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ドラゴンボール改 アルティメット武闘伝」を以下のとおり復元します。
*ドラゴンボール改 アルティメット武闘伝
【どらごんぼーるかい あるてぃめっとぶとうでん】
|ジャンル|格闘アクション|&amazon(B004DZO8HE)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|メディア|512MbitDSカード|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|ゲームリパブリック|~|
|発売日|2011年2月3日|~|
|定価|5,040円|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ドラゴンボールシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
DSで発売されたドラゴンボールの格闘ゲームであり、『[[ドラゴンボール改 サイヤ人来襲]]』の次に出た「ドラゴンボール改」を題材にしたゲーム作品。~
本作の開発は『ドラゴンボールDS』や『ドラゴンボールDS2 突撃!レッドリボン軍』の開発も手掛けていたゲームリパブリックが担当している。~
『[[ドラゴンボールZ 超武闘伝]]』シリーズの要素を引き継いだ対戦格闘ゲームとなっているが、~
公式サイト内では「カンタン操作でバトル!」がポイントとなっている通り、複雑な操作をしなくても激しいバトルを楽しめる。

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**特徴
-本作に登場するプレイアブルキャラクターは全51人。
--この人数は初代『[[Sparking!>ドラゴンボールZ Sparking!]]』のフォームと同様に変身形態を別々にカウントした数字。
--キャラクターはサイヤ人編から魔人ブウ編までのキャラクターが登場するほか、アニメオリジナルからバーダックが、劇場版からブロリーとゴジータが登場している。

''基本的な操作方法''
-本作は概要での説明通りカンタンな操作でドラゴンボールさながらのバトルが出来るのがウリとなっている。~
なお、本記事における操作方法はデフォルトでの設定とする。
--十字ボタンを右に押すと右側に移動し、左に押すと左側に移動する。相手の方向へ移動する場合は気功波を弾くことも可能。十字ボタンの上を押すとその場でジャンプする。~
2回連続で十字ボタンの右、もしくは左を押すとダッシュする。ジャンプ中にダッシュする事も可能。相手の方向へダッシュする場合は連続でダッシュ可能。~
十字ボタンの上を2回連続で押すと空中に移動する。空中にいる状態で十字ボタンの下を2回連続で押すと地上に戻る。
--Yボタンで出の早い弱攻撃、Xボタンで強力な強攻撃が出来る。強攻撃はボタン長押しによるチャージも可能。~
弱攻撃から強攻撃へコンボを繋げる事も可能。
---弱攻撃を連発してコンボを繋げると相手を浮かし、その後A、B、X、Yボタンのいずれかを押すと更に空中に浮かし、この状態で弱攻撃を連発すると相手を吹き飛ばす事が出来る。~
強攻撃を連発するとより強力な攻撃を行い、怯ませる事が出来る。怯んだ場合は気力を消費してカウンターすることも可能。
--Rボタンで気力を消費して気功波を発射する。発射出来る気功波の数はキャラクターによって異なる。気功波もチャージ可能。
--Aボタンで相手を投げて攻撃する。
--何も操作していないと敵の攻撃をブロックする事ができ、弱攻撃と気功波をガードする。~
また必殺技もガードしてダメージも軽減出来るが、投げたりコンボを放ったりする必殺技はガード出来ない。
--Bボタンで強攻撃や投げを避ける事が可能。ガード出来ない必殺技も一部は避ける事が出来る。~
避けた後は弱攻撃などでそのまま攻撃できるほか、強攻撃でカウンターも可能。カウンターを受けた場合は気力を消費すれば再度カウンター出来る。
--RボタンとLボタンの同時押しで気力を消費し、気功波系の攻撃をかき消したり、跳ね返す事が可能。
--攻撃を受けて空中でダウンしている時にA、B、X、Yボタンのいずれかを押すと気力を消費して受け身を取る。
--必殺技は必殺技毎に設定されているコマンドを入力するか下画面をタッチで気力を消費して発動する。必殺技はキャラクター毎に3つ設定されている。
---下画面には技名が表示されているがバトル中のポーズ画面から技名の表示を「技のコマンド」に変更することも可能。

