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ミズバク大冒険」を以下のとおり復元します。
//「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。~
//依頼内容は良作への判定変更、もしくは、良作から評価を落とすほどの問題点の追記です。~
//&color(red){''2018年10月09日までに改善されない場合は削除対応します。''}
//判定変更議論の無いまま削除期日となったため、判定を「良作」へ変更し記事復帰。18/10/09
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*ミズバク大冒険
【みずばくあどべんちゃー】
|ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B0000ZPUO6)※PCエンジン版|CENTER:&amazon(B000069UGO)※セガ・サターン版|
|対応機種|アーケード(F2システム)|~|~|
|発売・開発元|タイトー|~|~|
|稼動開始日|1990年|~|~|
//|プレイ人数|人|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|カバのような生き物が主役&br;ミズバクの使い方が攻略の鍵|~|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-1990年にタイトーからアーケードにてリリースされたコミカル横スクロールアクションゲーム。
-水使いの末裔であるカバのような謎の生き物の''ヒポポ''を操り、突如現れた火の国にさらわれた仲間たちの救出と、火の国のボス、ファイヤーサタンを倒しにいくというストーリー設定。
-1~2人交互プレイ可能、全7ラウンド、各ラウンドは複数のステージにて構成されている。
-タイトーの十八番であるコミカル路線アクションの一つである本作だが、その存在感は決して大きいとはいえず、マイナーな部類に入ってしまうゲームであった。

**主なルール
-コントローラーはレバー+2ボタン。レバーにてヒポポの移動操作、ボタンはそれぞれ、水爆弾型の丸い玉である「ミズバク」を投げる攻撃と、ジャンプに使用する。
--ジャンプは押す長さによってジャンプ力の強弱がつけられ、レバーによりある程度の制御が可能。なお、ヒポポはしゃがみ動作は一切できない。
--ミズバク攻撃は投げると緩い放物線に沿って斜め下へ飛び、地面にバウンドするような感じで前方に進む性質がある。
--小型の雑魚敵にミズバクを当てると、その敵は気絶し動かなくなる。中型の雑魚やボスに対してはダメージを与えられる。耐久度の高い敵を倒すには、何度もミズバクを当てる必要がある。
--また、敵や壁にミズバクを当てると、割れて中から水が流れ、それが一部雑魚敵に触れる事で、そられも気絶させる事ができる。割れた水は一時的に地面に留まり、地面の下に流れる性質を持つ。
--気絶した敵にヒポポが触れると、前方に吹き飛ばして倒す事が可能。また、吹き飛ばした先に敵がいた場合は(気絶か否かは関係なく)それらも巻き込んで連鎖的に倒せる。
--ミズバクには敵の火の攻撃をかき消したり、水圧で先に進む為の仕掛けを作動させる効果も持つ。また、ヒポポ自身も水圧に多少流されるので、それを踏まえないと思わぬミスに遭遇してしまう恐れがある。
--攻撃ボタンを連射するとミズバクのサイズが縮み、当たり判定や割れた時に流れる水の量が通常よりも減ってしまう。また、ボタンを押しっぱなしにしているとミズバクのサイズが少し大きくなり、投げた時の当たり判定や割れた水の量が若干増す(所謂溜め撃ち)。
-アイテムはステージ中にあらかじめ置かれていたり、敵を2体以上同時に倒すと出現し、それを取得すると様々な効果が得られる。以下その詳細。
--「ポンプ」…溜めによるミズバクのサイズ巨大化までの時間が短くなり、連射してもサイズが小さくならなくなる。
--「バケツ」…通常のミズバクのサイズが少し大きくなる。
--「ピストル」…ミズバクの連射性能が増す。
--「汽車」…ヒポポの移動速度が増す。連続で取ると最大四段階まで速くなる。
--「ブタ」…スコアが得られる代わりに、汽車の効果がリセットされてしまう。
--「長靴」…ヒポポが水圧による流れの影響を受けなくなる。
--「ミラクルボール」…一定時間ヒポポが無敵になる。
--「蛇口」…一定時間ミズバクのサイズがかなり大きくなる。
--「ケーキ系」…数種類あり、取るとスコアアップするが点数に差がある。
--「サンダー系」…二種類あり、青のサンダーは画面内の敵を気絶させ、赤のサンダーは全滅させる効果。
--「アイテムボックス」…これにヒポポを触れさせる事により、上記のアイテムうちの何かが出現する。
--なお、長靴以外のアイテム効果は、そのステージをクリアするとすべてリセットされてしまう。また、各アイテムはミズバクや流れの水圧で少しずつ押され、時間で消える。
-ボスのいないステージでは捕らわれた仲間の場所にヒポポが触れると、ボスのいるステージではそのボスを倒すと、ステージ(ラウンド)クリアとなる。
--ステージ中、明確な制限時間は表示されないが、ある程度時間が経つと効果音と共にBGMが変わり、永パ防止キャラのファイアーサタンが現れる。逃げ回ると数が増え、3つになった後は移動速度が上がり本気で殺しに来る。
-戻り復活の残機制で、すべてなくなるとゲームオーバーとなる。

