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ハリー・ポッターと秘密の部屋 (PS2)」を以下のとおり復元します。
*ハリー・ポッターと秘密の部屋
【はりー・ぽったーとひみつのへや】
|ジャンル|魔法アクションアドベンチャー|~|~|
|対応機種|プレイステーション2|~|~|
|メディア|CD-ROM|~|~|
|発売元|エレクトロニック・アーツ&br;ワーナー・ブラザーズ|~|~|
|開発元|エレクトロニック・アーツ&br;Eurocom|~|~|
|発売日|2002年11月23日|~|~|
|定価|6,800円(税別)|~|~|
|プレイ人数|1人|~|~|
|セーブデータ|3個|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント| 美しいグラフィックとサウンド&br;手軽な謎解きアクションは好評&br; 「ホグワーツでハリーを待つ恐怖(いろんな意味で)」&br; 「ロコモーター・モルティス!」|~|~|

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※本作はPS,GC,GBA,PC版に派生しているが、本記事ではPS2版の情報を中心に記述
//PS,GC,GBA及びWindows版の発売日とパッケージはほとんど同じですが、レビューを閲覧するあたりPS2版とこの2つはかなり性能が異なるものがあるようです。
//評価点が良いので今回は「なし」にしましたが、快適なプレイにとって致命的な壁も存在するので場合によっては「クソゲー」判定も可能だとは感じます。

**あらすじ・概要
>「ハリー・ポッターがホグワーツに戻れば…死ぬほどの危険が待っている」~
ホグワーツ魔法魔術学校の2年生になったハリーに屋敷しもべ妖精ドビーはこう警告するが、ハリーは無視して新学期を迎える。それからというもののハリーの身の回りには不可解な事件が起こり…~
J.K.ローリング作の大ヒットファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズの2作目を洋ゲーの王手エレクトロニック・アーツがゲーム化。

**特徴
-本作の主人公ハリー・ポッター3人称視点で操作。冒険の舞台である3Dのポリゴンマップは美しく広大。
-左スティックで移動、右スティックでカメラ調整、△□○ボタンに覚えた呪文を装備させ、謎解きも含めた作りの深いアクションでピンチを乗り越える。さらに原作にはない冒険を楽しむことが出来る。
--総合的に見た難易度は低めであり、子供を対象に設計されている。
--基本として、ハリーの体力ゲージが0になるとリスタート地点からやり直せる。
-原作シナリオの要点は概ね再現され強引なカットもないので話の筋は通ってはいるが、ゲーム性を見出そうと改変している場面が多い。


**評価点
-主にホグワーツの外では、危険な生物を倒したりかいくぐる等、原作にない演出が非常に多いにもかかわらず、世界観を維持したまま実際に冒険しているような昂揚感の再現に成功している。
--完全再現とまではいかないものの、ロナルド・ウィーズリーの実家やダイアゴン横丁をはじめとし、ホグワーツの校舎や周囲の禁じられた森やクィディッチスタジアムなどを美しいグラフィックで描いてある。ホグワーツの隠し場所の多さは良く再現しており探索の自由度は高い。探し回ると様々な発見に出会える。
--暴れ柳周辺、禁じられた森、また授業呪文の修得本を隠すダンジョンはクリアしたら挑戦できないものの、ハリーのアクションに加えて頭を使った魔法使用が必要となりやりごたえがある。
-全編フルボイスでありBGMも良質で的確な場面に用いられているので雰囲気が良い。
-ニンバス2000を入手すれば、昼間のホグワーツ校庭を自由に飛び回れる。
--ニンバス2000で行ける隠し場所も幾つかあり、やり込み要素の一つとなっている。
-ロードの問題や夜のお遣いイベント(後述)という障害があるものの、メインシナリオ事体はサクサク進む。

