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THE KING OF FIGHTERS XIII - (2016/07/14 (木) 02:07:42) の編集履歴(バックアップ)


このページでは、オリジナル版のAC『THE KING OF FIGHTERS XIII』、及び家庭用移植のPS3/360版は「判定なし」、
家庭用のAC逆移植『THE KING OF FIGHTERS XIII CLIMAX』とそのPC版『THE KING OF FIGHTERS XIII STEAM EDITION』を「良作」に分類して紹介する。


THE KING OF FIGHTERS XIII

【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず さーてぃーん】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 アーケード(Taito Type X2)
販売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 SNKプレイモア
稼動開始日 2010年7月
判定 なし
ポイント よくも悪くもいつも通りのKOF
前作はほぼ無かった事に
バグだらけのアーケード版
その一方で家庭用の作り込みは秀逸
KOFシリーズ関連作品リンク

概要

  • KOFシリーズ第13作目にしてアッシュ編最終章。前作『KOF XII』の1年後の夏に稼働を開始。

登場キャラクター

+ キャラ一覧
  • 新キャラには * マークを、再登場キャラには * をつけている。
    • エディット専用:アッシュ・クリムゾン
    • エリザベートチーム:エリザベート・ブラントルシュ シェン・ウー デュオロン
    • 日本チーム:草薙京 二階堂紅丸 大門五郎
    • 餓狼チーム:テリー・ボガード アンディ・ボガード ジョー東
    • サイコソルジャーチーム:麻宮アテナ 椎拳崇 鎮元斎
    • 怒チーム:レオナ・ハイデルン ラルフ・ジョーンズ クラーク・スティル
    • 女性格闘家チーム:不知火舞 * ユリ・サカザキ * キング *
    • 八神チーム:八神庵 マチュア バイス *
    • 龍虎チーム:リョウ・サカザキ ロバート・ガルシア タクマ・サカザキ *
    • キムチーム:キム・カッファン ホア・ジャイ * ライデン
    • K'チーム:K' * マキシマ * クーラ・ダイアモンド *
  • 前作(含家庭用)で登場したキャラは全員続投。そして従来のKOFと同じくチーム設定が復活した。
    • KOF'94』からの古参である女性格闘家チームや『KOF'99』からの人気キャラであるK'チーム、チーム人員の穴埋めとしてタクマ・サカザキやバイスなど、シリーズの人気・常連キャラが追加された。
    • これらの新キャラも、前作からのキャラと同じ手法でアニメーションが作られている。
      • 基本的には過去作からイメージはあまり変わっていないが、K'チーム以外のキャラはXIIからの続投キャラと同様、デフォルメが極端である。
        ユリがショートヘアになる、舞のデコが異様に広くなる、キングが『龍虎の拳』風のデザインに回帰する、タクマがやたらと太くなる、バイスの服装もマチュアに合わせてかスーツになる……など。
  • 唯一の新キャラとして『餓狼伝説』からホア・ジャイがまさかの登場。
    • 過去作ではストーリー上でジョーのセコンドとして描写されていた為に、ユーザーからは戸惑いの声が多かった。しかもジョーよりキャラランクが上。本作では元・ギースの配下同士のライデンと共にキムに更生させられるためにチームを組んでいる。
  • 他、アッシュについては現行ストーリーの主人公ながら異例のエディット専用キャラとして参戦している。
  • キャラを選択した後、10色の中からキャラカラーを選べる。
    • シルエットが変わらない部位を同色の別パレットで書き込む事で、組み合わせによってはマスクで口元を覆っているように見えたり、タイツを履いているように見えたり、服の模様が替わったりと異なるコスチュームに見える手法を取り入れており、バリエーション豊かである。
      • 毎作毎のコスチュームチェンジが恒例だったアテナは前作同様セーラー服姿のままだが、黒セーラーから白セーラーになったことで辛うじて慣例を守っている。
    • 一部のキャラは特殊カラーとしてアナザーコスチュームが使用できる。例えばマスクを脱いで『餓狼伝説2』のビッグ・ベアになるライデンなど。
  • KOFといえば掛け合い、という伝統も復活。今作は『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』のように対戦前と対戦後に文字による掛け合いメッセージが全組み合わせで用意されている。

