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マジカルポップン - (2013/02/12 (火) 20:52:50) の編集履歴(バックアップ)
マジカルポップン
【まじかるぽっぷん】
ジャンル
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横スクロールアクション
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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パック・イン・ビデオ
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開発元
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ポーラスター
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発売日
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1995年3月10日
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定価
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9,800円
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ポイント
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飯島愛、本当のゲーム声優初出演作 意外な位丁寧で遊びやすい作り 長時間プレイは避けられないのが問題
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概要
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パック・イン・ビデオから1995年にリリースされたスーパーファミコンソフト。
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今は亡き有名タレント、飯島愛氏が主人公のキャラクターボイスを担当している事がウリとされ、パッケージ裏にその事が大々的に表記されている。
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一人プレイ専用、全6ステージ構成。
主なゲーム内容
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いわゆるスタンダードな横スクロールアクションで、各ステージに存在する中ボス戦などを経て、ボスを倒せばステージクリアという流れ。
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ライフ+残機制だが、ライフがなくなりミスとなると、少し前の場所に戻されて再開される戻り復活である。ライフ、残機がすべてなくなるとゲームオーバーとなる(その後はコンティニューが可能)。
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ほぼ完全に任意スクロールであり、そのステージ内においては、同じ場所を行き来する事が可能となっている。また、各ステージはやや迷路チックな構造となっており、先の展開に進む為には魔法(下記)などを駆使し、新たな道のりを越える必要がある。
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他ゲームで例えるならば、『モンスターランド』『メトロイド』などの構造に近い。
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主人公のポップン姫(以下姫)の攻撃種類は主に二種類ある。
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一つは使用回数無制限の剣攻撃。攻撃バリエーションは「通常攻撃、上攻撃(十字キー↑+攻撃ボタン)、下攻撃(ジャンプ中に十字キー↓+攻撃ボタン)」があり、状況によって使い分ける必要がある。しゃがみ中やジャンプ中でも出す事ができる。
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このゲームではパワーアップに該当するものは一切存在しないので、終始同じ剣攻撃をする事となる。
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もう一つは魔法攻撃。RPGなどでいうところのMPに該当するストック「☆」を消費し、魔法技を発動する事ができる(一部☆を消費しない技もあり)。剣では届かない敵を攻撃できる他、破壊できない(先に進めない)障害物を乗り越える為にも必須な技でもある。
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初期状態では使える魔法技は一種類のみだが、ステージ途中で五種類の技を入手でき、最終的には合わせて六種類を使用できる。また、クリアに必要なものではないが、強力な魔法技が隠しで存在する。
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複数所持している魔法技は、LRボタン切り替え選択が可能。技を切り替えを行い、状況に合った技をその都度使い分ける必要がある。
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ジャンプ中は空中制御が可能。また、しゃがみ中にジャンプボタンを押すとスライディングが可能となる(但し、スライディング中は一切の攻撃ができず、隙ができる)。
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ステージ3途中からは魔法技の一つである「フックの魔法」で、特定のフック掛けに魔法を伸ばす事により、いわゆるラバーリングアクションができる。
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他ゲームで例えるならば、『バイオニックコマンドー』や『海腹川背』などのアレに近い操作。
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敵を倒したり、宝箱を壊したりするとアイテムが出現する事がある。主なアイテムとしては「お菓子(ライフ回復)、☆のかけら(☆回復)、1UPのかけら(3つ集めると1UP)、ハート(ライフ最大数が1増える+ライフ全快)」がある。但し、宝箱の中には爆弾(爆発してダメージ)もあるので、開ける時は注意が必要。
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各ステージにおける制限時間やそれによるペナルティは一切無く、じっくりと攻略が可能である。
評価点
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良好な操作性
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SFCアクションの中でも操作性が抜群に良い部類に入るといっていい。いきなりプレイしても何の躊躇もなく操れる程の軽快さである。
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ボタン配置が多く、それ相当の複雑さを求められる事が少なくなかったSFCアクション郡だが、本作は比較的操作が簡単な部類に入る。それ故に説明書を読まなくとも入り込め、操作感覚も至って上質な本作は、人を選ばずにプレイさせてくれる間口の広さを持っていた。
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余計な操作性の悪さとは一切無縁であり、下記問題点の事を除けば、極めてさくさくとした進行が可能となっている。
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上質なゲームバランス
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比較的易しめな難易度だが、全編通してバランスに極端なばらつきがあったり、無理ゲーと化している部分は全く存在しない。先に進むにつれ、正当に程よく難しくなるというアクションゲームの鑑のようなバランスを誇る。