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**評価点
-水を駆使して火の敵を倒すゲームシステムは、子供にも分かり易く評価が高い。
--シンプルな操作性や当時のタイトー主要基板である「F2システム」を駆使したダイナミックな演出、色々と和ませてくれる可愛らしい絵柄も相まって、その評判は決して悪くなかった。
-丁寧に描写されたファンシーな世界と、個性溢れるキャラクターの数々。
--どのステージも色彩豊かで、独自の仕掛けがあり、飽きさせない作りになっている。
---ステージ最初に扉を選択してステージが分岐したり、特定の場所にミズバクを当て続けると大幅にショートカット出来る隠し小部屋が出来る等、周回しても楽しめる。
--ヒポポを筆頭とするキャラの仕草が地味に細かく、動かしてるだけでも楽しい。
---ヒポポが敵の攻撃を喰らってやられる際、その攻撃の種類によって死亡アニメーションが異なる。通常やられは「キュウ」という可愛らしい泣き声で画面下に落ち、火の攻撃では燃えて毛が焦げるというもの。
---また、2面ボスの酸攻撃を喰らうとヒポポが''溶かされる''。5面の植物に喰われると、バリバリ喰われて''骨が吐き出される''という中々エグいアニメーションも……。
-良質なBGMの数々。
--タイトーが誇る音楽チームZUNTATAのメンバーであるKaru.こと海野和子女史が奏でるBGMは、どのステージにおいてもとてもマッチしている。
--特に機械とオモチャが舞台の3面のBGMは、愉快で楽しげなステージの雰囲気を見事に演出している。
-難易度は決して低いとはいえないものの、ゲームバランスは上質で極めて丁寧な作りになっている。

**賛否両論点
//当時としては普通の難易度で楽しめる高難易度って事だから、賛否に移す
-アーケードゲーム故に、その見た目に反して難易度が高め。
--主人公の動きが鈍く、敵の攻撃が避け辛いため、敵の行動パターンはしっかり覚えて対処する必要がある。一方で、出現する敵の数は非常に多く、おまけに攻撃も激しい。その為、逐一しっかりと対処しないとすぐに追い詰められ1ミスすることに。
---その難易度の片鱗は2面で既に現れる。水中に魚と植物を合わせた様な敵が一度に6~10匹程出現し、速い動きで跳びはねて襲い掛かってくる。ヒポポは%%カバなのに%%水の上だと更に動きが遅くなるので、逃げる事は難しい。
---3面以後本領を発揮。撃破に約10発程の攻撃が必要なナイト。壁や天井を伝って縦横無尽に高速移動して挟み撃ちにしてくるサソリの大群。左右から出現して炎を吐き画面を火の海にする植物達。画面上部で雷が降り注ぐ中で特攻を仕掛けてくる兵士集団等、難所は多い。
--ただし、敵の多さは理不尽と言うわけでなく、その都度対処すれば少しずつ進める程度のものである。ゴリ押しはし難いが、反面、攻略の方法をしっかりと考えて慎重にプレイする楽しさが生まれる。その難易度の高さも面白さを引き立てるスパイスだろう。
---攻略方法を確立するまではコンティニューが幾度か必要になるが、それでも当時稼動していたACゲーム平均程度の難易度である。このゲームが特別難しい訳ではない。

