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METROID Other M - (2013/08/27 (火) 19:26:53) の編集履歴(バックアップ)


METROID Other M

【めとろいど あざーえむ】

ジャンル アクション
対応機種 Wii
メディア 12cm光ディスク(片面二層構造) 1枚
発売元 任天堂
開発元 コーエーテクモゲームス(Team NINJA)
発売日 2010年9月2日
定価 6,800円(税込)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
コンテンツアイコン 暴力
ポイント ムービーゲー
アクションゲームとしては及第点
異色作
メトロイドシリーズリンク


概要

  • 任天堂とコーエーテクモゲームスの開発部署であるTeam NINJAのコラボによる「最新技術を使ったファミコンゲーム」をコンセプトに制作されたメトロイド。「プロジェクト M」と題された複数の会社によって開発が行われた。
  • 時系列は『スーパー』と『フュージョン』の間に当たり、『スーパー』のラスト部分がプロローグとなっている。
  • 高温多湿なジャングル地帯、雪と氷に覆われた極寒地帯、火山活動が活発な高熱地帯がそれぞれ再現されたスペースコロニー「ボトルシップ」が今作の舞台となっている。
  • 今までのメトロイドシリーズでは明かされることの無かったサムスの内面にスポットを当てたストーリーとなっている。また、シリーズでは初となる日本語によるフルボイスが搭載されており*1、従来シリーズと比較してストーリー重視の作品となっている。
    • なお、ボイス・字幕はオプションで日本語・英語の切り替えが可能。
  • ストーリー重視の内容の為メトロイドシリーズとしても、また任天堂の作品としてもムービーの量が非常に多い。そのため任天堂タイトルでは『大乱闘スマッシュブラザーズX』以来の二層ディスク使用ソフトとなった。

評価点

「最新技術を使ったファミコンゲーム」

  • Wiiリモコン一本のみでゲームを進めることができるのが今作の最大の特徴。リモコンを横に持ちボタンで操作をする「ファミコンスタイル」と、縦に持ちポインターで操作をする「サーチングビューモード」の二通りの持ち方が存在する。
    • 基本はファミコンスタイルで操作をし、サムスの視点で周りを見渡したいときやミサイル、グラップリングビームを使用する際はサーチングビューモードに持ち替えながら進めていく。
  • 「最新技術を使ったファミコンゲーム」のコンセプト通り、基本操作は十字ボタンで移動、2ボタンでジャンプ、1ボタンで攻撃と非常にシンプル。
    • 同じボタンでも状況によってアクションが変わるのが本作の特徴で、簡単操作でスタイリッシュなアクションを楽しむことができる。 以下は状況によって変わるアクションの一部である。

センスムーブ

  • 敵の攻撃に合わせて十字ボタンの入力、もしくはサーチングビューモードを外す事で行える回避行動。大体の攻撃はこれでかわすことができる。
    • 攻撃をかわす際に1ボタンを押すことで瞬時にフルチャージ状態となり敵への反撃が容易に行える。
    • 判定はシビアでなく、出すだけなら単純に十字ボタンを軽く連打しているだけでも出せる程度。
    • ただし完全に無敵状態ではないので、何も考えず同じ方向に回避していればいいわけではない。次の行動も配慮しつつ方向を決めて行う必要もある。

オーバーブラスト

  • 敵の上に乗り1ボタンを押すことで行える強力な攻撃。一部のボス敵にも使用可能。
    • 1ボタンを押さないでいると敵に投げ飛ばされてしまう。敵の状況や種類によってはそもそも決まらないこともある。

リーサルストライク

  • 倒れている敵に対して十字ボタンと1ボタンを押すことで行えるトドメの一撃。
    • 決めることができれば大抵の敵を倒す事ができる。こちらも一部のボス敵や、オーバーブラストが使えない敵にも使用可能。

サーチングビュー

  • Wiiリモコンのポインタを画面に向ける事でサムス視点になり、部屋の周囲を見渡す事ができる。
    • 敵や対象物をロックオンしてミサイルを発射する事が可能。
    • サーチングビュー状態では、基本的に動く事はできない。本作ではミサイルを撃てるのもこの状態のみであるため、敵のスキを見極めてこのモードに切り替えるかを考える必要がある。
    • それゆえにミサイルを連射し、切れたらチャージビームに乗り換えというパターンでの戦闘にはならず、Wiiリモコンの持ち方を変えるという要素も含め、操作にもメリハリが出来ている。
    • コツは少々必要だが、センスムーブも可能。敵の攻撃が近づいたらリモコンを画面外に向ければ可能。バイザーのフチが黄色くなったときがその合図。
    • じつは着地して静止している状態ではなく、ジャンプ中やモーフボール状態からでも可能である。ボス戦なら自動的にボスの方向に向く場合もある。

