【でもんげいず】
ジャンル | RPG | |
対応機種 | PlayStation Vita | |
発売元 | 角川ゲームス | |
開発元 | エクスペリエンス(Team Muramasa) | |
発売日 | 2013年1月24日 | |
定価 |
パッケージ版:6,090円 DL版:5,040円 |
マイケルソフトから独立し、株式会社「エクスペリエンス」を設立した開発チーム「Team Muramasa(チームムラマサ)」。
PCで『Generation XTH』シリーズや『円卓の生徒』等を開発・発売した彼らに角川ゲームスから協業の呼び掛けがあり、それに賛同。
共同で「DRPG PROGLESSプロジェクト」を立ち上げ、過去作をコンシューマーハードに移植していった。
そして2013年1月、PSPの後継機であるPSVitaに新作をリリース。それが本作『デモンゲイズ』である。
遥か西方 呪われた地‐ミスリッド
迷宮深くに残された財宝
青年は生きるためにハンターとなる
失われた記憶と携えた魔眼(デモンゲイズ)の力
いつか己の謎が解き明かされる
その日を信じて…
(公式サイトより抜粋)
オーソドックスな3DダンジョンRPG。いわゆる「Wizライクゲー」にあたる。
内容的には、敵を倒してレベルを上げたり強い装備品を集めることが主目的の「ハックアンドスラッシュ」タイプに属する。
拠点となる宿屋であり、武器屋に道具屋、浴場(キャラグラフィック変更)、地下室(アイテム保管、装備品強化、死者蘇生、難易度変更)等が同居している複合施設。
主人公は種族とクラスは固定だが、共に冒険の旅に出る仲間はキャラクターメイキングが可能。
設定できる項目は「種族(全5種)」「クラス」「外観」「戦闘時に発する声」の4項目。このうち後者2つは浴場でいつでも変更可能。
クラス(職業は)全8種。ただし「デモンゲイザー」は主人公専用クラスなので、仲間が選択できるのは残り7つとなる。
本作には「神器」と呼ばれる「身に付けることで各クラスのスキルやスペルを覚えられる」アイテムが存在しており、
1人のキャラに最大5個までの神器を付けられる。神器は着脱が自由に行えるので、状況に応じてパーティに足りないところを補ったり、
長所をさらに伸ばしたりできる。
円卓の生徒に存在した「トラップエンカウント」をブラッシュアップさせたシステム。
各ダンジョンには「ジェムサークル」と呼ばれるポイントが存在しており、ここに「ジェム」と呼ばれるアイテムを捧げると敵が出現、
それを倒すことでジェムに対応したカテゴリのアイテムを必ず落とす。例えば「剣のジェム」を捧げればドロップアイテムに必ず剣が出現する。
各ダンジョンを統治しているボス敵のような存在。
ダンジョンのジェムサークルを制圧していくと一度顔見せで出現、この時は本気を出していないが、全てのジェムサークルを制圧すると
出現する「デモンサークル」では、追い詰められたデモンが本気を出した「暴走状態」となって襲いかかってくる。
暴走状態のデモン達はどれも非常に強力だが、彼らに勝利することで今度は味方として使役することができるようになる。
+ | デモン一覧 |
ユニークアイテムとは、「『強力な代わりに、1周につき1個しか手に入らない』という制限のある」アイテムのこと。
前述した神器や、装備品にも多数のユニークアイテムが用意されている。
ダンジョンで手に入れた武器防具。それらは売って家賃対策にするのが定石だが、地下室の「エーテル抽出機」にかけることで
「エーテル」と呼ばれる資源を取り出し、それを消費して性能を強化することができる。
今作ではダンジョンに潜る際、PlayStationNetworkに接続する事で他のユーザーが残したメモを共有することができる。
これが「ゲイザーメモ」システムである。他のゲームで例を挙げるなら、『デモンズソウル』の血文字システムが最も近いか。
単語や定義文の組み合わせでメモを残す形式となっており、ゲイザーメモを参照することで攻略サイト等を見なくてもある程度の情報収集が可能。
シナリオ本編をクリア後に出現する隠しボスを倒すと2周目に突入することができる。
シナリオ上の変化はないが、出現する敵のレベルがさらに上昇し、ユニークアイテムの入手フラグがリセットされてもう一度入手可能となる。
周回を重ねることで、「レベルカンストを目指す」「強力なユニークアイテムを複数所持」「限界まで強化されたアイテムを狙う」など、
気の済むまでキャラの育成が楽しめるようになっている。
スタッフも「ここだけはいつもこだわっている」と自信気に語るだけはあり、プレイは非常に快適。
後述するいくつかの問題点はあるが、それを差し引いても1周目のバランスは非常に良い。
作曲担当者はチームラのゲームといえばこの人、の神保直明氏。
ところが、ディレクターの「マンネリを避けて新しいことに挑戦しましょう」という鶴の一声で、VOCALOIDを使うことが決定した。
これには神保氏も面食らったらしく、打ち合わせの帰りにボカロソフトをいくつか買っての研究が始まった。
そうして選ばれたのは『IA(イア)-ARIA ON THE PLANETES-』(*8)。このIAの歌声が一部のBGM(戦闘曲や竜姫亭でのBGM等)で流れる。
歌う、といっても大半の曲では何と言っているか聞き取りにくく(*9)、各曲のクオリティ自体はいつも通り高いため(*10)、
「聞いているうちに慣れた」「サントラが出たら絶対買う!」という人も多い。
しかし合わない人には合わないので、どうしても賛否が分かれてしまうのは仕方のないところか。
+ | シナリオのネタバレが含まれるため隠してあります |
バトルバランスは1周目本編の内は総じて良いのだが、クリア以降もやり込むとなると細かいアラが目につくようになる。
発売前の萌え一辺倒の宣伝から出来が心配されたが、結局出てきたのは「いい意味でも悪い意味でもいつも通りのチームラ製ダンジョンRPG」であった。
細かい問題点は多々あるが全体的によくまとまっており、「胸を張って他人にオススメできるか?と言われればNoだが、合う人にはとことん合う良作」としてプレイ済みの人からは高い評価を得た作品。