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テイルズ オブ イノセンス R - (2014/05/05 (月) 15:18:49) の編集履歴(バックアップ)
テイルズ オブ イノセンス R
【ているずおぶいのせんす あーる】
ジャンル
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RPG |
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対応機種
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プレイステーション・ヴィータ
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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セブンスコード
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発売日
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2012年1月26日
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定価
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Vitaカード版:5,980円 ダウンロード版:5,380円
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プレイ人数
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1人
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周辺機器
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別売メモリーカード必須
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通信機能
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PlayStation Network対応 ※ダウンロードコンテンツ配信
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象)
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コンテンツアイコン
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セクシャル、暴力、犯罪
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ポイント
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リメイクとしては悪くない 改善点は多いが少々こじんまりしている 良くも悪くも携帯機向け
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テイルズオブシリーズ関連作品リンク
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概要
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2007年にニンテンドーDSで発売された『テイルズ オブ イノセンス』のリメイク作。タイトルのRは「reimagination(再構築)」の意味。RPGとしては、Vita初の作品となった。
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新キャラの登場やそれに伴うストーリーの再構築、戦闘システムの一新など様々な要素が改訂されている。
追加・改変要素
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DI-LMBS(ダイレクトインタラクション リニアモーションバトル)
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フリーラン、空中コンボを駆使した戦闘が楽しめる。また、レイヴシステムの追加によって、戦闘のやり応えが増した。
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経験値稼ぎが苦になりにくくなり、テンポよく進めるのは大きい。
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戦闘バランスの再調整
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DS版では最大3人だった戦闘メンバーが4人に増加。また、メニュー画面で戦闘参加メンバー数を変更することも可能になった。
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DS版では難易度が高く設定されていたが、全体的に戦闘難度が抑え目になった。「敵が強すぎて詰む」という状況に陥ることはまずない。
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決して「簡単すぎる」訳でもなく、上記のDI-LMBSによる派手な戦闘を楽しみながら進められる適度な難度になっている。
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ボス戦も、後半に登場する「回復術を使えるキャラとタッグで登場するボス」以外は苦労するようなことはない。装備品の属性と回復アイテムにさえ気をつけていれば、割とサクサク進める。
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最後の手段としてDLCによるレベルやガルドなどの補充という手もあるが、はっきり言って頼る必要はない。
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エンカウントはランダムエンカウントに変更。高過ぎず低過ぎない程よい頻度になっている。
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キャラクターの追加
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敵の術を受けることで習得することができるシリーズ初の異色のキャラ「コンウェイ」、術は使えないが多彩な技を持つアタッカー「キュキュ」が新たに仲間に加わった。
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ギルドの廃止とミッション
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オリジナル版で不評だったギルドがなくなりグレードはこれまで同様、戦闘の評価によって入るものになった。2周目以降の特典購入はもちろん、各街にあるグレードショップではレシピやレイヴ・作戦を購入できる。
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『テイルズ オブ エクシリア』同様、所持グレードの上限こそあるものの、上限まで貯めればほぼ全ての特典が購入可能となった。引き継ぎ項目も充実。中でもパラメータをそのまま引き継げるのは画期的であり、その気になれば全ステータスカンストも狙える。
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戦闘突入時に低確率でミッションが発令される。「操作キャラのみ術技を使わずに勝利せよ」「誰も戦闘不能になるな」などで、クリアするとアイテムがもらえたり経験値などが増えたりする。なお、達成できなくてもペナルティは一切ない。
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タッチ操作の導入
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戦闘中に画面の顔をタップすることで、登録しておいた術技をショートカット使用できる。
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その他、ダンジョンマップの一新やスキットの追加などオリジナル版の不満点を考慮した改変が加えられている。
