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ゲンジ通信あげだま - (2010/09/19 (日) 15:01:22) の編集履歴(バックアップ)


ゲンジ通信あげだま

【げんじつうしんあげだま】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 PCエンジン
メディア ?MbitHuカード
発売元 日本電気ホームエレクトロニクス
発売日 1991年12月13日
定価 5,800円
ポイント 溜め攻撃無双
アニメ版とは似て非なるもの

概要

  • 1991年後期から翌年までTV放送されていた同名アニメのゲーム化にあたる一作。
  • 一人プレイ専用、全6ステージ、裏技にて難易度4段階調整が可能。

主なルール

  • ショット&ジャンプ操作の横型アクションシューティングにあたる。ステージによってスクロールの仕方が違うのが特徴。
    • ステージ1~5途中までは強制スクロールで進行。他ゲームで例えるならば『チェルノブ』や『ウルフファング』などのそれに近い。
      • 強制スクロール場面では操作キャラは常に前方に向いており、後ろを振り向く事はできない。それ故にそれを意識した攻撃を行う必要がある。
    • ステージ5途中からは任意スクロールになり、自身の移動操作にて先に進む事となる。
    • 各ボス戦は固定スクロールであり、限られた画面にてボスに挑む事となる。
  • ショットボタンを押しっぱなしにして頃合が見計らった時に離すと、通常よりも強力な溜め攻撃が可能。専用アイテムを取得する事により溜めの上限が増し、より強力な溜め攻撃が可能となる。
  • キーの上を押しながらジャンプすると大ジャンプを行う。場所によってはこれを使わないとまともに先へ進めない場所もある。
  • キーの下を押すと無敵時間と攻撃判定が発生する前転移動が行える。敵の攻撃を回避する為の必勝操作だが、前転を終えると若干の隙が生じるので注意が必要。
  • 残機なしのライフ制。ライフ(ゲーム上の表記は「いのち」だが、ここでは便宜上ライフと表記)が全部なくなるとゲームオーバー。ステージ中のライフ回復アイテムを取得するとライフが1回復。ステージ中の回復ポイントに触れるか、ステージをクリアするとライフが全回復する。

評価点

  • そこそこ頑張っているグラフィック。主人公の躍動感溢れる動きはなかなかイカす。
  • BGMのクオリティは高い。耳に残る印象的なメロディ。
  • ダメージを受けても無敵時間が発生するおかげで連鎖ダメージは回避できる。また、落とし穴に落ちても1ダメージだけで済み(もちろん無敵時間発生)、自動的に落とし穴からジャンプしてくれる救済処置のおかげで理不尽死に遭遇する事はほぼあり得ない。
  • 溜め攻撃の種類は何故か豊富。攻撃判定や攻撃のグラフィックにまで差別化が図られている。

問題点

  • 溜め攻撃の性能が強すぎて通常攻撃の存在意義が皆無に等しい。溜め攻撃を出すと敵を簡単に倒せてしまい、逆に通常攻撃でちまちまと撃っているとほぼ確実に苦戦する程。
    • 溜め攻撃の上位版は画面内の敵全体に大ダメージをあたえる高性能であり、これを多用してしまうとシューティングの常識である、狙った敵を撃ち分ける楽しみさが消失してしまう事になる。
    • すなわち、このゲームにおいては、「最大まで溜めを行い、敵が現れたら全体溜め攻撃を放つ」の繰り返しになりやすく、シューティング部分としてのゲーム性を否定するようなプレイスタイルに陥りやすい。
    • 但し、強力な溜めをすればその分の時間を消費し危険を伴う上に、どの溜め攻撃も攻撃持続時間はさほど長くはなく、それ一回で長期間に敵を倒せる訳ではない。状況によっては無理に最大溜めを行うよりも、中程度の溜めで攻撃した方が効率良く敵ダメージをあたえられる事もある。よってどの位溜めるかの計画性が重要となる。ってこれじゃますます通常攻撃が空気という事になってしまうが…。
  • 溜め攻撃の種類が豊富なのはいいが、どのタイミングで放てば使いたい攻撃をするのかが直感的にわかり辛い。一応は画面上部に溜めゲージが表示されているが、これを見ながら攻撃するのは視覚的に困難であり、その結果、最大の溜め攻撃に依存してしまう状況に陥りやすい。
  • このゲームはキャラがやや大きく描かれている影響で、ジャンプすると画面上下にスクロールする機会が多い。それ故に、ジャンプ後の地形把握が若干困難であり、ジャンプしたら落とし穴に落ちていた、なんて事が結構あり得る。
  • ゲームのボリュームがやや不足気味。全体的にステージが短めな上に、ステージ2の構造が他ステージよりも極端に短く、最終ステージ後半は過去ボスラッシュで水増し感が目立つ。
  • ゲームオーバーになるとそのステージ最初からコンティニューが可能なのだが、溜めゲージの上限が初期化されてしまう。特に後半ステージでは敵の数や攻撃が猛威を揮ってくる事も相まって異様に苦戦するハメになる。しかもコンティニュー数に制限ありで、プレイヤーの腕前によってはコンティニューの意味が成していない状況になる(裏技でコンティニュー回数を増やす事は可能)。

賛否が分かれそうな点

  • アニメ版とはあまりにもキャラの外見が違う。アニメを知ってる人から見れば「誰だお前」状態であろう。
    • そもそもこのゲームが発売されたのが91年12月、アニメが放送されたのが同年10月であり、ゲーム開発の期間を考えるとアニメ版と同様の設定に合わすのが困難だったという大人の事情があるらしい。
    • これはアニメ開始前の初期設定を元にしていたため。コミックボンボンでは漫画が先行連載されており、あげだまが野生児で和風の戦闘服をまとうなどこのゲーム同様に初期設定を基にしていた。しかしアニメ化の際に大幅な設定変更がされた上、漫画の設定を強引にアニメにすり合わせたため、漫画読者から見たらアニメ版が「誰だお前」状態になってしまった。
  • 他のPCエンジンHuカードのキャラゲーの例に漏れずアクション重視でストーリー性は皆無。少なくとも話を楽しむ系のゲームではないので、ストーリーを期待するとクソゲー未満な何かとなってしまう恐れは高い。
    • そもそも、アニメ版と似て非なるものである時点でストーリーを入れる必要が薄い気もするが…。

総評

  • ゲーム自体は良作と呼ぶには少々無理があるが、特別クソゲーと呼べるものではない。良くも悪くもPCエンジンHuカードらしいアクションキャラゲーという印象。
  • 溜め攻撃の半チート性能はゲームバランス的にどうかとは思われるが、使うリスクを伴う事を考えると、そこまで極端にゲームバランスが崩壊しているものではなく、そういうものと割り切れば楽しめはできるだろう。
  • アニメ版はゴールデン帯放送にも関わらず、(主に話中盤位から)過剰なまでのパロディネタを仕組み、90年代屈指の怪作としての一部ファンからは注目を集めていた(今でいうところの「銀魂」みたいなものか)が、ゲーム版はごく平凡な出来であり、いまいちインパクトに欠ける存在で落ち着いているのが悲しいというか安心というか…。