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アウトラン」を以下のとおり復元します。
*アウトラン
【あうとらん】
|ジャンル|レース|~|
|対応機種|アーケード|~|
|発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~|
|稼働開始日|1986年9月25日|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|
//AGES版は当wikiでは別物として独立記事が作成されており判定も異なっていますので、アーケード版の記事である本稿の画像としては使用しないでください。
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#contents(fromhere)
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**概要
擬似3D表示のレースゲーム。当時セガが注力していた「体感ゲーム」の一環として発表された。~
リアルで美しいグラフィック、印象的な音楽、そして可動する大型筐体が大きな特徴。~
タイトルの英字表記は『OutRun』。

**システム、特徴
-ヨーロッパ全土を舞台に、フェラーリ・テスタロッサ風のオープンカー((フェラーリ社とのライセンスを締結していないため、あくまで「よく似た車」である。移植版では権利関係の問題からデザインが変更されている場合が多い))を運転する。
-コースは5ステージに分かれ、制限時間内にチェックポイントを通過すると持ち時間が追加されるオーソドックスなシステム。間に合わないとゲームオーバー。またコース外の障害物や他車に接触するとクラッシュし、大きなタイムロスとなる。
-1~4ステージの最後には分岐点があらわれ、左右いずれかのルートを選ぶ。1ステージ目は1種類、2ステージ目は左右2種類、……最終5ステージ目は5種類のステージが存在しており、樹形図状になったルートマップから好きな順路を選んで走れる。
-操作はステアリング、アクセルペダル、ブレーキペダル、そしてHI-LOW二速のシフトノブ。
-ゲーム筐体は、機構とサイズが異なる4種類が存在する。
--''デラックス'':車そのものを模した、可動機構を備えた大型筐体。ハンドル操作に応じて筐体が左右に大きく傾き、クラッシュやコースアウトの際にはガタガタと激しく揺れる。
--''スタンダード'':デラックスよりもやや小さめながら、同様の可動機構を備えた普及型。
--''コクピット'':非可動のボックス型筐体。
--''アップライト'':立ってプレイする省スペース筐体([[クレイジータクシー]]と似た筐体)。輸出用でありシフトノブが右に付いている。日本国内ではほとんど出回らず。
-ソフトウェアにも新旧2バージョンがありステージ構成が一部入れ替わっている。日本では両バージョンが流通したが海外では新バージョンのみ。このため新バージョンは「海外版」と呼ばれることもある。

**評価点
-美しいグラフィック
--ポリゴンという技術が実用化される前の作品であり、グラフィックはドット絵の重ね描きとラスタースクロールによる擬似3Dで表現されているが、非常にリアルで美しい。ステージごとに海岸、遺跡地帯、夕暮れなどわかりやすい特徴もあり、色々なコースを見てみたい、走ってみたいと思わずにはいられない。

-ゲーム史に残る名曲群
--ゲーム開始時にBGMを「MAGICAL SOUND SHOWER」「SPLASH WAVE」「PASSING BREEZE」の3曲から選ぶ。いずれも素晴らしい名曲揃いであり、今なお多くの人に愛されている。
---ゴールインまでの実質プレイ時間は約5分となるが、これらの曲は短いフレーズのループではなく''約5分の長さをフルに活かした構成が組まれている''。当時としては前例のないことであり衝撃的だった。
---続編である『アウトランナーズ』『アウトラン2』にも、この3曲は新曲と肩を並べて収録されている。

-「ドライブゲーム」という方向性を打ち出したこと
--本作ではプレイヤー車の順位を計測していない。つまり順番を競う「レースゲーム」ではなく、制限時間にさえ間に合えばとりあえずは良い。
--コースの構成はサーキットを周回する形ではなく、いろいろな地域を巡り長距離を走破する形となっている。
--このようなシステムと美しく雄大なグラフィックが相まって、「ドライブゲーム」というコンセプトを確立した。

**賛否両論点
-裏技「ギアガチャ」の存在
--コース外のダート部分に突っ込むと大幅に減速してしまう。しかしコースアウトの瞬間にギアチェンジ操作を行うと、なぜか減速が起こらない。これを利用してダート部分も含めたショートカットを行い走行タイムを縮めることができる。~
実践では確実性を高めるために、1度ではなく何度も連続的に激しくギアチェンジを行うことが多かった。これは「ギアガチャ」と呼ばれ、本作にとって不可欠とすら言えるテクニックとなった。
--さらに、本作にはもうひとつの「ギアガチャ」がある。筐体に損傷を与える可能性が高いためここにはあえて書かないが、ネット上を検索すると容易に詳細を知ることができる。
--これらを熟知してフル活用するプレイヤーと、それを見て「とにかくギアをガチャガチャすれば速く走れる」と誤解したプレイヤーとにより、本作のシフトノブは極めて過酷な扱いを受けてしまい、故障するケースが多かった。ゲームセンターにとっても悩みの種であり「ギアガチャ禁止」とする店も少なくなかった。
--自業自得なのだが、ギアガチャに夢中になるあまり指を挟むなどして怪我をしたというエピソードも伝わっている。

-難易度が高め
--当時のアーケード作品故に仕方がない部分もあるがデフォルトの制限時間設定がシビア。前述の「ギアガチャ」を使わないプレイの場合、基本的に一度でもクラッシュを起こしてしまうと完走が非常に厳しくなる。
--アザーカーの配置が毎回変わるランダム方式であるため、その時に応じた対処が必要。場合によっては道幅が狭い場面で車線の殆どがアザーカーで塞がるような状況になり中々加速できないという事もあり得る。

