。
-キャラクター選出
--『'96』のボスチームや、過去作ラスボスでキャラ的な人気も高かったゲーニッツやオロチなど、一部の人気キャラクターが登場しないことに対する不満も見られる。
---ただし如月影二は庵VSビリーの対戦前のデモで姿を見せ、Mr.ビッグはアメリカンスポーツチームの背景キャラとして登場している。
//---'96ボスチームに関しては、『'96』におけるギースの扱いに餓狼開発チームが激怒して使わせてもらえなかったという説がある。実際『'96』のギースは当時のギースファンからも黒歴史とまで言われるほど不評であった。
//根拠不明なのでCO。96のギースが黒歴史と呼ばれるほど不評なんて話も聞いたことがない
--餓狼伝説チームの裏キャラは当時の最新作だった『RB2』に近い性能だが、ジョーの裏キャラだけは何故か『餓狼SP』仕様であり、満場一致の最弱候補とされてしまう((ハリケーンアッパーが画面端まで飛ぶようになったが硬直が長すぎて使い物にならず、さらに黄金のカカトも無いためラッシュがかけられない。なお『'98UM』ではプレッシャーニーやサンダーファイヤーといった『RB2』での必殺技も追加されている。))。
--本作で復活したチームは『'94』のみ登場のアメスポチーム。かませ役として背景へと退かされたことを鑑みるに、人気がさほど高いキャラ達とは言い難かったのだが…
---後の『'98UM』では、オロチ編のキャラが如月影二や藤堂香澄も含めて全員登場を果たした。

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**総評
総勢50名を超える圧倒的なキャラクター数にしてシリーズ中最高の対戦バランスを誇り、今でも本作をKOF最高傑作に挙げる声が多い。~
それだけに、KOFオロチ編のカーテンコールというには若干欠けのあるラインナップであることが惜しまれる。この点の補完は後のリメイク『'98 ULTIMATE MATCH(及びFINAL EDITION)』(どちらも後述の「リメイク」で紹介)で果たされることになる。

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**移植・続編
-アーケード(MVS、業務用ネオジオ)完全移植の家庭用ネオジオ版の他、ネオジオCD版、プレイステーション版(PS)、ドリームキャスト版(DC)『THE KING OF FIGHTERS DREAM MATCH ''1999''』((発売年に合わせてタイトルが変更されている。2000年に同じくDCで発売された『THE KING OF FIGHTERS'99 EVOLUTION』とは別物。余談だが、同ハードでタイトルが両社紛らわしいためか、2001年に『'99 EVO』の廉価版を発売する際にパッケージ・レーベルが『'99 EVO』の状態で中身を間違えて『DM1999('98)』をプレスしたことが判明したため、店頭分が即日回収され、発売延期されるというトラブルが起きた。))が発売されている。移植版限定でオメガ・ルガールが使用可能になっている。
--2007年にはPS3・PSP向けのゲームアーカイブスでPS版が配信された。更に2012年10月にWii向けにVCでNEOGEO版が配信された。
--ネオジオCD版とPS版は劣化が目立つが、アレンジBGMなどの特典がある。&br()ドリームキャスト版はOPがアニメに変更、背景が3D化されるなど本体性能を活かしたアレンジがされているが移植度は非常に高く、ネオジオポケットと連動するなどオマケ要素も充実している。UIが新規にデザインされ、半透明のエフェクトが使われており、ネオジオ版よりも豪華な仕上がりとなっている。ただしBGMがネオジオCD版の流用で1ループが短いためかほぼ読み込みがないにもかかわらず1ラウンド毎に途切れ頭からの再生となる。また、他機種の移植に収録されているギャラリーモードは未収録。~
ちなみに本作のDC版が、SNKの同ハード参入第1弾タイトルであった。
---なお、本作のCD媒体への移植版ではキムチームのBGMのみがネオジオ/MVS版で使用されていたリアルバウト餓狼伝説の物からKOF'96の物に差し替えられている。
---フィーリングバリエーションシステムは日替わりではなく、プレイ毎に変化するようになっている。
---ネオジオCD版は描き下ろしイラストのカレンダーが付属する初回限定版も発売された。
---PS版はジャケットが2種類存在し、通常は草薙京の目が開いているが、100分の1の確率で出荷分に含まれていた限定版は''草薙京の目が閉じている''ものになっている((この京が目を閉じているイラストは、主に当時の新聞広告や販促ポスターにも使われていた。))。なお、両者でのゲーム内容や付属物の違いはなし。
--この他にもネオジオポケットにて本作を元にした『キング・オブ・ファイターズR-2』が発売された。キャラがデフォルメされメンバーも減少しているが、本作では原作に未登場だった藤堂香澄が追加された他、エンディングでチーム毎の会話が追加され、キャラを育てることが出来るメイキングモードも収録されている等、独自路線のアレンジがなされている。
--PS4・XboxOne・Nintendo Switchの「アケアカNEOGEO」にて今作のMVS版が移植されている。アケアカシリーズのシステムの仕様上ネット対戦は不可能で、MVS版準拠の為オメガ・ルガールも使用不可。

