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【でもんげいず】
PCで『Generation XTH』や『円卓の生徒』などのDRPGを専門的に発売している会社「エクスペリエンス」と角川ゲームスが共同で発売した3DダンジョンRPG。
冥王オル・オーマが円卓の騎士エクス・ランドライトによって打倒され、世界に光が戻ってから数百年後。
竜王ペイデが治めるアルダの地から遥か西方、ミスリッドにて物語は始まる。
ミスリッドには数多くの迷宮が点在し、その深くに残された財宝を求めて多くの賞金稼ぎが足を運んでいたが、ある時を境に「デモン」と呼ばれる機械人形が出現し、各々が各迷宮を根城として暴れるようになっていた。
ミスリッドの都心と迷宮との中継点に居を構える宿屋「竜姫亭」。
竜姫亭もまた数多くの賞金稼ぎによって賑わっていたが、ある日ここに一人の青年が担ぎ込まれた。
その青年は記憶を失っていたが、携えた魔眼「デモンゲイズ」の力を管理人のフラン・ペンドールに見込まれ、デモンを狩るハンターとなることを決意する。
いつか己の謎が解き明かされるその日を信じて…。
オーソドックスな3DダンジョンRPG。いわゆる「Wizライクゲー」にあたる。
ダンジョンRPGとしては、「主人公ののみ半固定キャラ」「雑魚が装備品を落とさない」「ダンジョンから帰還するたびに宿代を払う必要が有る」といった点が特徴。
拠点となる宿屋であり、酒場に商店、浴場、地下倉庫等が同居している複合施設。
迷宮の近くには竜姫亭くらいしか落ち着ける場所が無い事もあり、冒険者達の寄り合い所として活気が絶えない。
+ | 竜姫亭のゆかいな仲間達 |
共に冒険の旅に出る仲間はかなり詳細にキャラクターメイキングが可能。
設定できる項目は「種族(全5種)」「クラス(全7種)」「名前」「性別」「外観」「ボイス」の6項目。このうち後者2つは浴場でいつでも変更可能。
本作には「神器」と呼ばれる装備品が存在しており、それを装備すると、本来そのキャラのクラスでは覚えられないスキルを習得できる。
神器は1キャラに付き5個まで装備可能で、そのクラスの代名詞と言うべき重要スキルまで神器として手に入る。様々な組み合わせを気軽に試せる。
円卓の生徒に存在した「トラップエンカウント」をブラッシュアップさせたシステム。
各ダンジョンに点在するシンボル「ジェムサークル」に「○○のジェム」をセットすることで戦闘が発生。セットしたジェムに応じて敵の強さやドロップ品が変化する。
各ダンジョンを統治しているボス敵のような存在。
最初は顔見せで登場して去っていくが、全てのジェムサークルを制圧して追い詰めると強力な「暴走」状態で主人公に襲いかかってくる。これを倒す事でダンジョンを制覇したことになり、さらに倒したデモンが仲間として加わる。
仲間に加わったデモンは探索・戦闘の両面で心強い手助けをしてくれる。
+ | デモン一覧 |
ユニークアイテムとは、「『強力な代わりに、1周につき1個しか手に入らない』という制限のある」アイテムのこと。
前述した神器はすべてユニークアイテムであり、装備品にも多数のユニークアイテムが用意されている。
余った装備品を地下室の「エーテル抽出機」にかけることで「エーテル」と呼ばれる資源を取り出し、それを消費して装備品の性能を強化することができる。 エーテル強化を行うことで武器なら攻撃力が、防具なら防御力が増加していく。その際アイテムの後ろに「+〇」といった数字が加算されていく。通常品は+10まで、ユニークアイテムなら+30まで強化可能。
今作ではダンジョンに潜る際、PlayStationNetworkに接続する事で他のユーザーが残したメモを共有することができる。
これが「ゲイザーメモ」システムである。他のゲームで例を挙げるなら、『デモンズソウル』の血文字システムが最も近いと思われる。
シナリオ本編をクリア後に出現する隠しボスを倒し条件を満たすと周回プレイに突入することができる。
シナリオ上の変化は無いが、大半の収集・育成要素は引継ぐ。また、ユニークアイテムの入手フラグがリセットされ、もう一個ずつ入手可能になる。
スタッフも「ここだけはいつもこだわっている」と自信気に語るだけはあり、プレイは非常に快適。
後述するいくつかの問題点はあるが、それを差し引いても1周目のバランスは非常に良い。
作曲担当者はチームラのゲームといえばこの人、の神保直明氏。
ところが、ディレクターの「マンネリを避けて新しいことに挑戦しましょう」という鶴の一声で、VOCALOIDを使うことが決定した。
これには神保氏も面食らったらしく、打ち合わせの帰りにボカロソフトをいくつか買っての研究が始まり、結果『IA(イア)-ARIA ON THE PLANETES-』(*2)が選ばれた。このIAの歌声が一部のBGM(戦闘曲や竜姫亭でのBGM等)で流れる。
各曲のクオリティの高さ等から、「これはこれでアリ」「聴いているうちに慣れた」とどちらかと言えば肯定的な評価が多いが、苦手な人は苦手。
+ | 参考動画 |
エロ・萌え要素はこれまでのチームラ作品に比べて格段に上がっており、悪く言えば露骨になっている。
もっとも、チームラは処女作の『WizXTH1』時代からして過激なネタ満載だったので、「何をいまさら」と一笑に伏す古参ファンもいた。
+ | シナリオのネタバレが含まれるため隠してあります |
バトルバランスは1周目本編の内は総じて良いのだが、クリア以降もやり込むとなると細かいアラが目につくようになる。
男性キャラの立ち絵を筆頭に、デッサンが狂った絵が全体的に多い。
発売前の萌え一辺倒の宣伝から出来が心配されたが、結局出てきたのは「いい意味でも悪い意味でもいつも通りのチームラ製ダンジョンRPG」であった。
細かい問題点は多々あるが全体的によくまとまっており、「胸を張って他人にオススメできるか?と言われればNoだが、合う人にはとことん合う良作」としてプレイ済みの人からは高評価を得ている作品である。