''気の解放''
-本作の特徴は何と言ってもこの気の解放である。
--Lボタンを押しながら十字ボタンの上か下を入力、もしくは下画面をタッチで気の解放のレベルを変動させる。気の解放のレベルは最大5段階まであり、気の解放レベルの最大はキャラクターによって異なる。
---気の解放レベルが1か2の場合は気力ゲージは回復していく。バトル開始時は気の解放レベルは2からスタートする。~
気の解放レベルが3の場合は気力ゲージは回復しなくなるものの攻撃力と移動速度は1や2の時と比べて更に上昇する。~
気の解放レベルが4か5の場合、攻撃力と移動速度は3の時と比べて更に上がるが気力ゲージが回復しなくなるどころか徐々に下がってしまう。また気の解放レベルが4以上の時に気力ゲージが0になると強制的にレベルが3になる。
--本作では所謂『気溜め』による気力チャージが無い為、気の解放レベルを調整して回復する必要がある。
-A、B、X、Yボタンを同時に押すと衝撃波を放ち、一定時間気の解放レベルが最大になる他、気力が減らなくなる超開放が発動できる。超開放はダメージを受けて怯んでいる間でも発動可能。~
超開放を発動している間は気の解放レベルが最大の状態で必殺技を連発出来る為かなり強力だが超開放が終了した後は気力が0になってしまうので使いどころは選ぶ必要がある。また超開放はそのバトル中に一度しか発動出来ない。

''究極技''
-究極技は必殺技同様にコマンドを入力するか下画面をタッチすることで発動する。~
究極技は「気功波系」と「格闘系」の2種類に分かれており、気功波系は究極技を選んだ時にしばらくしてから究極技が発動する。格闘系は究極技を選んだ時に発動する突進を相手に当てれば究極技が発動する。~
究極技発動時は究極技毎に応じたミニゲームが入り、そのミニゲームに勝てば究極技が命中する。なお、ミニゲームは上画面で行われる。
#region(ミニゲームの一覧)
-タイミングよく押せ!
--画面の中央下にあるマトに向けて気の玉が飛んで来るので、マトと気の玉が重なった時にボタンを押すと得点が貰える。~
気の玉がマトの中心に近いほど多くの得点が貰えるが、マトの中心を過ぎてしまうと得点が貰えなくなってしまう。
-集めろ!
--大きい気の玉を動かし、画面上にある小さい気の玉である青白い玉と赤い玉を集めると得点が貰える。~
大きい気の玉は十字ボタンで動かせるほか、Bボタンでダッシュする事が可能。赤い玉は高得点なほか、早めに小さい気の玉を集めるとより高い得点になるが、黒い玉は取ると減点されてしまう。
-入れろ!
--魔封波の要領で上から降ってくる気の玉を下にある電子ジャーに入れると得点が貰える。~
十字ボタンの下を押すと気の玉は一気に下に落ちる。早く入れるとより多くの得点が貰えるが、気の玉を下に落とすか気の玉が電子ジャーの縁に当たると弾かれて得点が貰えなくなってしまう。
-正解を選べ!
--画面の下にある一番左にある見本のドラゴンボールを、その右にある4つの回っているドラゴンボールの内から選ぶ。~
見本と同じドラゴンボールを選ぶと得点が貰える。得点は時間経過と同時に減少していき、早めに選ぶと高得点が貰える。~
ただし間違ったのを選んでしまうと得点が0になってしまう。
-正確に押せ!
--画面の下に表示される3つのコマンドを連続で入力すると得点が貰える。コマンドはボタンか十字ボタンの矢印で表示される。~
早めに入力すると高得点だが、コマンドを間違えるか画面下にある時間内に入力を終えないと得点が貰えなくなってしまう。
#endregion
--「気功波系」の究極技を受けた側はミニゲームに勝てば究極技を無効化する『はじく』、ミニゲームの難易度が高くなるが勝てば相手に逆に大ダメージを与えられる((負けた場合『はじく』を失敗した時よりも大きいダメージを受ける。))『うち返す』、ミニゲームをしないでダメージを半減する((体力が一定以下の場合は選択不能。))『ガード』のいずれかを選択する。~
「格闘系」の究極技はこれらの選択は出来ず、ミニゲームに勝って無効化しなければならない。