**リメイク
-2008年3月18日に『'98』のリメイク版である''『THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCH』''がアーケードで稼働開始。
--『'97』までに登場していながら『'98』に登場しなかったキャラが復活、一部キャラには裏キャラも追加。
--略称は''『'98UM』''。このリメイク版の登場に伴ってか、ファン・プレイヤーの間では区別として、元となる『'98』が主に''『無印'98』''、一部では''『元祖'98』『旧'98』''などと呼ばれるようにもなった。

#region(UM追加キャラ及び追加・変更演出)
-デフォルト12&bold(){+1}チーム + エディット専用2&bold(){+2}人 + 裏キャラ12&bold(){+4}人 + ボス1&bold(){+4}人
--無印のキャラはチーム編成もそのままで全員参加(真吾とルガールもエディット専用のまま)

-'96ボスチーム:ギース・ハワード ヴォルフガング・クラウザー Mr.ビッグ
-追加乱入キャラ(エディット専用):如月影二 藤堂香澄
-追加裏キャラ:裏キング 裏山崎 裏マリー 裏ギース
-追加乱入ボス(家庭用のみ元キャラの裏キャラとして使用可):ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ(暴走庵) ヤミノナカオロチノチニメザメルレオナ(覚醒レオナ)
-追加ラスボス(家庭用のみ使用可):ゲーニッツ オロチ

-また、乱入キャラとボスが条件分岐で変化するようになった。
--乱入キャラ:真吾 < 影二/香澄 < ルガール/暴走庵/覚醒レオナ (右の方が条件が厳しい ※同条件で乱入対象が複数いるルートは誰が乱入してくるかはランダム。)
--ボス:以下の3ルートに変化(下のほうが条件が厳しい)
---ルガールルート:八神チーム/アメスポチーム/おやじチームのどれか→オメガルガール
---ゲーニッツルート:ボスチーム→ゲーニッツ
---オロチルート:裏オロチチーム→オロチ

-いくつかのキャラが追加でプレイアブル参戦したことに伴い、背景や演出に登場していた同キャラが削除された。
--例:ビリー対庵の掛け合い及びビリー勝利時の勝利ポーズで影二が登場しなくなった、アメリカンスポーツチームステージの背景からMr.ビッグ退場など。

-ボスチームの復活に伴い、『'96』の同チームの専用ステージも復活。加えて『'97』にあった裏オロチチームの専用ステージも復活しており、さらに汎用ステージにも幾つかの新規ステージが追加された。

-キャラの追加に加えてBGMにもいくつかの楽曲が追加。
--主にCPU専用ボスを含めた本作追加キャラ全員それぞれの楽曲が追加(殆どが出典からの収録)。
---ボスチームは『'96』と同様、3人全員にそれぞれ専用楽曲が用意されており、選曲もどれも『'96』に採用されていた曲。
--さらに、主に裏キャラが存在するキャラの裏版として、原作で収録されていた曲も追加収録されており、往年のファンへのサービスが盛り沢山となっている。
---一部キャラはさらに、過去作で収録されていた各種SEが割り当てられ、変更されてもいる(龍虎チームの裏キャラ全員の各技のSEが、原作『龍虎の拳』シリーズの打撃音に変更されているなど)。

