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マリオカートDS - (2016/10/18 (火) 00:43:42) の編集履歴(バックアップ)


マリオカートDS

【まりおかーとでぃーえす】

ジャンル アクションレースゲーム
対応機種 ニンテンドーDS
発売・開発元 任天堂
発売日 2005年12月8日
定価 4,571円(税別)
プレイ人数 ローカル:1~8人
Wi-Fi:2~4人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:全年齢(全年齢対象)
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2016年5月25日/950円(税8%込)
判定 なし
ポイント ローカルプレイが充実
逆に目玉のWi-Fi対戦は不評
マリオシリーズ・関連作品リンク


概要

任天堂の看板タイトルであり、様々なキャラ・マシンでアイテムを駆使して上位を勝ち取るレースゲーム、『マリオカートシリーズ』のDS版。
N64版』・『GC版』と同じく、「ミニターボ」と呼ばれる速度上昇テクニックを手動で入力するタイプである。
また、DSソフトの中では初期作品のほうにあたるが、本格的にWi-Fi対戦機能を実装した意欲的な作品でもある。

特徴・評価点

  • 1人でも遊べるWi-Fiを使わないモード(ローカルプレイ)の充実。
    • 特定のレースコースやバトルフィールドを使用して様々なクリア条件*1を満たせるように試行錯誤しながら走行するミッションランモード。ボス対決ステージもあったりする。
    • バトルゲームは従来の「ふうせんバトル」に加え、「あつめてシャイン」の2種類を収録。CPUを交えた1人でのプレイも可能。
    • 従来のタイムアタックに加え、様々な設定でCOMと自由に走ることの出来るフリーランモードである「VS」も収録。
    • ローカルプレイでは最大8人同時プレイが可能。DSダウンロードプレイにも対応(ただし、コース、使用可能キャラ・マシンに制限有り)
    • タイムアタックモードも、下画面のマップに自分とゴーストのライン取りやドリフト、キノコの使用タイミングなどが表示され、非常に研究のし甲斐がある仕様になっていた。
  • 多種多彩な全32コース。
    • 新規16コースの「ニトログランプリ」と、旧作から16コースを抜粋した「レトログランプリ」に分かれている。
    • GBA版の40コース(新規20+SFC版20)には一歩及ばないものの、ボリュームは十分ある。
    • ただし、「レインボーロード」はシリーズの法則に従って「ニトログランプリ」に存在する。
    • 64版以降、フラワーカップの常連となった「マリオサーキット」は本作のみスターカップに登場しており、難易度はやや高め。
  • 本作最大の特徴であるマイエンブレム機能。
    • マシンの特定部位やWi-Fiマッチング時に戦績と共に表示されたりする、自分だけの「32×32で作られるドット絵」である。
    • 予め用意されている「15色+透明色」でドット絵を自由に作成でき、工夫次第で手の込んだものも作成可能。また、これらの「職人」も存在する。
  • 登場キャラと搭乗可能マシンが多い。
    • 初期こそ選択できるキャラ・マシンに制限があるが、グランプリモードを進めていくことで最終的に12人・36台が登場する。
    • マリオカートシリーズ通してそうなのだが、クッパがかなりコミカルに描かれているため、比較的かわいい。
    • 本作ではシリーズ準レギュラーのノコノコを差し置き、なんとカロンが参戦。異色のチョイスだが、『マリオパーティ7』で知名度を上げていたこともあって概ね好意的に受け入れられている。
  • その他
    • 4VS4のみとはいえ、チーム戦も可能に。
    • 携帯機かつDS初期の頃の作品にも関わらず、60fpsでなめらかに動作する。
    • 音声はサラウンドも選択でき、立体感ある音響で楽しめる。
    • ゲームバランスには難はあるものの、操作性自体はよい。十字ボタンでも問題なく操作できる。
    • マイエンブレム機能はシリーズ中この作品だけにしか今のところ搭載されていないため、この機能のみで仲間内で楽しんでいるプレイヤーもいる。