**賛否両論点
-シナリオ改変についてオリジナリティがあることは良い事でもあるが、ゲーム性を重んじるあまりに重要点を飛ばしたために若干間抜けになっている展開がある。
#region(close,ネタバレ有)
-本作の最大の黒幕ヴォルデモートには死喰い人という部下たちがいるのだが、ハリーの敵役であるドラコ・マルフォイの父はその死喰い人のひとりであり、主のヴォルデモートの復活を画策して暗躍する。
-またマルフォイ邸にはドビーという屋敷しもべ妖精がいるのだが、彼がこの計画に気付きヴォルデモートと因縁の深いハリーの身を案じたため、何としてでもホグワーツに行かせないように行動する。
--ルシウス自体はゲームに登場し、原作通りジニーに「トムの日記((ヴォルデモート復活のためのアイテムである。))」を渡している。
--しかし本作のキーパーソンであるドビー関連の出来事の一切が削除されている。パッケージにはドビーの存在は明示され、彼に警告された件も説明されているのだが。
---ダーズリー一家のケーキのイベントカットは仕方ないことだが、9と3/4番線はただの乗り遅れになり、クィディッチ中にブラッジャーにも襲われない。
--当然ながらドビーに靴下を与え、原作の黒幕であるルシウス・マルフォイに仕返しするシーンもカット。
#endregion

-細かいことだが、ロンの父の車が暴れ柳にぶつかった後に野生化してしまう描写はカット。
--原作では禁じられた森で再会しハリーとロンを助けてくれるのだが、ゲームではハリー単独で禁じられた森に行くことになる。

-「エクスペリアームズ」の仕様が原作と異なり、敵の魔法エフェクトに杖で触ることで跳ね返す「プロテゴ((本来はバリアを張る呪文だが、映画では跳ね返している))」のようなものになっている。
--本来「エクスペリアームズ」は武器に衝撃を与えて手落とすための呪文であり、性能そのものはゲームオリジナルである呪文「フリペンド」に近い。
--しかし、原作の仕様を変えてはいるものの決闘クラブのルールはおおむね好評。

-ホグワーツ内には絶対に開けることのできない扉がいくつか存在する。どこかしこも入れる訳ではないというリアリティを出すためかもしれないが、わざわざ配置する必要性が疑問ではある。

-ただのアクションゲームとして割り切ってさえしまえば全くもって問題のない点ではあるが、原作の雰囲気を壊しかねないシナリオ設定でゲームが進む。
-実際、シナリオの改変は好評な面もあるのだが、特にホグワーツ内では顕著にこの改変が無理矢理すぎて整合性がつかなくなっている。
--学校の授業にて呪文を習得する際に、なぜかハリーだけ学校に設けたダンジョンに潜り込まされ、その最深部にある呪文修得本を入手しなくてはならない。((他の生徒が潜っていった描写が皆無であり、ハリーがダンジョンから帰ってきたら皆席について学習している。))
---ダンジョンそのものも、火炎放射器が設置してあったりトゲ付の巨大棍棒が回転していたりで「非魔法族」の常識で考えるなら命も落としかねない危険なつくりである。
---ただしダンジョン攻略はプレイヤーのメタ的な視点からすれば上記の冒険心をくすぐる物が多く非常に楽しい作りにはなっている。