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姫がダメージを食らうと、一定時間は無敵になり仕切り直しが可能となっている。無理アクションゲーにありがちな、ダメージのループによる強制ミスといった事態は本作にはあり得ないだろう。
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また、本作には落とし穴による即ミスは一切存在しない。それ故に理不尽な死亡状態に陥る事はほとんど無いが、ステージを進むにつれダメージを受ける落とし穴は点在してくるので、決してゆるいという訳では無い。
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逆にごり押しで進めるようなヌルゲー部分もほぼ無いに等しい。例えば、ボス戦にて相手にダメージをあたえても、ボスにも姫同様に無敵時間が発生し、連続攻撃でオーバーキルする事は不可能となっている。その為、姫もボスも同等の条件で戦う環境であり、お互いが反則技を使用できない平等さを保っている。
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姫のリアクションがやけに細かくて可愛い。通常アクションはもちろんの事、しゃがみ状態でそのままにしているとびくびくとうずくまったり、崖に落ちる寸前に立っていると落っこちそうになったりと、何気に演出が細かい。これぞ16ビットの萌えである(多分)。
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絵柄もスーファミ熟練期のゲームだけあって、ポップでカラフルな絵柄でなかなか綺麗。敵や地形の判別もわかりやすく、視覚的な問題はほぼ無い。BGMも良質でサウンドテストも可能。
問題点
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とにかく迷う
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上記ゲーム内容でも述べたが、本作のステージ構造はやや迷路チックであり、ただ目先に進むだけではゴールにたどり着く事は難しい。しかも、現在の場所を知らせるMAP機能といったものは搭載されておらず、初見プレイヤーにとっては行き当たりばったりな進行に陥りやすい。
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特に後半ステージは迷路具合や罠の仕掛けがより激しくなり、迷路の途中で前戻りの罠にかかり、前地点からやり直し、という状態になる事もあり得る。
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お気軽に遊べないプレイ時間
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迷いやすく大きな時間を食いやすいという関係上、推定プレイ時間はパターンを極めた熟練者でも約1時間、そうじゃない人は2~3時間はかかると思われる。
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しかも、パスワード、セーブ、ステージセレクトの類は一切存在せず、まさに長時間覚悟でぶっつけ本番クリアを目指さなければいけない。
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もちろんゲームオーバーになったり、完全に迷子になったりして苦戦を強いられると、上記プレイ時間がさらに延びる可能性は十分に考えられる。
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ゲーム自体は面白いのに、プレイ時間が過剰にかかるという点ではファミコン版スーパーマリオ3と同様の問題を抱えている。しかも、マリオ3のワープ笛のようなフォローアイテムすらも存在しない本作はさらに性質が悪い。
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かなり強引だが、現状においてプレイ時間の問題を緩和する方法は「プレイ中にポーズし、スーファミの電源を消さずにそのまま放置する」か、グレーゾーンな方法ではあるが「ROM吸出し機を使いカセットデータをPCに取り込み、セーブ機能のあるエミュレータでプレイする」位しか方法はない。バーチャルコンソールに配信されれば一気に解決するのだが、やはり声優絡みの版権があり、非常に難しいところである…。
賛否両論点
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飯島愛の声
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本作の最大の売りとされている氏のボイスについてなのだが、はっきりいって棒読み気味で演技が篭っていない有様である。この辺は10101~と何も変わっちゃいないアレな声で、結構な人が拒絶反応を起こす可能性は高いと思われる。
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しかし、それ以上に謎なのは、飯島氏の声が主人公の姫のキャラとは全くといっていい程に不釣合いなところにある。
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そもそも姫のキャラ像としては、ファンシーで可愛い女の子、もしくは大きなお友達狂喜乱舞なロリ萌え幼女であり、当時イケイケタレントとして活躍していた飯島氏を採用する意味がいまいちわからない。こういうキャラに声を入れるなら、普通はそういう声質をもつプロの声優を起用するべきなのだが、何故飯島氏にこだわったのか…?
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ただ、やっぱり女性が担当しているので、「聞いているうちに慣れてくる」「もう飯島ボイスでいいや」というの声も少々はあるようだ。
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タイトルにて選択できるおまけ(オプション)モードで、氏のゲーム中のボイスを好きなだけ聞く事が可能となっている。また、ゲーム中では使われていない隠しボイスもある。
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ちなみに、あくまでも飯島氏のボイスは姫の掛け声程度がほとんどであり、大まかな会話まで喋るわけではない。やはりSFCのハード性能の件もあり、そこまで喋らすのは無理があった様だ。
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イベントシーンの少なさ
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飯島声をアピールしている割には、タレントゲーにありがちなイベントシーンはかなり少なく、あくまでもアクションゲームとしてのゲーム性を重視している節がある。ちなみに会話があるイベントはオープニングデモとクリア後のエンディングしかない(しかも短い)。
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ただ、「余計なイベントを挟まない分、ゲームに集中できる」もしくは「ただでさえプレイ時間が長いのに、イベントなんか挟まれたらだれる」という声もあり、必ずしもイベントが少ない事に問題があるわけではない。
総評
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見るからにアクションとは思えない同人っぽいパッケージの絵、不自然なまでに飯島氏をヨイショしているところ、そして地雷臭いタイトル名とワゴン行きになりやすい事から、クソゲー扱いされやすい傾向にある。
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飯島氏をアピールしすぎて影に隠れがちだが、パッケージ、説明書イラストは『プリンセスメーカーシリーズ』などで知られる大御所絵師、赤井孝美氏が担当している。
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しかし、ゲームとしては意外な程丁寧で愛のある作りであり、SFCアクションの中でも平均以上の出来を誇る。…はずなのだが、外見で大幅に損している不遇作なのが悲しいところ。
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ただ、プレイ時間がかなり長く、だれる部分が目についてしまった。良作ではあるが、惜しい出来であるのは確かである。