この中のオーバーブラストとリーサルストライクは敵の種類によって攻撃の方法がそれぞれ異なっており、見た目的にも飽きさせない。そのため決めたときには爽快に感じることができる。 特にセクター3のゴヤケード戦では、カメラワークが目まぐるしく非常に迫力があるため必見。

その他の特徴

  • 今作は敵を倒しても回復アイテムの類が一切登場しない。
    • その代わり、Wiiリモコンを垂直にもつことで行えるコンセントレーションでエネルギーとミサイルの回復が行える。
      • ミサイルの回復はいつでも行えるが、エネルギーの回復はエネルギーの残量が一定以下にならないと行えない。
      • ナビゲーションブース(今までのシリーズにおけるセーブステーション)にたどりつけば、エネルギーとミサイルが全快する。
  • 今作のサムスは、最初から一通りのアイテムを全て装備している設定となっている。
    • ただし、司令官であるアダム・マルコビッチによって制限され最初のうちはほとんどのアイテムが使用不可となっており、ゲームを進めることで徐々に解禁されていく仕組みになっている。
    • そのため、アイテム獲得によるスーツの機能アップはわずか2つのみである。
  • 今作はエネルギーが0になるほどの致命傷を受けてもエネルギーは1残り、そのまま追撃を受けない限りは倒れることがない。
    • エネルギー表示は、0と1が点滅した、瀕死状態を表したような状態になっている。
    • 瀕死状態からでもコンセントレーションが成功すれば、一定数エネルギーを回復して持ち直す事ができる。
    • 実はゲームオーバーになってもペナルティーは特にない。少し前に戻されるだけである。
  • ストーリー・演出重視の作風。
    • これまであまり明らかにされなかったサムスの過去や内面の心理描写がストーリー中で多く語られる。ムービーも多く取り入れられている(ゲーム中の合計で2時間ほど)。

その他評価点

  • グラフィックのレベルがWiiソフトの中でも屈指の高さ。
    • 特に随所に挿入されるプリレンダリングムービーの質が非常に高い。ムービーパートとゲームパートもシームレスに繋がる。
  • 常に先読みを行なうようになっており、ロード時間で待たされるようなことはほとんどなく快適。
  • 過去作品に登場した一部のボスの再登場(常連のリドリー以外で)。
    • 意外なボスと再会できるかもしれない。