-バトルは1vs1が基本だが2vs2や3vs3といったチームバトルもある。~
チームバトルでは戦闘しているキャラクターがKOされると控えにいる次のキャラクターでそのままバトルするという流れになっている。ちなみに前のバトルで勝利したキャラクターは体力や気力はそのままで次のバトルに入る。

***システム
-ストーリーモードはサイヤ人編から魔人ブウ編までを収録しているほか、バーダックの戦いや未来世界に帰還した後のトランクスの戦い、悟空や悟飯がブロリーと戦うストーリーが展開される番外編が収録されている。
--ストーリーモードは原作のストーリーを再現した「メインエピソード」、メインエピソードでは描かれなかったストーリーを楽しめる「サブエピソード」、恒例の『もしも』のお話を楽しめる「IFエピソード」の3つで構成されている。
---一部のエピソードでは所謂QTEであるプレイアブルイベントが挿入されることがある。失敗してもリトライは可能。
--ちなみに一度クリアしたエピソードではキャラクターを変更して戦う事も可能。カスタマイズも使用可能。

-チャレンジモードはチャレンジ毎に決められたキャラクター達と連戦していく。~
例として、vs亀仙流なら亀仙流の教えを受けたヤムチャ(1回戦)、クリリン(2回戦)、悟空(3回戦)と戦っていく。
--チームバトルもあり、その場合は連続で戦う事になる。全員を倒せばそのバトルはクリアとなり、次のバトルに突入する。

-通信対戦では同じソフトを持っている人との対戦が可能。
--通信対戦はステージやキャラクター選択後の待ち時間の間、ミスター・サタンを操作して次々と出される木の板などを壊すミニゲーム『サタンアタック』がプレイ可能。~
木の板などを壊すとカスタマイズで使用するポイントが獲得出来る。

-カスタマイズではキャラクターに帽子などのアクセサリーを着ける事ができたり、『ワード』という原作の台詞を入れてパワーアップさせる事が可能。~
アクセサリーやワードを購入するにはポイントが必要。また、特定のキャラクターでは装備できないアクセサリーもある。
--ワードには必要なスロットが設定されており、ワードを入れる為のスロットの数はキャラクターによって異なり、最低2、最大5までとなっている。~
ただし最初からスロットは全て開放されている訳ではない。未開放のスロットを開放するにはアクセサリーやワードの購入同様ポイントが必要になる。
---ワードの組み合わせによってはワードコンボが発生し、セットしたワードとは別で更に特別な効果が得られる。例えば「ゆ…ゆるさんぞ…よくも…」と「オレは怒ったぞーーっ!!!」で攻撃力がアップする。

-オプションでは操作方法を変更したりバトルの制限時間((CPU対戦及び通信対戦のみ。ストーリーモードやチャレンジモードには適用されない。))を変える事が出来る。
--またゲーム内で流れるBGMを聴く事も出来る。

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**評価点

-「カンタン操作でバトル!」の通り操作が分かりやすく、初心者でもスピード感ある本格的な戦いが出来る。
--適当にYボタンによる弱攻撃を連発してもコンボになり、相手を吹き飛ばす事が出来るし、何も操作しなければ弱攻撃や気功波なら自動で防御出来る。~
強攻撃やコンボを行う必殺技はBボタンで避けて回避出来るし、気功波系の必殺技はRボタンとLボタンを同時押しによる気功波がえしでかき消せる。~
操作が複雑になりやすい格闘ゲームにおいてこのような簡単な操作で対戦出来るのは初心者でも安心してプレイしやすく、とっつきやすい。
--タッチパネルで簡単に必殺技が出せるのもポイント。コマンド入力せずとも下画面をタッチするだけで必殺技が発動出来る。~
もちろん通常の対戦格闘同様にコマンド入力も用意されているし、ポーズ画面から下画面の技名の代わりにコマンドの表示に切り替える事も出来る為一々ポーズしてコマンドの確認をしなくても済む。
---うっかりコマンドを入力、もしくは下画面をタッチして技が暴発しないようにオプションで必殺技の発動方法を変更する事も可能。~
本作の必殺技システムは格闘ゲーム初心者から上級者まで幅広くカバーしていると言える。