#endregion

-新システムとして、ADVモードとEXモードのゲージ・回避・前ダッシュの3要素を任意で組み変えて選択する''ULTIMATEモード(ULT)''が登場。~
これにより、例えば「EXゲージ・緊急回避・ダッシュタイプ:ラン」の組み合わせで『'96』に近いシステムを再現したりなども可能になった。ADVゲージと攻撃避けの組み合わせが使えるのもシリーズで本作が唯一。
--ADVモード、EXモードそのものについてもある程度の変更が加えられている等、『無印'98』の対戦バランス調整版と言える。~
ちなみに、無印だとCPU側はADVACEDモードしか使用しなかったが、『'98UM』ではCPU側もEXモードとULTモードも使用するようになった(どのモードを使うかは試合毎にランダムで選ばれる)。
---中でもシステムバランスに関してはいくつかテコ入れが行われている。特にEXモードは大幅に見直されて強化されており、ADVより歩く際の移動速度が早い(ただしステップ中に空中特殊技が出せなくなった。空中必殺技は無印同様に可能)((ULTモードでダッシュタイプをフロントステップにした場合も歩き速度がEXモード準拠になる。))、投げ外しがADV同様に可能に(ただし攻撃避けの最中に通常投げを喰らった場合は不可)、一本までだが溜まったゲージはADV同様に一旦ストックされて任意にMAX発動や直接消費する形で超必殺技を使うことが可能に、最初からパワーゲージが短め、次ラウンド以降へのゲージの引き継ぎ、クイックMAX発動に対応、負けるとパワーゲージが短くなるのではなく体力が早い段階で点滅し始めるようになる(その代わりに数秒のクールタイムが付いて体力点滅のみでは連発は不可)など、旧作と違いどちらかと言うと上級者向けのテクニカルなモードとなっている。
---ADVモードにおいても若干の見直しが行われている。不評だったフィーリングバリエーションシステムが完全に廃止され、ゲージの引き継ぎに運の要素がなくなった。一方でEXモードとのバランスを保つ為か、こちらも回避動作である緊急回避中に通常投げを喰らった際に投げ外しが不可能になった。
-反面、追加キャラのクラウザーや裏キングが強すぎたり、無印で強キャラだった庵や裏社が弱体化らしい弱体化を受けず引き続き強キャラに居座っていたり、一方で無印で弱キャラだった表ビリーが大した強化もされず弱キャラのまま放置されていたり、無印で若干強い程度のレベルだったチャンやラルフが悲惨なまでの弱体化を受けてしまっていたりなど、キャラバランスにおいては悪化も見られる。
--特にクラウザーは闘劇'12でも全員が使用しており、ガードしても五分~有利のつく上に発生・判定・威力すべてが優秀なカイザーデュエルソバットからの上段弱ブリッツボールによる固めを筆頭に、高い対空性能と威力を持つ立ちふっとばし攻撃や優秀な発生の立ち近C、遠Dなど『2001』のフォクシーを彷彿とさせる凶悪な性能を誇る。
--一方で無印で弱キャラだったアメリカンスポーツチームの3人とルガールや、新たに追加されたキャラの一人である裏山崎などは「使っていて楽しい、程よい強さ」に強化及び調整されており、調整面で好評価のキャラも何人かいる。

-CPU戦においても苦言を呈する意見が見られる。
--特に''1チーム目''が非常に強い点に関しては、入門プレイヤーのハードルを高く上げてしまっており、批判が集まった。一方で、追加乱入キャラ達が、真吾と違って出現に条件があるにもかかわらず、CPUとして出現すると''ガードも攻めも甘々''など、アルゴリズムに調整をしっかり行ったか疑問が残る。
--また、先程記した通りCPU側もEXモードとULTモードも使用するようになったものの、基本的にアルゴリズムはADVモードしか使用しなかった無印準拠のものを搭載しているせいか、EXやULTでEXゲージを使用したとしても、''ゲージ溜めを一切行わなかったりする''。なのでこれらのモードを選択してくれた場合、それだけで超必などのゲージが必要な行動を使われる頻度が減るという一種のハンデになってしまっている(ランダムで得られる救済措置と取れなくもないが...)。