問題点・賛否両論点

  • ゲーム自体のボリュームが少ない。
    • 普通にプレイしてもクリア時間はおおよそ8~10時間程度。マップ自体も他のシリーズと比べると狭いことがボリューム不足に拍車をかけている。
    • こういう部分も含めて「ファミコンゲーム」なのだろうか?
  • 攻略が一本道で探索要素が大きく減り単調。
    • もともと探索要素を売りにしていたシリーズであったためこの点は非常に痛い。
  • アダムの指令によって使用が制限されている装備を解禁していくという仕様のため、アイテムを入手した時の達成感がない。
    • これも今までのシリーズのアイテムを獲得しながら主人公を強化していくというコンセプトと全く異なるため批判されることがある。
    • パワーボム以外(プラズマビームとアイスビームは設定上仕方ないとして)は使用を制限する理由の説明が全くされないため、必然性がないのにわざわざ弱い装備でミッションを進めるという不自然な展開になる。挙句の果てに装備を制限しているせいで窮地に陥るシーンも存在する。
    • ただ、プライムシリーズなどにおける「外的要因でスーツが故障し、機能も消滅した」というワンパターン展開が続いていた事を思えば展開としてある意味妥当ではある。
  • サーチングビューモードの存在について
    • サーチングビューモード使用時は一切の移動ができないためテンポが悪い。
    • 特にミサイルは、サーチングビューモードでしか使用出来ないため戦闘における効率が非常に悪い。
    • ただしビームが有効な場合のほうが多く、ミサイルはそのまま連発するよりも特定の状況でのとどめに使用される事のほうが多い。
    • 基本はビーム、スキを見てミサイルという戦略性はあるが、いちいち持ち替えをさせられるのが煩雑。ただ、ある方法を用いればチャージが必要なスーパーミサイルを瞬時に撃つ事は可能。
    • 強制的にサーチングビューモードになるイベントがいくつかあるが、特定の場所を注視しないと先に進むことができない。しかもノーヒントであるため場面によっては非常に見つけ難い。
      • これのおかげで、ゲーム中一番難しい部分とさえ言われることも。
    • リモコンの持ち替えという操作がそもそも「最新技術を使ったファミコンゲーム」というコンセプトから矛盾しているため、最初からリモコン+ヌンチャク操作にしていればよかったと指摘する者も多い。
  • ストーリー展開
    • ストーリーに力を入れた割にストーリー展開が不自然、描写不足な点が目立つ。ゲームの終盤は盛り上がりが欠けるのもマイナス。
    • サムスの内面描写についてはそれまでのシリーズでファンの間で培われたイメージからあまりにもギャップがあり、過去作からすると矛盾していると言える描写も存在し、批判が多い。
+ ネタバレ注意
  • ストーリー中盤辺りでシリーズお馴染みの宿敵リドリーが出現するのだが、その際にサムスが幼少時のトラウマを思い出し錯乱する。
    • サムスは過去に幾度もリドリーと戦っているはずなのだが、今回に限ってパニック状態に陥ってしまうのは明らかに不自然。
  • ストーリー中サムスと共に戦っている小隊の中にデリーター(上層部のまわし者で関係者及び目撃者の殺害が目的)が潜んでいることが明らかになる。このデリーターとは一度戦うがそのときは決着がつかず、持ち越しになる。しかしその後再戦することはなくいつの間にか何者かによって殺されているため、プレイヤーにとって拍子抜けとなる。その人物が誰であるかはストーリー上サムスが知ることはない。
    • ただし、サムスには明かされないだけで、正体についてプレーヤー側で察することはできる。また、クリア後のおまけで閲覧できる開発資料では正体がハッキリと分かる。
  • リドリーも同様にサムスと決着がつかないまま終わってしまう。

このようにゲーム終盤はプレーヤーが関与できず、いつの間にか終わっていたりムービーシーンで片付けられてしまうことが多く、アクションゲームとしては物足りなさが残る。

  • 雰囲気重視の為かBGMが地味な印象を受ける。
    • しかし、リドリー戦など一部のBGMは高く評価されている。
  • 初回プレイ時にはムービーをスキップすることができない。
  • 不具合*2がある。
    • この件は早期に公式発表されており、上記の症状が発生したセーブデータのコピーが入ったSDカード(またはWii本体)を任天堂に送付することで無償で改善して返却してくれる。(外部リンク
    • 基本的に普通に進めていれば気付く方が難しいのでそこまで深刻ではないが。

総評

一本道のゲーム展開でシリーズ最大の売りであった探索要素が薄まっていることや、サムスの内面描写などで従来のファンからは否定的に見られることが多い。
アクションゲームとしては操作性は良好で、ロード時間も短く快適であるなど決して悪い作品ではない。
加えて従来のシリーズよりは抑え目の難易度で、ゲームオーバー時のペナルティがあまりなくテンポよく遊べるなど、未経験者にはとっつきやすい作品にはなっている。欠点こそ多いが一定の水準はクリアしている作品だろう。

余談

  • ラスト前後の展開が従来とは異なり、特殊な構成となっている。
    • 詳しくは伏せるが、初見時は確実に面食らうかと。
  • シリーズお馴染みの敵リドリーだが本作では意外な事実が明らかに…。
  • ハードモード
    • ゲームをクリアすると、ダメージ1.4倍、タンク類が一切出なくなるハードモードで遊べるようになる。
    • つまりは終始エネルギー99、ミサイルも10発しかない。そして致命傷を受けて瀕死状態で助かるという事もなくなっているため、 後半になるとたった一撃で即死する攻撃もある
    • クリアしても何のおまけも解禁されないが、言い換えればおまけモード解禁のためにやらなくてはならないという事はなく、このモード自体がおまけモードと思えばいい。
    • センスムーブの使い方、サーチングビューやコンセントレーションのタイミング、敵の対処法をマスターしたら、その腕試しに挑戦してみるといいだろう。
  • 2011年5月19日より3DSにてコーエーテクモゲームスより発売された『DEAD OR ALIVE Dimensions』に本作のステージ「GEOTHERMAL POWER PLANT」があり、リドリーも登場する。