-気の解放による駆け引き
--気の解放はレベルを上げればより高い攻撃力になるほか移動速度も上がる為、基本的には高いレベルで攻撃したいが気の解放レベルが3だと気力が回復しなくなるし、気の解放レベルが4以上だと気力が徐々に減ってしまう為、いつ気の解放を高くして攻撃にしにいくかが重要になる。
--ちなみに上手いプレイヤーだとナメック星でギニュー特戦隊と闘った時の悟空のように''基本は気の解放を低くして攻撃する瞬間に爆発的に気の解放を上げる''というテクニックも披露出来る。
---実際、難易度が「むずかしい」のCPUだと必殺技を発動している間は気の解放レベルを高くするようになる。

-良質な演出の数々
--公式サイトにて「DSの表現限界にせまる演出!」と謳っているだけあり、携帯機ながら3DCGで表現されたグラフィックや演出はいずれも美麗なものとなっている。~
ストーリーモードではそういった美麗な演出を上手く活用しており、キャラクターにもしっかりとした動きがあるほか、特定の場面では上画面と下画面を両方使ったDSならではの演出が入る為見ていて飽きない。
--ストーリーモードは基本的にボイス無しで進行するが、一部の場面ではボイス付きで進行する。ボイス付きの場面は基本的に名シーンで流れる事が多く、必見である。
--バトル中に発動する究極技も演出が素晴らしく、命中した時の演出は勿論、防御側に無効化された場合の演出も凝っている。~
しかもこれが51キャラ分も収録されているのは携帯機ゲームとしては本当に圧巻と言えるだろう。

-演出が長めの究極技中に簡単なミニゲームを入れている。
--悟空の超元気玉やピッコロの魔貫光殺砲をはじめとする良質な演出揃いである本作の究極技は、上画面と下画面の2画面を使っていることだけはあり、見ているだけでもかなりの迫力だが、やはり何度も見ていると冗長に感じられてくる。~
そんな演出にミニゲームを挟むことにより、長くてダレる思いを緩和している。 

-音楽や音声も良質。
--本作では『改』オープニング『DRAGON SOUL』以外は全て新規に書き下ろしており、いずれもドラゴンボールの世界観にしっかりマッチしている。
---バトル中でも対戦しているキャラクターの体力が残り僅かになるとBGMのテンポが速くなるためより緊張感が出て来る。
--音声の方もバトル中に流れる衝撃や爆発のSEやキャラクターボイスもかなりの迫力があり、当時の現行機レベルに達している。

-ストーリーも『改』同様にバーダックの最後から始まり、サイヤ人編から当時『改』で未放映だった魔人ブウ編((ドラゴンボール改にて魔人ブウ編が放送されたのは第1期にあたる2009-2011年の「サイヤ人-セル編」から約3年後の第2期になってからだった。))まで見ることができる。
--ドラゴンボールゲームではお馴染みのIFストーリーも、シリアスものから完全はちゃらけギャグまでカバーしている。~
特にいい意味で同人臭がにじみ出ているヤムチャのIFストーリーや、あの「グミくれよ!」のCM((正確には2003年頃にバンダイから発売された「ドラゴンボールグミ」のCM。そのCM内にてベジータが「グミくれよ!」と叫んでいる。))をオマージュしているシーンがあるギニュー特戦隊のIFストーリーは必見である。

-チャレンジモードはやり応えアリ。
--最初は敵も弱く、敵の人数もこちら側の人数と同じかそれより少ないが、後半になると敵も強くなり、敵の人数もこちら側の人数より多くなる。~
ちなみに最後のチャレンジをクリアすると…?
---各チャレンジのタイトルはユニークなものもあり、''燃えつきろ!増毛・植毛・超育毛''といった劇場版タイトルのパロディも。~
また、''いのちだいじに''という[[どこかで聞いた覚えがあるような>ドラゴンクエストシリーズ]]タイトルも…