システム

  • 前作の新システムは全て廃止され、従来に近い形となっている。
    • 全体的な傾向として、ゲージがたまるのが非常に早い。
    • 前作はキャラが異様にズームアップされ見づらい所もあったが改善されている。
  • EX必殺技、EX超必殺技
    • EX必殺技は1ゲージ使用して使える必殺技の強化版。威力だけなら同じゲージ消費の超必殺技に劣るものの、無敵時間追加や追撃可能など威力以外の技性能が高い傾向にあり、追撃を含めれば超必殺技を凌ぐダメージを出せるものも多い。
    • EX超必殺技は2ゲージを使用して使える超必殺技の強化版で、従来のMAX版超必殺技に近い。主にコンボの〆として使い、単発ではあまり使わない。
  • ドライブゲージ
    • 本作ではパワーゲージに加えドライブゲージ(緑のゲージ)が追加。使用するのは以下の場合。
    • 「ドライブキャンセル」ドライブゲージを50%消費し、必殺技を必殺技でキャンセルする。
    • 「スーパーキャンセル」同じくドライブゲージ50%を追加消費することで、必殺技を超必殺技でキャンセルすることも可能。
    • 「NEO・MAX超必殺技」ドライブゲージ100%とパワーゲージ3本を消費して出せる。
      • 『2002』のMAX2や『XI』のリーダー超必殺技に近いものと言え、単発の威力だけで5割ほど持って行ける。演出は大味だが非常にド派手。
    • 「ハイパードライブモード」・・・ゲージが100%時に使用可能。発動すると徐々にゲージが減り始め、なくなるまでドライブキャンセル+スーパーキャンセルのドライブゲージ消費量が大幅に低減される。
      • 「超必殺技→NEO MAX超必殺技へとキャンセルする」「MAXキャンセル」も追加され、家庭版以降はさらにNEO MAX超必殺技のパワーゲージ消費量が3本から2本に緩和される。
      • 通常技・特殊技をキャンセルしてこのモードを発動することも可能であり、その場合自動でダッシュし相手に近付くため、連続技の難易度軽減と自由度アップに貢献している。
      • KOF2002』のどこでもキャンセルの発展版のような連続技システム。キャンセルする度にゲージも一定量減少するという点も同じ。
      • MAXキャンセルを使用すると、投げNM超必や当身NM超必が打撃技と同様の性質に変化する。XIのリーダー超必殺技によるドリームキャンセルと同様の仕様であり、NEOMAXが特殊な仕様のキャラクターも含め全キャラでコンボに組み込むことが出来る。
  • 「ターゲットアクションシステム」と「プラクティスモード」の追加。
    • 前者はアーケードモード一人用プレイ時に、画面中に表示される「ターゲットアクション」という簡単な指令をこなすとゲージが増加。
      • 超必殺技やコンボなどがすぐに行えるようになるため、初心者救済措置や技やゲージを使ったコンボを試しやすい作りに。
    • 後者はコイン投入後のタイトル画面時に起動可能。性能おさらいやコンボ練習も気兼ねなくじっくりとできるようになった。

