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ダブルリング - (2020/04/14 (火) 16:40:24) の編集履歴(バックアップ)


ダブルリング

【だぶるりんぐ】

ジャンル シューティング
対応機種 PCエンジン
メディア 3MbitHuカード
発売元 ナグザット
開発元 フライト・プラン
発売日 1990年9月28日
定価 6,300円
判定 なし
ポイント ショットの種類が豊富なシューティング
見え辛い敵弾の恐怖
ナグザットSTGシリーズ


概要

PCエンジン界の主要メーカーの一つ、ナグザット(現・加賀テック)からリリースされた横スクロールシューティングゲーム。
開発は後の『サモンナイトシリーズ』で一躍有名になるフライト・プランが担当。同社が開発したゲームとしては数少ないシューティングでもある。

新世紀の宇宙を舞台に、宇宙戦闘機「スパイラス」を操作して異次元獣軍「ゼクー」を壊滅させるの目的のストーリー設定。
説明書やゲーム中のメインタイトル表記は「W Ring」となっているが、タイトル画面の下隅っこに「THE DOUBLE RING」と表記されている。

一人プレイ専用。難易度は通常3段階(ビキナー・ノーマル・エキスパート)だが、コマンド入力の裏技(下記)にて15段階もの難易度を選べる。
全6ステージ構成*1の周回制*2

主なルール

  • 操作体系
    • 十字キーにて (以下:自機)の移動。使用するボタンは各自、ショットボタンとスピード調整ボタンに使用する。
      • 十字キーで8方向移動操作。
      • ショットボタンで状況に応じたショットを撃つ。ゲームオプションにて「ボタン押しっぱなしでショットを撃つか否か」の設定が可能。
      • スピード調整ボタンで自機スピードを3段階から調整できる。ミスする度に復活後のスピード調整をする必要あり。
      • 専用及び派生ショット状態においては自機の胴体中央付近にリング状の「シールド」が装備され、自機を前後移動させると多少の位置調整が行える。
        シールドには触れる事で敵を倒したり、敵弾を跳ね返す*3機能があり、自機の身を守る上での重要な存在となる。
      • 難易度ビギナーにおいては常時、自機の周りにローリング状のシールドが2つ付く。これも先述のシールド同様、敵破壊や敵弾跳ね返しの機能を持つ。
  • 専用・派生ショットとパワーアップについて。
    • 本作においては5種類の「色アイテム」を取得する事で、多種多様な5種類の専用ショットを切り替えられる方式を採用している。
      • 初期ショットの状態から色アイテム取得で専用ショットが撃てるようになり、そこから何かの色アイテムを取得すれば2段階までのパワーアップもできる*4
    • 専用ショット状態で「?アイテム」を取得すると、色アイテムに対応した派生ショットへと変化する。
      • 派生ショットは専用ショットのそれに比べ性能が変化しており、事実上の別ショットとなる。なお、派生ショットにはパワーアップの概念はない。
      • 派生中に色アイテムを取得してしまうと、派生効果が消え元の専用ショットに戻ってしまう。
    • 先述の通り、本作には5種類の専用とそれらに対応した5種類の派生初期も含め総計11種類のショットが存在する。
      • 全ショット共通で主に「主要攻撃となるメインショット」と「斜め下に投下される連射式ミサイル」を同時に撃つ操作となる。
      • 各ショットのメインショットはすべて異なる性能だが、ミサイルの性能は例外を除き全共通の性能となる。
    • 11種類のショット性能を以下に表記する。なお、一部を除きミサイルの性能表記は割愛している。
+ 各ショット性能の一覧
初期ショット メインショットは前方1方向ショット。やや攻撃性能が心細いものの、連射力に優れるため極端に戦況不利にはなりにくい。
マルチウェイ
(桃)
メインショットは前方3方向のマルチウェイ。攻撃範囲重視なショットで、パワーアップすると最大で全方向8方向になる。
派生するとマルチウェイが前方一点集中型に変化する。
レーザー
(青)
メインショットは前方レーザー。貫通性能と超破壊力を誇るが、連射が効きにくい上に隙が大きいのが欠点。
派生するとレーザーのグラフィックが少し変わり、連射が多少効くようになる反面、派生前における自機の上下移動の追従がなくなる。
ミサイル
(黄)
初期ショットの攻撃に加え、斜め上方向のミサイル投下(投上?)も追加される。パワーアップするとミサイルが地面を這う効果も付く。
派生するとメインショットと共にミサイルが一転集中型に変化する。その影響でミサイルの斜め上下投下は失われてしまう。
リングビーム
(緑)
メインショットは前方リングビーム。前方への攻撃範囲が広く、前にいる敵を集中攻撃するのに向いている。
派生するとリングビームのグラフィックが少し変わるが、派生前との性能差はあまり感じられない。
ジャイロシールド
(赤)
自機周りにトレース式ジャイロを付ける。ジャイロは攻撃しないものの、シールド同様に接触による敵破壊・敵弾跳ね返し性能を持つ。
派生するとジャイロそのものがメインショット扱いとして発射され、壁に当たると反射する。ミサイルが発射されなくなる制限あり。
  • エクストラステージについて。
    • ステージ1~5において、とある場所に隠された「EXアイテム」を取得すると「エクストラステージ」へとワープできる。
      • エクストラステージは通常ステージとは構造が別物化し、スコアが稼ぎやすいボーナス的な一面がある。ボス戦に関しては通常ステージと同じ敵である。
      • エクストラステージをクリアすると次の通常ステージへと進む。エクトラステージは該当ステージの変化が生じるだけに過ぎず、後の展開に影響を及ぼす訳ではない。
  • アイテムについて。
    • アイテムキャリアーの破壊・そのまま放置・何もない場所にショットを撃ち込むといった状況で以下のアイテムが出現する。
      • アイテムを取得すると微小の無敵時間が発生する。タイミングはかなり難しいが、これを利用した危険を回避ができる場合もある。
+ 各アイテムの一覧
マルチショット(桃) 色アイテム。色に応じた専用ショットに切り替える(上記)。各アイテムは時間経過で色が変化する。
ミサイル(黄)
レーザー(青)
リングビーム(緑)
ジャイロシールド(赤)
? 専用ショットから色に対応した派生ショットへと変化させる。初期ショット時では取得しても効果はない。どういう訳か出現頻度は少ない。
EX 隠しアイテムの一種でエクストラステージへとワープする。ステージ1~5のどこかに隠されている。ステージ6及び難易度ビギナーでは出現しない。
B 隠しアイテムの一種でスコアアップの効果。エクストラステージでは大量に配置されている場面が多い。
1UP 隠しアイテムの一種1UPの効果。滅多に出現しない。なお、アイテムだけでなくスコアエクシテンドによる1UPもある。
  • ミス条件について。
    • 残機制を採用しており、残機がすべてなくなるとゲームオーバーとなる。ミス後は途中復活となる。
      • 何かの専用及び派生ショット状態で敵・敵弾・壁に接触すると初期ショット状態に戻されるペナルティ。初期ショット状態で敵などに触れるとミス。
    • コンティニューは無制限で可能だが、該当ステージ最初からのやり直しとなる。
  • 周回プレイについて。
    • 難易度ノーマル以上でオールクリアするとデモシーンの後に、周回によるステージ1が繰り返される。
      • 当然ながら、難易度は前周の比にならない程に高騰するので、まともなクリアを目指すにはストイックなやり込みが必要となるだろう。
    • なお、本作にはオールクリア後のスタッフロールは表示されない。その代わりにタイトル画面でとあるコマンドを入力する事によりスタッフリストが表示できる。

