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SIMPLE2000シリーズ Vol.113 THE 大量地獄 - (2014/11/13 (木) 00:14:48) の編集履歴(バックアップ)


SIMPLE2000シリーズ Vol.113 THE 大量地獄

【しんぷるにせんしりーず ぼりゅーむひゃくじゅうさん ざ たいりょうじごく】

ジャンル パニックアクション
対応機種 プレイステーション2
メディア CD-ROM 1枚
発売元 D3パブリッシャー
開発元 タムソフト
発売日 2007年2月22日
定価 2,000円(税抜)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
分類 賛否両論
ポイント 人を選ぶ度合い120%
D3ご乱心
ホラー?パニック?バカ?…どれとも言い難い
SIMPLEシリーズリンク

WARNING!!!!!!!
このゲームには生理的嫌悪感を催す表現が含まれています。
生理的に「怖い」「気持ち悪い」生物が、画面を大量に覆い尽くすゲームです。


概要

ナンバリングで分かるとおりのSIMPLE2000シリーズ末期作(全123作)。この時期のD3の暴走ぶりを象徴する作品。
パッケージとタイトルを見て「ひょっとしてああいうゲームなのか?」と思って手に取り、パッケージ裏を見て「やっぱりそういうゲームなのか」と思いそっと棚に戻すようなゲーム、それが本作である。
端的に説明すると、画面を埋め尽くすような数で迫り来る アレ 相手に女子高生を操り逃げ回るという内容である。
※この時点で嫌な予感を覚えた人はこの先は読まないことをオススメします。

ストーリー

私立エリソン学園の2年生、水咲エリカは携帯電話を忘れて深夜の学校にやってくる。
しかし、携帯は見つからず、不思議な鏡に触れた途端エリカは見知らぬ森に飛ばされてしまう。
果たしてエリカはこの恐怖の地獄をかいくぐり、携帯電話を取り戻せるのであろうか…?

システム

  • とにかく、大量に敵としてわき出てくる(正しくは設置されている)「蟲共」をかわしつつ、先に進む。基本はそれだけである。
    • ステージは森、下水道、古城、昭和風の無人の町と、不気味極まりないものが揃っている。下記の蟲共が犇めくこれらステージを進んでいくのである。
    • ステージの最後には巨大なボスが待ち構えている。ザコの蟲とは違い、直接攻撃でダメージを与えて倒さなければならない。
  • 主人公の取れる行動はジャンプ、武器による攻撃、気絶した蟲を持ち上げて投げる、しゃがみ移動、である。
    • しゃがみ移動は飛び回る蟲を回避する際に、ジャンプは段差を越えたり飛び降りる用途ではなく蟲を踏み付ける際に使用*1
    • 蟲はジャンプして踏みつけたり各種アイテムを使って気絶させることができる。
      • 気絶させただけではしばらく経つと復活するが、持ち上げて投げることで完全に倒すことが出来る。
      • ボス戦では蟲を投げて攻撃する事も。
  • 蟲にまとわりつかれると、画面上に「ぞわぞわ」の文字が表示され、これが画面左端から右端まで到達すると、ゲームオーバーになる。
    • まとわりつかれている間は動けない。レバガチャで振り払える。
      • ぞわぞわの文字はアイテムで回復できるほか、放置しておくと自然に回復する。
  • 基本的にはアイテムには使用回数制限があり、一定回数使用すると壊れる。
    • 消耗品系はもちろん一回使うだけで消失する。
  • ジャンプ、ダッシュなどのアクションにはスタミナを消費し、尽きると少しの間身動きが取れなくなる。
    • こちらも時間経過で回復する。