評価点

  • 一言で言えば、従来のKOFに戻った。
    • 前作は操作変更や多くの仕様変更で戸惑ったプレイヤーが多数いたが、今作は『2002』に近く、やり慣れているプレイヤーならすぐに馴染む事が出来る。
    • それでいて先行入力やボタン押しっぱなしによる入力受付延長が今作では比較的延びており操作性はかなり緩くなっている。ゲーム展開こそ従来のまま早いがこの仕組みを踏まえ今作では連続技が繋げやすくなっている。
  • 前作から引き継いだ美麗なグラフィック
    • 続投キャラはもちろんの事、新規キャラもしっかり作りこんである。
    • また、ズームインアウトが廃止され前作で問題だった「見易さの調整不足」に関しても本作では概ね改善されている。
      • あえて挙げるとするなら、「拳崇やロバートなど一部キャラの超必殺技やNEO・MAX超必殺技において、折角のキャラクターのモーションがエフェクトに邪魔されてほとんど見えなくなってしまっている」という点くらいである。
    • EDやボスの出現などといったイベントCGもさらに美麗なものに進化している。影や服のシワ、肉体の造形に至るまでとても綺麗に表現されている。
  • 演出の強化
    • 今作からは超必殺技、NEO MAX超必殺技でKOをするとあけぼのフィニッシュの演出が入る。
    • 勝利ポーズや一部超必殺技などにズームインが入るなど、これまでのKOFにはなかった演出がほどこされている。
    • その他特定の組み合わせのキャラ同士での試合ではやられボイス、勝利セリフ、一部の必殺技のセリフが変化する
  • キャラや技の復活
    • 前作では明らかに技やキャラが少なかったが、前作に比べて大量に追加された。本作でようやく「いつもの面子」「いつもの技」が出揃ったといえる。
    • K'やクーラ、不知火舞といった人気キャラの復活はファンを喜ばせた。
      • うち舞とK'は、『XII』の移植発表直後にKOFシリーズのオフィシャルサイトに『XII』キャラクターセレクト画面テイストで描かれたイラストが掲載されたにも関わらず家庭用では追加されず、「あのタイミングであのイラストは何だったのか」と物議を醸した。
  • キング、ユリの脱衣KOの復活
    • '95』以来廃止されていたものが復活。オールドファンへのアピールとして機能した。
  • BGMも好評なものが多い。
    • 特にK'チームの「KD-0063」や八神チームの「嵐のサキソフォン5」は聞く価値あり。

