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ウルティマVI 偽りの預言者 - (2018/01/09 (火) 11:56:44) の編集履歴(バックアップ)


ウルティマVI 偽りの預言者

【うるてぃましっくす いつわりのよげんしゃ】

ジャンル RPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 ポニーキャニオン
開発元 インフィニティー
発売日 1992年4月3日
定価 9800円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
判定 なし
Ultimaシリーズリンク


概要

  • ウルティマ』シリーズの第6作のスーパーファミコン移植版。
    • プレイヤーは「アバタールの聖者」と呼ばれる君自身。謎の敵『ガーゴイル』との戦いの勃発により、再びブリタニアに召還される事となる。

特徴

  • 自由度が非常に高い。
    • 逆に言えば、どこから進めるべきか具体的なヒントが極端に少なく、何をすればいいのか分からなくなることがとても多い。
  • ゲーム開始直後に『ムーンオーブ』というアイテムが手に入る。
    • 使ってもなくならない重要アイテムで、主人公の周囲のいずれかのマスにおいて使うと、マスによって決まった位置にワープできる。
      • ただし、主人公の真下などの簡単な位置におくだけで『ガーゴイル』の巣くうある重要な場所にワープできてしまう為、いきなり訳の分からない場所に放り出されて強力なガーゴイルに襲われて面食らうのもまたお約束。ちなみにそれらの場所はゲーム後半でかならず行く必要が出てくる場所なのだが、ゲーム開始直後からいきなりいけてしまうのはどうなのか。
  • ダンジョン内は、かの「ドラクエ1」のように、主人公の周囲以外が全て真っ暗になる。
    • 「たいまつ」や魔法「ライト」を用いて周囲を明るくして進むのが定石となる。なお、奥深くもぐっていくほど、BGMがだんだんと暗くなり、音量が小さくなっていくという特徴がある。
      • ちなみにこのゲームの「たいまつ」は、片手に持つアイテムなので、たいまつを持つキャラは、たいまつが消えるまで両手装備武器を装備できない事になる。また、一度持つと消えるまで外せない。
  • 街にいる兵士に戦いを挑める。
    • ただし、カルマシステム(後述)の関係で、こちらに危害を加えてこないものを攻撃するのは得策ではない。
  • 過去作と違い、ロードブリティッシュ(この世界の統治者)と一戦交えることは出来ない。
  • この世界の住民すべてが1分単位(!)で生活しており、夜になると宿屋すら閉まってしまう。
    • かわりに「キャンプ」システムで、時間経過+回復が可能。ただし、各々のキャラが食料を持ってないと回復できないので注意。
  • 魔法は店で魔法を購入して、呪文の書というアイテムを装備して書き込む事で使用できる。
    • 本作では主人公以外のキャラはMPが非常に低いので、魔法キャラは必然的に主人公のみとなる。本作は魔法にレベルが定められており、レベルが高い魔法は、キャラのレベルがそれに届かないと使えない*1
  • 戦闘はMAP上でそのまま行われるタクティカルバトルとなっている。
    • 難易度は正直言ってぬるい部類だが、例外としてガーゴイルやデーモン、ドラゴンなどの強モンスターは本当に手ごわい。
    • 消費アイテムの「火炎瓶」が、範囲攻撃+安価+なかなかの威力なので、これを投げつけていればいつのまにか敵が死んでいる。
    • 因みに経験値は敵を倒したキャラのみが得るシステムの為、育てたいキャラがいる場合は火炎瓶を投げまくる事も多い。
      • ただし一部の魔法以外は、その攻撃範囲内に味方がいると味方までダメージを喰らうこともある。
  • 基本的に武器は壊れないが、一部例外として、ライトニングワンドやファイヤーワンドといった魔法武器は、確率で壊れる。その破壊確率も非表示。
  • ごく一部の重要なアイテム以外は、キャラクターによって装備できるアイテムに違いはない。没個性ととるか自由度が高いととるかはプレイヤー次第。
  • 『カルマ』と呼ばれるシステムがある。最高値は100で、最低値は0。
    • 「人のお願いを適えてあげる」「物をめぐんであげる」「神殿でレベルアップする」など、良い事をすると上がり、「物を盗む」「兵士や無害な動物を攻撃する」「嘘をつく」など、悪いことをするとカルマ(業)が下がってしまう。
    • カルマが下がると、店の価格が高くなるほか、 死亡からの復活時に総合EXPが減る という仕様がある*2。経験値を稼ぎにくい本作において、これは非常に辛い。
    • さらに、終盤のイベント時に 『カルマ』が80以下の状態である選択肢を選ぶと、ゲーム進行ができなくなる という致命的なバグがある*3。該当の選択肢を選ぶ際には、カルマが80以上あるかどうか必ず確認する事。
  • LVアップは『神殿』と呼ばれる場所で行う。この『神殿』は、最初はガーゴイルに占拠されており、解放の為に『ルーン』なるアイテムを探す必要がある。また、既存のRPGと違い、そのキャラの総合EXPが一定値を超えているとレベルアップができるシステムとなっている*4
    • 本作での最高レベルは8。一見低いように見えるが、本作で敵から得られるEXPは多くても60前後がいいところ。そしてLV8に必要な総合EXPは6400と、実際にプレイすると分かるがかなりの敵を倒さなくては到達できない数値である。
    • 神殿を解放すると『ムーンストーン』というアイテムが手に入る。これはゲームクリアに必要なので、必然的に、8つある神殿全てを解放しなければならない。
    • また神殿によって、LVアップボーナスが違う。能力値に差が出るので、LVアップの際に方針を決めておこう。
      • STR+3の「勇敢さ」、INT+3の「誠実さ」、AGI+3の「優しさ」、全パラメータ+1の「清らかさ」のいずれかでLVアップするのが望ましい。他の神殿はLVアップボーナスが少ないため、損してしまう。
      • ただしどの神殿でも、最初の1回目のレベルアップ時のみカルマが+10されるため、無駄ではない。
  • シリーズキャラ「ねずみのシェリー」は、本作ではなんとアイテムとして持ち歩く事になる。
    • その小さいサイズから、主人公達が入れない場所のアイテム回収に用いる。実は重要アイテムの回収の為にシェリーが必要な場面もある。
    • また、シェリーが持てるアイテム(重量の大きいものは持てない)なら、盗んでもカルマが低下しないという裏技がある。
+ 以下ネタバレ
  • 実はこのゲーム、数あるRPGの中でも珍しい 『ラスボスがいないゲーム』 である。
    • 寧ろ、下記の記載にもあるが 「真のラスボスは最初の城の城門」 と揶揄される事もある。