-豊富なやりこみ要素。
--前述したようにアクセサリーによるキャラの着せ替え、ワードをセットしてのキャラのパワーアップなど、やりこみ要素が豊富。
---アクセサリーによる着せ替えも中々自由度が高く、ヤムチャにタイタンズ((アニメオリジナルエピソードで出て来たヤムチャが助っ人のアルバイトをしていた野球団。本作ではヤムチャの隠し衣装でタイタンズの服装も出ている。))の野球帽を着けるのは勿論、悟空とかに天使の輪っかを着けたり、ピッコロに''グレートサイヤマンのヘルメットを被せたり''、果てには''フリーザやブウやブロリーにウサ耳を着けたり水筒を持たせたりする''%%カオスな%%事も可能。~
そうした要素を解禁させるには対戦をしてポイントを入手しなくてはならないが、ストーリーモードやチャレンジモードをクリアしていくだけでもポイントは結構手に入る為、ポイント集めにダレることなく要素を解禁出来る((一応獲得出来るポイントが増加するワードもある。))。
--ストーリーモードやチャレンジモードの数も結構多い。ストーリーモードの全難易度をSランクでクリアや、チャレンジモードのチャレンジを全てSランクでクリアを目指すとかなりのやり込みとなる。

-セーブが若干遅いが、ロードの待ち時間はほぼない。

**賛否両論点

-DSの画面サイズ且つ解像度の低さでもキャラクターの表情を判別できるようにするためか、キャラクターの頭身がデフォルメされている。
--デフォルメ具合がずんぐりむっくりなギャグ漫画テイストなのでシリアスなイベントシーンで浮いてしまっている。~
大して気にならないプレイヤーにとっては問題無いものの、気になるプレイヤーにとってはどうしても目につきやすい。

-コマンドによる気力チャージが無い。
--これまでのドラゴンボールの格闘ゲームは『超武闘伝』シリーズからコマンド入力による気力のチャージを行うのが基本であり、「相手の隙を見て気力を溜めながら必殺技を放つ」という戦法もDBらしい一つの醍醐味でもあった。~
だが本作は気の解放を調整して気力を回復するのが基本な他、コマンド入力による気力チャージが無いのは人によっては醍醐味が薄れたとも感じるだろう。
--無論気の解放というシステムが悪い訳ではなく、コマンドによる気力チャージが無くとも新たに気力回復の駆け引きが生まれた為、従来のドラゴンボールの格闘ゲームとはまた違った醍醐味があると言える。

-戦闘中に変身できない。逆にいえば、戦闘中に変身が解けることも無い。
--これは初代『Sparking!』と同様の仕様に戻ってしまっており、変身によって戦闘中にキャラの性能が変わることもない。

-人造人間組がかなり強力な性能になっている。
--16号、17号、18号はなんと''気力無制限。''そのため必殺技の連発が可能。~
確かに原作では「エネルギー永久式のため消耗がない」という設定だったが…
---ただし、気の解放レベルは1のみであるほか、必殺技の威力が低かったり、クセのある性能にはなっているのでそこで調整はしている。~
また、気力が無制限という事は超開放によるメリットが全く無いに等しい事でもある。前述したように気の解放レベルは1のみな為爆発的にパワーアップすることが無い。一応超開放による気力0のデメリットも無いが…
--ドクター・ゲロは直接攻撃を当てる事や相手の気功波を気功波吸収という技で吸い取る事により気力が回復する仕様となっているがそれによる必殺技の気功波放出と体力回復の性能が高い。
---前者はモーションが早く、隙の少ない攻撃が可能。後者は気力があれば無限に体力を回復可能。~
気力が高い状態での気功波放出は特に威力が高く、モーションの早さもあって強力。超開放すればその威力の高い気功波放出を連発できるためよりその強力さが目立つ。~
また、本来気力を消費するアクションも気力を消費せずに行えるのも地味ながら便利な性能となっている。
---ただし、前述の3人同様気の解放レベルは1のみな上に、気力はバトル開始時は0なのでしっかり気力を溜めないと必殺技の真価は発揮できないが、あるワードが『バトル開始後僅かな時間の間気力が使い放題になる』というものになっており、これを装備させるとバトル開始と同時に気力がMAXにまで上昇する。つまりバトル開始から強力な気功波放出ができてしまう。
--かなり強力な性能ではあるが、この性能のおかげで難易度「むずかしい」でのストーリーモードや後半のチャレンジモードでもクリアは勿論、Sランク取得もやりやすくはなっているので、どうしてもクリア出来ない人がクリアできたり、Sランククリアが出来ない人でもある程度楽に隠し要素開放ができる一種の救済処置とも言える。((ちなみに18号とゲロ(20号)は『超武闘伝』でもかなり強力な性能であった為、ある意味過去作のオマージュとも言える。))

