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パズルボブル - (2019/08/30 (金) 00:01:13) の編集履歴(バックアップ)


パズルボブル

【ぱずるぼぶる】

ジャンル パズル
対応機種 アーケード(Taito B-system、MVS)
販売・開発元 タイトー
稼働開始日 1994年
配信 アケアカNEOGEO
【Switch/PS4/One】2018年12月20日
【Switch/PS4】823円(税8%込)
【One】840円(税8%込)
判定 良作


概要

タイトーがかつて製作したアクションゲーム『バブルボブル』のキャラクターを利用したパズルゲーム。タイトルも同作のパロディである。
パズルと言えば『テトリス』や『ぷよぷよ』等の落ち物が主流であった当時において、パズルにシューティングの要素を合わせる事でそれとは正反対のゲーム性を打ち出した*1


基本システム

  • 画面の上部に「バブル」と呼ばれる球体状の物体が集まっており、それを全て消す事が目的となる。
    • バブルは同色のものが3つ以上繋がると消滅する。また、上方のバブルを消滅させて支えを失ったバブルは落下して全て消滅させられる。
  • 画面下部中央にバブルの発射台があり、そこから上部に向かって一定の角度内でバブルを撃つことができる。
    • 放たれたバブルは他のバブルや天井、障害物に触れるとそれらにくっつく形で停止する。ただし、画面の左右にある壁にぶつかった場合は反射する。
    • これから撃つバブルだけでなく、次に撃つバブルが「NEXTバブル」として1つ表示されるようになっている。
      1Pモードでは面ごとに、NEXTバブルを含め画面に残っていない色は以後出現しなくなる。色を使いきることも作戦である。
  • 発射台のすぐ上に1本のラインが引かれており、積まれたバブルがそれを超えてしまうとゲームオーバー。
    • バブル1発の発射にも時間制限があり、更にラウンドクリアが長引くと天井がどんどん下がってくる。
  • 一度に消滅させたり落下したバブルが多いと高得点*2になり、対戦でも相手に多くバブルを送ることができる。
  • ラウンド1は反射角度がわかるようガイドラインがひかれているが、次のラウンド以降はコンティニュー直後のラウンドを除いてガイドラインが無くなり、プレイヤーの射撃能力が問われるようになる。

評価点

  • 登場キャラクターは『バブルボブル』及び『ちゃっくんぽっぷ』からの流用だが、元々外見が可愛らしいものだったので見た目で敬遠されるようなことが少なく、女性受けも良かった。
    • 続編ではその作品毎にオリジナルキャラも多く登場するようになったが、どの作品でも細かなドット絵による、非常にオーバーリアクションで可愛らしいアニメーションを見せてくれる。
    • 主人公のバブルンは皮肉にも本作のヒットを皮切りに、『ちゃっくんぽっぷ』の主人公「ちゃっくん」が勤めていたタイトーのマスコットキャラクターの座に就き、各所で露出を増やす事となる。
      • 2000年代後半以降はコーポレートロゴに『スペースインベーダー』の「20点インベーダー(カニ)」が採用されたが、バブルンも着ぐるみが新造され、現在も各イベントで活躍し続けている。
  • 単純でありながら爽快感も兼ね揃えたゲーム性
    • 『4』以前の作品では連鎖システムは一切無く、ただ単純に「出来るかぎり根元を狙撃し、バブルを切り離す」と言うのがコツとなる単純ルールで、プレイヤー層を更に広げた。
      • 危機的状況などで大量のバブルを一気に崩せた際には爽快感をも得られる。この点は連鎖が導入された『4』以降も変わらない良点である。
  • ZUNTATAによる評価の高いBGM
    • 第1作目ではKaru.こと海野和子と、Yaskoこと山田靖子が担当。両女史が作曲した『パオパオ島へ行こう!』『4月の森』は殆どの作品でアレンジされ使用されている。
      それ以外のBGMも上記の2曲ほどではないがその殆どが後の作品でアレンジ・使用された程、「第1作目のBGM全てがシリーズのテーマ曲」と言える扱いを受けている。
    • 続編でのメインコンポーザーは作品ごとに異なる*3が、大半の作品で登場キャラクター達と同様のポップな曲調で統一されており、クオリティや評価は何れも高い。