賛否両論点

  • コンボゲー化の加速
    • 前に挙げたドライブゲージの仕様により高火力の連続技を様々な状況から決める事が可能。各キャラクターの技性能もドライブキャンセルを活かせる形に調整されており、立ち回りやゲージ数を度外視すれば殆どのキャラで即死コンボが出来る。
      • なお念のため補足しておくと、格闘ゲームではともすれ悪いイメージのある即死コンボであるが、チーム戦のKOFでは「即死のやりやすいキャラを3人目に置き1人目2人目でゲージを溜めてそれを生かす」など戦略性も生まれるため、ゲームシステムにマッチしており一概にマイナスとはいえない(個人の好みは別として)。そしてもちろんこれは開発が意図して入れた要素であり、即死コンボが「できてしまう」類の調整不足と比べるべくもない。
    • ドライブゲージを使用するのとしないのでは火力が全く違う為、対戦で勝つ為にはコンボの習得は必須。
      • 特にタクマ・サカザキはその筆頭で通常の火力は並かそれ以下だが、コンボを極めればドライブゲージのみで小技から即死コンボが決められる。
      • 投げキャラである大門すら、コマンド投げをキャンセルして別のコマンド投げというコンボが可能。
    • これは開発者曰く「コンボが最も上達を実感できる要素」である為、やり込み要素としての側面も兼ねてこのようなゲームデザインとなったとの事(公式サイトのインタビューより)。
    • KOFシリーズはジャンプ攻撃が立ち回りにおいて重要な位置を締めている上にコンボの基点にもなるので、コンボが上手くなるという事は立ち回りで読み勝った時のリターンが増え、コンボを決める為に立ち回りが自然に磨かれるという相乗効果が期待出来るのである。
      • よって、この着眼点はゲームにマッチしている。しかし複雑なコンボが苦手なプレイヤーにとっては、ハードルを高くしている側面もある。
  • ゲージ行動の強化による立ち回りの急激な変化
    • 一部の必殺技を強化する『EX必殺技』が追加されたが、同じく1ゲージを消費する超必殺技と同等の地位に位置づけるべく、そのどれもが従来のKOFシリーズでは考えられないような高性能技になっている。
      • さらに家庭用からはガードによるゲージの増加量がかなり増えたため、攻勢守勢問わずかなり頻繁に出せるものになっている。
    • この為、完全に読んでいなければ対処出来ない、予め練習しておかなければガードや透かしに成功しても反撃すら出来ないという状況が大幅に増え、これらの要素が従来のKOFに慣れていたプレイヤーから「ぶっぱゲー」「出し得」「押し付け」と呼ばれる事がある。
    • 同じシステム上での対戦ゲームである以上、お互いがEX必殺技を軸にした戦術・立ち回りが可能であり、キャラ差・相性は全く別の話である為、ゲームの欠点というよりは好みの問題に近いと呼べるが、コンボの問題と同様に長年続いていたシリーズ上での急激な変化であるという事が賛否両論の争点である。
  • アッシュ編最終章なのに、ストーリー面では消化不良な所がある。
    • アーケード版だと細部を端折って詰め過ぎた感があり、展開や説明も駆け足でイマイチ補完しきれない所もあった。
      • それらは大部分が家庭用で補完された。
    • また、基本的に『XI』以前のストーリーを未プレイのプレイヤーに対するフォローはほぼ無いため、今回初プレイというプレイヤーに対してはあまり優しくない。
    • 本家ストーリーとは関係ない件はまったく補完される気配がない。
      • 飛賊関連では「ネスツにいた飛賊の長・龍はネスツを見限り、ネスツ最高幹部のミスティを連れて拳崇の潜在能力『龍の気』を狙っている」「龍は飛賊を自らの手で滅ぼし、堕龍や麟(本作未登場)はその龍を追っている。しかし麟は『XI』にて龍と共におり、『XII』では多くの飛賊が行方不明」と言うストーリーが存在。
        極限流関連では『2003』EDにて、「在宅していたタクマが襲撃を受けて負傷。意味深な言葉をつぶやいて入院(『XI』にて完治)」と言うストーリーも存在している。
      • これはストーリー担当が何かに使えるかと入れたらしいが引継ぎもしないまま退職したため、永遠に補完されないと思われる(嬉野秋彦氏のツイートより)。
  • キャラ選出に関しては賛否両論。
    • それ自体はいつもの話であり、この手のゲームでは不可避の話題なので本来問題とはいえないのだが、今回の場合は新鮮さの欠如に加えてアッシュ編からの参戦キャラが殆ど未出場という事が上記の消化不良の大きな原因となってしまっている。
      • 特に、敵組織に妹のローズが操られてKOFを主催させられた、という一大事が起きているのにも関わらず『2003』のアーデルハイドが不参加な事には言及が目立った。
        彼は過去にKOFを主催していた悪役・ルガールの息子と言うかなり重大な設定を握っているキャラなのだが……
        前述の『XII』における舞・K'のように、「まるでゲーム中で使用するような構図のイラストが家庭用発売前に発表される」という事が本作では彼でなされた。この為、このメーカーのこのような行動は販売戦略の一環であると見られる。
      • 家庭用版のストーリーモードでアッシュ、ハイデルンと共に主役の1人に抜擢され、デモのみながら主役として堂々たる活躍を見せた。
    • 『XII』『XIII』と併せて見ても、オロチ編からの定番の古参キャラが約2/3を占め、バラエティ豊かだった『XI』までと比べかなり偏り気味である。
      • 内約するとアッシュ編からはアッシュ+1チームで4人、ネスツ編からは1チームで3人、今作の唯一の新キャラもCPU専用(家庭用にて別ver.が追加)、SNK作品からの新規ゲスト出演もホア・ジャイ(+前作含めるならライデン)のみ。一応『XII』同様庵は炎の力を奪われたため、必殺技が一新されているが・・・・・。