評価点

  • BGMは世界観にマッチしていて非常に出来がいい。
    • メニュー画面の曲などは、間違いなく耳に残るだろう。
  • 良質なストーリー
    • ストーリーを進めると分かるが、このゲームはいわゆる勧善懲悪ではない。
      • 過去作を知っている人なら、その意味を理解できるだろう。
  • 弓系の武器には消耗品の矢が必要だったり*5、モーニングスター系の武器が離れた位置の敵を攻撃できるなど、戦闘システムにはぬかりがない。

問題点

  • 最初の城から出る時点で難易度が高い。
    • その理由として、ロード・ブリティッシュの長すぎる話と、その後の場内探索がある。
      • 最初の城のアイテムは、ロード・ブリティッシュからのプレゼントという事もあり、持っていってもカルマが低下しない為、大量のアイテム探しに夢中になり、鍵の事を忘れるプレイヤーが続出した。聞きなおそうにも、ロード・ブリティッシュの話が長く、苦痛になる事も。
  • 魔法やアイテムの説明がない。攻撃力や防御力などはかろうじて表示される程度である。
    • そのため、アイテムの効果が分からない事も多い。特に「嵐のマント」というアイテムがあるが、これを装備してる間は魔法攻撃を喰らわないが、自身も魔法を使えないという特性がある。しかし、そんな説明が一切ないので「嵐のマント」を装備して魔法が使えなくなったという不可解な事態を体験したプレイヤーも少なくない。
    • 魔法に関しては、これまた説明書がないと辛い… というレベルではない。 このゲームの魔法の名前はとても独特であり、説明書なしだと「そんな効果の名前かよ!」と思うこと請け合いである。
      なお「リビール」という、説明書に名前すら載ってない魔法が一個だけあったりする*6
  • 魔法使用時に「秘薬」というアイテムを消費する。
    • これ自体は悪い要素ではないが、秘薬は8種類あり、魔法1回につき複数の秘薬を消費する*7。秘薬にも重量がある上、このゲームではキャラのSTR×3がもてるアイテムの重量となるため、 主人公は持ち物の大半を秘薬で圧迫される事になる。 因みにパラメータ上限は30なので、もてるアイテムの重量は90が最高値となる。
  • ボートや気球が所持アイテムであり、使うとMAP上に設置してから乗ることとなる。
    • これらの乗り物は降りた際に回収しておかないと、 建物に入ったりした瞬間に消滅してしまう 。特に気球を作り直すのはかなり面倒なので、降りたら必ず「調べる」で回収すること。
  • とにかく情報量が多く、クリアに時間がかかる。期間を空けてプレイしていると何をするべきか忘れてしまうことも多いので、メモをとっておくほうがいい。
    • この世界は非常に広く、あちこちでフラグを立てないと物語が進まない。なお、街から街へは『ポケモン』のようにつながっており、ドラクエのようなアイコン形式ではない。
      上記にある、設置した場所によって様々な場所にワープできる『ムーンオーブ』なるアイテムがあるが、それを駆使してやっと楽になるほどである。
      本作をクリアできずに投げたプレイヤーは、この長さや面倒くささに付き合いきれなかったところも大きい。
  • セーブデータが1つしかない。しかもデータが消えやすい。取り扱いには細心の注意を払うように。
  • 仲間キャラは初期の4人が固定で、さらに2人まで一緒につれていけるが…、
    + ネタバレ注意
    • 最終盤において「ベーレム」というガーゴイルを必ず仲間にしなくてはならないため、実質、自由に使える枠は1枠しかない*8
      本作で自由に仲間に出来るのは数人ほどしかいないのだが、仲間の枠に関しては不自由というほかないだろう。
      因みに、その仲間も、当たり外れが結構激しかったりする。

総評

高い自由度を求めるプレイヤーなら、ぜひともプレイしてほしい一本。その広すぎる世界に最初は面食らうだろうが、一度入り込めば、隅々まで探索したくなるだろう。
ただ逆に言えば、この高すぎる自由度が足を引っ張っているのも事実であるが…。
現在で説明書ありの本作を購入するのは難しいので、攻略サイトなどを見て、魔法の効果などをきちんと把握する事を強くオススメする。