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不評の多かったダンジョンは仕掛けが多数用意され、従来の作品と比較しても遜色ないやり応えのあるものとなった。
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スキットはフルボイスではないが、数は多く、ボイス付きのものもかなり増えた。内容も好評なものが多い。
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物語後半の通常戦闘・ボス戦用のBGMなど中村和宏氏による新規楽曲が多数追加。DS版では悪かったBGMの音質もかなり良くなっており、新規追加のBGMも人気が高い。
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称号システムとそれに伴うコスチュームチェンジが採用された。本編中で手に入るものはやや少なめだが、『エクシリア』で批判されたキャラごとの格差はなくなっている。
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衣装変更は従来通り、称号を装備することで行える。今作の称号は、装備扱いとなっており、装備をすることでパラメータが上がる。
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もはやお約束だが、DLC限定の衣装もある。ただし、今作では期間限定で特別価格にてダウンロードできるサービスが行われていた。
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今までのリメイク作品では作風が変わったり、登場人物の性格が改変されることが多かったが、ヒロインの言動がややマイルドになっている程度で改変点は少ない。
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オリジナル版でも、その独特な言動から名物キャラとなっていた「ハスタ」は戦闘回数が増えた上、専用の戦闘曲が追加され、より印象に残る人物になっている。
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戦闘や場面転換時のロードも殆どなく、快適にプレイができる。
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マザーシップタイトルとしては久々にワールドマップとランダムエンカウントが復活した。
賛否両論点
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新キャラの立ち位置
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追加された二人は異世界人であり既存のパーティーキャラクター6人と異なり「転生者」ではないため、イベントで置いてけぼりを食うことがしばしばある。一言も発しないまま次のイベントに行くことも。
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キャラクター自体は二人とも比較的好評なので少々惜しいと言わざるを得ない。
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戦闘メンバーとしてはかなり癖が強く、ある程度システムになれていないと扱いにくい面がある。その分、うまく使いこなせば非常に頼れるのだが。
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コンウェイは殆どの術習得がラーニング頼みなため、レベルアップで強力な術を覚えるパーティメンバーと比べると扱いにくい。またキュキュも、回復もできるエルマーナやある程度の術を使えるルカやスパーダに比べると少々見劣りしてしまう。
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ただコンウェイはラーニングにより殆どの攻撃術を習得できる利点があるため、小まめに戦闘に参加させておけば、射程無限に加えて回避不能なオールレンジ攻撃という高性能な通常攻撃と合わせて万能キャラになってくれる。レベルアップで習得する術も一応あり、それらは彼専用の術で、高レベルで習得する術はかなり強力である。
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また、キュキュも技にトリッキーなものが多いため組み合わせ次第では非常に面白い戦闘が可能になる。
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コンウェイの思わせぶりな行動の理由が明らかになるのはゲームが終盤にさしかかってからであるため、若干不満に感じるプレイヤーも少なくない。また、2人の行動も続編を思わせながら終わっているため、消化不良感が漂う。
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グラフィックの質について
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据え置きHD機に比肩するスペックを持つPS Vita初期の作品にしては低い部類で、近作の3Dテイルズによくある表情の動きのパターンが少ない。結果、どの場面でも似たような動きをしているために見ていて飽きる。
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ただし、単純にDS版から比較すれば目に見えてグラフィックが向上しているのは事実であり、見比べるとハッキリとグラフィックの進化が分かる。
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オリジナル版でも指摘された、ボリュームについて
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再構成されたといっても、元が元ということもあり、本編ストーリーはやや短め。クリアだけなら、一周目クリアに20時間かからないだろう。ちなみに15時間を切るとトロフィーが貰える。
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ラストも駆け足すぎで、振り回されているだけで終わってしまった感じが否めない。一応は原作のあっさりした部分は薄れている。
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戦闘ランクは敵の全ステータスが1.2倍になる「ハード」の次が敵の全ステータスが3倍になる「アンノウン」(クリア後限定)になっている。
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これまでの「マニア」に当たる中間の難易度がないため、「ハードでは物足りないが、アンノウンだと強すぎる」という意見がある。
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もっとも「マニア」は近年の作品(ヴェスペリア・エクシリアなど)では用意されていないことが多くなっている。
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DS版には存在したシリーズお馴染みのコレクター図鑑(入手したアイテムが記録される図鑑)が廃止されたのもしばしば不満点として挙がる。
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アイテム数は大幅に増えており、ミッション報酬やくじ引き、敵からのドロップなどでしか手に入らないレアアイテムも多数あるため、コンプリートする楽しみ自体はあるのだが。
総評
オリジナル版の不満点をなんとか克服しようとしてはいるのだが、全体的にこじんまりとしてしまっている印象を受ける。
一方で『エクシリア』で削除されていた定番要素の多くが復活するなどシリーズファンからの評価は概ね好評。
腰をすえてじっくりプレイするにはやや軽い作品だが、リメイクとしてもテイルズ作品としてもなかなかの出来なので一度プレイしてみてはいかがだろうか。
余談
コンウェイとキュキュの世界と関連するイベントにおいて、リメイク元と同じDS作品の『テイルズ オブ ザ テンペスト』・『テイルズ オブ ハーツ?』を思わせる1枚絵が出てくる。
さらにエンディングや予約特典のスキットでは、次なるリ・イマジネーション作品の発売が示唆されており、実際に『ハーツ』が『テイルズ オブ ハーツ R』としてリメイクされた。