問題点

  • プレイに深刻な影響を及ぼすバグが多すぎた。
    • ホア・ジャイが「相手に「EXドラゴンキック」を当てた後、「弱ドラゴンテイル」でドライブorHDキャンセル」をすると画面外に消える。操作が簡単な上にこの方法で確実に発生。
    • 大門の地雷震、タクマの飛燕疾風脚はパワーゲージが1本もない状態でもEX必殺技として出す事が可能。発生条件こそあるがテクニックの要らない強力な技である。
    • 最も酷く、発生率が高いとされているバグは「バイスの必殺技「スプラッシュ」と相手の技が相打ちになると、相手がダメージモーションのまま硬直するバグ」。
      この技は崩しの一択として有用であり、相手も対抗して暴れる事も当然あるため相打ちになる可能性は高い。つまりバイスを使っているというだけで発生率が非常に高い。回避手段はこの技を封印する事だが、暴発する事も無きにしも非ず。
      • 数あるバグの中でも最も発生率が高いため「最良の回避手段はバイスの使用を控える事」という結論まで出される悲しい事態に。
      • このバグ、正規発売してから見つかったのではなく、ロケテストで報告されていたにも関わらず放置していたのはメーカーにとって大きな失態である。
    • さらにバイスには「空中でダウンしない攻撃をくらい、復帰中にある相手を超必殺技「オーバーキル」で投げようとすると相手がフリーズする」というバグまで存在する事が発覚。ただし、発生させられるキャラは限られている。
    • こちらの最も悪質な点は「相手がバグの発生条件にあるキャラならバイス側が能動的に発生させることが出来、且つバイス側が体力リードしていた場合タイムアップ勝ちが出来る」という悪用の可能性がある点である。
  • この結果、国内最大級の格闘ゲーム大会『闘劇』では「各種フリーズバグが起きた瞬間敗退が確定する」というルールが複数設定される異例の事態に。
    • 意図的に封印できるホア・ジャイはともかく、偶発の危険が高いバイス使いはもちろん涙目である。
      • なお似たようなバグが存在するものの、簡単に解除できるラルフはこの敗退ルールから免れた。
  • これらのバグは当然ながら一応ver1.1へのバージョンアップ&家庭版で修正された。
    • ただ、現在でも「舞がこちらに頭を向けてダウンする投げ技を決められた際、その起き上がり時に何故か一時ガード不能になるフレームが存在する」という舞にとっては割と致命的なバグがある。
    • そのため、コンボの最後にそういった投げ技を持ってくることが出来るキャラによっては、対舞のガード不能永久セットプレイが出来る。しかもよりによってそれが行いやすいのはバイス。もっともこれはバイスのバグではないのだが…。
    • その他、画面端でマチュアのデスロウが永久に繋がり続け、ミスしなければその試合は勝ちが確定するという永久コンボも存在した。
      • 高く浮かせる+画面端という簡単な条件下で勝利確定というのは他のゲームであれば問題になるレベルだが、マチュア自身の性能が低いためこのコンボを持ってしても最強キャラには到底届かず、稼動初期に騒がれただけというレベルで済んだ。
      • 逆に言えば、アーケード版はそれだけバランスが…とも言い換えられる。
  • 一部のキャラが非常に強く、対戦ツールとしてのバランスが悪い
    • 稼働初期から火力、立ち回り、ゲージ依存が少ない、技バランスも最適のK'が最強とされ、各キャラ研究の進んだ現在ですらほぼ揺るぎないものになり、闘劇でも非常に高い使用率を誇っていた。
    • ライデンは立ち回りこそ弱いものの、無敵時間付きでリスクなし・ヒットすれば追撃コンボで大抵即死に追い込めるスーパードロップキックが凶悪。ついでに闘劇決勝はライデンが暴れていた。
    • 逆に投げキャラのクラークや大門など、火力が低い・立ち回りが弱いという本作のシステムとミスマッチした性能であり、明らかに恵まれないキャラもいた。

