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ドラゴンボール3 悟空伝 - (2017/06/07 (水) 09:13:25) の編集履歴(バックアップ)
本項目では、ファミコンソフト『ドラゴンボール3 悟空伝』(賛否両論・ゲームバランスが不安定)と、そのワンダースワンカラー移植版(判定なし)の紹介をしています。
ドラゴンボール3 悟空伝
【どらごんぼーるすりー ごくうでん】
ジャンル
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ロールプレイングゲーム
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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3MbitROMカートリッジ
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発売元
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バンダイ
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開発元
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トーセ (プログラム、サウンド) D&D (デザイン等)
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発売日
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1989年10月27日
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価格
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6,800円(税抜)
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判定
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賛否両論
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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成長システムに難あり ゲームバランス悪し それ以外は前作の正統進化として優秀
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ドラゴンボールゲームリンク
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概要
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前作『ドラゴンボール 大魔王復活』のシステムを引き継ぐカード式RPG。今回は悟空の少年時代~青年時代・マジュニア編までをかなりのボリュームで描いている。
ストーリー
だいたい原作通りの展開だが、兎人参化、ピラフ、レッドリボンなどはピッコロ大魔王の支配下であり、天下一武道会は廃止に追い込まれているという独自設定。
悟空の目的は、ドラゴンボールを集めて天下一武道会を復活させることであり、原作での初参加(21回大会)や2回目(22回大会)への参加はそれぞれ別の大会に設定変更されている。そして大人になってから参加する3回目(23回大会)が、ゲームでは復活させた天下一武道会への初参加となる。
システム
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カードシステム
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カードには攻撃用のドラゴンボール(星の数が1~7)・攻撃種類の漢字・防御力の漢数字の3つのステータスが存在する。
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マップでは選んだカードの星の数だけ移動、バトルでは双方とも1枚出して星の数で勝った側が攻撃できる。
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消費するたびカードは最大数まで補充される。
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成長システム
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レベルアップ時に5ポイントを獲得して「パワー」「タフネス」「スピード」「テクニック」の4種類の能力に自由にポイントを割り可能。
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それぞれのステータスの意味はおおまかに言えば以下の通り。
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スピード:雑魚戦の攻撃力・防御力に大きく影響
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パワー、テクニック:攻撃力に影響
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タフネス:防御力に影響
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レベルキャップがありシナリオ進行に応じてレベル上限が解放されていく。
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戦闘
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攻撃種類は、「拳」(パンチ)、「蹴」(キック)、「体」(体当たり)、「連」(連続攻撃)、「武」(武器攻撃)、「必」(必殺ポイントを消費して必殺技)、「特」(肘打ちや膝蹴りなどの特殊技、敵専用)、「術」(催眠術や忍術など術系技、敵専用)、「逃」(アイテムを使って作成、戦闘を終了する)がある。
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同じ攻撃でも、「連」が二連攻撃(係数6倍)だったり三連攻撃(係数7倍)だったりとランダム要素もある。たまにピッコロ大魔王を倒した時のような大猿エフェクトが入って威力アップすることもある。
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前半の途中から使えるようになる「武」(如意棒による武器攻撃)は、係数が20倍もあってかなり強い。スピードやタフネスが低いパラ振りでも、その分だけパワーとテクニックを振ったということなので、力押しで進める。「武」や「必」に期待する運頼み要素は増すが。
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なお、原作で如意棒はカリン塔に設置されるのを反映して、終盤は「武」を使えなくなる。
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ダメージを受ける側も、避けるor捌くor受けるの三種類の防御行動があり、受けるときはタフネスの防御効果が高く、避けるときはスピードの防御効果が高い。また、残像拳が出てノーダメージになることもある。
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ウィザードリィのような3Dダンジョンもあるが、結構かんたんな構造。
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ピッコロ大魔王の暗黒魔城はそこそこの大きさで迷うこともありマッピング推奨。マッピングしてみると構造に込められた意味が分かるという仕掛けにもなっている。
問題点
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成長システムによるゲームバランスの悪さ。
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「スピード」が雑魚戦(おまけの隠しボスも含む)の攻防共に大きく影響する為、スピード特化にすれば雑魚戦だけなら無双可能。
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ただしボス戦においてはスピードの影響が小さくなるため、雑魚で強いからとスピード特化の割り振りをしているとボス戦が非常につらくなる。
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逆にスピードを育てないと、他を上げた分ボス戦は楽になってもステータス固定の雑魚戦がつらくなる。
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次に「タフネス」が完全に罠ステータス。
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ボスは悟空のステータスを基準にステータスが設定される為、タフネスを上げると敵も固くなり、場合によってはまともにダメージが通らなくなる。
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かと言って全く上げないでいると時々雑魚相手から思わぬ大ダメージを受ける事がある。多少は上げた方がいい。