**総評
グラフィックやサウンドなどの圧倒的な表現力と、臨場感と迫力たっぷりの大型可動筐体により、高い評価と大きな人気を獲得した名作である。美しさとスピード感に満ちたゲーム内容は、以後の全てのアーケードレースゲームに大きな影響を残した。

**移植
-本作には多数の移植版が存在する。中には海外のみで発売された物もある。詳細は[[Wikipedia>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3]]の「他機種版」の項を参照されたし。
-PS2版(SEGA AGES)については、[[独立記事>SEGA AGES 2500 シリーズ Vol.13 アウトラン]]が存在するのでそちらを参照。

-3DS版『3D アウトラン』
--移植作品群の中では比較的最近に発売され、3DS / 2DSシリーズでダウンロード購入することで(3DS / 2DSシリーズとそのDL配信ソフトが販売されている現時点では)比較的手軽に入手できるのでこちらに簡潔に記す。

--アーケード版を元に3D立体視と60fps動作とワイド画面を実現。
---ワイド画面はドット絵の旧作の移植によくある「4:3比率の画面をワイドスクリーンに無理やり引き伸ばした」ようなものではなく、「ワイド化にあたって従来描画されていなかった部分を新たに描画されるようにした」もので、ワイド画面設定にした場合アーケード版より左右の視野が広くなっている。
---立体視は3D復刻アーカイブス後期の作品だけあって見やすく迫力のある良好な調整。興味のある方はeショップの3D動画をチェックされたし。

--アーケード版のBGMに加えて、新規楽曲として有名なゲーム作曲家の''並木学''氏やかつてアマチュアでのチップチューン音楽製作で注目を集めた''Chibi-Tech''氏(両者とも現在は本作の移植担当の有限会社エムツー所属)が''アーケード版アウトランの音源を用いた新曲''を各名一曲ずつ製作。

--車のデザインはフェラーリ社のライセンスを得ていないのでアーケード版とは異なる。ドリームキャスト版のドット絵を元に、一部のデザインやカラーリングをアーケード版の車のイメージに近づけたものとなっている。

--五つ存在するゴールそれぞれに初到達するたびにカスタマイズアイテムが手に入り、スタート前に下画面のアイコンをタッチして装備すると対応した能力が上がり、装備パターンに応じて車の色や形が変わる。
---アイテムは全四種で、好きなものを数種類重ねて使うこともでき、それぞれの組み合わせに固有のカラーパターンが用意されている
---『ハンドル』を選択するとコーナーリング能力が向上する、といったようなゲーム的なパワーアップ要素で、実際のクルマのチューンナップを模したものではない。
---''車をカスタマイズすると必ず色が変わる''ので、セガサターン版とは異なり「赤い車に乗ったままコーナーリング性能を上げる」といったことは出来ない。

--五つのゴール全てにたどり着くと30fps動作や当時のバグを再現した『オリジナルモード』が解禁となる(しかし当然ながら''車のデザインはアーケード版準拠になったりはしない''。)

--他の3D復刻プロジェクトの作品同様、画面表示スタイルをオリジナル(10:7) / ワイド(約16:9) / オリジナルを拡大して上下カット / ムービング筐体、から選択できたり、難易度 / 制限時間 / ボタン配置 / ギア切り替え方法など豊富なオプションが用意されている。

--サウンド周りもエンジン音が大きく鳴るのが気になる人のためのエンジン音三段階調節やアーケード筐体を再現した環境音、FM音源の音色を自分好みに調整できるイコライザーやサウンドテストなど完備。
-3DS版はセガ3D復刻プロジェクトのシリーズ作品を多数まとめたパッケージ / ダウンロードソフトである『セガ3D復刻アーカイブス』(セガ3D復刻アーカイブス1)にも収録されている。
--HOMEメニューでの3Dポリゴンモデルで再現された当時のアーケード筐体のグラフィックと『3D アウトラン』単体でのスタッフクレジットが収録されていない他は単体配信版とおおよそ同じ内容である。

-『セガ3D復刻アーカイブス』(セガ3D復刻アーカイブス1)限定の収録特典として、海外のマスターシステムのみでの発売となった''『OutRun 3D』''も移植されている。
--こちらはマスターシステムの3Dグラスでの立体視ソフトだったものを3DSの裸眼立体視に対応させており、従来品で起こっていた左目右目交互の点滅はないので他の3DSソフト同様の感覚で楽しめる。

--こちらもアーケード版を元にして当時の技術でテレビゲーム機用に製作されたものではあるが、''独自の曲が三曲収録''されていたり、高速道路などに見られるような長いトンネルがあったり、FM音源とPSG音源(ファミコンなどに近いピコピコ音)が選択できたりと独自要素もそれなりにある。

-2018年にはNintendo Switchへの移植版である『SEGA AGES アウトラン』も発売された。
--3DS版の移植開発元である有限会社エムツーが3DS版をベースに更なる追加要素などを加えたもので、同名のセガサターン用ソフトとは別物である。

--Switch版を実際にプレイされた方はSwitch版の概要の追記もよろしく。
**参考プレイ動画
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ギアガチャ不使用
&youtube(https://www.youtube.com/watch?v=WiWiTXq4yYY)
ギアガチャ使用
&youtube(https://www.youtube.com/watch?v=UpUf1n1aGgM)
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