総評

ハッキリ言って失敗作だった前作を全て捨て去り、いつものKOFに+αした事で、システムそのものは現在の格闘ゲーム市場でも十分通用する作品として復活した。

しかし、前作の不評でプレイヤーが警戒していた事に加え、従来のKOFプレイヤーもバランスを始めとする作りこみの甘さに呆れて旧作に帰っていくなどしてインカム率は下がってしまい、結局、客足は遠ざかってしまった。
さらにネット上ではライデンやK'の傍若無人な性能や上記のバグ騒動の動画も広まり、ネガティブなイメージが定着してしまった。

その後にリリースされた家庭用移殖版では、不人気の決定的な要因だった作りこみの甘さを徹底的に改善し、単なる移植に留まらないクオリティアップを果たした。
これが功を成して対戦人気は上昇し、『KOF'98』『KOF2002』に次ぐKOF史上第三の定番対戦ツールとしての地位を得ることとなった。

アーケード版での初動の不評から家庭用移殖の際の再調整を経て、前作の汚名を雪ぐに十分な出来にクオリティアップを果たした本作。
家庭用移殖版のアーケードへの逆移殖も実現しているため、今後に期待がかかるところである。

その他

  • 中ボスである敵組織の首領・サイキは戦闘時に変身した結果、前代未聞の全裸で戦うキャラになっており、ファンからネタにされている。
    • 「局部は隠れているが設定上は全裸」「そもそも服を着る必要のない人外」というキャラならこれまでにもいたが、人間体を取っていながら全く隠す気がないというキャラはさすがに珍しい。
    • 普通に戦うとその超反応に苦しめられるが、実は一度ダウンさえ奪ってしまえば起き上がりにしゃがみ強キックなどの足払い系の技をだすとほぼ確実に喰らうので、このループで楽に倒せるという攻略法も。ストーリーを見たい層にとってはありがたい仕様といえるだろう。

現在この記事は、判定変更議論依頼で良作への変更を依頼されています。

家庭用移植

対応機種 プレイステーション3
Xbox360


発売・開発元 SNKプレイモア
発売日 2011年12月1日
価格 7,140円
判定 なし

特徴

  • ビリー・カーンや前述のサイキといった新キャラ、過去のSNK作品のステージが追加。
    • ビリーはライデンとホアと組ませる事でギースの配下チームが構成可能。専用の一枚絵もある。
    • サイキは設定上やゲーム性のためか、変身前のアッシュと瓜二つの姿で登場。
      • ドット絵はアッシュのコンパチ。ちなみに変身後のグラフィックもアッシュがベースになっている。
  • DLCとして、多くの派生技で戦う『'96』以降のキャラ性に近い「ネスツスタイル京」や、従来の性能の「炎を取り戻した庵」、タクマ・サカザキの裏キャラクターでありながら毛色の異なる性能の「Mr.カラテ」が追加された。
  • ゲームバランス、システムバランスなども大幅に見直され、アーケード版で最強とされたK'とライデンの弱体化や不遇気味だった投げキャラの強化、使いにくかったNEO MAXの使用条件緩和など、もはや家庭用オリジナルの準新作とも言える程の変更が行われている。
  • ストーリーを補完するストーリーモードが追加された他サバイバルや指定されたコンボを決めていくトライアルモードも追加。
  • オンラインモードは『BLAZBLUE?』や『ストリートファイターIV』に比べてかなりラグがあり、パッチも配信されたもののそれでもオフラインと遜色なく遊べるとは言い難く、家庭用オンラインのプレイヤー人口はかなり少ない。
    • 回線相性の悪い相手と対戦拒否が出来ない。3人以上で遊べないなど、機能も寂しい。この辺りは今なお修正が望まれている。
      • 現在は後述のAC-CLIMAX版かPC(Steam)版がある為、そちらを推奨。
  • 追加されたカラーエディット機能にPS3版のみ一部反映されないバグがあったが現在は修正済み。
  • 前作の反省からか出荷をやや絞った模様。
  • 前述したバランス調整の結果、格闘ゲームとしての評価はかなり高く、特にこれまでのシリーズがそれほど受け入れられてこなかった欧米など非アジア圏では「いちばん流行ったKOF」であると言っても過言ではない。
    • 2014年2月現在もじわじわと勢力を広げ、アメリカにおける世界最大規模の格闘ゲーム大会『Evolution Championship Series(通称EVO)』では2012年から3年連続で種目に選ばれた。KOFは元より、SNK及びSNKプレイモア製のゲームとしても種目に選ばれた初のタイトルである。