批評点

  • 徹底的にプレイヤーの嫌悪感をあおってくるゲームデザイン
    • 本作最大の評価点にして問題点。あらゆる要素が結託してプレイヤーを嫌がらせようとしてくる。
      • 蟲どもの動きは無駄にリアル。動く際の効果音が種類ごとに違ったりする。ヒル系の敵が落ちてくる際の「ベチャァ…」という音も非常に嫌らしい。
      • そして蟲にまとわりつかれると主人公が「いぃ~やぁ~!」と叫びつつ悶える。そして画面上には「ぞわぞわぞわぞわぞぞぞぞぞ…」と表示されプレイヤーも悶えたくなる。
+ 主人公に襲い来る蟲共(名前を見ただけで気分が悪くなる人は見ないで下さい)
  • 人類の永遠の天敵ゴキブリを筆頭に、蜂、カマキリ、毛虫、カマドウマ(便所コオロギ)、蛾などなど。
    • ムカデ、ダンゴムシ、蜘蛛といった節足動物ももちろん登場。
    • 蟲以外にもドブネズミ、カエルなど言った生物も登場。やはり気持ち悪い事に変わりはない…。
    • 後述のステージ4には目玉、手首、人形なども。最早物の怪の類である
      • このメンツを見れば分かるように、「一匹、出ただけでも嫌」な生物が厳選されている。
  • ステージ4の不気味さが際立っている。
    • 誰もいない昭和風の街並みをもの悲しいBGMが響く中、大量の蟲達をかいくぐりつつ女子高生が探索する…。異常などというレベルではない。
  • 妙に主人公が強すぎる。一応「無力な女子高生」という設定でありながら、バットやゴルフクラブを手に蟲をなぎ倒したりバカでかい蟲を平気で踏み潰すのは不自然である。しかも気絶した蟲を素手で持ち上げて投げると言う…。
    • というか携帯電話一つのために蟲だらけの見知らぬ場所を駆け巡るアグレッシブさは、どう見ても普通の女子高生ではない。そもそもボス(バカでかい化け物)に果敢に立ち向かい、打ち倒す女子高生って一体…。
    • 蟲達は別に主人公を殺そうと「刺す」「噛み付く」などの殺傷攻撃を繰り出して来る訳ではなく、ただまとわりついて来るだけである。どちらにしても嫌だが…。
  • 終盤になるほどステージの構造が単調になってくる。
    • 序盤のステージは5~6のエリアにまたがっているのに対し、ステージ4はたった2エリアでボス戦。最終ステージに至っては階段を往復するだけで目的が達成できる。
    • 「まとわりつかれる→振りほどく」だけで殆どクリア出来てしまう、とシステム面からして批判されるケースもある。
  • ボス戦が単純。
    • 基本的には「相手が出してくる雑魚敵を弾いて本体に当てる」の繰り返し。特にステージ3など、ゴルフクラブを振り回しているだけで簡単に勝てる。
    • しかしステージ4だけは例外でかなり難易度が高い。理由は、雑魚が基本無敵で出現直後以外倒して弾にできないため。
      • とあるアイテムを入手していると楽になるが、ノーヒント。とはいえくまなく探していれば見つかる物ではあるが…。
  • マルチエンド式だが、分岐条件がわかりにくい。
    • 「入手した手紙の数」「殺した蟲の数」が分岐条件。蟲を殺すには殴ったり振り払っただけではダメで、投げないといけないのだがわかりにくい。
      • BADENDはまさしくタイトルそのもの
  • クリアすると、主人公の服装と出身地を選べるようになる
    • 服装は本来の制服の他、バニーガールとメイドが選べる。無駄な萌え要素がステキ。しかも色も選べる。
      • バニーガールだとジャンプの飛距離が伸びると言った無駄なメリットも。
    • 出身地を変えると主人公が方言をしゃべり出す。誰得。
      • このために、主人公の掛け声などを含めた全ボイスを全方言パターンで録った模様。なんという無駄な努力…
      • 「京都」「青森」「沖縄」といったベタなものの他に、謎な「帰国子女」なども含まれる。

総評

 『バイオハザードシリーズ』のような「常識の埒外の存在が襲い来る恐怖」でもなく、『零シリーズ』のような「しっとりと絡みつくような恐怖」でもない、「そんなに難しく考えなくても人間これだけで恐がれるんだよ」となれなれしく肩を叩いてくるような独自の方向性が光る一作。
 ある意味「ホラー」でも「パニック」でもない「嫌ゲー」という新天地を開拓した作品とも言えるだろう。…誰もそんなところには住まなかったが
 ゲーム性に関しては微妙なところだが、「方言で喋る女子高生が蟲に襲われて悶える光景に興奮する」という極めてニッチなフェチズムには対応している。

余談

  • ニコニコ動画では『地球防衛軍シリーズ』に次いでSIMPLEシリーズでは人気作。ゲームコンセプト上、実況プレイとの相性が良いみたいだ。
  • THE 歯医者さん』にて、本作の主人公・水咲エリカは『ラブ★』シリーズなどに登場する水咲麗子の妹であると明言された。
    • 同作に患者のひとりとしてゲスト出演している。パッケージに半泣きの女の子が描かれているが、この女の子がエリカ。
      • というか、3Dと2Dの差もあるとは言え、タッチが違いすぎてぶっちゃけ言われなければ気付かないレベルで似てない
      • 急に方言を話し始めたり、エリカと「ぞわぞわぞわぞわ」が描かれた壁紙が用意されていたりと本作のネタもある。
    • 因みに『THE 水泳大会』にも、麗子の双子の妹という設定の「水咲響子」なるキャラが登場していたが…そちらとの関係は特に触れられず。それどころか響子の家族は「母と姉」としか書かれていなかったので、恐らくエリカも妹だというのは後付けなのだろう。
    • 本作の作中、エリカの携帯の着メロとして妙に軽快な音楽が流れるが、これはゲーム『ラブ★ピンポン』でメニュー画面に使われていた曲である。
  • 公式サイトでミニゲームが遊べるのだが、その内容が「エリカの頭部を操って群がる蟲から一定時間逃げ続ける」という本編に負けず劣らずの気色悪いものになっている。
  • 『お姉チャンバラSPECIAL』に、本作に因んだ小ネタが登場している。