-クリアしてもこれといった特典がないのでさびしいとする声も。

**問題点
-設定改変によりハリー(≒プレイヤー)が大きな苦労を負わなくてはならない例もある。
-原作および映画のハーマイオニー・グレンジャーは呪文を知りつくし、分からない事でも情報収集し事件解決に導くことが多いのだが、ゲームでは上記に反して''呪文がわからない・秘密の部屋関連の事件の情報がわからない''のでソースを入手してきてほしい等というお使いを''わざわざ規則で禁じられている夜中にさせる''イベントがある。しかも3つ。
--この際、夜に寮夜中の学校をうようよ徘徊する監督生に見つかり呪文「ロコモーター・モルティス((足を地面に縛り付ける呪い))」をかけられ''捕まってしまう度に''寮から5点「減点」される。しかもその後寮に帰されるわけでもないので、"用も済んでただ寮に帰るだけになっても、隠密行動が成功するまで延々とやり直す羽目に。"
--監督生の配置が多く鬼畜難易度のマップも複数ある。特に「3F図書館前」、「3F禁書の棚入口」は通常プレイだと慣れていても2,3回は捕まってしまう。
--なお「ロコモーター・モルティス」は直線的に赤紫の球状オーラを飛ばして、当たった人間の足を地面に縛り付ける仕様。
---ハリーの逃げ足で振り切ることはできないが、本棚のような厚めの壁なら盾にして回避することは可能。あまり効果があるとはいえないが正面から「エクス・ペリアームズ」でかき消すこともできる。
---監督生は基本、別の部屋まで追ってこないので、見つかっても部屋を出てしまえば捕まらない。しかしここでも後述の長いロード時間に悩まされる。
-原作では直接マクゴナガル先生に質問していた「ホグワーツ設立の歴史」も、わざわざ夜にお遣いに行かせて条件に該当する本を入手させている。
--その本も何故かこの時だけ入ることが出来る禁書の棚に保管してある、その中に大量の監督生が待ち受けているという点で非常に論運びが強引。
-昼の授業は命がけ(こちらは解釈にもよるだろうが)で夜はハーマイオニーのお使いで危険な目に遭うという事がゲーム内容の半分を占めてしまう。
-本作は得点による寮対抗が行われているのだが、ゲーム中でグリフィンドールの寮の点を入れるのはハリーだけ。他の寮生の行動は一切反映されていない。上記の減点が重なり0点になるという事もザラで現実味が無い。尤も0点を切るとゲームオーバーという事は無いのだが。
--もちろん他の寮との対抗なのでゲームクリア時の展開に影響する。後述の救済措置はあるが、普通にゲームを進めていると間違いなくスリザリンに負けてしまう。
--問題は、救済措置があることはラスボス撃破後に知らされるのでそこまでに心が折れずにプレイするかどうかは完全にプレイヤー次第となってしまっている。特に子供対象としているはずの本作なので、監督生に見つかった時のBGMが地味に怖いのも挫折の一因。
-ゲームにどこまで求めるかによっても変化するだろうが、ホグワーツでは総じてハリーに対する扱いが酷いと言わざるを得ない。

-システム面にも1つ大きな難点がある。
--校舎内は少し扉を開けて別の部屋にいくだけでもマップ切り替えのロード時間が生じる。これも30秒から1分と長すぎる。このため校舎内の探索テンポは丸つぶれ。
--ラスボスを倒した後に自由時間がありそこでグリフィンドールの寮点を稼ぐことはできるが、具体的には談話室の掲示板を読んで校外にある落し物を拾って届けるというおつかいを行う必要があるので、上記のロード地獄が壁となる。
---原因はPC版準拠になっているためとされるが、ロード時間が比較的少ない(もしくは殆どない)校庭やホグワーツ内部のダンジョンのことを考えると開発元が設定を怠ったと言われても仕方がない。
---むしろ校庭などの広大なマップの方が読み込むのに時間を要するはずなのだが。
-あらすじにもある「恐怖」というのは本来ドビーがハリーをホグワーツに行かせない為の警告なのだが、ドビー不在かつ本ゲーム(特にホグワーツ内)のありさまによって完全に別の意味になってしまっている。

**総評
アクションとしての作り込みは良く、ポリゴンやサウンドで描写される世界は美しいので冒険ものとしては魅力を持っている。ゲームクリア自体が目的なら難易度も低く、プレイの仕方さえ身につけば面白い部分もあるうえ、細かい設定を気にしなければ全くプレイに差しさわり無い。
しかし長く頻繁に起こるロード時間や深夜のお遣いが大きな壁として立ちはだかってしまい、快適性からは程遠い仕上がりであると言わざるを得ない。特に原作映画に思い入れのある人、アクションゲームに精通している人にとって、あまりお勧めできる作品ではない。

**余談
-夜間の隠密行動時の裏ワザがいくつかある。
--こちらは制作人が意図したものだが、グリフィンドール寮の入口前の監督生は隠し通路を通ることで回避できる。
--以下は仕様の穴を突いた手段だが、ホグワーツ校庭でニンバス2000に乗ろうとすると自動で正門前まで返されるため戻るまでの監督生を回避できる。
--リアルタイムでセーブできるので細かくセーブを行い、監督生に捕まりそうになったらリセット&ロードで回避する。ただしロードは時間が(ry
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