問題点

  • 出荷ROMの個体差があるのか、通常プレイしているだけでも稀にセーブデータの一部(全部)が破損する場合がある模様。
  • どのカーブもマシンに依存せずにドリフトしていれば容易に曲がれるために、一部の性能が死にステータスとなっている。
    • キラーシップの螺旋コーナーなど例外はあるが、ドリフト性能が高いマシンは「コーナーの内側に入りすぎて逆に曲がりにくい」という本末転倒な事がザラ。
  • 「アイテム」の性能の高いマシンが不遇。
    • 同じキャラ用*2の別のマシンと比べて「アイテム」「おもさ」が高くそれ以外の基本的な性能は低い。
      • 肝心の「アイテム」性能は強力な効果のスペシャルアイテムの出やすさに影響するが一位だとスペシャルアイテムが「トリプルバナナ」のみと、あまり恩恵を受けにくい。
      • タイムアタックモードではキノコ使用回数の多さに関わりキノコを使うショートカットが毎周できる。…が一部マシンのミニターボ(下記参照)が優秀すぎてプレイヤーの腕があればキノコを使わずに代用できてしまう。基本性能も低いのでタイムアタックでは完全に性能差を覆せなくなっている。
      • 「おもさ」は他のマシンと接触した時の衝撃に影響するが悪路での減速が大きくなる。これ自体は軽いキャラを載せるメリットも生む調整だがタイムアタックモードでは敵マシンがいないので 死にステータスどころか低いほうが良い
  • ミニターボが手動入力な上にドリフト中でも挙動があまり大きく変化しないので、カーブで連続して使用したり、直線で左右交互に蛇行しながら連続して使用できたりする。しかも後者は多くのマシンが最高速度が一番良いマシンが直進するより速い。(通称:連続ドリフト・直線ドリフト)
  • 一部のマシンの性能が著しく高く、ゲームバランスがシリーズ中最悪
    • 今作は大まかに「加速タイプ(ハンドル性能も高い)」「バランスタイプ」「ドリフトタイプ」の3タイプに分かれているのだが、「加速性能」が非常に重要視されており、「ダート踏破性能」も兼ねているため、一部マシンだけが優遇されすぎている。
      • 加速性能の高いマシンはミニターボ効果持続時間が長い*3ダートで速度が落ちにくい攻撃されてもすぐ速度が回復する
      • 逆にドリフト性能の高いマシンは軽量系ですらバランスタイプの重量系カートよりもミニターボの効果が低い上、無駄に内側に曲がる&ハンドル力が低いためミニターボ後の軌道修正がしづらいなど扱いづらい性能になている
      • 加速性能の高いマシンは上記のテクニックを使用すると常にミニターボの速度で走れてしまう。
      • 加速性能に加え、最高速も兼ね備えたチート性能なマシンも存在する。
      • マシンによってはダートを走ってラインを縮めるほうが速いこともあり、その他のマシンで同じような操作をおこなうと半周以上程度の差がつく。
      • 特定マシンを使い、完璧なタイミングで出したロケットスタートやダッシュ板での加速からミニターボをタイミングよく断続的に繋ぐことで、入力ミスするまでダートさえも無視できるほどの驚異的な速度で走行可能なバグがある。通称「PRB」。ごく一部の上級者には好評のようだが……。
      • また、このような激しい操作をするプレイを続けると、DS本体の十字ボタンやRボタンを痛めやすい
    • サンダーの仕様が今作から変更されており下位のプレイヤーほど戻るのが早くなった。良く言えば初心者に優しい仕様だが、悪く言えば弱体化している。
      • この仕様は最新作の『8』まで続いている。
  • 試験的にWi-Fiプレイを実装したせいか、ローカルプレイとWi-Fiプレイでは大きく仕様が異なる。
    • 本体スペックの問題なのか、Wi-Fi対戦は最大で4人までしか同時に遊べず、選択できるコースも全体の半分ほど。
      • さらにバトルモードはWi-Fiプレイでは遊ぶことすらできない
    • 一部アイテムが出ない+アイテムがマシン後部に装備できない、接触時に「おもさ」の概念が無視されるために軽量キャラ&マシン無双状態。
    • 上記のとおり一部マシンでしか勝負にならないためか、あまりにも距離を離されると戦意を失って接続を切断するプレイヤーが頻発した*4