**問題点
-回転足場に乗りながらうっかり攻撃することにより、足場が水圧であらぬ方向に高速回転しそのままミスする事が多い。
--初見ではほぼ必ず引っかかる難所かもしれないので、気を付けた方がよい。

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**総評
良い意味でタイトーらしいコミカルで明るくてちょっと難しい正統派ファンタジーアクションというべき一作。~
キャラクターは如何にも子供向けだが、難易度は大人向けというギャップのある、骨太なアクションゲーム。~
とはいえ、あまりにも子供向けすぎる見た目から、ゲーマーの注目は他の派手なゲームに向かいがちで、数多くのACゲームの一つとして埋もれてしまった。~
だが、良質なゲームを数多く排出した当時のタイトーらしいゲームに仕上がっており、完成度の高い作品といえるだろう。移植などもされているので是非とも一度は遊んでもらいたい。
//判定なし相応の総評に変更

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**その後の展開
いくつかの家庭用機へと移植された。
-PCエンジン Huカード版(1992年1月17日発売、タイトー)
--原作にあった回転機能などを使った演出や各種デモの削除、一部ステージの差し替えなどの相違はあるが、ゲーム性を損なわず丁寧に移植した良作となっている。完全移植にこだわらなければ、特に不満のない内容であろう。
--敵耐久が少し柔らかくなっているほか、敵の攻撃も若干控えめになった。
--2008年9月16日からPCE版がWiiの[[バーチャルコンソール>http://vc-pce.com/jpn/j/title/mizubaku.html]]にて配信中、要600Wiiポイント。2018年3月にWiiポイントのチャージが不可になったため、別ハードでの再配信が待たれる。

-セガサターン版(1998年10月22日発売、ビング)
--当然ながら、PCE版よりもかなりアーケードに近い移植となっている。ビングがゲーム事業に関わった最後のソフトでもある。

-PlayStation 4、Nintendo Switch版(2021年12月2日配信、ハムスター)
--アーケードアーカイブスの1作品として配信。アーケード版の忠実な移植。

-オムニバスソフト
--タイトーメモリーズ 下巻(プレイステーション2、2005年8月25日発売、タイトー)

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**余談
-エンディング直前に隠しコマンドとしてボタンを2つ同時に押し続けると、『[[ニュージーランドストーリー]]』の主人公ティキが出現する。同作は本作と似通った特徴があることから、その流れを汲んでいる作品ともいえる。難易度が見た目の割に高めであることも同じ。
-本作の主人公ヒポポはタイトーオールスターが登場するパズルゲーム『[[ぽっぷんぽっぷ]]』のPS版で隠しキャラとしても登場している。ガールフレンドのタマスンも2Pキャラクターとして登場。
//本作の話ではなくなっているため総評から分離しました。

-2022年3月2日に発売された[[復刻版ミニゲーム機『イーグレットツーミニ』>復刻版ミニゲーム機収録タイトルリンク#id_2661776c]]に本作が収録されたが、豪華特装版に付属の攻略本に開発者インタビューが掲載されており、様々な裏事情が明かされた。
--曰く、企画段階では水風船で水たまりを作り、ハマった敵を蹴飛ばすというゲームだったが、水たまりがメイン攻撃というアイデアのせいで没になりかけ、メインプログラマーI氏が水流を作ってみせたことで完成できたとの事。
---このI氏は『フェアリーランドストーリー』『ニュージーランドストーリー』『ドンドコドン』のメインプログラマーでもあり、前述のような関連性があるのも当然であった。
--一見カバに見えないヒポポはディレクターの平松信宏氏の弟が母親に作ってもらったぬいぐるみを開発時のテストキャラとして動かしていたのがそのまま採用されたらしい。後に母親に聞いたところ、最初は犬だったが、耳がとれてカバになったのが真相との事。
---なお、キャラクターの設定上は「謎の生き物」であり、厳密にはカバそのものではないようだ。
--2019年にフリーライターの大塚たくま氏が思い出のキャラクターとしてヒポポのぬいぐるみ写真をツイッターにアップロードし、本作のキャラクターである事が他のユーザーによって判明するという一幕があったが、この時タイトーのアカウントがリプライを返している。そのリプライを送ったのが生みの親である平松氏である事もインタビューにて明かされた。

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