評価点

  • わかりやすい操作で複雑な要素は皆無。
    • PCEシューティングの中でもわかりやすい部類のシステムであり、説明書を読まなくてもすんなり始められる。
  • 1ステージあたりの構造は短めで、テンポよくさくさく進められる。
    • 無駄な間延びはほとんど無い。
  • BGMのクオリティはPCエンジンHuカードのソフトの中でも屈指の良さ。
    • オプション項目にてサウンドテストが可能。
  • 各ステージ、及びボス戦BGMはすべて専用曲で使い回し曲がない(但し最終ステージ後編はボス戦のみで道中BGMは無い)。
    • さらにはエクストラステージの道中BGMも専用曲(一部ステージで使い回しあり)で、本作の曲数は同期のPCエンジンシューティングと比べてもかなり多い部類に入る。
  • エクストラステージはステージ構造はもちろんの事、BGMやら背景すらも変化し、実質表ステージとは別物化する。
    • 但し、ボス戦は表と全く同じ敵、及びBGMである。
  • コマンド入力による裏技がやけに豊富。
    • 上記の「主なルール」に表記したスタッフリストを筆頭に、強制ステージクリア、ショット強化でスタートなど様々。

問題点

  • とにかく敵弾が見辛い。
    • 弾の色が薄い半透明で、よく凝視しないと弾かどうかすら判別するのが困難な程。特に難易度エキスパート以上や周回時は、その見辛い弾で半ば弾幕化してくる有様なので、腕前以上に敵弾を判断できる動体視力が求められる。
    • 弾幕に対抗するには前述したように胴体周りのシールドによる敵弾反射が重要になってくるのだが、このシールドの当たり判定も若干わかり辛いものとなっている為、多大なる慣れが必要となってくる。
  • ミスするとスピードが初期段階に戻り、その都度スピードを再調整しなければならない。
  • 最終ステージ後編は一切のパワーアップアイテムが出現しない為、ミスすると立て直しが厳しくそのままゲームオーバーに直行する可能性も。
  • ボスに対してレーザー(青)で撃ち込むとほぼ瞬殺可能。
    • レーザーは攻撃の隙が大きめな故に、ボス前でダメージを受ける可能性もあったりと万能ではないが、流石にあっけなさすぎる。
  • 弾幕化すると処理落ちが激しくなる。
    • しかし敵弾が見え辛い高難易度場面においては、見辛い敵弾がちょっとだけ判別すやすくなる。ハード処理の不備がゲームをプレイしやすくさせているという皮肉さ。
  • グラフィックが地味
    • 自機を含むグラフィックが小ぢんまりとしているのが原因か、同期のPCエンジンソフトに比べると幾分か地味でパッと見で損している印象。

総評

見た目が地味ではあるが、意外な位に作り込まれた一作である。
ただ、敵弾の見辛さは頂けなく、せっかくわかりやすく作られたプレイヤー間合いの広さがオミットされている。