**問題点
-モーションを使いまわしている必殺技がやや多い。
--名称そのままで使いまわしている必殺技もあるが、キャラクターによっては名称こそ違えど同じ性能の必殺技や、似た性能の技を持つ必殺技を所持している為、人によっては新鮮味が無いようにも感じ取れてしまう。~
無論全キャラクターがそういう訳ではないのだが、せめて同じ必殺技でもキャラクター毎の差別化はしてほしかったところ。

-究極技のミニゲームで、正解を選べ!だけはやや難あり。
--このミニゲームは見本のドラゴンボールを4つの回っているドラゴンボールの内から選ぶというものだがその仕様に難がある。~
気功波系の究極技でこのミニゲームが行われた場合、攻撃側が正解、もしくは不正解どちらを選ぼうと時間切れになるまで防御側が選択肢を選べてしまう。
---他のミニゲームは時間切れまで得点がどうなるか分からない内容になっているのに対し、正解を選べ!は攻撃側が正解を早く選んだ場合は防御側はガード、攻撃側が正解を選ぶのが遅かったり、間違って得点が0になった場合は防御側はうち返すで安易に最良の選択が出来てしまう。
---攻撃側がどのような結果であれ絶対にミニゲームをしないといけない格闘系の究極技ではあまり問題はないものの、せめて攻撃側がドラゴンボールを選んだ瞬間防御側はその時点で選んでいた選択になる仕様であれば良かったが…。

-容量の都合からか、キャラクターが若干少ない。
--前述の通り本作の登場キャラは変身形態を含めて全51人。~
若干少ないとは言ってもあくまで『ドラゴンボール』としてみれば、だが。原作での主要キャラはしっかりといる。とはいえ、一部キャラクターは全ての変身形態が出ている訳ではない為やや寂しい。~
例を挙げると青年悟飯は所謂アルティメット悟飯が出ていないのと、ザーボンの変化形態が参戦していない、悪ブウの吸収形態は全て登場していないほか、フリーザやセルも最終形態以外参戦していない。
---一応、フリーザは隠し衣装で第一形態の姿になる事は可能だが…

-ストーリーモード関連の問題点
--一部のエピソードにてプレイアブルイベントが挿入されているシーンはスキップ不可能。
--特にSランククリアを目指している時は毎回プレイアブルイベントをクリアしないといけない為面倒。~
しかも失敗してリトライした場合、リトライ回数が増えてしまい、評価が下がってしまう為リトライする事も許されない。
---幸いにもプレイアブルイベントはそこまで難しくはないものの、一々スムーズに進まないのはストレスが溜まる。
--メインエピソードのイベントシーンでところどころ展開がカット、もしくは改変されている。~
フリーザが放つ光線に貫かれるピッコロや、ベジータの「俺のギャリック砲は絶対に食い止められんぞ~」のセリフなど。
---後者は前述したヤムチャのIFストーリーで一応言ってはいるが本編では「ふっとべーーーっ!!!」と味気ないセリフに変わっている。

-チャレンジモードにて最後のチャレンジとなっている『この世で一番強いヤツ!』がかなり難易度が高い。
--5戦とも敵との3連戦となっているのだがこちらが選択出来るキャラクターは1人だけ。当然ながらCPUの強さも高く設定されている。
---4回戦や5回戦では気の解放レベルが高いキャラクターばかりとなっている為迂闊な事をすれば一気に大ダメージを受ける事だってザラ。
--前述した人造人間組を使っても相当な難易度の為、ラストを飾るに相応しい高難易度となっている……がそれでも難易度の高さから挫折するプレイヤーも少なくないだろう。

-アクセサリー、ワード関連の問題点
--これに関してはキャラクターの関係上無理がある為仕方ないが特定のキャラクターは一部のアクセサリーを装備出来ない。~
例を挙げればヘルメットが装備出来ないフリーザやセル、背中関連のアクセサリーが装備出来ない魔人ブウ(善)など。
---様々なアクセサリーがあるもののピッコロのマントや戦闘服といったものは無い。ここはやや残念である。
--ワードに関してはキャラクターによってスロットの数が決められている為、スロットが少ないキャラクターはカスタマイズがやりにくい。~
とは言えスロットが少ないキャラクターは基本的に強く、カスタマイズせずとも十分ではあるが…。
---究極技のミニゲームを変更出来るワードがあるが、消費スロットの数が多い。~
変更出来るワードはいずれもスロットが3必要。その為スロットの数が2しかない一部のキャラクターはそもそも装備すら出来ない。~
一応ミニゲームを変更出来るワードの中にスロット2で装備出来る「か 賭けるしかねえっ!!!!」があるが、ミニゲームがランダムで設定される為扱いにくい。

