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ダブルリング - (2010/08/24 (火) 01:02:13) の編集履歴(バックアップ)


ダブルリング

【だぶるりんぐ】

ジャンル 横シューティング
対応機種 PCエンジン(Huカード)
発売元 ナグザット
発売日 1990年9月28日
定価 6300円
ポイント 地味、だがそれがいい
見え辛い敵弾の恐怖
グラディウスIIっぽいステージ構造

概要

  • PCエンジン界の主要メーカーの一つ、ナグザット(現・加賀テック)からリリースされたシューティングゲーム。
  • 説明書やゲーム中のメインタイトル表記は「W Ring」となっているが、タイトルの下隅っこに「THE DOUBLE RING」と表記されている。
  • 一人プレイ専用、難易度三種類(ビキナー、ノーマル、エキスパート)、全6ステージ(難易度ノーマル以上の最終ステージは二部構成なので実質7ステージ)、周回あり(難易度ビギナーは一周END)。

主な特徴

  • 使用するボタンは攻撃とスピード調整二つのみという、極めてわかりやすいシステム。
    • 攻撃は前方ショットと落下型ミサイルを同時に行う。他ゲームで例えるならば、グラディウスのショット&ミサイルのそれと酷似している。
    • スピードはいつでも任意で三段階に調整が可能。ステージによってはスピードを最大にしないと切り抜けない場所も存在する。
  • パワーアップアイテムを取得する事により、ショット及びミサイルが専用のものに強化される。パワーアイテムの種類は5種類あり、連続で取得するとパワーの段階が上がる。
    • 稀に登場する「?」アイテムを取得する事により、現状ショットの性能が変化する(初期ショットは変化せず)。すなわちこのゲームにおける攻撃の種類は5種類×2タイプ+初期1種の計11種類も存在する事となる。
  • パワーアップ中にダメージを食らうと初期状態にパワーダウンし、初期状態だと1ミスとなる。ミス後は常に途中復活である。
  • パワーアップは自機の胴体中央付近にリング状のシールドが発生する。これに敵弾を当てると弾を跳ね返す事が可能。弾幕状態の激戦区においては、この弾跳ね返しを駆使しないとまともにステージをクリアする事もままならないのは必至であろう。
    • また、難易度ビギナー限定で常時自機周りにも回転する二つのシールドも付く。これらは敵弾を跳ね返す以外にも攻撃判定があり、敵を体当たりで倒す事が可能となる。
  • 「B」アイテムを取得する事によりボーナススコアを取得できる。
  • 難易度ノーマル以上のステージ1~5に各一箇所だけ(ステージ5は厳密にいうと二箇所)に存在する「EX」アイテムを取得すると、そのステージ毎に用意されたエクストラステージにワープする。エクストラステージは表ステージに比べボーナスアイテムが多く配置されている事が多く、スコア稼ぎに向いている。
    • 表ステージ、及びエクストラステージをクリアすると、次の表ステージに進む事となる。エクストラに進んだからといって次ステージもエクストラになるという事はない。
  • 難易度ノーマル以上にて全ステージをクリアするとデモシーンの後に、周回によるステージ1から始まる。もちろん、難易度は前周の比にならない程上がる。
    • 本作にはスタッフロールは存在しない。その代わりにタイトル画面にて裏技入力する事によりスタッフリストが表示できる。

評価点

  • わかりやすい操作で複雑な要素は皆無に等しい。説明書を読まなくてもすんなり始められる。
  • 1ステージあたりの構造は短めで、テンポよくさくさく進められる。無駄な間延びはほとんど無い。
  • BGMのクオリティはPCエンジンHuカードのソフトの中でも屈指の良さ。筆者的にはステージ1と3の道中BGMのメロディラインは耳から離れられない程の神レベルだと思う。
  • 各ステージ、及びボス戦BGMはすべて専用曲で使い回し曲がない(但し最終ステージ後編はボス戦のみで道中BGMは無い)。さらにはエクストラステージの道中BGMも専用曲(一部ステージで使い回しあり)で、本作の曲数は同期のPCエンジンシューティングと比べてもかなり多い部類に入る。
  • エクストラステージはステージ構造はもちろんの事、上記の通りのBGMやら背景すらも変化し、実質表ステージとは別物化する。
    • ただしボス戦は表と全く同じ敵、及びBGMである。
  • コマンド入力による裏技がやけに豊富。上記特徴表記のスタッフリストや、強制ステージクリア、ショット強化でスタートなど様々。

問題点

  • とにかく敵弾が見辛い。弾の色が薄い半透明で、よく凝視しないと弾かどうかすら判別するのが困難な程。特に難易度エキスパートや周回時は、その見辛い弾で半ば弾幕化してくる有様なので、腕前以上に敵弾を判断できる動体視力が求められる。
    • 弾幕に対抗するには上記特徴に表記した胴体周りシールドによる敵弾反射が重要になってくるのだが、このシールドの当たり判定も若干わかり辛いものとなっている為、多大なる慣れが必要となってくる。
  • やはりPCエンジンの性能の問題なのか、弾幕化すると処理落ちが激しくなる。
    • 逆に解釈すれば、見辛い敵弾がちょっとだけ判別すやすくなるともいえるが。
  • ミスするとスピードが初期段階に戻り、その都度スピード再調整しなければならない。大きな問題ではないが、微妙に難儀ではある。
  • 最終ステージ後編は一切のパワーアップアイテムが出現しない為、ミスするとそのまま死亡フラグに直行する可能性もあり得る。
  • グラフィックは特別酷いものでもないのだが、同期のPCエンジンソフトに比べると幾分か地味でパッと見で損している印象。自機を含むグラフィックが小ぢんまりとしているのが要因か。

賛否が分かれそうな点

  • ボスが全体的に柔らかい。特に青のパワーアップであるレーザーでボスを撃ち込むと瞬殺可能な程。
    • 「あっけなくて拍車抜け」か「さくっと撃沈できる」との意見が分かれると思われる。
  • ゲームデザインがかなりグラディウスIIを意識した内容。
    • 例えばステージ2はもろにグラIIのエイリアンステージだし、ステージ5に至ってはグラII高速ステージに酷似した構造となっている。またステージ4はXEXEXの細胞ステージっぽい(但し、このゲームがリリースされた当時は、XEXEXはまだ稼動していない)。
    • ただし、あくまでも似ているのは外見だけで、本作のゲームシステム自体は元ネタとは似て非なる物である。

総評

  • クソゲーか良ゲーかと言われれば、明らかに良ゲーよりのゲームといっていいだろう。見た目が地味ではあるが、意外な位に作り込まれた一作である。
  • ただ、問題点にも述べた通り、敵弾の見辛さは頂けなく、せっかくわかりやすく作られたプレイヤー間合いの広さがオミットされているのも事実であろう。
  • 本作の評価としては、良ゲーに限りなく近い佳作といえる出来だと思われる。