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結果として、数値固定の雑魚戦用に「スピード」をメイン、ボス用に「パワー」や「テクニック」を育てるのが無難。
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こんなややこしい設定の為、単純に育成が面倒になっているのに加え、説明書にもそれぞれ何に影響があるのか一切説明もない。
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「レベルポイントをスピード、パワー、テクニック、タフネスの4つの要素にそれぞれふり分けてゆくと、悟空はどんどん強くなる!」という一文のみ。
+
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ステータスの詳細
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解析によるとダメージ計算式は
[パワー+テクニック+カード星数] ×[攻撃方法による係数×大猿補正÷2]
÷ [(相手タフネス+相手カード漢数字) ×[防御方法による除算防御補正]
+[スピード] +[カード星数の差分]
- [(相手スピード+相手カード漢数字) ×防御方法による減算防御補正]
※防御方法による補正は、
ジャンプ回避だとどちらも等倍
構え行動は、タフネスによる除算防御に1.5倍補正、スピードによる減算防御に0.75倍補正
受け止め防御だと、タフネスによる除算防御に2倍補正、スピードによる減算防御に0.5倍補正
つまり悟空がジャンプ回避しないと、スピードによる防御力が減るため雑魚戦で被ダメージが大きくなる
※ボスは悟空のステータスが基準なので、ジャンプ回避だとスピードの攻撃力と防御力は相殺される。
それ以外の防御方法だと、悟空のスピードが高いほど与ダメージも被ダメージも大きくなる。
※パワーとテクニックに違いはなく、単純に合計値が計算に使われる。
※タフネスは少し振る程度なら雑魚戦で有利になるが、多く振っても割り算なので1ポイントによる差はどんどん少なくなるし、ボス戦では被ダメージが減っても与ダメージも減ってしまい長期戦になり必殺技ポイントがきつくなるデメリットがある。
ただし隠しボスは悟空より10高いステータスなので、悟空が受けるダメージの減少割合よりも、隠しボスが受けるダメージの減少割合の伸びが小さく、少しタフネスを上げたほうが有利に戦える。
(例えば漢字一のときタフネス3(初期値)をタフネス4に上げると敵パワー敵テクニック由来の被ダメージ分が8割になるが、÷14と÷15では大差ない)
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3Dマップの操作性の悪さ
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向き変更と前進をそれぞれコマンド指定する必要があるため、右方向に進みたい場合、一々「みぎをむく」「まえへすすむ」とコマンドを指定する必要がある。
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一部イベントの問題点
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イベントでダメージを受けることが多く、体力が減ってるとそのダメージでゲームオーバーになる危険がある。
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筋斗雲をもらうイベントで失敗してもらう子ガメラの方が便利。
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筋斗雲は必殺技に必要なポイントを消費するのに対して、子ガメラは体力消費なので回復しやすく気軽に使える。
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バグ・設定ミス
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説明書に載ってる必殺技がいくつか習得不可能
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データ上は存在しており、パスワード次第では入手済みの状態にもできる為、それで使う事は可能。
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フリーズバグ
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ピッコロ大魔王の暗黒魔城で、ピアノの部屋のニセ悟空を倒してまた部屋に入るとフリーズする。
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当時、サポートセンターは仕様と回答していた。
賛否両論点
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占いババのイベントで原作通りクリリンやヤムチャも一緒に戦えるが、活躍させる事が出来ない。
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イベント限定とはいえ二人を使えるのは嬉しい要素ではあるのだが、敵の能力値が大きく設定されている実質負けイベントになっている。相手が相手なので原作通りであるとも言えるのだが…。
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二人のステータスはゴクウがのステータスが基準になるので、ゴクウのステータスの割り振りとカードの引き次第では勝つのも不可能ではないが、勝っても原作通り負けたことになる。
評価点
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前作に引き続き、カード式ゲームとしての楽しみは健在
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単純に数字の多い方が勝つ子供にも分かりやすい戦闘システム。
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★1のカードでも相手が★7であれば勝てるなど、逆転要素も良い。
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戦闘演出も相変わらず
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紙芝居表現と漫画表現を合わせて上手くゲームに落とし込んでいる。
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安達春樹のBGMも評価が高い。
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マップBGMや戦闘BGM等、全体的に好評で印象に残りやすい曲も多い。
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イベントは原作再現を入れつつ、変更点も多い。
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前述の通り、筋斗雲の入手イベントではイベント失敗で代わりに子ガメラを入手する。
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隠しボスとしてラディッツ、そしてなんとアラレちゃんと戦えるというサプライズもあった。
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ラディッツはマジュニアを越える強さを誇り、原作のラディッツ初登場のような絶望感を味わうことができる。
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戦うときはチチと結婚するミニイベントをこなさないと、各能力に+50補正がかかってしまいほぼ倒すのは無理。原作から「悟飯がいないとラディッツがパワーダウンしない」という仕様にしたと考えられる。
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アラレちゃんに関してはラディッツほど強くない(それでもそこそこ強いが)。ただし防御はやや堅め。
総評
わかりづらく、育て方によっては詰みやすいゲームバランスを除けば、一部設定の改変があるとは言え流れ自体は原作に忠実であり、イベント・キャラクターも豊富。
前作の正統進化&拡張版として内容の質量は申し分なく、FCの中でもグラフィック、BGMは評価が高く、「ドラゴンボール」のゲームとしてまず名を上げるオールドファンは少なくない。
ドラゴンボール(ワンダースワン)
【どらごんぼーる】
ジャンル
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ロールプレイングゲーム
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対応機種
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ワンダースワンカラー(スワンクリスタル対応)
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メディア
