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ファイターズヒストリー - (2012/10/18 (木) 21:33:11) の編集履歴(バックアップ)


ファイターズヒストリー

【ふぁいたーずひすとりー】

ジャンル 2D対戦格闘
対応機種 アーケード
発売・開発元 データイースト
稼動開始日 1993年
ポイント カプコンに訴訟を起こされた不遇のゲーム
完成度はそこそこ良好
弱点や通常技キャンセル投げなどの独自システムも

概要

  • データイースト(以下デコ)が1993年にリリースした対戦格闘ゲーム。
    • 当時はカプコンがリリースした『ストリートファイターII』を中心とする対戦格闘ブーム絶頂期であり、各メーカーもここぞとばかりに様々な格ゲーをリリースしていた。そんな業界全体の流れに乗って登場したのが本作である。

特徴

当時のストII人気により、ストIIプレイヤーは台待ちが長くプレイできない、もしくは一人プレイ中に乱入を受けて練習が出来ないという事態に陥りやすかった。その為、ストIIと同等の操作系(6ボタン操作)を持ち、ゲームとしての出来も良好だった本作は、ストIIの代理という形で、少数のプレイヤーに親しまれていた。

  • オリジナル要素としては弱点システムがある。これは、キャラごとに特定の部位が弱点として設定されており、そこに一定以上のダメージを受けると身に着けていたもの(ハチマキやプロテクターなど)が外れ、気絶するというシステム。さらに、以降はその部位に攻撃を受けるとダメージが2倍になる。
  • また、「通常技をキャンセルしてコマンド投げを連続技に組み込める」という、現在では珍しくなくなったシステムを初めて取り入れた。その影響もあり、「投げキャラは弱い」と考えられていた当時の格闘ゲームにおいて、嘉納 亮子やマーストリウスといった投げキャラが3強入りするという特異な事態となった。
  • キャラクターもデコゲーらしく濃いものが多い。
    • 女性キャラの一人である「劉 飛鈴」は、ゲーメスト増刊「ギャルズアイランド」で「ウケ狙いをせずにとことん中国人の顔にしたところにデコの偉大さを感じさせる」と評された。
    • ムエタイ使いの「サムチャイ・トムヤムクン」は技名が全てムエタイ用語で、声優にもネイティブスピーカーを起用。その濃いキャラから「お兄ちゃん」の愛称でコアなファンを獲得した。
    • 登場人物の一人「溝口誠」は、本シリーズの本来の主人公である「レイ・マグドガル」を差し置いてやたらな濃さと存在感を発揮している(宮下あきらの漫画「男塾」のキャラクターを彷彿とさせるキャラクター)。
    • ラスボスは何とデコの往年のアクションゲーム『カルノフ』の主人公であるカルノフその人。

家庭用移植と続編

  • 本作の家庭用ゲームは、1994年5月27日発売にて唯一スーパーファミコンに移植されている。その移植度は当時のアーケード移植もの格ゲーの中でも非常に優秀で、格ゲーとしての実用性はアーケード同様に高い。
    • また、アーケードでは使用不可だった、クラウン(中ボス)とカルノフ(ボス)が特定条件で使用可能となった。
  • 続編は、アーケード(MVS)作の『ファイターズヒストリーダイナマイト』と、スーパーファミコンオリジナル作の『ファイターズヒストリー 溝口危機一髪!!』の2作があり、いずれも完成度は当時の格ゲーの中でもクオリティの高いものであった。
    • なお『~ダイナマイト』は家庭用ネオジオ、ネオジオCD、セガサターンに移植されているほか、Wiiのバーチャルコンソールにて配信されている。

余談

訴訟問題

  • 本作のリリース後、デコは『ストII』の親であるカプコンから「おたくのファイターズヒストリーは、我が社のストリートファイターIIの悪質な盗作であり、損害賠償と製品の差し止めを求める」といった訴訟を起こされてしまった。
    • 予断を許さない状況がしばし続いたが、訴訟の約1年後、最終的に両社は和解。本作の存在の差し止めは免れた。
    • 当時「『ストII』(対戦格闘ゲーム)の類似作」に該当しうる作品は数多く存在したが、何故本作がターゲットとなったのかは明らかになっていない。
    • ちなみに、本件に対するデコ側の言い分は「対戦格闘のルーツは同社の『対戦空手道』であって、そっちこそ類似物だ」というものだった。もっとも『対戦空手道』はスポーツゲームというニュアンスが強く、『チェルノブ』の件並みに強引。
    • 詳細はこちら(クソゲーまとめ用語集)

溝口のその後

  • コミックゲーメストで連載された漫画版では溝口が主人公となり、さらにスーパーファミコンの『溝口危機一髪!!』では正式に主人公に抜擢されている。
    • なお、本来の主人公であるはずのレイは漫画版では格闘描写は全く無い脇役扱いで、『溝口危機一髪!!』では主人公どころかプレイヤーキャラからも外されてしまうという、『ストリートファイターIII』のアレックス並の悲惨な扱いを受け「主人公(笑)」のレッテルを貼られてしまった。
  • 本シリーズ以外でも、溝口は同社の格闘ゲーム『水滸演武 風雲再起』にゲスト出演したり、忘れた頃にSNKプレイモアの『KOF MAXIMUM IMPACT』やスパイクの『喧嘩番長3』にまさかの乱入を果たしたりしている。