      • 他にも、まともにレースしようとせず、わざと逆走してアイテム(特にスター)を使い攻撃を繰り返して妨害するようなプレイヤーも見られた。
      • そのためか、チートプレイヤーの数がDSソフトの中でおそらく最多。(チートでフリーズさせられると最悪、セーブデータが消える場合も。)
  • このソフトを持っているプレイヤーとこのソフトを持たないプレイヤーがダウンロードプレイで遊ぶ場合、選べるコースはニトログランプリ・レトログランプリから4つずつのわずか8コースである。さすがにダウンロードプレイなので仕方ない部分はあるが。
  • マップが便利すぎる。
    • 飛んできたアイテムや敵の所持しているアイテムが丸わかりなため「トゲゾーこうらが来るのでブレーキして一位を譲る」「サンダーが来るので落とす前にアイテムを使う」などが容易に可能。「にせアイテムボックス」や見えづらく置かれた「バナナ」もマップ画面だと判別が容易。
    • 新アイテムの「ゲッソー」が対人戦では死にアイテムに
      • 相手の画面に黒い墨を吐いて視覚的に妨害すると言えば聞こえがいいが、下画面に表示されるマップは一切汚れないためそれを見ればいい話である。バトルモード以外でCPUはこれを食らうと、強さを問わず蛇行運転してスピードが落ちるので強力なのだが…
  • 相変わらずCPUがインチキ走行する。
    • 『64』『アドバンス』『ダブルダッシュ!!』でもそうだったが、プレイヤー(人間)との差を調整するためにCPUがインチキな速度で走る。
    • 今作のCPUのカートは「かそく」と「おもさ」以外の全性能がプレイヤーが乗った場合と異なる。もっともハンドリングが悪い「タイラント」に乗ったCPUのクッパがドリフトせずにL字やU字の急カーブを平然と曲がったり、もっとも最高速が低い「バニッシュ」に乗ったCPUのカロンがプレイヤーの最高速トップレベルの「HVC-BLS」でも追い抜けない程のインチキ速度を何もなしに出して直線ルートを疾走したり。
    • しかし、プレイヤーとの差を埋めるためにCPUにインチキな速度を与えてバランスを取る仕様は今作が最後となった。
      次回作『Wii』以降はCPUのAIを強化する事でバランスを取るようになり、理不尽さは大幅に下がった。
    • CPUの方が順位に対して良いアイテムが出る仕様がある。
      • どちらかというと本作はプレイヤーが1位だとミドリこうらとバナナなどの設置アイテムだけでアカこうらやキノコすら出ないとプレイヤーのアイテムがしょっぱすぎる。
      • CPUは異常な頻度で「トゲゾーこうら」を入手する。1レースに一回あるかないかのレベルではなく、長いコースだと二、三回飛んでくるのもザラ。グランプリで高評価を狙って一位をキープしてるとイライラするだろう。
    • 1人プレイのふうせんバトルにおいて、ルールを「チームを組まないバトルロイヤル」且つCPUを「強い」に設定すると、CPUは他のCPUには一切の自発的な攻撃を仕掛けることはなくプレイヤーを集団でリンチしてくるようになる。
  • 特定コースのある地点でスピンターンするとフリーズするバグがある。
    • ただし、その部分は普通に走るだけで通り過ぎる事ができる場所のため、意図的にやらない限りはまず起こりえないが、 wi-fi対戦だろうと対戦相手もフリーズする大迷惑なバグ。

総評

DS初期の作品だけあって上記の問題点が山積みだが、フレンドコードを交換した仲間内でルールを決めて遊ぶにはかなり自由度が高く、そういった状況下では末長く楽しめるゲームである。じわじわ売れ続けたロングセラーゲームの一つでもある。
一部のマシンでミニターボ合戦のスピードレースや特定のマシンでミニターボの使用制限付きで走ったり、特定コースにある、特定アイテムのみしか出現しない特殊アイテムボックスを使った擬似バトルゲームなど、マシン性能差が著しく激しいためにいろいろな遊び方が考案されてきたふしがある。

しかし、Wi-Fiでのランダム対戦においては、このようなローカルルールは通用しないためにプレイヤー間で摩擦が起こりやすく、酷い有様であった。
ただ、一緒に楽しめる理解ある仲間がいればかなり楽しいゲームであるため、一概にこのマシン性能の格差によるバランスの悪さは否定はできない。