THE KING OF FIGHTERS XIII CLIMAX

【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず さーてぃーん くらいまっくす】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 アーケード(Taito Type X2)
アーケード(Nesica×Live)
販売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 SNKプレイモア
稼動開始日 2012年4月26日(Taito Type X2)
2013年9月12日(Nesica×Live)
判定 良作

特徴

  • 評価の高いコンシューマ版をアーケードへ逆移植したアッパーバージョン。
    • システムやキャラクター調整が家庭用準拠になっているほか、家庭用での不具合を修正、家庭用の追加キャラクターやDLCキャラクターも無条件で最初から使用可能になっている。
      • シリーズ最高クラスとも評価されているだけあり、シリーズの面白みを煮詰めた完成度の高いシステムと、好きなキャラを好きに選んでチームを組んでも割と何とかなる良質な対戦バランスが魅力。
      • ワンチャンスを物にしやすいMr.カラテ等の強キャラ、いまいち尖った部分の無いテリー・ボガード等の弱キャラといったキャラ差が無いわけではないが、全キャラ十分なキャラ性能は持っているため、どのキャラを使っても勝ち目はある。
  • 難点は稼働当初設置店舗が非常に少なかった事だが、2013年9月12日からはNESiCAxLiveにて配信されているため、これが設置されているゲームセンターであればプレイが可能となった。これからに期待がかかる。

THE KING OF FIGHTERS XIII STEAM EDITION

【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず さーてぃーん すちーむ えでぃしょん】

対応機種 Windows XP以降
発売元 SNKプレイモア
開発元
発売日 2013年9月14日
価格 ¥1,980
判定 良作

特徴

  • 2013年9月にNESiCA配信版と同時期にSteamストアにて販売が開始され、Windows PCでもプレイできるように。
  • システム等はCLIMAX版(現行のNESiCA向け最終版)がベース。
    • バランスに関しては大元のPS3/Xbox360版から変更は無いが、細かいバグが修正されている。
    • PS3/Xbox360版では有料DLCだった3キャラクターはデフォルトで収録されており、特に解禁条件は無く使用する事ができる。
  • プログラミングの自由度が高いPCソフトである(そのうえTaito Type X2およびNESiCAxLiveはPC/Win互換機ベースである)故か、ネットワーク対戦におけるラグが家庭用と比べ大幅に改善されているほか、環境の細かい設定もできるため、快適なオンラインプレイができるようになっている。
  • 値段も比較的安価なので今からKOF13を始めるのであれば最もオススメ。
    • 当初VALVE Steam自体が国内で馴染みのないタイプのサービスだっただけに、購入のハードルは少し高かったが、2014年8月からは日本円換算+コンビニ/Webmoney支払いが可能になったため購入のハードルはかなり下がった。
      Steamは不定期セールを実施しているがそのラインナップに今作が加わっている事もある(夏場や年末年始はほぼ確実)。時々覗いてみるといいだろう。
    • 2015年4月10日からは『KOF'98UM FINAL』『KOF2002UM』とセットにしたお得な3本パック『THE KING OF FIGHTERS Triple Pack』も販売開始されている。