-PS2版はネオジオオンラインコレクションVol.10として2008年6月26日発売。
--ネットワーク対戦に対応していた他、家庭用特典としてチャレンジモード、ギャラリーモード、カラーエディット、アレンジBGMと3D背景、無印『'98』をネオジオモードとして同時収録(移植)など、充実した移植になっている。
--ネット対戦はボス使用不可、ボスも使用可能、そして『無印'98』それぞれのチーム・シングルが用意されていた。ただしマルチマッチングBBは2010年にサービス終了しているため現在は不可。
--PS2版には以下の不具合が確認されている。

#region(PS2版の不具合と対処方法)
-オプションの難易度設定を変更しても、反映されない。
--ネオジオモードの難易度を変更すれば『KOF'98 UM』本編側にも反映され、チャレンジモードのCPUレベルも変化する。
-背景を2Dに設定していると、ギースがMAX版デッドリーレイブを使用した時に、ごくまれにフリーズする。
--背景を3Dに設定していればフリーズしない。
#endregion

-2009年7月1日にはXbox360にてXbox Live Arcade版が配信。
--こちらはチャレンジモードとプラクティスモード、『無印'98』は同時収録されているものの、PS2版に存在した3D背景、アレンジBGM、カラーエディット、ギャラリーモードなどの追加要素の多くが削られている。ネット対戦も『'98UM』側のみ対応。
---……にもかかわらず公式サイトにはPS2版のコピペでこれらの要素についても記載されているため、嘘になってしまっている。
--PS2版に存在したバグは修正されている。