問題点

  • パズルの皮をかぶった狙撃型STG
    • 本作で要求されるのは「狙った隙間にバブルを正確に打ち込む技術」であり、パズルが得意と言う理由で始めた所でクリアは困難。
    • 一発の反射角の読み違い・隙間への入れ損ないが命取りになりやすく、正確な射撃技術が求められる。そのため、難易度はかなり高いと言える。
      • ラウンドによっては、中央一直線に多くのバブルが積み上がっており、上部の数少ない支柱を狙い撃ちにできれば楽といった極端な例もある。

総評

パズルゲームの新たな方向性を開拓すると同時に、とっつきやすさ・性別を問わず楽しめるデザインを両立させた傑作。
シューティングという全く異なるジャンルを取り入れた事による弊害はあれど、それに対する配慮も忘れておらず、きちんと上達が目に見えるのも間口の広さを後押しする事となった。

MVSによる元々の普及性の高さ、NESiCAxLiveによる配信など、現在でも気軽に楽しめる環境は多くある。
ちょっとした空き時間でも充分楽しめる、パズルゲームの鑑とも言える作品であろう。


続編

本シリーズは第1作目が出てから第5作目まで1年に1作と言えるほど、とても早い間隔でリリースされていた。

  • パズルボブル2(1995年)
    • 第1作目のヒットを受けてか、たった1年で続編が登場。使用基板がF3システムに切り替わったということもあり、グラフィック・サウンド・内容共に進化がなされた。
      システム的には前作の1人プレイである「1人でパズル」と2人対戦である「2人で対戦」に分割され、新たに1人プレイでの対CPU戦となる「1人で対戦」が追加された。
      同年にはクリスマス・正月仕様のアドバタイズデモや高難度モード「X」の追加、パズルモードのステージを拡充したマイナーチェンジ版『X』もリリースされている。
      • 対戦モードでは使用するキャラクターにより、バブルを大量消去した際に相手の陣地に送り込むバブルの種類に違いがある。
    • メインコンポーザーは古川典裕氏が担当。シリーズの中でも明るく爽やかな曲が多く、中には同氏が作曲を担当した未発売ゲーム『ついんくいっくす』のものも。
      • また、バブルンとボブルンにボイス(「パヤンパー!」など、セリフの大半は架空の言語)がついたのもこの作品から。
    • 1999年には海外市場で前作と同様のMVS版もリリースされた。基板の違いからかBGMはストリーム再生となり、「2人で対戦」も削除されている等、劣化版の印象が強い。
  • パズルボブル3(1996年)
    • タイトーがリリースした架空のゲーム(+実在する本作と『ソニックブラストマン?』)の主人公達とのパズル対決、という設定でリリースされた第3作目。
      新システムとして「バブルが天井でも反射する要素」「通常時はお邪魔バブルだが、隣でバブルが消えるとその色のバブルに変化する『レインボーバブル』」が追加。
      • 前者は今までだと「無駄撃ち(ミス)」だったものが天井でも反射する事で戦略性が増し…と思わせて、ミスする要素が格段に減り、難易度の低下を招いた。
        リリース前のゲーム雑誌から既に「簡単になるのでは?」の指摘があったが発売、『2』から一人当たりのプレイ時間がかなり伸びてしまう事態になった*4
    • 本作のみバブルンを含めた全体的なキャラクターデザインも他の作品とは全く異なっており、ストーリーモードの設定も併せて異色性が強めな作品だろうか。
      • ただし、瓜田幸治氏によるBGMは新曲は前作とは違った雰囲気ながら『パズルボブル』シリーズらしいポップな曲調で、第1作目のアレンジBGMも多い。
  • パズルボブル4(1998年)
    • 何者かに奪われた世界の朝を取り戻せる力を持つ「虹バブル」を巡り、バブルン達の住む世界中の人々とパズル対決、という設定でリリースされた第4作目。
      新システムとしてパズルモードでは「くっついているバブルの量により2段ずつ動く『滑車』」が追加、ラインに接触してゲームオーバーの可能性が上がった。
      一方で対戦モードでは「連鎖システム」が追加、「バブルを消した際に他の色のバブルがついていた」かつ「他の色のバブルが通れる余白がある」と発動する。
    • 堀内理美子女史が担当したBGMは従来の作品とは異なる、クラシック調や落ち着いたものが多いが、キャラクターデザインは『2』のものへ回帰している。
    • 後に発売された移植版ではほぼ全てのキャラクターにプロの声優が起用*5され、ストーリーデモはフルボイスとなった*6
  • スーパーパズルボブル(1999年)
    • プレイステーション互換基板のG-NETでリリースされた、シリーズ第5作目かつタイトー自らがリリースしたアーケード版のパズルボブル最終作。
      新システムで「対戦モードでの連鎖の有無選択」「パートナーシステム*7」「チビ/デカバブル*8」「ダンパー*9」「2人でパズルモード」が追加。
      • また、「2人で対戦」では中央の仕切りが無くなり、妨害が行いやすくなった。
    • 後にプレイステーション2・ゲームボーイアドバンス・ゲームキューブで発売された同名のタイトルは全く別の作品であるので要注意。