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16MbitROMカートリッジ
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発売元
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バンダイ
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開発元
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トーセ
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発売日
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2003年11月20日
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価格
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3,980円(税抜)
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判定
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なし
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ポイント
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原作の問題点だったゲームバランス面が改善 ただし理不尽なダメージイベントはそのまま セーブがパスワード制なのもそのまま
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概要(WS)
上記ソフトのワンダースワンカラーリメイク版。(紹介ページ)
変更点(WS)
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一部敵キャラクターの名称変更。
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一例ではターミネーター(FC)→アサシン(WS)、ゾンビリカント(FC)→毒リカント(WS)など。また一部の敵はFC版とカラーリングが異なっている。
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ゲームバランスの調整
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純粋な難易度調整の他、ゲームオーバーが無くなり、全ての回復アイテムとお助けカードを失う代わりにその場で復活するようになった。
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戦闘中にお助けカード以外の回復アイテムカードが使用可能になった。
評価点(WS)
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ゲームバランスのマイルド調整
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一番の改善点だろう。これでかなり遊びやすくなった。
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原作イベントの強化
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FC版で端折られすぎていたピラフ関連のイベントは非常に原作に忠実でファンならニヤリとする内容。
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マッスルタワークリア後にアラレちゃんを操作してボスを追いかけるだけのエリアを追加。
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桃白白がカリン塔に襲来するようになった。
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追加キャラクターとしてシェンと匿名希望(第23回天下一武道会に参加した時のチチ)が登場。
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戦闘演出の強化
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一部の必殺技にカットインが入るようになった。
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カットインは原作のコマ絵そのものであり、原作と照らし合わせるのも面白い。
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悟空やクリリンといった主要キャラ以外にも、ミイラくんやブルー将軍などにもしっかりとカットインが用意されている。
賛否両論点(WS)
一部イベントの変化
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亀仙人にパンティ探しを頼まれるイベントでパンティのお礼が乗り物からドラゴンボールへ変更された。
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原作に寄せる一環なのか、子ガメラと筋斗雲の二択はなくなり、乗り物は筋斗雲のみになった。
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この変更でパンティ探しが地味に面倒になっており、ギャルのパンティを当てない限り延々とカメハウス→パンティエリアをマラソンさせられるハメになった。
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また、前述の通り使い勝手の面で子ガメラに分があったため、移動手段が少々不便になった。
ただしWS版ではWPの回復は容易になっている(WP回復手段の極意書がアイテムカード扱いになり携帯可能にされている)のでFC版ほど使いづらくはなく、移動手段としては十分使えるようになった。
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3Dダンジョンエリアの追加
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元々好みの分かれていた要素だけに、増えた事にも意見は分かれる。
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ちなみに追加されたのはピラフ城とレッドリボン軍本部の2箇所。ピラフ城のダンジョンは実質イベント扱いであるが。
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ADVパートの理不尽なダメージイベントはそのまま。
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それも含めてゲームバランスである為、そのままでいいという原作ファンもいる。
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隠しボス関係の変化
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隠しボスのラディッツは削除された。
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その代わりかアラレちゃんが強化され、必殺技「んちゃ砲」が255ダメージ固定で即死(残像拳で回避不可)というトンデモ性能に変化。
問題点(WS)
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この時代にパスワード制をそのまま採用
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いくらFC版のリメイクとはいえ、この時代、何かしらのセーブシステムの採用や中断機能の追加が行われるのが普通であり、パスワードのみというのは非常に不便。しかもFC版より字数が増えている。
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一応、ワンダースワン本体の一時保存機能があるにはあるが…。
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加えてパスワードシステム自体、メモを取る必要等から携帯機との相性は良くない。
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一部イベントは相変わらず原作と展開が異なる
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全体的に原作に近づけている中、うらないババの館の戦闘では、ヤムチャやクリリンでミイラくんやアックマンはおろか達人すら撃破可能。
総評(WS)
元々のゲーム自体人気があり、各種問題点が改善された事でキャラゲーとしての完成度を上げたレベルの高い作品である。
とはいえ、パスワード制をそのまま引き継いだり、相変わらずの運ゲーが人を選んだりと、どうにも残念な面も残ってしまった。
ハード末期のソフトということもあってプレミア価格がついており、入手は困難である。