-ドラゴンボールゲームでは数多い、相手を吹っ飛ばした後の追撃がほぼ無い。
--特定のステージではできないわけではないが、あくまで演出的な要素となっており、したとしてもあまり意味はない。

//一部の数字グラフィックなどは『ドラゴンボールDS』及び『突撃!レッドリボン軍』から流用されているものもある。
//↑ゲームの問題点としてはあまり関係ないものと思われる為CO。

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**総評

携帯機で発売されたドラゴンボールの格闘ゲームの中ではとても良い部類であるし、気の解放を良い感じにゲームに取り入れている。~
携帯機ながら据置機にも劣らぬグラフィックと演出、そして簡単な操作で激しいバトルが出来るのは大きい評価点だろう。~
しかしまだ改善点は見当たるので、煮詰めればもっと良くなった可能性はあったかもしれない。

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**余談

-特定のステージでは劇場版キャラであるターレスやメタルクウラが背景として登場している。
--ちなみにこの二人はとある場面でも衝撃的な形で登場する。

-本作のCMは悟空とセルが戦っている最中に悟空が唐突に「''今日はこんくらいにしてDSやんねぇか?''」と本作のゲーム画面が映っているDSを持ち掛け、セルもそれに応えて「''いいだろう''」とDSを開いて本作で通信プレイをするものとなっている。
--悟空がDSを出した際の界王様とバブルスとグレゴリーのリアクションやセルがDSを出した際のサタンの表情も必見。

-実はドラゴンボールゲームの中ではかなり珍しく、界王様こと北の界王が''まさかのプレイアブルキャラクターとして''参戦している。
--この作品より前のゲーム作品でも『[[強襲!サイヤ人>ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人]]』や『[[超サイヤ伝説>ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説]]』にて悟空の修行相手として登場した事はあったが対戦ゲームにプレイアブルで登場するとは誰もが思わなかっただろう。~
ちなみに2022年現在においても、界王様を操作出来るドラゴンボールの対戦格闘ゲームは''本作のみ''となっている。

-本作のタイトル画面は神様の神殿にランダムでキャラクターで登場するという『[[超武闘伝2>ドラゴンボールZ 超武闘伝2]]』のオマージュとなっている。

-とある過去作の''隠しコマンド''が存在する。~
その隠しコマンドを入力した時の反応も昔のDBゲームをやっていた方なら思わずニヤリとしてしまうものなので、ぜひ身に覚えのあるコマンドを入力してもらいたい。

-本作が発売された同年は偶然にも、同じく「アルティメット」の名を冠する『[[ドラゴンボール アルティメットブラスト]]』が12月に発売されたのだが……

-2015年6月に続編にあたる『ドラゴンボールZ 超究極武闘伝(エクストリームぶとうでん)』が発売された。
--全25体のプレイアブルキャラクターの参戦と、総勢100体以上のキャラクターがアシストキャラクターとして参戦しているのがウリ。
--同作は過去にも『舞空闘劇』や『舞空烈戦』でDBゲームの開発をしていた事があるアークシステムワークスが開発を担当している。後のアップデートで同じくアークシステムワークスが開発を担当している『ONE PIECE 大海賊闘技場(ダイカイゾクコロシアム)』との通信対戦で作品の垣根を越えたクロスオーバー対戦が可能になった。

-本作がドラゴンボール改を冠した最後のゲーム作品となった。
--本作が発売された約一か月後に第1期にあたるサイヤ人編からセル編が終了し、その約3年後に第2期にあたる魔人ブウ編が放送開始され、2015年に終了した。これにより、ドラゴンボール改の放送は完全に終了した。~
その間にドラゴンボール改を題材にしたゲーム作品は一切発売されておらず、『改』を題材にしたゲーム作品は本作で最後となった。

復元してよろしいですか?