余談

  • 海外版は諸事情で『Bust-a-Move』のタイトルに変更されて発売されていた。
    • この影響を受け、日本で『バスト ア ムーブ』シリーズとして知られるエニックスの同名ソフトは海外では『Bust a Groove』にタイトル変更されている。
  • 実は本作のAC版は2種類の基板でリリースされている。最初は自社基板であるタイトーBシステム版*10が先に出て、その約半年後にMVS(ネオジオ)版が出たという経緯がある。
    しかし、出回り自体は後者のほうが多かったことからむしろ前者の存在自体が忘れられている。もっとも、プレイヤーに基板の違いは何も関係ないが。
    • 『2』も自社のF3システム基板でリリースされたものとMVS版が存在しており、こちらは逆に後者の存在を知らない人が多い。
  • 概要で述べた通り、登場するキャラクター達は同社人気アクションゲーム『バブルボブル』からの出演で、メインキャラはバブルンとなっている。
    • ついでに言えば、「バブルに閉じ込められた敵キャラクター」「バブルを崩す事で中にいた敵がやられる」といった演出面もほぼそのまま引き継いでいる。
    • 本作があまりに有名になりすぎた影響で、「バブルンは『パズルボブル』が初出」という誤解も多く見られ、派生作品の方が元の作品を食うほどの知名度を得た作品の1つと言える。
      事実、アーケードゲーム各ジャンルのキャラが対戦するという設定の『3』では、同社のパズルゲーム『フリップル』を差し置いてパズルゲームの代表キャラとして扱われている。
  • 本作は続編・ライセンス品含めて10作以上も登場しているが、いずれもごく基本的なルールは変わっていない。
    • かなり積極的にライセンスアウトしている模様で、古くは同じMVS版でもライセンス品*11や、近年では携帯端末やニコニコ動画版など、プレイ方法の多彩さは豊富。
      純正ライセンス品として見ても他の追随を許さず、中には『サイキックフォース パズル大戦』『あずまんが大王パズルボブル』のようなキャラゲー作品もある。
      • 海外では違法コピーされて、キャラクターを変えてさもオリジナルゲームの様にした物や、背景をヌードの金髪女性画像にしてアダルトなゲームにされた物もある*12
  • 後にパズルボブルの「ちぎって落とす」要素にブロック崩しの要素をミックスさせた『プチカラット』、パズルボブルの「まとめて消す」要素を発展させた『ランドメーカー』が同じくタイトーからリリースされている。
  • このゲームの隠れた利点として「入力デバイスを選ばない」という単純操作が挙げられる。
    • 左右の方向/角度指定と1ボタンさえできればプレイ可能なので、ジョイスティックや十字キーはもちろんのことキーボードやタッチパネルでも問題なくゲームを楽しめるようになっている。
    • 多数のプラットフォームに移植されていることからも、単純で分かりやすいゲーム性と優れた操作性を両立させた稀有なゲームである。