-その後、2011年1月24日にNESiCAxLiveの対応タイトルとして''『THE KING OF FIGHTERS'98 ULTIMATE MATCH FINAL EDITION for NESiCAxLive』''が配信。対戦バランスの再調整が行われている。こちらの主な略称は''『'98FE』『'98UMFE』''など。
--基本的に性能の上方修正がなされていることが多い中、前述のクラウザーは当然のように大幅な弱体化を食らっている。
---しかし、元々が12年以上にわたってやり込まれたタイトルである上、調整内容の殆どがパラメータ関係で新鮮味が皆無である事から、60人以上のキャラクターを一々把握し直す手間を掛けてまで移行する意味を見出されず、殆どのプレイヤーが旧来の『無印'98』または『'98UM』に留まる事になってしまった。
---弱体化しても高性能なクラウザー、庵や影二など上位キャラとチャンやビリーなど下位キャラのバランス差、キャラとモードの相性はあるものの、のちのやりこみと研究によりモードを活かした戦い方、どのキャラも戦える最終調整のおかげで無印版同様に高水準の対戦ツールにまとまってはいる。
--なお、2014年12月にPC版(SteamでのDL配信)ではあるが、『'98FE』版としての最初の家庭用移植版が発売された。
---Steam版ではゲームバランスの修正以外の要素はXBLA版を元にしている。そのため追加要素は少ないが、こちらはPC版なのでユーザーの手でMODが作られたりしている。
---後にアップデートでオンライン対戦のネットコードにロールバック方式を実装した事でラグが大きく改善されており多人数対戦ロビーと観戦機能が実装されている。
---プレイ形態の都合上対戦環境は限られたままだがSteam版は度重なるオンライン面のアップデートにより幅広いオンライン対戦が可能になったため、発売当初よりはじわじわと対戦人口も安定し比較的快適なオンライン対戦が行いやすくなった。
--2022年6月18日にはPS4版『'98FE』の配信が開始。家庭用ハードへの移植は稼働から実に約11年後であった。同年10月27日にはパッケージ版も発売された。内容はSteam版をベースとしている。オンライン対戦も可能((その約1年前には同じくUMシリーズの『2002UM』(アーケード版以降準拠)もPS4にて発売されており、PS4でUMシリーズを2作とも最終バージョンで楽しめようになった。))。
**余談
-特定条件を満たすと、当時SNKがスポンサーを務めたラジオ番組「ねおちゅぴ」のオリジナルキャラ「タケシ&ミカ」が背景にゲストキャラとして登場する。ただし、条件がやたらややこしく、狙って出すのはなかなか難しい。
//その条件とは日本(江坂)ステージで→3ラウンド目で→チョイが必殺技で勝利し(削り不可)→Cボタンを押しっぱなしにする、というもの。
--さらに、『'98UM』では別条件で同作を手掛けた「ネオジオ博士」と『ガンバレねおぽけくん(仮)』から「ねおぽけくん」のコンビが背景にゲストキャラとして登場する。こちらも条件が非常に厳しい。
-麻宮アテナの声優は『'97』まで毎年変更されてきたが、本作以降から池澤春菜女史に固定された。
-矢吹真吾の必殺技に「ひじ落とし(仮)」というものがあるが、これはボイス収録時に仮名だったものを子安武人氏がアドリブで「名前募集中!」と言って、それが受けてしまって正式名称となった逸話がある。
--更に子安氏がパーソナリティを務めたラジオ番組「子安・氷上のゲムドラナイト」で実際に名前を募集してしまい、その結果「真吾謹製・オレ式 月肘」という名前に決定し、ネオジオCD版で実際にその技名のボイスが収録された。
--また真吾のKO時のボイス「俺って進歩ねェ~!」も彼のアドリブで、彼曰く「心の叫び」とのこと。アドリブだった上に出版社への修正連絡が間に合っておらず、一部の攻略本ではKO時ボイスが『'97』と同じまま(「草薙さんごめんなさぁぁぁい!」)になっている。
-本作ではレオナが試合前の掛け合いで上官のラルフに「あなたでは勝てない」と言い、逆に韓国チームのチャン・コーハンに敬礼するという妙な挙動がある。
--このことが当時ユーザーの間で話題となり、後にチャンについては「彼の純粋なパワーに敬意を示している」という理由が語られ、''以降のシリーズでも正式設定''としてレオナからチャンへの敬礼が伝統として受け継がれることになり、勝利メッセージ等で言及している作品もある。『XIV』ではチャンからも敬礼が返されている。
---一方でラルフへの暴言については全くフォローがなく次作以降きちんと敬礼するように修正されており、こちらは無かったことになったようだ。
--二人の掛け合いデータを入れ違えたバグなのではないかと言われていたが、後にスタッフが語ったところによるとチャンについては当時バグ報告したらわざとと言われたとのことで、意図的に残されたものらしい((似たような例だと、『餓狼伝説』シリーズの設定において、「クラウザーはかつてジェフ・ボガード(ボガード兄弟の義父。故人)から‘‘地を這う飛び道具’’のパワーウェイブを食らって‘‘額に’’傷をつけられたという明らかに不自然な記述があったが、これは本来は‘‘顔面’’を殴るバーンナックルで、パワーウェイブは誤植であった。しかし実はチェックの時点で誤植に気づいており、「面白いからそのままでOK」と敢えて公式設定とされたという、本作以降のレオナとチャンの関係に通じる逸話がある。))。しかしこの発言でもラルフについては一切語られておらず、そちらは見落としだった可能性が高い。
--『'98UM』でもチャンへの敬礼はしっかりと残され、一方でラルフについてはレオナとラルフが両方一番手の場合のみ無印『'98』を再現した暴言、片方が遅れて出た場合はきちんと敬礼するという、当時のテイストを残した演出になっている。
-家庭用以降裏キャラの顔アイコンが変化するようになった。
-従来のキャラクターイラストが前年に比べて塗りなど明らかに変化しているが、これは公式絵師の森気楼がパソコンを買い替えた際、扱い慣れていないソフトを使っていたからとのこと。
--なお、前述のリメイク版『'98UM』において追加されたキャラクター(+無印『'98』の時点で参戦していたがイラストが用意されていなかった裏オロチチームの3人とオメガルガール)のイラストは、別の絵師が当時の公式イラストの画風に似せる形で新規に描き下ろした物である。
-本作のOP曲のバックに流れるラップ(と効果音)がMVS版(初期出荷版)、ネオジオ版(及びMVS版の後期出荷ロット)、アケアカ版で異なっている。まず、ネオジオ版(とMVS版後期出荷ロット)は曲の始まりの後にTVの砂嵐の様なノイズ音にかぶさる形で流れるラップだけが削除されており((削除理由は件のラップのセリフが「Play that shit like you just got your butt fucked...」と明らかに問題のある内容だったため。))、アケアカ版に至っては前述の砂嵐の様なノイズ音はおろかラップパートまでもが全部削除されている。
--その後、アケアカ版は2020年8月末のアップデートでAES/MVS後期版準拠でOPの英語ラップボイスが復帰している。


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